特開2021-120256(P2021-120256A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-120256オートマチック車のシフト位置報知装置
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  • 特開2021120256-オートマチック車のシフト位置報知装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-120256(P2021-120256A)
(43)【公開日】2021年8月19日
(54)【発明の名称】オートマチック車のシフト位置報知装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 23/00 20060101AFI20210726BHJP
   B60K 20/02 20060101ALI20210726BHJP
   G05G 25/00 20060101ALI20210726BHJP
   F16H 59/08 20060101ALI20210726BHJP
   F16H 61/18 20060101ALI20210726BHJP
【FI】
   B60K23/00 H
   B60K23/00 A
   B60K20/02 Z
   G05G25/00 C
   F16H59/08
   F16H61/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-14054(P2020-14054)
(22)【出願日】2020年1月30日
(71)【出願人】
【識別番号】520037348
【氏名又は名称】片山 博章
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】片山博章
【テーマコード(参考)】
3D036
3D040
3J070
3J552
【Fターム(参考)】
3D036AA09
3D036CA02
3D040AA13
3D040AA33
3D040AA40
3D040AB01
3D040AE19
3D040AF07
3D040AF29
3J070AA03
3J070BA41
3J070BA51
3J070DA01
3J070EA11
3J552NA01
3J552PA18
3J552QC04
3J552RA19
3J552TB13
3J552VA62W
3J552VA62X
(57)【要約】
【課題】運転者に対する注意喚起を高め、誤操作による事故を一層減少させることのできるオートマチック車のシフト位置報知装置を提供する。
【解決手段】オートマチック車におけるシフト位置を検出するシフト位置検出手段10と、オートマチック車の運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した報知音声を記憶する報知音声記憶手段20と、シフト位置検出手段10で検出されたシフト位置に応じた報知音声を出力する報知音声出力手段30と、シフト位置検出手段10によりシフト位置が検出されたとき、報知音声記憶手段20に記憶された運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した報知音声を、報知音声出力手段に出力させる制御手段と、を備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートマチック車におけるシフト位置を検出するシフト位置検出手段(10)と、
前記オートマチック車の運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、前記シフト位置に対応した報知音声を記憶する報知音声記憶手段(20)と、
前記シフト位置検出手段(10)で検出されたシフト位置に応じた報知音声を出力する報知音声出力手段(30)と、
前記シフト位置検出手段(10)によりシフト位置が検出されたとき、前記報知音声記憶手段(20)に記憶された運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した報知音声を、前記報知音声出力手段(30)に出力させる制御手段(40)と、
を備えたことを特徴とするオートマチック車のシフト位置報知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートマチック車のシフト位置報知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、運転者がシフトレバーのバックギヤの位置を確実に確認できて、誤作動による事故を未然に防止できるようにするために、コンソールボックス1内に設けられた変速位置表示板3のリバース位置上に、メロディや言葉等の音が発生する音声発生器9を取り付けると共に、変速位置表示板3に沿って前後方向へ揺動するシフトレバー7の基端部に、リバース位置通過時に音声発生器9を作動させるマグネットセンサ8を取り付けた、シフトレバーのバックギヤ位置確認装置が知られている。
【0003】
また、例えば特許文献2に見られるように、「ドライバーがうっかりして前進レンジと後退レンジを間違ってシフトする場合があり、この場合車は意に反して所望の方向と反対方向に動くため、慌てて誤操作してしまうおそれがある。」との問題点に着目してなされた、
「シフトレバ−の各レンジに対応する位置で異なる音を発生する発音装置を設けたオートマチックトランスミッションのコントロールデバイス」が知られている。
【0004】
これらの従来技術によれば、運転者に対して、シフトレバーが前進位置又は後退位置にあることを、音や音声にて報知し、注意喚起することができるので、シフトレバーの誤操作による事故の減少を期待することができる。
【0005】
しかし従来技術による注意喚起は、当該装置のメーカーが予め定めた音や音声によるもので、いわば「お仕着せ」の音源であるため、運転者にとっての注意喚起が十分であるとは言いがたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平03−28924号公報
【特許文献2】特開平01−12924号号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、運転者に対する注意喚起を高め、誤操作による事故を一層減少させることのできるオートマチック車のシフト位置報知装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のオートマチック車のシフト位置報知装置は、
オートマチック車におけるシフト位置を検出するシフト位置検出手段と、
前記オートマチック車の運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、前記シフト位置に対応した報知音声を記憶する報知音声記憶手段と、
前記シフト位置検出手段で検出されたシフト位置に応じた報知音声を出力する報知音声出力手段と、
前記シフト位置検出手段によりシフト位置が検出されたとき、前記報知音声記憶手段に記憶された運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した報知音声を、前記報知音声出力手段に出力させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
このオートマチック車のシフト位置報知装置によれば、
事前に、オートマチック車の運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した報知音声を、報知音声記憶手段に記憶させておくことができる。
そして、オートマチック車の運転時には、シフト位置検出手段によりシフト位置が検出されたとき、制御手段により、報知音声記憶手段に記憶された運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した報知音声が前記報知音声出力手段で出力させられることとなる。
すなわち、このオートマチック車のシフト位置報知装置によれば、シフト位置に対応した報知音声が、「お仕着せの」音声ではなく、運転者自身又は運転者の親族、知人の声による報知音声となり、この報知音声は事前に、報知音声記憶手段に記憶させておくことができるので、運転者にとって最も注意喚起力の高い報知音声とすることができる。
したがって、このオートマチック車のシフト位置報知装置によれば、運転者に対する注意喚起を高め、誤操作による事故を一層減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るオートマチック車のシフト位置報知装置の実施の形態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るオートマチック車のシフト位置報知装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、この実施の形態のオートマチック車のシフト位置報知装置1は、
オートマチック車(図示せず)におけるシフト位置を検出するシフト位置検出手段10と、
オートマチック車の運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した報知音声Vを記憶する報知音声記憶手段20と、
シフト位置検出手段10で検出されたシフト位置に応じた報知音声Vを出力する報知音声出力手段30と、
シフト位置検出手段10によりシフト位置が検出されたとき、報知音声記憶手段20に記憶された運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した報知音声Vを、報知音声出力手段30に出力させる制御手段40と、
を備えている。
【0013】
このオートマチック車のシフト位置報知装置1によれば、
事前に、オートマチック車の運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した報知音声を、報知音声記憶手段20に記憶させておくことができる。
【0014】
例えば、
シフト位置が前進位置である場合に対応した報知音声として、「前進します!」
シフト位置が後退位置である場合に対応した報知音声として、「後退します!」
という報知音声を報知音声記憶手段20に記憶(録音)させておくことができる。
【0015】
そして、これらの報知音声は、運転者にとって最も注意喚起力の高い報知音声、例えば運転者の配偶者、運転者の子供、孫、等による、注意を喚起する音声をそのまま記憶(録音)させることができる。
【0016】
このことは、運転者が外国人である場合も同様であり、その場合には、例えば、自国語(英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、等等)で録音することができる。
【0017】
オートマチック車の運転時には、シフト位置検出手段10によりシフト位置が検出されたとき、制御手段40により、報知音声記憶手段20に記憶された運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した報知音声(例えば上述した報知音声)が報知音声出力手段30で出力させられることとなる。
【0018】
すなわち、このオートマチック車のシフト位置報知装置によれば、シフト位置に対応した報知音声が、従来技術のような「お仕着せの」音声ではなく、運転者自身又は運転者の親族、知人の声による報知音声となり、この報知音声は事前に、報知音声記憶手段20に記憶させておくことができるので、運転者にとって最も注意喚起力の高い報知音声とすることができる。
【0019】
したがって、このオートマチック車のシフト位置報知装置によれば、運転者に対する注意喚起を高め、誤操作による事故を一層減少させることが期待できる。
【0020】
このオートマチック車のシフト位置報知装置1は、予めオートマチック車に搭載しておくこともできるし、例えば、前述した特許文献1(実開平03−28924号公報)に記載の装置同様、後付けで、オートマチック車に取り付けることもできる。
【0021】
オートマチック車におけるシフト位置を検出するシフト位置検出手段10は、公知の適宜の手段で構成することができる。予めオートマチック車に搭載する場合には、そのオートマチック車が備えるシフト位置検出手段で構成できる。また、後付けとする場合には、特許文献1(実開平03−28924号公報)に記載の構成の他、特開2014-034363号公報に記載の測距センサによる構成も採用することができる。
【0022】
報知音声記憶手段20は、オートマチック車の運転者自身又は運転者の親族、知人の声による報知音声Vを、シフト位置に対応させて記憶させることができる構成であれば、適宜の構成を採用することができる。
【0023】
例えば、図1に示すように、報知音声記憶手段20は、マイクロホン21と、録音操作部22と、表示部23と、報知音声記憶部24と、これら各部を制御する制御部41とを備えた構成とすることができる。
【0024】
マイクロホン21は、公知のマイクロホンで構成できる。この装置1を予めオートマチック車に搭載する場合には、そのオートマチック車が備える車内マイクで構成することができる。
【0025】
録音操作部22は、録音すべき報知音声に対応するシフト位置を選択できる構成であれば良く、公知の操作ボタン等で構成することができる。表示部23は、選択されるべきシフト位置を表示し、かつ、録音操作部22の操作にて選択されたシフト位置をを表示できる公知のディスプレイで構成することができる。
【0026】
録音操作部22と、表示部23とは別々に公知のボタンやディスプレイで構成することもできるが、携帯端末(例えばスマートホン)に採用されている公知のタッチパネルと同様の構成のものを採用することもできる。
【0027】
表示部23には、選択可能なシフト位置、例えば、「パーキング位置」、「リバース位置」、「ニュートラル位置」、「ドライブ位置」が表示され、その中から録音操作部22で例えば「リバース位置」が選択された場合には、「リバース位置」が選択されたことが分かるように表示される。例えば、チェックマークや色反転等により、「リバース位置」が選択されたことが分かるように表示される。
【0028】
報知音声記憶部24は、公知の記憶デバイス(例えばRAM)で構成することができる。
【0029】
制御部41は、マイクロホン21、録音操作部22、表示部23、および報知音声記憶部24を制御するマイクロコンピューターで構成することができる。
制御部41は、録音操作部22で選択されたシフト位置と、その選択された状態で録音される報知音声(肉声)とを対応づけて、シフト位置と報知音声とを報知音声記憶部24に記憶させる。
例えば、上記の例でいえば、
・録音操作部22により「パーキング位置」が選択された状態で、マイクロホン21から入力される報知音声(例えば運転者自身による「パーキングです!」)を、当該「パーキング位置」と対応させて、
・録音操作部22により「リバース位置」が選択された状態で、マイクロホン21から入力される報知音声(例えば配偶者による「後退します!」)を、当該「リバース位置」と対応させて、
・録音操作部22により「ニュートラル位置」が選択された状態で、マイクロホン21から入力される報知音声(例えば運転者による「ニュートラルです!」)を、当該「ニュートラル位置」と対応させて、
・録音操作部22により「ドライブ位置」が選択された状態で、マイクロホン21から入力される報知音声(例えば子供による「前進します!」)を、当該「ドライブ位置」と対応させて、
それぞれ報知音声記憶部24に記憶させる。
【0030】
報知音声出力手段30は、シフト位置検出手段10で検出されたシフト位置に応じた報知音声Vを出力することができる構成であれば、公知の適宜の構成を採用することができる。
【0031】
例えば、図1に示すように、報知音声出力手段30は、公知のスピーカで構成できる。この装置1を予めオートマチック車に搭載する場合には、そのオートマチック車が備える車内スピーカで構成することができる。
【0032】
制御手段40は、シフト位置検出手段10によりシフト位置が検出されたとき、報知音声記憶手段20に記憶された運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した、報知音声(例えば上述した報知音声)Vを、報知音声出力手段30に出力させることができる構成であれば、適宜の構成を採用することができる。
【0033】
例えば、前述した制御部41と記憶部42とを備えた構成とする。
記憶部42は、この装置1の全体を制御するプログラムが格納された記憶デバイス(例えばROM)で構成することができる。
【0034】
制御部41は、オートマチック車のシフトレバーのシフト位置に応じ、報知音声記憶部24に記録されている、シフト位置に対応した報知音声を読み出し、報知音声出力手段30から出力させる。
例えば、上記の例でいえば、
・シフトレバーが「パーキング位置」に移動操作されたとき、それに対応した報知音声(例えば運転者による「パーキングです!」)を、報知音声記憶部24から読み出して報知音声出力手段30から出力させる。
・シフトレバーが「リバース位置」に移動操作されたとき、それに対応した報知音声(例えば配偶者による「後退します!」)を、報知音声記憶部24から読み出して報知音声出力手段30から出力させる。
・シフトレバーが「ニュートラル位置」に移動操作されたとき、それに対応した報知音声(例えば運転者による「ニュートラルです!」)を、報知音声記憶部24から読み出して報知音声出力手段30から出力させる。
・シフトレバーが「ドライブ位置」に移動操作されたとき、それに対応した報知音声(例えば子供による「前進します!」)を、報知音声記憶部24から読み出して報知音声出力手段30から出力させる。
【0035】
以上のように、このオートマチック車のシフト位置報知装置1によれば、
事前に、オートマチック車の運転者自身又は運転者の親族、知人の声による、シフト位置に対応した報知音声を、報知音声記憶手段20に記憶させておくことができ、シフト位置に応じてその報知音声が発せられ、これらの報知音声は、運転者にとって最も注意喚起力の高い報知音声とすることができるから、シフトレバーの誤操作による事故をより確実に防止することができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、上述した、オートマチック車のシフト位置報知装置1は、携帯端末(例えばスマートホン)に、上述した作動を実行するアプリケーションソフトをインストールすることにより、携帯端末(例えばスマートホン)で構成することも可能である。
【符号の説明】
【0037】
1: オートマチック車のシフト位置報知装置
10: シフト位置検出手段
20: 報知音声記憶手段
30: 報知音声出力手段
40: 制御手段
図1