【解決手段】解析システムSは、母集団の傾向値及び母集団から抽出された対象グループの回答の傾向値を認識する傾向値認識部1jと、それらの傾向値の乖離度を認識する乖離度認識部1kと、乖離度が所定の閾値以上であった場合に、アンケートに関するキーワードを対象グループの特異キーワードとして認識する特異キーワード・タグ認識部1lとを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、マーケティングを行うに際しては、予め販売、広告等のターゲットになると予測されている母集団の特性を適切に把握することも重要ではあるが、その一方で、マーケティングに対して有用な特性を備えている母集団(例えば、購入の可能性の高い母集団等)を新たに発見することも重要となる。
【0007】
しかし、特許文献1に記載の手法は、予め販売、広告等のターゲットになると予測されている母集団全体の特性を適切に把握するための手法である。そのため、特許文献1に記載の手法では、その母集団が他の分野におけるマーケティングにおいて特異性を有しているか(ひいては、有用性の高いリアクションデータを得ることができる母集団であるか)を把握することはできなかった。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、マーケティングに有用性の高いリアクションデータを得られる新たな母集団を把握することができるアンケート結果解析システム、及び、アンケート結果解析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のアンケート結果解析システムは、
アンケートを構成している質問に対する回答に基づいて、前記回答を行った複数の回答者からなる母集団を解析するためのアンケート結果解析システムであって、
第1のアンケートを構成している複数の質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第2のアンケートに対し、前記第2のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第2のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第2のアンケートに関するタグとして該第2のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する第2キーワード・タグ処理部と、
前記第1のアンケートに対する前記母集団による回答を認識する第1回答認識部と、
前記第2のアンケートに対する前記母集団による回答を認識する第2回答認識部と、
前記第1のアンケートに対する回答に基づいて、前記母集団から対象グループを認識する対象グループ認識部と、
前記第2のアンケートに対する、前記対象グループの回答の傾向に基づく値であるグループ傾向値を認識するグループ傾向値認識部と、
前記第2のアンケートに対する、前記母集団の回答の傾向に基づく値である母集団傾向値を認識する母集団傾値向認識部と、
前記グループ傾向値及び前記母集団傾向値に基づいて、前記グループ傾向値と前記母集団傾向値との乖離の度合いを示す値である乖離度を認識する乖離度認識部と、
前記乖離度が所定の閾値以上であった場合に、前記第2のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方を、前記対象グループに対して特異性を有しているキーワード又はタグである特異キーワード又は特異タグとして認識する特異キーワード・タグ認識部とを備えていることを特徴とする。
【0010】
このように、本発明のアンケート結果解析システムは、第2のアンケートに対し、そのアンケートを構成している質問に含まれているキーワードを第2のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、その質問の属性を示すタグを第2のアンケートに関するタグとして第2のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行している。すなわち、この解析システムでは、第2のアンケートの回答から検討し得るキーワード又はタグ(ひいては、マーケティングの分野)が設定される。
【0011】
その後、このシステムは、第1のアンケートに対する回答に基づいて、母集団の中から対象グループを認識し、第2のアンケートに対する回答に基づいて、その対象グループの傾向値と母集団の傾向値との乖離度を認識する。さらにその後、このシステムは、その乖離度に基づいて、第2のアンケートに関するキーワード又はタグが、対象グループに対して特異性を有しているか否かを、認識する。
【0012】
ここで、傾向値を認識する対象となる母集団は、母集団全体の大まかな傾向を把握できる程度のグループであればよい。そのため、この母集団には、対象グループを含む母集団全体だけでなく、母集団に含まれる対象グループ以外の回答者全体等が含まれる。
【0013】
これにより、このシステムによれば、母集団の中から、特異キーワード又は特異タグに関するマーケティングの分野において、特異性を有しているグループを認識することができる。そして、例えば、そのグループを採用又は除外して母集団を決定した場合には、その母集団からは、そのマーケティングの分野において、有用性の高いリアクションデータを得ることができる。
【0014】
また、本発明のアンケート結果解析システムにおいては、
前記第1のアンケートを構成している複数の質問、及び、前記第2のアンケートを構成している複数の質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第3のアンケートに対し、前記第3のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第3のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第3のアンケートに関するタグとして該第3のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する第3キーワード・タグ処理部と、
前記特異キーワード及び前記特異タグの少なくとも一方と、前記第3のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方との一致度を認識する一致度認識部と、
前記一致度が所定の閾値以上であった場合に、前記対象グループを、前記第3のアンケートを実施する母集団として提案する、又は、実施する母集団から除外するグループとして提案する母集団提案部とを備えていることが好ましい。
【0015】
第3のアンケートに関するキーワード又はタグが、あるグループについて特異性を有している特異キーワード又は特異タグと一致するのであれば、その第3のアンケートに関するキーワード又はタグも、そのグループについて特異性を有している蓋然性が高い。すなわち、そのグループは、第3のアンケートに関するマーケティングの分野においても、特異な傾向を持つ蓋然性が高い。
【0016】
そこで、このように、特異キーワード及び特異タグの少なくとも一方に基づいて認識されたグループを第3のアンケートを実施する母集団として提案する、又は、実施する母集団から除外するグループとして提案すると、第3のアンケートに対して特異性のある回答(すなわち、第3のアンケートに関するマーケティングの分野において有用性の高いリアクションデータ)を得ることができる蓋然性が高くなる。
【0017】
また、本発明のアンケート結果解析方法は、
アンケートを構成している質問に対する回答に基づいて、前記回答を行った複数の回答者からなる母集団を解析するためのアンケート結果解析方法であって、
第2キーワード・タグ処理部が、第1のアンケートを構成している複数の質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第2のアンケートに対し、前記第2のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第2のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第2のアンケートに関するタグとして該第2のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する工程と、
第1回答認識部が、前記第1のアンケートに対する前記母集団による回答を認識する工程と、
第2回答認識部が、前記第2のアンケートに対する前記母集団による回答を認識する工程と、
対象グループ認識部が、前記第1のアンケートに対する回答に基づいて、前記母集団から対象グループを認識する工程と、
グループ傾向値認識部が、前記第2のアンケートに対する、前記対象グループの回答の傾向に基づく値であるグループ傾向値を認識する工程と、
母集団傾値向認識部が、前記第2のアンケートに対する、前記母集団の回答の傾向に基づく値である母集団傾向値を認識する工程と、
乖離度認識部が、前記グループ傾向値及び前記母集団傾向値に基づいて、前記グループ傾向値と前記母集団傾向値との乖離の度合いを示す値である乖離度を認識する工程と、
特異キーワード・タグ認識部が、前記乖離度が所定の閾値以上であった場合に、前記第2のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方を、前記対象グループに対して特異性を有しているキーワード又はタグである特異キーワード又は特異タグとして認識する工程とを備えていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明のアンケート結果解析システムは、
アンケートを構成している質問に対する回答に基づいて、前記アンケートを解析するためのアンケート結果解析システムであって、
複数の質問で構成されている第1のアンケートに対し、前記第1のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第1のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第1のアンケートに関するタグとして該第1のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する第1キーワード・タグ処理部と、
前記第1のアンケートを構成している複数の質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第2のアンケートに対し、前記第2のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第2のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第2のアンケートに関するタグとして該第2のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する第2キーワード・タグ処理部と、
前記第1のアンケートに対する母集団による回答を認識する第1回答認識部と、
前記第2のアンケートに対する前記母集団による回答を認識する第2回答認識部と、
前記第1のアンケートに対する回答に基づいて、前記母集団から対象グループを認識する対象グループ認識部と、
前記第2のアンケートに対する、前記対象グループの回答の傾向に基づく値であるグループ傾向値を認識するグループ傾向値認識部と、
前記第2のアンケートに対する、前記母集団の回答の傾向に基づく値である母集団傾向値を認識する母集団傾値向認識部と、
前記グループ傾向値及び前記母集団傾向値に基づいて、前記グループ傾向値と前記母集団傾向値との乖離の度合いを示す値である乖離度を認識する乖離度認識部と、
前記乖離度が所定の閾値以上であった場合に、前記第2のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方を、前記第1のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方に対して特異性を有しているキーワード又はタグである特異キーワード又は特異タグとして認識する特異キーワード・タグ認識部とを備えていることを特徴とする。
【0019】
このように、本発明のアンケート結果解析システムは、第1のアンケート及び第2のアンケートに対し、そのアンケートを構成している質問に含まれているキーワードをそのアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、その質問の属性を示すタグをそのアンケートに関するタグとしてそのアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行している。すなわち、このシステムでは、第1のアンケート及び第2のアンケートの回答から検討し得るキーワード又はタグ(ひいては、マーケティングの分野)が設定される。
【0020】
その後、このシステムは、第1のアンケートに対する回答に基づいて、母集団の中から対象グループを認識し、第2のアンケートに対する回答に基づいて、その対象グループの傾向値と母集団全体の傾向値との乖離度を認識する。さらにその後、このシステムは、その乖離度に基づいて、第2のアンケートに関するキーワード又はタグが、第1のアンケートに関するキーワード又はタグに対して特異性を有しているか否かを、認識する。
【0021】
ここで、傾向値を認識する対象となる母集団は、母集団全体の大まかな傾向を把握できる程度のグループであればよい。そのため、この母集団には、対象グループを含む母集団全体だけでなく、母集団に含まれる対象グループ以外の回答者全体等が含まれる。
【0022】
これにより、このシステムによれば、第1のアンケートに関するマーケティング分野に関するキーワード又はタグの中から、特異キーワード又は特異タグに関するマーケティングの分野において、特異性を有しているグループを抽出するためのキーワード又はタグを認識することができる。そして、そのキーワード又はタグに基づいて母集団を決定した場合には、その母集団からは、そのマーケティングの分野において、有用性の高いリアクションデータを得ることができる。
【0023】
また、本発明のアンケート結果解析システムにおいては、
前記第1のアンケートを構成している複数の質問、及び、前記第2のアンケートを構成している複数の質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第3のアンケートに対し、前記第3のアンケートを構成している質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第3のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第3のアンケートに関するタグとして該第3のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する第3キーワード・タグ処理部と、
前記特異キーワード及び前記特異タグの少なくとも一方と、前記第3のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方との一致度を認識する一致度認識部と、
前記一致度が所定の閾値以上であった場合に、前記特異キーワード及び前記特異タグの少なくとも一方を、前記第3のアンケートを実施する母集団を決定する際に考慮すべきキーワード又はタグとして提案するキーワード・タグ提案部とを備えていることが好ましい。
【0024】
第3のアンケートに関するキーワード又はタグが、特異キーワード又は特異タグと一致するのであれば、特異キーワード又は特異タグに対応するグループが、その第3のアンケートに関するキーワード又はタグに対して、特異性を有している蓋然性が高い。すなわち、そのグループは、第3のアンケートに関するマーケティングの分野においても、特異な傾向を持つ蓋然性が高い。
【0025】
そこで、このように、特異キーワード及び特異タグの少なくとも一方を第3のアンケートを実施する母集団を決定する際に考慮すべきキーワード又はタグとして提案すると、第3のアンケートに対して特異性のある回答(すなわち、第3のアンケートに関するマーケティングの分野において有用性の高いリアクションデータ)を得ることができる蓋然性が高くなる。
【0026】
また、本発明のアンケート結果解析方法は、
アンケートを構成している質問に対する回答に基づいて、前記アンケートを解析するためのアンケート結果解析方法であって、
第1キーワード・タグ処理部が、複数の質問で構成されている第1のアンケートに対し、前記第1のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第1のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第1のアンケートに関するタグとして該第1のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する工程と、
第2キーワード・タグ処理部が、前記第1のアンケートを構成している複数の質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第2のアンケートに対し、前記第2のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第2のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第2のアンケートに関するタグとして該第2のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する工程と、
第1回答認識部が、前記第1のアンケートに対する母集団による回答を認識する工程と、
第2回答認識部が、前記第2のアンケートに対する前記母集団による回答を認識する工程と、
対象グループ認識部が、前記第1のアンケートに対する回答に基づいて、前記母集団から対象グループを認識する工程と、
グループ傾向値認識部が、前記第2のアンケートに対する、前記対象グループの回答の傾向に基づく値であるグループ傾向値を認識する工程と、
母集団傾値向認識部が、前記第2のアンケートに対する、前記母集団の回答の傾向に基づく値である母集団傾向値を認識する工程と、
乖離度認識部が、前記グループ傾向値及び前記母集団傾向値に基づいて、前記グループ傾向値と前記母集団傾向値との乖離の度合いを示す値である乖離度を認識する工程と、
特異キーワード・タグ認識部が、前記乖離度が所定の閾値以上であった場合に、前記第2のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方を、前記第1のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方に対して特異性を有しているキーワード又はタグである特異キーワード又は特異タグとして認識する工程とを備えていることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、実施形態に係る解析システムS(アンケート結果解析システム)の構成について説明する。
【0029】
なお、以下の説明においては、解析システムSを用いてマーケティングのためのアンケートの実施を希望するメーカー等を「クライアント」という。また、解析システムSから送信されたアンケートに回答する回答者を「カスタマー」という。
【0030】
解析システムSは、実施するアンケートを構成している質問に対する回答に基づいて、回答を行った複数のカスタマーからなる母集団、及び、アンケートそのものの解析を行うシステムである。
【0031】
そして、解析システムSでは、クライアントに対し、その解析の結果に基づいて、クライアントからの要望に応じたアンケートの実施、及び、そのアンケートを実施する母集団に関する提案といったサービスが提供される。一方で、このサービスでは、カスタマーに対し、アンケートに回答した際に、所定の報酬(例えば、クライアントの商品を購入する際に使用できるポイント等)が支払われることもある。
【0032】
[システムの概略構成]
まず、
図1を参照して、解析システムSの概略構成について説明する。
【0033】
図1に示すように、解析システムSは、解析システムSによるサービスの提供者が保有するサーバ1によって構成されている。サーバ1は、インターネット回線等を介して、クライアントの保有するパソコン、タブレット等のクライアント端末2、及び、カスタマーの保有するスマートフォン、タブレット等のカスタマー端末3と、相互に情報通信可能に構成されている。
【0034】
なお、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、システムがクライアントからの要望及びカスタマーからの回答を認識することができるように構成されているものであればよい。
【0035】
そのため、例えば、カスタマー端末を介して入力された回答をサーバに送信するのではなく、回答を別途データ化して、そのデータを直接サーバに読み込ませるように構成されていてもよい。また、例えば、複数のサーバによってシステム全体を構成してもよい。また、クライアント端末及びカスタマー端末に、後述する処理部の機能の少なくとも1つを実装し、それらを用いてシステムが構成されていてもよい。
【0036】
[各処理部の構成]
図2に示すように、サーバ1は、実装されたハードウェア構成又はプログラムにより実現される機能(処理部)として、アンケート決定部1aと、キーワード・タグ格納部1bと、キーワード・タグ処理部1cと、カスタマーデータ格納部1dと、提案部1eと、母集団決定部1fと、アンケート実施部1gと、回答認識部1hと、対象グループ認識部1iと、傾向値認識部1jと、乖離度認識部1kと、特異キーワード・タグ認識部1lと、一致度認識部1mとを備えている。
【0037】
アンケート決定部1aは、クライアントからの要望に応じて、複数の質問からなるアンケートを決定する。具体的には、クライアントがアンケートの目的とする情報(クライアントが知りたい情報等)を認識し、その情報、及び、過去に実施したアンケート等に基づいて複数の質問を作成する。
【0038】
ここで、アンケートの目的とする情報は、例えば、クライアント端末2を介して予めクライアントに提示した所定のテンプレートに対する回答等に基づいて認識される。
【0039】
アンケートを構成する質問としては、例えば、質問の対象となる商品等に対するカスタマーの印象を確認するための状態質問(例えば、マインドフローに基づく質問)を、二択回答、複数選択肢回答、5段階評価回答、NPS評価回答といった回答方式で問うもの等が挙げられる。
【0040】
キーワード・タグ格納部1bは、実施されるアンケートに関連し得るキーワード・タグを格納している。具体的には、所定のキーワードと、そのキーワードに対して4P(商品、販路、価格、プロモーション)分析等の観点から設定されたタグとの関係性を示すデータを格納している。
【0041】
また、キーワード・タグ格納部1bは、後述する特異キーワード及び特異タグを、格納しているキーワード又はタグに対して、関連付けて格納する。
【0042】
キーワード・タグ処理部1c(第1キーワード・タグ処理部、第2キーワード・タグ処理部、第3キーワード・タグ処理部)は、アンケート決定部1aで決定されたアンケートに対し、そのアンケートを構成している質問に基づいて、その質問に含まれているキーワードを、そのアンケートに関するキーワードとして認識する。
【0043】
また、キーワード・タグ処理部1cは、そのアンケートに対し、キーワード・タグ格納部1bに格納されているデータを参照して、その質問の属性を示すタグを、そのアンケートに関するタグとして、そのアンケートに付与する。
【0044】
キーワードを認識する処理としては、例えば、質問の文章に対してテキストマイニングを実行し、その結果に基づいて、文章の主語となる名詞をキーワードとして認識する処理が挙げられる。
【0045】
キーワードとしては、例えば、質問に関する商品等を示す「自動車」、「旅行」等のカテゴリキーワード、その商品のブランドを示すブランドキーワード、商品名を示す商品名キーワード等が挙げられる。
【0046】
また、タグを付与する処理としては、例えば、キーワード・タグ格納部1bに格納されているデータを参照して、認識されたキーワードの上位概念を示すワード、一般的に想起されるワード等を、その質問ごとのタグ、又は、アンケート全体に対してのタグとして付与する処理が挙げられる。
【0047】
タグとしては、例えば、「電化製品」、「食べ物」等のブランド、商品を指すキーワードの上位概念となるワード、「コンビニエンスストア」、「ドラッグストア」等のブランド、商品を指すキーワードに関する販路として想起されるワード、「低価格」、「高級品」等の価格を指すキーワードに対して想起されるワード、「テレビCM」、「雑誌」等のブランド、商品を指すキーワードに対するプロモーションルートとして想起されるワード等が挙げられる。
【0048】
なお、解析システムSでは、第1のアンケートに関するキーワード・タグ処理部と、第1のアンケートを構成している質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第2のアンケートに関するキーワード・タグ処理部と、第1のアンケートを構成している質問、及び、第2のアンケートを構成している質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第3のアンケートに関するキーワード・タグ処理部とを、1つの処理部として構成している。
【0049】
しかし、本発明は、そのような構成に限定されるものではなく、それらのキーワード・タグ処理部のいずれかを、独立したものとして構成してもよい。
【0050】
カスタマーデータ格納部1dは、アンケートの実施対象となり得るカスタマーについての情報が格納されている。具体的には、解析システムSによるサービスに登録している複数のカスタマーが、各々の属性ごとにカテゴライズされて、個人を特定できない状態で格納されている。
【0051】
カスタマーの属性としては、例えば、年齢、性別、居住地、趣味、家族構成、回答に用いる端末の情報の他、これまでに回答したアンケート及びそれに対する回答、並びに、後述する特異キーワード、特異タグ等が挙げられる。
【0052】
提案部1e(母集団提案部、キーワード・タグ提案部)は、クライアント端末2を介して、クライアントに対し、アンケートを実施し得る母集団、アンケートの実施(すなわち、母集団に含ませること)を推奨する又は推奨しないグループ、並びに、アンケートを実施する母集団を決定する際に考慮すべきキーワード及びタグの少なくとも一方を提案する。
【0053】
具体的には、提案部1eは、アンケート決定部1aで決定されたアンケートに対して認識されたキーワード及び付与されたタグの少なくとも一方に基づいて、カスタマーデータ格納部1dから、カスタマーに関する情報を検索して、アンケートを実施し得る母集団を提示する。
【0054】
また、提案部1eは、その母集団の提示とともに、その母集団の中から特にアンケートの実施を推奨するグループ、アンケートの実施を推奨しない(除外すべき)グループ、並びに、その理由となるキーワード及びタグを提示する。この提示内容は、後述する特異キーワード及び特異タグ、並びに、一致度を参照して決定される。
【0055】
また、提案部1eは、その母集団の提示とともに、その母集団の中からアンケートを実施する母集団を決定する際に考慮すべきキーワード及びタグの少なくとも一方、並びに、そのキーワード又はタグに対応するカスタマーのグループ及びそのグループの属性を提示する。この提示内容は、後述する特異キーワード及び特異タグ、並びに、一致度を参照して決定される。
【0056】
なお、解析システムSでは、母集団についての提案を行う母集団提案部と、キーワード及びタグについての提案を行うキーワード・タグ提案部とを1つの処理部として構成している。しかし、本発明は、そのような構成に限定されるものではなく、母集団提案部とキーワード・タグ提案部とを、互いに独立した処理部として構成してもよい。
【0057】
また、解析システムSでは、クライアントが母集団を決定する際の検討材料を提示するために、母集団についての提案を行う母集団提案部と、キーワード及びタグについての提案を行うキーワード・タグ提案部を備えている。しかし、本発明は、そのような構成に限定されるものではなく、母集団提案部及びキーワード・タグ提案部の少なくとも一方を省略してもよい。
【0058】
母集団決定部1fは、クライアント端末2に対するクライアントからの入力に基づいて、アンケートを実施する母集団を、カスタマーデータ格納部1dに格納されているカスタマーデータの中から決定する。
【0059】
アンケート実施部1gは、アンケート決定部1aによって決定されたアンケートを、母集団決定部1fによって決定された母集団に含まれるカスタマーのカスタマー端末3に対して、回答を入力可能な形式で送信することによって、そのアンケートを実施する。
【0060】
回答認識部1h(第1回答認識部、第2回答認識部)は、アンケート実施部1gによって実施されたアンケートを認識するとともに、カスタマー端末3に対するカスタマーからの入力に基づいて、そのアンケートに対する回答を認識する。また、回答認識部1hは、実施したアンケート、及び、その回答を所定の形式でまとめたものを、クライアント端末2を介して、クライアントに提示する。
【0061】
なお、解析システムSでは、カスタマー端末3を区別することによって、カスタマーごとのアンケートに対する回答を認識している。しかし、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、アンケートとそれに回答した回答者との対応を認識できるように構成されていればよい。
【0062】
例えば、回答者が回答を行う際に予め回答者ごとに付与されているIDを入力するようにするように構成するのであれば、解析システムSが端末を区別しなくてもよい。そして、その場合には、回答者はアンケートごとに異なる端末を用いてもよい。
【0063】
なお、解析システムSでは、第1のアンケートに対する母集団による回答を認識する第1回答認識部と、第2のアンケートに対する母集団による回答を認識する第2回答認識部とを1つの処理部として構成している。しかし、本発明は、そのような構成に限定されるものではなく、第1回答認識部と第2回答認識部とを、互いに独立した処理部として構成してもよい。
【0064】
対象グループ認識部1iは、回答認識部1hが認識した回答に基づいて、所定のアンケートが実施された母集団の中から、そのアンケートに対する回答に基づいて、後述する特異キーワード及び特異タグを検証するための対象グループを認識する。
【0065】
対象グループを認識するルールは、システム設計者が適宜設定してよいものであり、システム設計者自身が人為的に設定してもよいし、AIを用いた機械学習の結果等に基づいて設定してもよい。
【0066】
対象グループを認識するルールとしては、所定の質問に対して、所定の回答を行った回答者のグループを、対象グループとする方法がある。所定の質問としては、例えば、アンケート全体に対する方針を示す質問等である。また、具体的には、アンケートのテーマとなる商品について、マインドフローに準じて、認知、興味、好感、行動、比較、購買、保有、利用、愛着といった内容を問う質問が挙げられる。
【0067】
マインドフローに準じた質問としては、例えば、アンケートのテーマとなる商品について、知っているか知らないか、興味があるか無いか、好きか嫌いか、調査したことがあるか、比較したことがあるか、購買したことがあるか、保有しているか(又は保有していたか)否か、利用している(利用していたか)否か、利用している場合に愛着があるか否か、といった質問等が挙げられる。
【0068】
なお、解析システムSでは、アンケートを構成する質問として、「はい」、「いいえ」の二択形式、又は、それらに「保留する」を加えた三択形式のものを採用している。しかし、本発明は、そのような構成に限定されるものではなく、多段階評価、ネットプロモータースコア(NPS(登録商標 第5028108号))といった形式の質問を用いてアンケートを構成してもよい。
【0069】
対象グループを認識するルールは、解析を行うアンケートとは異なるアンケートに対する回答に基づくものであればよい。そのため、そのルールは、例えば、上記のように特定の1つの質問に対する回答に基づくルールの他、複数の質問に対する回答に基づくルールであってもよい。また、その際に採用する質問としては、解析を行うアンケートには含まれていない質問を採用すると、解析を行うアンケートからの影響の少ないグループを対象グループとすることができるので、さらに好ましい。
【0070】
傾向値認識部1j(グループ傾向値認識部、母集団傾向値認識部)は、回答認識部1hが認識した回答に基づいて、母集団全体、及び、回答認識部1hによって認識された対象グループについて、対象グループを認識する際に用いたアンケートとは異なるアンケートに対する回答における母集団傾向値及びグループ傾向値を認識する。
【0071】
ここで、「傾向値」とは、アンケートに対する回答の傾向に基づく値である。例えば、傾向値としては、回答内容の割合を示す値、「はい」と「いいえ」とで回答する所定の二択形式の質問に対して「はい」と回答した人数の割合、アンケート開始からアンケート終了までの時間、有効な回答を行った人数の割合、アンケートを実施する際に利用するアプリケーションのカスタマーの利用頻度又は利用時間、同じ質問を別のタイミングで実施した場合の回答内容の変化率、段階評価における各段階の割合、回答に含まれる数値又は言葉の傾向等が挙げられる。
【0072】
また、ここで、母集団傾向値を認識する対象となる「母集団」は、母集団全体の大まかな傾向を把握できる程度のグループであればよい。そのため、この母集団には、対象グループを含む母集団全体だけでなく、母集団に含まれる対象グループ以外の回答者全体等が含まれる。
【0073】
なお、解析システムSでは、対象グループの回答の傾向に基づく値であるグループ傾向値を認識するグループ傾向値認識部と、母集団全体の回答の傾向に基づく値である母集団傾向値を認識する母集団傾値向認識部とを1つの処理部として構成している。しかし、本発明は、そのような構成に限定されるものではなく、グループ傾向値認識部と全体傾値向認識部とを、互いに独立した処理部として構成してもよい。
【0074】
乖離度認識部1kは、傾向値認識部1jによって認識された母集団傾向値及びグループ傾向値に基づいて、それらの乖離度を認識する。
【0075】
ここで、「乖離度」とは、母集団傾向値とグループ傾向値との乖離の度合いを示す値である。例えば、傾向値を「はい」と「いいえ」とで回答する所定の二択形式の質問に対して「はい」と回答した人数の割合を示す値とした場合、母集団傾向値とグループ傾向値との差の絶対値を乖離度としてもよい。また、例えば、その差の絶対値と、母集団における平均値とを比較して、その偏差を乖離度としてもよい。また、例えば、グループ傾向値を、母集団傾向値で除算した値を乖離度としてもよい。
【0076】
また、乖離しているか否かの判断の基準は、システム設計者が適宜設定してよいものであり、例えば、システム設計者自身が人為的に設定した閾値に基づいて判断してもよいし、AIを用いた機械学習の結果等に基づいて設定した閾値に基づいて判断してもよい。
【0077】
特異キーワード・タグ認識部1lは、乖離度認識部1kによって認識された乖離度が所定の閾値以上であった場合に、乖離度(すなわち、母集団傾向値及びグループ傾向値)の認識に用いられたアンケートに関するキーワード及びタグの少なくとも一方を、対象グループ認識部1iによって認識された対象グループに対する特異キーワード又は特異タグとして認識する。
【0078】
その後、特異キーワード・タグ認識部1lは、その特異キーワード又は特異タグを、対象グループ(すなわち、対象グループを構成するカスタマー)に関連付けて、カスタマーデータ格納部1dに格納する。
【0079】
また、特異キーワード・タグ認識部1lは、乖離度認識部1kによって認識された乖離度が所定の閾値以上であった場合に、乖離度の認識に用いられたアンケートに関するキーワード及びタグの少なくとも一方を、対象グループを認識する際に用いられたアンケートに関するタグ及びキーワードの少なくとも一方に対する特異キーワード又は特異タグとして認識する。
【0080】
その後、特異キーワード・タグ認識部1lは、その特異キーワード又は特異タグを、対象グループを認識する際に用いられたアンケートに関するタグ及びキーワードの少なくとも一方に関連付けて、キーワード・タグ格納部1bに格納する。
【0081】
ここで、「特異キーワード」及び「特異タグ」とは、対象グループ、又は、対象グループを決定する際に用いられたアンケートに関するキーワード及びタグの少なくとも一方に対して、特異性を有しているキーワード及びタグである。
【0082】
また、ここでいう「特異性」とは、その対象グループ、又は、そのキーワード及びタグに関するグループを用いて、マーケティングを行った場合に、母集団全体におけるリアクションデータと比べて、独特な傾向、値等を持つリアクションデータを得ることのできる可能性が高いことを指す。
【0083】
一致度認識部1mは、実施するアンケートに対して認識されたキーワード及び付与されたタグの少なくとも一方と、キーワード・タグ格納部1bに格納されているグループ、又は、キーワード若しくはタグに関連付けられている特異キーワード及び特異タグとの一致度を認識する。
【0084】
ここで、「一致度」とは、システム設計者が適宜設定してよいものであり、システム設計者自身が人為的に設定してもよいし、AIを用いた機械学習の結果等に基づいて設定してもよい。
【0085】
例えば、一致度としては、実施するアンケートに関するキーワード及びタグと、対比するグループに関するキーワード及びタグ、又は、対比するキーワード若しくはタグに関するキーワード及びタグとを対比して、単純にどの程度の数が一致するかといった値を用いてもよい。
【0086】
また、例えば、キーワード及びタグの数ではなく、キーワードの数とタグの数との比率を用いてもよい。また、例えば、実施するアンケートと対比するグループ及びキーワード又はタグに関する値を直接的に対比するのではなく、それらの値の全体の平均に対する偏差に基づいて、一致度を認識してもよい。
【0087】
解析システムSでは、カスタマーデータ格納部1dに、カスタマーのグループごとに、特異キーワード及び特異タグが関連付けて格納されている。そこで、そのグループにおける一致度を認識する際には、実施するアンケートに関連するキーワード及びタグと、そのグループに関連付けられているキーワード及びタグとを対比して、一致するキーワード及びタグの数に基づいて、その一致度を認識する。
【0088】
そして、一致度認識部1mは、そのグループにおける一致度が所定の閾値以上であった場合には、カスタマーデータ格納部1dから、そのグループをアンケートの実施を推奨するグループとして、提案部1eに送信する。一方、一致度認識部1mは、そのグループにおける一致度が所定の閾値未満であった場合には、そのグループアンケートの実施を推奨しない(除外すべき)グループとして、提案部1eに送信する。
【0089】
また、解析システムSでは、キーワード・タグ格納部1bに、キーワード又はタグごとに、特異キーワード及び特異タグが関連付けて格納されている。そこで、キーワード又はタグにおける一致度を認識する際には、実施するアンケートに関連するキーワード及びタグと、そのキーワード又はタグに関連付けられている特異キーワード及び特異タグを対比して、一致するキーワード及びタグの数に基づいて、その一致度を認識する。
【0090】
そして、一致度認識部1mは、そのキーワード又はタグにおける一致度が所定の閾値以上であった場合には、そのキーワード又はタグを、アンケートを実施する母集団を決定する際に考慮すべきキーワード又はタグとして、提案部1eに送信する。一方、一致度認識部1mは、そのキーワード又はタグにおける一致度が所定の閾値未満であった場合には、そのキーワード又はタグを、アンケートを実施する母集団を決定する際に考慮する必要のないキーワード又はタグとして、提案部1eに送信する。
【0091】
また、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、一致度に基づくグループの提案推奨及び非推奨の基準は適宜設定してよい。例えば、一致度が閾値未満の場合にアンケートの実施を提案するようにすれば、直接マーケティングに有用なリアクションデータが得られなくても、新たな知見が得られる可能性もあるためである。
【0092】
なお、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、一致度に基づいたクライアントへの母集団に関する提案を行わない場合には、一致度認識部を省略してもよい。
【0093】
[各処理部で実行される処理]
次に、
図2〜
図5を参照して、解析システムSがクライアントからの要望に応じてカスタマーに対してアンケートを実施する際に行う処理(アンケート結果解析方法)について説明する。
【0094】
なお、以下の説明においては、液体歯磨きaに関する第1のアンケート、及び、カメラbに関する第2のアンケートを実施して、第1のアンケートに対する回答に基づいて決定された対象グループ、並びに、第1のアンケートに関するキーワード及びタグに対して、第2のアンケートに関するキーワード及びタグが特異性を有しているか否かの解析を行っている。
【0095】
しかし、本発明は、そのように個別のアンケートごとに解析を行うことのみが可能なものではない。具体的には、多数のアンケートを実施して、それらのアンケートに対する回答を蓄積し、対象グループを決定するために用いられるアンケート及び特異性を解析するキーワード又はタグに関するアンケートの少なくとも一方の変更を繰り返して、多数の解析データを蓄積するように構成されていてもよい。
【0096】
さらには、解析するアンケートと対象グループを認識する際に用いるアンケートを変更しない場合であっても、対象グループを認識する際に用いるアンケートから採用する質問を変更しつつ、解析するアンケートについて、複数回の解析を行うようにしてもよい。
【0097】
[初回のアンケートの実施の際における処理]
まず、
図2及び
図3を参照して、解析システムSが、クライアントから初回のアンケート(第1のアンケート)の依頼を受け、その第1のアンケートを実施する際に実行する処理について説明する。
【0098】
ここで、第1のアンケートは、クライアントであるメーカーAが、自らが製造・販売している液体歯磨きaに対してカスタマーが持っているイメージを知りたいという目的のために実施されるものであるとする。
【0099】
この処理においては、まず、アンケート決定部1aは、クライアント端末2に入力されたクライアントのアンケートの目的とする情報に基づいて、アンケートを決定する(
図3/STEP100)。
【0100】
具体的には、アンケート決定部1aは、クライアント端末2に入力された情報に基づいて、クライアントが液体歯磨きaに対してカスタマーが持っているイメージを知りたいという目的を認識する。そして、アンケート決定部1aは、過去の類似商品(例えば、他の液体歯磨き、オーラルケア用品等)に関する過去のアンケートを参照して、カスタマーに対して問う質問を複数認識して、今回実施する第1のアンケートを構成する。
【0101】
次に、キーワード・タグ処理部1cが、決定された第1のアンケートに対して、キーワードを認識する処理、又は、タグを付与する処理を実行する(
図3/STEP101)。
【0102】
具体的には、キーワード・タグ処理部1cは、第1のアンケートを構成している質問の文章に対しテキストマイニングを実行し、その結果に基づいて、文章の主語となる名詞をキーワードとして認識する。
【0103】
本実施形態では、第1のアンケートは、液体歯磨きaに関する複数の質問からなるアンケートである。そのため、第1のアンケートに対しては、カテゴリを示す「液体歯磨き」、「a」という商品名そのもの(ブランド)、液体歯磨きaを製造しているメーカーの名前である「A」等が、キーワードとして認識される。
【0104】
また、キーワード・タグ処理部1cは、キーワード・タグ格納部1bに格納されているデータを参照して、認識されたキーワードの上位概念を示すワード、一般的に想起されるワード等を、その質問ごとのタグ、又は、アンケート全体に対してのタグとして付与する。
【0105】
本実施形態では、第1のアンケート全体、又は、第1のアンケートを構成する各々の質問に対しては、「液体歯磨き」というキーワードに対して直接連想される上位概念である「オーラルケア用品」といったワード、「a」という商品の販路である「コンビニエンスストア」、「ドラッグストア」といったワード、「a」という商品の具体的な価格帯(例えば、「低価格」)、「a」という商品について実施されているプロモーションルートの種類(例えば、「TVCM」、「Web広告」)等が、タグとして付与される。
【0106】
次に、提案部1eは、クライアント端末2を介してクライアントが選択し得る母集団を、クライアントに対して提案する(
図3/STEP102)。
【0107】
具体的には、まず、提案部1eは、クライアントが受けているサービスの種類等に基づいて、カスタマーの属性を決定する。次に、提案部1eは、その属性に対応したカスタマーをカスタマーデータ格納部1dから検索し、その検索結果を属性ごとにグループとしてまとめる。さらにその後、提案部1eは、そのグループを、そのグループの属性及びそのグループに含まれる人数とともに、クライアント端末2に選択可能な形式で表示する。
【0108】
次に、母集団決定部1fは、クライアント端末2を介してクライアントが選択したグループに基づいて、母集団を決定する(
図3/STEP103)。
【0109】
具体的には、母集団決定部1fは、クライアントが選択したグループを足し合わせて母集団として決定する。
【0110】
次に、アンケート実施部1gは、決定された母集団に対し、決定された第1アンケートを実施する(
図3/STEP104)。
【0111】
具体的には、アンケート実施部1gは、決定された第1のアンケートを、決定された母集団に含まれるカスタマーに対応するカスタマー端末3に回答可能な形式で表示する。
【0112】
次に、回答認識部1hは、カスタマー端末3を介して入力された回答を所定のルールに従って集計したものを、アンケートの結果としてクライアント端末2に送信する(
図3/STEP105)。
【0113】
ここで、回答を集計する際の所定のルールとは、システム設計者が適宜設定してよいものであり、システム設計者自身が人為的に設定してもよいし、AIを用いた機械学習の結果等に基づいて設定してもよい。
【0114】
例えば、回答を集計する際の所定のルールとしては、いわゆる単純集計に基づくルールであってもよい。その場合、クライアントに提示するデータは、例えば、アンケートに対する回答の数又は割合を、数値データ又はグラフデータとして示したものとなる。
【0115】
また、例えば、回答を集計する際の所定のルールとしては、いわゆるクロス集計に基づくルールであってもよい。その場合、クライアントに提示するデータは、例えば、実施したアンケートに対する回答と他のアンケートに対する回答とを掛け合わせた項目を、数値データ又はグラフデータとして示したものとなる。
【0116】
次に、回答認識部1hは、カスタマーデータ格納部1dに、実施した第1のアンケート及びそれに対する回答を、その第1のアンケートを実施したカスタマーに関連付けて、格納し(
図3/STEP106)、今回の処理を終了する。
【0117】
[アンケートの実施後における処理]
次に、
図2及び
図4を参照して、解析システムSが、カスタマーにアンケートを実施した際に実行する処理について説明する。
【0118】
なお、以下の説明においては、前述のSTEP100〜STEP106の処理を実行することによって、液体歯磨きaに関する第1のアンケートを実施した後に、同様に、前述のSTEP100〜STEP106の処理を実行することによって、第1のアンケートを実施した母集団に対して、カメラbに関する第2のアンケートを実施したとする。そして、以下の説明は、第2のアンケートを実施した後に実行される処理に関する説明である。
【0119】
また、前述のように、第1のアンケートは、クライアントであるメーカーAが、自らが製造・販売している液体歯磨きaに対してカスタマーが持っているイメージを知りたいという目的のために実施されるものであるとする。
【0120】
そのため、第1のアンケートに対しては、カテゴリを示す「液体歯磨き」、「a」という商品名そのもの(ブランド)、液体歯磨きaを製造しているメーカーの名前である「A」等が、キーワードとして認識されているとする。
【0121】
また、第1のアンケート全体、又は、第1のアンケートを構成する各々の質問に対しては、「液体歯磨き」というキーワードに対して直接連想される上位概念である「オーラルケア用品」といったワード、「a」という商品の販路である「コンビニエンスストア」、「ドラッグストア」といったワード、「a」という商品の具体的な価格帯(例えば、「低価格」)、「a」という商品について実施されているプロモーションルートの種類(例えば、「TVCM」、「Web広告」)といったワードが、タグとして付与されているとする。
【0122】
また、第2のアンケートは、クライアントであるメーカーBが、自らが製造・販売しているカメラbに対してカスタマーが持っているイメージを知りたいという目的のために実施されるものであるとする。
【0123】
また、第2のアンケートに対しては、カテゴリを示す「カメラ」、「b」という商品名そのもの(ブランド)、カメラbを製造しているメーカーの名前である「B」等がキーワードとして認識されているとする。
【0124】
また、第2のアンケート全体、又は、第2のアンケートを構成する各々の質問に対しては、「カメラ」というキーワードに対して直接連想される上位概念である「小型家電」といったワード、「b」という商品の販路である「家電量販店」、「専門店」といったワード、「b」という商品の具体的な価格帯(例えば、「高価格」)、「b」という商品について実施されているプロモーションルートの種類(例えば、「専門誌掲載」)といったワードが、タグとして付与されているとする。
【0125】
また、第1のアンケートと第2のアンケートとは、アンケートの目的となるカテゴリ、商品名、及び、メーカーの名前が異なっている。そのため、当然のことながら、第1のアンケートに含まれている複数の質問と第2のアンケートに含まれている複数の質問とは、少なくとも1つにおいて異なっている。
【0126】
以上を前提として、この処理においては、まず、回答認識部1hは、第1のアンケート及び第2のアンケートに対する母集団による回答を認識する(
図4/STEP200)。
【0127】
次に、対象グループ認識部1iは、第1のアンケートに対する回答に基づいて、母集団の中から対象グループを認識する(
図4/STEP201)。
【0128】
具体的には、対象グループ認識部1iは、母集団のうち、第1のアンケートに含まれる所定の質問に対して所定の回答を行った回答者のグループを、特異キーワード及び特異タグを検証するための対象グループとして認識する。
【0129】
本実施形態においては、第1のアンケートに含まれている「液体歯磨きaを購入したことがありますか?」という質問を所定の質問としている。また、その所定の質問に対して「はい」という回答を所定の回答としている。そのため、対象グループ認識部1iは、その所定の回答を行ったカスタマーのグループを対象グループとする。
【0130】
次に、傾向値認識部1jは、第2のアンケートに対する対象グループの回答に基づいて、第2のアンケートに対する対象グループのグループ傾向値を認識する(
図4/STEP202)。
【0131】
本実施形態においては、第2のアンケートに含まれている「カメラbを購入したことがありますか?」という質問に対する回答に「はい」と回答したカスタマーの割合を、検証するためのグループ傾向値としている。
【0132】
そのため、傾向値認識部1jは、その質問に対して対象グループのうちの「はい」と回答したカスタマーの割合を示す値をグループ傾向値として認識する。本実施形態では、グループ傾向値を60%(0.60)とする。すなわち、対象グループの60%がカメラbを購入したことがあると回答したとする。
【0133】
次に、傾向値認識部1jは、第2のアンケートに対する母集団全体の回答に基づいて、第2のアンケートに対する母集団傾向値を認識する(
図4/STEP203)。
【0134】
本実施形態においては、グループ傾向値と同様に、第2のアンケートに含まれている「カメラbを購入したことがありますか?」という質問に対する回答に「はい」と回答したカスタマーの割合を、母集団傾向値としている。
【0135】
そのため、傾向値認識部1jは、その質問に対して母集団全体のうちの「はい」と回答したカスタマーの割合を示す値を母集団傾向値として認識する。本実施形態では、母集団傾向値を20%(0.20)とする。すなわち、母集団全体の20%がカメラbを購入したことがあると回答したとする。
【0136】
次に、乖離度認識部1kは、グループ傾向値及び母集団傾向値に基づいて、乖離度を認識する(
図4/STEP204)。
【0137】
具体的には、乖離度認識部1kは、グループ傾向値と母集団傾向値とを対比して、乖離度を算出して認識する。本実施形態においては、グループ傾向値と母集団傾向値との差の絶対値を乖離度としている。そのため、本実施形態においては、乖離度は、0.40となる。
【0138】
次に、特異キーワード・タグ認識部1lは、乖離度が所定の閾値以上であるか否かを判断する(
図4/STEP205)。
【0139】
ここで、乖離度は、システム設計者が適宜設定してよい値であり、システム設計者自身が人為的に設定してもよいし、AIを用いた機械学習の結果等に基づいて設定してもよい。本実施形態では、0.35を閾値としている。
【0140】
乖離度が閾値未満であった場合(STEP205でNOの場合)、解析システムSは、今回の処理を終了する。
【0141】
一方、乖離度が閾値以上であった場合(STEP205でYESの場合)、特異キーワード・タグ認識部1lは、第2のアンケートに関するキーワード及びタグを、特異キーワード及び特異タグとして認識する(
図4/STEP206)。
【0142】
本実施形態では、乖離度が所定の閾値(0.35)を超える0.40である。そのため、特異キーワード・タグ認識部1lは、第2のアンケートに関するキーワード及びタグの全てを、特異キーワード又は特異タグとして認識する。
【0143】
本実施形態では、「カメラ」、商品名「b」、メーカーの名前「B」といったキーワードが、特異キーワードとして認識される。また、「小型家電」、「家電量販店」、「専門店」、「高価格」、「専門誌掲載」といったワードが、特異タグとして認識される。
【0144】
次に、特異キーワード・タグ認識部1lは、特異キーワード及び特異タグを、対象グループのカスタマーに関連付けて、カスタマーデータ格納部1dに格納する(
図4/STEP207)。
【0145】
本実施形態では、前述の特異キーワード及び特異タグを、第1のアンケートに含まれている「液体歯磨きaを購入したことがありますか?」という質問に対して「はい」という回答を行ったカスタマーに関連付けて、格納する。
【0146】
次に、特異キーワード・タグ認識部1lは、特異キーワード及び特異タグを、第1のアンケートに関するキーワード及びタグに関連付けて、キーワード・タグ格納部1bに格納し(
図4/STEP208)、今回の処理を終了する。
【0147】
本実施形態では、前述の特異キーワード及び特異タグを、「液体歯磨き」、商品名「a」、メーカーの名前「A」といったキーワード、及び、「オーラルケア用品」、「コンビニエンスストア」、「ドラッグストア」、「低価格」、「TVCM」、「Web広告」といったタグに関連付けて、格納する。
【0148】
[2回目以降のアンケートを実施する際における処理]
次に、
図2及び
図5を参照して、解析システムSが、クライアントから2回目のアンケートの依頼を受けた際に、アンケートを実施するまでに実行する処理について説明する。
【0149】
なお、以下の説明においては、第3のアンケートを実施する際における処理である。ここで、第3のアンケートは、クライアントであるメーカーCが、自らが製造・販売している時計cに対してカスタマーが持っているイメージを知りたいという目的のために実施されるものであるとする。
【0150】
以上を前提として、この処理においては、まず、アンケート決定部1aは、クライアント端末2に入力されたクライアントのアンケートの目的とする情報に基づいて、アンケートを決定する(
図5/STEP300)。
【0151】
次に、キーワード・タグ処理部1cが、決定された第1のアンケートに対して、キーワードを認識する処理、又は、タグを付与する処理を実行する(
図5/STEP301)。
【0152】
これらのSTEP300及びSTEP301において、アンケート決定部1a及びキーワード・タグ処理部1cは、前述のSTEP100及びSTEP101と同様の処理を実行する。
【0153】
本実施形態においては、第3のアンケートに対しては、カテゴリを示す「時計」、「c」という商品名そのもの(ブランド)、時計cを製造しているメーカーの名前である「C」等が、キーワードとして認識されているとする。
【0154】
また、第3のアンケート全体、又は、第3のアンケートを構成する各々の質問に対しては、「時計」というキーワードに対して直接連想される上位概念である「小型家電」といったワード、「c」という商品の販路である「家電量販店」、「専門店」といったワード、「c」という商品の具体的な価格帯(例えば、「高価格」)、「c」という商品について実施されているプロモーションルートの種類(例えば、「雑誌掲載」)といったワードが、タグとして付与されているとする。
【0155】
次に、一致度認識部1mは、第3のアンケートに対して認識されたキーワード及び付与されたタグと、キーワード・タグ格納部1bに格納されている特異キーワード及び特異タグとの一致度を認識する(
図5/STEP302)。
【0156】
具体的には、一致度認識部1mは、
図4を参照して説明したSTEP200〜STEP207の処理で対象グループとされたカスタマーのグループごとに、そのグループに関連付けられている特異キーワード及び特異タグと、第3のアンケートに関するキーワード及びタグとを対比して、それらで共通しているキーワード及びタグの数を、一致度として認識する。
【0157】
また、一致度認識部1mは、
図4を参照して説明したSTEP200〜STEP206、STEP207の処理で第1のアンケートに関するキーワード及びタグの各々ごとに、そのキーワード又はタグに関連付けられている特異キーワード及び特異タグと、第3のアンケートに関するキーワード及びタグとを対比して、それらで共通しているキーワード及びタグの数を、一致度として認識する。
【0158】
次に、提案部1eは、一致度に基づいて、クライアント端末2を介して、母集団に含ませることを推奨するグループ、及び、母集団から除外することを推奨するグループを提案する(
図5/STEP303)。
【0159】
具体的には、提案部1eは、一致度認識部1mによって認識された一致度が推奨するための閾値(本実施形態では4)以上となるグループを、母集団に含ませることを推奨するグループとして認識して、クライアント端末2に選択可能な形式で表示する。
【0160】
また、提案部1eは、一致度認識部1mによって認識された一致度が推奨しないための閾値(本実施形態では2)未満となるグループを、母集団から除外することを推奨するグループとして認識して、クライアント端末2に選択可能な形式で表示する。
【0161】
このとき、提案部1eは、クライアント端末2に、選択可能な形式で表示させたグループとともに、そのグループに付随する形で、そのグループの属性を表示する。
【0162】
また、提案部1eは、母集団に含ませることを推奨するグループ及び母集団から除外することを推奨するグループの他に、それらのグループによらず母集団を決定する旨を選択可能な形式で表示する。
【0163】
本実施形態では、第3のアンケートに関するキーワード及びタグと、
図4を参照して説明したSTEP200〜STEP207の処理で認識された特異キーワード及び特異タグとを対比すると、「小型家電」、「家電量販店」、「専門店」、「高価格」といったタグが一致する。そのため、その特異キーワード及び特異タグの付されているグループは、母集団に含ませることを推奨するグループとなる。
【0164】
次に、母集団決定部1fは、クライアント端末2にクライアントから入力された情報に基づいて、母集団が決定されたか否かを判断する(
図5/STEP304)。
【0165】
具体的には、母集団決定部1fは、母集団に含ませることを推奨するグループが1つ選択された場合には、そのグループが母集団として決定されたと判断し、複数選択された場合には、それらのグループを足し合わせたものが母集団として決定されたと判断する。一方、提案したグループによらず母集団を決定する旨が選択された場合には、母集団が決定されなかったと判断する。
【0166】
母集団が決定されなかった場合(STEP304でNOの場合)、提案部1eは、クライアント端末2を介して、クライアントが母集団として選択し得るグループ、並びに、そのグループに関連するキーワード及びタグを提示する(
図5/STEP305)。
【0167】
具体的には、まず、提案部1eは、クライアントが受けているサービスの種類等に基づいて、カスタマーの属性を決定する。次に、提案部1eは、その属性に対応したカスタマーをカスタマーデータ格納部1dから検索し、その検索結果を属性ごとにグループとしてまとめる。さらにその後、提案部1eは、そのグループを、そのグループの属性及びそのグループに含まれる人数とともに、クライアント端末2に選択可能な形式で表示する。
【0168】
このとき、提案部1eは、クライアントが母集団として選択し得るグループの他に、それらのグループによらず母集団を決定する旨を選択可能な形式で表示する。
【0169】
また、提案部1eは、そのグループに含まれているカスタマーに関連付けられているキーワード及びタグを、数の多い順から順番に、そのグループとともにクライアント端末2に表示する。
【0170】
次に、提案部1eは、一致度に基づいて、母集団を決定する際に考慮すべきキーワード及びタグを提案する(
図5/STEP306)。
【0171】
具体的には、提案部1eは、一致度認識部1mによって認識された一致度が所定の閾値以上となるキーワード及びタグを、考慮すべき(すなわち、リアクションデータの収集に有効な)キーワード又はタグとして認識し、クライアント端末2に表示する。
【0172】
また、提案部1eは、一致度認識部1mによって認識された一致度が所定の閾値未満となるグループを、特段考慮する必要のない(すなわち、リアクションデータの収集にあまり影響しない)キーワード又はタグとして認識し、クライアント端末2に表示しない。
【0173】
次に、母集団決定部1fは、クライアント端末2にクライアントから入力された情報に基づいて、母集団が決定されたか否かを判断する(
図5/STEP307)。
【0174】
具体的には、母集団決定部1fは、STEP305で提示された複数のグループの中から1つのグループが選択された場合には、そのグループが母集団として決定されたと判断し、複数選択された場合には、それらのグループを足し合わせたものが母集団として決定されたと判断する。一方、それらのグループによらず母集団を決定する旨が選択された場合には、母集団が決定されなかったと判断する。
【0175】
母集団が決定されなかった場合(STEP308でNOの場合)、提案部1eは、一致度に関する閾値を変更する(
図5/STEP308)。
【0176】
具体的には、提案部1eは、母集団に含ませることを推奨するグループを判断するための閾値を低くする。本実施形態では、4から3に変更する。また、母集団から除外することを推奨するグループを判断するための閾値を低くする。本実施形態では、2から1に変更する。また、考慮すべきキーワード又はタグを判断するための閾値を低くする。
【0177】
その後、解析システムSは、STEP303〜STEP307の処理を再度実行する。このように閾値を低くするように変更して同様の処理を実行すると、提案されるグループ、及び、キーワード若しくはタグとして認識されるグループ、及び、キーワード若しくはタグが増加する。そのため、母集団が決定される可能性が高くなる。
【0178】
一方、母集団が決定された場合(STEP304又はSTEP307でYの場合)、アンケート実施部1gは、決定された母集団に対し、決定された第1アンケートを実施する(
図5/STEP309)。
【0179】
次に、回答認識部1hは、カスタマー端末3を介して入力された回答を所定のルールに従って集計したものを、アンケートの結果としてクライアント端末2に送信する(
図5/STEP310)。
【0180】
次に、回答認識部1hは、カスタマーデータ格納部1dに、実施した第1のアンケート及びそれに対する回答を、その第1のアンケートを実施したカスタマーに関連付けて、格納し(
図5/STEP311)、今回の処理を終了する。
【0181】
これらのSTEP309〜STEP311において、解析システムSは、前述のSTEP104〜STEP106と同様の処理を実行する。
【0182】
以上説明したように、解析システムSは、第1のアンケート及び第2のアンケートに対し、そのアンケートを構成している質問に含まれているキーワードを認識する処理、及び、その質問の属性を示すタグを付与する処理を実行している。すなわち、解析システムSでは、第1のアンケート及び第2のアンケートの回答から検討し得るキーワード又はタグ(ひいては、マーケティングの分野)が設定される。
【0183】
その後、解析システムSは、第1のアンケートに対する回答に基づいて、母集団の中から対象グループを認識し、第2のアンケートに対する回答に基づいて、その対象グループの傾向値と母集団全体の傾向値との乖離度を認識する。
【0184】
さらにその後、解析システムSは、その乖離度に基づいて、第2のアンケートに関するキーワード又はタグが、対象グループ、及び、第1のアンケートに関するキーワード又はタグに対して特異性を有しているか否かを認識し、特異性を有していた場合には、それらを関連付けて格納する。
【0185】
そのうえで、解析システムSは、特異キーワード及び特異タグの少なくとも一方に基づいて認識されたグループを、第3のアンケートを実施する母集団として提案する。また、の提案に基づいて母集団が決定されなかった場合には、特異キーワード及び特異タグの少なくとも一方を、第3のアンケートを実施する母集団を決定する際に考慮すべきキーワード又はタグとして提案する。
【0186】
ここで、特異キーワード又は特異タグが、あるグループ、又は、第1のアンケートに関するキーワード若しくはタグに対して特異性を有するものであり、且つ、第3のアンケートに関するキーワード又はタグが、特異キーワード又は特異タグと一致する場合には、その第3のアンケートに関するキーワード又はタグも、そのグループ、又は、第1のアンケートに関するキーワード若しくはタグについて特異性を有している蓋然性が高い。
【0187】
すなわち、そのような場合には、そのグループ、又は、第1のアンケートに関するキーワード若しくはタグは、第3のアンケートに関するマーケティングの分野においても、特異な傾向を持つグループ、又は、キーワード若しくはタグである蓋然性が高い。
【0188】
そのため、グループ、又は、キーワード若しくはタグを用いて決定された母集団に対して第3のアンケートを実施すると、第3のアンケートに対して特異性のある回答(すなわち、第3のアンケートに関するマーケティングの分野において有用性の高いリアクションデータ)を得ることができる。
【0189】
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
【0190】
例えば、上記実施形態では、第1のアンケートを実施する母集団、及び、第2のアンケートを実施する母集団として、同じ母集団を用いている。しかし、本発明のアンケート結果解析システム及びアンケート結果解析方法は、そのような構成に限定されるものではなく、検証する対象グループとなるグループが両方の母集団に含まれていればよい。
【0191】
また、上記実施形態では、母集団傾向値を認識する際に、第2のアンケートに対する母集団全体の回答を用いている。しかし、本発明のアンケート結果解析システム及びアンケート結果解析方法は、そのような構成に限定されるものではなく、母集団全体の大まかな傾向を把握できる程度のグループであればよい。
【0192】
そのため、例えば、母集団傾向値を認識するために用いる母集団は、母集団に含まれる対象グループ以外の回答者全体等であってもよい。
【0193】
また、上記実施形態においては、特異キーワード及び特異タグを、対象グループのカスタマー及び第1のアンケートに関するキーワード及びタグの全てに関連付けて格納している。しかし、本発明は、そのような構成に限定されるものではない。
【0194】
そのため、例えば、特異キーワード及び特異タグを、カスタマー個人ではなく、対象グループに対して関連付けて格納してもよい。また、対象グループを認識する際に用いた質問に関するキーワード及びタグのみに対して、特異キーワード及び特異タグを関連付けて格納してもよい。
【0195】
また、上記実施形態では、特異キーワード又は特異タグに基づいて、母集団に含ませること又は除外することを推奨すべきグループを提案した後、母集団が決定されなかった場合に、母集団を決定する際に考慮すべきキーワード及びタグを提案している。
【0196】
しかし、本発明は、そのような構成に限定されるものではない。例えば、母集団に含ませるべきグループ、考慮すべきキーワード、及び、考慮すべきタグのいずれか1つ又は2つを提案するようにしてもよい。また、提案の順序も適宜変更してよいし、グループ並びにキーワード及びタグを同時に提案するようにしてもよい。
第1のアンケートを構成している複数の質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第2のアンケートに対し、前記第2のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第2のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第2のアンケートに関するタグとして該第2のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する第2キーワード・タグ処理部と、
前記乖離度が所定の閾値以上であった場合に、前記第2のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方を、前記対象グループに対して特異性を有しているキーワード又はタグである特異キーワード又は特異タグとして認識する特異キーワード・タグ認識部とを備えていることを特徴とする。
第2キーワード・タグ処理部が、第1のアンケートを構成している複数の質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第2のアンケートに対し、前記第2のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第2のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第2のアンケートに関するタグとして該第2のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する工程と、
乖離度認識部が、前記グループ傾向値及び前記母集団傾向値に基づいて、前記グループ傾向値と前記母集団傾向値との乖離の度合いを示す値である乖離度を認識する工程と、
特異キーワード・タグ認識部が、前記乖離度が所定の閾値以上であった場合に、前記第2のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方を、前記対象グループに対して特異性を有しているキーワード又はタグである特異キーワード又は特異タグとして認識する工程とを備えていることを特徴とする。
複数の質問で構成されている第1のアンケートに対し、前記第1のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第1のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第1のアンケートに関するタグとして該第1のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する第1キーワード・タグ処理部と、
前記第1のアンケートを構成している複数の質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第2のアンケートに対し、前記第2のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第2のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第2のアンケートに関するタグとして該第2のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する第2キーワード・タグ処理部と、
前記乖離度が所定の閾値以上であった場合に、前記第2のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方を、前記第1のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方に対して特異性を有しているキーワード又はタグである特異キーワード又は特異タグとして認識する特異キーワード・タグ認識部とを備えていることを特徴とする。
第1キーワード・タグ処理部が、複数の質問で構成されている第1のアンケートに対し、前記第1のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第1のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第1のアンケートに関するタグとして該第1のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する工程と、
第2キーワード・タグ処理部が、前記第1のアンケートを構成している複数の質問とは異なる質問を少なくとも1つ含む複数の質問で構成されている第2のアンケートに対し、前記第2のアンケートに含まれている質問に基づいて、該質問に含まれているキーワードを該第2のアンケートに関するキーワードとして認識する処理、及び、該質問の属性を示すタグを該第2のアンケートに関するタグとして該第2のアンケートに付与する処理の少なくとも一方を実行する工程と、
乖離度認識部が、前記グループ傾向値及び前記母集団傾向値に基づいて、前記グループ傾向値と前記母集団傾向値との乖離の度合いを示す値である乖離度を認識する工程と、
特異キーワード・タグ認識部が、前記乖離度が所定の閾値以上であった場合に、前記第2のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方を、前記第1のアンケートに関する前記キーワード及び前記タグの少なくとも一方に対して特異性を有しているキーワード又はタグである特異キーワード又は特異タグとして認識する工程とを備えていることを特徴とする。