【課題を解決するための手段】
【0008】
マスキング剤は、水溶性ポリマー層、水溶性ポリマー、水溶性材料、水溶性コーティン
グ及び/又は水溶性層であり得る。
【0009】
シーラントは、水不溶性材料、水不溶性シーラント、水不溶性コーティング、及び/又
は水不溶性層であり得る。
【0010】
本発明の目的のために、水溶性層及び水不溶性層は、織物布帛、医療機器布帛、移植可
能な医療機器織物、並びに医療用及び非医療用織物の様々な形態に適用される。
【0011】
本発明の一目的は、人工血管及び/又は人工血管を製造する方法を提供することであり
、この人工血管の内面は、生体組織の内部成長をより良好に可能にする。本発明の一態様
は、人工血管などの移植可能な織物、及び/又は人工血管などの移植可能な織物を製造す
る方法を提供することであり、この人工血管の内面は、生体組織の内部成長をより良好に
可能にする。本発明のさらなる態様は、人工血管などの移植可能な織物、及び/又は人工
血管などの移植可能な織物を製造する方法を提供することであり、この人工血管の内面は
、シール材料を実質的に含まない。本発明の別の態様は、内部成長組織が人工血管の内面
に付着するのをより良好に促進する、人工血管及び/又は人工血管を製造する方法を提供
することである。本発明のさらなる態様は、人工血管の内面への組織の予測可能な成長及
び付着をより良好に可能にする、人工血管及び/又は人工血管を製造する方法を提供する
ことである。本発明のさらに他の態様は、多過ぎるマスキング剤と少な過ぎるマスキング
剤との間のバランスを取る人工血管を提供することである。少な過ぎるマスキング剤は、
シーラントが、グラフト壁を通って移動するのを可能にする。外側における多過ぎるマス
キング剤は、シーラント付着を妨げ、したがって、人工血管において必要とされる透過性
に達する能力に影響を与える。外側グラフト表面上に最終的にあるマスキング剤の量とバ
ランスの取れた、シーラント浸透を防ぐのに十分なマスキング剤が存在しなければならな
い。本発明の一態様はまた、十分なシールを達成するのに必要なシーラント被覆及びシー
ラント付着の量と、人工器官の可撓性及び取り扱い特性を損なうほど多過ぎるシーラント
との間のバランスを取ることである。
【0012】
本発明のさらなる態様はまた、人工血管を製造するためのパーツのキットを提供するこ
とである。本発明のさらなる態様は、例えば、合成の補助心臓構成要素が、血管及び心臓
に連結されるのを可能にする血管系を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる態様は、先行技術における問題の少なくとも一部を軽減するか又は少
なくとも防ぐことである。本発明のさらなる態様及び実施形態は、本明細書を読むことか
ら明らかになるであろう。
【0014】
本発明の第1の態様によれば、人工血管を製造する方法であって、
(i)壁を含む導管を提供する工程であって、導管の壁が、内面及び外面を含み、導管
の少なくとも一部が多孔性である、工程と;
(ii)マスキング剤を、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程と;
(iii)シーラントを、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程であって、
シーラントが、導管の壁を通る流体の移動を軽減するように構成される、工程とを含み;
マスキング剤が、導管の内面におけるシーラントの存在を軽減するように構成される、
方法が提供される。
【0015】
本発明の人工血管又は血管内人工器官は、導管又は管状部分を含む人工器官に限定され
ない。本発明の人工血管又は血管内人工器官は、非導管又は非管状構造若しくは部分を含
んでも又は含まなくてもよい。したがって、マスキング剤及びシーラントに供される人工
血管又は血管内人工器官の壁は、導管壁に限定されない。したがって、基材が、非導管形
状構造又は部分であり得る。さらに、医療用繊維製品が、本発明の範囲内である。
【0016】
シーラントは、導管の壁の外面の少なくとも一部にシール層を形成し得る。
【0017】
シーラントは、導管の壁の外面の実質的に全てにシール層を形成し得る。
【0018】
マスキング剤は、導管の壁の内面の少なくとも一部にマスキング剤層を形成し得る。
【0019】
マスキング剤は、導管の壁の内面の実質的に全てにマスキング剤層を形成し得る。
【0020】
導管の実質的に全てが、多孔性であり得る。
【0021】
本方法は、1つ以上のマスキング剤除去工程を含んでいてもよく、このマスキング剤除
去工程又はその各々が、導管からマスキング剤の少なくとも一部を除去する工程を含む。
【0022】
本方法は、シーラントを、導管の多孔性部分に加える工程の前に、導管の壁の外面の少
なくとも一部からマスキング剤の少なくとも一部を除去する工程を含み得る。
【0023】
本方法は、シーラントを、導管の多孔性部分の少なくとも一部を加える工程の後に、導
管の壁の内面からマスキング剤の少なくとも一部を除去する工程を含み得る。
【0024】
本方法は、シーラントを、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程の後に、導
管からマスキング剤の実質的に全てを除去する工程を含み得る。
【0025】
マスキング剤除去工程の少なくとも1つが、約15℃〜約140℃の温度で行われ得る
。
【0026】
マスキング剤除去工程の少なくとも1つが、溶媒をそれに適用することによって、マス
キング剤の少なくとも一部を除去する工程を含み得る。
【0027】
溶媒は、水を含み得る。
【0028】
導管は、マスキング剤除去工程の少なくとも1つの際、撹拌、回転、紡糸、及び振とう
などのうちの少なくとも1つであり得る。
【0029】
マスキング剤除去工程の少なくとも1つが、マスキング剤をエッチング、プラズマエッ
チング、アブレーション及び/又は研磨することによって行われ得る。
【0030】
導管の壁の内面は、その上での生体組織の成長を促進するように構成され得る。
【0031】
マスキング剤は、ポリマーを含み得る。
【0032】
マスキング剤は、水溶性ポリマーを含み得る。
【0033】
マスキング剤は、ポリビニルピロリドン、グリセロール、メチルセルロース、ポリ(エ
チレングリコール)及びポリ(エチレングリコール)ヒドロゲルのうちの少なくとも1つ
を含み得る。マスキング剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)、グリセロール、メチル
セルロース、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)
、及びポリ(エチレングリコール)ヒドロゲルのうちの少なくとも1つを含み得る。マス
キング剤は、本明細書に記載される他の生体親水性ポリマーも含み得る。
【0034】
マスキング剤は、生体適合性であり得る。
【0035】
マスキング剤は、導管に加えられるとき、生体適合性マスキング剤層を形成し得る。
【0036】
マスキング剤は、マスキング剤溶液から導管の多孔性部分の少なくとも一部に加えられ
得る。本明細書において使用される際、多孔性は、ヒト患者の正常な生理的条件下で血液
などの液体の通過に対して透過性であることを指す。
【0037】
マスキング剤溶液は、ポリマー溶液であり得る。
【0038】
マスキング剤を、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程は、マスキング剤溶
液を、導管の多孔性部分の少なくとも一部上に噴霧することによって行われ得る。
【0039】
マスキング剤溶液は、マスキング剤を、導管の壁の内面の少なくとも一部上に噴霧する
ことによって、導管に加えられ得る。
【0040】
マスキング剤を、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程は、導管の多孔性部
分の少なくとも一部を、マスキング剤溶液に浸漬することによって行われ得る。
【0041】
導管の実質的に全てが、マスキング剤溶液に浸漬され得る。
【0042】
マスキング剤溶液は、溶液中の約5%重量/体積(w/v)のポリマー〜溶液中約30
%w/vのポリマーを含み得る。
【0043】
本方法は、シーラントを、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程が、導管の
多孔性部分からのマスキング剤の除去をもたらさないように行われ得る。
【0044】
マスキング剤は、人工血管が、ヒト又は動物の身体内に移植されるときに生分解するよ
うに構成され得る。
【0045】
導管は、織物繊維ポリマー導管であり得る。
【0046】
シーラントは、ポリマーを含み得る。
【0047】
シーラントは、水不溶性ポリマーであり得る。
【0048】
シーラントは、導管に加えられるときにシール層を形成し得、シール層はポリマー層で
ある。
【0049】
シーラントは、シリコーン、室温硬化型シリコーン、熱可塑性ポリウレタン、脂肪族ポ
リカーボネート、1つ以上の熱可塑性エラストマー、及びポリカーボネートのうちの少な
くとも1つを含み得る。
【0050】
シーラントは、シーラント溶液から導管に加えられ得る。
【0051】
シーラント溶液は、ポリマー溶液であり得る。
【0052】
シーラント溶液は、有機溶媒を含み得る。
【0053】
シーラント溶液は、ヘプタン及びキシレンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0054】
シーラントは、シーラントを上にブラシ塗布及び/又は噴霧することによって、導管の
多孔性部分の少なくとも一部に加えられ得る。
【0055】
シーラントは、導管の壁を通る血液の移動を軽減するように構成され得る。
【0056】
シーラント対マスキング剤の重量比は、約0.1:1〜約100:1であり得る。シー
ラント対マスキング剤の重量比は、約0.1:1〜約71:1であり得る。シーラント対
マスキング剤の重量比は、約0.1:1〜約31:1であり得る。
【0057】
本方法は、人工血管を滅菌するさらなる工程を含み得る。本方法は、本発明の織物基材
を含有する人工血管及び/又は医療機器を滅菌するさらなる工程を含み得る。
【0058】
人工血管は、ガンマ線滅菌プロセス、電子線滅菌プロセス、及びエチレンオキシド滅菌
プロセスのうちの少なくとも1つによって滅菌され得る。
【0059】
導管は、収縮状態と伸長状態との間で移動可能であり得る。導管は、複数のクリンプを
含み得る。導管は、例えば、導管又は人工器官を伸縮させるための可撓性を提供するため
に複数のクリンプを含み得る。
【0060】
マスキング剤を、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程は、少なくとも部分
的に、導管が、収縮状態、伸長状態にある状態で、及び/又は収縮状態と伸長状態との間
で移動されるときに行われ得る。
【0061】
シーラントを、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程は、少なくとも部分的
に、導管が、収縮状態、伸長状態にある状態で、及び/又は収縮状態と伸長状態との間で
移動されるときに行われ得る。
【0062】
本方法は、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加えられる、マスキング剤の量、及び
/又は又はシーラントの量を少なくとも部分的に決定するために、導管を計量するか、及
び/又は導管の長さを測定する1つ以上の工程を含み得る。
【0063】
マスキング剤を、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程は、導管にガスを提
供する工程を含み得る。
【0064】
ガスは、導管の壁の外面に向けられ得る。
【0065】
ガスは、空気であり得る。
【0066】
本方法は、導管に支持部材を加える工程を含み得る。
【0067】
支持部材は、導管の壁の外面に加えられ得る。
【0068】
支持部材は、導管の壁の外面に巻き付けられ得る。
【0069】
導管は、複数のクリンプを含んでいてもよく、支持部材は、複数のクリンプの間に入れ
子になるように配置され得る。
【0070】
導管に支持部材を加える工程は、導管にシーラントを加える工程の前に行われ得る。
【0071】
導管にシーラントを加える工程は、少なくとも部分的に、導管に支持部材を取り付ける
ために使用され得る。
【0072】
支持部材は、可撓性のポリマー部材であり得る。
【0073】
本方法は、導管が、実質的に異なる量のシーラントを上に含む少なくとも2つの部分を
含むように、導管の1つ以上の部分にシーラントを選択的に加える1つ以上の工程を含み
得る。
【0074】
人工血管は、可逆的にシール可能(reversibly sealable)であり
得る。マスキング剤は、導管から選択的に除去可能であり得る。マスキング剤は、導管に
加えられ、その後、導管から除去され得る。シーラントは、導管から選択的に除去可能で
あり得る。シーラントは、導管に加えられ、その後、導管から除去され得る。マスキング
剤及びシーラントは、導管から選択的に除去可能であり得る。マスキング剤及びシーラン
トは、導管に加えられ、その後、導管から除去され得る。
【0075】
本方法は、導管にシーラントを加える1つ以上の工程を含み得る。導管は、その長さに
わたって可変の可撓性を有するように構成され得る。本方法は、導管の1つ以上の部分に
シーラントを加えることによって、導管の1つ以上の部分の可撓性を低下させる工程を含
み得る。本方法は、導管が、実質的に異なる量のシーラントを上に含む少なくとも2つの
部分を含むように、導管の1つ以上の部分にシーラントを選択的に加える工程を含み得る
。本方法は、導管の1つ以上の部分にシーラントを選択的に加える1つ以上の工程を含み
得る。導管の1つ以上の部分にシーラントを選択的に加える1つ以上の工程は、シーラン
トを、導管上に存在するシーラント上に加えることを含み得る。この構成において、導管
の異なる部分が、異なる柔軟度を有するように構成され得る。
【0076】
人工血管は、ヒト又は動物の身体内に移植可能であるように構成可能であり得る。人工
血管は、ヒト又は動物の身体内に移植可能又は送達可能であるように構成可能であり得る
。人工血管は、ヒト又は動物の身体内に移植可能であるように構成され得る。人工血管は
、ヒト又は動物の身体内に移植可能又は送達可能であるように構成され得る。
【0077】
人工血管は、生体適合性であり得る。本明細書において使用される生体適合性という用
語は、ヒト又は動物の身体内への移植と適合する材料、すなわち、周囲組織に有害又は毒
性でなくヒト又は動物の身体に移植され得る材料に関する。人工血管は、生体適合性材料
から作製され得る。人工血管は、実質的に全体的に生体適合性材料から作製され得る。
【0078】
人工血管は、血管グラフトであり得る。人工血管は、可撓性であるように構成され得る
。人工血管は、可撓性であり得る。
【0079】
人工血管は、入口及び出口を有し得る。人工血管は、人工血管の入口から人工血管の出
口へと流体を流れさせるように構成可能であり得る。人工血管は、流体が人工血管から漏
出するのを防ぐように構成され得る。人工血管は、人工血管の入口から人工血管の出口へ
と流体を流れさせ、流体が人工血管から漏出するのを防ぐように構成され得る。シール層
を多孔性部分に加える工程は、流体が人工血管から漏出するのを防ぐように人工血管を構
成し得る。流体は液体であり得る。流体は血液であり得る。人工血管は、流体が人工血管
の導管の壁を通過するのを防ぐか及び/又は防止するようにそれが構成される限り、流体
が人工血管から漏出するのを防ぐか及び/又は防止するように構成され得ると理解される
であろう。
【0080】
シーラントを、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程は、導管を人工血管へ
と変換し得る。
【0081】
人工血管は、実質的に全体的にポリマー材料から作製され得る。
【0082】
人工血管は、血液が約300mmHg(40kPa)以下、任意に、約200mmHg
(26.7kPa)以下の血圧で人工血管から漏出するのを防ぐように構成され得る。
【0083】
導管は、ポリマー材料から作製され得る。導管は、ポリマー導管であり得る。導管は、
1つ以上のポリマーから作製され得る。導管は、織物導管であり得る。導管は、編まれた
導管であり得る。導管は、織物繊維から作製され得る。導管は、織物、ポリマー、繊維質
導管であり得る。導管は、ポリエステルを含み得る。導管は、ポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)を含み得る。導管は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含み得る
。導管は、ポリウレタン(PU)を含み得る。
【0084】
本方法は、導管に熱を加える工程を含み得る。本方法は、導管に熱を加えることによっ
て、導管の形状を変化させる工程を含み得る。
【0085】
導管は、ほぼ円筒形状であり得る。導管は、ほぼ管形状であり得る。導管は、約44m
m以下、任意に、約8mm〜約32mmの直径を有し得る。導管は、全体にわたってほぼ
均一な断面を有し得る。
【0086】
導管は、1つ以上のクリンプを含み得る。本方法は、1つ以上のクリンプを導管に加え
る工程を含み得る。本方法は、導管をフレーム部材上に取り付ける工程を含み得る。本方
法は、導管をフレーム部材に固着する工程を含み得る。フレーム部材は、導管を収縮状態
から伸長状態へと移動させるように構成可能であり得る。フレーム部材は、導管を伸長状
態から収縮状態へと移動させるように構成可能であり得る。収縮状態において、導管は、
導管の長さのcm当たり約7個のクリンプ〜導管の長さのcm当たり約10個のクリンプ
を含み得る。伸長状態において、導管は、導管の長さのcm当たり約4個のクリンプ〜導
管の長さのcm当たり約6個のクリンプを含み得る。
【0087】
導管は、綾織部分を含み得る。導管は、綾織導管であり得る。導管は、1/1綾織であ
り得る。導管は、平織部分を含み得る。導管は、平織導管であり得る。導管の緯糸ピック
数(pick−rate)は、約25ppcm〜約50ppcm、任意に、約36ppc
m〜約45ppcmであり得る。有用な糸は、マルチフィラメント糸を含み得る。
【0088】
導管又は医療用織物は、織布に限定されない。編布、編組布、布帛ウェブ、布帛フェル
ト、フィラメント紡糸織物などの他の織物構造が使用され得る。このような織物又は布帛
構成は、医療用途(血管及び非血管用途を含む)及び非医療用途の両方において、本発明
の方法、コーティング、及び/又はマスキング剤を用いて使用され得る。
【0089】
一般に、有用な糸材料としては、限定はされないが、ポリエステル、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、及びそれらの組合せが挙げ
られる。糸は、モノフィラメント、マルチフィラメント、又は紡糸タイプのものであり得
る。マルチフィラメント糸は、約8フィラメント〜約96繊維フィラメント、望ましくは
、約20フィラメント〜約40フィラメント、より望ましくは、約25フィラメント〜約
30フィラメントを含有し得る。糸は、約18デニール(約20デシテックス)〜約14
0デニール(約154デシテックス)、より望ましくは、約30デニール(約33デシテ
ックス)〜約60デニール(約67デシテックス)、より望ましくは、約40デニール(
約44デシテックス)〜約45デニール(50デシテックス)の線密度を有し得る。糸は
、扁平糸、撚糸、及び/又はテクスチャード加工糸であってもよく、高い、低い又は中程
度の収縮及び/又はバルク及びクリンプ特性を有し得る。撚糸は、S撚糸及びZ撚糸を含
む。インチ当たりの撚り数は、約2撚り/インチ(約0.8撚り/cm)〜約15撚り/
インチ(約6撚り/cm)、より望ましくは、約5撚り/インチ(約2撚り/cm)〜約
12撚り/インチ(約5撚り/cm)で変化し得る。望ましくは、糸は、単層糸(sin
gle ply yarn)又は多層糸(multi−ply yarn)である。多層
糸は、層又は束当たり約2本の糸から層又は束当たり約4本の糸を含有し得る。
【0090】
本発明の織物グラフトは、単純な平織、バスケット織り、綾織、ベロア織りなどを含む
、任意の公知の織目を用いた糸から織られ得る。織目は、織物製品の縦方向長さに沿って
延びる経糸、及び織物製品の幅又は外周の周りに延びる緯糸(fill yarn)とし
ても知られている緯糸(weft)を含む。経糸及び緯糸は、縦方向において機械から出
てくる布帛で、互いに約90度である。織目は、約80〜約325経糸/インチ(約30
〜約128本の経糸/cm)及び約80〜約200本の緯糸(fill)又は緯糸(we
ft yarn)/インチ(約30〜約80本の緯糸/cm)を有し得る。壁厚は、任意
の従来の有用な厚さ、例えば約0.04mm〜約1mmであり得る。
【0091】
編み(knitting)は、編まれた布帛構造を形成するためのインタールーピング
(interlooping)、又はループの縦の列(縦目)及び横の列(横目)への糸
の縫合を含む。縦編みでは、ループは、織物長さに沿って、すなわち、織物の縦目又は縦
方向に形成される。非限定的なステッチ数は、層当たり約20〜約60縦目/インチ(層
当たり約8〜約25縦目/cm)及び層当たり30〜80横目/インチ(層当たり約12
〜約32横目/cm)を含み得る。ステッチの非限定的な総数は、約600〜約5,00
0ステッチ/平方インチ(約100〜約900ステッチ/平方センチメートル)で変化し
得る。有用な編み目としては、限定はされないが、両面編み(トリコット又はジャージ編
みとも呼ばれる)、リバースロックニット、シャークスキン編み、クイーンズコード編み
(queenscord knit)、アトラス編み(atlas knit)、ベロア
編みなどが挙げられる。壁厚は、任意の従来の有用な厚さ、例えば約0.1mm〜約1.
5mmであり得る。
【0092】
導管は、1つ以上の入口を含み得る。導管は、1つ以上の出口を含み得る。導管は、Y
字型導管であり得る。導管は、T字型導管であり得る。導管は、円筒状、管状、Y字型、
T字型、及び多流路(multi−channel)の導管の1つ以上であり得る。導管
は、球根形状又は球根形状を有する部分を有し得る。このような球根形状は、限定はされ
ないが、バルサルバ大動脈基部形状を有し得る。しかしながら、本発明は、導管形状の織
物に限定されない。平面状又は成形されたシート又はテープなどの他の形状の織物が、本
発明に使用され得る。
【0093】
導管は、多孔性導管であり得る。導管は、例えば、120mmのHg圧力で0.16m
l/分/cm
2超の透水性を有する多孔性導管であり得る。
【0094】
導管の壁の内面は、その上での生体組織の成長を促進するように構成され得る。導管の
壁の内面は、その上で生体組織を成長させるように構成され得る。導管の壁の内面は、そ
の上での生体組織の成長を促進するように構成され得、少なくとも部分的に、シーラント
を実質的に含まない。導管の壁の内面は、偽内膜の成長を促進するように構成され得る。
導管の壁の内面は、その上で偽内膜の成長を起こすように構成され得る。導管の壁の内面
は、それに対する生体組織の付着を促進するように構成され得る。導管の壁の内面は、そ
れに生体組織を付着させるように構成され得る。導管の壁の内面は、それに対する血小板
の付着を促進するように構成され得る。
【0095】
導管の壁の内面は、繊維質であり得る。導管の壁の内面は、織物繊維を含み得る。導管
の壁の内面は、編組部分を含み得る。導管の壁の内面は、実質的に編組表面であり得る。
【0096】
マスキング剤は、犠牲層を形成し得る。マスキング剤は、マスキング層を形成し得る。
マスキング剤は、導管の少なくとも一部上に犠牲マスキング層を形成し得る。マスキング
剤は、導管に可逆的に適用可能であり得る。
【0097】
マスキング層は、疎油性層であり得る。
【0098】
マスキング剤は、導管の少なくとも一部に加えられ得る。マスキング剤は、導管の実質
的に全てに加えられ得る。マスキング剤は、導管の多孔性部分の実質的に全てに加えられ
得る。マスキング剤は、導管の壁の内面に加えられ得る。
【0099】
本方法は、導管からマスキング剤の少なくとも一部を除去するさらなる工程を含み得る
。本方法は、1つ以上のマスキング剤除去工程を含み得る。マスキング剤は、マスキング
剤リムーバーをマスキング剤に適用することによって、導管から除去され得る。
【0100】
本方法は、シーラントを、多孔性部分の少なくとも一部に加える工程の前に行われる第
1のマスキング剤除去工程を含み得る。本方法は、シーラントを、導管の多孔性部分の少
なくとも一部に加える工程の後に行われる第2のマスキング剤除去工程を含み得る。本方
法は、シーラントを、多孔性部分の少なくとも一部に加える工程の前に行われる第1のマ
スキング剤除去工程、及びシーラントを、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工
程の後に行われる第2のマスキング剤除去工程を含み得る。
【0101】
本方法は、導管の壁の外面から、マスキング剤の少なくとも一部を除去する工程を含み
得る。本方法は、シーラントの添加の前に、導管の壁の外面からマスキング剤の少なくと
も一部を除去する工程を含み得る。本方法は、導管の壁の外面の少なくとも一部が、マス
キング剤を含まないように、導管の壁の外面からマスキング剤の少なくとも一部を除去す
る工程を含み得る。この構成において、シーラントは、導管の壁の外面の少なくとも一部
に加えられ得る。
【0102】
導管の壁の外面からマスキング剤の少なくとも一部を除去する工程は、エッチング、プ
ラズマエッチング、アブレーション及び/又は研磨によって行われ得る。
【0103】
マスキング剤の少なくとも一部を除去する工程は、溶媒をマスキング剤に適用する工程
を含み得る。溶媒は水であり得る。
【0104】
本方法は、導管からマスキング剤の実質的に全てを除去する工程を含み得る。導管から
マスキング剤の実質的に全てを除去する工程は、シーラントを、導管の多孔性部分の少な
くとも一部に加える工程の後に行われ得る。マスキング剤の実質的に全てを除去する工程
は、導管の多孔性部分の少なくとも一部へのシーラントの添加の後に行われる場合、それ
が導管からのシーラントの除去をもたらさないように行われ得る。
【0105】
マスキング剤の実質的に全てを除去する工程は、溶媒をマスキング剤に適用する工程を
含み得る。溶媒は水であり得る。
【0106】
マスキング剤の少なくとも一部を除去する工程は、約15℃〜約140℃、任意に、約
15℃〜約95℃、任意に、約35℃〜約45℃、任意に、約40℃の温度で行われ得る
。マスキング剤の少なくとも一部を除去する工程は、約40分間〜約300分間、任意に
、約40分間〜約60分間、任意に、約45分間〜約55分間、任意に、約51分間にわ
たって行われ得る。
【0107】
マスキング剤の少なくとも一部を除去する工程は、導管にガスを適用することによって
行われ得る。マスキング剤の少なくとも一部を除去する工程は、蒸気を導管に適用するこ
とによって行われ得る。マスキング剤の少なくとも一部を除去する工程は、オートクレー
ブ中で行われ得る。
【0108】
本方法は、導管を撹拌する工程を含み得る。導管を撹拌する工程は、本方法の他の工程
のいずれかの間に行われ得る。マスキング剤の少なくとも一部を除去する工程は、溶媒を
含む溶液中で導管を撹拌しながら行われ得る。溶媒は水であり得る。
【0109】
導管に加えられるとき、マスキング剤は、マスキング剤層を形成し得る。マスキング剤
層は、ポリマー層であり得る。マスキング剤は、マスキング剤溶液を用いて導管に適用さ
れ得る。本方法は、マスキング剤溶液を導管に適用する工程を含み得る。本方法は、マス
キング剤溶液から溶媒を除去するさらなる工程を含み得る。
【0110】
マスキング剤溶液は、溶媒を含み得る。マスキング剤溶液は、極性溶媒を含み得る。マ
スキング剤溶液は、水を含み得る。
【0111】
マスキング剤溶液から溶媒を除去する工程は、マスキング剤溶液から溶媒を蒸発させる
ことによって行われ得る。本方法は、約15℃〜約80℃、任意に、約50℃〜約80℃
の温度で、マスキング剤溶液から溶媒を蒸発させるさらなる工程を含み得る。
【0112】
マスキング剤は、導管をマスキング剤に浸漬することによって、導管に加えられ得る。
マスキング剤は、導管をマスキング剤溶液に浸漬することによって、導管に加えられ得る
。マスキング剤は、導管を撹拌しながら導管をマスキング剤溶液に浸漬することによって
、導管に加えられ得る。マスキング剤は、最大で約1分間にわたって、導管を、マスキン
グ剤、又はマスキング剤溶液に浸漬することによって、導管に加えられ得る。マスキング
剤は、導管を撹拌しながら、最大で約1分間にわたって、導管を、マスキング剤、又はマ
スキング剤溶液に浸漬することによって、導管に加えられ得る。
【0113】
マスキング剤は、マスキング剤溶液を、導管の壁の内面に適用することによって、導管
に加えられ得る。マスキング剤は、マスキング剤溶液を、導管の壁の外面に適用すること
によって、導管に加えられ得る。
【0114】
マスキング剤は、導管をマスキング剤に浸漬することによって、導管をマスキング剤に
ディップすることによって、マスキング剤を導管上にスプレーコーティングすることによ
って、及び/又はマスキング剤を導管上にブラシ塗布することによって、導管に加えられ
得る。
【0115】
マスキング剤溶液は、マスキング剤を、導管の多孔性部分の少なくとも一部上に噴霧す
ることによって、導管に加えられ得る。
【0116】
マスキング剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)を含み得る。マスキング剤は、約6
,000g/mol〜約15,000g/mol、任意に、約8,000g/mol〜約
12,000g/mol、任意に、約10,000g/molの分子量を有するPVPを
含み得る。マスキング剤は、グリセロールを含み得る。マスキング剤は、PVP及びグリ
セロールを含み得る。
【0117】
マスキング剤は、水溶性であり得る。
【0118】
マスキング剤溶液は、PVP及び水を含み得る。マスキング剤溶液は、PVP、グリセ
ロール及び水を含み得る。
【0119】
マスキング剤は、溶液中の約3%w/v〜約30%w/vのポリマー、任意に、溶液中
の約5%w/v〜約30%w/vのポリマー、任意に、溶液中の約5%w/v〜約20%
w/vのポリマー、任意に、溶液中の約5%w/v〜約10%w/vのポリマー、任意に
、溶液中の約5%w/v〜約7%w/vのポリマー、任意に、溶液中の約7%w/vのポ
リマー、任意に、溶液中の約6%w/vのポリマー、任意に、溶液中の約5%w/vのポ
リマー、任意に、溶液中の約4%w/vのポリマー、任意に、溶液中の約3%w/vのポ
リマーを含み得る。マスキング剤は、溶液中の約3%w/v〜約80%w/vのポリマー
を含み得る。
【0120】
マスキング剤溶液は、溶液中の約3%w/vのPVP〜約30%w/vのPVP、任意
に、溶液中の約5%w/v〜約30%w/vのPVP、任意に、溶液中の約5%w/v〜
約20%w/vのPVP、任意に、溶液中の約5%w/v〜約10%w/vのPVP、任
意に、溶液中の約7%w/vのPVP、任意に、溶液中の約6%w/vのPVP、任意に
、溶液中の約5%w/vのPVP、任意に、溶液中の約4%w/vのPVP、任意に、溶
液中の約3%w/vのPVPを含み得る。
【0121】
マスキング剤溶液は、溶液中の約1%w/vのグリセロールを含み得る。マスキング剤
溶液は、溶液中の約6%w/vのPVP、及び溶液中の約1%w/vのグリセロールを含
み得る。マスキング剤溶液中のグリセロール対マスキング剤の比率は、約1%〜約100
%であり得る。マスキング剤溶液中のグリセロール対マスキング剤の比率は、約1%〜約
30%、任意に、約1.5%〜約30%、任意に、約5%〜約30%、任意に、約1%〜
約20%、任意に、約1%〜約15%、及び任意に、約1%〜約10%であり得る。
【0122】
マスキング剤は、メチルセルロースを含み得る。マスキング剤は、ポリ(エチレングリ
コール)(PEG)を含み得る。マスキング剤は、PEGヒドロゲルを含み得る。
【0123】
マスキング剤は、1つの生体適合性材料、又は複数の生体適合性材料から作製され得る
。マスキング剤を導管に適用することにより、生体適合性層が形成され得る。
【0124】
生分解する(biodegrade)、生分解性、生体吸収性(bioabsorba
ble)及び生体吸収性(bioresorbable)という用語は、本明細書におい
て、ヒト又は動物の身体内に移植されるときに時間とともに分解する材料を指すのに使用
される。
【0125】
マスキング剤は、生体吸収性、又は生分解性材料を含み得る。マスキング剤は、生分解
性であり得る。マスキング剤は、ヒト又は動物の身体内に移植されるときに生分解可能で
あるように構成され得る。マスキング剤は、ヒト又は動物の身体内に移植されるときに生
体吸収されるように構成され得る。マスキング剤は、生分解性ポリマーであり得る。マス
キング剤は、生分解性ポリマーを含み得る。マスキング剤は、生分解性であるように構成
可能であり得る。
【0126】
マスキング剤を、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程中、導管は、収縮状
態から伸長状態へと移動され得る。マスキング剤を、導管の多孔性部分の少なくとも一部
に加える工程中、導管は、伸長状態から収縮状態へと移動され得る。マスキング剤を、導
管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程は、導管が収縮状態と伸長状態との間で移
動されながら行われ得る。マスキング剤を、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える
工程は、導管が収縮状態にある状態で行われ得る。マスキング剤を、導管の多孔性部分の
少なくとも一部に加える工程は、導管が伸長状態にある状態で行われ得る。本方法の工程
の1つ以上が、導管が収縮状態と伸長状態との間で移動されながら行われ得る。
【0127】
収縮状態と伸長状態との間で導管を移動させる工程は、最大で約100%だけ導管を伸
長し得る。収縮状態と伸長状態との間で導管を移動させる工程は、約45%〜約55%だ
け導管を伸長し得る。収縮状態と伸長状態との間で導管を移動させる工程は、約50%だ
け導管を伸長し得る。収縮状態において、導管の長さは、約20%〜約80%、任意に、
約20%〜約40%、任意に、約40%〜約60%だけ、その完全に伸長した長さから減
少され得る。伸長状態において、導管の長さは、約20%〜約80%、任意に、約20%
〜約40%、任意に、約40%〜約60%だけ、その完全に伸長した長さから減少され得
る。
【0128】
マスキング剤を、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程は、ガスを導管に提
供することを含み得る。ガスは、導管の壁の外面に向かって流れるように構成され得る。
この構成において、マスキング剤を導管に加える工程により、マスキング剤は、導管の壁
の内面上に優先的に形成される。この構成において、導管の壁の外面は、マスキング剤を
実質的に含まないままであり得る。ガスは、空気であり得る。
【0129】
シーラントは、導管の多孔性部分を通る流体の流れが軽減されるように、導管の多孔性
部分を実質的にブロックするように構成され得る。シーラントは、導管の壁を通る流体の
移動を防止するか又は防ぐように構成され得る。流体は、血液であり得る。
【0130】
シーラントは、導管の壁の外面の少なくとも一部に加えられ得る。シーラントは、導管
の壁の外面の実質的に全てに加えられ得る。
【0131】
本方法は、シーラントを、導管の多孔性部分の少なくとも一部に加える工程が、マスキ
ング剤の除去をもたらさないように行われ得る。この構成において、シーラント及びマス
キング剤は、互いに適合性である。すなわち、シーラント及びマスキング剤は、シーラン
ト又はマスキング剤が、損傷されたり、又は、導管に適用されるとき、導管から除去され
たりせずに、互いに接触状態にあり得る。
【0132】
シーラントは、生体適合性であり得る。シーラントは、1つの生体適合性材料、又は複
数の生体適合性材料から作製され得る。シーラントは、シール層を形成し得る。シール層
は、生体適合性層であり得る。シーラントは、生体適合性層を形成し得る。
【0133】
シーラントは、ポリマーであり得る。シール層は、ポリマー層であり得る。シーラント
は、ポリウレタンを含み得る。シーラントは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含み得
る。シーラントは、シリコーンを含み得る。シーラントは、ポリウレタン及びシリコーン
を含み得る。シーラントは、TPU及びシリコーンを含み得る。シーラントは、脂肪族ポ
リカーボネートを含み得る。シーラントは、ポリウレタン及び脂肪族ポリカーボネートを
含み得る。シーラントは、TPU及び脂肪族ポリカーボネートを含み得る。シーラントは
、室温硬化型(RTV)シリコーンを含み得る。シーラントは、RTVシリコーンエラス
トマーを含み得る。シーラントは、ポリカーボネートを含み得る。シーラントは、1つ以
上の熱可塑性エラストマーを含み得る。
【0134】
シーラント溶液は、ポリウレタンを含み得る。シーラント溶液は、TPUを含み得る。
シーラント溶液は、シリコーンを含み得る。シーラント溶液は、ポリウレタン及びシリコ
ーンを含み得る。シーラント溶液は、TPU及びシリコーンを含み得る。シーラント溶液
は、脂肪族ポリカーボネートを含み得る。シーラント溶液は、ポリウレタン及び脂肪族ポ
リカーボネートを含み得る。シーラント溶液は、TPU及び脂肪族ポリカーボネートを含
み得る。シーラント溶液は、RTVシリコーンを含み得る。シーラント溶液は、RTVシ
リコーンエラストマーを含み得る。シーラント溶液は、ポリカーボネートを含み得る。シ
ーラント溶液は、1つ以上の熱可塑性エラストマーを含み得る。
【0135】
有機溶媒は、非プロトン性溶媒であり得る。有機溶媒は、非極性溶媒であり得る。シー
ラント溶液は、ヘプタンを含み得る。シーラント溶液は、キシレンを含み得る。シーラン
ト溶液は、シリコーン及びヘプタンを含み得る。シーラント溶液は、シリコーン及びキシ
レンを含み得る。シーラント溶液は、RTVシリコーンエラストマー及びヘプタンを含み
得る。シーラント溶液は、RTVシリコーンエラストマー及びキシレンを含み得る。シー
ラント溶液は、ポリウレタン及びヘプタンを含み得る。シーラント溶液は、ポリウレタン
及びキシレンを含み得る。シーラント溶液は、ポリカーボネート及びヘプタンを含み得る
。シーラント溶液は、ポリカーボネート及びキシレンを含み得る。
【0136】
シーラント溶液は、極性溶媒を含み得る。シーラント溶液は、ジメチルアセトアミド(
DMAC)を含み得る。シーラント溶液は、テトラヒドロフラン(THF)を含み得る。
シーラント溶液は、TPU及びDMACを含み得る。シーラント溶液は、熱可塑性ポリウ
レタン及びTHFを含み得る。
【0137】
シーラントは、環境応力亀裂を軽減するように構成可能であり得る。シーラントは、導
管に適用されるとき、環境応力亀裂を軽減するように構成され得る。
【0138】
本方法は、シーラントから溶媒を除去する工程を含み得る。本方法は、シーラント溶液
から溶媒を除去する工程を含み得る。溶媒を除去する工程は、シーラントから溶媒を蒸発
させることによって行われ得る。溶媒を除去する工程は、シーラント溶液から溶媒を蒸発
させることによって行われ得る。
【0139】
シーラントは、シーラントを導管上にブラシ塗布することによって、導管に加えられ得
る。シーラントは、シーラントを導管上にスプレーコーティングすることによって、導管
に加えられ得る。シーラントは、導管をシーラントにディップすることによって、導管に
加えられ得る。シーラントは、シーラントを導管上に鋳造することによって、導管に加え
られ得る。シーラントは、導管をシーラントに浸漬することによって、導管に加えられ得
る。シーラントは、蒸着によって加えられ得る。シーラントは、化学蒸着によって加えら
れ得る。シーラントは、静電紡糸及び/又はフィラメント紡糸によって加えられ得る。シ
ーラントは、シーラントで導管をワイプすることによって、導管に加えられ得る。シーラ
ントは、導管がその縦方向軸の周りで回転されながら、導管に加えられ得る。シーラント
は、導管が、最大で約2,000rpm、任意に、700rpm〜2,000rpm、任
意に、約40rpm〜約80rpm、任意に、約60rpmで、その縦方向軸の周りで回
転されながら、導管に加えられ得る。
【0140】
マスキング剤及びシーラントを適用する前に、織物、医療用織物又は医療機器(例えば
人工器官)の表面は、エラストマーで表面処理され得る。エラストマーは、シーラントと
同じエラストマーであってもよく、又はそれは、異なるエラストマーであってもよい。こ
のような表面処理は、エラストマーが織物の壁に確実に浸透しないように、エラストマー
の非常に軽い適用であるように設計される。このような表面処理は、軽い表面噴霧、選択
領域コーティング又は硬化前の薄い弾性繊維の適用によって適用され得る。例えば、エラ
ストマーのスポットは、長さ及び半径に沿って配置され得る。表面処理の目的は、過剰な
マスキング剤が非意図的にシーラントに干渉する場合に、シーラントが確実に付着する場
所を有するようにすることである。表面処理は、マスキング剤を弾くため、シーラントの
ための結合/付着部位を提供する。
【0141】
表面処理はまた、例えば、織物におけるシール剤の付着を促進するために、織物の特性
を変化させるために使用され得る。これは、織物におけるシーラントの向上した固定のた
めに、織物における化学的付着特性を変化させるための表面活性化を含み得る。さらに、
織物の部分の親水性及び/又は疎水性はまた、マスキング剤及び/又はシーラントの向上
した吸引及び/又は反発のために変性され得る。非限定的な技術としては、限定はされな
いが、プラズマ発生(低圧又は真空発生を含む)、大気圧発生、高圧発生(例えば、グロ
ー放電発生、コロナ放電発生、誘電体バリア放電発生などを含む)の使用が挙げられる。
さらに、紫外線照射及びレーザー処理が使用され得る。マスキング剤及び/又はシーラン
トを適用する前のこのような前処理(preconditioning)は、織物基材の
物理的及び/又は化学的変性によって、シーラント結合を促進し得る。さらに、織物パタ
ーン自体が、隆起した糸(raised yarn)がグラフトへのシーラント固定のた
めのより大きいアクセス点を提供する隆起した糸又はベロア表面を提供するように、浮き
上がる糸のより高い程度を含むように変更され得る。
【0142】
シーラントを導管に加える工程中、導管は、収縮状態から伸長状態へと移動され得る。
シーラントを導管に加える工程中、導管は、伸長状態から収縮状態へと移動され得る。シ
ーラントを導管に加える工程中、導管は、収縮状態と伸長状態との間で移動され得る。
【0143】
導管にシーラントを加える工程は、少なくとも部分的に、導管が収縮状態にあるときに
行われ得る。導管にシーラントを加える工程は、少なくとも部分的に、導管が伸長状態に
あるときに行われ得る。導管にシーラントを加える工程は、少なくとも部分的に、導管が
、収縮状態と伸長状態との間で移動されるときに行われ得る。
【0144】
収縮状態と伸長状態との間で導管を移動させる工程は、最大で約100%だけ導管を伸
長し得る。収縮状態と伸長状態との間で導管を移動させる工程は、約45%〜約55%だ
け導管を伸長し得る。収縮状態において、導管の長さは、約20%〜約80%、任意に、
約20%〜約40%、任意に、約40%〜約60%だけ、その完全に伸長した長さから減
少され得る。伸長状態において、導管の長さは、約20%〜約80%、任意に、約20%
〜約40%、任意に、約40%〜約60%だけ、その完全に伸長した長さから減少され得
る。
【0145】
シーラントは、導管に適用された後、約4mg/cm
2〜19mg/cm
2のシリコー
ン、任意に、約8mg/cm
2を含み得る。
【0146】
本方法は、人工血管を乾燥させるさらなる工程を含み得る。人工血管を乾燥させるさら
なる工程は、約15℃〜約45℃の温度で行われ得る。人工血管を乾燥させるさらなる工
程は、導管からマスキング剤の少なくとも一部を除去する工程の後に行われ得る。人工血
管を乾燥させるさらなる工程は、シーラントを導管に加える工程の後に行われ得る。乾燥
工程は、少なくとも部分的に、人工血管から、水などの残留溶媒を除去するように構成さ
れ得る。
【0147】
人工血管を乾燥させるさらなる工程は、ガスを人工血管に提供する工程を含み得る。ガ
スは、空気であり得る。
【0148】
本方法は、複数の乾燥工程を含み得る。
【0149】
この乾燥工程又はその各々が、約15℃〜約45℃の温度で行われ得る。
【0150】
本方法は、導管を計量する工程を含み得る。導管を計量する工程は、マスキング剤を導
管に加える工程の前に行われ得る。導管を計量する工程は、導管にシーラントを加える工
程の前に行われ得る。導管を計量する工程は、少なくとも部分的に、導管に適用されるマ
スキング剤の量を決定するために使用され得る。導管を計量する工程は、少なくとも部分
的に、導管に適用されるシーラントの量を決定するために使用され得る。
【0151】
本方法は、導管の長さを測定する工程を含み得る。導管の長さの測定が、少なくとも部
分的に、導管に加えられるマスキング剤の量を決定するために使用され得る。導管の長さ
の測定が、少なくとも部分的に、導管に加えられるシーラントの量を決定するために使用
され得る。
【0152】
導管の重量、及び導管の長さは、少なくとも部分的に、導管に加えられるマスキング剤
の量を決定するために使用され得る。導管の重量、及び導管の長さは、少なくとも部分的
に、導管に加えられるシーラントの量を決定するために使用され得る。
【0153】
支持部材は、導管の壁に加えられ得る。支持部材は、導管の壁の内面に加えられ得る。
支持部材は、導管の壁の内面及び外面に加えられ得る。シーラントは、支持部材を導管に
取り付けるように構成され得る。この構成において、支持部材は、導管に加えられ、次に
、シーラントは、導管をシールし、支持部材を導管に取り付けるために、導管に加えられ
る。
【0154】
支持部材は、ケーブル、ワイヤなどであり得る。支持部材は、ポリマー材料、金属材料
、形状記憶合金、及び超弾性合金のうちの少なくとも1つを含み得る。支持部材は、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、シリコーン、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、及びニッケルチタン(ニチノール)
のうちの少なくとも1つを含み得る。支持部材は、可撓性部材であり得る。支持部材は、
導管に巻き付けられることが可能であり得る。支持部材は、導管のクリンプの間に入れ子
になるように配置され得る。支持部材は、可撓性のポリマーワイヤであり得る。支持部材
は、形状記憶の金属又はポリマー部材などの、金属又はポリマー部材であり得る。支持部
材は、導管の内側部分、導管の外側部分、導管の織物壁内、及びそれらの組合せに配置さ
れ得る。支持部材は、シーラントによって導管に固定されてもよく、例えば、シーラント
は、支持部材を封入してもよく、又は支持部材は、シーラントに埋め込まれ得る。ある実
施形態において、支持部材は、縫合、接着などの他の手段によって、導管に固定され得る
。支持部材は、縦方向に、半径方向に又はそれらの組合せで、導管の周りに配置され得る
。
【0155】
支持部材は、生体適合性であり得る。
【0156】
人工血管は、1つ以上のさらなる人工器官(prosthesis)、又は人工器官(
prosthese)に連結可能であり得る。人工血管の入口は、さらなる人工器官の出
口に連結可能であり得る。人工血管の出口は、さらなる人工器官の入口に連結可能であり
得る。人工血管は、1つ以上の心臓弁、又は合成心臓弁に連結可能であり得る。人工血管
は、補助人工心臓、心室補助装置、左心室補助装置、及び/又は右心室補助装置、生体心
臓弁などに連結可能であり得る。さらなる人工器官は、生体心臓弁であり得る。
【0157】
人工血管は、1つ以上の血管に連結可能であり得る。人工血管は、縫合によって1つ以
上の血管に連結可能であり得る。
【0158】
人工血管は、切断された、又は罹患した血管の第1の末端と第2の末端との間に配置可
能であり得る。人工血管の入口は、切断された、又は罹患した血管の第1の末端に連結可
能であり得る。人工血管の出口は、切断された、又は罹患した血管の第2の末端に連結可
能であり得る。
【0159】
本方法は、人工血管を滅菌する工程を含み得る。人工血管を滅菌する工程は、ガンマ線
滅菌プロセスによって行われ得る。人工血管を滅菌するさらなる工程は、電子線滅菌プロ
セスによって行われ得る。人工血管を滅菌するさらなる工程は、エチレンオキシド滅菌に
よって行われ得る。本方法は、1つ以上の滅菌工程を含み得る。人工血管は、滅菌される
ことによって人工血管が損傷されたり又は構造的に変化したりしないように、滅菌される
ことが可能であるように構成され得る。人工血管を滅菌する工程は、ヒト又は動物の身体
内への移植に好適であるように人工血管を構成し得る。
【0160】
本発明の第2の態様によれば、
壁を含む導管であって、導管の壁が、内面及び外面を含み、導管の少なくとも一部が多
孔性である、導管を含む人工血管であって;
多孔性部分の少なくとも一部が、導管の壁を通る流体の移動を軽減するように構成され
るシーラントを含み;
導管の壁の内面が、シーラントを実質的に含まない、人工血管が提供される。
【0161】
シーラントは、導管の壁の外面の少なくとも一部にシール層を形成し得る。
【0162】
シーラントは、導管の壁の外面の実質的に全てにシール層を形成し得る。
【0163】
導管の実質的に全てが多孔性であり得る。
【0164】
導管の壁の内面は、その上での生体組織の内部成長を促進するように構成され得る。
【0165】
導管は、織物繊維ポリマー導管であり得る。
【0166】
シーラントは、シール層を形成し得、シール層はポリマー層である。
【0167】
シーラントは、シリコーン、室温硬化型シリコーン、熱可塑性ポリウレタン、脂肪族ポ
リカーボネート、1つ以上の熱可塑性エラストマー、及びポリカーボネートのうちの少な
くとも1つを含み得る。
【0168】
シーラントは、導管の壁を通る血液の移動を軽減するように構成され得る。
【0169】
人工血管は、滅菌され得る。
【0170】
人工血管は、ガンマ線滅菌プロセス、エチレンオキシド滅菌プロセス、及び電子線滅菌
プロセスのうちの少なくとも1つによって滅菌され得る。
【0171】
導管は、収縮状態と伸長状態との間で移動可能であり得る。
【0172】
導管は、支持部材を含み得る。
【0173】
支持部材は、導管の壁の外面に実質的に隣接して位置し得る。
【0174】
支持部材は、導管の壁の外面に巻き付けられ得る。
【0175】
導管は、複数のクリンプを含んでいてもよく、支持部材は、複数のクリンプの間に入れ
子になるように配置される。
【0176】
シーラントは、少なくとも部分的に、支持部材を導管に取り付けるように配置され得る
。
【0177】
支持部材は、可撓性のポリマー部材であり得る。
【0178】
導管は、実質的に異なる量のシーラントを上に有する少なくとも2つの部分を有するよ
うに構成され得る。
【0179】
本発明の第2の態様の実施形態は、本発明の第1の態様又はその実施形態の1つ以上の
特徴を含み得る。同様に、本発明の第1の態様の実施形態は、本発明の第2の態様又はそ
の実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。
【0180】
本発明の第3の態様によれば、人工血管を製造するためのパーツのキットであって、パ
ーツのキットが、
(i)壁を含む導管であって、導管の壁が、内面及び外面を含み、導管の少なくとも一
部が多孔性である、導管と;
(ii)マスキング剤と;
(iii)シーラントとを含み;
導管の多孔性部分の少なくとも一部に適用されるとき、マスキング剤が、導管の内面に
おけるシーラントの存在を軽減するように構成されており;
導管の多孔性部分の少なくとも一部に適用されるとき、シーラントが、導管の壁を通る
流体の移動を軽減するように構成されている、パーツのキットが提供される。
【0181】
導管の多孔性部分の少なくとも一部へのシーラントの添加により、導管の壁の外面の少
なくとも一部にシール層が形成され得る。
【0182】
導管の多孔性部分の少なくとも一部へのマスキング剤の添加により、導管の壁の内面の
少なくとも一部にマスキング剤層が形成され得る。
【0183】
導管の実質的に全てが多孔性であり得る。
【0184】
パーツのキットは、マスキング剤リムーバーを含んでいてもよく、マスキング剤リムー
バーが、導管から適用されたマスキング剤を除去するように動作可能である。
【0185】
マスキング剤リムーバーは、溶媒を含み得る。
【0186】
溶媒は、水を含み得る。
【0187】
マスキング剤リムーバーは、約15℃〜約140℃の温度で、導管から適用されたマス
キング剤を除去するように動作可能であり得る。
【0188】
パーツのキットは、研削器を含んでいてもよく、研削器が、導管から適用されたマスキ
ング剤を除去するように動作可能である。
【0189】
導管の壁の内面は、その上での生体組織の内部成長を促進するように構成され得る。
【0190】
マスキング剤は、ポリマーを含み得る。
【0191】
マスキング剤は、水溶性ポリマーを含み得る。
【0192】
導管に適用されたマスキング剤は、マスキング剤層を形成してもよく、マスキング剤層
はポリマー層である。
【0193】
マスキング剤は、ポリビニルピロリドン、グリセロール、メチルセルロース、及びポリ
(エチレングリコール)ヒドロゲルのうちの少なくとも1つを含み得る。マスキング剤は
、ポリビニルピロリドン、グリセロール、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、及
びポリ(エチレングリコール)ヒドロゲル、並びにコラーゲン及びゼラチンなどの本明細
書にさらに記載される生物学的製剤のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0194】
マスキング剤は、生体適合性であり得る。
【0195】
導管に適用されたマスキング剤は、生体適合性マスキング剤層を形成し得る。
【0196】
パーツのキットは、マスキング剤溶液を含んでいてもよく、マスキング剤溶液が、マス
キング剤を導管に適用するように動作可能である。
【0197】
マスキング剤溶液は、ポリマー溶液であり得る。
【0198】
導管は、マスキング剤溶液に浸漬可能であり得る。
【0199】
マスキング剤溶液は、溶液中の約5%w/vのポリマー〜溶液中の約30%w/vのポ
リマーを含み得る。
【0200】
マスキング剤及びシーラントが、導管に適用されるとき、シーラントは、導管へのシー
ラントの添加が、導管からの適用されたマスキング剤の除去をもたらさないように構成さ
れ得る。
【0201】
マスキング剤は、ヒト又は動物の身体内に移植されるときに生分解可能であるように構
成され得る。
【0202】
導管は、織物繊維ポリマー導管であり得る。
【0203】
シーラントは、ポリマー、任意に、水不溶性ポリマーを含み得る。
【0204】
シーラントは、導管に適用されるとき、シール層を形成してもよく、シール層はポリマ
ー層である。
【0205】
シーラントは、シリコーン、室温硬化型シリコーン、熱可塑性ポリウレタン、脂肪族ポ
リカーボネート、1つ以上の熱可塑性エラストマー、及びポリカーボネートのうちの少な
くとも1つを含み得る。
【0206】
パーツのキットは、シーラントを導管に適用するように動作可能なシーラント溶液を含
み得る。
【0207】
シーラント溶液は、ポリマー溶液であり得る。
【0208】
シーラント溶液は、有機溶媒を含み得る。
【0209】
シーラント溶液は、ヘプタン及びキシレンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0210】
パーツのキットは、シーラントを導管に適用するように動作可能なシーラントアプリケ
ータ、及び/又はマスキング剤を導管に適用するように動作可能なマスキング剤アプリケ
ータを含み得る。
【0211】
シーラントアプリケータは、シーラントをスプレーコーティングするための装置、及び
/又はブラシなどであり得る。
【0212】
マスキング剤アプリケータは、ブラシ、マスキング剤をスプレーコーティングするため
の装置、導管をマスキング剤にディップ若しくは浸漬するための装置、及び/又はマスキ
ング剤で導管をワイプするための装置であり得る。
【0213】
シーラントは、導管の多孔性部分の少なくとも一部に適用されるとき、導管の壁を通る
血液の移動を軽減するように構成され得る。
【0214】
導管は、収縮状態と伸長状態との間で移動可能であり得る。
【0215】
パーツのキットは、さらなる人工器官を含み得る。
【0216】
さらなる人工器官は、生体心臓弁、合成心臓弁、補助人工心臓、及び心室補助装置など
のうちの少なくとも1つであり得る。
【0217】
パーツのキットは、計量装置及び/又は導管の長さを測定するための装置を含み得る。
【0218】
パーツのキットは、ガスフローを導管に提供するように動作可能なガスフロー装置を含
み得る。
【0219】
ガスは、空気であり得る。
【0220】
本発明の第3の態様の実施形態は、本発明の第1及び/又は第2の態様及び/又はそれ
らの実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。同様に、本発明の第1及び/又は第2の態様
の実施形態は、本発明の第3の態様及び/又はその実施形態の1つ以上の特徴を含み得る
。
【0221】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第2の態様に係る人工血管を製造する方法が提
供される。
【0222】
本発明の第4の態様の実施形態は、本発明の第1、第2及び/又は第3の態様及び/又
はそれらの実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。同様に、本発明の第1、第2及び/又
は第3の態様の実施形態は、本発明の第4の態様及び/又はその実施形態の1つ以上の特
徴を含み得る。
【0223】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第1の態様の方法を用いて製造される人工血管
が提供される。
【0224】
本発明の第5の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3及び/又は第4の態様及
び/又はそれらの実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。同様に、本発明の第1、第2、
第3及び/又は第4の態様の実施形態は、本発明の第5の態様及び/又はその実施形態の
1つ以上の特徴を含み得る。
【0225】
本発明の第6の態様によれば、血管系であって、
本発明の第1の態様にしたがって製造される人工血管;及び
さらなる人工器官を含み;
人工血管は、流体が人工血管とさらなる人工器官との間で流れることができるように、
さらなる人工器官に連結される、血管系が提供される。
【0226】
さらなる人工器官は、生体心臓弁、合成心臓弁、補助人工心臓、及び心室補助装置など
のうちの少なくとも1つであり得る。
【0227】
さらなる人工器官は、左心室補助装置、右心室補助装置、及び/又は合成心臓弁などで
あり得る。
【0228】
本発明の第6の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4及び/又は第5の
態様及び/又はそれらの実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。同様に、本発明の第1、
第2、第3、第4、及び/又は第5の態様の実施形態は、本発明の第6の態様及び/又は
その実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。
【0229】
本発明の第7の態様によれば、血管系であって、
本発明の第2の態様に係る人工血管;及び
さらなる人工器官を含み;
人工血管は、流体が人工血管とさらなる人工器官との間で流れることができるように、
さらなる人工器官に連結される、血管系が提供される。
【0230】
さらなる人工器官は、生体心臓弁、合成心臓弁、補助人工心臓、及び心室補助装置など
のうちの少なくとも1つであり得る。
【0231】
さらなる人工器官は、左心室補助装置、右心室補助装置、及び/又は合成心臓弁などで
あり得る。
【0232】
本発明の第7の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4、第5及び/又は
第6の態様及び/又はそれらの実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。同様に、本発明の
第1、第2、第3、第4、第5及び/又は第6の態様の実施形態は、本発明の第7の態様
及び/又はその実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。
【0233】
本発明の第8の態様によれば、人工血管を移植する方法であって、
本発明の第1の態様にしたがって製造される人工血管を提供する工程と;
人工血管の入口を、第1の血管に連結する工程と;
人工血管の出口を、第2の血管に連結する工程とを含み;
血液が、人工血管を通って第1及び第2の血管の間で流れることができるようになって
いる、方法が提供される。
【0234】
第1及び第2の血管は、罹患した血管、又は切断された血管、二分割された血管などか
ら形成され得る。
【0235】
本発明の第8の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6及び
/又は第7の態様及び/又はそれらの実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。同様に、本
発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6及び/又は第7の態様の実施形態は、本発明
の第8の態様及び/又はその実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。
【0236】
本発明の第9の態様によれば、人工血管を移植する方法であって、
本発明の第2の態様に係る人工血管を提供する工程と;
人工血管を、第1の血管に連結する工程と;
人工血管を、第2の血管に連結する工程とを含み;
血液が、人工血管を通って第1及び第2の血管の間で流れることができるようになって
いる、方法が提供される。
【0237】
第1及び第2の血管は、罹患した血管、又は切断された血管、二分割された血管などか
ら形成され得る。
【0238】
本発明の第9の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第
7及び/又は第8の態様及び/又はそれらの実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。同様
に、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7及び/又は第8の態様の実施形
態は、本発明の第9の態様及び/又はその実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。
【0239】
本発明の第10の態様によれば、血管系を移植する方法であって、
血管系を提供する工程であって、血管系が、
本発明の第1の態様にしたがって製造される人工血管;及び
さらなる人工器官を含み;
人工血管が、さらなる人工器官に連結可能である、工程と;
血液がそれらの間で流れることができるように、人工血管を、さらなる人工器官に連結
する工程と;
血管の末端を、人工血管に連結する工程と;
さらなる人工器官を、心臓に連結する工程とを含み;
血液が、血管系を通って血管と心臓との間で流れることができるようになっている、方
法が提供される。
【0240】
さらなる人工器官は、心臓弁、補助人工心臓、及び/又は心室補助装置などであり得る
。さらなる人工器官は、左心室補助装置、右心室補助装置、及び/又は合成心臓弁などで
あり得る。
【0241】
本発明の第10の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、
第7、第8及び/又は第9の態様及び/又はそれらの実施形態の1つ以上の特徴を含み得
る。同様に、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8及び/又は第9
の態様の実施形態は、本発明の第10の態様及び/又はその実施形態の1つ以上の特徴を
含み得る。
【0242】
本発明の第11の態様によれば、血管系を移植する方法であって、
血管系を提供する工程であって、血管系が、
本発明の第2の態様に係る人工血管;及び
さらなる人工器官を含み;
人工血管が、さらなる人工器官に連結可能である、工程と;
血液がそれらの間で流れることができるように、人工血管を、さらなる人工器官に連結
する工程と;
血管の末端を、人工血管に連結する工程と;
さらなる人工器官を、心臓に連結する工程とを含み;
血液が、血管系を通って血管と心臓との間で流れることができるようになっている、方
法が提供される。
【0243】
さらなる人工器官は、生体心臓弁、合成心臓弁、補助人工心臓、及び心室補助装置など
のうちの少なくとも1つであり得る。
【0244】
さらなる人工器官は、左心室補助装置、右心室補助装置、及び/又は合成心臓弁などで
あり得る。
【0245】
本発明の第11の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、
第7、第8、第9及び/又は第10の態様及び/又はそれらの実施形態の1つ以上の特徴
を含み得る。同様に、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9
及び/又は第10の態様の実施形態は、本発明の第11の態様及び/又はその実施形態の
1つ以上の特徴を含み得る。
【0246】
本発明の第12の態様によれば、人工血管を製造する方法であって、
(i)壁を含む導管を提供する工程であって、導管の壁が、内面及び外面を含み、導管
の少なくとも一部が多孔性である、工程と;
(ii)マスキング剤を、多孔性部分の少なくとも一部に加える工程とを含み;
マスキング剤が、導管の壁を通る流体の移動を軽減するように構成される、方法が提供
される。
【0247】
本発明の第12の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、
第7、第8、第9、第10及び/又は第11の態様及び/又はそれらの実施形態の1つ以
上の特徴を含み得る。同様に、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第
8、第9、第10及び/又は第11の態様の実施形態は、本発明の第12の態様及び/又
はその実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。
【0248】
本発明の第13の態様によれば、
壁を含む導管であって、導管の壁が、内面及び外面を含み、導管の少なくとも一部が多
孔性である、導管を含む人工血管であって;
多孔性部分の少なくとも一部が、導管の壁を通る流体の移動を軽減するように構成され
るマスキング剤を含む、人工血管が提供される。
【0249】
本発明の第13の態様の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、
第7、第8、第9、第10、第11及び/又は第12の態様及び/又はそれらの実施形態
の1つ以上の特徴を含み得る。同様に、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、
第7、第8、第9、第10、第11及び/又は第12の態様の実施形態は、本発明の第1
3の態様及び/又はその実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。
【0250】
別の態様又は実施形態において、管状グラフトを製造する方法は、第1の開口端と反対
側の第2の開口端との間に配置され、内面及び反対側の外面が、その間の内壁部分を画定
する管状壁を含む織物を提供する工程であって、管状壁が、1つ以上のフィラメント若し
くは糸の織物構造を含み、織物構造自体が、液体に対して透過性である、工程と;実質的
に水溶性の材料を、管状壁の少なくとも一部に適用する工程と;実質的に水不溶性の合成
シーラントを、管状壁の外面の少なくとも一部に適用する工程であって、実質的に水不溶
性の合成シーラントが、導管の壁を通る流体の移動を軽減するように構成される、工程と
を含んでいてもよく;ここで、水溶性材料が、導管の内面へのシーラントの浸透を軽減す
るように構成される。
【0251】
水溶性材料を、管状壁の少なくとも一部に適用する工程は、水溶性材料を、管状壁の内
面の少なくとも一部及び内部の一部に適用することをさらに含み得る。水溶性材料を、管
状壁の少なくとも一部に適用する工程は、水溶性材料を、管状壁の外面の少なくとも一部
に適用することをさらに含み得る。
【0252】
水溶性材料は、水溶性材料及び溶媒の溶液であり得る。溶媒は、水、低級アルコール、
及びそれらの組合せからなる群から選択され得る。溶媒は、実質的に水不溶性の合成シー
ラントを適用する前に少なくとも部分的に除去され得る。
【0253】
本方法は、溶解、研磨、剥離、分解、及びそれらの組合せによる、水溶性材料の少なく
とも一部の除去をさらに含み得る。
【0254】
水溶性材料は、ポリビニルピロリドン、グリセロール、メチルセルロース、ポリ(エチ
レングリコール)、ポリ(エチレングリコール)ヒドロゲル、ポリエチレンオキシド、コ
ラーゲン、アルブミン、ゼラチン、及びそれらの組合せからなる群から選択され得る。水
溶性材料は、約400〜約1,000,000の分子量を有し得る。水溶性材料は、限定
はされないが、ポリ(エチレングリコール)、ポリエチレンオキシドなどの可塑剤を含み
得る。
【0255】
実質的に水不溶性の合成シーラントは、水分硬化性、光硬化性、熱硬化性、白金触媒、
嫌気性硬化性材料又はこれらの硬化機構の組合せからなる群から選択されるエラストマー
材料であり得る。エラストマー材料は、シリコーン、ポリウレタン、ポリカーボネート、
熱可塑性エラストマー、及びそれらの組合せからなる群から選択され得る。
【0256】
実質的に水溶性のコーティング又は実質的に水不溶性のコーティングのうちの1つ以上
は、着色剤、治療剤、染料、及び蛍光指示薬からなる群から選択される成分をさらに含み
得る。
【0257】
水溶性材料は、約6,000g/mol〜約15,000g/molの分子量を有する
ポリビニルピロリドンを含み得る。
【0258】
水溶性材料を適用することにより、管状壁の内面の実質的に全てに層が形成され得る。
【0259】
本方法は、実質的に水不溶性の合成シーラントを硬化することをさらに含み得る。
【0260】
本方法は、実質的に水不溶性の合成シーラントを硬化すること;及びその後、水溶性材
料の少なくとも一部を除去することをさらに含み得る。本方法は、管状壁の内面から水溶
性材料の実質的に全てを除去することをさらに含み得る。
【0261】
本方法は、実質的に水不溶性の合成シーラントを適用する前に、管状壁の外面の少なく
とも一部から水溶性材料の少なくとも一部を除去することをさらに含み得る。
【0262】
水溶性材料の少なくとも一部を除去することは、約15℃〜約140℃の温度で行われ
得る。
【0263】
水溶性材料の少なくとも一部を除去することは、それに溶媒を適用する工程をさらに含
み得る。溶媒は、水、低級アルコール、及びそれらの組合せを含み得る。
【0264】
管状織物は、水溶性材料の除去の間、撹拌、回転、紡糸、及び振とうなどを行われ得る
。
【0265】
水溶性材料の除去は、水溶性材料の溶解、エッチング、プラズマエッチング、アブレー
ション、研磨及びそれらの組合せを含み得る。
【0266】
水溶性材料を適用する工程は、水溶性材料を噴霧すること、水溶性材料をブラシ塗布す
ること、管状壁の少なくとも一部を、水溶性材料の溶液に浸漬すること、及びそれらの組
合せをさらに含み得る。
【0267】
実質的に水不溶性の合成シーラントは、ポリマー溶液であり得る。ポリマー溶液は、有
機溶媒を含み得る。有機溶媒は、ヘプタン及びキシレンのうちの少なくとも1つを含み得
る。
【0268】
実質的に水不溶性の合成シーラントは、実質的に水不溶性の合成シーラントを上にブラ
シ塗布、噴霧、ローラーコーティングすることによって適用され得る。
【0269】
本方法は、管状壁が、実質的に異なる量の実質的に水不溶性の合成シーラントを上に有
する少なくとも2つの部分を含むように、実質的に水不溶性の合成シーラントを、管状壁
の1つ以上の部分に選択的に適用する1つ以上の工程をさらに含み得る。
【0270】
実質的に水不溶性の合成シーラントのコーティングを有する管状壁は、その硬化後に、
液体に対して実質的に不透過性であり得る。実質的に水不溶性の合成シーラントの硬化の
後、管状壁は、120mmのHg圧力で約0.16ml/分/cm
2又は120mmのH
g圧力で0.16ml/分/cm
2未満の透水性を有し得る。
【0271】
別の態様又は実施形態において、織物は、第1の開口端と反対側の第2の開口端との間
に配置され、且つ内面及び反対側の外面を有する管状壁を含んでいてもよく、管状壁が、
1つ以上のフィラメント若しくは糸の織物構造を含み、織物構造自体が、液体に対して透
過性であり;内面の一部が、その上に実質的に水溶性の材料のコーティングを含み;外面
が、上に配置された実質的に水不溶性の合成シーラントのコーティングをさらに含み;実
質的に水不溶性の合成シーラントのコーティングを有する管状壁は、その硬化後に、液体
に対して実質的に不透過性である。
【0272】
水溶性材料は、ポリビニルピロリドン、グリセロール、メチルセルロース、ポリ(エチ
レングリコール)、ポリ(エチレングリコール)ヒドロゲル、ポリエチレンオキシド、及
びそれらの組合せからなる群から選択され得る。水溶性材料は、約400〜約1,000
,000の分子量を有し得る。
【0273】
水溶性材料のコーティングは、疎油性層を含み得る。
【0274】
水溶性材料は、約6,000g/mol〜約15,000g/molの分子量を有する
ポリビニルピロリドンを含み得る。
【0275】
水溶性材料は、ポリビニルピロリドン及びグリセロールを含み得る。
【0276】
実質的に水不溶性の合成シーラントは、水分硬化性、光硬化性、熱硬化性、白金触媒、
嫌気性硬化性材料又はこれらの硬化機構の組合せからなる群から選択されるエラストマー
材料であり得る。エラストマー材料は、シリコーン、ポリウレタン、ポリカーボネート、
熱可塑性エラストマー、及びそれらの組合せからなる群から選択され得る。
【0277】
実質的に水溶性のコーティング又は実質的に水不溶性のコーティングのうちの1つ以上
は、着色剤、治療剤、染料、及び蛍光指示薬からなる群から選択される成分を含み得る。
【0278】
実質的に水不溶性の合成シーラントの硬化の後、管状壁は、120mmのHg圧力で約
0.16ml/分/cm
2又は120mmのHg圧力で0.16ml/分/cm
2未満の
透水性を有し得る。
【0279】
織物構造は、1つ以上のフィラメント若しくは糸の織り、1つ以上のフィラメント若し
くは糸の編み、1つ以上のフィラメント若しくは糸の編組、及び1つ以上のフィラメント
若しくは糸のウェブからなる群から選択され得る。
【0280】
管状壁は、一連の頂部及び谷部を有する捲縮壁であり得る。実質的に水不溶性の合成シ
ーラントは、管状壁の面積のcm
2当たり約8mg又は管状壁の面積のcm
2当たり8m
g超で配置され得る。
【0281】
管状壁は、頂部及び谷部を実質的に含まない非捲縮壁であり得る。実質的に水不溶性の
合成シーラントは、管状壁の面積のcm
2当たり約4mg又は管状壁の面積のcm
2当た
り4mg超で配置され得る。
【0282】
実質的に水不溶性の合成シーラントは、管状壁の面積のcm
2当たり約14mg又は管
状壁の面積のcm
2当たり14mg未満で配置され得る。
【0283】
織物は、第1の軟質で可撓性の領域を提供するように、第1のレベルの実質的に水不溶
性の合成シーラントを有する管状壁の一部;及び第1の領域より剛性の第2の領域を提供
するように、第2のレベルの実質的に水不溶性の合成シーラントを有する管状壁の別の部
分を含んでいてもよく;ここで、実質的に水不溶性の合成シーラントの第2のレベルは、
実質的に水不溶性の合成シーラントの第1のレベルより多い。
【0284】
異なる領域が、デバイス(例えば人工器官又はグラフト)の長さに沿って形成され、様
々な用途及び身体構造に対応するように設計され得る。例えば、身体内でデバイスの機能
を適切に果たすため、並びに患者の生理学に合わせるために、デバイスが回転され、湾曲
され又はねじられる特定の必要性が存在し得る。蛇行した経路が、身体内に存在すること
が多く、本発明の医療機器は、このような部位に対応することができる。本開示及びその
実施形態の全ては、グラフトの全て、又は部分における1つ以上のシーラント層の形成に
よって、及びさらには本明細書にさらに記載される支持部材(これは、記載されるように
、シーラント材料に付着されるか又はシーラント材料に埋め込まれ得る)の組み込みによ
って、このような領域の形成を可能にする。記載されるように、支持部材は、ポリマー又
は金属であってもよく、細長い部材、コイル、ラップ、リング又はこのような形態の組合
せなどの様々な形態であり得る。本発明の全ての実施形態の重要な特徴は、シーラント材
料が、そのグラフト基材へのベースシーラント層の優れた付着性のため、さらなるコーテ
ィング又は支持部材のための基礎層として働くことが可能であることである。
【0285】
さらに、本発明及びその様々な実施形態は、シーラント表面の摩擦係数が、変化されて
、望ましくは、シーラントがそれ自体に粘着しないように十分に低く、及び/又は血管内
デバイスなどのデバイスにおいて使用されるほど十分に低くなり得、身体内で送達及び発
達を促進するのに十分な潤滑性を有するように、シーラント表面を調整することを想定し
ている。例えば、シーラント表面は、望ましくは、送達シースに滑り込み、それ自体で滑
り、それ自体に粘着せず、デバイスの他の部分、他のデバイス又は身体に粘着しない。こ
のような表面特性は、必要とされる所望の摩擦係数特性を提供するように、シーラント表
面を、潤滑性の基(lubricous group)又はコーティングで化学的又は物
理的に改変することによって与えられ得る。このような表面特性は、本発明においてシー
ラントが有する他の特性に加えられ得る。
【0286】
実質的に水不溶性の合成シーラントのコーティングの少なくとも一部は、1つ以上のフ
ィラメント若しくは糸の少なくとも一部に関与し得る。
【0287】
織物構造は、移植可能な医療機器であり得る。移植可能な医療機器は、外科用血管グラ
フト、及び血管内グラフト、補助人工心臓、人工心臓導管、メッシュ、パッチ、ヘルニア
プラグ、血管ラップ、心臓弁、フィルタなどからなる群から選択され得る。
【0288】
織物構造は、カテーテルなどの送達用医療機器であり得る。
【0289】
別の実施形態において、織物構造は、反対側の第1及び第2の表面及び長さを有する流
体透過性ポリマー織物層と;硬化されたときに、液体透過性ポリマー織物層を流体に対し
て実質的に不透過性にするように構成された第1の織物表面上の架橋性水不溶性合成エラ
ストマー層と;第2の織物表面上の実質的に乾燥された水溶性ポリマー層とを含んでいて
もよく;水溶性ポリマー層が、第2の表面上への水不溶性合成エラストマー層の移動を実
質的に阻害し;水溶性ポリマー層が、水への曝露によって実質的に除去可能である。
【0290】
別の実施形態において、織物構造は、反対側の第1及び第2の表面及び長さを有する流
体透過性ポリマー織物層と;硬化されたときに、液体透過性ポリマー織物層を流体に対し
て実質的に不透過性にするように構成された第1の織物表面上の架橋性水不溶性合成エラ
ストマー層と;第2の織物表面上の実質的に乾燥された水溶性ポリマー層とを含んでいて
もよく;水溶性ポリマー層が、第2の表面上への水不溶性合成エラストマー層の移動を実
質的に阻害し;水溶性ポリマー層が、水への曝露によって実質的に除去可能である。架橋
性水不溶性エラストマーポリマー対水溶性ポリマーの重量比が、約0.1:1〜約100
:1(約1:1〜約20:1を含む)であり得る。
【0291】
別の実施形態において、織物構造は、反対側の第1及び第2の表面及び長さを有する流
体透過性ポリマー織物層と;実質的に流体不透過性のバリアを形成する第1の織物表面上
の架橋水不溶性エラストマーポリマー層であって、弾性収縮によって第1の織物表面に付
着される架橋水不溶性エラストマー層と;第2の織物表面上で乾燥される水溶性ポリマー
層とを含んでいてもよく;架橋水不溶性エラストマーポリマー対水溶性ポリマーの重量比
が、約0.1:1〜約100:1であり得る。架橋水不溶性エラストマーポリマー対水溶
性ポリマーの重量比が、約1:1〜約20:1であり得る。
【0292】
別の実施形態において、グラフトは、第1の開口端と反対側の第2の開口端との間に配
置され、且つ内面及び反対側の外面を有する管状壁を含んでいてもよく、管状壁が、1つ
以上のフィラメント若しくは糸の織物構造を含み;外面が、その上に配置された実質的に
水不溶性のシーラントのコーティング又は層を含み;内面が、実質的に水不溶性のシーラ
ントを実質的に含まず;管状壁が、120mmのHg圧力で約0.16ml/分/cm
2
又は120mmのHg圧力で0.16ml/分/cm
2未満の透水性を有する。織物構造
は、1つ以上のフィラメント若しくは糸の織り、1つ以上のフィラメント若しくは糸の編
み、1つ以上のフィラメント若しくは糸の編組、及び1つ以上のフィラメント若しくは糸
のウェブからなる群から選択され得る。
【0293】
コーティング又は層は、内面と反対側の外面との間の管状壁の中間部分内に配置され得
る。
【0294】
管状壁は、一連の頂部及び谷部を有する捲縮壁であり得る。実質的に水不溶性のシーラ
ントは、管状壁の面積のcm
2当たり約8mg又は管状壁の面積のcm
2当たり8mg超
で配置され得る。
【0295】
管状壁は、頂部及び谷部を実質的に含まない非捲縮壁であり得る。実質的に水不溶性の
シーラントは、管状壁の面積のcm
2当たり約4mg又は管状壁の面積のcm
2当たり4
mg超で配置され得る。
【0296】
実質的に水不溶性のシーラントは、管状壁の面積のcm
2当たり約14mg又は管状壁
の面積のcm
2当たり14mg未満で配置され得る。
【0297】
実質的に水不溶性のシーラントは、水分硬化性、光硬化性、熱硬化性、白金触媒、嫌気
性硬化性材料又はこれらの硬化機構の組合せからなる群から選択されるエラストマー材料
であり得る。エラストマー材料は、シリコーン、ポリウレタン、ポリカーボネート、熱可
塑性エラストマー、及びそれらの組合せからなる群から選択され得る。
【0298】
実質的に水溶性のコーティング(マスキング剤コーティング若しくは層)又は実質的に
水不溶性のコーティング(シーラントコーティング若しくは層)のうちの1つ以上は、着
色剤、治療剤、染料、及び蛍光指示薬からなる群から選択される成分を含み得る。
【0299】
実質的に水不溶性のシーラント(シーラントコーティング若しくは層)は、シリコーン
、室温硬化型シリコーン、熱可塑性ポリウレタン、脂肪族ポリカーボネート、1つ以上の
熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート、及びそれらの組合せからなる群から選択され
得る。
【0300】
グラフトは、第1の軟質で可撓性の領域を提供するように、第1の量の実質的に水不溶
性のシーラント(シーラントコーティング又は層)を有する管状壁の一部;及び第1の領
域より剛性の第2の領域を提供するように、第2の量の実質的に水不溶性のシーラント(
シーラントコーティング又は層)を有する管状壁の別の部分を含んでいてもよく;実質的
に水不溶性のシーラント(シーラントコーティング又は層)の第2の量が、実質的に水不
溶性のシーラント(シーラントコーティング又は層)の第1の量より多い。グラフトは、
複数の軟質の可撓性の領域及びより剛性の領域を有する複数の領域を含み得る。異なる領
域は、グラフト上に工学的構造を構築するための基礎として働き得る。
【0301】
別の実施形態において、移植可能又は送達可能な医療用織物は、織物構造を有し、且つ
第1の表面及び反対側の第2の表面を有する壁を含んでいてもよく;第2の表面が、その
上に配置された実質的に水不溶性のシーラントのコーティングを含み;第1の表面が、実
質的に水不溶性のシーラントを実質的に含まず;壁が、120mmのHg圧力で約0.1
6ml/分/cm
2又は120mmのHg圧力で0.16ml/分/cm
2未満の透水性
を有する。
【0302】
選択的に適用された水不溶性シーラント層及び/又は選択的に適用された水溶性マスキ
ング剤層を有する移植可能又は送達可能な医療用織物を製造するためのアセンブリは、あ
る長さ、この長さの一部内に配置された中空管腔、少なくとも1つの開口端、及び壁を通
る複数の穿孔を有するマンドレルと;マンドレルの開放管腔と流体連通するリザーバと;
リザーバ内に配置された水溶性ポリマーとを含む。アセンブリは、複数の穿孔を有するマ
ンドレルの一部にわたって固定して配置された管状グラフトをさらに含み得る。アセンブ
リは、マンドレルの中空管腔と流体連通する真空源、及びマンドレルの中空管腔及びリザ
ーバ及び/又は真空源の間で選択的な流体連通を提供するように構成されるマニホールド
をさらに含み得る。アセンブリは、マンドレルの中空管腔と流体連通する加圧された及び
/又は吹き込まれた空気の供給源をさらに含み得る。
【0303】
しかしながら、本発明の実施形態は、人工血管に限定されず、本方法、コーティング及
びマスキング剤は、限定はされないが、衣類、ジオテキスタイル、交通輸送機関用テキス
タイル、軍事用及び/又は防護用テキスタイル、安全及び/又は保護用テキスタイル、ス
ポーツ及び/又は娯楽用テキスタイルなどの、医療用及び非医療用繊維製品を含む他の繊
維製品に好適に使用され得る。さらに、繊維製品は、管状導管に限定されず、例えば、シ
ート、テープ、或いは3次元形状製品を含むがこれらに限定されない任意の形状のもので
あり得る。
【0304】
本明細書に記載される本発明の様々な態様の実施形態は、本発明の他の態様及び/又は
それらの実施形態の1つ以上の特徴を含み得る。
【0305】
ここで、本発明の実施形態は、例として、図面を参照して説明される。