【解決手段】低誘電率材料の製造方法は、複数のコアシェル粒子を提供する工程を有する。コアシェル粒子のコアは、低融点の第一セラミックを有する。コアシェル粒子のシェルは、低融点、且つ、低誘電率の第二セラミックを有する。コアシェル粒子は、焼結、成形されて、低誘電率材料を形成する。コアシェル粒子のシェルは接続されて、微細結晶相のネットワーク構造を形成する。
前記シェルの前記第二セラミックは、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化ビスマス、酸化チタン、および、酸化銅を有し、
前記酸化ケイ素と前記酸化マグネシウムの重量比は、100:15〜100:40であり、
前記酸化ケイ素と前記酸化アルミニウムの重量比は、100:35〜100:90であり、
前記酸化ケイ素と前記酸化カルシウムの重量比は、100:0.2〜100:10であり、
前記酸化ケイ素と前記酸化ホウ素の重量比は、100:5〜100:25であり、
前記酸化ケイ素と前記酸化ビスマスの重量比は、100:2〜100:15であり、
前記酸化ケイ素と前記酸化チタンの重量比は、100:0.2〜100:25であり、
前記酸化ケイ素と前記酸化銅の重量比の重量比は、100:0.2〜100:15であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
さらに、前記コアシェル粒子の前記焼結工程中に、複数の酸化アルミニウム粒子を添加する工程を有し、前記低誘電率材料は、中で分散する前記酸化アルミニウム粒子を有し、前記コアシェル粒子と前記酸化アルミニウム粒子の重量比は、100:25〜100:45であり、前記酸化アルミニウム粒子の直径は、50nm〜2μmであることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載の方法。
さらに、前記低誘電率材料中で分散する複数の酸化アルミニウム粒子を有し、前記第一セラミックと前記第二セラミックの総重量と前記酸化アルミニウム粒子の重量の比率は、100:25〜100:45であり、前記酸化アルミニウム粒子の直径は、50nm〜2μmであることを特徴とする請求項7〜請求項11の任意の一つに記載の低誘電率材料。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、低誘電率材料、および、その製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、複数のコアシェル粒子を提供する工程を有する低誘電率材料の形成方法を提供する。コアシェル粒子のコアは、低融点の第一セラミックを有する。コアシェル粒子のシェルは、低融点、および、低誘電率の第二セラミックを有する。本方法はさらに、コアシェル粒子を焼結、成形して、低誘電率材料を形成する。コアシェル粒子のシェルが接続されて、微細結晶相のネットワーク構造を形成する。
【0009】
いくつかの実施形態において、コアの第一セラミックは、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、および、酸化亜鉛を有する。酸化ケイ素と酸化マグネシウムの重量比は、100:0〜100:85である。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:20〜100:150である。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:2〜100:20である。酸化ケイ素と酸化ホウ素の重量比は、100:2〜100:70である。酸化ケイ素と酸化亜鉛の重量比は、100:2〜100:70である。
【0010】
いくつかの実施形態において、コアの第一セラミックは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、および、酸化ホウ素を有する。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:15〜100:25である。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:10〜100:25である。酸化ケイ素と酸化ホウ素の重量比は、100:30〜100:50である。
【0011】
いくつかの実施形態において、シェルの第二セラミックは、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化ビスマス、酸化チタン、および、酸化銅を有する。酸化ケイ素と酸化マグネシウムの重量比は、100:15〜100:40である。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:35〜100:90である。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:0.2〜100:10である。酸化ケイ素と酸化ホウ素の重量比は、100:5〜100:25である。酸化ケイ素と酸化ビスマスの重量比は、100:2〜100:15である。酸化ケイ素と酸化チタンの重量比は、100:0.2〜100:25である。酸化ケイ素と酸化銅の重量比は、100:0.2〜100:15である。
【0012】
いくつかの実施形態において、シェルの第二セラミックは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、および、酸化リチウムを有する。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:90〜100:110である。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:0.2〜100:10である。酸化ケイ素と酸化ホウ素の重量比は、100:5〜100:25である。酸化ケイ素と酸化リチウムの重量比は、100:90〜100:110である。
【0013】
いくつかの実施形態において、コアの第一セラミックとシェルの第二セラミックのモル比は、100:0.1〜100:10である。
【0014】
いくつかの実施形態において、コアの第一セラミックの融点は、700℃〜900℃である。シェルの第二セラミックの融点は、760℃〜910℃である。シェルの第二セラミックの融点は、コアの第一セラミックの融点より高い。
【0015】
いくつかの実施形態において、コアシェル粒子の焼結工程は、800℃〜900℃の温度で実行される。
【0016】
いくつかの実施形態において、シェルの第二セラミックの誘電率は6未満である。
【0017】
いくつかの実施形態において、コアシェル粒子の直径は、0.3μm〜3μmである。
【0018】
いくつかの実施形態において、本方法はさらに、コアシェル粒子の焼結工程中に、複数の酸化アルミニウム粒子を添加する工程を有する。低誘電率材料は、中で分散する酸化アルミニウム粒子を有する。コアシェル粒子と酸化アルミニウム粒子の重量比は、100:25〜100:45である。酸化アルミニウム粒子の直径は、50nm〜2μmである。
【0019】
いくつかの実施形態において、低誘電率材料の誘電率は、3〜5である。
【0020】
本発明の一実施形態は、低誘電率材料を提供し、低誘電率材料は、低融点、および、低誘電率の第二セラミック中で分散する低融点の第一セラミックを有する。第二セラミックは接続されて、微細結晶相のネットワーク構造を形成する。
【0021】
いくつかの実施形態において、第一セラミックは、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、および、酸化亜鉛を有する。酸化ケイ素と酸化マグネシウムの重量比は、100:0〜100:85である。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:20〜100:150である。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:2〜100:20である。酸化ケイ素と酸化ホウ素の重量比は、100:2〜100:70である。酸化ケイ素と酸化亜鉛の重量比は、100:2〜100:70である。
【0022】
いくつかの実施形態において、第一セラミックは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、および、酸化ホウ素を有する。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:15〜100:25である。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:10〜100:25である。酸化ケイ素と酸化ホウ素の重量比は、100:30〜100:50である。
【0023】
いくつかの実施形態において、第二セラミックは、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化ビスマス、酸化チタン、および、酸化銅を有する。酸化ケイ素と酸化マグネシウムの重量比は、100:15〜100:40である。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:35〜100:90である。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:0.2〜100:10である。酸化ケイ素と酸化ホウ素は、100:5〜100:25である。酸化ケイ素と酸化ビスマスの重量比は、100:2〜100:15である。酸化ケイ素と酸化チタンの重量比は、100:0.2〜100:25である。酸化ケイ素と酸化銅の重量比は、100:0.2〜100:15である。
【0024】
いくつかの実施形態において、第二セラミックは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、および、酸化リチウムを有する。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:90〜100:110である。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:0.2〜100:10である。酸化ケイ素と酸化ホウ素の重量比は、100:5〜100:25である。酸化ケイ素と酸化リチウムの重量比は、100:90〜100:110である。
【0025】
いくつかの実施形態において、第一セラミックと第二セラミックのモル比は、100:0.1〜100:10である。
【0026】
いくつかの実施形態において、第一セラミックの融点は、700℃〜900℃である。第二セラミックの融点は、760℃〜910℃である。第二セラミックの融点は、第一セラミックの融点より高い。
【0027】
いくつかの実施形態において、第二セラミックは、6未満の誘電率を有する。
【0028】
いくつかの実施形態において、低誘電率材料はさらに、低誘電率材料中で分散する複数の酸化アルミニウム粒子を有し、第一セラミックおよび第二セラミックの総重量と酸化アルミニウム粒子の重量の比率は、100:25〜100:45であり、酸化アルミニウム粒子の直径は、50nm〜2μmである。
【0029】
いくつかの実施形態において、低誘電率材料の誘電率は、3〜5である。
【発明の効果】
【0030】
小型化、高統合機能、高い信頼性、ミリ波高周波数と低損失要求の互換性、低吸水率、および、高熱放散特徴を有するTCCパッケージ技術が達成される。
【0031】
付図面を参照しながら、以下の実施形態において、詳細な記述が与えられる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の詳細な記述において、説明の目的のため、いくつかの特定の詳細、および、実施形態が説明されて、本発明の十分な理解を提供する。しかし、理解できることは、これらの特定詳細がなくても、一つ以上の実施形態が実現できることである。他の例では、既存の構造、および、装置は概略で示され、図面を簡潔にしている。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態は、低誘電率材料の形成方法を提供する。本方法は、
図1に示される複数のコアシェル粒子100を提供する工程を有する。コアシェル粒子100のコアは、低融点の第一セラミック101を有し、コアシェル粒子100のシェルは、低融点、且つ、低誘電率の第二セラミック103を有する。
【0035】
いくつかの実施形態において、コアの第一セラミック101は、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、および、酸化亜鉛を有する。酸化ケイ素と酸化マグネシウムの重量比は、100:0〜100:85、たとえば、100:1〜100:80、100:5〜100:75、100:10〜100:70、あるいは、100:15〜100:60であるが、それらに限定されない。酸化マグネシウムの比率が低すぎる場合、融点が高すぎて、製品を焼結、および、成形できない。酸化マグネシウムの比率が高すぎる場合、融点が低すぎて、溶解しやすいので、LTCCプロセスと互換性がない。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:20〜100:150、たとえば、100:25〜100:125、100:30〜100:130、100:40〜100:140、あるいは、100:20〜100:120であるが、それらに限定されない。酸化アルミニウムの比率が低すぎる場合、誘電損失が発生するおそれがある。酸化アルミニウムの比率が高すぎる場合、融点が高すぎて、製品を焼結、および、成形できない。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:2〜100:20、たとえば、100:3〜100:18、100:5〜100:15、あるいは、100:6〜100:12であるが、それらに限定されない。酸化カルシウムの比率が低すぎる場合、融点が高すぎて、製品を焼結、および、成形できない。酸化カルシウムの比率が高すぎる場合、融点が低すぎて、溶解しやすいので、LTCCプロセスと互換性がない。酸化ケイ素と酸化ホウ素の重量比は、100:2〜100:70、たとえば、100:5〜100:65、100:6〜100:60、あるいは、100:8〜100:50であるが、それらに限定されない。酸化ホウ素の比率が低すぎる場合、融点が高すぎて、製品を焼結、および、成形できない。酸化ホウ素の比率が高すぎる場合、融点が低すぎて、溶解しやすいので、LTCCプロセスと互換性がない。酸化ケイ素と酸化亜鉛の重量比は、100:2〜100:70、たとえば、100:5〜100:65、100:6〜100:60、あるいは、100:8〜100:50であるが、それらに限定されない。酸化亜鉛の比率が低すぎる場合、融点が高すぎて、製品を焼結、および、成形できない。酸化亜鉛の比率が高すぎる場合、融点が低すぎて、溶解しやすいので、LTCCプロセスと互換性がない。さらに、第一セラミックの融点が高すぎるとき、材料は、LTCCプロセスとの互換性のために焼結、および、成形できず、且つ、第二セラミックの融点に適合して、コアシェル粒子構造を形成することができない。
【0036】
一実施形態において、コアの第一セラミック101は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、および、酸化ホウ素を有する。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:15〜100:25、たとえば、100:15〜100:20、あるいは、100:20〜100:25であるが、それらに限定されない。酸化アルミニウムの比率が低すぎる場合、誘電損失が発生するおそれがある。酸化アルミニウムの比率が高すぎる場合、融点が高すぎて、製品を焼結、および、成形できない。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:10〜100:25、たとえば、100:10〜100:15、100:15〜100:20、100:20〜100:25、あるいは、100:12〜100:22であるが、それらに限定されない。酸化カルシウムの比率が低すぎる場合、融点が高すぎて、製品を焼結、および、成形できない。酸化カルシウムの比率が高すぎる場合、融点が低すぎて、溶解しやすいので、LTCCプロセスと互換性がない。酸化ケイ素と酸化ホウ素の重量比は、100:30〜100:50、たとえば、100:30〜100:40、100:40〜100:50、100:32〜100:48、あるいは、100:35〜100:45であるが、それらに限定されない。酸化ホウ素の比率が低すぎる場合、融点が高すぎて、製品を焼結、および、成形できない。酸化ホウ素の比率が高すぎる場合、融点が低すぎて、溶解しやすいので、LTCCプロセスと互換性がない。さらに、第一セラミックの融点が高すぎる場合、材料は、LTCCプロセスとの互換性のために焼結、および、成形できず、且つ、第二セラミックの融点に適合して、コアシェル粒子構造を形成することができない。
【0037】
一実施形態において、シェルの第二セラミック103は、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化ビスマス、酸化チタン、および、酸化銅を有する。酸化ケイ素と酸化マグネシウムの重量比は、100:15〜100:40、たとえば、約100:20〜100:40、100:15〜100:35、100:18〜100:38、あるいは、100:20〜100:35であるが、それらに限定されない。酸化マグネシウムの比率が低すぎる、あるいは、高すぎる場合、コーディエライト結晶相が形成されない。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:35〜100:90、たとえば、 約100:35〜100:85、100:40〜100:80、100:35〜100:75、あるいは、100:30〜100:70であるが、それらに限定されない。酸化アルミニウムの比率が低すぎる、あるいは、高すぎる場合、コーディエライト結晶相が形成されない。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:0.2〜100:10、たとえば、約100:0.5〜100:10、100:1〜 100:10、100:2〜100:10、あるいは、100:0.5〜 100:5であるが、それらに限定されない。酸化カルシウムの比率が低すぎる場合、フラックス効果不足のせいで、焼結温度が高くなりすぎる。酸化カルシウムの比率が高すぎる場合、コーディエライト結晶相が形成されない。酸化ケイ素と酸化ホウ素の重量比は、100:5〜100:25、たとえば、約100:5〜100:20、100:10〜100:25、あるいは、100:15〜100:25であるが、それらに限定されない。酸化ホウ素の比率が低すぎる、あるいは、高すぎる場合、コーディエライト結晶相が形成されない。酸化ケイ素と酸化ビスマスの重量比は、100:2〜100:15、たとえば、約100:2〜100:12、100:5〜100:15、あるいは、100:5〜100:10であるが、それらに限定されない。酸化ビスマスの比率が低すぎる場合、フラックス効果不足のせいで、焼結温度が高くなりすぎる。酸化ビスマスの比率が高すぎる場合、コーディエライト結晶相が形成されない。酸化ケイ素と酸化チタンの重量比は、100:0.2〜100:25、たとえば、100:0.5〜 100:20、100:1〜100:15、あるいは、100:5〜100:25であるが、それらに限定されない。酸化チタンの比率が低すぎる場合、結晶化度の不足により、相が形成されにくい。酸化チタンの比率が高すぎる場合、コーディエライト結晶相が形成されない。酸化ケイ素と酸化銅の重量比は、100:0.2〜100:15、たとえば、約100:0.5〜100:15、100:1〜 100:10、あるいは、100:2〜100:12であるが、それらに限定されない。酸化銅の比率が低すぎる場合、フラックス効果不足のせいで、焼結温度が高くなりすぎる。酸化銅の比率が高すぎる場合、コーディエライト結晶相が形成されない。
【0038】
一実施形態において、シェルの第二セラミック103は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、および、酸化リチウムを有する。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの重量比は、100:90〜100:110、たとえば、約100:90〜100:100、100:100〜100:110、あるいは、100:95〜100:105であるが、それらに限定されない。酸化アルミニウムの比率が低すぎる、あるいは、高すぎる場合、ユークリプタイト結晶相は形成されない。酸化ケイ素と酸化カルシウムの重量比は、100:0.2〜100:10、たとえば、約100:0.5〜100:10、100:1〜100:10、あるいは、100:0.5〜100:5であるが、それらに限定されない。酸化カルシウムの比率が低すぎる場合、フラックス効果不足のせいで、焼結温度が高くなりすぎる。酸化カルシウムの比率が高すぎる場合、ユークリプタイト結晶相は形成されない。酸化ケイ素と酸化ホウ素の重量比は、100:5〜100:25、たとえば、約100:5〜100:20、100:10〜100:25、あるいは、100:10〜100:20であるが、それらに限定されない。酸化ホウ素の比率が低すぎる、あるいは、高すぎる場合、ユークリプタイト結晶相は形成されない。 酸化ケイ素と酸化リチウムの重量比は、100:90〜100:110、たとえば、約100:90〜100:100、100:100〜100:110、あるいは、100:95〜 100:105であるが、それらに限定されない。酸化リチウムの比率が低すぎる、あるいは、高すぎる場合、ユークリプタイト結晶相は形成されない。
【0039】
一実施形態において、コアの第一セラミック101とシェルの第二セラミック103のモル比は、100:0.1〜100:10、たとえば、約100:0.2〜100:8、100:0.5〜100:10、100:1〜100:5、あるいは、100:0.5〜 100:5であるが、それらに限定されない。第二セラミック103の比率が低すぎる、あるいは、シェルの厚さが薄すぎる場合、製品の誘電率と誘電損失が高くなり過ぎる。第二セラミック103の比率が高すぎる、あるいは、シェルの厚さが厚過ぎる場合、製品の誘電率と誘電損失は改善されず、且つ、第二セラミックの添加量を浪費する。
【0040】
一実施形態において、コアの第一セラミック101の融点は、700℃〜900℃、たとえば、約720℃〜820℃、750℃〜900℃、あるいは、720℃〜850℃であるが、それらに限定されない。シェルの第二セラミック103の融点は、760℃〜910℃、たとえば、約760℃ 〜860℃、800℃〜900℃、あるいは、780℃〜850℃であるが、それらに限定されない。二種のセラミックの融点が低すぎる、あるいは、高すぎる場合、後続の温度処理は、LTCCプロセスと互換性がない。このほか第二セラミック103の融点は、第一セラミック101の融点より高い。第一セラミック101の融点が、第二セラミック103の融点より高い場合、製品の多孔性が増加して、誘電損失を増加させる。
【0041】
一実施形態において、シェルの第二セラミック103の誘電率は、6未満、たとえば、約1、2、3、4、5であるが、それらに限定されない。第二セラミック103の誘電率が高すぎる場合、低誘電率材料は形成されない。一実施形態において、コアシェル粒子100の直径は、0.3μm〜3μm、たとえば、約 0.3 μm〜 2.5 μm、0.5 μm〜 3μm、0.5 μm〜 2μm、あるいは、1μm〜 2.5 μmであるが、それらに限定されない。複数のコアシェル粒子100が小さすぎる、あるいは、大きすぎる場合、製品は、テープ鋳造(tape casting)に用いて、LTCCプロセスと互換性を有するのが困難になる。
【0042】
本発明の一実施形態において、複数のコアシェル粒子100は、ゾルゲル法(sol-gel method)により形成される。たとえば、コアに用いる第一セラミック101の粒子は、第二セラミック103(たとえば、硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウム、テトラエトキシシラン、チタン酸テトラブチル、ホウ酸、硝酸ビスマス、硝酸銅、硝酸カルシウム、あるいは、それらの組み合わせ)に用いられるいくつかの酸化源の溶液と混合されて、ゾルを形成する。その後、ゾルを加熱して、ゲルを形成する。その後、ゲルを乾燥させ、挽いて、粉末を形成する。粉末は、さらに、高温で処理して、コアシェル粒子を形成する。注意すべきことは、当業者なら、任意の適当なプロセスを選択して、コアシェル粒子100を形成することができ、上述のゾルゲル法に限定されないことである。
【0043】
続いて、
図2に示されるように、コアシェル粒子は、焼結、成形されて、低誘電率材料200を形成する。コアシェル粒子100のシェル中の第二セラミック103は接続されて、微細結晶相のネットワーク構造201を形成するとともに、第一セラミック101は、接続される第二セラミック103中で分散する。一実施形態において、コアシェル粒子100は、800℃〜900℃の温度、たとえば、約820℃、830℃、850℃、870℃、あるいは、880℃で焼結されるが、それらに限定されない。焼結温度が低すぎる場合、製品は多くの欠陥を有し、且つ、誘電率と誘電損失が高くなる。焼結温度が高すぎる場合、製品は溶解して、成形できない。
【0044】
一実施形態において、コアシェル粒子100の焼結工程中に、複数の酸化アルミニウム粒子301を添加して、
図3に示されるように、低誘電率材料300は、その中で分散する酸化アルミニウム粒子301を有する。いくつかの実施形態において、複数のコアシェル粒子100と酸化アルミニウム粒子301の重量比は、100:25〜100:45、たとえば、約100:25〜100:40、100:3〜100:45、あるいは、100:30〜100:40であるが、それらに限定されない。酸化アルミニウム粒子301の添加は、さらに、低誘電率材料300のコストを減少させる。酸化アルミニウム粒子301の比率が高すぎる場合、製品の誘電率は増加する。一実施形態において、酸化アルミニウム粒子301の直径は、50nm〜2μm、たとえば、約100nm 〜2 μm、200nm 〜2μm、500nm 〜1.8μm、500nm 〜1.5μm、あるいは、800nm 〜1.5μmであるが、それらに限定されない。酸化アルミニウム粒子301の直径が小さすぎる場合、焼結される材料の強度は不十分である。酸化アルミニウム粒子301の直径が大きすぎる場合、ネットワーク構造は壊れて、製品の誘電率を増加させる。
【0045】
一実施形態において、上述のプロセスから得られる低誘電率材料の誘電率は(これに限定されないが)、3〜6、たとえば、3.5、4、4.5、5、5.5、6である。
【0046】
以下で、例示的な実施形態が、添付図面とともに詳細に記述されて、当業者により容易に実現できる。本発明の概念は、各種形式で具体化され、説明される例示的実施形態に制限されない。従来技術についての記述は省略されて、本発明を明瞭にし、類似する符号は類似の素子を示す。
【0047】
実施例1
Al(NO
3)
3・9H
2O (FW=375.14, 20.54g, 54.8 mmol)、Mg(NO
3)
2・6H
2O (FW=256.41, 6.14g, 23.9 mmol)、Si(C
2H
5O)
4 (FW=208.33, 14.35 mL, 64.3 mmol)、および、Ti(C
4H
9O)
4 (FW=340.32, 0.077mL, 0.217 mmol)を、無水エタノール中で溶解させた。その後、ガラス充填材A (約50重量部のMgO、約38.6重量部の Al
2O
3、および、約100重量部のSiO
2を含み、その平均分子量は約57.4)を、エタノール溶液に加えるとともに、均一に攪拌し、これにより、液体Aを得た。重合調整剤 H
3BO
3 (FW=61.83, 0.9328g, 15 mmol)、Bi(NO
3)
3・5H
2O (FW=485.07, 0.7299g, 1.5 mmol)、Cu(NO
3)
2・2.5H
2O (FW=232.59, 1.3308g, 5.7 mmol)、および、Ca(NO
3)
2・4H
2O (FW=236.15, 0.2211g, 0.94 mmol)を、無水エタノールと脱イオン水の混合液に加えて、均一に攪拌した。アンモニアを、上述の混合液に加えて、そのpH値を9.23に調整し、これにより、液体Bを得た。液体Aと液体Bを混合して、均一に攪拌し、ゾルを得た。
【0048】
ゾルを40℃のオーブンで静置し、ゾルゲル反応を実行して、ゲルを得た。ゲルは、80℃の環境で乾燥させ、その後、粉末を形成した。粉末は250℃で三時間置いて、その後、750℃まで加熱して、750℃で二時間維持するとともに、冷却、および、挽いて、LTCCコアシェル粒子を形成し、コア(ガラスA)とシェル(酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム酸化ホウ素、酸化ビスマス、酸化チタン、および、酸化銅を含む)のモル比は、94:6であった。
【0049】
適量のコアシェル粒子を、40kg/m
2の圧力で、直径11mmの丸い胚になるようにプレスし、850℃で2時間維持し、これにより、コアシェル粒子のシェルを接続して、微細結晶相のネットワーク構造を形成した。上述の製品は、密度2.71 g/cm
3、誘電率 Dk 4.72 (1 GHz)、および、誘電損失 Df 3.4×10
-4 (1 GHz)であった。密度の測定基準は、CNS3299-3であり、誘電率、および、誘電損失の測定基準は、IPC-TM-650である。
【0050】
実施例2
Al(NO
3)
3・9H
2O (FW=375.14, 35.75g, 95.3 mmol)、Mg(NO
3)
2・6H
2O (FW=256.41, 10.69g, 41.7 mmol)、Si(C
2H
5O)
4 (FW=208.33, 23.24 mL, 104.2 mmol)、および、Ti(C
4H
9O)
4 (FW=340.32, 0.1353 mL, 0.398 mmol)を、無水エタノール中で溶解させた。その後、ガラス充填材A (約50重量部のMgO、約38.6重量部の Al
2O
3、および、約100重量部のSiO
2を含み、その平均分子量は約57.4)をエタノール溶液に加え、均一に攪拌して、これにより、液体Aを得た。重合調整剤 H
3BO
3 (FW=61.83, 1.6237g, 26.2 mmol)、Bi(NO
3)
3・5H
2O (FW=485.07, 1.2705g, 2.62 mmol)、Cu(NO
3)
2・2.5H
2O (FW=232.59, 2.3166g, 9.96 mmol)、および、Ca(NO
3)
2・4H
2O (FW=236.15, 0.385g, 1.63 mmol)を、無水エタノールと脱イオン水の混合液に加えて、均一に攪拌した。アンモニアを、上述の混合液に加えて、そのpH値を9.23に調整し、これにより、液体Bを得た。液体Aと液体Bを混合するとともに、均一に攪拌して、ゾルを得た。
【0051】
ゾルを40℃のオーブンで静置し、ゾルゲル反応を実行して、ゲルを得た。ゲルは、80℃の環境で乾燥させ、その後、粉末を形成した。粉末は250℃で三時間置き、その後、750℃まで加熱して、750℃で二時間維持するとともに、冷却、および、挽いて、LTCCコアシェル粒子を形成し、コア(ガラスA)とシェル(酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化ビスマス、酸化チタン、および、酸化銅を含む)のモル比は、90:10であった。
【0052】
適量のコアシェル粒子を、40kg/m
2 の圧力で、直径11mmの丸い胚になるようにプレスし、850℃で2時間維持し、これにより、コアシェル粒子のシェルを接続して、微細結晶相のネットワーク構造を形成した。上述の製品は、密度2.72 g/cm
3、誘電率 Dk 5.13 (1 GHz)、および、誘電損失 Df 5.4×10
-4 (1 GHz)であった。密度の測定基準は、CNS3299-3であり、誘電率、および、誘電損失の測定基準は、IPC-TM-650である。
【0053】
実施例3
Al(NO
3)
3・9H
2O (FW=375.14, 5.19g, 13.9 mmol)、Mg(NO
3)
2・6H
2O (FW=256.41, 1.55g, 6.1 mmol)、Si(C
2H
5O)
4 (FW=208.33, 3.37 mL, 15.1 mmol)、および、Ti(C
4H
9O)
4 (FW=340.32, 0.019 mL, 0.0536 mmol)を、無水エタノール中で溶解させた。その後、ガラス充填材B(約 47.2 重量部のB
2O
3、約 105.5 重量部の Al
2O
3、および、約100重量部のSiO
2を含み、その平均分子量は約72.5)をエタノール溶液に加えるとともに、均一に攪拌し、これにより、液体Aを得た。重合調整剤 H
3BO
3 (FW=61.83, 0.118g, 1.9 mmol)、Bi(NO
3)
3・5H
2O (FW=485.07, 0.066g, 0.14 mmol)、Cu(NO
3)
2・2.5H
2O (FW=232.59, 0.336g, 1.4 mmol)、および、Ca(NO
3)
2・4H
2O (FW=236.15, 0.056g, 0.2 mmol)を、無水エタノールと脱イオン水の混合液に加えて、均一に攪拌した。アンモニアを、上述の混合液に加えて、そのpH値を9.23に調整し、これにより、液体Bを得た。液体Aと液体Bを混合するとともに、均一に攪拌し、ゾルを得た。
【0054】
ゾルを40℃のオーブンで静置し、ゾルゲル反応を実行して、ゲルを得た。ゲルは、80℃の環境で乾燥させ、その後、粉末を形成した。粉末は250℃で三時間置き、その後、750℃まで加熱して、750℃で二時間維持するとともに、冷却、および、挽いて、LTCCコアシェル粒子を形成し、コア(ガラスB)とシェル(酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化ビスマス、酸化チタン、および、酸化銅を含む)のモル比は、98:2であった。
【0055】
適量のコアシェル粒子を、40kg/m
2 の圧力で、直径11mmの丸い胚になるようにプレスし、850℃で2時間維持し、これにより、コアシェル粒子のシェルを接続して、微細結晶相のネットワーク構造を形成した。上述の製品は、密度2.66 g/cm
3、誘電率 Dk 3.21 (11 GHz)、誘電損失 Df 2.21×10
-3 (11 GHz)、および、共振周波数の温度計数 (τf) -0.20 (20℃ 〜 100℃, DC=1V)であった。密度の測定基準は、CNS3299-3であり、誘電率、および、誘電損失の測定基準は、規格 IPC-TM-650であり、共振周波数の温度計数の測定基準は、日本セラミックス協会学術論文誌(122 [6]、492-495頁、2014年)である。
【0056】
実施例4
Al(NO
3)
3・9H
2O (FW=375.14, 5.83g, 15.5 mmol)、Mg(NO
3)
2・6H
2O (FW=256.41, 1.74g, 6.7 mmol)、Si(C
2H
5O)
4 (FW=208.33, 3.39 mL, 15.2 mmol)、および、Ti(C
4H
9O)
4 (FW=340.32, 0.022 mL, 0.0062 mmol)を、無水エタノール中で溶解させた。その後、ガラス充填材C(約 37.21 重量部の B
2O
3、約 21.39 重量部の Al
2O
3、約 19.01 重量部のCaO、および、約100重量部のSiO
2を含み、その平均分子量は約65.7)をエタノール溶液に加えて、均一に攪拌し、これにより、液体Aを得た。重合調整剤 H
3BO
3 (FW=61.83, 0.265g, 4.28 mmol)、Bi(NO
3)
3・5H
2O (FW=485.07, 0.2073g, 0.427 mmol)、 Cu(NO
3)
2・2.5H
2O (FW=232.59, 0.378g, 1.625 mmol)、および、Ca(NO
3)
2・4H
2O (FW=236.15, 0.063g, 0.267 mmol)を、無水エタノールと脱イオン水の混合液に加えて、均一に攪拌した。アンモニアを、上述の混合液に加えて、そのpH値を9.23に調整し、これにより、液体Bを得た。液体Aと液体Bを混合するとともに、均一に攪拌し、ゾルを得た。
【0057】
ゾルを40℃のオーブンで静置し、ゾルゲル反応を実行して、ゲルを得た。ゲルは、80℃の環境で乾燥させ、その後、粉末を形成した。粉末は250℃で三時間置き、その後、750℃まで加熱して、750℃で二時間維持するとともに、冷却、および、挽いて、LTCCコアシェル粒子を形成し、コア(ガラスC)とシェル(酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化ビスマス、酸化チタン、および、酸化銅を含む)のモル比は、98:2であった。
【0058】
適量のコアシェル粒子を、40kg/m
2の圧力で、直径11mmの丸い胚になるようにプレスし、850℃で2時間維持し、これにより、コアシェル粒子のシェルを接続して、微細結晶相のネットワーク構造を形成した。上述の製品は、密度2.37 g/cm
3、誘電率 Dk 4.7 (1 GHz)、および、誘電損失 Df 1.5×10
-3 (1 GHz)であった。密度の測定基準は、CNS3299-3であり、誘電率、および、誘電損失の測定基準はIPC-TM-650である。
【0059】
比較例1
実施例1のガラスAを40 kg/m
2 の圧力で、直径11mmの丸い胚になるようにプレスし、850℃で2時間維持した。上述の製品は、密度3.13 g/cm
3、誘電率 Dk 5.79 (1 GHz)、および、誘電損失 Df 1.3×10
-3 (1 GHz)であった。密度の測定基準は、CNS3299-3であり、誘電率、および、誘電損失の測定基準は、 IPC-TM-650である。
【0060】
比較例2
実施例3のガラスBを、40kg/m
2 の圧力で、直径11mmの丸い胚になるようにプレスし、850℃で2時間維持した。上述の製品は、密度2.63 g/cm
3、誘電率Dk 5.29 (1 GHz)と 4.95 (11 GHz)、誘電損失 Df 7×10
-5 (1 GHz) と 2×10
-3 (11 GHz)、および、共振周波数の温度計数 (τf) 2.99 (20℃〜100℃, DC=1V)であった。密度の測定基準は、CNS3299-3であり、誘電率、および、誘電損失の測定基準は、IPC-TM-650であり、共振周波数の温度計数の測定基準は、日本セラミックス協会学術論文誌(122 [6]、492-495頁、2014年)である。
【0061】
比較例3
実施例4のガラスCを、40kg/m
2 の圧力で、直径11mmの丸い胚になるようにプレスし、850℃で2時間維持した。上述の製品は、密度2.35 g/cm
3、誘電率 Dk 4.91 (1 GHz)、および、誘電損失 Df 1.5×10
-3 (1 GHz)であった。密度の測定基準は、 CNS3299-3であり、誘電率、および、誘電損失の測定基準は、 IPC-TM-650である。
【0062】
実施例1〜4、および、比較例1〜3中のコアとシェルのモル比、密度、誘電率Dk、誘電損失 Df、および、共振周波数の温度計数 τf を表1にリストして比較した。
【0064】
表1の実施例と比較例間の比較によると、コアシェル粒子の焼結と成形から形成される製品は、コア材料だけで形成される製品よりも大幅に低い誘電率を有し、減少幅は少なくとも10〜20%に達する。上述の結論は、実施例1〜4と比較例1〜3の比較から分かる。さらに、誘電損失において、コアシェル粒子の焼結、および、成形により形成される製品の多くが、コア材料だけで形成される製品よりも低い誘電損失(あるいは、少なくとも同じ誘電損失)を有する。同様に、上述の結論は、実施例1〜4と比較例1〜3の比較から分かる。
【0065】
引き続き、表1を参照すると、共振周波数の温度計数において、ガラスB (比較例2)の共振周波数の正の温度計数(τf)は、2.99 (20℃ 〜 100℃)である。コーディエライトの共振周波数負の温度計数(τf)は、-12.61 (20℃ 〜100℃)である。本発明のコアシェル構造設計により、コーディエライトがガラスBに加えられて、シェル材料 (実施例3)となり、ガラスBの共振周波数 (τf) の温度計数は、+2.99 からゼロに調整された。コアとシェルのモル比が98:2 (実施例3)であることを例とすると、共振周波数の総温度計数 (τf)は -0.2 (20℃ 〜 100℃)に調整することができる。つまり、このような設計により、共振周波数の総温度計数が減少、あるいは、0に近くなり、よって、5G応用中のLTCCに必要な低τf を満たす。
【0066】
よって、本発明のいくつかの実施形態中で提供される低誘電率材料は、低Dk、低Df、および、低τfの特徴を有して、低遅延、低損失、および、低温度作用の応用を達成し、これにより、5GアプリケーションにおけるLTCC材料の要求をさらに満足させる。
【0067】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の思想を脱しない範囲内で各種の変形を加えることができる。