【解決手段】セラミック部品の製造装置2において、その製造方法は、非接触式加熱手段510を介してセラミックプレート110を局部的に加熱する段階を経たのち、ブレード410で切断する段階を含む。セラミックプレートは、上部の温度を下部の温度よりも高くし、表面温度の上昇が10℃/秒以上の速度で行われ、切断後は切断部位を冷却する。
前記加熱する段階は、前記セラミックプレートの上部の温度を下部の温度よりも高くする段階である、請求項1から3のいずれか一項に記載のセラミック部品の製造方法。
【背景技術】
【0002】
最近、電子製品の小型化の傾向に伴い、各種の電子製品に用いられるセラミック部品に対しても小型化及び大容量化が求められている。一般に、かかるセラミック部品は、セラミック原料物質を溶剤及びバインダーなどと混合してスラリーを製造した後、これを薄く塗布してセラミックグリーンシートを形成する方法で製造される。上記セラミックグリーンシートは、後に必要となる製品のサイズに合わせて切断される。
【0003】
現在、セラミックグリーンシートやセラミックバー10などを切断する方法として、ステージとブレードを用いた工法が広く使用されている。上記工法は、切断しようとする製品を真空ステージに固定し、ブレードをステージの垂直方向に移動しながら切断を行う。
【0004】
かかる切断工程において、小型製品の切断時に製品に加わるストレスによってクラックなどが発生する可能性がある。これを防止するためには、ステージを高温に維持して製品を加熱した後、切断する方法が用いられる。かかる切断方法は、特開2005−332926号公報に開示されている。上記特許では、正確な切断及び剥離防止のために、積層体の温度分布を一定に制御した後、切断する方法が紹介されている。
【0005】
しかし、ステージを高温に維持して製品を加熱する方法は、下端のステージで熱伝導が行われるため、切断時に最も大きいストレスを受ける製品の上端部の温度が下端よりも低くなる可能性があり、切断後のセラミック部品内に含有されたバインダー成分などにより切断された部品が互いにくっつくなどという問題がある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、具体的な実施形態及び添付された図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。これは、本明細書に記載された技術を、特定の実施形態によって限定するものではなく、本発明の実施形態の様々な変更(modifications)、均等物(equivalents)、及び/又は代替物(alternatives)を含むものと理解されるべきである。また、図面の説明に関連して、同様の構成要素に対しては同様の参照符号が用いられることができる。
【0018】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示しており、同一の思想の範囲内の機能が同一の構成要素は、同一の参照符号を用いて説明することができる。
【0019】
さらに、本明細書において、「有する」、「有することができる」、「含む」、又は「含むことができる」などの表現は該当特徴(例えば、数値、機能、動作、又は部品などの構成要素)の存在を示し、追加的な特徴の存在を排除しない。
【0020】
一方、本明細書において、「A又はB」、「A及び/又はBのうち少なくとも一つ」、又は「A及び/又はBのうち1つ、又はそれ以上」などの表現は、ともに記載された項目の可能な組み合わせをすべて含むことができる。例えば、「A又はB」、「A及びBのうち少なくとも一つ」、又は「A又はBのうち少なくとも一つ」は、(1)少なくとも一つのAを含む、(2)少なくとも一つのBを含む、又は(3)少なくとも一つのA及び少なくとも一つのBの両方を含む場合をともに指すことができる。
【0021】
さらに、図面において、X方向は、第1方向、L方向又は長さ方向、Y方向は、第2方向、W方向又は幅方向、Z方向は、第3方向、T方向又は厚さ方向と定義することができる。
【0022】
図3a及び
図3bは本発明によるセラミック部品の製造方法に用いられるセラミック部品の製造装置2を概略的に示す斜視図であり、
図4a及び
図4bは
図3a及び
図3bの断面図である。
【0023】
図3a、
図3b、
図4a、及び
図4bを参照すると、本発明の一実施形態によるセラミック部品の製造方法は、非接触式加熱手段510を介してセラミックプレート110を局部的に加熱する段階を含むことができる。本明細書において、「非接触」とは、ある対象が他の対象と接していないことを意味することができ、物理的に所定の間隔をおいて配置される形を意味することができる。また、本明細書において、「局部的加熱」とは、セラミックプレート110を全体的に加熱しないことを意味することができ、一定の一部領域だけを加熱することを意味することができる。本発明によるセラミック部品の製造方法は、セラミックプレートを局部的に加熱することにより、加熱が必要な部分だけを加熱することができるため、チップ付き不良などといった過度な加熱状態に起因する不良を防止することができる。
【0024】
本発明の一例において、セラミックプレート110を局部的に加熱する段階は、上記セラミックプレート110を線状に加熱する段階であることができる。上記セラミックプレート110を線状に加熱するとは、上記セラミックプレート110が熱エネルギーを獲得する地点を連結した際に1つの線の形を有したり、又は熱エネルギーを獲得する地点が連続的に線の形を有することを意味することができる。
図3a、
図3b、
図4a、及び
図4bを参照すると、非接触式加熱手段510は、セラミックプレート110に向かって配置され、セラミックプレート110にエネルギー610が伝達されて上記セラミックプレートを加熱することができる。
図3a、
図3b、
図4a、及び
図4bは非接続式加熱手段510が線状にエネルギー610を伝達する形を描写した図であるが、これに制限されるものではなく、複数個のエネルギー源が複数個のスポットにエネルギーを伝達する形も適用することができる。
【0025】
本発明の一実施形態によると、セラミックプレート110の加熱は、上記セラミックプレート110の上部で行われることができる。
図1及び
図2はそれぞれ、従来のセラミック部品の製造装置1を示す斜視図及び断面図である。
図1及び
図2に示すように、従来のセラミック部品は、ステージ200上にセラミックプレート100を配置し、ステージ200の内部に配置される加熱手段300を介してセラミックプレート100を加熱した。そして、セラミックプレート100が所定以上の温度になると、ブレード400を用いてこれを切断する方法を用いた。しかし、このような従来の方法では、切断時に最も大きいストレスが加わるセラミックプレート100の上端が下端よりも低い温度を有するようになり切断ストレスを十分に減らすことができず、クラックなどが発生することがあった。これに対し、本発明によるセラミック部品の製造方法は、セラミックプレート110の上端を加熱することにより、上記セラミックプレートの切断時に最も大きいストレスを受けるセラミックプレートの上端が最も高い温度を有するようにすることができる。これにより、最終製品の不良率を下げることができる。
【0026】
本発明の一実施形態において、セラミックプレート110を加熱する段階は、上記セラミックプレート110の上部の温度を下部の温度よりも高くする段階であることができる。これは、セラミックプレート110の上部で加熱が行われることを意味することができ、上記セラミックプレート110よりも上部に加熱手段が配置されることを意味することができる。上記セラミックプレート110の温度は、上記セラミックプレート110のZ方向の最上端が最も高くてもよい。ここで、上記最上端は、一定の領域、例えば、表面から10mm以内を意味することができる。上記セラミックプレート110の温度は、上端の温度が下端の温度と同一であるか、又は高くてもよく、上端から下端に行くほど線状又は曲線状に低くなることがあるが、これに制限されるものではない。
【0027】
本発明の一例による加熱手段は、非接触式加熱手段であることができる。本発明が適用できるセラミック部品は、後述のように、溶剤及びバインダーなどを含むセラミックグリーンシートであることができる。この場合、セラミックプレートの加熱時に、上記溶剤やバインダーなどが溶出したり、又は一定程度の粘性を有する可能性があるが、接触式の装置の場合、このような溶剤及び/又はバインダーによって汚染したり、熱伝達効率が低下するなどという問題が発生することがある。一方、本発明による加熱手段は、非接触式であるため、かかる問題を事前に防止することができる。
【0028】
上記非接触式加熱手段は、十分な熱量を発生させることができるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、輻射加熱装置又は電磁波誘導加熱装置であることができる。上記輻射加熱装置は、輻射熱エネルギーを発生させることができる装置であることができ、例えば、高出力LED、ハロゲンランプなどの光照射装置、レーザー照射装置などであってもよいが、これらに制限されるものではない。加熱手段が輻射加熱装置である場合には、光の照射角などを調整しやすいという利点があり、従来の光照射装置などを適用することができるため多くの費用をかけずに実現することが可能である。
【0029】
また、上記電磁波誘導加熱装置としては、高周波を用いた誘導加熱又は誘電加熱装置やマイクロ波照射装置などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。加熱手段が電磁波誘導加熱装置である場合には、精密な温度調整が可能であり、高効率で迅速な加熱が可能であるという長所がある。
【0030】
図3a、
図3b、
図4a、及び
図4bは本発明による非接触式加熱手段510が配置された構造に対する例示的な形を示す図である。
図3a、
図3b、
図4a、及び
図4bに示すように、本発明による非接触式加熱手段510は、ブレード410の前端及び/又は後端に配置されることができるが、これに制限されるものではなく、ブレード410の切断位置を十分に加熱することができれば、上記ブレード410と同一線上の側面に配置される構造も可能である。
【0031】
一例において、セラミックプレート110を加熱する段階は、上記セラミックプレート110の表面温度の上昇が10℃/秒以上の速度で行われることができる。上記加熱速度は、10℃/秒以上、11℃/秒以上、12℃/秒以上、又は13℃/秒以上であってもよく、上限は特に制限されるものではないが、例えば、100℃/秒以下であることができる。上記加熱速度は、上述した非接触式加熱手段を介して実現されることができる。従来の下端ステージ加熱方式は、誘電体などのセラミック部品の低熱伝導度により長時間の加熱(10℃の上昇で約10分程度)が必要となるという問題があったが、本発明によるセラミック部品の製造方法は、非接触式加熱手段を用いて上記加熱速度を満足することにより、高い生産速度を有することができる。
【0032】
本発明の一例において、本発明によるセラミック部品の製造方法は、セラミックプレート110の加熱部位をブレード410で切断する段階を含むことができる。本発明によるセラミック部品の製造方法は、上述したセラミックプレート110を切断して製造されるものであってもよい。また、セラミックプレート110を切断した後、後処理を介して最終製品となる部品に適用されるものであってもよい。
【0033】
本発明の一実施形態において、本発明によるセラミック部品の製造方法は、セラミックプレート110を切断した後、切断部位を冷却する段階をさらに含むことができる。上述のように、セラミック部品が溶剤及びバインダーなどの成分を含む場合には、加熱後の部位が接着力を有し、チップ付き不良などが発生する可能性がある。かかる接着力は、高分子バインダーが活性化する所定の温度領域で発生するため、本発明によるセラミック部品の製造方法では、切断後の冷却段階を介してチップ付き不良を事前に防止することができる。
【0034】
一例において、本発明のセラミック部品の製造方法の冷却段階は、セラミックプレート110の表面温度が10℃/秒以上の速度で下降して冷却される段階であることができる。上記冷却速度は、バインダーの接着力が十分に低くなる程度に達する時間が約5秒以下、4秒以下又は3秒以下であってもよく、特に制限されるものではないが、例えば、10℃/秒以上、11℃/秒以上、12℃/秒以上、又は13℃/秒以上であることができる。尚、上限は、特に制限されるものではないが、例えば、100℃/秒以下であることができる。上記冷却速度は、セラミック部品を2秒以内に50℃以下に下げることができる速度であってもよい。これにより、本発明によるセラミック部品の製造方法は、チップ付き不良の防止効果を最大限にすることができる。
【0035】
上記冷却段階に適用される冷却装置は、上述した冷却速度を満足するものであれば特に制限されず、圧縮空気噴射機などを適用することができる。上記冷却装置は、セラミックプレート110の上端に配置されることができ、ブレード410に隣接して配置されることができる。
【0036】
本発明の一例において、上述した局部的加熱段階、切断段階、及び冷却段階は、平行な切断線に沿って複数回行われることができる。上記工程が複数回行われることにより、セラミックプレート110は、複数個のセラミックバー11に分離されることができ、後の工程を介して、複数個のセラミック部品が製造されることができる。
【0037】
本発明の一実施形態において、本発明によるセラミック部品の製造方法は、セラミックプレート110を1次切断した後、上記1次切断線に垂直な方向に2次切断する段階を含むことができる。上記1次切断は、上述した複数回の切断段階を含むことができ、1次切断により製造された複数個のセラミックバー11を1次切断線に垂直な方向に2次切断することができる。上記2次切断は、1次切断と同様に、局部的加熱段階、切断段階、及び冷却段階を含むことができ、平行な切断線に沿って複数回行われることができる。例えば、
図3a及び
図3bに示すように、X軸に垂直な切断線に沿ってセラミックプレート110を1次切断してセラミックバー11を製造した後、Y軸に垂直な切断線に沿って上記セラミックバー11を2次切断することができる。上記のプロセスを介して上記セラミックプレート110は、複数個のセラミック部品になることができる。
【0038】
一例において、本発明のセラミック部品の製造方法が適用されるセラミックプレートは、複数個のセラミックグリーンシート及び内部電極30を含む積層体であることができる。この場合、上述した局部的加熱段階の前に、セラミック積層体を設ける段階をさらに含むことができる。上記セラミック積層体を設ける段階は、セラミックグリーンシート及び内部電極パターンが印刷されたグリーンシートを形成する段階を含むことができる。
【0039】
本発明の一例において、セラミックグリーンシートを設ける段階は、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料又はチタン酸ストロンチウム系材料などのセラミック粉末を含むスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥してセラミックグリーンシートを形成する段階であることができる。上記スラリーは、チタン酸バリウム(BaTiO
3)などの粉末に、製造しようとする電子部品の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されることができ、上記スラリーをドクターブレード法で1〜10μmの厚さを有するシート(sheet)状に製作することにより形成されることができるが、これに限定されない。
【0040】
一例において、内部電極パターンが印刷されたグリーンシートを形成する段階は、内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシート上に印刷する段階であることができる。上記セラミックグリーンシートは、上述したセラミックグリーンシートと同一のシートを用いることができる。上記内部電極用導電性ペーストは、導電性金属を含むことができ、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、及びこれらの合金のうち1つ以上の物質を含むことができるが、これらに制限されるものではない。また、上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0041】
本発明の一実施形態において、本発明によるセラミック部品の製造方法のセラミック積層体を設ける段階は、セラミックグリーンシート及び内部電極パターンが印刷されたグリーンシートを積層且つ圧着する段階を含むことができる。上記セラミックグリーンシート及び内部電極パターンが印刷されたグリーンシートは、上述したセラミックグリーンシート及び内部電極パターンが印刷されたグリーンシートと同一のものであってもよい。
【0042】
上記セラミックグリーンシート及び内部電極パターンが印刷されたグリーンシートを積層且つ圧着する段階は、上記セラミックグリーンシート及び内部電極パターンが印刷されたグリーンシートをそれぞれ複数層積層したり、交互に積層してから圧着する段階であることができる。
図4a及び
図4bはセラミックグリーンシート及び内部電極パターンが印刷されたグリーンシートを積層して圧着する段階を示す断面図である。上記セラミックグリーンシート及び内部電極パターンが印刷されたグリーンシートの積層数及び積層構造に応じてセラミック部品の電気的性質が決定されるため、上記積層数及び積層構造は、必要に応じて、適切に調整することができる。
【0043】
また、上記セラミックグリーンシート及び内部電極パターンが印刷されたグリーンシートに圧力を加えて圧着することにより、セラミック積層体を形成することができる。上記圧着中の粒子の再配列により、高いパッキング密度を生成することができる。
【0044】
本発明の他の実施形態において、本発明によるセラミック部品の製造方法は、2次切断を介して製造されたセラミックチップの外部に外部電極を形成する段階をさらに含むことができる。上記外部電極は、上述したセラミック積層体の内部に配置される内部電極と連結されることができる。上記外部電極は、必要に応じて、研磨後のチップに形成することができ、研磨が不要なチップの場合には、研磨段階を行うことなく直接、外部電極を形成することができる。
【0045】
上記外部電極の材料は特に制限されない。上記外部電極は、例えば、導電性金属を含むことができる。上記導電性金属は、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、及びこれらの合金のうち1つ以上であってもよいが、これらに制限されるものではない。上記外部電極の形成方法も特に限定されない。例えば、導電性金属を含む導電性ペーストに上記チップをディッピングして形成することができる。また、上記導電性ペーストを上記チップの表面にスクリーン印刷法又はグラビア印刷法などで印刷して形成することができる。そして、上記導電性ペーストを上記チップの表面に塗布したり、又は導電性ペーストを乾燥させた乾燥膜を上記チップ上に転写して形成するなど、様々な方法を用いることができるが、これらに制限されるものではない。
【0046】
また、本発明は、セラミック部品の製造装置に関するものである。本発明によるセラミック部品の製造装置は、セラミックプレートを取付けることができるステージ210と、上記ステージの上部に、局部加熱が可能な非接触式加熱手段と、切断用ブレードと、を備えることができる。
【0047】
本発明の一例において、本発明によるセラミック部品の製造装置の非接触式加熱手段は、輻射加熱装置又は電磁波誘導加熱装置であることができる。
【0048】
本発明の他の例において、本発明によるセラミック部品の製造装置は、冷却装置をさらに含むことができる。
【0049】
上記セラミックプレート、加熱手段、及び冷却装置などについての説明は、上述と同一であるため省略する。
【実施例】
【0050】
<実施例>
1.セラミックプレートの準備
セラミックプレートは、本出願人(サムスン株式会社)の市販製品に適用されるMLCC製造用セラミックプレートを設けた。上記セラミックプレートは、平均粒子サイズが100nmであるBaTiO
3粉末にエタノール/トルエン、分散剤及びバインダーと混合して製造されたスラリーを、薄層シート製造用成形機を用いて内部電極が印刷された成形シート及びカバー用シートを積層し、これを加圧且つ積層してセラミックプレートを作製した。
【0051】
2.セラミックプレートの切断評価
図5は本発明の実施例及び比較例によるセラミックプレートの2次切断後のセラミックチップの写真である。
図5に、従来のステージ加熱法を用いた場合を比較例、本発明によるセラミック部品の製造方法を適用した場合を実施例として記載した。
【0052】
チップは、上記製造されたセラミックプレートを1005サイズに合わせて切断して製造した。そして、外力を加えて互いにくっついたチップを分離する工程を用いると、チップに損傷を与える可能性があるため、上記不良率は、別のチップ分離工程を行っていない状態で評価し、肉眼で2つ以上のチップがくっついた場合を不良として評価した。
【0053】
図5に示すように、本発明の実施例は、比較例に比べてチップ付き不良の頻度が明らかに低くなることを肉眼でも十分に確認することができる。上記
図5の結果によると、従来のステージ加熱方式の場合には、別のチップ分離工程を行わないと、不良が60%以上発生することが確認できる。これに対し、本発明によるセラミック部品の製造方法を用いる場合には、チップ付き不良率が3%以下に急減することが確認できる。
【0054】
図6は本発明の実施例及び比較例によって製造されたセラミックチップの切断面を拡大した画像である。
図6を参照すると、本発明の実施例によって製造されたセラミックチップは、比較例に比べて内部電極の平坦度が高く、内部電極とセラミック層との間の界面の粗さが明らかに低いことが確認できる。また、比較例の場合には、内部電極層とセラミック層との間にデラミネーションなどが発生することが確認することができるが、実施例の場合には、比較例とは異なり、デラミネーションなどが観察されていないことが分かる。したがって、本発明によるセラミック部品の製造方法は、製造されたセラミック部品の断面の崩れを低減し、クラックなどの発生を抑制して切断品質を大幅に向上させることができることが確認できる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。