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特開2021-119045プリントヘッドの動作ステータスを特定すること
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-119045(P2021-119045A)
(43)【公開日】2021年8月12日
(54)【発明の名称】プリントヘッドの動作ステータスを特定すること
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20210716BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20210716BHJP
【FI】
   B41J2/165 501
   B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2021-6048(P2021-6048)
(22)【出願日】2021年1月18日
(31)【優先権主張番号】2000745.6
(32)【優先日】2020年1月17日
(33)【優先権主張国】GB
(71)【出願人】
【識別番号】521026747
【氏名又は名称】メテオ・インクジェット・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Meteor Inkjet Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド・ロドリゲス−ジョレンテ
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA14
2C056EB38
2C056EB39
2C056EB40
2C056EB59
2C056FA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】インクジェットプリンタヘッド内のノズルのステータスを検出する、より高速であり計算負荷がより少ない方法を開発することが望まれている。
【解決手段】インクジェットプリントヘッド内のノズルを通じてインクの吐出を引き起こすように構成された圧電アクチュエータを有するノズルの動作ステータスを特定するシステム及び方法を提供する。システムは、第1の期間中に圧電アクチュエータに駆動信号を印加するように構成された駆動回路と、第1の期間後の第2の期間中に時間の関数として圧電アクチュエータ内の電流を測定するように構成された検知回路とを備えてなり、システムは、測定された電流が第2の期間中に所定の条件に到達するのに要する時間、又は第2の期間中の時間の関数としての測定された電流の傾きに応じて、ノズルの動作ステータスを特定するように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリントヘッド内のノズルを通じてインクの吐出を引き起こすように構成された圧電アクチュエータを有する前記ノズルの動作ステータスを特定するシステムであって、
第1の期間中に前記圧電アクチュエータに駆動信号を印加するように構成された駆動回路と、
前記第1の期間後の第2の期間中に時間の関数として前記圧電アクチュエータ内の電流を測定するように構成された検知回路と
を備えてなり、
測定された前記電流が前記第2の期間中に所定の条件に到達するのに要する時間に応じて、前記ノズルの前記動作ステータスを特定するように構成されているシステム。
【請求項2】
前記所定の条件は閾値電流値である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記所定の条件は最大電流値である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記所定の条件は時間の関数として測定された前記電流の勾配がゼロに等しい場合である、請求項1又は3に記載のシステムである。
【請求項5】
前記所定の条件は、時間の関数として測定された前記電流の勾配が前記第2の期間中に初めてゼロに等しい場合である、請求項4に記載のシステムである。
【請求項6】
前記第2の期間は、前記第1の期間から中間期間だけ離間している、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
測定された前記電流が前記所定の条件に到達するのに要する時間は、前記中間期間の終了から測定される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
測定された前記電流が前記所定の条件に到達するのに要する時間は、前記第2の期間の開始から測定される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムは、測定された前記電流を前記閾値電流値と比較するように構成された比較器を更に備える請求項2又は請求項2に従属する請求項6〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、測定された前記電流が前記所定の条件に到達するのに要する時間を測定するように構成されたカウンタを更に備える請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
インクジェットプリントヘッド内のノズルを通じてインクの吐出を引き起こすように構成された圧電アクチュエータを有する前記ノズルの動作ステータスを特定するシステムであって、
第1の期間中に前記圧電アクチュエータに駆動信号を印加するように構成された駆動回路と、
前記第1の期間後の第2の期間中に時間の関数として前記圧電アクチュエータ内の電流を測定するように構成された検知回路と
を備えてなり、
前記第2の期間中の時間の関数として測定された前記電流の傾きに応じて前記ノズルの前記動作ステータスを特定するように構成されているシステム。
【請求項12】
前記システムは低ノイズ増幅器を更に備える請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記ノズルの前記動作ステータスは論理プロセッサによって特定される、請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記論理プロセッサは、マイクロプロセッサ、CPLD、FPGA、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、組み込み型PC、パーソナルコンピュータ、サーバ、ASIC、又は他のプログラマブルロジックである、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ノズルの前記動作ステータスは、一組の規則、アルゴリズム及びルックアップテーブルのうちの1つ以上を使用して特定される、請求項1〜14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記検知回路は、電流センサレジスタ、差動演算増幅器、ホール効果電流センサ、前記圧電アクチュエータと直列のキャパシタ、及び電流ミラーのうちの1つ以上を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記動作ステータスは、通常噴射、ずれを含む噴射、部分的閉塞、完全閉塞及び気泡含有のうちの1つ以上として特定される、請求項1〜16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記駆動信号は、前記第2の期間中に前記アクチュエータに印加されないものである、請求項1〜17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
ノズルと、
前記ノズルを通じてインクの吐出を引き起こすように構成された圧電アクチュエータと、
請求項1〜18のいずれか1項に記載のシステムと
を備えてなるインクジェットプリントヘッド。
【請求項20】
インクジェットプリントヘッド内のノズルの動作ステータスを特定する方法であって、
第1の期間中に圧電アクチュエータに駆動信号を印加するステップと、
前記第1の期間後の第2の期間中に時間の関数として前記圧電アクチュエータ内の電流を測定するステップと、
測定された前記電流が前記第2の期間中に所定の条件に到達するのに要する時間に応じて、前記ノズルの前記動作ステータスを特定するステップと
を含んでなる方法。
【請求項21】
インクジェットプリントヘッド内のノズルの動作ステータスを特定する方法であって、
第1の期間中に圧電アクチュエータに駆動信号を印加するステップと、
前記第1の期間後の第2の期間中に時間の関数として前記圧電アクチュエータ内の電流を測定するステップと、
前記第2の期間中に時間の関数として測定された前記電流の傾きに応じて、前記ノズルの前記動作ステータスを特定するステップと
を含んでなる方法。
【請求項22】
前記駆動信号は、前記第2の期間の持続時間の間、一定に保持される請求項1〜18のいずれか1項に記載のシステム又は請求項20又は21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関し、特に、インクジェット圧電プリントヘッド内のノズルのステータスを特定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリントヘッドは、圧電アクチュエータを使用して、印刷媒体に塗布されるインクをノズルから吐出することができる。
【0003】
図1は、圧電インクジェットプリントヘッドの一例の概略図を示している。プリントヘッドは、圧力チャンバ102を画定するハウジング101を有する。圧力チャンバの一方の端部には、スリットプレート104と経路プレート105との間に配置されるオリフィスプレート103がある。圧力チャンバの別の端部は、圧電アクチュエータ107が取り付けられる振動プレート106である。プリントヘッドは、チャンバに、それゆえノズル109にインクを供給するチャネル108も有する。他のプリントヘッド設計では、圧電体は、オリフィスプレート又はプリントヘッドの別の構成要素に取り付けることができる。いくつかの設計では、圧力チャンバは、ノズルからインクを吐出することを必要とされない。
【0004】
圧電アクチュエータ107は、アクチュエータ内の圧電材料を励起するドライバ回路に接続される。アクチュエータ内の圧電体として、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛(Pb[Zr(x)Ti(1−x)]O))が一般的に使用される。
【0005】
圧電体は、圧電材料の分子の分極(Polarization)を変化させることによって、ノズルに対する作用を行うか、又はノズルからエネルギーを抽出することができる。実用時には、この変換効果、すなわち、電気エネルギーを機械エネルギーに変換すること及びその逆に変換することは、電極間に圧電材料を配置することによって達成される。電圧が電極に印加されると、圧電材料の分極の状態を変化させる電界が生成され、これにより、圧電材料の寸法の変化が、何らかの空間方向において圧電材料のサイズを縮小又は拡大することによって引き起こされる。反対に、圧力が圧電体に印加されると、その寸法が変化する。これは、分子の分極を変化させ、これは、ひいては、材料の表面電荷を変化させる。表面電荷のこの変化は、電極が接続される電気回路のタイプに応じて、圧電体の電極にわたって流れる電流、又は、電極にわたる電圧の変化を引き起こすことができる。
【0006】
圧電アクチュエータとノズル内の流体との間のエネルギーの伝達は、電極間にかかる電圧の変化がある場合と、又は電流が電極間を流れる場合に生じる。ドライバ回路と検知電流回路との間のエネルギー伝達も考慮すると、圧電体を介して電気ドライバからノズル流体にエネルギーが伝達されるプロセスは、一般的に、ノズル励起(nozzle excitation)と呼ばれる。ノズル内の流体と検知電流回路との間でエネルギーが伝達されるプロセスは、一般的に、ノズル検知(nozzle sensing)と呼ばれる。
【0007】
ノズル励起は、一般的に、圧電体107の電極間に電圧関数を適用することによって実行される。ノズル検知は、一般的に、ノズルチャンバ102内で圧力が変化した場合に、圧電体によってその電極間に生成される電流を測定することによって実行される。電気回路解析の等価定理によって、これらのプロセスの代替的な実施態様が可能である。例えば、電極間に電流を流すことによってノズル励起が実行される実施態様や、電極間の電圧を測定することによってノズル検知が実行される実施態様も可能である。
【0008】
図1に示される例示的なプリントヘッドでは、印刷中、圧力チャンバの体積を迅速に変化させるためにドライバ回路によってパルス状電圧信号が圧電アクチュエータに印加され、圧電アクチュエータは電流を消費する。振動プレートの運動は、チャンバ内に圧力波を生成し、これにより、チャネルの端部又は側部にあるノズルからインクが吐出される。圧力波の結果として、圧力チャンバ内に含まれるインクの体積は、通路、経路プレート、オリフィスプレート及びスリットプレートを通じてプリンタヘッドから放出される。放出されたインクは、印刷される媒体に向かって液滴として移動する。
【0009】
そのようなプリントヘッドでは、ノズルのオリフィスは、部分的に又は完全に閉塞される場合がある。これが生じた場合、インク液滴をプリンタヘッドから正確に放出することができない。吐出は完全に停止する場合があり、又は、液滴は不正確に、すなわち、誤った方向に吐出される場合がある。一方、実用時に更に一般的なように、インク供給部によって気泡が生成されるか、又は、圧力波がノズルに到達する前に通過しなければならないチャンバにその気泡が偶発的に取り込まれるか若しくは通過される可能性がある。圧力波が通過するとき、気泡の収縮が波を吸収するか又は別様に妨害する可能性があり、その結果、ノズルに到達する圧力波が弱くなり、インクの吐出が弱くなるか又は完全に阻止される。
【0010】
ノズルのステータスを特定する既知の技術は、圧電アクチュエータ内の噴射後電流発振の周波数の測定値又は電流対時間プロファイルから観測される発振の減衰を利用する。しかしながら、これは、計算上複雑であり、特定を行うために圧電体の励起が終了した後に比較的長い期間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
インクジェットプリンタヘッド内のノズルのステータスを検出する、より高速であり計算負荷がより少ない方法を開発することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の態様によれば、インクジェットプリントヘッド内のノズルを通じてインクの吐出を引き起こすように構成された圧電アクチュエータを有する前記ノズルの動作ステータスを特定するシステムであって、第1の期間中に前記圧電アクチュエータに駆動信号を印加するように構成された駆動回路と、前記第1の期間後の第2の期間中に時間の関数として前記圧電アクチュエータ内の電流を測定するように構成された検知回路とを備えてなり、測定された前記電流が前記第2の期間中に所定の条件に到達するのに要する時間に応じて前記ノズルの前記動作ステータスを特定するように構成されているシステムが提供される。
【0013】
前記所定の条件は閾値電流値とすることができる。
【0014】
前記所定の条件は最大電流値とすることができる。
【0015】
前記所定の条件は、時間の関数としての測定された前記電流の勾配がゼロに等しい場合とすることができる。
【0016】
前記所定の条件は、時間の関数としての測定された前記電流の勾配が前記第2の期間中に初めてゼロに等しい場合とすることができる。
【0017】
前記第2の期間は、前記第1の期間から中間期間だけ離間することができる。
【0018】
測定された前記電流が前記所定の条件に到達するのに要する時間は、前記中間期間の終了から測定することができる。
【0019】
測定された前記電流が前記所定の条件に到達するのに要する時間は、前記第2の期間の開始から測定することができる。
【0020】
前記システムは、測定された前記電流を前記閾値電流値と比較するように構成された比較器を更に備えることができる。
【0021】
前記システムは、測定された前記電流が前記所定の条件に到達するのに要する時間を測定するように構成されたカウンタを更に備えることができる。
【0022】
第2の態様によれば、インクジェットプリントヘッド内のノズルを通じてインクの吐出を引き起こすように構成された圧電アクチュエータを有する前記ノズルの動作ステータスを特定するシステムであって、第1の期間中に前記圧電アクチュエータに駆動信号を印加するように構成された駆動回路と、前記第1の期間後の第2の期間中に時間の関数として前記圧電アクチュエータ内の電流を測定するように構成された検知回路とを備えてなり、前記第2の期間中の時間の関数として測定された前記電流の傾きに応じて前記ノズルの前記動作ステータスを特定するように構成されている、システムが提供される。
【0023】
前記システムは低ノイズ増幅器を更に備えることができる。
【0024】
前記ノズルの前記動作ステータスは、論理プロセッサによって特定することができる。
【0025】
前記論理プロセッサは、マイクロプロセッサ、CPLD、FPGA、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、組み込み型PC、パーソナルコンピュータ、サーバ、ASIC、又は他のプログラマブルロジックとすることができる。
【0026】
前記ノズルの前記動作ステータスは、一組の規則、アルゴリズム及びルックアップテーブルのうちの1つ以上を使用して特定することができる。
【0027】
前記検知回路は、電流センサレジスタ、差動演算増幅器、ホール効果電流センサ、前記圧電アクチュエータと直列のキャパシタ、及び電流ミラーのうちの1つ以上を含むことができる。
【0028】
前記動作ステータスは、通常噴射(normally jetting)、ずれを含む噴射(deviated jetting)、部分的閉塞(partially blocked)、完全閉塞(fully blocked)及び気泡含有(containing an air bubble)のうちの1つ以上として特定することができる。
【0029】
前記駆動信号は、前記第2の期間中に前記アクチュエータに印加されないものとすることができる。
【0030】
第3の態様によれば、ノズルと、前記ノズルを通じてインクの吐出を引き起こすように構成された圧電アクチュエータと、上記で説明されたシステムとを備えてなるインクジェットプリントヘッドが提供される。
【0031】
第4の態様によれば、インクジェットプリントヘッド内のノズルの動作ステータスを特定する方法であって、第1の期間中に圧電アクチュエータに駆動信号を印加するステップと、前記第1の期間後の第2の期間中に時間の関数として前記圧電アクチュエータ内の電流を測定するステップと、測定された前記電流が前記第2の期間中に所定の条件に到達するのに要する時間に応じて前記ノズルの前記動作ステータスを特定するステップとを含んでなる方法が提供される。
【0032】
第5の態様によれば、インクジェットプリントヘッド内のノズルの動作ステータスを特定する方法であって、第1の期間中に圧電アクチュエータに駆動信号を印加するステップと、前記第1の期間後の第2の期間中に時間の関数として前記圧電アクチュエータ内の電流を測定するステップと、前記第2の期間中の時間の関数としての測定された前記電流の傾きに応じて前記ノズルの前記動作ステータスを特定するステップとを含んでなる方法が提供される。
【0033】
ここで、本発明は、添付の図面を参照した例示として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】圧電インクジェットプリントヘッドの概略図である。
図2】インクジェットプリントヘッドの動作ステータスを特定する装置の概略図である。
図3】(a)は装置に印加される信号の時間の関数としての概略図である。(b)は圧電体内の電流対駆動信号の終了後の時間のグラフである。
図4】(a)は噴射中ではないプリントヘッドの電流対時間グラフの一例を示す図である。(b)は噴射中のプリントヘッドの電流対時間グラフの一例を示す図である。
図5】インクジェットプリントヘッド内のノズルの動作ステータスを特定する方法を示す図である。
図6】インクジェットプリントヘッド内のノズルの動作ステータスを特定する別の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図2は、図1に示される圧電ノズル等のプリントヘッドの圧電ノズルの動作ステータスを特定する装置を概略的に示している。
【0036】
一対の電極間に配置された圧電材料を含む圧電アクチュエータが201において示されている。圧電アクチュエータは、十分なピーク振幅の駆動電圧がアクチュエータに印加されると、ノズルを通じてインクの吐出を引き起こすように構成される。簡潔にするために、インクジェットノズルの残りの部分は図示されていない。
【0037】
装置は、202において示されるドライバ回路を備え、ドライバ回路は、駆動電圧を圧電アクチュエータに印加するように構成される。以下でより詳細に説明されるように、或る特定の期間中、ドライバ回路は、電圧の変化である駆動信号を圧電アクチュエータに印加するように構成される。駆動信号は、ノズルチャンバ上の機械的動作を生成するために圧電体に印加される(通常、波形と称される)電圧プロファイルである。圧電アクチュエータへの駆動信号の印加は、圧電材料の寸法の変化を引き起こす。駆動信号は、電圧保持値と、保持値間で遷移する傾き(dV/dt)値とのシーケンスとして記述することができる。このシーケンスは、「台形」プロファイルとして記述することができる。しかしながら、駆動信号は、任意の適した数学的な関数とすることができる。
【0038】
装置は、検知回路203も備える。検知回路は、インクジェットプリントヘッドにおける圧電アクチュエータ内の電流を測定するように構成される。圧電アクチュエータがドライバ回路によって励起されている場合、圧電体によって電流が消費される。圧電アクチュエータがドライバ回路によって駆動されていない場合、圧電アクチュエータは、(圧電材料の運動を引き起こす)チャンバ内の圧力降下の結果として電流を生成する。検知回路によって測定される電流は、圧電材料の運動の結果として圧電アクチュエータによって生成される電流、及び/又は、別様に圧電アクチュエータ内に存在する電流を含むことができ、すなわち、検知回路は、所与の時点において圧電アクチュエータ内に流れている電流を測定する。検知回路203は、電流センサレジスタ及び差動演算増幅器、ホール効果電流センサ、ノズルピエゾと直列のキャパシタ、電流ミラー、又は、電流を検出するために使用される他の一般的に使用される回路として実装することができる。
【0039】
装置は、低ノイズ増幅器204と、電圧比較器205と、論理プロセッサ206とを更に備える。
【0040】
低ノイズ増幅器204は、検知回路203によって測定された電流信号を増幅するように構成される。低ノイズ増幅器204からの出力は、電圧比較器205に入力される。
【0041】
電圧比較器205は、単一の市販の回路として実装することもできるし、アナログ対デジタル変換器(ADC)とマイクロプロセッサ又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)との組み合わせとして実装することもできる。比較器205は、電子回路素子として実装することもできるし、論理プロセッサ上で実行されるアルゴリズムとして実装することもできる。図2は、回路内の別個の素子として比較器205を示しているが、比較器205は、複数の異なる方法で構築することができる。論理プロセッサは、マイクロプロセッサ、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、FPGA、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、組み込み型PC(embedded PC)、パーソナルコンピュータ、サーバ、ASIC又は他のプログラマブルロジック等のデバイスとすることができる。図2に示される実施形態では、論理プロセッサは、図2ではカウンタとして示されているタイマ回路207を備える。タイマ回路は、通常、CPLD、FPGA又はマイクロプロセッサとして実装することができる。論理プロサッサは、ノズルステータス特定のために使用されるノズル励振パルスの後に演算増幅器がその出力電圧を整定している途中である間に、信号が捕捉されることを回避するのに使用されるディレイ208も備える。
【0042】
ノズル励振は、一般的に、圧電アクチュエータ201の電極にわたって電圧関数を適用することによって実行される。ノズル検知は、一般的に、ノズルチャンバ(図1における102)内で圧力が変化した場合に、圧電体によってその電極にわたって生成された電流を測定することによって実行される。これは、本発明において使用される好ましい手法である。電気回路解析の等価定理によって、これらのプロセスの代替的な実施態様が可能である。例えば、ノズル励振が電極にわたって電流を印加することによって実行されるとともにノズル検知が電極にわたる電圧を測定することによって実行される実施態様も可能である。
【0043】
圧電体によって生成された電流を電圧に変換することにおいていくつかの実用的な利点がある。図1に示されるノズルを参照すると、圧電体によって生成された電流は、レジスタ203を圧電アクチュエータ201と直列に配置することによって等価電圧に変換することができる。オームの法則によって、この電流とこの電圧との間に比例関係があり、本明細書において、検知電流及び検知電圧という用語は、等価なものとして使用される。本発明のいくつかの実施形態では、レジスタではない電気構成要素又は回路を使用して、検知電流を電圧に変換することができる。特に関連する事例は、キャパシタがレジスタ203の代わりに使用される場合である。これらの事例において、検知電流と電圧との間の関係は、比例ではなく、構成要素又は回路の等価インピーダンスの適切な数式表現が使用される。
【0044】
図3(a)は、ノズルの動作ステータスを特定するために装置に与えられる信号を時間の関数として概略的に示している。図3(b)は、図3(a)のいくつかの対応するセクションについての(サンプルユニットにおける)時間の関数としての、検知回路203によって測定されるような圧電体内の電流の対応するグラフを示している。
【0045】
図3(a)に示されるように、第1の期間中、駆動回路202は、駆動信号を圧電アクチュエータに印加する。駆動信号は、全体として301において示される。駆動信号は、駆動電圧の変化を含む。駆動信号によって与えられる電圧の変化は、圧電アクチュエータを励起するのに十分である。駆動信号は、電圧パルスの形式とすることができる。駆動信号の波形は、台形プロファイルを有することができる。図3(a)では、駆動信号は、保持値Vから保持値Vに遷移する傾き(dV/dt)値を含み、この遷移により圧電体の形状が変化し、その後、別の傾きを介して保持値Vに戻る。これにより、圧電体の形状がその以前の形状に戻る。形状のこれらの変化により、ノズルチャンバの体積が変化し、ひいてはチャンバの流体の圧力が変化し、流体に対する幾分かの仕事が生成され(ノズルの励起)、これにより、最終的には、Vが十分である場合にインク滴の噴射をもたらすことができる。電圧保持セクションVは、電圧が変化しない波形のセクションである。保持電圧は、任意の値、すなわち、ゼロ電圧、正の電圧又は負の電圧とすることができる。上記の励起効果とは反対に、流体の圧力の変化は、ノズルチャンバ及びピエゾ素子の形状の変化を引き起こし、ピエゾ素子に対する幾分かの仕事が生成され(ノズルの非励起)、これにより、ひいては圧電体が電流を生成する。
【0046】
したがって、駆動電圧は、所与の時点において圧電体に印加される電圧であり、駆動信号は、状態特定のために圧電体の励起を引き起こす、変化する電圧であり、保持電圧(図3(a)におけるV)はベースラインである。ノズル状態特定は、ノズルチャンバの圧力変化がノズル構造全体の動作ステータスによって影響を受ける保持電圧の期間中に実行される。
【0047】
ノズルステータス特定のために圧電アクチュエータに印加される駆動信号は、インク滴を噴射するのに十分なピーク振幅を有する場合があり、又は、ピーク振幅は、少量のインクを噴射するのに十分でない場合がある。ノズルのステータスを特定するためにノズルの圧電体を励起するのに使用される駆動信号のピーク電圧(例えば、図3(a)におけるV)は、必ずしも、印刷のために使用されるピーク電圧と同じである必要はない。しかしながら、ステータス特定は、印刷が停止した後に実行することもでき、駆動信号は、印刷中にアクチュエータに印加される駆動電圧に対応することができる。本明細書において説明される手法は、定電圧セグメントが、圧電体が再び励起される前に測定を実行するために十分長い時間があることを前提として、圧電体の励起に後続する任意の定電圧セグメント中に実行することができる。
【0048】
駆動信号のピーク振幅が吐出電圧を超える場合、駆動信号の印加は、インクの吐出を引き起こすことができる。吐出電圧は、ノズルからのインクの吐出を引き起こすのに十分な電圧に対応する閾値電圧値である。したがって、圧電アクチュエータは、吐出電圧を超える駆動電圧がアクチュエータに印加された場合、ノズルを通じてインクの吐出を引き起こすように構成される。
【0049】
また、装置は、測定信号を受信し、測定信号は、図3(a)に示される例では2つのレベル、すなわち0及び1を含み、0及び1は、それぞれ、圧電体内の電流を測定しないこと、及び圧電体内の電流を測定することに対応する。第1の期間中、測定信号は0である。
【0050】
図3(a)の例では、駆動信号が印加される第1の期間に後続して、駆動信号が印加された後に駆動電圧が保持値Vに戻ったことに後続して増幅器及び/又はパラメーターが整定する中間期間がある。いくつかの実施態様では、中間期間は0秒とすることができる。しかしながら、通常、中間期間は、およそ1μs〜2μsの持続時間である。したがって、駆動信号の波形操作の終了後の中間期間は、圧電体内の測定電流が状態特定に使用するために高信頼度ではない場合がある期間である。電子機器が整定するのを待機し、中間期間の終了後まで測定を行わないことが望ましい。中間期間中、測定信号は0である。
【0051】
中間期間には、ノズルの動作ステータスが特定される第2の期間が後続する。第2の期間中、測定信号は、図3(a)に示されるように1である。第2の期間中、駆動回路202は、駆動信号をアクチュエータに印加せず、電圧保持(すなわち、定電圧)を圧電体に印加する。
【0052】
したがって、ステータス特定は第2の期間中に実行され、第2の期間は波形励振の終了(駆動信号の最後の傾きの終了)後に(中間期間に対応する)固定時間を開始する。
【0053】
第2の期間中に圧電体に印加される定電圧は、正の電圧、負の電圧又はゼロ電圧とすることができる。第2の期間中に圧電体に印加される電圧は、通常、駆動信号の印加前に圧電体に印加される電圧と同じである。
【0054】
第2の期間中、駆動信号は、圧電アクチュエータに印加されない。第2の期間中、圧電アクチュエータに印加される電圧は一定である。第2の期間中、駆動信号の除去に後続してプリントヘッドのノズルチャンバが形状を変化させるにつれて、圧電体は電流を生成する。駆動信号の最大印加電圧(図3(a)の例におけるV)に対応する、圧電アクチュエータの励起の結果としての電流は、圧電体が励起された後に圧電体によって生成される電流よりもおよそ6桁高い。
【0055】
第3の期間が第2の期間に後続する。第3の期間中、圧電体において残留圧力発振がある。第3の期間中、駆動信号は、圧電アクチュエータに印加されない。第3の期間中、圧電体に印加される電圧は一定である。第3の期間中に圧電体に印加される定電圧は、正の電圧、負の電圧又はゼロ電圧とすることができる。第3の期間中に圧電体に印加される電圧は、好ましくは、第2の期間中に印加される電圧と同じである。本発明において、第3の期間中の電流の変動は、ノズルの動作ステータスを特定するのに使用されない。第3の期間中、測定信号は、図3(a)に示されるように1であってもよいし、0であってもよい。
【0056】
したがって、測定サイクル内に4つの時間ウィンドウ、すなわち、第1の期間(駆動信号波形操作時間、すなわち、駆動信号が圧電体に印加される)、中間期間(増幅器整定時間)、第2の期間(最大到達傾き時間(slope-time to maximum)測定時間)及び第3の期間(残留圧力発振時間)がある。圧電体が励起されていない第2の期間中、圧電体の状態を特定するための圧電体内の電流の測定が行われる。この方法は、残留圧力発振がある第3の期間中、ノズルの状態を特定するために電流の測定値を使用しない。
【0057】
ここで、ノズルのステータスを特定するために第2の期間中にインクジェットプリントヘッドにおける圧電アクチュエータ内の電流をいかにモニタリングすることができるかについての更なる詳細が説明される。
【0058】
1つの実施形態では、システムは、第2の期間中の測定電流が或る特定の閾値を超えるか否かを判断する。この閾値は、所定の閾値とすることができる。電圧比較器205は、検知回路203によって測定された電流を使用して、圧電電流が閾値を超えるか、又は閾値未満であるかを判断することができる。この実施形態では、(電子機器が整定した後の)中間期間の終了から閾値電流値に到達するまでの期間が測定される。所定の閾値に到達するのに要する時間は、通常、2μs〜10μsとすることができる。タイマ回路207は、中間期間の終了と、第2の期間中に圧電体が励起されていない場合に圧電電流が閾値を超える時点との間の期間を測定するのに使用される。以下でより詳細に説明されるように、電流閾値に到達するのに要する時間は、ノズルのステータスを特定するのに使用することができる。
【0059】
別の実施形態では、システムは、第2の期間中の測定電流が極大値に到達したか否かを判断する。中間期間の終了から極大値に到達するまでの期間が測定される。電圧比較器205は、検知回路203によって測定された電流を使用して、圧電電流が極大値に到達したか否かを判断することができる。電圧比較器は、そのような電流が極大値に到達したときを検出するように構成することができる。システムは、電流対時間の導関数を求めることによって、極大電流に到達したことを判断することができる。時間に対する電流の導関数がゼロに等しいとき、極大値に到達する。極大値は、付加的に、di/dtが反転するとき、すなわち、正から負に変化するか又は負から正に変化するときに検出することができる。関心の極大値は、第2の期間中に初めて、導関数がゼロになるとき、又は、di/dtが反転するときである。中間期間の終了から極大値に到達するのに要する時間は、通常、2μs〜10μsとすることができる。タイマ回路207は、中間期間の終了と、第2の期間中に圧電体が励起されていない場合に極大値に到達する時点との間の期間を測定するのに使用される。以下でより詳細に説明されるように、極大値に到達するのに要する時間は、ノズルのステータスを特定するのに使用することができる。
【0060】
更なる実施形態では、システムは、第2の期間中の電流対時間グラフの傾き(すなわち、勾配や、時間に対する電流の導関数)を求める。システムは、中間整定期間の終了と、第2の期間中の電流対時間グラフにおける最初の極大値との間のグラフの傾きを求めることができる。代替的に、システムは、第2の期間中の電流対時間グラフのより小さいセクション(時間単位)の傾きを求めることができる。以下でより詳細に説明されるように、求められた傾きは、ノズルのステータスを特定するのに使用することができる。
【0061】
所定の条件に到達するための期間、又は電流対時間グラフの勾配が求められると、論理プロセッサ206は、傾きの値又は閾値若しくは極大値に到達するのに要する時間に基づいてノズルのステータスの特定を行うことができる。
【0062】
ノズルの動作ステータスは、一組の規則、アルゴリズム及びルックアップテーブルのうちの1つ以上を使用して特定することができる。例えば、所定の条件に到達するのに要する時間の測定値、又は、電流対時間グラフの傾きをアルゴリズムに入力することができ、そのアルゴリズムは、その入力に基づいてステータスを出力する。所定の条件に到達するのに要する時間の測定値、又は、電流対時間グラフの勾配を使用して、ルックアップテーブル内の対応するステータスを探索することができる。
【0063】
図4(a)及び図4(b)は、異なる動作ステータスを有するプリントヘッドノズルの電流対時間グラフの例を示している。この例では、ノズルの動作ステータスを特定するのにグラフの傾きを使用した。図4(a)は、噴射中ではないノズルの中間期間の終了後の電流対時間グラフを示しており、図4(b)は、噴射中のノズルの電流対時間グラフを示している。噴射中のノズルの第2の期間中の電流対時間グラフの傾きは、噴射中ではないノズルの傾きよりも大きい値を有する。
【0064】
ノズルのステータスは、通常噴射、ずれを含む噴射、部分的閉塞、完全閉塞、気泡含有、及び他のステータスによって記述することもできるし、前述のステータスのうちの任意のものの組み合わせによって記述することもできる。各動作ステータスは、所定の条件に到達するのに要する時間の異なる離散値若しくはその値の異なる範囲、又は、第2の期間中の電流対時間グラフの傾きの異なる離散値若しくはその値の範囲に対応することができる。
【0065】
システムは、インクジェットプリントヘッドを含むプリンタの特定されたステータスをユーザに出力するように構成することができる。システムは、プリンタのプロセッサにステータス信号を送信することができる。信号は、プリンタのユーザへのステータスの通知を引き起こすことができる。例えば、ユーザインターフェース等のプリンタのディスプレイ素子上にステータスを表示することができ、ディスプレイ素子はLCDスクリーン若しくは類似の素子とすることができ、又は、TCP−IP(インターネットプロトコル)等の適した通信プロトコルを使用してPC若しくはサーバにステータスを送信することができる。
【0066】
図5は、インクジェットプリントヘッド内のノズルの動作ステータスを特定する方法の1つの実施形態を要約している。ステップ501において、方法は、第1の期間中に圧電アクチュエータに駆動信号を印加することを含む。ステップ502において、方法は、第1の期間後の第2の期間中に時間の関数として圧電アクチュエータ内の電流を測定することを含む。ステップ503において、方法は、測定された電流が第2の期間中に所定の条件に到達するのに要する時間に応じてノズルの動作ステータスを特定することを含む。
【0067】
図6は、インクジェットプリントヘッド内のノズルの動作ステータスを特定する方法の別の実施形態を要約している。ステップ601において、方法は、第1の期間中に圧電アクチュエータに駆動信号を印加することを含む。ステップ602において、方法は、第1の期間後の第2の期間中に時間の関数として圧電アクチュエータ内の電流を測定することを含む。ステップ603において、方法は、第2の期間中の時間の関数としての測定された電流の傾きに応じてノズルの動作ステータスを特定することを含む。
【0068】
説明される方法は、ノズルステータスを特定するためにプリントジョブ間に使用することができる。代替的に、説明される方法は、メンテナンス(例えば、ノズルの洗浄)の完了に成功したことをチェックするためにメンテナンス動作後に使用することができる。方法は、駆動信号のピーク電圧がノズルからのインクの液滴を吐出するのに十分である場合(すなわち、駆動電圧が吐出電圧閾値を超える場合)、プリントジョブ自体中に実行することもできる。
【0069】
プリントヘッドは、複数の圧電ノズルを含むことができる。ステータス特定装置は、プリントヘッドの各ノズルの圧電アクチュエータに順に接続することができる。これは、スイッチング回路を使用して行うことができる。
【0070】
上記で説明された方法を使用すると、従来技術の方法を使用して可能であるよりも迅速に、圧電ノズルの励起後にプリントヘッドのステータスを特定することが可能であり得る。例えば、電流対時間プロファイルの周波数又は減衰率を使用するステータス特定は、測定を行うために駆動信号が終了した後により長い期間を必要とする。なぜならば、複数の発振の期間が必要とされるためである。ここで説明される方法は、ステータス特定を行うために電流対時間グラフ内の最初の極大値までの期間しか必要としない。
【0071】
さらに、電流時間特性のこれらの特性を測定することは、時間の関数として圧電体内の電流の周波数又は減衰率を測定するよりも遥かに単純である。
【0072】
結果として、プリントヘッドノズルの動作ステータスを、より迅速に、かつ計算負荷の少ない方法によって得ることができる。
【0073】
したがって、本出願人は、本明細書において説明された各個々の特徴を単独で、及び2つ以上のそのような特徴の任意の組み合わせを、そのような特徴又は特徴の組み合わせが本明細書において開示された任意の問題を解決するか否かを問わず、かつ、特許請求の範囲の適用範囲に限定することなく、そのような特徴又は組み合わせが当業者の共通の一般常識に照らして全体として本明細書に基づいて実行されることが可能である限りにおいて開示するものである。本出願人は、本発明の態様は、任意のそのような個々の特徴又は特徴の組み合わせからなることができることを示している。前述の説明に鑑みて、当業者には、本発明の範囲内で種々の変更を行うことができることが明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】
2021119045000001.pdf