特開2021-115916(P2021-115916A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイハツ工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2021115916-電動車両 図000003
  • 特開2021115916-電動車両 図000004
  • 特開2021115916-電動車両 図000005
  • 特開2021115916-電動車両 図000006
  • 特開2021115916-電動車両 図000007
  • 特開2021115916-電動車両 図000008
  • 特開2021115916-電動車両 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-115916(P2021-115916A)
(43)【公開日】2021年8月10日
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/00 20060101AFI20210712BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20210712BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20210712BHJP
【FI】
   B60K1/00
   B60K1/04 Z
   B62D25/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-9190(P2020-9190)
(22)【出願日】2020年1月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】松竹 圭一朗
(72)【発明者】
【氏名】山野井 隆行
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA03
3D203AA31
3D203BA06
3D203BB04
3D203BB22
3D203CA23
3D203CA25
3D203CA28
3D235AA01
3D235BB06
3D235BB17
3D235CC12
3D235CC15
3D235DD11
3D235DD19
3D235DD35
3D235DD37
3D235FF06
3D235FF07
3D235FF12
3D235FF37
3D235FF43
3D235HH02
3D235HH21
3D235HH52
(57)【要約】
【課題】PCU等の電子機器と駆動用のモータ等とを接続する高電圧ケーブル等の余長を確保できる電動車両を提供する。また、電子機器を収容するスペースを確保し、衝突時に電子機器を保護できると共に駆動用バッテリーの収容スペースを確保できる電動車両を提供する。
【解決手段】電動車両1は、車室14のフロア面を形成するフロア部13と、車室14の両側に形成された一対のサイドメンバ10L,10Rと、フロア部13の下方において、サイドメンバ10L,10Rと交差する方向に形成された第1クロスメンバ11a及び第2クロスメンバ11bとを有している。また、電動車両1は、第1電子機器56が、第1クロスメンバ11aに固定されるものであり、第1電子機器56が、ブラケット26を介して上下に積み重ねるように配置されて構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子機器を車両に搭載する電動車両であって、
前記車両は、車室のフロア面を形成するフロア部と、
前記車室の両側に形成された一対のサイドメンバと、
前記フロア部の下方において、前記サイドメンバと交差する方向に形成された少なくとも一つのクロスメンバとを有し
前記電子機器は、前記クロスメンバに固定され、ブラケットを介して上下に積み重ねるように配置されることを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記電子機器は、
前記クロスメンバに固定され、前記ブラケットを介して上下に積み重ねるように配置される複数の第1電子機器と、
前記第1電子機器とは異なる位置に配置される第2電子機器とを有し、
前記第2電子機器の配線が、前記ブラケット間を通るように配索されることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
モータ又はトランスアクスルに隣接して配置される電子機器を有し、
当該電子機器のうち、パワーコントロールユニットを前記モータ又はトランスアクスルよりも上方に位置させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力により発生する回転動力を駆動輪に伝達して走行する電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワンボックスカーと称される車両等においては、例えば、エンジンの上方に前席(運転席及び助手席)を配置した、いわゆるキャブオーバ構造を採用することにより、限られた外形寸法の中で室内空間を最大限に確保する工夫がなされている。前記ワンボックスカーは、室内空間を最大限に確保すべく、車室の床面を形成するフロアパネルが前席の下方で嵩上げされている。
【0003】
最近では、二酸化炭素の排出量の低減等の環境対策のため、電動車両が増加しつつある。しかしながら、電動車両は、エンジンを有しない代わりに駆動用のモータ及び駆動用のバッテリーを有し、さらに、これらを制御するパワーコントロールユニット(PCUとも称する)等の電子機器も有している。また、上述のバッテリーは、実用に耐えうる電力を充放電可能とするために、大容量化が図られている。このため、電動車両は、エンジン車よりも大きな収容スペースを要する場合があった。そこで、電動車両において、電子機器やバッテリーの収容スペースを確保しつつ、低床化とフラットフロア化が図られた電気自動車が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019−73222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1では、ワンボックスタイプの車両の低床化とフラットフロア化が図られているものの、PCU、DC/DCコンバータ、車載充電器(オンボードチャージャー又はOBCとも称する)等の電子機器が、平坦に配置されている。
【0006】
ところで、電動車両は、上述のような電子機器とバッテリーや駆動用のモータとを接続する高電圧ケーブルを有している。前記高電圧ケーブルは、高電圧に耐え得るように比較的太くて、曲げ剛性の高いケーブルが使用されている。しかしながら、特許文献1の電動車両は、電子機器とモータ及びバッテリーが隣接配置されており、高電圧ケーブルの余長が確保しにくい問題がある。そのため、高電圧ケーブルの接続にあたり、ケーブルを曲げることが困難になるなど、配索の制約が生じていた。また、電子機器を平積みに配置した場合、車両側方に設けられるサイドメンバとのスペースを確保することが困難である。そのため、側方への衝突時にサイドメンバが、電子機器側に侵入し、電子機器とサイドメンバとが、干渉する問題があった。また、電子機器を平積みに配置した場合、電子機器の収容スペースを広く必要とするので、駆動用のバッテリーの収容スペースが少なくなる問題がある。そのため、電費が悪くなる問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、PCU等の電子機器と駆動用のモータ等とを接続する高電圧ケーブル等の余長を確保できる電動車両を提供することを目的とする。また、本発明は、電子機器を収容するスペースを確保し、衝突時に電子機器を保護できると共に駆動用バッテリーの収容スペースを確保できる電動車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電動車両は、複数の電子機器を車両に搭載する電動車両であって、前記車両が、車室のフロア面を形成するフロア部と、前記車室の両側に形成された一対のサイドメンバと、前記フロア部の下方において、前記サイドメンバと交差する方向に形成された少なくとも一つのクロスメンバとを有し、前記電子機器が、前記クロスメンバに固定されるものであり、前記電子機器が、ブラケットを介して上下に積み重ねるように配置されることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の電動車両は、車室のフロア面を形成するフロア部と、前記車室の両側に形成された一対のサイドメンバと、前記フロア部の下方において、前記サイドメンバと交差する方向に形成された少なくとも一つのクロスメンバとを有し、前記電子機器が、前記クロスメンバに固定されるものである。これにより、電子機器がサイドメンバによって側方からの衝突に対して保護される。また、電子機器がクロスメンバに固定されるので、前後方向への衝突に対して電子機器がクロスメンバによって保護される。また、本発明の電子機器が、ブラケットを介して上下に積み重ねるように配置されるので、電子機器の収容スペースが確保できる。また、上下方向に高電圧ケーブル等のケーブルの余長が確保できる。これにより、高電圧ケーブルの配線の制約が解消できる。また、例えばワンボックスタイプの車両のように前部座席下に上下方向の空間を有する車両においては、当該空間を利用して、電子機器を収納することができ、デッドスペースを低減することができる。
【0010】
(2)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電動車両は、電子機器が、前記クロスメンバに固定され、前記ブラケットを介して上下に積み重ねるように配置される複数の第1電子機器と、前記第1電子機器とは異なる位置に配置される第2電子機器とを有し、前記第2電子機器の配線が、前記ブラケット間を通るようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の電動車両は、電子機器が、前記クロスメンバに固定され、前記ブラケットを介して上下に積み重ねるように配置される複数の第1電子機器を有している。これにより、例えば、PCU、DC/DCコンバータ、オンボードチャージャー(車載充電器又はOBCとも称する)等の第1電子機器が、ブラケットを介して上下に積み重ねて配置されるので、第1電子機器が上方側に集約して収納される。また、第1電子機器に配線される高電圧ケーブル等のケーブルの余長が確保できる。また、例えばワンボックスタイプの車両のように前部座席下に上下方向の空間を有する車両においては、当該空間を利用して、電子機器を収納することができ、デッドスペースを低減することができる。
【0012】
また、本発明の電動車両は、前記第1電子機器とは異なる位置に配置される第2電子機器を有しており、第2電子機器の配線が、ブラケット間を通るものとされている。ここで、第2電子機器は、例えば、バキュームポンプや電動エアコンプレッサ等の電子機器であり、上述した第1電子機器と異なる位置に配置されるものである。従って、第2電子機器と接続される例えば12V電源等の低電力用ケーブルを、ブラケット間に通すことができる。これにより、ケーブルの周囲がブラケットに囲まれて保護されるので、車両が衝突した際に、上述の電子機器を含む各種車両部材と当該ケーブルとが干渉することを抑制できる。
【0013】
(3)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電動車両は、モータ又はトランスアクスルに隣接して配置される電子機器を有し、当該電子機器のうち、パワーコントロールユニットを前記モータ又はトランスアクスルよりも上方に位置させたことを特徴とするものである。
【0014】
かかる構成によれば、電子機器のうち、パワーコントロールユニットが、モータ又はトランスアクスルよりも上方に位置しているので、上方側に向けて高圧ケーブル等のケーブルの余長と曲げのアールを確保できる。しかも、PCUとモータ又はトランスアクスルを近づけて配置できるので、最小限の余長を確保しながら効率の良い配線を行うことができる。
【0015】
(4)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電動車両は、クロスメンバが、車両前後方向に間隔を空けて形成された第1クロスメンバと第2クロスメンバとを有し、前記電子機器が、前記一対のサイドメンバと前記第1クロスメンバ及び前記第2クロスメンバとで囲まれた領域に位置することが望ましい。
【0016】
かかる構成によれば、電子機器が一対のサイドメンバと第1クロスメンバ及び第2クロスメンバとで囲まれた領域に位置するので、衝突の際に電子機器が保護される。
【0017】
(5)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電動車両は、クロスメンバが、車両前後方向に間隔を空けて形成された第1クロスメンバと第2クロスメンバとを有し、前記第1クロスメンバ及び前記第2クロスメンバのいずれか一方が、前記電子機器の前方側に位置することが望ましい。
【0018】
かかる構成によれば、電子機器に対して前方側に位置するクロスメンバによって、電子機器が保護される。これにより、車両が前方側に衝突した際の衝撃に対して、電子機器を保護することができる。
(6)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電動車両は、第1クロスメンバ及び第2クロスメンバのいずれか一方がサイドメンバの下方側に固定され、当該クロスメンバの上方に前記電子機器が固定されることが望ましい。
【0019】
かかる構成によれば、電子機器の位置を低くできるので、電子機器をより一層上下方向に積み重ねることができる。従って、電子機器に配線される高電圧ケーブル等のケーブルの余長が確保できる。また、電子機器の側方にサイドメンバとクロスメンバが位置することで、側方からの衝撃に対して、電子機器を保護することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、PCU等の電子機器と駆動用のモータ等とを接続する高電圧ケーブル等の余長を確保できる電動車両を提供することができる。また、本発明によれば、電子機器を収容するスペースを確保し、衝突時に電子機器を保護できると共に駆動用バッテリーの収容スペースを確保できる電動車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る車両の構成を図解的に示す左側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る車両の構成を図解的に示す右側面図である。
図3】電子機器の1段目から見た車両要部の構成を図解的に示す平面図である。
図4】電子機器の2段目から見た車両要部の構成を図解的に示す平面図である。
図5】電子機器の3段目から見た車両要部の構成を図解的に示す平面図である。
図6図1の要部を拡大した概略左側断面図である。
図7図4の要部を拡大した概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明を容易にするため、実際のスケールとは異なっていることに留意されたい。
【0023】
図1は、本発明の電動車両1(車両1とも称する)を左方向から見た左側面図を図解的に簡略化して描いたものである。図2は車両1を右方向から見た右側面図である。図3図5は、車両1の平面図を図解的に描いたものであり、後述する第1電子機器56の収容状態を階層的に表したものである。図1図7のように、本発明の電動車両1は、電力により発生する回転動力を駆動輪に伝達して走行するものである。本実施形態では、車両1は、モータ2を走行用駆動源として搭載し、モータ2に電力供給することにより発生する回転動力を駆動輪に伝達して走行するものとされている。また、本実施形態において例示する車両1は、キャブオーバ構造が採用されたワンボックスタイプのものとされている。
【0024】
車両1は、車体3の下部に、一対のサイドメンバ10L,10Rを備えている。サイドメンバ10L,10Rは、左右対称に構成され、車幅方向(左右方向)に互いに間隔を空けてそれぞれ前後方向に延びている。サイドメンバ10L,10Rは、それぞれ長手方向両側に略平行に配置されているが、中間部において屈曲しており車両前方側に向かうにつれて互いに近接している。
【0025】
図3図7に示すように、サイドメンバ10L,10Rの間に形成された領域は、大別して後方側領域16、中間領域17、及び前方側領域18の3つの領域に分類することができる。後方側領域16は、車両1の後方側において、サイドメンバ10L,10Rが所定の間隔を介して略平行に配置された部分に形成された領域である。後方側領域16は、略矩形の領域とされている。また、中間領域17は、サイドメンバ10L,10Rの中間部において両者の間に形成された領域である。中間領域17は、前方側に向かうにつれて後方側領域16におけるよりも間隔が狭まるようにサイドメンバ10L,10Rが傾斜した部分に形成されている。そのため、中間領域17は、後方側領域16とは異なり、略台形状の領域とされている。前方側領域18は、中間領域17よりも車両1の前方側において、サイドメンバ10L,10Rが略並行に配置された部分に形成された領域である。前方側領域18は、後方側領域16と同様に略矩形の形状とされているが、サイドメンバ10L,10Rの間隔が後方側領域16におけるよりも狭いため、後方側領域16よりも車幅方向に小さな領域とされている。
【0026】
中間領域17には、車幅方向に沿って本発明の車両1を構成する第1クロスメンバ11aが設けられている。また、第1クロスメンバ11aに対して車両後方側に所定の間隔を空けて第2クロスメンバ11bが設けられている。第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとは、サイドメンバ10L,10Rと交差する方向に架け渡されている。また、第1クロスメンバ11aは、第2クロスメンバ11bに対して車両前方側に位置し、適宜の支持枠(図示しない)を介して、両端側が、サイドメンバ10L,10Rの内側面と当接するように締結されている。
【0027】
サイドメンバ10L,10R上には、フロアパネル13が設けられている。フロアパネル13は、サイドメンバ10L,10Rに跨がるように配置されている。フロアパネル13は、例えば、サイドメンバ10の上面に溶接によって接合する等して固定されている。フロアパネル13の上方には、車室14が設けられている。車室14の前端部には、車幅方向に横並びの運転席及び助手席からなる前部座席15が配置されている。フロアパネル13(フロア部13とも称する)は、少なくとも前部座席15の足下から車室14の後端まで延びるように形成されている。また、フロアパネル13のフロア面には、車室14に対して内側方向に突出した空間部13aが、前部座席15の下方に形成されている。すなわち、空間部13aは、サイドメンバ10L,10Rよりも上方に突出して形成されている。これにより、空間部13aが立体的なシェルをなし、空間部13aの強度を高めることができる。なお、本実施形態では、空間部13aは、車両前後方向の中間部近傍に形成されている。
【0028】
図3図5に示すように、車両1は、駆動輪である前輪31L,31Rに対し、電力により発生する回転動力を伝達する駆動装置20を備えている。駆動装置20は、回転動力を出力するためのモータ2と、モータ2から出力された回転動力を前輪31L,31Rに伝達するためのトランスアクスル32とを備えている。
【0029】
車両1において、モータ2は、空間部13aに対して前方側に位置し、フロアパネル13よりも下方に配設されている。モータ2は、発電機能を搭載したモータジェネレータを用いることができる。モータ2は、図1に示すように、出力軸23がモータ本体24から前後方向に沿って前側に延びる縦置きの状態で配置され、固定されている。また、モータ2は、サイドメンバ10L,10Rの間に形成された前方側領域18において、第1クロスメンバ11aの前方側に配置されている。また、図6に示すように、モータ2に対して車両後方側には、マウント25が設けられており、マウント25が、第1クロスメンバ11aの下方に設けた支持枠52に締結されることで、車体3に支持されている。従って、マウント25は、第1クロスメンバ11aの下方側に配置されている。これにより、モータ2の少なくとも一部が、車両1の前後方向視において、第1クロスメンバ11aよりも下方に位置する。なお、モータ2の少なくとも一部が、車両1の前後方向視において、マウント25と重なっているものや、モータ2の少なくとも一部が、車両1の前後方向視において、第1クロスメンバ11aと重なったものであっても良い。また、上述した支持部12は、マウント25の車両後方側に配置されている。そのため、前方側に衝突した際に、支持部12が、第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとの間で突っ張ることによって、マウント25から受ける衝撃を抑制できる。
【0030】
図1図5に示すように、フロアパネル13の中間領域17に形成された空間部13aの内部に、PCU34(Power Control Unit34又はパワーコントロールユニット34とも称する)、車載充電器36(オンボードチャージャー36又はOBC36とも称する)、DC/DCコンバータ55等(以下、これらを総合して第1電子機器56とも称する)が配置されている。また、モータ2の上方には、バキュームポンプ51(第2電子機器51とも称する)が設けられている。バキュームポンプ51は、ブレーキの負圧を発生させ、ドライバーがブレーキを踏む力を増幅させるためのものである。
【0031】
PCU34はモータ2を駆動するための電圧等の制御を行うためものである。また、DC/DCコンバータ55は、後述するバッテリー35の電圧を補機類用のバッテリー(図示しない)の充電のために電圧変換するものである。ここで補機類用のバッテリーは、例えば、ヘッドランプ等や低電圧で使用する電装品等に使用されるものである。車載充電器36は、交流と直流の変換を行ったり、昇圧を行って駆動用のバッテリー35を充電するものである。また、PCU34、モータ2、DC/DCコンバータ55、車載充電器36及びバッテリー35の間等には、高電圧ケーブル39aが接続されている。高電圧ケーブル39aは、高電圧に耐え得るように、比較的径が太くて、曲げ剛性の高いケーブルが用いられている。
【0032】
トランスアクスル32は、前方側領域18において、モータ2に対して前方に配置されている。また、トランスアクスル32は、第1電子機器56に対して車両前方側に隣接配置されている。また、第1電子機器56のうち、PCU34が、モータ2よりも上方に位置するように配置されている。これにより、高電圧ケーブル39aの余長と曲げのアールを大きく取ることができる。ここで、トランスアクスル32は、モータ2の動力を左右の駆動輪である前輪31L,31Rに分配するデファレンシャルギヤを含むものであり、従来公知のものと同様の構成とされている。前記デファレンシャルギヤは、デフケース内で回転可能に設けられる2個のピニオンギヤにそれぞれ噛合する2個のサイドギヤ及びデフケースに固定されるリング状のリングギヤを備えている。デフケースは、左右のドライブシャフト37L,37Rの一端部が挿入されており、その一端部は、それぞれサイドギヤに接続されている。また、デフケースには、デフケースの外周を取り囲むリング状のリングギヤが固定されている。
【0033】
前記デファレンシャルギヤは、モータ2に対して動力伝達可能なように結合されている。具体的には、図1に示すように、モータ2の出力軸23には、かさ歯車38が固定されている。かさ歯車38は、リングギヤに形成された斜歯と噛合している。これにより、モータ2の出力軸23の動力により、デフケースがリングギヤと一体に回転する。そして、デフケースの回転がピニオンギヤを介して各サイドギヤの回転に変換されて、各サイドギヤと一体に左右のドライブシャフト37L,37Rが回転し、ドライブシャフト37L,37Rの回転がそれぞれ前輪31L,31Rに伝達される。このようにトランスアクスル32は、上述したデファレンシャルギヤやドライブシャフト37L、37Rなどによりモータ2の動力を駆動輪に伝達することができる。
【0034】
図1図2図6等に示すように、第2クロスメンバ11bは、サイドメンバ10L,10Rの下側に支持された支持枠を介して、両端側が、サイドメンバ10L,10Rに締結されている。従って、第2クロスメンバ11bは、第1クロスメンバ11aよりも下方に位置するように配置されている。これにより、第1電子機器56の前方側に第1クロスメンバ11aが位置し、第1クロスメンバ11aが、第1電子機器56の前面側と対向するように配置される。また、第1クロスメンバ11aの一部が、高さ方向において、第1電子機器56と重なる。従って、第1電子機器56は、サイドメンバ10L,10Rと,第1クロスメンバ11a及び第2クロスメンバ11bとで囲まれた領域に位置するので、前後方向及び左右方向からの衝撃に対して、第1電子機器56が保護される。また、第1電子機器56の搭載位置を低くできるので、第1電子機器56を上下に積み重ねることが可能となる。また、第1電子機器56の前方側に第1クロスメンバ11aが配置されることにより、車両1が前方に追突等することによって前方側から衝撃を受けた場合に、第1電子機器56が車両1の前方側に侵入することを抑制することができる。また、車両1の前方側に搭載されている例えばモータ2等の他部材が、前方からの衝撃によって第1電子機器56の方に侵入することを抑制することができる。
【0035】
また、図2図3図6等に示すように、第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとの間には、第1電子機器56が固定される支持部12が形成されている。図3に示すように支持部12は、3本の支持枠が第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとに亘って取り付けられることで第1電子機器56の固定面が略水平となるように形成されている。支持部12は、前方向からの衝撃に対して、第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとの間で突っ張ることにより、前記収容スペースの耐久性をより一層高めることができる。第1電子機器56は、支持部12上に搭載され、ブラケット26を介して支持部12に固定されている。従って、第1電子機器56は、前方向からの衝撃に対して高い耐久性が確保された収容スペース内に収容されるので、前からの衝突を受けても第1電子機器56の破壊が生じにくい車体構造が提供される。
【0036】
図3図5に示すように、本実施形態の車両1において、第1電子機器56は、車載充電器36が1段目、DC/DCコンバータ55が2段目、PCU34が最上段の3段目となるように、それぞれ積層した状態で一部又は全部が、空間部13aの内部に配置されている。また、第1電子機器の56のうち、最上段に位置するPCU34が、高電圧ケーブル39aによってモータ2に接続されている。これにより、曲げ剛性の高い高電圧ケーブル39aにおいて、高さ方向にケーブルの余長を大きく取ることができるので、曲げのアール(半径とも称する)も大きくすることができる。従って、高電圧ケーブル39aの配索の制約が解消される。
【0037】
車載充電器36、DC/DCコンバータ55、PCU34は、それぞれブラケット26を介して積み重ねて配置されており、最下段の車載充電器36が、支持部12にブラケット26を介して固定されている。これらの第1電子機器56の積層順番は、形状や配線の取り回しなどに応じて任意のものとできるが、上述したように高電圧ケーブル39aの余長を確保し、曲げのアールを大きく取る上で、PCU34が最上段となるように配置することが望ましい。なお、第1電子機器56は、第1クロスメンバ11a及び第2クロスメンバ11bのいずれか一方又は双方に直接的に搭載されるものやブラケット26等を介して間接的に搭載されるものであっても良い。
【0038】
また、第1電子機器56は、モータ2及びトランスアクスル32よりも上方となるように配置されている。これにより、車両1が前方側から衝撃を受けた際に、駆動装置20が第1電子機器56と干渉することを抑制することができる。具体的には、前方側からの衝撃により、マウント25が、まず破損し、これに伴って、駆動装置20が第1電子機器56の下方に潜り込むので、駆動装置20と第1電子機器56とが干渉することを抑制できる。また、第1電子機器56をトランスアクスル32よりも上方となるように配置することで、車両1が水に浸かった際に、第1電子機器56を浸水から抑制することができる。
【0039】
バッテリー35は、第1電子機器56が配置された空間部13aに対して後方側にある後方側領域16において、サイドメンバ10L,10Rの間に配置されている。また、バキュームポンプ51が車両前方寄りのモータ2上に配置され、第1電子機器56が空間部13aの内部に配置されている。これにより、車両後方側にバッテリー35を搭載するスペースを広く確保することができ、バッテリー35の容量を高めることができる。バッテリー35は、多数の電池セル35aを上下方向に単段であって、水平方向(本実施形態では車幅方向及び車両前後方向)に多数並べて配置したものとされている。バッテリー35は、車両後方側において直線的に延び、かつ略並行に配置されたサイドメンバ10L,10Rの間に形成された、略矩形状の後方側領域16に配置されている。そのため、バッテリー35についても、電池セル35aを収容できる程度の高さ(厚み)であって、平面視が略矩形の外観形状とされている。従って、車両1に搭載されているバッテリー35は、内部にデッドスペースを殆ど発生させることなく電池セル35aを配列したものであり、薄型でありながら高容量のものとされている。
【0040】
上述したように車両1では、第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとが相対的に高さが異なるように設けられているので、第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとの間に上下方向の収容スペースが確保される。そのため、前記収容スペース内に第1電子機器56を収容することができる。しかも、第1電子機器56自体の重心位置に配置するのではなく、第1クロスメンバ11aを第1電子機器56の前(第2クロスメンバ11b上)に配置することで、固定部が第1電子機器56の重心に近くなり、安定する。これにより、第1電子機器56の重心が低位置に位置するので、第1電子機器56の取り付け状態が安定化する。また、車両1の加速に伴う重力加速度(Gとも称する)による第1電子機器56のふらつきや振動を軽減することが可能である。また、前記収容スペースは、第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとによって前後方向からの衝撃を受け止めることができるので、前後方向の衝撃に対して高い耐久性が確保される。
【0041】
また、本実施形態においては、空間部13aの下方に第1クロスメンバ11aが配置されている。従って、第1クロスメンバ11aの下方側に設けられたマウント25にモータ2がマウントされることで、モータ2の上部に支持されたバキュームポンプ51を空間部13aの内部に収容することができる。また、第1クロスメンバ11aに対して車両後方側のスペースに第1電子機器56を搭載することができる。これにより、第1電子機器56の前方側に第1クロスメンバ11aを位置させることができ、車両1が前方に衝突した際の前方からの衝撃に対して第1電子機器56を保護することができる。また、第1電子機器56を空間部13aの下方に位置させることができるので、積層した第1電子機器56の一部又は全部を空間部13aの内部に収容することができる。また、バキュームポンプ51等に接続される例えば、低電力用の配線39bをブラケット26の間に通すことによって、配線39bがブラケット26で保護される。すなわち、配線39bの周囲が、ブラケット26に囲まれているので、車両1が衝突した際に受ける衝撃が、配線39bに及ぶことを抑制できる。
【0042】
図3図5及び図7に示すように、車両1には、上述したモータ2の側方で、第1クロスメンバ11aに対して車両前方側に、電動エアコンプレッサ33が配置されている。電動エアコンプレッサ33は、車室内の空調のためのものであり、モータ2に対して車幅方向に隣接する位置に配置されている。電動エアコンプレッサ33は、車両後方側に、図示しない高電圧ケーブルの一端が接続されている。
【0043】
上述したように、本実施形態の車両1では、モータ2やトランスアクスル32のような大きな部材を備えた駆動装置20が、バッテリー35に対して前方に配置されている。そのため、本実施形態の車両1は、駆動装置20を後方側に配置する場合に比べて車室フロアを確保しやすい。さらに、第1電子機器56を車両1の中間領域17に形成された空間部13aの内部に配置することで、第1電子機器56が分散配置されることなく一箇所に集約して収容される。そのため、車両1の後方側領域16に第1電子機器56を設ける場合に比べて、バッテリー35の収容スペースを広く確保でき、車両1のトランクを広く形成することが可能となる。これにより、バッテリー35を大容量化でき、車両1の走行可能時間を延ばすことができる。
【0044】
また、第1電子機器56が空間部13aに集約されることで、PCU34、DC/DCコンバータ55及び車載充電器36の間を接続する高電圧ケーブル39aを最小限の長さとしつつ、余長及び曲げのアールを確保することができる。また、第1電子機器56、モータ2及びバッテリー35を近接配置することが可能であるので、高電圧ケーブル39aを最小限の長さとしつつ、余長及び曲げのアールを確保することができる。これにより、配線作業を容易にすると共にコストダウン、軽量化、電力損失の抑制が可能となる。また、第1電子機器56が、立体的に形成されたシェル状の空間部13aに囲まれているので、車両1が、前方から衝撃を受けた場合に、第1電子機器56が空間部13aによって保護される。また、空間部13aは、両側にサイドメンバ10L,10Rが形成されているので、車両1が、横方向から衝撃を受けた場合であっても、第1電子機器56がサイドメンバ10L,10Rと、第1クロスメンバ11a及び第2クロスメンバ11bによって保護される。
【0045】
本実施形態の車両1では、トランスアクスル32の前方又は後方においてモータ2の出力軸23が前後方向に延びるように配置した縦置きの配置とされている。このような構成を採用することにより、車両1においては、車室フロアの低床化が図られている。すなわち、上述したようにモータ2を縦置きで配置すれば、モータ2の出力軸23が前後方向に延びることになる。そのため、モータ2の出力軸23とトランスアクスル32のリングギヤとの連結に、直交軸歯車であるかさ歯車38が用いられている。従って、上述したようにモータ2を縦置きの配置とすることで、横置きにしたときのように大きな設置スペースを必要とせず、その分だけ車室14の低床化が図られている。
【0046】
また、上述したように、本実施形態の車両1では、一対のサイドメンバ10L,10Rの間であって車両1の後方側にある後方側領域16にバッテリー35が配置されている。後方側領域16は、サイドメンバ10L,10Rの間隔が前方側領域18や中間領域17よりも大きいため、大容量のバッテリー35であっても、上下方向に大型化させることなく配置できる。具体的には、バッテリー35が、充放電可能な電池セル35aを上下方向に単段であって、水平方向に複数並ぶように配置したものとされている。また、後方領域においては、一対のサイドメンバ10L,10Rが略平行に配置されているため、バッテリー35の配置によりデッドスペースとなる部分が発生しにくい。そのため、上述した車両1においては、平面視が略矩形のバッテリー35を搭載することができ、バッテリー35を上下方向に大型化させることなく高容量なものを採用できる。従って、上述した構成によれば、車室フロアの低床化がより一層図りやすくなる。また、上述したような薄型かつ表面積の大きなバッテリー35採用すれば、電池セル35aの冷却効率や、充放電効率の向上についても高い効果が見込める。
【0047】
なお、本実施形態では、バッテリー35が、充放電可能な電池セル35aを上下方向に単段であって、水平方向に複数並ぶように配置したものを採用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばバッテリー35として、上下方向に複数段に亘って電池セル35aが積み重ねられたもの等を採用できる。また、上述した実施形態では、バッテリー35として、平面視が略矩形のものを採用した例を示したが、他の形状等としても良い。
【0048】
また、上述した車両1では、バッテリー35に対して電気的に接続される電動エアコンプレッサ33と、第1電子機器56と、駆動装置20とが、バッテリー35に対して前方に配置したものとされている。さらに、駆動装置20とバッテリー35との間に第1電子機器56が配置されている。このような配置によれば、第1電子機器56及びバッテリー35を繋ぐ高電圧ケーブル39aと、駆動装置20をなすモータ2及びバッテリー35を繋ぐ高電圧ケーブル39aとをバッテリー35よりも前方側に集中させることができる。また、電動エアコンプレッサ33とバッテリー35とを接続する高電圧ケーブル39aもバッテリー35寄りも前方側に集中させることができる。これにより、例えば、車両1における高電圧ケーブル39aや配線39bの配索をシンプルなものとすることや、高電圧ケーブル39aや配線39bの配索に要するスペースの小型化を図る等の効果が期待できる。また、車両1の製造工程において高電圧ケーブル39aや配線39bの配索作業を簡素化することが可能となる。
【0049】
本実施形態においては、空間部13aが車両1の中間領域17に設けられるものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、空間部13aが形成されていない車両であっても良い。また、空間部13aが前方側領域18や後方側領域16に形成されていても良い。また、本実施形態においては、空間部13aが略矩形状に形成されているが、空間部13aは、矩形状以外の形状であっても良い。また、空間部13aの上方への突出量も任意のものとできる。
【0050】
また、本実施形態では、複数の第1電子機器56が空間部13aの内部に配置されているが、1つの第1電子機器56を配置するものであっても良い。また、本実施形態では、複数の第1電子機器56が上下方向に積層されているが、高電圧ケーブル39aの余長や曲げのアールが確保できる範囲で、第1電子機器56を横方向へ並列に並べて配置しても良い。また、第1電子機器56は、高電圧ケーブル39aの余長や曲げのアールを確保できる範囲で、上下方向への積層と横方向への積層とを併用するなどしても良い。また、第1電子機器56は、空間部13aに全部が収容されるものであっても良いし、一部が空間部13aに収容されるものであっても良い。
【0051】
また、本実施形態では、第1電子機器56が支持部12にブラケット26を介して支持されているが、第1電子機器56の支持は適宜の方法が採用できる。また、本実施形態では、支持部12とブラケット26は、別の部材として形成されているが、支持部12とブラケット26とを一体として形成しても良い。ブラケット26の形状は、第1電子機器56の形状に合わせて、任意の形状のものを採用できる。また、積み重ねて配置された第1電子機器56の間のブラケット26は、必要に応じて廃することができる。この場合において、第1電子機器56同士の接続は、それぞれ直接的に行うものであっても良い。また、第1電子機器56を積層する順番は、任意のものとできる。なお、高電圧ケーブル39aは、主にモータ2とPCU34とを接続するために使用されることが多いので、ケーブルの余長を大きく取るためには、PCU34を最上部に配置することが望ましい。
【0052】
本実施形態では、第2電子機器51として、例えば、バキュームポンプを例示したが、第2電子機器51として各種の電子機器を採用することができる。また、第2電子機器51は、任意の位置に配置することが可能であるが、第1電子機器56と接続する場合は、第1電子機器56と近接した位置に配置すれば良い。また、配線39bは、任意の位置を通るように配置できるが、衝突時の衝撃から配線39bを保護する上で、ブラケット26の間を通るようにすることが望ましい。
【0053】
本実施形態では、モータ2に隣接して第1電子機器56が配置されているが、第1電子機器56とモータ2の配置は、任意のものとできる。また、第1電子機器56のうちPCU34がモータ2の上方に位置するようにしているが、PCU34は、任意の位置に配置することができる。この場合において、モータ2とPCU34とを接続するケーブルの余長を大きく取る上では、PCU34がモータ2の上方に位置するようにすることが望ましい。また、トランスアクスル32をPCU34に隣接配置し、PCU34がトランスアクスル32の上方に位置するようにしても良い。
【0054】
本実施形態では、クロスメンバが、車両前後方向に間隔を空けて形成された第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとを有しているが、クロスメンバは少なくとも1つを有していれば良く、2つ以上のクロスメンバを備えるものであっても良い。また、車両1が衝突した際の前後方向及び左右方向からの衝撃から第1電子機器56を保護する上では、第1電子機器56が、一対のサイドメンバ10L,10Rと、第1クロスメンバ11a及び第2クロスメンバ11bとで囲まれた領域に位置するようにすることが望ましい。
【0055】
また、本実施形態では、第1クロスメンバ11aが、第1電子機器56の前方側に位置しているが、第1クロスメンバ11aの配置は任意の位置に行うことができる。この場合において、車両1が前方側に衝突した際の前方側からの衝撃に対して、第1電子機器56を保護する上では、第1電子機器56の前方側に第1クロスメンバ11aが位置することが望ましい。
【0056】
本実施形態では、第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとが、第1電子機器56の固定状態において相対的に高さが異なるように配置されているが、第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとの高さの相違は任意のものとできる。この場合、第1電子機器56が第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとの間で低位置に配置されるようにすることが好ましい。また、第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとは、例えば、高さが等しくても良い。
【0057】
また、本実施形態では、バッテリー35が、空間部13aの後方側におけるフロアパネル13の下方に配置されているが、バッテリー35は、任意の位置に設けることが可能である。この場合、バッテリー35は、デッドスペースを利用したものとすることが望ましい。
【0058】
また、本実施形態では、駆動装置20が、回転動力を出力するモータ2と、モータ2から出力された回転動力を駆動輪である前輪31L、31Rに伝達するトランスアクスル32とを有しているが、モータ2は、出力に応じて適宜のモータを用いることが可能である。また、トランスアクスル32は、例えば、デファレンシャルギヤなどの各種差動機構や、各種のトランスミッション等を用いて構成することが可能である。また、本実施形態においてはモータ2が縦置き(車両進行方向)されていたが、モータ2が横置きされていても良い。
【0059】
また、本実施形態では、第1クロスメンバ11aに対して車両後方側に第1電子機器56が配置されているが、配置する態様は、各種の態様を採用できる。例えば、第1電子機器56の前面側と第1クロスメンバ11aが対向するものや、第1電子機器56と第1クロスメンバ11aとの間に緩衝部材などの別部材が介在するようなものでも良い。また、本実施形態では、第1電子機器56が、PCU34と、DC/DCコンバータ55と、車載充電器36とを有しているが、その他の制御装置などの電子機器類を設けるものであっても良い。
【0060】
また、本実施形態では、第1クロスメンバ11a及び第2クロスメンバ11bとの間に形成された支持部12に第1電子機器56が搭載されているが、第1電子機器56の搭載方法は、これに限定されるものではない。例えば、板状のもので第1電子機器56が全面で支持されるものや、板状、柱状、筒状などの部材が複数並べられたものなど、各種の形態のものを採用できる。また、各種部材を並べて配置する場合の方向は、任意のものとできる。なお、第1クロスメンバ11a及び第2クロスメンバ11bを前方側からの衝撃に対して補強する上では、各種部材を第1クロスメンバ11aと第2クロスメンバ11bとに対して交差する方向に並べて配置することが好ましい。また、側方側からの衝撃に対して補強する場合は、サイドメンバ10L,10Rと交差する方向に支持部12を構成する部材を配置するようにしても良い。
【0061】
また、上述した本実施形態では、車両1は、車室14のフロア面を形成するフロアパネル13が、運転席や助手席の下方に設けられた空間部13a以外の部分では、運転席から車室14の後端までフラットに延びるものとされている。そのため、車両1は、空間部13aを有効に活かしながら、居住性に優れ、利便性に優れたものとされている。
【0062】
上述した実施形態では、フロアパネル13を単にフラットかつ低床化した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な形態の車両構造を備えたものとできる。
【0063】
なお、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、電力により発生する回転動力を駆動輪に伝達して走行する電気自動車やハイブリッド車等において好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 :車両(電動車両)
2 :モータ
3 :車体
10L :サイドメンバ
10R :サイドメンバ
11a :第1クロスメンバ
11b :第2クロスメンバ
12 :支持部
13 :フロアパネル(フロア部)
13a :空間部
14 :車室
15 :前部座席
16 :後方側領域
17 :中間領域
18 :前方側領域
20 :駆動装置
23 :出力軸
24 :モータ本体
25 :マウント
26 :ブラケット
31L :前輪
31R :前輪
32 :トランスアクスル
33 :電動エアコンプレッサ
34 :PCU
35 :バッテリー
35a :電池セル
36 :車載充電器
37L :ドライブシャフト
37R :ドライブシャフト
38 :かさ歯車
39a :高電圧ケーブル
39b :配線
39c :配線
51 :バキュームポンプ(第2電子機器)
52 :支持枠
55 :DC/DCコンバータ
56 :第1電子機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7