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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-119761(P2021-119761A)
(43)【公開日】2021年8月19日
(54)【発明の名称】粉末とうがらし飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/38 20210101AFI20210726BHJP
   B65D 85/808 20060101ALI20210726BHJP
【FI】
   A23L2/38 C
   B65D85/808
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-14313(P2020-14313)
(22)【出願日】2020年1月31日
(71)【出願人】
【識別番号】520038345
【氏名又は名称】秋山 稔
(71)【出願人】
【識別番号】520038149
【氏名又は名称】秋山 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】秋山 稔
【テーマコード(参考)】
4B117
【Fターム(参考)】
4B117LC04
4B117LC05
4B117LE09
4B117LE10
4B117LG17
4B117LG18
4B117LG24
4B117LP03
4B117LP17
(57)【要約】
【課題】湯に浸漬させてとうがらし飲料として飲むことにより、疲労回復、アンチエイジング及びダイエット等の効果を奏することができる粉末とうがらし飲料を提供する。
【解決手段】唐辛子の粉末2と、唐辛子の粉末2と混合された茶葉の粉末3とを有し、これらの粉末はティーバッグ1に封入されるものとすることで、湯に浸漬させてとうがらし飲料として飲むことにより、疲労回復、アンチエイジング及びダイエット等の効果を奏することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
唐辛子の粉末と、
前記唐辛子の粉末と混合された茶葉の粉末とを有する
ことを特徴とする粉末とうがらし飲料。
【請求項2】
前記茶葉はほうじ茶の葉である
ことを特徴とする請求項1に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項3】
前記茶葉は紅茶の葉である
ことを特徴とする請求項1に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項4】
前記唐辛子の粉末は直径0.3mm以上2.0mm以下、前記茶葉の粉末は直径1.0mm以上4.0mm以下である
ことを特徴とする請求項2に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項5】
前記唐辛子の粉末は、直径0.3mm以上2.0mm以下のものと、直径0.1mm以上0.3mm未満のものとを混合したものであり、前記茶葉の粉末は、直径1.0mm以上4.0mm以下のものと、直径0.1mm以上1.0mm未満のものとを混合したものである
ことを特徴とする請求項2に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項6】
前記唐辛子の粉末は直径0.1mm以上2.0mm未満、前記茶葉の粉末は直径0.1mm以上5.0mm未満である
ことを特徴とする請求項3に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項7】
前記唐辛子の粉末は直径0.1mm以上2.0mm以下、前記茶葉の粉末は直径0.1mm以上4.0mm以下である
ことを特徴とする請求項3に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項8】
前記唐辛子と前記茶葉との質量比は1:12から1:60の範囲である
ことを特徴とする請求項2に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項9】
前記唐辛子と前記茶葉との質量比は1:12から1:67の範囲である
ことを特徴とする請求項3に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項10】
前記唐辛子の粉末及び前記茶葉の粉末と混合されたしょうがの粉末を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項11】
前記唐辛子の粉末及び前記茶葉の粉末と混合されたしょうがの粉末を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項12】
前記唐辛子の粉末は直径0.3mm以上2.0mm以下、前記茶葉の粉末は直径1.0mm以上4.0mm以下、前記しょうがの粉末は直径0.1mm以上3.0mm以下である
ことを特徴とする請求項10に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項13】
前記唐辛子の粉末は、直径0.3mm以上2.0mm以下のものと、直径0.1mm以上0.3mm未満のものとを混合したものであり、前記茶葉の粉末は、直径1.0mm以上4.0mm以下のものと、直径0.1mm以上1.0mm未満のものとを混合したものであり、前記しょうがの粉末は直径0.1mm以上2.0mm以下である
ことを特徴とする請求項10に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項14】
前記唐辛子の粉末は直径0.1mm以上2.0mm以下、前記茶葉の粉末は直径0.1mm以上4.0mm以下、前記しょうがの粉末は直径0.1mm以上3.0mm以下である
ことを特徴とする請求項11に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項15】
前記唐辛子の粉末は直径0.1mm以上2.0mm以下、前記茶葉の粉末は直径0.1mm以上4.0mm以下、前記しょうがの粉末は直径0.1mm以上2.0mm以下である
ことを特徴とする請求項11に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項16】
前記唐辛子の粉末と前記茶葉の粉末と前記しょうがの粉末との質量比は1:12:0.5から1:60:2の範囲となる
ことを特徴とする請求項10に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項17】
前記唐辛子の粉末と前記茶葉の粉末と前記しょうがの粉末との質量比は1:12:0.5から1:67:2の範囲となる
ことを特徴とする請求項11に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項18】
唐辛子の粉末と、
前記唐辛子の粉末と混合されたコーヒー又は出汁の粉末とを有する
ことを特徴とする粉末とうがらし飲料。
【請求項19】
唐辛子の粉末と、
前記唐辛子の粉末と混合されたココア又は青汁の粉末とを有する
ことを特徴とする粉末とうがらし飲料。
【請求項20】
各前記粉末を内部に封入する袋部を備える
ことを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の粉末とうがらし飲料。
【請求項21】
前記袋部は、各端部のうち、上下方向に延伸する端部のうち一端のみが、湯に浸漬させた際に幅方向に膨らむ形状である
ことを特徴とする請求項20に記載の粉末とうがらし飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はとうがらしを主体とした飲料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、消費者の嗜好の多様化により多種多様の飲料が販売されている。中でも健康志向の高揚から、茶飲料の需要が拡大している。
【0003】
下記特許文献1に製造方法の一例が示されるようなほうじ茶は、下級茶等の緑茶を褐色になるまで強火で焙煎したもので、芳ばしい香りが特徴である。この香りが口の中をすっきりさせるので食後に飲むのに最適であり、刺激が少なく子供や高齢者にも好まれている。
【0004】
また、下記特許文献2〜5にその一例が示されるような紅茶は、いわゆるストレートティーのほか、予めミルクや果汁を加え紅茶飲料も広く販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−097042号公報
【特許文献2】特開平07−067533号公報
【特許文献3】国際公開第2011/092974号
【特許文献4】特表平10−503657号
【特許文献5】特開2009−219393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、現代人が抱える問題の1つに、仕事等に起因する疲労の蓄積を解消する機会が少ないことが挙げられる。またその一方で、アンチエイジングやダイエットといった効能を食材に期待する消費者も多い。
【0007】
しかしながら、上記各特許文献に挙げられるような飲料では、これら消費者の要望に応えることができない。
【0008】
本発明では、上述のような課題に鑑み、湯に溶かし茶飲料として飲むことによって、疲労回復、アンチエイジング及びダイエット等の効果を奏することができる粉末とうがらし飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための第1の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
唐辛子の粉末と、
前記唐辛子の粉末と混合された茶葉の粉末とを有する
ことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するための第2の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第1の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記茶葉はほうじ茶の葉である
ことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するための第3の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第1の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記茶葉は紅茶の葉である
ことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するための第4の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第2の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末は直径0.3mm以上2.0mm以下、前記茶葉の粉末は直径1.0mm以上4.0mm以下である
ことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するための第5の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第2の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末は、直径0.3mm以上2.0mm以下のものと、直径0.1mm以上0.3mm未満のものとを混合したものであり、前記茶葉の粉末は、直径1.0mm以上4.0mm以下のものと、直径0.1mm以上1.0mm未満のものとを混合したものである
ことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するための第6の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第3の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末は直径0.1mm以上2.0mm以下、前記茶葉の粉末は直径0.1mm以上5.0mm未満である
ことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するための第7の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第3の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末は直径0.1mm以上2.0mm以下、前記茶葉の粉末は直径0.1mm以上4.0mm以下である
ことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するための第8の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第2の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子と前記茶葉との質量比は1:12から1:60の範囲である
ことを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するための第9の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第3の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子と前記茶葉との質量比は1:12から1:67の範囲である
ことを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するための第10の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第2の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末及び前記茶葉の粉末と混合されたしょうがの粉末を有する
ことを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決するための第11の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第3の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末及び前記茶葉の粉末と混合されたしょうがの粉末を有する
ことを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決するための第12の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第10の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末は直径0.3mm以上2.0mm以下、前記茶葉の粉末は直径1.0mm以上4.0mm以下、前記しょうがの粉末は直径0.1mm以上3.0mm以下である
ことを特徴とする。
【0021】
上記課題を解決するための第13の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第10の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末は、直径0.3mm以上2.0mm以下のものと、直径0.1mm以上0.3mm未満のものとを混合したものであり、前記茶葉の粉末は、直径1.0mm以上4.0mm以下のものと、直径0.1mm以上1.0mm未満のものとを混合したものであり、前記しょうがの粉末は直径0.1mm以上2.0mm以下である
ことを特徴とする。
【0022】
上記課題を解決するための第14の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第11の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末は直径0.1mm以上2.0mm以下、前記茶葉の粉末は直径0.1mm以上4.0mm以下、前記しょうがの粉末は直径0.1mm以上3.0mm以下である
ことを特徴とする。
【0023】
上記課題を解決するための第15の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第11の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末は直径0.1mm以上2.0mm以下、前記茶葉の粉末は直径0.1mm以上4.0mm以下、前記しょうがの粉末は直径0.1mm以上2.0mm以下である
ことを特徴とする。
【0024】
上記課題を解決するための第16の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第10の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末と前記茶葉の粉末と前記しょうがの粉末との質量比は1:12:0.5から1:60:2の範囲となる
ことを特徴とする。
【0025】
上記課題を解決するための第17の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第11の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記唐辛子の粉末と前記茶葉の粉末と前記しょうがの粉末との質量比は1:12:0.5から1:67:2の範囲となる
ことを特徴とする。
【0026】
上記課題を解決するための第18の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
唐辛子の粉末と、
前記唐辛子の粉末と混合されたコーヒー又は出汁の粉末とを有する
ことを特徴とする。
【0027】
上記課題を解決するための第19の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
唐辛子の粉末と、
前記唐辛子の粉末と混合されたココア又は青汁の粉末とを有する
ことを特徴とする。
【0028】
上記課題を解決するための第20の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第1から18のいずれか1つの発明に係る粉末とうがらし飲料において、
各前記粉末を内部に封入する袋部を備える
ことを特徴とする。
【0029】
上記課題を解決するための第21の発明に係る粉末とうがらし飲料は、
上記第20の発明に係る粉末とうがらし飲料において、
前記袋部は、各端部のうち、上下方向に延伸する端部のうち一端のみが、湯に浸漬させた際に幅方向に膨らむ形状である
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る粉末とうがらし飲料によれば、湯に溶かし茶飲料として飲むことによって、疲労回復、アンチエイジング及びダイエット等の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施例1に係る粉末とうがらし飲料を説明する概略図である。
図2】本発明の実施例2に係る粉末とうがらし飲料を説明する概略図である。
図3】本発明の実施例3に係る粉末とうがらし飲料を説明する概略図である。
図4】本発明の実施例5に係るティーバッグを説明する概略図である。
図5図4のA−A矢視図である。(A)は平常状態、(B)は湯に浸漬させた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、粉末とうがらしを主体に今まで組み合わせていなかった素材と配合した物をティーバックに入れ持ち運びやすくすると同時に、今まで無かった刺激の有る新しい味の飲料をいつでも簡単に飲める様にしたものである。
以下、本発明に係る粉末とうがらし飲料について、実施例にて図面を用いて説明する。
【0033】
[実施例1]
本実施例に係る粉末とうがらし飲料は、図1に示すように、唐辛子の粉末2及び唐辛子の粉末2と混合された茶葉の粉末3を含むものであり、ティーバッグ1に封入されている。このうちティーバッグ1は不織布から成るものである。また、この茶葉はほうじ茶の葉である。
【0034】
ティーバッグ1に封入された唐辛子の粉末2及び茶葉の粉末3の成分量については、唐辛子の粉末2が0.03g、茶葉の粉末3が1.8g、あるいは、唐辛子の粉末2が0.2g、茶葉の粉末3が2.4g、すなわち、質量比では、唐辛子の粉末:茶葉の粉末を1:12から1:60の範囲となるようにするのが、風味の観点から最適である。
【0035】
粉末の大きさについては、好ましくは、唐辛子の粉末2は直径0.3mm以上2.0mm以下、茶葉の粉末3は直径1.0mm以上4.0mm以下とする。
【0036】
さらに言えば、唐辛子の粉末2は、直径0.3mm以上2.0mm以下のものと、直径0.1mm以上0.3mm未満のものとを混合したものとし、茶葉の粉末3は、直径1.0mm以上4.0mm以下のものと、直径0.1mm以上1.0mm未満のものとを混合したものとするのがよい。
【0037】
また、本実施例に係る粉末とうがらし飲料は、抽出時間(ティーバッグを100℃の湯に浸漬させる時間)を一般的な時間である3分間(消費者がストレスなく待機できる時間と成分抽出に必要な時間とのバランスを考慮した時間)とする。
【0038】
仮に、唐辛子の粉末2の直径を2.0mmよりも大きくした場合、3分を過ぎ湯温がおよそ80℃以下に低下すると、辛味成分が出にくくなり、抽出のピークは5分以上になる。5分以上経つと更に湯温も低下してしまうし、待機時間としても長すぎる。また一方で、唐辛子の粉末2の直径を0.1mm未満にすると、抽出は早まるものの、鋭い辛みが出過ぎて味のバランスが悪くなり、さらに、粉末がティーバッグ1から外に漏れてしまうと共に、アルミ袋長期保存時にも風味が抜けてしまう。
【0039】
また仮に、茶葉の粉末3の直径を10mm前後(市販のサイズ)とした場合、抽出のピークが3分以上となり、やはり時間が掛かる。一方、茶葉の粉末3の直径を0.1mm未満とすると、やはりティーバッグ1から外に粉末が漏れてしまい、この状態で茶を飲むと口内に残ってしまう。
本実施例では、以上を考慮して粉末の大きさを上述のようにした。
【0040】
また本実施例では、唐辛子の粉末2と茶葉の粉末3の大きさが違うため、これらを混合したものを(ティーバッグ1を使用せずに)容器に入れて使っていると、小さい粉末が下に溜まってしまい、同じ味を出すことができない。よって本実施例では、ティーバッグ1にこれらの粉末を封入することにより、同じ味を出すようにしている。
【0041】
さらに、本実施例のようにティーバッグ1に各粉末を入れることで持ち運びも手軽にでき、短時間で美味しく作れる今まで無かったとうがらし飲料を提供することができる。また、ティーバッグ1から各成分を抽出しペットボトル飲料として提供するようにしてもよい。
【0042】
なお、これらの粉末は混合してからティーバッグ1に封入するが、この混合方法は、スクリュー等の撹拌方法ではなく、ドラム回転方式を用いる。これによって、素材の原型を保ちつつ、均一に混合することができる。その際、素材が飛ばない回転速度で1000g/120秒は必要である。
【0043】
本実施例に係る粉末とうがらし飲料に含有される唐辛子は、江戸時代から漢方として重宝されていた。唐辛子に含まれる辛味成分は「カプサイシン」と言い、消費者がこれを摂取すると、内臓感覚神経に働き、アドレナリンの分泌を活発にして発汗・強心作用を促す。唐辛子を食べると体が燃えるような感じがするのはカプサイシンによるものである。
【0044】
さらに唐辛子には下記の作用効果がある。
1:血行促進
カプサイシンにより血流がよくなり血管拡張、血行促進の効果がある。
2:冷え性改善
カプサイシンが脳神経に作用し体を温める。根本的な冷え性改善にも効果がある。
3:疲労回復
唐辛子に含まれるビタミンB1は疲労回復効果がある。
4:食欲増進
少量のカプサイシンは胃を程よく刺激し、胃液や唾液分泌を活発にする。
5:美肌&アンチエイジング
唐辛子に含まれるビタミンA・ビタミンE・ビタミンCが活性酸素を抑制し、体を錆びつかせない抗酸化作用がある。
6:ダイエット効果
カプサイシンがアドレナリンを分泌、代謝が良くなり脂肪分解を促す。コレステロール上昇を抑制する効果もある。
【0045】
よって本実施例に係る粉末とうがらし飲料は、湯に浸漬させてとうがらし飲料として飲むことにより、疲労回復、アンチエイジング及びダイエット等の効果を奏する。
【0046】
[実施例2]
本実施例に係る粉末とうがらし飲料は、図2に示すように、唐辛子の粉末2、茶葉の粉末3、及び、これらと混合されたしょうがの粉末4を有しており、ティーバッグ1に封入されている。このうち、ティーバッグ1、唐辛子の粉末2及び茶葉の粉末3については実施例1と同様であるため、以下では説明を省略する。
【0047】
成分量については、唐辛子の粉末2が0.03g、茶葉の粉末3が1.8gとすると、しょうがの粉末4は0.06g、唐辛子の粉末2が0.2g、茶葉の粉末3が2.4gとすると、しょうがの粉末4は0.1g、すなわち、質量比では、唐辛子の粉末:茶葉の粉末:しょうがの粉末を1:12:0.5から1:60:2の範囲となるようにするのが、風味の観点から最適である。
【0048】
しょうがの粉末4は、唐辛子の粉末2及び茶葉の粉末3と同様、ティーバッグ1に封入されるが、好ましくは、しょうがの粉末4は直径0.1mm以上3.0mm以下(唐辛子の粉末2は直径0.3mm以上2.0mm以下、茶葉の粉末3は直径1.0mm以上4.0mm以下)とする。
【0049】
より好ましくは、しょうがの粉末4は直径0.1mm以上2.0mm以下(唐辛子の粉末2は、直径0.3mm以上2.0mm以下のものと、直径0.1mm以上0.3mm未満のものとを混合したものとし、茶葉の粉末3は、直径1.0mm以上4.0mm以下のものと、直径0.1mm以上1.0mm未満のものとを混合したもの)とする。
【0050】
仮に、しょうがの粉末4の直径を2.0mm〜3.0mm(市販のサイズ)とした場合、3分を過ぎ湯温がおよそ80℃以下に低下すると、成分が出にくくなり、素材に成分が残ってしまう。また一方で、しょうがの粉末4の直径を0.1mm未満にすると、抽出は早まるものの、粉末がティーバッグ1から外に漏れてしまうと共に、アルミ袋長期保存時にも風味が抜ける。
本実施例では、以上を考慮して粉末の大きさを上述のようにした。
【0051】
また、しょうがの粉末4の乾燥については、例えば75℃以上の熱風では乾燥は早まるが、しょうがに熱が入ることにより風味が落ちる。本願の発明者が鋭意検討した結果、しょうがの量にもよるが、50℃〜55℃で6時間〜8時間という環境が、風味を落とすことなくかつ時間をかけずにしっかりと乾燥させられる条件であることが分かった。
【0052】
本実施例に係る粉末とうがらし飲料に含有されるしょうがには、血行促進の効果があり、唐辛子と合わせるとより効果的である。よって本実施例に係る粉末とうがらし飲料は、実施例1の作用効果に加え、より血行を促進させる効果を有する。
【0053】
[実施例3]
本実施例に係る粉末とうがらし飲料は、唐辛子の粉末2、しょうがの粉末4、及び、これらと混合された茶葉の粉末5を有しており、ティーバッグ1に封入されている。このうち茶葉については、紅茶の葉である。また、ティーバッグ1、唐辛子の粉末2及びしょうがの粉末4については実施例1,2と同様であるため、以下では説明を省略する。
【0054】
成分量については、唐辛子の粉末2が0.03g、しょうがの粉末4が0.06gとすると、茶葉の粉末5は2.0g、唐辛子の粉末2が0.2g、しょうがの粉末4が0.1gとすると、茶葉の粉末5は2.5g、すなわち、質量比では、唐辛子の粉末:茶葉の粉末:しょうがの粉末を1:12:0.5から1:67:2の範囲となるようにするのが、風味の観点から最適である。
【0055】
茶葉の粉末5は、唐辛子の粉末2及びしょうがの粉末4と同様、ティーバッグ1に封入されるが、好ましくは、茶葉の粉末5は直径0.1mm以上4.0mm以下(唐辛子の粉末2は直径0.1mm以上2.0mm以下、しょうがの粉末4は直径0.1mm以上3.0mm以下)とする。
【0056】
より好ましくは、茶葉の粉末5は直径0.1mm以上4.0mm以下(唐辛子の粉末2は直径0.1mm以上2.0mm以下、しょうがの粉末4は直径0.1mm以上2.0mm以下)とする。
【0057】
仮に、茶葉の粉末5の直径を5mm〜10mm(市販のサイズ)とした場合、抽出のピークが3分以上となり、時間が掛かる。一方、茶葉の粉末5の直径を0.1mm未満とすると、粉末がティーバッグ1から外に漏れてしまい、この状態で茶を飲むと口内に残ってしまう。
本実施例では、以上を考慮して粉末の大きさを上述のようにした。
【0058】
なお、上述においてはしょうがを含むものとして説明したが、本実施例はしょうがを含まずに唐辛子及び紅茶の葉のみとしてもよい。
【0059】
その場合、成分量については、すなわち、質量比では、唐辛子の粉末:茶葉の粉末を1:12から1:67の範囲となるようにする。
【0060】
また、大きさについては、好ましくは、茶葉の粉末5は直径0.1mm以上5.0mm未満(唐辛子の粉末2は直径0.1mm以上2.0mm以下)とする。
【0061】
より好ましくは、茶葉の粉末5は直径0.1mm以上4.0mm以下(唐辛子の粉末2は直径0.1mm以上2.0mm以下)とする。
【0062】
このようにして本実施例では、紅茶ベースにおいて実施例1,2と同様の作用効果を奏することができる。
【0063】
[実施例4]
実施例1〜3で説明した茶葉の粉末3,5やしょうがの粉末4ではなく、コーヒー、ココア、出汁あるいは青汁の粉末を、唐辛子の粉末2の粉末と混合させるようにしてもよい。このような粉末とうがらし飲料を湯に浸漬させることで、風味もよくさらに健康面でも効果的なとうがらし飲料を提供することができる。
【0064】
ただし、このうちコーヒー及び出汁については、実施例1〜3と同様に粉末をティーバッグ1に封入するものとするが、ココア及び青汁については、風味の観点から粉末を湯、常温水、あるいは冷水に溶いて飲むようにする。
【0065】
なお、出汁の粉末については、さらに、乾燥野菜粉末及び/又は乾燥果物粉末を加えるようにしても良い。特に、大豆などの豆類やユズなどの柑橘類の相性が良い。
【0066】
このような粉末とうがらし飲料を湯に浸漬させることで、風味もよくさらに健康面でも効果的なとうがらし飲料を提供することができる。
【0067】
[実施例5]
本実施例では、上記実施例1〜4で説明した粉末とうがらし飲料のティーバッグ1の形状について詳述する。ティーバッグ1は、実施例1〜4に係る粉末とうがらし飲料の粉末を封入するものであり、図4に示すように、不織布によって形成される袋部11、紐部12及びシート13を備えている。
【0068】
袋部11は、実施例1〜4にて挙げた各粉末(各粉末を混合させたものを粉末群Pとする)を内部に封入する袋であり、平常時において正面視四角形状となっている。
【0069】
袋部11の四方の端部のうち、上端部21、下端部22及び先端部23は、縫合によって閉じられている部分である(先端部23は、上下方向に延伸する端部のうちの一端である)。
【0070】
さらに、袋部11のうち後端部24(後端部24は、上下方向に延伸する端部のうちの一端である)は、図5に示すとおり、湯に浸漬させた際に幅方向に膨らむように、幅方向中央部31において内側に向けて折り込まれ、幅方向両端部32,33において外側に向けて折り込まれている。
【0071】
また、紐部12は、袋部11の幅方向一端側の側面において、袋部11の上端部21に接続する接続部34を有した平たい紐である。
【0072】
そして、シート13は、袋部11の上端部21、下端部22及び先端部23に固定されるようにして、袋部11の幅方向一端側の側面において紐部12の接続部34を被覆するようにして設けられている(図4,5(A)参照)。
【0073】
市販のティーバッグは、湯に浸漬させた際に、袋部全体が膨らむため必然的に上下方向の長さが縮み、湯中に浮く格好となる。それに対してティーバッグ1は、湯に浸漬させた際に、袋部の全体が膨らむのではなく、後端部24の内側向きの折り目のみが伸びるようにして膨らむため、袋部11が上下方向の長さが殆ど縮むことがなく、したがって湯中に浮くこともなくなる。
【0074】
これにより、ティーバッグ1では、紐部12の長さを短くすることができ、製造コスト削減に繋がるとともに、ティーバッグ1の(アルミ袋への)包装が簡単となる。
【0075】
さらに、市販のティーバッグは、湯に浸漬させた際に、袋部全体が膨らむため成分が湯中に一気に流れ出すが、粉末群Pには実施例1〜4のように唐辛子の粉末2の粉末が含まれており、市販のティーバッグのように一気に成分が流れ出すと刺激が強くなりすぎる可能性がある。この点、ティーバッグ1は、袋部11の膨らみ具合が市販のティーバッグよりも少ないためそのような虞がない。
【0076】
このようにして本実施例では、実施例1〜4に挙げた各粉末を封入するのに最適なティーバッグを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は茶飲料として好適である。
【符号の説明】
【0078】
1 ティーバッグ
2 唐辛子の粉末
3 茶葉(ほうじ茶)の粉末
4 しょうがの粉末
5 茶葉(紅茶)の粉末
11 袋部
12 紐部
図1
図2
図3
図4
図5