特開2021-118855(P2021-118855A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-118855(P2021-118855A)
(43)【公開日】2021年8月12日
(54)【発明の名称】血管内データ視覚化方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20210716BHJP
【FI】
   A61B1/045 618
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2021-65560(P2021-65560)
(22)【出願日】2021年4月8日
(62)【分割の表示】特願2018-523396(P2018-523396)の分割
【原出願日】2016年7月25日
(31)【優先権主張番号】62/196,997
(32)【優先日】2015年7月25日
(33)【優先権主張国】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】509128672
【氏名又は名称】ライトラボ・イメージング・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナス,アジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ディオン,デニス
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン,クリストファー イー.
(72)【発明者】
【氏名】アドラー,デズモンド
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA22
4C161HH51
4C161JJ10
4C161PP09
4C161RR06
4C161RR18
4C161RR26
4C161WW02
4C161WW08
4C161WW12
4C161WW13
(57)【要約】
【課題】従来技術の問題及び他の問題を解決する。
【解決手段】部分的には、本開示は、血管内データ収集システム及びソフトウェアベースの視覚化及び検出される側枝と検出されるステント支柱とに関する血管内データの表示に関する。スライダ、トグル、ボタン、フィールド、又は印が検出されるステントに対してどのように表示されるかを特定する他のインターフェースを用いて、ステント並置不良のレベルを定めることができる。加えて、本開示は、ステント留め中に側枝及び/又はガイドワイヤを評価するのに適した二次元又は三次元視覚化を自動的に提供する方法に関する。本方法は、計算された側枝場所、枝テイクオフ角度、1つ又はそれよりも多くのステント場所、及び1つ又はそれよりも多くの内腔輪郭のうちの1つ又はそれよりも多くを用いることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ入力に基づいてステント並置閾値を制御するためのプロセッサベースのシステムであって、
1つ又はそれよりも多くのメモリデバイスと、
該1つ又はそれよりも多くのメモリデバイスと通信するコンピューティングデバイスとを含み、
前記1つ又はそれよりも多くのメモリデバイスは、前記コンピューティングデバイスによって実行可能な指令を含み、該指令は、前記コンピューティングデバイスに、
ユーザ選択可能な入力を含むステント支柱並置閾値制御装置を含むユーザインターフェースを表示させ、
前記1つ又はそれよりも多くのメモリデバイス内にユーザ入力ステント支柱並置閾値を格納させ、
血管内プローブを用いて収集される血管内データセット内で1つ又はそれよりも多くのステント支柱を検出させる、
システム。
【請求項2】
前記コンピューティングデバイスに、前記1つ又はそれよりも多くのステント支柱と、前記1つ又はそれよりも多くのステント支柱と関連付けられる1つ又はそれよりも多くの印とを表示させる、指令を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記印は、ステント支柱並置のレベルを示し、該ステント支柱並置のレベルは、前記ユーザ選択可能な入力を用いて決定される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ステント支柱並置閾値制御装置は、スライダである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザ選択可能な入力は、前記スライダの1つ又はそれよりも多くの値である、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記印は、1つ又はそれよりも多くの色である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記スライダは、3つの並置閾値を定めるように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ステント支柱並置閾値制御装置は、ステント支柱の前面に対するステント支柱並置を測定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ステント支柱並置閾値制御装置は、フォーム充填可能なフィールド、ボタン、トグル制御装置、ダイヤル、及び数値的な選択入力から成る群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、2015年7月25日に出願された米国仮出願第62/196,997号からの35U.S.C.119(e)の下の優先権の利益を請求し、その前文を本明細書中に参照として援用する。
本開示は、概して、血管内測定及び特徴検出並びに関連する診断方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
冠動脈疾患は、世界中の主要な死因の1つである。冠動脈疾患を一層適切に診断し、モニタリングし、且つ治療する能力は、人命を救う重要性を有し得る。血管内光干渉断層映像法(OCT)は、光を用いて冠動脈壁を透視して、研究のためにその画像を生成する、カテーテルベースの撮像モダリティである。コヒーレント光、干渉計、及びマイクロオプティクスを利用して、OCTは、マイクロメータレベルの分解能で疾患のある血管内のビデオレートの生体内(インビボ)断層撮影法を提供することができる。光ファイバプローブを使用して高分解能で表面下構造を見ることは、OCTを内部組織及び器官の最小侵襲性撮像に特に有用にする。OCTを用いて可能とされるこのレベルの詳細は、臨床医が冠動脈疾患の進行を診断し且つモニタリングするのを可能にする。OCT画像は冠動脈形態学の高分解能視覚化をもたらし、OCT画像を単独で又は血管造影データ及び他の被験者データ源のような他の情報との組み合わせにおいて使用して、ステント給送計画のような診断及び計画を支援することができる。
【0003】
患者の体の部分のOCT撮像は、医者及び他の者にとって有用な診断ツールを提供する。例えば、血管内OCTによる冠動脈の撮像は、狭小化又は狭窄の場所を明らかにすることがある。この情報は、心臓内科医が、侵襲性の冠動脈バイパス術と血管形成術又はステント給送のような侵襲性のより少ないカテーテルベースの処置との間で選択するのを助ける。一般的な選択肢ではあるが、ステント給送はその独自の関連するリスクを有する。
【0004】
ステントは、メッシュで形成されることが多いチューブ状構造である。ステントは、血管内に挿入され、血流を収縮させる狭窄状態に対抗するよう拡張させられることができる。ステントは、典型的には、金属又はポリマ骨組で作られる。ステントは、カテーテルを介して狭窄部位に配置されることができる。心臓血管処置の間、ステントは、ガイドワイヤを介してカテーテルを通じて狭窄部位に給送され、バルーンを用いて拡張されることができる。典型的には、ステントは、狭窄した血管の内腔を拡大するために予め設定された圧力を用いて拡張される。血管造影システム、血管内超音波システム、OCTシステムを組み合わせにおいて又は単独で使用して、ステント給送計画及びステント配置を容易にすることができる。
【0005】
ステントを配置するときに患者の転帰に影響を与える幾つかの要因がある。幾つかの処置において、ステントは、隣接する健康な血管セグメントの直径に対応する直径まで拡張されなければならない。ステントの過剰拡張は、血管に甚大な損傷を引き起こすことがあり、血管を切開(dissection)、離断(disarticulation)、及び壁内出血(intra-mural hemorrhage)になりやすくさせる。拡張下のステントは、血管を不十分に拡張させることがある。ステントの部分が血管壁に接触し損なうならば、血栓症のリスクが増大することがある。十分に空気の入っていない(underinflated)又は並置不良(不完全密着)の(malapposed)ステントは、正常なフロー(流れ)を回復しないことがある。ステントがひとたび設置されると、ステントの並置不良(不完全密着)(malapposition)及びステントの拡張不良(under expansion)は、様々な問題を引き起こし得る。加えて、フローを制限する狭窄は、血管側枝の近くに存在することが多い。
【0006】
側枝は、ステント支柱(stent struts)によって部分的に又は完全に閉塞され或いは「拘束」され(“jailed”)得る。例えば、これは、狭窄又は他の病気に対処するために、ステントが主血管内に配置されるときに起こり得る。側枝は、下流の組織に血液を運ぶために極めて重要である。よって、拘束(jailing)は、望ましくない虚血性の影響を有し得る。拘束の虚血性の影響は、多数の側枝に衝撃が加えられるときに又は単一の岐の閉塞された表面積が有意であるときに倍加される。
【0007】
ステント配置及び関連処置と関連する他の挑戦がある。血管造影システムを用いて血管の壁に対するステント配置を視覚化することは、検査によって行うには挑戦的である。
【0008】
本開示はこれらの挑戦及び他の挑戦に取り組む。
【発明の概要】
【0009】
部分的に、本開示は、検出された側枝及び検出されたステント支柱のような血管内データを視覚化するためのシステム及び方法に関する。血管内データ収集プローブを用いてデータを得ることができる。血管を介してプローブを引き戻し、それに関してデータを収集することができる。1つの実施形態において、プローブは、光コヒーレンス断層映像法(OCT)プローブのような光プローブである。1つの実施形態において、プローブは、光コヒーレンス断層撮影プローブのような血管内超音波プローブ(IVUS)である。本開示の様々な実施形態では、ステントを側枝に対して視覚化することができる。これは重要な特徴である。何故ならば、ステントの配置中に側枝をステント留めするのを避けることが望ましいのが典型的であるからである。本明細書に記載するシステム及び方法は、収集される血管内データにおけるこれらの特徴の検出に基づいて様々なユーザインターフェース並びにステント支柱及び側枝の表現を使用して側枝中のステントの視覚化を容易にする。
【0010】
部分的に、本開示は、血管内データ収集システム並びに検出された側枝及び検出されたステント支柱に関する血管内データのソフトウェアベースの視覚化及び表示に関する。スライダ、トグル、ボタン、フィールド、又は印が検出されるステント支柱に関してどのように表示されるかを特定する他のインターフェースのような、ユーザインターフェースを使用して、ステント並置不良のレベルを定めることができる。加えて、本開示は、ステント留め中に側枝及び/又はガイドワイヤの場所を評価するのに適した二次元又は三次元の視覚化を自動的に提供する方法に関する。本方法は、計算された側枝の場所、枝テイクオフ角度、1つ以上のステント支柱の場所、及び1以上の内腔輪郭のうちの1以上を使用することができる。
【0011】
部分的に、本開示は、ステント計画のためのシステム及び方法に関し、さもなければ、関心の診断情報を生成し且つ表示するためのシステム及び方法に関する。本開示は、様々なインジケータの生成及び画像データの表示に対するそれらのインジケータの統合にも関する。一例として、並置バー(apposition bar)のような縦方向インジケータを、単独で又はステント支柱インジケータと共に使用することができ、ステント計画のような診断プロセスのためにそれらに対して生成される画像又はOCT操作線のセットのような血管内データセットと同時記録された血管造影フレームの上にオーバーレイすることができる。
【0012】
部分的には、本開示は、1つの実施形態において、血管内データセットに適用されるデータ分析の結果を血管内データ収集システムのユーザ及び血管造影システムに表示するためのシステム及び方法に関する。部分的に、本開示は、ステント並置の領域及び他の領域のような関心の領域をOCT及び血管造影画像上で容易に見出し且つそれらを理解するのが容易であるよう、血管の1つ又はそれよりも多くの画像又は血管造影画像に適用することができるユーザインターフェース及びグラフィックデータ表現を提供するグラフィックユーザインターフェース(GUI)を記述する。
【0013】
部分的に、本開示は、光コヒーレンス断層撮影システムのようなカテーテル研究室(cath lab)内での使用に適した血管内データ収集システムのようなデータ収集システムに関する。部分的に、本開示は、血管内画像データを表示するのに適したプロセッサを含むデータ収集システムに関する。表示される画像データは、深さ測定に基づいて生成されるデータ又は画像を含む。1つの実施形態において、画像データは、光コヒーレンス断層映像法を使用して生成される。システムは、ステント支柱ベースでの縦方向モードにおけるステント並置不良に関するデータのような或いは血管内の1つ又はそれよりも多くのステントについての潜在的な関心のステント、ステントなし又はステント並置不良レベルに対応する領域を有するバーのような血管内情報の表示のためのユーザインターフェースを表示することもできる。非限定的な例として、ステント検出処理及び内腔境界検出に応答して縦方向インジケータのような1以上のインジケータを生成し、血管造影画像、OCT画像、及びIVUS画像に対して表示することができる。ユーザはこれらを見てステント給送を計画し、関連する関心の表示を備える同時記録OCT画像及び血管造影画像を検討することによってステント給送を膨張させ或いは調整することができる。
【0014】
本開示は、部分的に、ガイドワイヤ及び側枝の一方又は両方に関する1以上の視角又は向き並びに血管内のステント位置のコンピュータベースの視覚化に関する。OCTデータを使用してステントを視覚化し、引き続き、1以上のグラフィックユーザインターフェース(GUI)の部分としてステント支柱又はステントの部分として表示する。側枝及びガイドワイヤを同様に検出し且つ表示することができる。1つの実施形態において、開示は、検出された血管内の特徴を視覚化し且つエンドユーザに対するそれらの診断値を高めるのに適した最適化された又は最適な方法でそれらを表示するコンピュータアルゴリズムを含むことができるソフトウェアベースの方法を提供する。GUIは、OCT距離測定を使用して生成され且つ診断値又はエンドユーザにとっての使い易さを増大させるために側枝又はガイドワイヤに対する位置に向けられる、血管の1以上のビューを含むことができる。
【0015】
部分的に、本開示は、血管内データ収集プローブを用いて得られる血管内情報を視覚化する方法に関する。本方法は、複数の画像フレームを含む、血管のための血管内データを受信すること、血管内データ収集システムのメモリデバイスに血管内データを格納すること、画像フレーム毎ベースに1以上の側枝を検出すること、画像フレーム毎に内腔を検出すること、側枝又は内腔の少なくとも一方について第1の視角を決定すること、及び側枝又は内腔の少なくとも一方について三次元視覚化を表示することを含む。1つの実施形態において、内腔は、内腔境界である。1つの実施形態において、内腔輪郭及び内腔境界は交換可能である。
【0016】
1つの実施形態において、本方法は、側枝又は内腔の少なくとも一方に対して三次元フライスルーを表示することを更に含む。1つの実施形態において、血管内データは、光コヒーレンス断層撮影データである。1つの実施形態において、各画像フレームは、走査線のセットを含む。1つの実施形態において、本方法は、複数のステント支柱を検出することを更に含む。1つの実施形態において、本方法は、1以上のガイドワイヤを検出することを更に含む。
【0017】
1つの実施形態において、本方法は、複数のステント支柱について第2の視角を決定することを更に含む。1つの実施形態において、本方法は、1以上のガイドワイヤについて第3の視角を決定することを更に含む。1つの実施形態において、三次元視覚化は、第1の視角で方向付けられる。1つの実施形態において、三次元フライスルーは、入力デバイスを使用して1以上の方向においてユーザ制御可能である。
【0018】
1つの実施形態において、本方法は、内腔輪郭の側枝円弧を決定すること、側枝円弧によって制約されるシリンダを適合させることによって側枝向きを推定すること、及び適合させられるシリンダの向きを選択することを更に含む。1つの実施形態において、本方法は、血管内データの画像フレームの中間フレームを決定すること、中間フレーム上の中間円弧位置を決定すること、及び中間フレームのために血管内撮像プローブに向かって方向付けるよう三次元ビューのための初期カメラ位置を設定することを更に含む。
【0019】
部分的には、本開示は、ユーザ入力に基づいてステントの並置閾値を制御するプロセッサベースのシステムに関する。システムは、1以上のメモリデバイスと、1以上のメモリデバイスと通信するコンピューティングデバイスとを含み、1以上のメモリデバイスは、コンピューティングデバイスによって実行可能な指令を含み、これらの指令は、コンピューティングデバイスに、ユーザ選択可能な入力を含む、ステント支柱並置閾値制御を含むユーザインターフェースを表示させ、1以上のメモリデバイスにユーザ入力ステント支柱並置閾値を格納させ、血管内プローブを使用して収集される血管内データセット内で1以上のステントを検出させ、1以上のステント及び1以上のステントと関連する1以上の印を表示させ、印はステント支柱並置のレベルを示し、ステント支柱並置のレベルはユーザ選択可能入力を使用して決定される。1つの実施形態では、ステント支柱並置閾値制御装置は、スライダである。
【0020】
1つの実施形態において、ユーザ選択可能な入力は、スライダの1以上の値である。1つの実施形態において、印は1以上の色である。1つの実施形態において、スライダは、3つの並置閾値を定めるように構成される。1つの実施形態において、ステント支柱並置閾値制御装置は、ステント支柱の前面に対するステント支柱並置を測定する。1つの実施形態において、ステント支柱ステント並置閾値制御装置は、フォーム充填可能なフィールド、ボタン;
トグル制御、ダイヤル、及び数値的な選択入力から成る群から選択される。
【0021】
特許又は出願ファイルは、カラーで実行される少なくとも1つの図面を含む。(複数の)カラー図面を備えるこの特許又は特許出願の公報の写しは、請求及び必要な手数料の支払い後に特許庁によって提供される。
図面は必ずしも原寸通りでなく、代わりに強調が例示的な原理の上に概ね置かれている。図面は全ての態様において例示的であると考えられるべきであり、本開示を限定することを意図せず、その範囲は特許請求の範囲によってのみ定められる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の例示的な実施形態に従った血管内撮像及びデータ収集システムの概略図を示している。
【0023】
図2】本開示の例示的な実施形態に従った血管側枝内のステントの視覚化のためのフレームワークを例示するフローチャートである。
【0024】
図3A】本開示の例示的な実施形態に従った血管側枝を視覚化するための仮想カメラ位置を例示する概略図である。
【0025】
図3B】本開示の例示的な実施形態に従った血管側枝を視覚化するための仮想カメラ位置を例示する概略図である。
【0026】
図3C】本開示の例示的な実施形態に従った側枝口の直交視のための仮想カメラ位置を例示する概略図である。
【0027】
図3D】本開示の例示的な実施形態に従った血管側枝口を拘束するステント支柱の三次元レンダリングである。
【0028】
図4A】本開示の例示的な実施形態に従った、ステント及び多数のガイドワイヤが主血管内に配置された、側枝を有する主血管の三次元レンダリングの側面図である。
【0029】
図4B】本開示の例示的な実施形態に従った、仮想カメラ角度が図3Aに示すような側枝の長手軸に沿って方向付けられた、側枝内腔のフライスルー三次元レンダリングである。
【0030】
図4C】本開示の例示的な実施形態に従った、仮想カメラ角度が図3Aに示すような主血管の長手軸に沿って方向付けられた、主血管内腔のフライスルー三次元レンダリングである。
【0031】
図5A】本開示の例示的な実施形態に従った中間フレーム/中間円弧モデルを用いて位置付ける仮想カメラを示す概略図である。
【0032】
図5B】シリンダモデルを用いて位置付ける仮想カメラを示す概略図である。
【0033】
図6】本開示の例示的な実施形態に従った側枝サイズ推定を例示する概略図である。
【0034】
図7】本開示の例示的な実施形態に従った側枝場所を表示し且つ側枝閉塞の程度を色分けする概略図である。
【0035】
図8】本開示の例示的な実施形態に従った血管の三次元レンダリングの斜視図を示すユーザディスプレイである。
【0036】
図9A】本開示の例示的な実施形態に従った血管の三次元レンダリングの側面図である。
【0037】
図9B】本開示の例示的な実施形態に従った断面BモードOCT血管内画像である。
【0038】
図9C】本開示の例示的な実施形態に従った縦方向LモードOCT血管内画像である。
【0039】
図10A】本開示の例示的な実施形態に従った拘束された側枝を示す血管の三次元レンダリングの側面図である。
【0040】
図10B】本開示の例示的な実施形態に従った断面BモードOCT血管内画像である。
【0041】
図10C】本開示の例示的な実施形態に従った縦方向LモードOCT血管内画像である。
【0042】
図11A】本開示の例示的な実施形態に従った血管のフライスルー三次元レンダリングである。
【0043】
図11B】本開示の例示的な実施形態に従った断面BモードOCT血管内画像である。
【0044】
図11C】本開示の例示的な実施形態に従った縦方向LモードOCT血管内画像である。
【0045】
図12A】本開示の例示的な実施形態に従った拘束された側枝を示す血管のフライスルー三次元レンダリングである。
【0046】
図12B】本開示の例示的な実施形態に従った断面BモードOCT血管内画像である。
【0047】
図12C】本開示の例示的な実施形態に従った縦方向LモードOCT血管内画像である。
【0048】
図13-1】図13Aは本開示の例示的な実施形態に従った解放された側枝を示す血管の三次元レンダリングの側面図である。図13Bは本開示の例示的な実施形態に従った断面BモードOCT血管内画像である。図13Cは本開示の例示的な実施形態に従った縦方向LモードOCT血管内画像である。
【0049】
図13-2】図13Dは本開示の例示的な実施形態に従った側枝口及び裂かれたステント支柱を示す図13Aの拡大図である。
【0050】
図14A】本開示の例示的な実施形態に従った配置されたステントの三次元皮膚及びワイヤフレームビューを例示する血管内データ収集システムのグラフィックユーザインターフェースディスプレイを示している。
図14B】本開示の例示的な実施形態に従った配置されたステントの三次元皮膚及びワイヤフレームビューを例示する血管内データ収集システムのグラフィックユーザインターフェースディスプレイを示している。
図14C】本開示の例示的な実施形態に従った配置されたステントの三次元皮膚及びワイヤフレームビューを例示する血管内データ収集システムのグラフィックユーザインターフェースディスプレイを示している。
図14D】本開示の例示的な実施形態に従った配置されたステントの三次元皮膚及びワイヤフレームビューを例示する血管内データ収集システムのグラフィックユーザインターフェースディスプレイを示している。
【0051】
図14E】本開示の例示的な実施形態に従った配置されたステントのワイヤフレームビューの三次元フライスルーディスプレイを示している。
【0052】
図15A】並置閾値を調節するのに適したユーザインターフェースであって、並置閾値は、次に、本開示の例示的な実施形態に従って用いるために並置及び表示/印(色、シンボル等)をいつ表示するかを決定するときに、血管内データ収集システムが用いる閾値を制御する、ユーザインターフェースである。
図15B】並置閾値を調節するのに適したユーザインターフェースであって、並置閾値は、次に、本開示の例示的な実施形態に従って用いるために並置及び表示/印(色、シンボル等)をいつ表示するかを決定するときに、血管内データ収集システムが用いる閾値を制御する、ユーザインターフェースである。
図15C】並置閾値を調節するのに適したユーザインターフェースであって、並置閾値は、次に、本開示の例示的な実施形態に従って用いるために並置及び表示/印(色、シンボル等)をいつ表示するかを決定するときに、血管内データ収集システムが用いる閾値を制御する、ユーザインターフェースである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
部分的に、本開示は、検出された側枝(side branches)及び検出されたステント支柱(stent struts)のような血管内データを視覚化するシステム及び方法に関する。血管内データ収集プローブを用いてデータを得ることができる。血管を通じてプローブを引き戻し、それに対してデータを収集することができる。そのようなプルバック(引戻し)及び関連するデータ収集を用いて、ステント配置を計画し或いは配置されるステントを評価する。プルバックから結果として得られる血管内データを、様々な血管領域、特徴、及びそれらに関連して配置されるステントを視覚化することのような、様々な方法で使用することができる。
【0054】
本開示の様々な実施形態では、ステントを側枝に対して視覚化することができる。これは、重要な特徴である。何故ならば、ステントの配置中、典型的には、側枝をステント留めするのを避けることが望ましいからである。本明細書に記載するシステム及び方法は、収集する血管内データ中のこれらの特徴の検出に基づいて、様々なユーザインターフェース並びにステント支柱及び側枝の表現を用いて側枝内のステントの視覚化を容易にする。
【0055】
部分的には、本開示は、OCT、IVUS、及び他の撮像モダリティのような血管内データ収集システム、並びにステントの並置不良(不完全密着)(malapposition)又は他の表示のような診断情報の生成及び視覚化に関する。本開示は、ユーザが、ステントが並置不良である(不完全密着している)とき及び/又は並置(apposition)の程度を評価するために使用される閾値又はパラメータのような、関心のパラメータ及び閾値を特定するのを可能にする、様々なユーザインターフェース特徴に関する。パラメータを用いて、血管内の領域に対する並置レベルやステント位置のような関心の診断情報を示すのに適したグラフィック要素のような表示の仕方及び時を調整し或いは変更することができる。1つの実施形態において、それらの領域は、検出される側枝を含み得る。ステント支柱インジケータも使用することもできる。
【0056】
適切な診断情報は、例えば血管壁又は内腔境界に対するステント並置不良情報及び他の血管内診断情報又はステント給送計画を容易にするために生成される他の情報を含むことができる。システムは、グラフィカルユーザインターフェースと通信し且つグラフィカルユーザインターフェースに命令を送信するように構成されるプロセッサを含む。1以上のソフトウェアプログラムを使用して、検出されたステントス支柱の位置で表示される色分けされたステント支柱又は記号又は他の表示のような表示インジケータ、側枝に対するステントの位置及び向き、及びステントの並置が表示されるときについてのユーザ指定の基準に基づくステント並置レベルのうちの1以上を実行する。
【0057】
同様に本明細書に開示されるのは、側枝に対してステント及び他の医療デバイスを視覚化して血管とのそれらの拘束を回避するシステム及び方法である。1以上のソフトウェアモジュールを使用して、側枝の場所、内腔の輪郭、及びステント支柱の位置を検出することができる。1以上の視角又は向きを生成して、側枝拘束が起こることがあるときをユーザが視覚化するのを助けることができる。
【0058】
拘束された側枝における血流を改善するために、バルーンを用いて配置されたステント内の一群の細胞を開くのが必要なことがある。バルーンガイドワイヤは、典型的には、可能な限り遠位(例えば、下流)位置で、拘束された側枝口(side branch ostium)に交差される。遠位ガイドワイヤ位置を得ることは、側枝口の近位(例えば、上流)側に押し込まれるステント支柱をもたらし、それは側枝口のより大量のフロー(higher-flow)の遠位側でのフロー妨害(flow disruptions)を最小にする。従って、ステント及び側枝に対するガイドワイヤ位置の明確で迅速な視覚化は、臨床的に有利である。
【0059】
図1は、検出されたステント支柱、側枝、及びガイドワイヤ、並びにそれらに関連付けられる関連する印(indicia)及び配向角度を表示することのような、本開示の様々なステップを実行するのに適したシステムを含む。血管内情報の視覚的表現を見て評価するために、様々なユーザインターフェース特徴が本明細書中に記載される。これらのユーザインターフェースは、ユーザがマウス、ジョイスティック、又は他の制御装置を用いて制御することができる、並びに1以上のプロセッサ及び記憶装置要素を使用して作動させることができる、1以上の可動要素を含むことができる。例えば、図15A乃至図15Cのスライダをそのように制御することができる。
【0060】
ステント給送計画手順の間、並置のレベル及び場所、ユーザはOCT及び注釈付き血管造影法を参照して、給送計画の一部としてステントを更に拡張し或いは移動させることができる。図1に示すシステム5を使用してこれらのシステム特徴及び方法を実施することができる。
【0061】
図1は、被験者10の状態のデータを収集し或いはその特徴を検出又は検知し或いは他の方法で診断するのに適した様々なデータ収集サブシステムを含むシステム5を示している。1つの実施形態において、被験者10は、テーブルベッド又は椅子又は他の適切な支持体のような適切な支持体12の上に配置される。典型的には、被験者10は、特定の関心の領域25を有する人間又は他の動物である。
【0062】
データ収集システム5は、核磁気共鳴、X線、コンピュータ支援断層撮影、又は他の適切な非侵襲性撮像技術のような、非侵襲性撮像システムを含む。そのような非侵襲性撮像システムの非限定的な例として示されるように、シネ(cines)を生成するのに適するような血管造影システム20が示されている。血管造影システム20は、蛍光透視システムを含むことができる。血管造影システム20は、被験者10の領域25内の血管が、例えば、OCT又はIVUSのような1以上の撮像技術において血管造影法を用いて撮像されるよう、プルバック処置がプローブ30を用いて実行される間に、典型的には、画像データのフレームの形態にある、血管造影データのフレームが生成されるよう、被検体10を非侵襲的に撮像するように構成される。
【0063】
血管造影システム20は、1つの実施形態ではワークステーション又はサーバとして実施されることができる、血管造影データ記憶装置及び画像管理システム22と通信する。1つの実施形態において、収集される血管造影信号に関するデータ処理は、血管造影システム20の検出器で直接的に実行される。システム20からの画像は、血管造影データ記憶装置及び画像管理システム22によって格納され且つ管理される。
【0064】
1つの実施形態では、システムサーバ50又はワークステーション85が、システム22の機能を取り扱う。1つの実施形態では、システム20全体が、X線のような電磁放射を生成する。システム20は、被検体10の通過後にもそのような放射線を受け取る。次に、データ処理システム22は、血管造影システム20からの信号を使用して、領域25を含む被検体10の1以上の領域を撮像する。
【0065】
この特定の例に示すように、関心の領域25は、特定の血管のような血管系又は末梢血管系のサブセットである。これはOCTを使用して撮像されることができる。カテーテルベースのデータ収集プローブ30が被検体10に導入され、例えば冠動脈のような、特定の血管の内腔内に配置される。プローブ30は、例えば、OCTプローブ、FFRプローブ、IVUSプローブ、前述のプローブのうちの2以上のプローブの特徴を組み合わせたプローブ、及び血液中で撮像するのに適した他のプローブのような、様々な種類のデータ収集プローブであることができる。プローブ30は、典型的には、プローブ先端、1以上の放射線不透過性マーカ、光ファイバ、及びトルクワイヤを含む。加えて、プローブ先端は、光ビームディレクタ、音響ビームディレクタ、圧力検出センサ、他の変換器又は検出器、及び前述のものの組み合わせのような、1以上のデータ収集サブシステムを含む。
【0066】
光ビームディレクタを含むプローブの場合、光ファイバ33は、ビームディレクタを備えるプローブと光学的に通信する。トルクワイヤは、光ファイバが配置されるボアを定める。図1において、光ファイバ33は、それを取り囲むトルクワイヤを伴わずに示されている。加えて、プローブ30は、カテーテルの部分を形成するポリマシース(図示せず)のようなシースも含む。OCTシステムの脈絡においては干渉計のサンプルアームの部分である光ファイバ33は、図示のように患者インターフェースユニット(PIU)35に光学的に結合される。
【0067】
患者インターフェースユニット35は、プローブ30の端部を受け、それに光学的に結合されるのに適した、プローブコネクタを含む。典型的には、データ収集プローブ30は、使い捨て可能である。PIU35は、使用されるデータ収集プローブの種類に基づいて適切なジョイント及び要素を含む。例えば、OCT及びIVUSデータ収集プローブの組み合わせは、OCT及びIVUS PIUを必要とする。PIU35は、典型的には、プルバック手順の一部としてその中に配置されるトルクワイヤ、シース、及び光ファイバ33を引き戻すのに適したモータも含む。 引き戻されることに加えて、プローブ先端は、典型的には、PIU35によって回転させられもする。このようにして、被検体10の血管は、長手方向に、又は横断面を介して撮像されることができる。プローブ30は、血流予備比(FFR)又は他の圧力測定のような特定のパラメータを測定するために使用されることもできる。
【0068】
次に、PIU35は、1以上の血管内データ収集システム40に接続される。血管内データ収集システム40は、OCTシステム、IVUSシステム、他の撮像システム、及び前述のものの組み合わせであり得る。例えば、OCTプローブであるプローブ30の脈絡におけるシステム40は、干渉計のサンプルアームと、干渉計の基準アームと、フォトダイオードと、制御システムと、患者インターフェースユニットとを含むことができる。同様に、他の例として、IVUSシステムの脈絡において、血管内データ収集システム40は、超音波信号発生及び処理回路と、ノイズフィルタと、回転可能なジョイントと、モータと、インターフェースユニットとを含むことができる。1つの実施形態において、データ収集システム40及び血管造影システム20は、血管造影ビデオフレームタイムスタンプ及びOCT画像フレームタイムスタンプを同期させるように構成される共有クロック又は他の種類のタイミング信号を有する。
【0069】
図1の侵襲性及び非侵襲性画像データ収集システム及びデバイスに加えて、被験者の領域25及び被験者の他の関心のパラメータに関して、様々な他の種類のデータを収集することができる。例えば、データ収集プローブ30は、例えば、圧力ワイヤのような、1以上の圧力センサを含むことができる。OCT又は超音波コンポーネントの追加なしに圧力ワイヤを使用することができる。被験者10の領域25内の血管のセグメントに沿って圧力読取値を得ることができる。
【0070】
有線接続によって或いは無線接続を介してそのような読取りを中継することができる。血流予備比FFRデータ収集システムに示すように、無線送受信器47が、プローブ30から圧力読取値を受け取り、それらをシステムに送信してFFR測定値又は測定された血管に沿うより多くの場所を生成するように、構成される。1以上のディスプレイ82,83を使用して、データの血管造影フレーム、OCTフレーム、OCT及び血管造影データのためのユーザインターフェース、及び他の関心の制御及び特徴を示すこともできる。
【0071】
データ収集プローブ30を使用して生成される血管内データのフレームのような血管内画像データを、PIU35を介してプローブに結合されるデータ収集処理システム40に経路指定(ルーティング)することができる。血管造影システム22を使用して生成される非侵襲性画像データを、同時記録サーバ50(co-registration server)ワークステーション85のような1以上のサーバ又はワークステーションに送信し、格納し、且つそれらによって処理することができる。システム22から血管造影画像データを取り込むように構成されるコンピュータボードなどのビデオフレームグラッバーデバイス55(video frame grabber device)を様々な実施形態において使用することができる。
【0072】
1つの実施形態において、サーバ50は、メモリ70に格納され且つプロセッサ80によって実行される、1以上の同時記録ソフトウェアモジュール67を含む。サーバ50は、プロセッサベースのコンピューティングサーバ用の他の典型的なコンポーネントを含むことができる。代替的に、生成された画像データ、被験者のパラメータ、及び図1に示すシステムデバイス又はコンポーネントのうちの1以上によって生成され且つデータベース90によって受信され或いはデータベース90に転送される他の情報を受信するよう、データベース90のようなより多くのデータベースを構成することができる。データベース90は、ワークステーション85にあるメモリに格納される間にサーバ50に接続されるように示されているが、これは1つの例示的な構成であるに過ぎない。例えば、ソフトウェアモジュール67は、ワークステーション85にあるプロセッサ上で動作することができ、データベース90は、サーバ50のメモリ内に配置されることができる。例として、様々なソフトウェアモジュールを実行するために使用される装置又はシステムが提供される。種々な組合せにおいて、本明細書に記載するハードウェア及びソフトウェアを用いて、画像データのフレームを取得し、そのような画像データを処理し、そのような画像データを登録することができる。
【0073】
本明細書で他の方法で言及されるように、ソフトウェアモジュール67は、画像データを処理するために使用される、或いは、他のソフトウェアベースのコンポーネント67による異なる種類の画像データの同時記録を容易にする或いはそのような同時記録を他の方法で実行する患者トリガに応答する、前処理ソフトウェア、変換、行列、及び他のソフトウェアベースのコンポーネントのようなソフトウェアを含むことができる。モジュールは、走査線ベース又は画像ベースのアプローチを用いた内腔検出、走査線ベース又は画像ベースのアプローチを用いたステント検出、インジケータ生成、ステント計画のための並置バー生成、切開との混乱を防止するガイドワイヤ陰影インジケータ、側枝及び欠落データ、並びに他のものを含むことができる。
【0074】
血管造影システム20によって生成され且つフレームグラッバー55サーバ50によって取得される画像データのような血管造影画像データ92を受信し且つ格納するように、データベース90を構成することができる。OCTシステム40によって生成され且つフレームグラッバー55サーバ50によって取得される画像データのようなOCT画像データ95を受信し且つ格納するように、データベース90を構成することができる。
【0075】
加えて、被験者10を、1以上の電極を介して、例えばモニタ49のような1以上のモニタに電気的に結合することができる。モニタ49は、心機能に関するデータを生成し且つ収縮期及び拡張期のような被験者の様々な状態を示すように構成される心電図モニタを含むことができるが、それに限定されない。冠動脈を含む心臓の幾何学的形状のような血管中心線の追跡を助けるために用いることができる心位相を知ることは、たとえ異なる心周期に亘ってであっても、特定の心位相でほぼ同じである。
【0076】
故に、血管造影データが幾つか心周期に及ぶならば、同じ心位相での血管中心線の一次整合は、プルバックを通じて中心線を追跡するのを助けることがある。加えて、心臓の動きの大部分は収縮期の間に起こるので、血管運動は収縮期付近でより高く、拡張期に向かって弱まると予想される。これは、連続的な血管造影フレームの間に予想される動きの量の表示として、1以上のソフトウェアモジュールにデータを提供する。1以上のソフトウェアモジュールは、予想される動作の知識を用いて、予想される動きに基づく適合制約を可能にすることによって追跡品質及び血管中心線品質を改良する。
【0077】
所与の図における指向性を示す矢頭の使用又はその欠如は、情報が流れ得る方向を制限し或いは要求することを意図しない。例えば、図1に示す要素を接続するように示される矢印及び線のような所与のコネクタの場合、情報は所与の実施形態に適した1以上の方向又は1つだけの方向に流れることができる。接続は、光、有線、電力、無線、又は電気接続のような、様々な適切なデータ送信接続が含むことができる。
【0078】
1以上のソフトウェアモジュールを使用して、図1に示すシステム22のような血管造影システムから受信する血管造影データのフレームを処理することができる。非限定的に、ソフトウェア、そのコンポーネント、又はソフトウェアベースの若しくはプロセッサで実行される方法の1以上のステップを含むことができる、様々なソフトウェアモジュールを、本開示の所与の実施形態において使用することができる。
【0079】
血管内データ視覚化
1つの態様では、血管内治療部位を評価するための最適な三次元視覚化を創り出すためのコンピュータ実装方法が提供される。様々な実施形態において、本方法は、側枝形態学に基づいて最適なカメラ場所及び視点(view perspective)を自動的に決定して、治療部位の視覚化を容易にする。本方法は、医療デバイス(例えば、ステント)及び関連する配置デバイス(例えば、ガイドワイヤ)の検出を含むことができる。この特徴は、拘束された側枝を特定し且つ臨床医がステント細胞を変更して閉塞(obstructions)を緩和するのを助ける、分岐ステント留め(stenting)に特に有用である。本明細書に記載する1以上のステップを実行する血管内データ収集システムのソフトウェアモジュール67を使用して、側枝、ガイドワイヤ及び血管内データ視覚化の他の形態に関して本明細書に記載する様々な方法を実施することができる。
【0080】
図2を参照すると、1つの実施形態において、コンピュータ実装方法100は、以下のデータ収集ステップ、即ち、側枝検出102、内腔輪郭検出104、ステント支柱検出106、及びガイドワイヤ検出108のうちの1以上を含む。側枝検出及び管腔検出は、 側枝が主血管に接合する角度に基づいて最適な視角110を決定するサブステップを含むことができる。本明細書でより詳細に記載するように、これらの入力は、フライスルーディスプレイ(fly-through display)のような治療部位の三次元視覚化を創り出すために使用される。異なる視角は、非限定的な例として、側面図、斜視図、頂面図、側枝フライスルー図(side branch fly-through view)、主血管フライスルー図(main vessel fly-through view)、及び直交口視図(orthogonal ostium view)を含む。
【0081】
図3Aを参照すると、1つの実施形態では、仮想カメラ150が主血管154内の1以上の側枝152について生成される。仮想カメラは、主血管の方向を見る側枝を三次元で視覚化するための適切な視角に配置されている。図3Bを参照すると、1つの動作モードにおいて、カメラ向き156は、側枝の長手軸と平行であるように選択される。図3Cを参照すると、他のモードにおいて、カメラ向き156は、主血管154の表面に対して直交するように及び/又は側枝口158に対して直交するように選択される。これらの視角は例示的であり、任意の適切な視角を用いることができる。
【0082】
図3Dを参照すると、他の実施形態において、ユーザは側枝口158を横切るステントス支柱160を視覚化することができる。拘束ステント支柱をより良く見るために、ユーザが側枝口及び側枝口を横切るストラット支柱をより明瞭に視覚化することができるように、側枝をディスプレイから除去することができる。図3Dにおいて、仮想カメラは側枝口に対して直交して、ステントを配置する主血管の内腔に至る口を通じて見ている
【0083】
図4Aは、側枝152を有する主血管154の三次元レンダリングの側面図である。この実施形態では、主血管ガイドワイヤ164、側枝ガイドワイヤ166、及びステント支柱160が見える。
【0084】
図4Bは、主容器154に向かって側枝152(例えば、フライスルー)を見下ろす三次元レンダリングである。この実施形態において、カメラ150bは、図4Aに示すように側枝角の方向に沿って方向付けられる。側枝ガイドワイヤ164、主血管ガイドワイヤ166、及びステント支柱160が見える。
【0085】
図4Cは、主血管154の三次元フライスルーである。この実施形態において、カメラ150mは、図4Aに示すように、主枝(main branch)の縦軸に沿って方向付けられる。側枝ガイドワイヤ164、主血管ガイドワイヤ166、及びステント支柱160が見える。
【0086】
様々な実施形態において、本方法は、初期カメラ位置を自動的に特定するステップを含むことができる。図5Aを参照すると、1つの実施形態では、撮像データ(例えば、OCTデータ)中の中間フレーム170及び中間フレーム上の中間円弧位置を見出すことによって、側枝の向きを推定する。中間フレーム170は、所与の撮像フレーム内の側枝内腔172の中心である。中間円弧174は、側枝内腔輪郭176を定める円弧の中心である。好適な実施形態において、中間円弧位置は、初期カメラ位置178、即ち、仮想カメラが配置される場所として使用される。次に、初期カメラ向き、即ち、仮想カメラが照準される場所が自動的に選択される。好適な実施形態において、カメラは、その中間フレームのために撮像カテーテル180に向かって方向付けられて、臨床医に側枝内腔172を下って主血管内腔182に向かうビューを提供する。しかしながら、カメラを任意の方向に方向付けることができる。
【0087】
図5Bを参照すると、他の実施形態では、シリンダ184を側枝内腔174に嵌めることによってカメラの位置決めを決定する。次に、側枝内腔輪郭の円弧の代わりであるシリンダ184の円弧を用いて側枝向き186を推定する。好適な実施形態において、カメラ178は側枝186の軸に沿って位置付けられる。次に、初期カメラ向きが自動的に選択される。好適な実施形態において、カメラはシリンダ軸186を下って主血管内腔182に向かって自動的に方向付けられる。しかしながら、カメラを任意の方向に向けることができる。
【0088】
本開示は、ユーザディスプレイ上のガイドワイヤ及びステントのような医療デバイスの視覚化の強化のためのコンピュータ実装方法を提供する。この強化された視覚化は、臨床医が配置された医療デバイスに隣接する治療部位を評価し、更なる介入が必要とされるか否かを評価するのを助ける。例えば、ガイドワイヤがステントの内側(即ち、内腔)又はステントの外側(即ち、反内腔側)に位置付けられるときを臨床医が理解することは特に重要である。他の例として、拘束された側枝における血流を改善するために、バルーンを用いて配置されたステント内の一群の細胞を開くことがしばしば必要である。バルーンガイドワイヤは、典型的には、可能な限り遠位(例えば、下流)において拘束された側枝口に交差される。遠位ガイドワイヤ位置を得ることは、側枝口の近位(例えば、上流)側に押し込まれるステント支柱をもたらし、それは側枝口のより大量のフローの遠位側でのフロー妨害を最小にする。
【0089】
ステント支柱及びガイドワイヤを撮像データ内で自動的に検出し、ユーザディスプレイ上に示して、臨床医に治療部位の包括的な可視化を提供する。ステント支柱及びガイドワイヤを、異なる色を使用することによるような視覚的に別個の方法で表示して、臨床医による迅速な解釈を可能にすることができる。ある実施形態では、ガイドワイヤを、ステントに対するその内腔位置/内腔外位置に従って異なる色で示すことができる。例えば、内腔外ガイドワイヤを警告として赤色で表示し、内腔ガイドワイヤを黄色で表示することができる。この視覚化は、ガイドワイヤが拘束された側枝を横切る地点を明確にするのを助けることができ、主枝のステント区画の内腔外に不注意に位置付けられたガイドワイヤをユーザに気付かせるのにも役立つことができる。
多数のガイドワイヤが使用される他の実施形態において、ガイドワイヤは、それぞれ、異なる色で示されてよく、或いは、ガイドワイヤは、色によって分類されてよい。例えば、側枝ガイドワイヤは1つの色で示されてよく、主血管ガイドワイヤは他の色で示されてよい。他の実施形態では、ガイドワイヤが主血管内腔を横切る場合には、ガイドワイヤを1つの色で示すことができ、側枝を横切る同じガイドワイヤの部分を異なる色で示すことができる。他の実施形態では、ガイドワイヤが側枝口を横切る場合又はガイドワイヤがステント細胞を通過する場合に、ガイドワイヤを異なる色で示すことができる。
【0090】
同様に、例えば側枝を拘束するストラットのような潜在的な問題を示すために、ステント及び/又はステントストラットの一部又は全部を異なる色で示すことができる。例えば、側枝口を横切るストラットを赤色で示すことができるのに対し、血管壁に隣接するストラットを青色で示すことができる。
【0091】
他の実施形態では、側枝口の縁の周りで強調表示するポリゴンのような視覚的な印によって側枝口を定めることができる。視覚的な印は、閉塞されていない側枝口について1つの色であり、閉塞された側枝口について他の色であることができる。
【0092】
仮想カメラに対するステント支柱の位置を明確にするために、ステント支柱にも色分けを適用することができる。図4A乃至図4Cでは、どのステントが主血管壁に対して配置されているかに対してどのステントが側枝口の上に配置されているかを理解することは困難であり得る。しかしながら、図3Bを参照すると、個々のストラット及び血管内腔の自動的な検出に続いて、ワイヤ再交差(re-crossing)の視覚化との関連性がより少ないストラットには灰色又は白色のような非強調色(de-emphasizing color)を割り当てるか或いはそれらを完全に除去することができるのに対し、より関連性が高い側枝を拘束するストラットには赤色のような強調色を割り当てることができる。
【0093】
色は、開示に従って使用することができる視覚的な印の一例に過ぎない。例えば、印は、バー、ボックス、他の任意の適切な視覚化可能な表示要素、シンボル又はアイコンであり得る。好ましくは、印は、例えば、色分け、陰影付け、及び/又は印の可変な不透明度によって、任意の側枝閉塞(side branch occlusion)の程度を定量的に定める。
【0094】
側枝閉塞の評価
本発明は、枝閉塞(branch obstruction)の程度を計算し且つ可視化するコンピュータ実装方法も提供する。病理(例えば、狭窄)又は医学的介入(例えば、拘束)の存在に起因する枝遮断を計算するために幾つかの方法を用いることができる。
【0095】
1つの実施形態では、基準血管直径法を使用して、側枝閉塞(side branch obstruction)を評価する。図6は、狭窄202を有する主血管200を示している。側枝204も示されている。主血管206について基準プロファイルを創ることができ、且つ/或いは側枝208について基準プロファイルを創ることができる。基準プロファイル(点線)208を使用するならば、遠位及び近位基準プロファイルを使用することによって推定される枝直径を計算することができる。1つの実施形態では、冪乗則が以下の式によって与えられる。
【数0001】
ここで、D(i+1)は、近位基準プロファイル直径であり、D(i)は、遠位基準プロファイル直径であり、ここで、D(i)は、推定された真の枝直径であり、εは、経験的に決定されるような2.0〜3.0の間の値を有する冪乗則スケーリング指数である。
【0096】
推定された枝直径とOCT撮像によって検出された実際の枝直径との間の差は、枝閉塞のレベルを提供する。1つの実施形態において、枝閉塞のレベルは、以下の式によって与えられる。
【数0002】
ここで、D(i)は、推定された真の枝直径であり、DOCT(i)は、OCTによって測定された実際の枝直径である。
【0097】
1つの実施形態では、最大直径フレーム法を使用して側枝閉塞を評価する。基準プロファイルを使用する代わりに現在の枝に対して遠位及び近位の主血管セグメントにおける最大直径を使用して枝直径を推定する。
【0098】
1つの実施形態では、フロー方法を使用して側枝閉塞を評価する。仮想予備能(Virtual Flow Reserve)(VFR)を使用するならば、各側枝に入るフローを推定することができる。OCTベースの枝直径FlowOCT(i)と真の枝直径Flow(i)との間の差に起因する所定の側枝を下るフローの相違は、閉塞された側枝に起因するフローに対する影響の追加的な表示である。遠位及び近位セグメントにおける基準血管プロファイル又は再々直径フレームのいずれかを用いることによって、上述の方法のうちの1つを用いて真の枝直径を計算することができる。フロー方法は、以下の式として与えられる。
【数0003】
【0099】
様々な実施形態では、色分けのような視覚的な印を使用して、側枝のフロー閉塞がユーザディスプレイ上に表す。印を符号化して側枝閉塞のレベルを与えることができる。ユーザインターフェースを介したユーザ入力に基づいてこれらの印を設定することもできる。図7は、例示的なユーザディスプレイの概略図である。ディスプレイは、狭窄202を有する主血管200と、3つの側枝210,212,214とを示している。高度に閉塞された側枝212は、中程度に閉塞された側枝210(例えば、橙色)及び低く閉塞された/閉塞されていない側枝214(例えば、黄色)と異なる印(例えば、赤色)によって定められる。
【0100】
図8は、ある実施形態に従った血管300の三次元レンダリングの斜視図を描写するユーザディスプレイを示している。ガイドワイヤ302、ステント支柱304、及び拘束された側枝306を定める印が見える。ユーザディスプレイは、ガイドワイヤを表示する/非表示にするためのメニュー310と、表示する血管特徴を選択するためのメニュー312と、ディスプレイの仮想カメラ角度を選択するためのメニュー314とを含む。ユーザは、ユーザディスプレイ上の多数の視角の間で切り替えることができる。加えて、ユーザは、例えば、特定の側枝を選択することによって及び/又は特定の側枝と関連付けられたカメラを選択することによって、ユーザディスプレイ上の異なる側枝の間で切り替えることができる。
【0101】
図9A乃至9Cは、三次元レンダリングの側面図(図9A)、対応するBモードOCT画像(図9B)、及び対応するLモードOCT画像(図)C)の側面図を統合した、ユーザディスプレイを示している。図9Aは、血管300の三次元レンダリングの側面図である。ガイドワイヤ302及びステント支柱304が見える。図9Bは、断面BモードOCT画像を示している。ガイドワイヤ陰影312及び多数のステント支柱陰影314がはっきり見える。図9Cは、縦方向LモードOCT画像を示している。ガイドワイヤ陰影312及び多数のステント支柱陰影がはっきり見える。垂直線316は、図3に示す断面フレームを定める。
【0102】
図10A乃至図10Cは、図9A乃至図9Cに類似する、三次元レンダリングの側面(図10A)、対応するBモードOCT画像(図1B)、及び対応するLモードOCT画像(図10C)を統合した、ユーザディスプレイを示している。図10Aは、拘束された側枝を定める目に見える印306を含む。
【0103】
図11A乃至図11Cは、フライスルーレンダリング(図11A)、対応するBモードOCT画像(図11B)、及び対応するLモードOCT画像(図10C)を統合した、ユーザディスプレイを示している。図11Aにおいて、ガイドワイヤ302及びステント支柱304は、空間充填モデルにおいて示されている。コンパス320が、近位方向及び遠位方向を示している。
【0104】
図12A乃至図12Cは、図12A乃至図12Cに示したような類似するディスプレイを示している。図12Aは、例示的な実施形態に従った拘束された側枝306の印を含む。
【0105】
図13A乃至図13Cは、図9A乃至図9Cに類似する、三次元レンダリングの側面図(図13A)、対応するBモードOCT画像(図13B)、及び対応するLモードOCT画像(図13C)を統合した、ユーザディスプレイを示している。図13Aは、拘束されているが、側枝を拘束したステント支柱324を切断することによって閉塞解除された、側枝口322を示している。図13Dは、図13Aの拡大図であり、側枝口322及び裂かれた支柱324(cleaved strut)を示している。
【0106】
例示的な血管内データ収集実施形態
本明細書に記載するシステム及び方法は、タンデム病変/びまん性疾患のような他の複雑な状態についての分岐、BVS、VFRのための特定の臨床応用に関連する介入前後の撮像ニーズを支援する診断情報を提供する。これらの実施形態は、以下の特徴を含む。
● フライスルー、縦方向及び枝ビューの3Dオプション
● BVS処置の考慮事項についてのOCT使用及びステント検出
● 分岐ケースのための超高解像度プルバック
● 多数の3D表示オプションに加えた3D上の独立したワイヤ選択
● ステント並置マッピングインジケータ;360度評価のためのステータスバーの追加
● 赤色/黄色についての並置指示範囲及びそれらの範囲を調整するカスタマイズ能力
● 様々なユーザインターフェース設計要素
【0107】
図14Aは、OCT撮像データに基づいて配置されたステントの三次元の皮膚及びワイヤフレームビューを例示するインターフェースディスプレイを示している。左上パネルは、血管の正面図を示しており、具体的には、血管の内腔内境界は、半透明の皮膚として三次元で描かれている。皮膚は、関心の領域に沿う血管壁及び/又は血管内腔のトポグラフィーを推定し或いは近似する。好適な実施形態において、皮膚は、側枝、健康な内皮、狭窄、病変、及びプラークのような、血管トポグラフィーのユーザ視覚化を強化するよう、側枝の輪郭に密接に近似する。皮膚は、任意の適切な色で描写されることができ、好ましくは、内腔内に配置されるステントの視覚化を可能にするために半透明である。
【0108】
他のユーザインターフェースと同様に、二重矢印はユーザがスキンビューを回転させることを可能にする。図14Aに示すように、幾つかの実施形態において、皮膚自体は厚さを有さず(即ち、二次元である)、内腔内境界を三次元において定めるに過ぎない。他の実施形態において、皮膚は、特徴視覚化を向上させるよう公称の又は実質的な厚さを有し得る。ステント支柱のような特徴のオーバーレイを強化するよう、内腔、皮膚又は他の層の透明度レベルを調整することができる。図14Bに示すように、側枝検出は、分岐手順を支援する三次元インターフェース並びにVFR計算への入力を使用して強化される。
【0109】
引き続き図14Aを参照すると、左上パネルは、半透明の皮膚の裏側又は内側のワイヤフレームグラフィックとしての配置されたステントを示している。側枝口は、皮膚の穴又は開口として見える。ステント支柱は、半透明のスキンを通じて見える。ステント支柱を色で又は他の視覚的な印によって示して、ステント配置及び位置決めに関する更なる情報を提供することができる。例えば、適切に配置された支柱を1つの色(例えば、白色)で示し、並置不良(不完全密着)の(例えば、膨張が不十分である、側枝を拘束する等の)支柱を異なる色(例えば、赤色)で示す。適切な配置についての白色、潜在的な並置についての黄色、可能性のあるステント並置についての赤色のような色勾配によって、ステントの並置の度合い(degree)又は程度(extent)を伝えることができる。並置不良の異なる原因と関連する並置レベル又は閾値との間を区別するために、異なる色を使用することもできる。例えば、図15A乃至図15Cに示すような1つの実施形態におけるユーザインターフェースを使用して、これらの閾値を設定することができる。1以上のソフトウェアモジュール67を使用して、印を表示すべきソフトウェア及び制御装置を実施することができる。
【0110】
非限定的な例として、血管壁に対して適切に拡張されたステント支柱を1つの色(例えば、白色)で示すのに対し、不十分に膨張した支柱を他の色(例えば、紫色)で示して、特定の場所でステントを完全に拡張させるために更なる介入が必要とされることがあることをユーザに警告することができる。同様に、側枝口を拘束し或いは閉塞する支柱を更に他の色(例えば、赤色)で示し、潜在的に拘束される支柱を更に他の色(例えば、黄色)で示して、ステントの調整又は再配置が必要とされる場合があることをユーザに警告することができる。理解されるように、例えば、パターン化された線、ハッチング及び陰影のような、他の視覚的な印を使用することができる。
【0111】
図14Aの右上パネルは、OCT画像の断面を示している。ステント支柱の断面は、円として描かれている。支柱の位置決めに関してユーザに情報を伝えるために、ステント支柱を色で又は他の目に見える印によって示すことができる。例えば、血管壁に対して適切に拡張されたステント支柱を1つの色(例えば、白色)で示すのに対し、側枝を拘束する支柱を他の色(例えば、赤色)で示す。
【0112】
図14Aの中央パネルは、OCTデータの縦方向又はLモードレンダリングを示している。断面フレームは、関心の領域内の垂直線に対応する。図14Aの底部パネルは、配置されたステントのワイヤフレーム表現と同時記録された血管のOCT Lモード画像を示している。再度、血管壁に対して適切に拡張されたステントストラットを1つの色(例えば、白色)で示すのに対し、側枝を拘束するストラットを他の色(例えば、赤色)で示す。
【0113】
図14Cは、OCT撮像データに基づいて配置されたステントの三次元の皮膚及びワイヤフレームビューを例示するインターフェースディスプレイを示している。ユーザディスプレイは、皮膚、ガイドワイヤ、及び/又はステント支柱のような、1以上の特徴を表示し或いは非表示にするオプションを含むことができる。加えて、皮膚の色及び透明度を変更して、皮膚をより透明又は不透明にすることができる。
【0114】
図14Dは、配置されたステントの三次元の皮膚及びワイヤフレームビューを例示するフライスルーディスプレイを示している。遠位(D)又は下流方向及び近位(P)又は上流方向が示されている。インターフェースディスプレイは、関心の領域内の断面画像の場所を示す位置マーカも含むことができる。インターフェースディスプレイは、血管のトポグラフィーをより明らかにするため内腔境界/輪郭を強調表示する内腔マーカを更に含むことができる。
【0115】
図14Eは、配置されたステントの三次元のワイヤフレームビューを例示するフライスルーディスプレイを示している。この実施形態において、皮膚は示されておらず、ステント支柱及びガイドワイヤのみを残している。幾つかの状況では、皮膚が示されないとき、ステントの並置はより明確であることがある。血管の長さに沿う内腔に対する三次元ビュー及び三次元フライスルーの一部として皮膚をオンオフ切替えすることができる。
【0116】
並置レベルについてのユーザインターフェース特徴
並置閾値のようなステント並置値を確立するプロセスは、血管内診断システムの1人のエンドユーザと他のエンドユーザとで異なることがある。エンドユーザは、図15A図15B、及び図15Cに示すようなインターフェースを用いてステントについての並置閾値を調整することができる。図15Aにおいて、ステント並置値を調整するためのユーザインターフェースは、OCTシステムのグラフィックユーザインターフェースに対して示されている。このインターフェースをIVUS及び他の撮像モダリティに使用することができる。点線によって示すステント支柱は、変更可能な特徴として1以上の表面に又はステント支柱に延びることができる矢印を有する。これは、並置が、ユーザが関心を有するものとして支柱上の又は支柱内の場所に対して特定されるのを可能にする。図15A及び図15Bにおいて、並置レベルを評点する或いは特定する3つのレベル又は閾値は、0〜200ミクロン、200〜300ミクロン、及び300〜600ミクロンの間にある。図15Bに示すように、示される3つの有色バーは、3つの並置閾値を設定されるのを可能にする。これらの閾値は、ステントの並置がいつどのように表示されるかを制御する。支柱並置距離は、ステント支柱及び内腔輪郭に対する図中の両頭矢印によって示されている。
【0117】
内腔輪郭は、血管の内腔の検出された又は計算された境界である。好ましくは、ステント支柱は、内腔輪郭に近い。支柱の前面が内腔輪郭から既知の距離にあることを支柱の並置が示す限りにおいて、エンドユーザは、ステントの厚さの知識を使用して、それらの個々のニーズを満たす並置閾値を設定することができる。並置閾値は、図15におけるように設定されることができる。2つのレベル−並置されている又は並置されていないのみが現れる。2つの、3つの、又はそれよりも多くのそのようなレベルを設定することができる。1つの実施形態では、図15A及び図15Bに示すように、ステント支柱のグラフィックを修正するために3つのインジケータが使用されるよう、スライダバーを調節して並置(並置不良)閾値を設定する。並置(apposition)という用語は、血管壁に対する拡張又は配置の好ましいレベルから逸脱するステントの程度を記述するために用いられるような並置不良(malapposition)を含むことができる。
【0118】
検出された内腔輪郭に対して検出されたステント支柱を評価するための並置閾値によるようなステントの並置不良のレベルを、ユーザインターフェースを使用して定めることができる。インターフェースは、(図15A乃至図15Cに示す)スライダ、又は、トグル制御、1以上のボタン、他の並置パラメータのパーセンテージ若しくは距離若しくはエントリのためのフィールド、又は印が検出されたステント支柱ト及びステント支柱並置レベルに関してどのように表示されるかを特定する他のインターフェースのような、他のユーザインターフェースであり得る。並置閾値を選択し或いは入力するための任意の適切なインターフェースを使用することができる。1つの実施形態において、並置は、ステント支柱の厚さを特定せず、むしろステント支柱端面を使用する。このようにして、エンドユーザは、彼らの専門知識及び使用中のステント支柱の厚さに基づいて閾値を調整することができる。
【0119】
インターフェース、検出及び開示の他の特徴を実装する非限定的なソフトウェア特徴及び実施形態
以下の記述は、本明細書に記載の開示の方法を実行するのに適したデバイスハードウェア及び他の動作コンポーネントの概要を提供することを意図している。この記述は、開示の適用可能な環境又は範囲を限定することを意図しない。同様に、ハードウェア及び他の動作コンポーネントは、上述の装置の部分として適切なことがある。パーソナルコンピュータ、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの又はプログラム可能な電子デバイス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、及び同等物を含む、他のシステム構成で、本開示を実施することができる。タスクがカテーテル又はカテーテル検査室の異なる部屋のような通信ネットワークを通じてリンクされる遠隔処理装置によって実行される分散コンピューティング環境においても本開示を実施することができる。
【0120】
詳細な記述の幾つかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する演算(operations)のアルゴリズム及び記号表現のような方法に関して提示されている。これらのアルゴリズム記述及び表現は、コンピュータ及びソフトウェア関連の分野の当業者によって使用され得る。1つの実施形態において、アルゴリズムは、ここでは、一般には、所望の結果をもたらす動作の自己一貫したシーケンスであるように着想される。方法ステップ又は本明細書に他の方法において記載するものとして実行される操作(operations)は、物理量の物理的操作を必要とする。通常、必ずしも必要ではないが、これらの量は、格納され、転送され、組み合わせられ、変換され、比較され、且つ他の方法で操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形式をとる。
【0121】
特に明記されない限り、以下の議論から明らかなように、本記述を通じて、「処理する」又は「計算する」又は「サーチする」又は「表示する」又は「検出する」又は「測定する」又は「計算する」又は「比較する」又は「生成する」又は「検知する」又は「決定する」又は「表示する」又はブール論理又は他のセット関連の動作又は同等のことのような用語を利用する議論は、コンピュータシステム又は電子デバイスのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、それらを電子メモリ又はレジスタ又は他のそのような情報記憶、送信若しくは表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータシステム又は電子デバイスの作用及びプロセスを指す。
【0122】
本開示は、幾つか実施形態において、本明細書の動作を実行する装置にも関する。この装置は所要の目的のために特別に構成されてよく、或いは、この装置はコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化され或いは再構成される汎用コンピュータを含んでよい。様々な回路及びその構成要素を使用して、本明細書に記載するデータ収集及び変換及び処理のうちの幾つかを実行することができる。
【0123】
本明細書で提示するアルゴリズム及びディスプレイは、如何なる特定のコンピュータ又は他の装置に固有に関連しない。様々な汎用システムが本明細書中の教示に従ったプログラムと共に使用されてよく、或いは所要の方法ステップを実行するためにより特殊化された装置を構築することが便利であることが分かることがある。様々なこれらのシステムのための所要の構造は、本明細書で提供される記述から明らかであろう。加えて、本開示は、如何なる特定のプログラミング言語を参照しても記載されておらず、よって、様々なプログラミング言語を使用して様々な実施形態が実装されてよい。1つの実施形態において、ソフトウェア指令は、血管内撮像/データ収集システムのマイクロプロセッサ又はASICでの動作のために構成される。
【0124】
本開示の実施形態は、以下のものに限定されないが、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、若しくは汎用コンピュータ)と共に使用するコンピュータプログラムロジック、プログラム可能なロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(EPGA)若しくは他のPLD)と共に使用するプログラムロジック、離散型コンポーネント、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、又はそれらの任意の組み合わせを含む任意の他の手段を含む、多くの異なる形態において実装されてよい。
【0125】
本開示の典型的な実施形態において、OCTプローブ、IVUSプローブ、他の撮像プローブ、血管造影システム、並びに他の撮像及び被験者モニタリングデバイス及びプロセッサベースのシステムを使用して収集されるデータの処理の一部又は全部は、コンピュータ実行可能な形態に変換され、コンピュータ可読媒体内にそのように格納され、オペレーティングシステムの制御下でマイクロプロセッサによって実行される、コンピュータプログラム指令のセットとして実装される。よって、例えば、プルバック又は共同登録要求の完了に基づくユーザインターフェース命令及びトリガは、OCTデータの生成し且つ上述の様々な及び他の特徴及び実施形態を使用して画像処理を実行するのに適した、プロセッサ理解可能な指令に変換される。
【0126】
加えて、本明細書に記載するユーザインターフェース命令、ユーザクエリ、システム応答、送信プローブデータ、入力データ並びに他のデータ及び信号は、ユーザインターフェース選択に応答し、グラフィカルユーザインターフェースを制御し、グラフィック信号処理を制御し、断面情報、レンダリングされたステント及びガイドワイヤ及び他のデータ収集モダリティからの画像を表示し、ステント及び並置バー及び他の血管内データを生成し且つ表示し、OCT、アンギオグラフィを表示し、陰影を検出し、ピーク並びにグラフィックユーザインターフェース及び他の特徴及び上述のような実施形態の部分のような他のデータを検出するのに適した、プロセッサ理解可能な指令に変換される。GUIコンポーネント又は制御装置、値としての、或いはグラフィカルユーザインターフェースにおける他の表現としての表示に適したデータ及びパラメータは、ガイドワイヤ、並置バー、ユーザインターフェースパネル、マスク、ステントストラット、欠落データ表現、陰影、血管造影表現、三次元及び二次元レンダリング及びビュー、並びに本明細書に記載する他の特徴を含むが、それらに限定されない。
【0127】
本明細書で前述した機能性の全部又は一部を実装するコンピュータプログラムロジックは、ソースコード形態、コンピュータ実行可能形態、及び様々な中間形態(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ(linker)、ロケータ(locator)によって生成される形態)を含む、様々な形態において具現されてよいが、それらに限定されない。ソースコードは、様々なオペレーティングシステム又は動作環境との使用のために、様々なプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、又はFortran、C、C++、JAVA、又はHTMLのような高級言語)のいずれかにおいて実装された一連のコンピュータプログラム命令を含んでよい。ソースコードは、様々なデータ構造及び通信メッセージを定義し且つ使用してよい。ソースコードは、(例えば、インタプリタを介して)コンピュータ実行可能形態であってよく、或いは、ソースコードは、(例えば、トランスレータ、アセンブラ、又はコンパイラを介して)コンピュータ実行可能な形態に変換されてよい。
【0128】
コンピュータプログラムは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD−ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、又は他のメモリデバイスのような、有形の記憶媒体内に永久に又は一時的に、任意の形態(例えば、ソースコード形態、コンピュータ実行可能形態、又は中間形態)で固定されてよい。コンピュータプログラムは、以下のものに限定されないが、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、ブルートゥース(登録商標))、ネットワーク技術、及びインターネットワーキング技術を含む、様々な通信技術のいずれかを用いて、コンピュータに送信可能な信号のいずれかの形態に固定されてよい。コンピュータプログラムは、(例えば、システムROM又は固定ディスク上の)コンピュータシステムに予めロードされる或いは通信システム(例えば、インターネット又はワールドワイドウェブ)を通じて電子掲示板又はサーバから流通させられる、印刷又は電子文書(例えば、シュリンクラップソフトウェア)を伴う取り外し可能な記憶媒体としての任意の形態において流通させられてよい。
【0129】
本明細書で前述した機能性の全部又は一部を実装する(プログラマブルロジックデバイスと共に使用するためのプログラマブルロジックを含む)ハードウェアロジックは、従来の手動方法を使用して設計されてよく、或いは、コンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDL又はAHDL)、PLDプログラミング言語(例えば、PALASM、ABEL、又はCUPL)のような、様々なツールを用いて電子的に設計され、キャプチャされ、シミュレーションされ、或いは文書化されてよい。
【0130】
プログラマブルロジックは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD−ROM)、又は他のメモリデバイスのような、有形記憶媒体に恒久的に又は一時的に固定されてよい。プログラマブルロジックは、以下のものに限定されないが、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、ブルートゥース(登録商標))、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術を含む、様々な通信技術のいずれかを用いてコンピュータに送信可能な信号中に固定されてよい。プログラマブルロジックは、(例えば、システムROM又は固定ディスク上の)コンピュータシステムにプリロードされる、或いは通信システム(例えば、インターネット又はワールドワイドウェブ)を通じて電子掲示板又はサーバから流通させられる、印刷又は電子文書(例えば、シュリンクラップソフトウェア)を伴う取り外し可能な記憶媒体として流通させられてよい。
【0131】
適切な処理モジュールの様々な例を以下でより詳細に記載する。本明細書で使用されるとき、モジュールは、特定のデータ処理又はデータ送信タスクを実行するのに適したソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェアを指す。1つの実施形態において、モジュールは、指令、又は、血管造影データ、OCTデータ、IVUSデータ、オフセット、陰影、画素、強度パターン、ガイドワイヤセグメント、側枝向き、ステント向き、側枝位置に対するステント位置、ユーザインターフェースデータ、制御信号、血管造影データ、ユーザ動作、周波数、干渉計信号データ、検出されステント、候補ステントストラット、IVUSデータ、陰影、画素、強度パターン、スコア、投影、及びガイドワイヤデータ並びに本明細書に記載するような他の関心の情報のような、様々な種類のデータを受信し、変換し、ルート制御し、且つ処理するのに適した、ソフトウェアルーチン、プログラム、又は他のメモリ常駐アプリケーションを指す。
【0132】
本明細書で記載するコンピュータ及びコンピュータシステムは、データを取得し、処理し、格納し且つ/或いは通信するのに使用されるソフトウェアアプリケーションを格納するためのメモリのような動作的に関連するコンピュータ可読媒体を含んでよい。そのようなメモリは、その動作的に関連するコンピュータ又はコンピュータシステムに対して内部的、外部的、遠隔又はローカルであり得ることが理解されるであろう。
【0133】
メモリは、例えば、非限定的に、ハードディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、DVD(デジタル多用途ディスク)、CD(コンパクトディスク)、メモリスティック、フラッシュメモリ、ROM(読出し専用記憶装置)、RAM(ランダムアクセス記憶装置)、DRAM(ダイナミックランダムアクセス記憶装置)、PROM(プログラマブルROM)、EEPROM(拡張消去可能なPROM)、及び/又は他の同等のコンピュータ可読媒体を含む、ソフトウェア又は他の指令を格納するあらゆる手段を含んでもよい。
【0134】
一般的に、本明細書に記載の開示の実施形態に関連して適用されるコンピュータ可読メモリ媒体は、プログラマブル装置によって実行される指令を格納することができるあらゆるメモリ媒体を含んでよい。適用可能な場合、本明細書に記載の方法ステップは、コンピュータ可読記憶媒体又は記憶媒体に格納される指令として具現され或いは実行されてよい。これらの指令は、本開示の実施形態に従って指令を創り出すために適用されてよい、C++、C、Java、及び/又は様々な他の種類のソフトウェアプログラミング言語のような、様々なプログラミング言語において具現されるソフトウェアであってよい。
【0135】
「機械可読媒体」又は「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械による実行のための指令のセットを格納し、符号化し、或いは担持することができる、並びに機械に本開示の方法論のうちの任意の1以上を実行させる、任意の媒体を含む。機械可読媒体は、単一の媒体であるよう例示的な実施形態に示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1以上のセットの指令を格納する、単一の媒体又は多数の媒体(例えば、データベース、1以上の集中若しくは分散データベース及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むよう理解されなければならない。
【0136】
記憶媒体は、非一時的であってよく、或いは非一時的デバイスを含んでよい。従って、非一時的な記憶媒体又は非一時的なデバイスは、有形であるデバイスを含んでよく、それはデバイスが具体的な物理的形態を有することを意味するが、デバイスはその物理的状態を変更してよい。よって、例えば、非一時的は、この状態の変化に拘わらず有形のままであるデバイスを指す。
【0137】
本開示の態様、実施形態、特徴、及び例は、全ての点で例示的であると考えられるべきであり、本開示を限定することを意図せず、その範囲は請求項によってのみ定められる。他の実施形態、修正及び用途は、請求する発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者に明らかであろう。
【0138】
本出願における見出し及びセクションの使用は、本発明を限定することを意味しない。各セクションは、請求する発明の任意の態様、実施形態、又は特徴に当て嵌まり得る。
【0139】
本出願を通じて、組成物が特定の成分を有する、包含する、或いは含むと記載されている場合、又はプロセスが特定のプロセスステップを有する、包含する、或いは含むと記載されている場合、本教示の組成物は列挙されるコンポーネントで本質的に構成され或いはそれらから成ること並びに本教示のプロセスは列挙されるプロセスステップで本質的に構成され或いはそれらから成るなることが理解されよう。
【0140】
本出願において、要素又はコンポーネントが列挙された要素又はコンポーネントのリストに含まれる及び/又はそれらから選択されると言われる場合、その要素又はコンポーネントは列挙された要素又はコンポーネントのうちのいずれか1つであることができること並びに列挙された要素又はコンポーネントのうちの2以上からなる群から選択されることができることが理解されなければならない。更に、本明細書において明示的であれ暗示的であれ、本明細書に記載する組成物、装置、又は方法の要素及び/又は特徴を、本教示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な方法で組み合わせることができることを理解されたい。
【0141】
「含む(include)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(have)」、「有する(has)」、又は「有する(having)」という用語の使用は、特に明記されていない限り、一般的に開放端であり且つ非限定的であると理解されるべきである。
【0142】
本明細書中の単数形の使用は、特に断らない限り、複数形を含む(逆もまた同様である)。その上、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数形を含む。加えて、「約」という用語の使用が定量値の前にある場合、特に教示しない限り、本教示は特定の定量値自体も含む。本明細書で使用するとき、「約」という用語は、名目上の値からの±10%の変動を指す。
【0143】
本教示が動作可能なままである限り、特定の行為を実行する順序又はステップの順序は重要ではないことが理解されるべきである。その上、2以上のステップ又は行為は同時に行われてよい。本明細書に提示する例は、本開示の潜在的且つ具体的な実施を例示することを意図している。それらの例は、当業者のための開示の例示の目的のために主に意図されていることが理解されることができるであろう。本開示の精神から逸脱することなく、これらの図又は本明細書に記載の動作への変更があってよい。例えば、特定の場合には、方法ステップ又は操作は、異なる順序で遂行され或いは実行されてよく、或いは、操作が追加され、削除され、或いは修正されてよい。
【0144】
値の範囲又はリストが提供される場合、それらの対の範囲又はリストの上限と下限との間に介在する各値は個別に想定され、各値が本明細書中に具体的に列挙されているかのように本発明に包含される。加えて、所与の範囲の上限及び下限の間の並びにそれらを含むより小さい範囲が想定され、本発明に包含される。例示的な値又は範囲のリストは、所与の範囲の上限及び下限の間並びにそれらを含む他の値又は範囲を否認するものでない。
【0145】
更に、本開示の具体的な実施形態を、本開示を限定する目的のためでなく、本開示を例示する目的のために本明細書中に記載したが、要素、ステップ、構造、及び/又は部品の詳細、材料及び配置の数多くの変形が請求項に記載するような本開示のから逸脱することなく本開示の原理及び範囲内で行われる場合があることが、当業者によって理解されるであろう。
【0146】
更に、本開示の特定の実施形態は、本開示を例示する目的で本明細書に記載されており、それを限定する目的で記載されていないが、要素、ステップ、構造、及び/又は部品の詳細、材料及び配置の数多くの変形が、請求項に記載する開示から逸脱することなく本開示の原理及び範囲内で行われてよいことが当業者によって理解されるであろう。
【0147】
請求するものは後続の通りである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13-1】
図13-2】
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15A
図15B
図15C
【外国語明細書】
2021118855000001.pdf