特開2021-11670(P2021-11670A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-11670(P2021-11670A)
(43)【公開日】2021年2月4日
(54)【発明の名称】吊上げ下着
(51)【国際特許分類】
   A41B 9/02 20060101AFI20210108BHJP
   A41B 9/14 20060101ALI20210108BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20210108BHJP
   A41D 13/12 20060101ALI20210108BHJP
【FI】
   A41B9/02 H
   A41B9/02 M
   A41B9/02 Q
   A41B9/14
   A41D13/05 168
   A41D13/12 154
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-139229(P2019-139229)
(22)【出願日】2019年7月9日
(71)【出願人】
【識別番号】598095042
【氏名又は名称】株式会社森林研究所
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 俊教
【テーマコード(参考)】
3B011
3B128
【Fターム(参考)】
3B011AA05
3B011AB09
3B011AC17
3B011AC18
3B011AC21
3B011AC22
3B128EA02
3B128EB13
3B128EB23
3B128EB31
3B128EC02
3B128EC12
3B128LA04
3B128SA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】睾丸や陰茎が股に挟まれ重苦しく、また、蒸れによる不快感を防止するパンツを提供する。
【解決手段】六角形の布を得て、両横と下辺を1〜2cm折縫いして紐通しを設け、下辺には中心より左右夫々4±2cmの位置に切り目を入れて、紐の出入り口とし左右夫々に紐を通す。紐を絞ると睾丸を包む袋となる。この左右の紐に、長さ調節できるゴム紐を接続すると、睾丸を吊り上げることが特徴の吊上げ下着となる。装着すると、睾丸を包んで股と仕切り、腰に架けた1本のゴム紐で睾丸を吊り上げる仕組みが著しい特徴の下着となる。睾丸から布が外れない仕組みが重要である。外れる原因は上下の張力の差と張力の方向の違いであり、布の形と紐の配置で決まることが最大の特徴であり、紐の配置によって、下辺に横方向の強い張力が架かって、上辺に垂直方向の弱い張力が架かり、装着すると外れない構造とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は睾丸を包んで吊り上げる下着を得るためものである。睾丸を包む袋を得るため、図1に示すような上辺=22±5cm、下辺=15±5cm、高さ=22±7cmの六角形の布が望ましいが、台形、四角形でもよく、図2、3,4、5,6に示すように、両横と下辺を1〜2cm折縫いして紐通しを設けることが特徴であり、下辺には中心より左右夫々4±2cmの位置に切り目をいれて、紐の出入り口とし、図3に示すように左右夫々に紐を通す。紐を絞ると睾丸を包む袋となる。この左右の紐に、長さ調節できるゴム紐を接続すると、図7に示すように、睾丸を吊り上げることが特徴の吊上げ下着となる。装着すると、図8に示すように、睾丸を包んで股と仕切り、腰に架けた1本のゴム紐で睾丸を吊り上げる仕組みが著しい特徴の下着となる。
本発明では睾丸から布が外れない仕組みが重要である。外れる原因は上下の張力の差と張力の方向の違いであり、布の形と紐の配置で決まることが最大の特徴であり、図3に示すような紐の配置によって、下辺に横方向の強い張力が架かって、上辺に垂直方向の弱い張力が架かり、装着すると外れない構造となる。
【請求項2】
請求項2は、布撚れを防止するため、図4に示すよう縦=2〜5cm、横=6〜12cm、厚さ=0.1〜1cmの樹脂シートやフェルトやスポンジのいずれか又は複数を請求項1の布の裏面下辺より2〜5cm上の真中に接着する。樹脂、フェルト、スポンジが表面に露出していると見た目に悪く、肌触も好ましくないので、この上に小布を被せて接着するのが望ましい。小布は樹脂シート又はフェルトを覆うことができる寸法以上であればよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
本発明は、主に男性用下着の快適な履き心地を提供することであるが、失禁の課題も解決する物である。
【背景技術】
【002】
出願人考案のもので、睾丸を吊上げ不快感を除く考案ではあるが、具体性に乏しく、装着時の快適さも不十分で、失禁への対応がなかった。
【特許文献1】特願2016−205547
【003】
陰茎を収めて吸水する、パンツに貼付ける吸水体の特許はあるが、快適な装着感がなく、個々人の失禁量に対応する、量に応じた吸水体の変更ができる仕組みがない。
【特許文献2】特許5509379
【004】
睾丸の移動を抑制し、吸湿性向上を目的とした、トランクスタイプのパンツの内部に、睾丸や陰茎を下部側から吊り上げるように覆うためのサポート帯が設けられていることを特徴とする男性用パンツが開示されている。
【特許文献3】特開2012−132136
【005】
パンツ内部に布片を褌の様に縫製接着したものがある。
【特許文献4】特開2006−322120
【先行技術文献】
【特許文献】
【006】
特願2016−205547
特許5509379
特開2006−322120
特開2012−132136
【007】
従来の下着は前後が繋がっていて、腹部のゴム紐で支える仕組みである。睾丸や陰茎は体の動きに応じて動きパンツを下げるように働く、そのために睾丸や陰茎が股に挟まれて大変重苦しくなる時があり、蒸れて股と睾丸がくっ付いて強い不快感を持つ場合もある。また、スポーツ用ジョグストラップでは睾丸を固定するため、腹部他2本のゴム紐で後部に引っ張っている商品もあり、装着時は窮屈で不快であった。従来の男性用下着には吊り上げるという発想がなかった。また陰茎が大きく移動するので、パンツに両面テープで張る失禁パッドでは漏れる場合があるので、パッド幅を大きくして予防しているのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【008】
睾丸を包んで股と仕切り、インキン、陰嚢湿疹の原因となる蒸れや擦れを解消できる下着であり、裸のような爽快な着心地であり、失禁時に尿漏れの心配がなく、スラックスやパンツを脱がなくても椅子に座って簡単に吸水体交換できる下着を得るためである。
【009】
失禁に関しては、吊上げ式下着にすれば、睾丸を定位置に保ち陰茎の移動を最小限にできるので8cm幅程度の女性用失禁パッドを挿入すれば失禁に対応できる。
【010】
本発明は、睾丸を布で包み吊上げて、股との擦れや蒸れを解消して、皮膚の引っ張りや睾丸への圧迫、睾丸と股のくっ付きを防ぐと共に外れない仕組みを作り、爽快な履き心地の男性下着を創ると同時に失禁の煩わしさを解決する。従来とは全く異なる構造の男性専用下着の考案である。
【011】
失禁する人は、外見で知られることや臭いを最も気にする。よって、睾丸、陰茎がコンパクトに収まっていて外見ではわからないことと、失禁時に簡単に交換できることが重要である。
【課題を解決するための手段】
【012】
人体のなかで、股間が最も動きの激しい所である。睾丸が蒸れない、股と擦れない、股に挟まれ圧迫されない、くっ付かないようにするには、睾丸を包んで吊上げて股と仕切り、外れない仕組みが必要である。更に睾丸や陰茎は時によって大きくなったり小さくなったりするので、その膨張や収縮に順応できるようにし、大小便に支障がない形状にする必要がある。
【013】
股に挟まれない、股と擦れない、蒸れない、くっ付かないという機能を満たす下着を得るためには、吊上げ式以外にはないと発明者は考えた。
【014】
睾丸と股を仕切り吊上げるためには、前後が繋がった従来の下着では不可能で、前で吊り上げなければならない。睾丸を吊り上げるには、布で睾丸を包み、ゴム紐を腰で持ち上げれば実現できるが、様々な姿勢に順応し、違和感がなく外れない構造にするのは非常に困難である。
【015】
発明者は布の形と紐の配置によって、睾丸を吊上げて外れない最適な張力が生まれると考えた。外れない形状として、両横と下辺に紐通しを設け、これに紐を通して絞りアジャスター付きのゴム紐を接続するのが最適であり、下辺の長さが最も重要で次に上辺との長さの違いが重要であると考えた。例えば図3で示すように、高さ=24cm、下辺=14cm、上辺=23cmの6角形の左右と下辺を夫々1.5cm折り縫いして紐通しを設け、下辺には、中心より左右夫々3.5cmの位置に切り目を設ける。この切り目から左右夫々に紐を通し絞って、ゴム紐を接続して結ぶと、紐に沿って布が撚れて円柱袋状に成る力が働き、睾丸と陰茎を包んで吊上げる力が働き、上下の張力が適切に調和して快適な装着感を得、睾丸から外れない。
【016】
図1で示すよう等脚台形の上に長方形が被さっている六角形にすれば、上辺に余裕が生まれ、股と仕切り睾丸を持ち上げる力が働く、最適な形状を得ることができて、睾丸から外れることはない。しかも、睾丸への圧迫が少ないことを発見した。
【017】
更に、図5,6で示す長方形、台形でも紐通しの配置次第で、図1の六角形と類似する機能を得ることができることも発見した。最も望ましい布の形は6角形で望ましい形は台形である。紐通しを設ける時、角度がある場所では布を変形するのと同様に、張力の方向が大きく変化して商品機能に大きく影響する。紐の配置で睾丸を吊上げ、外れない最適な張力を得ることができる。また、図2、3、4、5、6で示すように、下辺の紐通しは中心より左右夫々4±2cmに切り目を入れて設け、これを紐の出入り口にするのが望ましい。
【018】
一般的にスポンジや樹脂シート、フェルトの様な柔らかで撚れない物を,布の下辺近くに取り付けると、布を張って撚れを防ぎ、睾丸部に布が沿いやすいことも発見した。
【019】
吊上げ式は椅子やベッドに座り、スラックスを下にずらすして、睾丸から外すだけで吸水体の交換ができると伴に、睾丸、陰茎の移動が少なく、吸水体が動かないため、尿漏れの心配がなく、幅が小さな女性用の失禁パッドも使用できる。
【020】
請求項1は、睾丸を包む袋を得るため、図1に示すように上辺=22±5cm、下辺=15±5cm、高さ=22±7cmの六角形、台形、四角形の布を得、図2、3,4、5,6に示すように、この両横と下を1〜2cm折縫いして紐通しを設けることが特徴であり、下辺には中心より左右夫々4±2cmの位置に切り目をいれて紐の出入り口とし、図3に示すように左右夫々に紐を通す。紐を絞ると睾丸を包み外れない袋となる。この左右の紐に、長さ調節できるゴム紐を接続すると、図7に示す睾丸を包んで吊り上げる吊上げ下着となる。装着すると、図8に示すように、睾丸を包んで股と仕切り、腰に架けた1本のゴム紐で睾丸を吊り上げる仕組みが著しい特徴の下着となる。
本発明では睾丸から布が外れない仕組みが重要である。外れる原因は上下の張力の差と張力の方向の違いであり、布の形と紐の配置で決まることが最大の特徴であり、下辺に横方向の強い張力が架かるよう紐通しを設け、上辺に垂直方向の弱い張力が架かる、図3に示すような紐の配置で外れない構造となる。
【021】
請求項1では下辺を切断して紐の出入口を設けているが、下辺中心より左右夫々4±2cm開け、その他を縫製しても同じ機能である。
【022】
請求項2は、布撚れを防止するため、図4に示すよう縦=2〜5cm、横=6〜12cm、厚さ=0.1〜1cmの樹脂シートやフェルトやスポンジのいずれか又は複数を請求項1の布の裏面下辺より2〜5cm上の真中に接着する。樹脂シート、フェルト、スポンジが表面に露出していると見た目に悪く、肌触も好ましくないので、この上に小布を被せて接着するのが望ましい。小布は樹脂又はフェルトを覆うことができる寸法以上であればよい。
【023】
布の上辺左右の角を縦1〜3×横3〜6cm切断すると、装着した姿が美しいので好ましい。
【024】
布は材質を問わないが、ストレッチ素材で肌ざわりが良く適度な伸縮性を有するのが望ましい。子布は材質を問わない。ゴム紐の幅は10〜20mmが望ましく、長さが調節できるアジャスターを設け、両端は輪になって紐を通すと接続できるように加工する。紐は引っ張り強度の大きなものであればよく、材質を問わない。
【発明の効果】
【025】
中高年以上の人の多くは、睾丸が垂れて股と接して蒸れ不快感を覚えることが多い。しかし現状では対処方法はなく我慢しなければならないが、本品によって爽快な股間環境を得ることができる。特にスポーツ時に睾丸が安定し楽でシルエットが美しい。また、失禁する人は外出を控える傾向があるが、原因は尿漏れと臭いと外見にである。
【026】
本発明品は、吊上げ式のため適切な吸水量のパッドを使用すれば尿漏れはない。また、従来は失禁後、吸水体の交換時にスラックスを脱ぐ必要があったが、本品はスラックスを下にずらして座った状態で簡単に取り換えれるので、椅子に座われる人であれば自分で素早く取り替えられる。失禁の度に取り換えができて臭わないので気持ちがよい。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【027】
図1で示す寸法のストレッチ素材の布を得、図2に示すように左右と下辺を1.5cm折り縫いして紐通しを設け、下辺中心より左右夫々3.5cmの位置に切り目を入れ、図3に示すように紐を配置し、絞ってゴム紐を接続すると図7に示すような吊上げ下着となり、装着すると図8に示すようになる。
【実施例2】
【028】
図2で示す紐通しを設けた布に、図4で示すような厚さ=0.15mm、10×3.5cm寸法の樹脂シートを接着し上を小布で覆うと撚れを防止する吊上げ下着となる。
【産業上の利用可能性】
【029】
介護などにおいては、尿漏れだけでパンツを取り換えない。よって被介護者は不快のまま長時間過ごさなければならない。本品は尿漏れパンツの下にも装着できて、尿漏れ時は股から外して腹部で吸水体だけを取り換えればよいので、椅子に座れる人であれば自分で取り替えられる。失禁の度に取り換えができ臭わないので気持ちがよく明るい生活が送れ、介護者も楽でコストも安くなる。
【図面の簡単な説明】
【030】
図1図1は布の1/3平面図である。
【031】
図2図2は紐通しと切断部を設けた布の1/3平面図である。
【032】
図3図3は紐の配置を示した1/3概略図である。
【033】
図4図4は撚れ防止のための樹脂シート上に、小布を被せて接着した1/3平面図である。
【034】
図5図5は長方形の布に紐通しと切断部を設けた1/3平面図である。
【035】
図6図6は台形の布に紐通しと切断部を設けた1/3平面図である。
【036】
図7図7はゴム紐を接続して完成した吊上げ下着の概略斜視図である。
【037】
図8図8は吊上げ下着を装着した時の概略斜視図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2019年10月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
請求項2は、布撚れを防止するため、図4に示すよう縦=2〜5cm、横=6〜12cm、厚さ=0.1〜1cm、の樹脂シートやフェルトやスポンジのいずれか又は複数を請求項1の布の裏面下辺よりり2±1cm上の真中に接着するか、図9に示すように、左右夫々に、縦=2〜6cm、横=1±0.5cm、厚さ=0.1〜1cmを扇形に配して接着する。樹脂シート、フェルト、スポンジが表面に露出していると見た目に悪く、肌触も好ましくないので、この上に小布を被せて接着してもよい。小布は樹脂シートを覆うことができる寸法以上であればよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】追加
【補正の内容】
図9
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
本発明は、主に男性用下着の快適な履き心地を提供することであるが、失禁の課題も解決する物である。
【背景技術】
【002】
出願人考案のもので、睾丸を吊上げ不快感を除く考案ではあるが、具体性に乏しく、装着時の快適さも不十分で、失禁への対応がなかった。
【特許文献1】特願2016−205547
【003】
陰茎を収めて吸水する、パンツに貼付ける吸水体の特許はあるが、快適な装着感がなく、個々人の失禁量に対応する、量に応じた吸水体の変更ができる仕組みがない。
【特許文献2】特許5509379
【004】
睾丸の移動を抑制し、吸湿性向上を目的とした、トランクスタイプのパンツの内部に、睾丸や陰茎を下部側から吊り上げるように覆うためのサポート帯が設けられていることを特徴とする男性用パンツが開示されている。
【特許文献3】特開2012−132136
【005】
パンツ内部に布片を褌の様に縫製接着したものがある。
【特許文献4】特開2006−322120
【先行技術文献】
【特許文献】
【006】
特願2016−205547
特許5509379
特開2006−322120
特開2012−132136
【007】
従来の下着は前後が繋がっていて、腹部のゴム紐で支える仕組みである。睾丸や陰茎は体の動きに応じて動きパンツを下げるように働く、そのために睾丸や陰茎が股に挟まれて大変重苦しくなる時があり、蒸れて股と睾丸がくっ付いて強い不快感を持つ場合もある。また、スポーツ用ジョグストラップでは睾丸を固定するため、腹部他2本のゴム紐で後部に引っ張っている商品もあり、装着時は窮屈で不快であった。従来の男性用下着には吊り上げるという発想がなかった。また陰茎が大きく移動するので、パンツに両面テープで張る失禁パッドでは漏れる場合があるので、パッド幅を大きくして予防しているのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【008】
睾丸を包んで股と仕切り、インキン、陰嚢湿疹の原因となる蒸れや擦れを解消できる下着であり、裸のような爽快な着心地であり、失禁時に尿漏れの心配がなく、スラックスやパンツを脱がなくても椅子に座って簡単に吸水体交換できる下着を得るためである。
【009】
失禁に関しては、吊上げ式下着にすれば、睾丸を定位置に保ち陰茎の移動を最小限にできるので8cm幅程度の女性用失禁パッドを挿入すれば失禁に対応できる。
【010】
本発明は、睾丸を布で包み吊上げて、股との擦れや蒸れを解消して、皮膚の引っ張りや睾丸への圧迫、睾丸と股のくっ付きを防ぐと共に外れない仕組みを作り、爽快な履き心地の男性下着を創ると同時に失禁の煩わしさを解決する。従来とは全く異なる構造の男性専用下着の考案である。
【011】
失禁する人は、外見で知られることや臭いを最も気にする。よって、睾丸、陰茎がコンパクトに収まっていて外見ではわからないことと、失禁時に簡単に交換できることが重要である。
【課題を解決するための手段】
【012】
人体のなかで、股間が最も動きの激しい所である。睾丸が蒸れない、股と擦れない、股に挟まれ圧迫されない、くっ付かないようにするには、睾丸を包んで吊上げて股と仕切り、外れない仕組みが必要である。更に睾丸や陰茎は時によって大きくなったり小さくなったりするので、その膨張や収縮に順応できるようにし、大小便に支障がない形状にする必要がある。
【013】
股に挟まれない、股と擦れない、蒸れない、くっ付かないという機能を満たす下着を得るためには、吊上げ式以外にはないと発明者は考えた。
【014】
睾丸と股を仕切り吊上げるためには、前後が繋がった従来の下着では不可能で、前で吊り上げなければならない。睾丸を吊り上げるには、布で睾丸を包み、例えばゴム紐の様な伸縮紐を腰で持ち上げれば実現できるが、様々な姿勢に順応し、違和感がなく外れない構造にするのは非常に困難である。
【015】
発明者は布の形と紐の配置によって、睾丸を吊上げて外れない最適な張力が生まれると考えた。外れない形状として、両横と下辺に紐通しを設け、これに紐を通して絞りアジャスター付きのゴム紐を接続するのが最適であり、下辺の長さが最も重要で次に上辺との長さの違いが重要であると考えた。例えば図3で示すように、高さ=24cm、下辺=14cm、上辺=23cmの6角形の左右と下辺を夫々1.5cm折り縫いして紐通しを設け、下辺には、中心より左右夫々3.5cmの位置に切り目を設ける。この切り目から左右夫々に紐を通し絞って、ゴム紐を接続して結ぶと、紐に沿って布が撚れて円柱袋状に成る力が働き、睾丸と陰茎を包んで吊上げる力が働き、上下の張力が適切に調和して快適な装着感を得、睾丸から外れない。
【016】
図1で示すよう等脚台形の上に長方形が被さっている六角形にすれば、上辺に余裕が生まれ、股と仕切り睾丸を持ち上げる力が働く、最適な形状を得ることができて、睾丸から外れることはない。しかも、睾丸への圧迫が少ないことを発見した。
【017】
更に、図5,6で示す長方形、台形でも紐通しの配置次第で、図1の六角形と類似する機能を得ることができることも発見した。最も望ましい布の形は6角形で望ましい形は台形である。紐通しを設ける時、角度がある場所では布を変形するのと同様に、張力の方向が大きく変化して商品機能に大きく影響する。紐の配置で睾丸を吊上げ、外れない最適な張力を得ることができる。また、図2、3、4、5、6で示すように、下辺の紐通しは中心より左右夫々4±2cmに切り目を入れて設け、これを紐の出入り口にするのが望ましい。
【018】
一般的にスポンジや樹脂シート、フェルトの様な柔らかで撚れない物を,布の下辺近くに取り付けると、布を張って撚れを防ぎ、睾丸部に布が沿いやすいことも発見した。
【019】
吊上げ式は椅子やベッドに座り、スラックスを下にずらすして、睾丸から外すだけで吸水体の交換ができると伴に、睾丸、陰茎の移動が少なく、吸水体が動かないため、尿漏れの心配がなく、幅が小さな女性用の失禁パッドも使用できる。
【020】
請求項1は、睾丸を包む袋を得るため、図1に示すように上辺=22±5cm、下辺=15±5cm、高さ=22±7cmの六角形、台形、四角形の布を得、図2、3,4、5,6に示すように、この両横と下を1〜2cm折縫いして紐通しを設けることが特徴であり、下辺には中心より左右夫々4±2cmの位置に切り目をいれて紐の出入り口とし、図3に示すように左右夫々に紐を通す。紐を絞ると睾丸を包み外れない袋となる。この左右の紐に、長さ調節できるゴム紐を接続すると、図7に示す睾丸を包んで吊り上げる吊上げ下着となる。装着すると、図8に示すように、睾丸を包んで股と仕切り、腰に架けた1本のゴム紐で睾丸を吊り上げる仕組みが著しい特徴の下着となる。
本発明では睾丸から布が外れない仕組みが重要である。外れる原因は上下の張力の差と張力の方向の違いであり、布の形と紐の配置で決まることが最大の特徴であり、下辺に横方向の強い張力が架かるよう紐通しを設け、上辺に垂直方向の弱い張力が架かる、図3に示すような紐の配置で外れない構造となる。
【021】
請求項1では下辺を切断して紐の出入口を設けているが、下辺中心より左右夫々4±2cm開け、その他を縫製しても同じ機能である。
【022】
請求項2は、布撚れを防止するため、図4に示すよう縦=2〜5cm、横=6〜12cm、厚さ=0.1〜1cmの樹脂シートやフェルトやスポンジのいずれか又は複数を請求項1の布の裏面下辺より2±1cm上の真中に接着するか、図9に示すように、左右夫々に、縦=2〜6cm、横=1±0.5cm、厚さ=0.1〜1cmを扇形に配して接着する。樹脂シート、フェルト、スポンジが表面に露出していると見た目に悪く、肌触も好ましくないので、この上に小布を被せて接着してもよい。小布は樹脂などを覆うことができる寸法以上であればよい。
【023】
布の上辺左右の角を縦1〜3×横3〜6cm切断すると、装着した姿が美しいので好ましい。又、図9に示すように、折り縫いして紐通しを設ける時に、上底を1±0.5cm短くすると弛みが取れ美しい。
【024】
布は材質を問わないが、ストレッチ素材で肌ざわりが良く適度な伸縮性を有するのが望ましい。子布は材質を問わない。ゴム紐の幅は10〜20mmが望ましく、長さが調節できるアジャスターを設け、両端は輪になって紐を通すと接続できるように加工する。紐は引っ張り強度の大きなものであればよく、材質を問わない。
【発明の効果】
【025】
中高年以上の人の多くは、睾丸が垂れて股と接して蒸れ不快感を覚えることが多い。しかし現状では対処方法はなく我慢しなければならないが、本品によって爽快な股間環境を得ることができる。特にスポーツ時に睾丸が安定し楽でシルエットが美しい。また、失禁する人は外出を控える傾向があるが、原因は尿漏れと臭いと外見にである。
【026】
本発明品は、吊上げ式のため適切な吸水量のパッドを使用すれば尿漏れはない。また、従来は失禁後、吸水体の交換時にスラックスを脱ぐ必要があったが、本品はスラックスを下にずらして座った状態で簡単に取り換えれるので、椅子に座われる人であれば自分で素早く取り替えられる。失禁の度に取り換えができて臭わないので気持ちがよい。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【027】
図1で示す寸法のストレッチ素材の布を得、図2に示すように左右と下辺を1.5cm折り縫いして紐通しを設け、下辺中心より左右夫々3.5cmの位置に切り目を入れ、図3に示すように紐を配置し、絞ってゴム紐を接続すると図7に示すような吊上げ下着となり、装着すると図8に示すようになる。
【実施例2】
【028】
図2で示す紐通しを設けた布に、図4で示すような厚さ=0.15mm、10×3.5cm寸法の樹脂シートを接着し上を小布で覆うと撚れを防止する吊上げ下着となる。
【実施例3】
【029】
図2で示す紐通しを設けた布に、図9で示すように、厚さ0.16cm、0.8cm×4cmのスポンジを中心より3.5cm離した左右に扇形に配して接着し、その上を小布で覆った吊上げ下着。
【産業上の利用可能性】
【030】
介護などにおいては、尿漏れだけでパンツを取り換えない。よって被介護者は不快のまま長時間過ごさなければならない。本品は尿漏れパンツの下にも装着できて、尿漏れ時は股から外して腹部で吸水体だけを取り換えればよいので、椅子に座れる人であれば自分で取り替えられる。失禁の度に取り換えができ臭わないので気持ちがよく明るい生活が送れ、介護者も楽でコストも安くなる。
【図面の簡単な説明】
【031】
図1は布の1/3平面図である。
【032】
図2は紐通しと切断部を設けた布の1/3平面図である。
【033】
図3は紐の配置を示した1/3概略図である。
【034】
図4は撚れ防止のための樹脂シート上に、小布を被せて接着した1/3平面図である。
【035】
図5は長方形の布に紐通しと切断部を設けた1/3平面図である。
【036】
図6は台形の布に紐通しと切断部を設けた1/3平面図である。
【037】
図7はゴム紐を接続して完成した吊上げ下着の概略斜視図である。
【038】
図8は吊上げ下着を装着した時の概略斜視図である。
【039】
図9は撚れ防止のために、下底2cm上の左右にスポンジを配した布の1/3平面図である。