【解決手段】24.8°及び14.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる、式(I)の化合物又はその塩の固体形態である。
14.9°、16.0°及び24.8°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる、式(I)の化合物又はその塩の固体形態。
14.9°、16.0°、20.6°及び24.8°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる、請求項4に記載の固体形態。
14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、25.7°及び31.5°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる、請求項4又は5に記載の固体形態。
14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、25.7°、31.5°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる、請求項4から6の何れか一項に記載の固体形態。
14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.7°、31.5°、35.2°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる、請求項4から7の何れか一項に記載の固体形態。
表4、表5、表10及び/又は表11に記載されている回折角2シータ(±0.2°)にXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる、請求項1から8の何れか一項に記載の固体形態。
LSD1に関連する疾患又はLSD1阻害剤によって調節される疾患の治療又は予防における使用のための、請求項1から18及び請求項33の何れか一項に記載の固体形態。
LSD1に関連する疾患又はLSD1阻害剤によって調節される疾患の治療又は予防のための方法であって、請求項1から18及び請求項33の何れか一項に記載の固体形態をヒト又は動物に投与することを含む方法。
LSD1に関連する疾患又はLSD1阻害剤によって調節される疾患の治療又は予防に有用な医薬の調製のための、請求項1から18及び請求項33の何れか一項に記載の固体形態の使用。
【発明の概要】
【0014】
ここで驚くべきことにある条件下においては、有利な有用性及び特性を有する以下に述べる式(I)の化合物の新規な固体形態が得られることがわかった。これらは実質的に異なり、優れた物理的及び物理化学的特性を示し、これはたとえばAPIの溶解、API及び薬剤製品の安定性及び保存期間、及び/又は製造若しくは精製の経路の容易化等の、API及び薬剤製品の開発に関する種々の態様において有益である。特に本発明は加工性が改善され、安全性が改善され、並びにAPIの安定性が増大された式(I)の化合物の新規な固体形態を提供する。
【0015】
本明細書に記載する新規な固体形態は、当技術で公知の分析方法、特にX線粉末回折、結晶構造解析、振動スペクトル、磁気共鳴及びマススペクトル、熱量測定法、熱重量測定法、動的蒸気吸着、並びに顕微鏡によって識別できる。
【0016】
式(I)の化合物の新規な固体形態の製造のための新規な方法は遺伝毒性を有する副生物を産生しないので、追加的な製品の精製工程は不要となる。したがって得られる製品は純度がより高く毒性が低く、より安くより効率的でより環境にやさしい方法で製造される。
【0017】
他に定義しない限り、本明細書で用いる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の実施又は試験において、本明細書に記載したものと同様又は等価の方法及び材料を用いることができるが、好適な方法及び材料を以下に述べる。
【0018】
本明細書に述べる全ての出版物、特許出願、特許及びその他の参考文献は、参照により全体として組み込まれる。
【0019】
本出願において用いる命名法は、他に指示しない限りIUPACの体系的命名法に基づく。
【0020】
本明細書における構造中の炭素、酸素、硫黄、又は窒素原子の上に現れる空白の価数は、他に指示しない限り何れも水素の存在を示す。
【0021】
「C
1−7アルコール」という用語は、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基で置換された1〜7個の炭素原子を含む線状又は分枝状の飽和炭化水素分子を意味する。特定の実施態様においては、アルコールは1〜4個の炭素原子を有する。特定の実施態様においては、水素原子のうちの1つはヒドロキシ基で置換されている。C
1−7アルコールの特定の例には、メタノール、エタノール、イソプロパノール若しくは2−プロパノール、n−プロパノール若しくは1−プロパノール、n−ブタノール若しくは1−ブタノール、イソブタノール若しくは2−メチルプロパン−1−オール、及びtert−ブタノール若しくは2−メチルプロパン−2−オールが含まれる。C
1−7アルコールの最も特定の例は1−プロパノールである。
【0022】
「任意選択の」又は「任意選択的に」という用語は、続いて記載された事象又は状況が起こっても起こらなくてもよく、記載には事象又は状況が起こった場合及び起こらなかった場合が含まれることを意味する。
【0023】
「活性薬学成分」(又は「API」)という用語は、特定の生物活性を有する薬学的組成物中の化合物を意味する。
【0024】
「薬学的に許容される」という用語は、一般的に安全で、毒性がなく、生物学的にもそれ以外にも望ましくないものでなく、獣医学並びにヒトへの薬学的使用に許容される、薬学的組成物の調製に有用な材料の属性を意味する。
【0025】
「薬学的に許容される賦形剤」及び「治療不活性な賦形剤」という用語は交換可能に使用でき、薬学製品を製剤化する際に用いられる崩壊剤、結合剤、充填剤、溶媒、緩衝剤、等張化剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、担体、希釈剤又は滑沢剤等の、治療活性を有さず投与対象に対して毒性のない薬学的組成物中の薬学的に許容される任意の成分を意味する。
【0026】
「薬学的組成物」という用語は、治療有効量の活性薬学成分を薬学的に許容される賦形剤とともに含み、哺乳類、たとえばそれを必要とするヒトに投与される混合物又は溶液を意味する。
【0027】
「固体形態」又は「形態」という用語は、固体材料の結晶形態及び/又は非晶形態を意味する一般的用語である。
【0028】
「結晶形態(crystal form)」及び「結晶形態(crystalline form)」という用語は交換可能に使用でき、結晶性固体の多形体及び偽多形体を意味する。
【0029】
「多形体」及び「同質異像」という用語は同義に使用でき、ある化合物がその中で結晶化できる特定の1つの結晶構造を意味する。異なった多形体は結晶格子において異なった分子の配列又はコンフォメーションを有するが、全て同じ元素組成を共有している。
【0030】
「多形」という用語は、ある化合物が1を超える多形体を形成する能力を意味する。
【0031】
「互変」という用語は、その中で多形体の熱力学的安定性の序列が定義された温度で可逆的に変化する同一物質の2つ以上の多形体の間の関係を意味する。
【0032】
「単変」という用語は、その中で多形体の熱力学的安定性の序列が融点未満の全ての温度で保持される同一物質の2つ以上の結晶形態の間の関係を意味する。「準安定」形態は最高序列の熱力学的安定性を有しない結晶形態である。
【0033】
「溶媒和物」及び「偽多形体」という用語は同義で使用でき、結晶格子中に組み込まれた化学量論量又は非化学量論量の何れかの溶媒を有する結晶を意味する。組み込まれた溶媒が水であれば、形成される溶媒和物は「水和物」である。組み込まれた溶媒がアルコールであれば、形成される溶媒和物は「アルコラート」である。
【0034】
「塩」という用語は2つの成分、即ち2つの塩形成物の明確に定義された化学量論比を有する酸及び塩基からなる材料を意味する。塩の結晶は酸と塩基との間の水素イオンの完全な移動を伴うイオン性結合相互作用によって形成される。
【0035】
「結晶形状」という用語は、それから単結晶が構築される基本的な体要素(一又は複数)(多面体(一又は複数))を意味する。結晶形状は多面体(一又は複数)の格子面のミラーインデックスによって記述される。
【0036】
「晶癖」という用語は結晶形態学を意味し、したがって固体形態の物理的外観を意味する。晶癖の変化は格子面の異なった成長速度によって引き起こされる。以下の晶癖が有名である[USP, General Chapter <776> (Optical Microscopy)]。
a)等方晶は等次元状である(立方体又は球体等)。
b)板状晶は平たい平面結晶であり、同程度の巾(breadth)及び幅(width)を有し、フレークより厚い。
c)フレークは薄く平たい結晶であり、同程度の巾及び幅を有し、板状晶より薄い。
d)ブレード(ラス)は細長いブレード状結晶である。
e)針状晶は針状で薄く同程度の幅及び巾を有する非常に細長い結晶である。
f)柱状晶は針状晶より大きな幅及び厚みを有する細長いプリズム状の結晶である。
【0037】
非球形物体、たとえば不規則な形状の粒子の「球相当径」(又はESD)という用語は、等価の体積を有する球体の直径である。
【0038】
「d50値」及び「質量メディアン直径」(又はMMD)という用語は交換可能に使用でき、質量平均粒径、即ち粒子の平均球相当径を意味し、これは集合体の粒子の50%(w)がこれより大きな球相当径を有し、残りの50%(w)がこれより小さな球相当径を有する、直径として定義される。
【0039】
「凝集体」という用語は、融合、焼結又は成長によって堅く結合した一次粒子の集合体を意味する。凝集体は容易には分散することができない。「凝集」という用語は、一次粒子が結合して凝集体を形成するプロセスを意味する。
【0040】
「会合体」という用語は、接触によって互いに緩く付着した一次粒子の集合体を意味する。会合体は容易に分散することができる。「会合」という用語は、一次粒子が互いに付着して会合体を形成するプロセスを意味する。
【0041】
「非晶形態」という用語は、識別可能な結晶格子を有さず、分子の分子配列が広範囲の秩序を有しない固体材料を意味する。特に、非晶は鋭いブラッグ回折ピークを示さない材料を意味する。ブラッグの法則では、結晶材料の回折が式「2d×sin(シータ)=n×ラムダ」[式中、「d」は結晶の隣接する平面の対の間の垂直距離(オングストローム)(「d間隔」)を意味し、「シータ」はブラッグ角を意味し、「ラムダ」は波長を意味し、「n」は整数である]で表される。ブラッグの法則が満たされる場合には、反射されたビームは同位相で強め合うように干渉し、したがってX線回折パターンにおいてブラッグ回折ピークが観察される。ブラッグ角以外の入射角では、反射したビームは位相が一致せず、相殺的干渉又は打消しが起こる。非晶性材料はブラッグの法則を満たさず、X線回折パターンにおいて鋭いブラッグ回折ピークは観察されない。非晶性材料のXRPDパターンは一又は複数の非晶性ハローによってさらに特徴付けられる。
【0042】
「XRPD」という用語はX線粉末回折の分析方法を意味する。角度値の再現性は2シータ±0.2°の範囲、より詳細には2シータ±0.1°の範囲である。角度値との組合せで与えられる「約」という用語は、2シータ±0.2°の範囲、特に2シータ±0.1°の範囲の変動を意味する。相対的XRPDピーク強度は構造因子、温度因子、結晶性、極性因子、多重性、及びローレンツ因子等の多くの因子に依存する。相対強度は、好ましい配向効果によって、測定によってかなり変化することがある。USP941(US Pharmacopoeia, 37版, General Chapter 941)によれば、同一材料の2つの試料の間の相対強度は「好ましい配向」効果によってかなり変化し得る。たとえばKocks U.F.等(Texture and Anisotropy: Preferred Orientations in Polycrystals and Their Effect on Materials Properties, Cambridge University Press, 2000)に記載されているように、好ましい配向を取る異方性材料は、モジュラス、強度、しなやかさ、靱性、電導性、熱膨張性、その他の特性の異方性分布をもたらすことになる。XRPDにおいて、またラマンスペクトルにおいても、好ましい配向によって強度分布の変化が引き起こされる。好ましい配向の効果は比較的大きな粒径を有する結晶APIにおいて特に顕著である。
【0043】
「FWHM」という略語は最大値の半分における全幅を意味し、これは半値高さにおける(たとえばスペクトル、特にXRPDパターンに現れる)ピークの幅である。
【0044】
X線回折パターンに関係する「鋭いブラッグ回折ピーク」という用語は、ブラッグの回折法則が満たされた場合に観察されるピークを意味する。一般に、鋭いブラッグ回折ピークのFWHMは0.5°2シータ未満である。
【0045】
X線回折パターンに関係する「非晶性ハロー」という用語は、非晶性材料のX線粉末回折パターンにおけるほぼベル状の回折最大を意味する。非晶性ハローのFWHMは原理的に結晶性材料のピークのFWHMより大きい。
【0046】
「FTIR」及び「IR」という用語は赤外線スペクトルの分析方法を意味する。
【0047】
「ラマン」という用語はラマンスペクトルの分析方法を意味する。ラマンシフトとの組合せで与えられる「約」という用語は、±1cm
−1の範囲である再現性を意味する。
【0048】
「共焦点ラマンマイクロスペクトル」(CRM)という用語は、試料体積を空間的に分離することができる光学顕微鏡にラマン分光計を結合した分析デバイスを意味する。CRMによって試料の高倍率での可視化及び1μm以下のディメンジョンを有する試料体積のラマン分析が可能になる(Dieing T.等(編), Confocal Raman Microscopy, Springer, 2011)。
【0049】
「SEM」という用語は走査電子顕微鏡の分析方法を意味する。走査電子顕微鏡ではイメージすべき試料の表面を走査するために高度に焦点が合った電子ビームが使用されている。このビームの電子が試料と相互作用すれば、試料の表面において原子の内核からいくつかの電子(二次電子)が抽出される。これらの放射された電子はいわゆる二次電子検出器によって検出される。励起電子ビームの軸と比較して試料に対して45度の角度で見る位置のため、陰影効果が生じる。この陰影効果が電子顕微鏡画像の極めて高いトポグラフィー分解能に寄与している。電子顕微鏡は視野が深いという利点も有している。
【0050】
「固体状態の純度」又は「固体形態の純度」という用語は、結晶化度及びその他の固体形態の量がUnited States Pharmacopoeia General Chapter <941>によるXRPDを用いて決定し定量される定量相分析を意味する。
【0051】
「微細化」という用語は、固体材料の粒径を製粉、叩解、又は破砕等の適切な方法によってd50値が10μm未満になるように低減させるプロセスを意味する。
【0052】
「周囲条件」という用語は、標準的な実験室で経験するような条件、たとえば大気圧、空気、18℃〜28℃の周囲温度、30%RH〜80%RHの湿度を意味する。
【0053】
「吸湿性」という用語は、固体材料が湿気を吸収する能力のことを言う。所与のAPIの吸湿性は、相対湿度が0%RHから90%RHに上昇した際の質量の増加によって特徴付けられる[European Pharmacopoeia - 6th Edition (2008), Chapter 5.11]。
・非吸湿性:重量増加Δm<0.2%;
・微吸湿性:重量増加0.2%≦Δm<2.0%;
・吸湿性:重量増加2.0%≦Δm<15.0%;
・高吸湿性:重量増加Δm≧15.0%;
・潮解性:十分な水を吸収して液体を形成する。
【0054】
「極めて強力な活性薬学成分」(HPAPI)という用語は、以下の何れかで定義される活性を示す活性薬学成分を意味する:
・生物学的有効用量が体重kgあたり150μg以下;
・治療1日用量が10mg以下;
・職業曝露限度(OEL)が空気1m
3あたり10μg以下(8時間加重平均);又は
・許容される1日曝露量(ADE)が1日あたり100μg以下(生涯曝露)。
【0055】
「許容される1日曝露量」(ADE)という用語は、汚染物質を含む薬剤の、予想される最長の使用期間にわたって、或いは生涯の使用のために、その用量以下に個人が曝露されても有害な健康事象又は望ましくない生理学的影響が起こりそうでない用量を意味する。
【0056】
Burger/Ramberger(A. Burger及びR. Ramberger, Mikrochim. Acta, 1979, 2, 259-271)の「融解熱規則」(又は「融解エンタルピー規則」)によれば、単変系においてはより安定な多形体はより高い融点及びより高い融解熱を有する。ある化合物のより高い融点の多形体がより低い融解エンタルピー(融解熱)を有すれば、2つの多形体は互変性である。より低い融点の多形体がより低い融解エントロピー(融解熱)を有すれば、2つの多形体は単変的に関連している可能性がある。融点の差が30℃より大きければ、この規則は考慮すべきでない。
【0057】
Burger/Ramberger(A. Burger及びR. Ramberger, Mikrochim. Acta, 1979, 2, 259-271)の「密度規則」によれば、より安定な多形体はより高い密度を有する。特にこの規則は、ある多形体が周囲温度において他の多形体よりも低い密度を有する場合には、低い密度を有する形態は絶対零度において安定でないと仮定されることを示している。
【0058】
本明細書において用いる「形態A」という用語は、(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン二塩酸塩の結晶無水多形形態Aを意味する。
【0059】
本明細書において用いる「形態B」という用語は、(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン二塩酸塩の結晶無水多形形態Bを意味する。
【0060】
本明細書において用いる「形態C」という用語は、(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン二塩酸塩の結晶無水多形形態Cを意味する。
【0061】
発明の詳細な説明
詳細には、本発明は式(I)
の化合物又はその塩の新規な固体形態、特に結晶形態に関する。
【0062】
式(I)の化合物は(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン[CAS Reg. No. 1431304-21-0]を意味し、逆もまた同様である。
【0063】
特に、式(I)の化合物は(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミンの塩酸塩を意味し、逆もまた同様である。
【0064】
最も詳細には、式(I)の化合物は(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン二塩酸塩[CAS Reg. No. 1431303-72-8]を意味し、逆もまた同様である。
【0065】
本発明の特定の実施態様においては、上記の式(I)の化合物の固体形態は結晶形態である。
【0066】
本発明の特定の実施態様においては、上記の式(I)の化合物の固体形態は二塩酸塩である。
【0067】
本発明の特定の実施態様においては、上記の式(I)の化合物の固体形態は、少なくとも90%(w/w)、特に少なくとも95%(w/w)、最も詳細には少なくとも99%(w/w)の純度で、特定の固体形態で存在する。
【0068】
形態A
無水多形形態A(形態A)の中の(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン二塩酸塩は、国際公開第2013/057322(A1)号に黙示的に開示されている。
【0069】
形態Aは、
図11及び
図12に示すSEM顕微鏡写真に見られるように、小フレーク状粒子として生成することが知られている。形態Aはやや吸湿性であることも知られている。粒径及び粒子形状が不利であることから、形態Aは薬剤製品の開発には最適ではない。
【0070】
形態Aは
図1のXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0071】
形態Aは表2に示すピーク位置にXRPDピークを含むXRPD回折パターン、特に3.4°、14.6°、20.3°、20.6°、25.0°及び25.6°の回折角2シータにおけるXRPDピークによって特徴付けられる。
【0072】
形態Aは
図5のIRスペクトルによってさらに特徴付けられる。
【0073】
形態Aは表6に示すIRスペクトルにおける特徴的なバンド(cm
−1)によってさらに特徴付けられる。
【0074】
形態Aは
図7及び
図8のラマンスペクトルによってさらに特徴付けられる。
【0075】
形態Aは表8に示すラマンスペクトルにおける特徴的なバンド(cm
−1)によってさらに特徴付けられる。
【0076】
(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン二塩酸塩は他の異なった結晶改質において調製及び分離することができ、これらはそのX線粉末回折パターン、振動スペクトルによって区別され、従来から記述されてきた形態Aに比べてAPI並びに薬剤製品の開発及び投与に有利な、驚くべきであるが関連のある利点を示すことがわかった。
【0077】
従来から記述されてきた(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン二塩酸塩の形態Aの他に、さらなる2つの多形無水形態(形態B及び形態C)が発見され、特徴付けられた。
【0078】
形態B
(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン二塩酸塩の形態Bは、たとえば本明細書に記載した方法によって制御された条件下で調製すれば、シーディングなしでも得ることができる。
【0079】
形態Aと比較すると、形態Bは
図13及び
図14に示すSEM顕微鏡写真に見られるように、板状のより大きな粒子として生成する。形態Bの安定性は形態Aに比べて実質的に大きい。
【0080】
形態Bはやや吸湿性であるが、高温又は100%RHという高湿度であっても、長期インキュベーションの間に相変化は観察されない。高湿度、たとえば100%RHで形態Aを長期保存しても、形態Bへの相変化は誘起されない。
【0081】
形態Bは210℃を超えると融解する前に分解する。
【0082】
形態Bは、たとえば長期平衡のスラリー実験において最も安定な多形体であることが見出された。
【0083】
本発明の1つの特定の実施態様は、本明細書に記載する無水多形形態B(形態B)における(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン二塩酸塩に関する。
【0084】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0085】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0086】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは24.8°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0087】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは24.8°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0088】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは16.0°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0089】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは16.0°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0090】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°及び24.8°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0091】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°及び24.8°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0092】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°及び24.8°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0093】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°及び24.8°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0094】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、20.6°及び24.8°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0095】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、20.6°及び24.8°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0096】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°及び24.8°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0097】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°及び24.8°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0098】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、25.7°及び31.5°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0099】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、25.7°及び31.5°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0100】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、25.7°、31.5°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0101】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、25.7°、31.5°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0102】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、25.6°及び31.5°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0103】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、25.6°及び31.5°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0104】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、25.6°、31.5°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0105】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、25.6°、31.5°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0106】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、31.5°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0107】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.9°、16.0°、20.6°、24.8°、31.5°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0108】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.7°、31.5°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0109】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.7°、31.5°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0110】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.6°、31.5°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0111】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.6°、31.5°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0112】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.7°、31.5°及び35.2°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0113】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.7°、31.5°及び35.2°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0114】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.6°、31.5°及び35.2°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0115】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.6°、31.5°及び35.2°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0116】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.7°、31.5°及び35.1°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0117】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.7°、31.5°及び35.1°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0118】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.6°、31.5°及び35.1°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0119】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、20.6°、21.7°、24.8°、25.6°、31.5°及び35.1°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0120】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.7°、31.5°、35.2°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0121】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.7°、31.5°、35.2°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0122】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.6°、31.5°、35.2°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0123】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.6°、31.5°、35.2°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0124】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.7°、31.5°、35.1°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0125】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.7°、31.5°、35.1°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0126】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.6°、31.5°、35.1°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0127】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.6°、31.5°、35.1°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0128】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.7°、31.5°、35.2°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0129】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.7°、31.5°、35.2°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0130】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.6°、31.5°、35.2°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0131】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.6°、31.5°、35.2°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0132】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.7°、31.5°、35.1°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0133】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.7°、31.5°、35.1°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0134】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.6°、31.5°、35.1°及び35.9°(±0.2°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0135】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは14.6°、14.9°、16.0°、17.7°、18.7°、19.4°、20.6°、21.7°、24.4°、24.8°、25.6°、31.5°、35.1°及び35.9°(±0.1°)の回折角2シータにXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0136】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは表4、表5、表10及び/又は表11に示すピーク位置にXRPDピークを含むXRPD回折パターンによって特徴付けられる(±0.2°)。
【0137】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは
図2、
図3、
図15及び/又は
図16のXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0138】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは
図6のIRスペクトルによって特徴付けられる。
【0139】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは表7に示すIRスペクトルにおける特徴的なバンド(cm
−1)によって特徴付けられる。
【0140】
上述のように、式(I)の化合物は極めて強力な活性薬学成分(HPAPI)である。したがって予想される1日用量は極めて少ない、すなわち、1mg/日未満である。したがって固体形態中の薬剤担持量は極めて少なく、たとえば錠剤100mgあたりAPI1mg未満である。したがって薬学的組成物中の式(I)の化合物の固体形態の検出は、共焦点ラマンミクロスペクトル等の空間分解スペクトル等の専用の分析技術を必要とする大きな難問である。
【0141】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bはラマンスペクトルにおける1225cm
−1(±1cm
−1)の特徴的なバンド(cm
−1)によって特徴付けられる。
【0142】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bはラマンスペクトルにおける1225cm
−1及び745cm
−1(±1cm
−1)の特徴的なバンド(cm
−1)によって特徴付けられる。
【0143】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bはラマンスペクトルにおける1225cm
−1、745cm
−1、207cm
−1、及び106cm
−1(±1cm
−1)の特徴的なバンド(cm
−1)によって特徴付けられる。
【0144】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは表9に示すラマンスペクトルにおける特徴的なバンド(cm
−1)によって特徴付けられる。
【0145】
本発明の特定の実施態様においては、形態Bは
図9及び
図10のラマンスペクトルによって特徴付けられる。
【0146】
形態C
(トランス)−N1−((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)シクロヘキサン−1,4−ジアミン二塩酸塩の形態Cは、不安定な高温多形体であることが見出された。形態Aは加熱によって約140℃で形態Cに可逆的に変換される。形態Cは冷却によって約127℃で形態Aに戻る。材料を210℃以上に加熱すると分解が観察される。形態A及び形態Cは互変的に関連している。形態Cは形態Bの加熱によっては調製できない。
【0147】
形態Cは
図4のXRPD回折パターンによって特徴付けられる。
【0148】
形態Cは表3に示すピーク位置にXRPDピークを含むXRPD回折パターン、特に3.3°、14.7°、20.3°、21.0°及び24.8°の回折角2シータにおけるXRPDピークによって特徴付けられる。
【0149】
本発明の特定の実施態様においては、XRPD回折パターンはCuKアルファ放射線源を用いて記録した。
【0150】
表1に形態Bの関連する結晶構造データを列挙する。格子定数、単位セル体積及び計算密度は、周囲温度におけるデータに基づく。この目的のため、単結晶構造解析から得られた格子定数を、TOPAS4.0、BrukerAXSソフトウェアを用いて実験的周囲条件XRPD参照パターンによって改良した。
【0151】
表2、表3、表4、表5、表10及び表11に、形態A、形態B、及び形態Cの主なXRPDピークのXRPDピーク位置及び相対強度を列挙する。形態Bはより大きな結晶として生成するので、好ましい配向が強度分布の変化を引き起こす可能性があり、したがって4つの表を提示する(表4、表5、表10、及び表11)。
*相対強度は測定によってかなり変化することがある。
*相対強度は測定によってかなり変化することがある。
【0152】
表6に形態AのIRスペクトルの特徴的なバンド(cm
−1)を列挙する(誤差は±1cm
−1である)。末尾にNを付した下線付きのピークはヌジョールマル剤によるものである。
【0153】
表7に形態BのIRスペクトルの特徴的なバンド(cm
−1)を列挙する(誤差は±1cm
−1である)。末尾にNを付した下線付きのピークはヌジョールマル剤によるものである。
【0154】
表8に形態Aのラマンスペクトルの特徴的なバンド(cm
−1)を列挙する(誤差は±1cm
−1である)。表9に形態Bのラマンスペクトルの特徴的なバンド(cm
−1)を列挙する(誤差は±1cm
−1である)。
【0155】
本発明はさらに、上で定義した式(I)の化合物の固体形態の調製のための方法であって、式(I)のBOC保護化合物であるtert−ブチル−((トランス)−4−(((1R,2S)−2−フェニルシクロプロピル)アミノ)シクロヘキシル)カルバメートに対応する式BOC−(I)の化合物の脱保護を含む方法に関する。
【0156】
本発明のさらなる実施態様は、上で定義した式(I)の化合物の形態Bの調製のための方法であって、反応工程:
a)式BOC−(I)の化合物の溶媒への溶解;
b)HClの溶液の添加;
c)高温における水の添加;
d)温度の漸減による生成物の結晶化
を含む方法に関する。
【0157】
本発明の特定の実施態様においては、工程a)における溶媒はC
1−7アルコール、特に1−プロパノールである。
【0158】
本発明の特定の実施態様においては、工程a)は周囲温度で行なわれる。
【0159】
本発明の特定の実施態様においては、工程b)における溶液は水溶液である。
【0160】
本発明の特定の実施態様においては、工程b)における溶液は5%m/m〜40%m/mの濃度、より詳細には10%m/m〜35%m/mの濃度、最も詳細には20%m/m〜30%m/mの濃度でHClを含む水溶液である。
【0161】
本発明の特定の実施態様においては、工程b)において過剰のHClが添加される。
【0162】
本発明の特定の実施態様においては、工程b)において2〜20当量のHCl、より詳細には10〜15当量のHClが添加される。
【0163】
本発明の特定の実施態様においては、工程b)は周囲温度で行なわれる。
【0164】
本発明の特定の実施態様においては、工程b)の後に特に30℃〜50℃、より詳細には40℃における撹拌が行なわれる。
【0165】
本発明の特定の実施態様においては、工程b)の後に蒸発による溶媒の濃縮が行なわれる。
【0166】
本発明の特定の実施態様においては、工程c)において少なくとも5当量の水、特に10〜50当量の水、より詳細には15〜20当量の水、最も詳細には16〜17当量の水が添加される。
【0167】
本発明の特定の実施態様においては、工程c)における水は段階的に、特に滴下によって添加される。
【0168】
本発明の特定の実施態様においては、工程c)は50℃を超える温度、特に50℃〜90℃、より詳細には60℃〜90℃、よりさらに詳細には75℃〜90℃、最も詳細には75℃〜85℃の温度で行なわれる。
【0169】
本発明の特定の実施態様においては、工程c)の後に溶解するまでの懸濁液の撹拌が行なわれる。
【0170】
本発明の特定の実施態様においては、工程d)における温度は−20℃〜周囲温度の間の最終温度に、特に−20℃〜10℃の間の最終温度に、最も詳細には−10℃〜0℃の間の最終温度に下げられる。
【0171】
本発明の特定の実施態様においては、工程d)における温度は1〜100℃/時間、特に5〜20℃/時間、最も詳細には10℃/時間の速度で下げられる。
【0172】
本発明の特定の実施態様においては、工程d)の後に濾過が行なわれる。
【0173】
本発明の特定の実施態様においては、工程d)の後に濾過及び洗浄、特に工程a)の溶媒による0℃未満の温度における洗浄が行なわれる。
【0174】
本発明のさらなる実施態様は、上で定義した式(I)の化合物の固体形態の調製のための方法であって、反応工程:
e)式BOC−(I)の化合物の1−プロパノールへの溶解;
f)1−プロパノール中のHCl溶液の添加;
g)沈殿の物理的分離
を含む方法に関する。
【0175】
本発明の特定の実施態様においては、工程e)は周囲温度で行なわれる。
【0176】
本発明の特定の実施態様においては、工程f)における溶液は5%m/m〜40%m/mの濃度、より詳細には10%m/m〜35%m/mの濃度、最も詳細には10%m/m〜20%m/mの濃度でHClを含む。
【0177】
本発明の特定の実施態様においては、工程f)において2〜20当量のHCl、より詳細には10〜15当量のHClが添加される。
【0178】
本発明の特定の実施態様においては、工程f)は周囲温度で行なわれる。
【0179】
本発明の特定の実施態様においては、工程f)の後に特に30℃〜50℃、より詳細には40℃における撹拌が行なわれる。
【0180】
本発明の特定の実施態様においては、工程g)における物理的分離は濾過である。
【0181】
本発明の特定の実施態様においては、工程g)の後に1−プロパノールによる0℃未満の温度における洗浄が行なわれる。
【0182】
別の実施態様によって、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態B及び薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物又は医薬、並びに式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bを用いて前記組成物及び医薬を調製する方法が提供される。
【0183】
組成物は適正医療基準に合致する方式で製剤化され、用量決定され、投与される。これに関して考慮すべき要素には、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳類、個別の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤送達の部位、投与方法、投与スケジュール、及びその他の医療従事者には公知の要素が含まれる。
【0184】
本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態は、経口、局所(頬及び舌下等)、直腸、膣、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、髄腔内及び硬膜外、並びに鼻内、並びに局所治療のために所望であれば病巣内投与等の任意の好適な手段によって投与することができる。非経口注入には筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が含まれる。
【0185】
本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態は、任意の便利な剤形、たとえば錠剤、散剤、カプセル剤、液剤、分散剤、懸濁剤、シロップ剤、スプレー剤、坐剤、ゲル剤、乳剤、パッチ剤等で投与することができる。そのような組成物は製薬において従来からある成分、たとえば希釈剤、担体、pH調節剤、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香料、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤、酸化防止剤、及びさらなる活性薬剤を含んでよい。組成物はさらにその他の治療に有用な物質を含んでもよい。
【0186】
典型的な製剤は本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態と薬学的に許容される賦形剤とを混合することによって調製される。好適な賦形剤は当業者には周知であり、たとえばAnsel H.C.等, Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (2004) Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia; Gennaro A.R.等, Remington: The Science and Practice of Pharmacy (2000) Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia; 及びRowe R.C, Handbook of Pharmaceutical Excipients (2005) Pharmaceutical Press, Chicago.に詳細に記載されている。製剤はまた、一又は複数の緩衝剤、安定剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、酸化防止剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、香料、着香剤、希釈剤、及び薬剤(即ち本発明の化合物又はその薬学的組成物)の外観を良くするためのその他の公知の添加剤又は薬学製品(即ち医薬)の製造における助剤を含んでもよい。
【0187】
本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態を投与することができる用量は広い限界の中で変化させることができ、もちろんそれぞれの特定の場合における個別の要求に適合することになる。
【0188】
上述のように、式(I)の化合物は極めて強力な活性薬学成分(HPAPI)である。したがって予想される1日用量は極めて少なく、10mg/日未満である。したがって固体形態中の薬剤担持量も極めて少なく、即ち錠剤100mgあたりAPI10mg未満である。
【0189】
一般に経口投与の場合には、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態の1人あたりの1日投与量は約0.01〜10mgが適当であるが、必要な場合には上記の上限を超えてもよい。
【0190】
好適な経口剤形の例は、約0.01mg〜10mgの本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態を約90〜30mgの無水ラクトース、約5〜40mgのクロスカルメロースナトリウム、約5〜30mgのポリビニルピロリドン(PVP)K30、及び約1〜10mgのステアリン酸マグネシウムとコンパウンド化したものを含む錠剤である。粉末成分を最初に混合し、次いでPVPの溶液と混合する。得られた組成物を乾燥し、顆粒化し、ステアリン酸マグネシウムと混合し、従来の装置を用いて圧縮して錠剤形態にすることができる。
【0191】
エアロゾル製剤の例は、たとえば0.1〜100mgの本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態を好適な緩衝溶液、たとえばリン酸塩緩衝液に溶解し、所望であれば等張化剤、たとえば塩化ナトリウム等の塩を添加することによって調製することができる。不純物及び汚染物を除去するためにたとえば0.2μmのフィルターを用いて溶液を濾過してもよい。
【0192】
本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態は有用な薬学的性質を有し、リジン特異的デメチラーゼ−1(LSD1)の阻害剤であることが見出された。したがって本発明の式(I)の化合物の固体形態は単独で又は他の薬剤と組み合わせて、LSD1に関連する疾患又はLSD1阻害剤によって調節される疾患の治療又は予防に用いることができる。これらの疾患には、これだけに限らないが癌が含まれ、前記癌は乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳腫瘍、皮膚癌、血液癌、白血病、リンパ腫及び骨髄腫から選択される。
【0193】
したがって特に本発明の式(I)の化合物の固体形態は単独で又は他の薬剤と組み合わせて、血液癌又は肺癌、より詳細には急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、毛様細胞性白血病、小細胞肺癌腫(SCLC)及び非小細胞肺癌腫(NSCLC)の治療又は予防のために用いることができる。
【0194】
本発明の特定の実施態様はまた、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態及び少なくとも1の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物に関する。
【0195】
本発明の特定の実施態様はまた、本明細書に記載した形態Bの式(I)の化合物及び少なくとも1の薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物に関する。
【0196】
本発明の特定の実施態様はまた、治療活性物質としての使用のための本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bに関する。
【0197】
本発明の特定の実施態様はまた、LSD1に関連する疾患、又はLSD1阻害剤によって調節される疾患の治療若しくは予防における使用のための、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bに関する。
【0198】
本発明の特定の実施態様はまた、癌の治療又は予防における使用のための、特に乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳腫瘍、皮膚癌、血液癌、白血病、リンパ腫及び骨髄腫の治療又は予防のための、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bに関する。
【0199】
本発明の特定の実施態様はまた、血液癌又は肺癌、特に急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、毛様細胞性白血病、小細胞肺癌腫(SCLC)及び非小細胞肺癌腫(NSCLC)の治療又は予防における使用のための、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bを包含する。
【0200】
別の実施態様においては、本発明はLSD1に関連する疾患、又はLSD1阻害剤によって調節される疾患の治療若しくは予防のための方法であって、明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bをヒト又は動物に投与することを含む方法に関する。
【0201】
別の実施態様においては、本発明は癌の治療又は予防のための、特に乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳腫瘍、皮膚癌、血液癌、白血病、リンパ腫及び骨髄腫の治療又は予防のための方法であって、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bをヒト又は動物に投与することを含む方法に関する。
【0202】
特定の実施態様においては、本発明は血液癌又は肺癌の治療又は予防のための、特に急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、毛様細胞性白血病、小細胞肺癌腫(SCLC)及び非小細胞肺癌腫(NSCLC)の治療又は予防のための方法であって、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bをヒト又は動物に投与することを含む方法に関する。
【0203】
本発明はまた、LSD1に関連する疾患、又はLSD1阻害剤によって調節される疾患の治療若しくは予防のための、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bの使用を包含する。
【0204】
本発明はまた、癌の治療又は予防のための、特に乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳腫瘍、皮膚癌、血液癌、白血病、リンパ腫及び骨髄腫の治療又は予防のための、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bの使用を包含する。
【0205】
本発明はまた、血液癌又は肺癌の治療又は予防のための、特に急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、毛様細胞性白血病、小細胞肺癌腫(SCLC)及び非小細胞肺癌腫(NSCLC)の治療又は予防のための、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bの使用を包含する。
【0206】
本発明はまた、LSD1に関連する疾患、又はLSD1阻害剤によって調節される疾患の治療若しくは予防のための医薬の調製のための、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bの使用に関する。
【0207】
本発明はまた、癌の治療又は予防のための、特に乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳腫瘍、皮膚癌、血液癌、白血病、リンパ腫及び骨髄腫の治療又は予防のための医薬の調製のための、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bの使用に関する。そのような医薬は上記の式(I)の化合物の固体形態を含む。
【0208】
本発明はまた、血液癌又は肺癌の治療又は予防のための、特に急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、毛様細胞性白血病、小細胞肺癌腫(SCLC)及び非小細胞肺癌腫(NSCLC)の治療又は予防のための医薬の調製のための、本明細書に記載した式(I)の化合物の固体形態、好ましくは本明細書に記載した形態Bの使用に関する。
【0209】
血液癌の治療又は予防は、本発明の特定の実施態様である。
【0210】
白血病、特に急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、及び毛様細胞性白血病の治療又は予防は、本発明の特定の実施態様である。
【0211】
急性骨髄性白血病(AML)の治療又は予防は、本発明の特定の実施態様である。
【0212】
肺癌の治療又は予防は、本発明の特定の実施態様である。
【0213】
小細胞肺癌腫(SCLC)及び非小細胞肺癌腫(NSCLC)の治療又は予防は、本発明の特定の実施態様である。
【0214】
小細胞肺癌腫(SCLC)の治療又は予防は、本発明の特定の実施態様である。