【解決手段】調理器の調理状態を監視する温度センサ300の情報を用いてレンジフードの運転状態を自動で制御する制御部130を備えたレンジフードであって、制御部130がレンジフードの運転状態を自動で制御する運転モードとして、少なくともオートモードとグリルモードとを有し、制御部130は、オートモードからグリルモードへの切替信号を入力した後には、レンジフードの運転状態をオートモードからグリルモードに切り替えてレンジフードを運転する。
前記制御部は、前記第1自動制御モードで前記レンジフードを運転するときに前記調理状態監視部の情報に対して適用する第1閾値と前記第2自動制御モードで前記レンジフードを運転するときに前記調理状態監視部の情報に対して適用する第2閾値とを記憶する閾値記憶部を有し、
前記閾値記憶部が記憶する第1閾値は、第2閾値よりも大きい、請求項1に記載のレンジフード。
前記調理状態監視部が取得した情報の大きさが同一の場合の、前記制御部が前記レンジフードを前記第2自動制御モードで運転した場合と前記制御部が前記レンジフードを前記第1自動制御モードで運転した場合のファンの風量および/またはフィルタの回転数は、前記情報が所定の大きさの場合に前記制御部が前記レンジフードを前記第2自動制御モードで運転しているときの方が大きい、請求項1または2に記載のレンジフード。
前記制御部が前記レンジフードを前記第2自動制御モードで運転しているときの前記レンジフードの運転状態の範囲の最小値は、前記制御部が前記レンジフードを前記第1自動制御モードで運転しているときの前記レンジフードの運転状態の範囲の最小値よりも大きい、請求項1から3のいずれかに記載のレンジフード。
前記制御部は、前記第2自動制御モードで前記レンジフードを運転しているときに通常運転終了信号を受信して前記レンジフードの運転を終了した場合、次に運転開始信号を受信すると、前記第2自動制御モード以外の運転モードで前記レンジフードの運転を開始する、請求項1から5のいずれかに記載のレンジフード。
前記制御部は、前記第2自動制御モードで前記レンジフードを運転しているときに通常運転終了信号を受信して前記レンジフードの運転を終了した場合、次に運転開始信号を受信すると、前記第2自動制御モードに切り替わる直前に前記レンジフードを運転していた前の運転モードで前記レンジフードの運転を開始する、請求項1から5のいずれかに記載のレンジフード。
前記制御部は、前記第2自動制御モードで前記レンジフードを運転しているときに通常運転終了信号を受信したときには、通常運転終了信号を受信してから所定時間以上のタイマー運転を行った後、前記レンジフードの運転を終了する、請求項1から7のいずれかに記載のレンジフード。
前記制御部は、前記差分の時間と、前記レンジフードの運転に使用した前記第2自動制御モード以外の運転モードの前記タイマー運転を行う時間のうち、最も長い時間を用いてタイマー運転を行う、請求項11に記載のレンジフード。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態のみに限定されない。なお、各図面は説明の便宜上誇張されて表現されている。したがって、各図面における各構成要素の寸法比率は実際とは異なることがある。また、図面において同一の要素には同一の符号を付し、明細書において重複する説明は省略する。
【0013】
(レンジフードの機械系の構成)
図1は、本実施形態に係るレンジフードをキッチンに設置した場合の正面図である。また、
図2は、本実施形態に係るレンジフードをキッチンに設置した場合の右側断面図である。
【0014】
図1および
図2に示すように、本実施形態のレンジフード100は、調理器200の上部に設置される。レンジフード100は調理器200の調理時に生じる臭い、煙、油などを含む臭気や油煙を吸い込み外部に排気する。例示している調理器200は、3つの熱源210(後述する3つの熱源210A、210B、210Cの総称)およびグリル吹出口220を有する。なお、本明細書において、熱源とは、ガス用の調理器に対してはバーナーやバーナー付近にある五徳を、IH用の調理器に対してはヒーターを、それぞれ意味する。
【0015】
レンジフード100は、その中央部より左側の前面側の下面に、調理器200の上方の温度を検知する温度センサ300を有する。温度センサ300は、本実施形態では、調理器200の調理状態を監視する調理状態監視部として機能する。温度センサ300は、図示点線で示される領域の温度を検知する。本実施形態で使用している温度センサ300は、たとえば、8×8の64個の画素を有しそれぞれの画素に対応する領域の温度を別々に検知できる複眼温度センサである。温度センサ300は、調理器200の上方の温度を64の領域に分けて検知でき、また、3つの熱源のそれぞれの温度およびグリル吹出口220の温度を個別に検知できる。
【0016】
なお、本実施形態では、温度センサ300として複眼温度センサを用いているが、単眼温度センサを用いても良い。単眼温度センサを用いる場合、調理器200の上方の温度を全体的に検出できる1つの単眼温度センサをレンジフード100の下面に設けても良いが、3つの熱源およびグリル吹出口のそれぞれの温度を個別に検知できるように、それぞれの熱源およびグリル吹出口に対応させて4つの単眼温度センサを設けることが好ましい。実際に設置する場合には、単眼温度センサよりも複眼温度センサの方が好ましい。複眼温度センサの検知精度は単眼温度センサの検知精度よりも良いからである。複眼温度センサを用いる場合、例示した8×8の64個の画素を有する複眼温度センサに限らず、さらに多くの画素を有する複眼温度センサを用いても良い。
【0017】
レンジフード100は、その上部に送風機ボックス110を備えている。送風機ボックス110は、調理器200からの臭気や油煙を排気する。送風機ボックス110は、調理器200からの油煙を吸い込む吸気口112、屋外と連通する排気口114、吸気口112と排気口114とを結ぶ通路内に吸気口112から吸い込んだ油煙を排気させるファン116を備えている。ファン116はファンモータ117によって駆動される。吸気口112とファン116との間に、吸気口112から吸い込んだ油煙から油分を除去するために回転するフィルタ(ディスク)118を備えている。フィルタ118はフィルタモータ119によって駆動される。なお、ファン116が回転している時にはフィルタ118も回転する。また、レンジフード100は回転しない固定式のフィルタを備えていても良いし、フィルタレスのレンジフードであっても良い。レンジフード100は、前面側に、レンジフード100の動作を指示するための操作パネル120を備えている。
【0018】
図3は、本実施形態のレンジフード100が備える操作パネル120の正面図である。操作パネル120は、運転スイッチ121、モード切替スイッチ122、タイマースイッチ123、常時換気スイッチ124、および照明スイッチ125を備える。
【0019】
運転スイッチ121は、レンジフード100を動作させるためのスイッチである。運転スイッチ121を押すと運転開始信号が送信され(後述の制御部に)、もう一度押すと通常運転終了信号が送信される。本実施形態の場合、運転スイッチ121を押すと、前回運転が停止されたときの運転モードで運転が開始される。ただし、前回運転が停止されたときの運転モードがグリルモード(後述する)であったときには、オートモード(後述する)またはグリルモードの前のモードで運転が開始される。
【0020】
モード切替スイッチ122は、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を、手動モード(弱、中、強)、オートモード、およびグリルモードに切り替えるためのスイッチである。
【0021】
なお、モード切替スイッチ122の表示は、
図3の通りであるが、レンジフード100の運転状態の制御としては、手動モードだけではなく、オートモードおよびグリルモードでも、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数が、弱、中、強に自動的に切り替えられる。なお、弱に設定されると、設定されている最小の風量でファン116が運転、および/または設定されている最小の回転数でフィルタ118が運転される。中に設定されると、弱よりも大きな風量でファン116が運転、および/または弱よりも速い回転数でフィルタ118が運転される。強に設定されると、中よりも大きな風量でファン116が運転、および/または中よりも速い回転数でフィルタ118が運転される。
【0022】
手動モードは、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を弱、中、強に手動で切り替えることができる。
【0023】
オートモードは、温度センサ300が検知する調理器200の上方の温度に応じて、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を、段階的(たとえば、弱、中、強に)または連続的に、自動的に切り替える自動運転を行わせることができる。
【0024】
グリルモードはグリルを用いて調理をしているときに適した運転モードである。グリルモードは、オートモードと同様、温度センサ300が検知する調理器200の上方の温度に応じて、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を、段階的(たとえば、弱、中、強に)または連続的に、自動的に切り替える自動運転を行う。
【0025】
グリルモードはオートモードと比較すると、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を段階的に変化させるための閾値を小さくしている。このため、グリルモードでは、オートモードと比較すると、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の段階が上がりやすくなっている。また、グリルモードでは、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の最小値を、オートモードと比較すると、大きくしている。なお、グリルモードにおけるファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の制御の詳しい動作については詳細は後述する。
【0026】
タイマースイッチ123は、ファン116および/またはフィルタ118を、調理終了後に設定された時間だけ回転させる、タイマー運転を行わせるためのスイッチである。タイマースイッチ123を押すと、通常運転終了信号が送信され(後述の制御部に)、運転モードごとに設定されたタイマー運転を行う。なお、タイマー運転の詳しい動作については後述する。
【0027】
タイマースイッチ123の操作によって、手動モードにおけるタイマー時間をT1、T2、T3に設定したり、任意のタイマー時間に設定したりできる。オートモードにおけるタイマー時間も、タイマースイッチ123によって任意に設定できる。グリルモードにおけるタイマー時間はT4に固定されており、任意に設定することはできない。
【0028】
なお、本実施形態では、T4のタイマー時間を固定させているが、T4よりも長いタイマー時間に変更できるようにしても良い。たとえば、T4のタイマー時間が15分であるとすると、0分、3分といったT4よりも短いタイマー時間には変更できないが、30分といったT4よりも長いタイマー時間に変更できるようにしても良い。
【0029】
常時換気スイッチ124は、ファン116および/またはフィルタ118を回転/停止させることで常時換気の運転/停止を行うためのスイッチである。
【0030】
照明スイッチ125は、調理器200の上面を照らすLED電球を点灯/消灯させるためのスイッチである。
【0031】
図4は、温度センサ300による調理器200の上方の温度の検知状態を模式的に示す図である。上記の通り、温度センサ300は、レンジフード100の下面に取り付けられているので、調理器200の上方の温度は、調理器200の熱源(バーナーやバーナー付近にある五徳またはヒーター)210A、210B、210Cおよびグリル吹出口220をカバーする領域で検知される。
【0032】
本実施形態では複眼温度センサを用いているので、調理器200の熱源210A、210B、210C、グリル吹出口220の温度は、
図4のように、たとえば8×8の64に分割された画素(Tij(i=1〜8、j=1〜8))の熱源210A、210B、210C、グリル吹出口220のそれぞれに対応する領域の最高温度として検知される。一方、温度センサ300が単眼温度センサである場合には、4つの単眼温度センサを調理器200の熱源210A、210B、210C、グリル吹出口220のそれぞれに対応させて設けることになるので、調理器200の上方の温度は、調理器200の熱源210A、210B、210C、グリル吹出口220のそれぞれについて検知される。温度センサ300によって検知された温度は、閾値と比較され(後述する制御部で)、比較の結果に基づいて、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数が制御される。
【0033】
(レンジフードの制御系の構成)
図5は、本実施形態のレンジフード100の制御系のブロック図である。レンジフード100は、ファン116、ファンモータ117、フィルタ118、フィルタモータ119、操作パネル120、制御部130、および温度センサ300を有する。なお、制御部130は閾値記憶部135およびタイマー時間記憶部137を備え、レンジフード100に内蔵される。
【0034】
ファン116、ファンモータ117、フィルタ118、フィルタモータ119、操作パネル120、温度センサ300の構成および機能は上記した通りである。
【0035】
閾値記憶部135は、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を変化させるための閾値温度を記憶する。閾値記憶部135は、オートモード(第1自動制御モード)でレンジフード100を運転するときに温度センサ300が検知した温度に対して適用する第1閾値と、グリルモード(第2自動制御モード)でレンジフード100を運転するときに温度センサ300が検知した温度に対して適用する第2閾値とを記憶する。
【0036】
たとえば、
図9から
図12に示すように、第1閾値は、オートモードにおいて、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を0から弱(または弱から0)に移行させるための閾値a、弱から中(または中から弱)に移行させるための閾値b、中から強(または強から中)に移行させるための閾値cである。また、第2閾値は、
図9、
図12に示すように、グリルモードにおいて、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を0から中(または中から0)に移行させるための閾値A、中から強(または強から中)に移行させるための閾値Cである。さらに、第2閾値は、
図10、
図11に示すように、グリルモードにおいて、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を0から弱(または弱から0)に移行させるための閾値A、弱から中(または中から弱)に移行させるための閾値B、中から強(または強から中)に移行させるための閾値Cである。第1閾値a、b、cの大きさと第2閾値A、B、Cの大きさを比較すると明らかなように、第1閾値は第2閾値の値よりも大きくなっている。
【0037】
したがって、温度センサ300が同じ温度を検知していたとしても、オートモードよりもグリルモードの方がファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の段階は上がり易くなる。このため、オートモードよりもグリルモードの方が臭気や油煙等を捕獲、排気させやすくなる。
【0038】
なお、本実施形態では、
図9から
図12に示すように、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を、オートモードまたはグリルモードにおいて、2段階または3段階に切り替えているが、これに限らず、さらに多くの段階に切り替えるようにしても良いし、無段階としても良い。
【0039】
また、
図9から
図12に示すように、第1閾値を形成する複数の段階の閾値のすべてを第2閾値を形成する複数の段階の閾値のすべてに対して大きくするのではなく、第1閾値を形成する複数の段階の閾値のうちの一部を第2閾値を形成する複数の段階の閾値に対して大きくしても良い。
【0040】
このように、第1閾値を第2閾値よりも大きくすると、オートモードに比較してグリルモードの方が感度が高くなるため、レンジフード100の調理状態に適した自動運転を行うことができ、調理で発生した臭気や油煙などを的確に捕獲、排気できる。
【0041】
なお、本実施形態では、
図11および
図12に示すように、グリルモードで運転している全範囲でグリルモードのファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数が、オートモードのファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数より大きくなるようにしているが、閾値C以上の範囲、閾値bと閾値Cの間の範囲、のように、グリルモードで運転している一部範囲でファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数が大きくなるようにしてもよい。
【0042】
タイマー時間記憶部137は、レンジフード100がタイマー運転を行う場合のタイマー時間を記憶する。タイマー時間は運転モードごとに記憶する。なお、ユーザが操作パネル120のタイマースイッチ123を操作することによって、任意の時間を記憶させることができる。本実施形態の場合、T1、T2、T3の3つの時間が記憶されている。また、グリルモードでの運転が終了した場合のタイマー運転の時間として、T4の時間も記憶されている。
【0043】
本実施形態のレンジフード100は、調理器200の調理状態を監視する温度センサ300が検知した温度情報を用いてレンジフード100の運転状態を自動で制御する。ここで、レンジフード100の運転状態とは、レンジフード100のファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数のことをいう。レンジフード100の運転状態の全体的な制御は制御部130が行う。なお、本実施形態では、温度センサ300を調理状態監視部として機能させている。調理状態監視部としては、温度センサ300以外のものであってもよく、たとえば、レンジフード100やレンジフード100の近傍に設けた温度センサ、ガスセンサ、音センサ、カメラであっても良い。
【0044】
制御部130は、レンジフード100の運転状態を自動で制御する運転モードとして、少なくともオートモードとグリルモードとを有している。制御部130は、オートモードからグリルモードへの切替信号を入力した後には、レンジフード100の運転状態をオートモードからグリルモードに切り替えてレンジフード100を運転する。切替信号は、調理状態監視部の検知結果を用いても良いし、調理状態監視部の監視結果とは別の情報や値を用いても良い。なお、オートモードからグリルモードに切り替える切替信号の入力は手動でも良いし自動でも良い。自動の場合は、たとえば、調理器200から出力されるグリルの点火有無のコンロ情報、コンロのメニュー選択情報、グリル内や調理器200の上方に設けた温度センサの検知温度、ガスセンサのなどの臭気センサの検知情報、煙センサの検知情報、音センサの検知情報、カメラの撮影情報などの検知情報を切替信号の入力値としても良い。
【0045】
レンジフード100の運転状態を自動で制御することには、ファン116の風量を自動で制御すること、フィルタ118の回転数を自動で制御すること、およびファン116の風量とフィルタ118の回転数を自動で制御することを含む。
【0046】
オートモードからグリルモードへの切替信号の入力は、切替条件を満たしていないと制御部130に切替信号を送信しない仕様としても良いし、制御部130に切替信号は送信するが、制御部130が受信しない仕様としても良い。また、制御部130に送信して制御部130で切替条件を満たしているかを判定した後に切り替えないことを決定する仕様としても良い。
【0047】
オートモードとグリルモードの制御は、同一の調理状態監視部(たとえば温度センサ300)に基づいて運転状態を制御しても良いし、それぞれ異なる調理状態監視部(オートモードは温度センサ300、グリルモードはグリル内に設けたガスセンサ)に基づいて運転状態を制御しても良い。
【0048】
制御部130は、操作パネル120のモード切替スイッチ122(
図3参照)により、レンジフード100の運転モードとして手動モードが選択されているときには、ユーザが指定した弱、中、強のいずれかで、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を変化させる。
【0049】
また、制御部130は、モード切替スイッチ122により、レンジフード100の運転モードとしてオートモードが選択されているときには、温度センサ300が検知する調理器200の上方の温度と閾値記憶部135に記憶されている第1閾値とを比較し、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を変化させる。オートモードでは、
図9から
図12に示すように、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数は、調理器200の上方の温度に応じて、弱、中、強の3段階で変化する。
【0050】
さらに、制御部130は、モード切替スイッチ122により、レンジフード100の運転モードとしてグリルモードが選択されているときには、温度センサ300が検知する調理器200の上方の温度と閾値記憶部135に記憶されている第2閾値とを比較し、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を変化させる。グリルモードでは、
図9から
図12に示すように、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数は、調理器200の上方の温度に応じて、中、強の2段階、弱、中、強の3段階で変化する。
【0051】
なお、本実施形態では、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を変化させる閾値として、ファン116用とフィルタ118用とで同一の、第1閾値および第2閾値を用いているが、ファン116用とフィルタ118用とで別々の第1閾値および第2閾値を用いても良い。なお、この場合であっても、ファン116用およびフィルタ118用の第1閾値および第2閾値の大小関係は、ともに第1閾値>第2閾値である。なお、制御部130は、フィルタ118を備えていないフィルタレスのレンジフード、または固定式のフィルタを備えているレンジフードの場合には、第1閾値および第2閾値を用いてファン116の風量のみを決定する。
【0052】
(レンジフードの制御系の動作)
図6は、本実施形態のレンジフードにおける全体的な制御に関する動作フローチャートである。この動作フローチャートは制御部130によって処理される。なお、この動作フローチャートは、操作パネル120(
図3および
図5参照)の運転スイッチ121が押されたときに実行される。
【0053】
運転スイッチ121が押されると、制御部130に運転開始信号が入力され、制御部130は、運転スイッチ121またはタイマースイッチ123が押されたときの運転モードが、前回はグリルモードで終了したか否かを判断する(S100)。
【0054】
前回はグリルモードで終了していれば(S100:YES)、制御部130は、オートモードで運転、またはグリルモードの前のモード(グリルモードに切り替わる直前にレンジフードを運転していた前のモード)で運転を開始する(S200)。グリルモードで運転した後は、オートモードに復帰するか、もともとユーザが使っていた運転モードに復帰するため、次回のレンジフード100の使用時にユーザが運転モードを選択しなおす手間がなくなる。
【0055】
一方、前回はグリルモードで終了していなければ(S100:NO)、制御部130は、前回の運転モードで運転を開始する(S300)。もともとユーザが使っていた運転モードに復帰するため、次回のレンジフード100の使用時にユーザが運転モードを選択しなおす手間がなくなる。なお、前回はグリルモードで終了していれば(S100:YES)、必ずオートモードから運転を開始するようにしても良い。グリルモードで運転後は、必ずオートモードに復帰させるようにすると、ユーザの使い勝手が良くなる。
【0056】
その後、制御部130は、運転モードが切り替えられたか否かを判断する(S400)。運転モードが切り替えられたら(S400:YES)、選択された運転モードで運転する(S500)。運転モードが切り替えられていなければ(S400:NO)、現在の運転モードで運転を継続する。
【0057】
次に、制御部130は、通常運転終了信号を受信したか否かを判断する(S600)。通常運転終了信号を受信したら(S600:YES)、タイマー運転を行い(S700)、通常運転終了信号を受信していなければ(S600:NO)、S400のステップの処理に戻って、以降の処理を継続する。
【0058】
グリルモードでレンジフードを運転中に通常運転終了信号を受信し、タイマー運転が行われる場合には、通常運転終了信号を受信してから必ず決められたタイマー時間(T4)タイマー運転を行った後に、レンジフードの運転を終了する。ただし、ユーザが、手動で任意の時間を設定した場合には、その時のみ手動で設定した時間タイマー運転を行う。手動で設定したグリルモードでのタイマー時間は、タイマー時間記憶部137には記憶されないため、次回以降のグリルモード終了後に行われるタイマー運転のタイマー時間はT4となる。
【0059】
グリルモード以外の、手動モードおよびオートモードで運転中にタイマー運転が行われる場合には、前回の運転モードで停止時に設定したタイマー時間(T1、T2、T3のうちの選択したタイマー時間)で運転する。タイマー運転の詳しい制御態様については後述する。
【0060】
図7は、本実施形態のレンジフードのオートモードの動作フローチャートである。この動作フローチャートは制御部130によって処理される。なお、この動作フローチャートは、操作パネル120(
図3および
図5参照)のモード切替スイッチ122によって、オートモードが選択されているときに実行される。
【0061】
制御部130は、温度センサ300により調理器200の上方の温度を検知する(S250)。次に、制御部130は、検知された調理器200の上方の温度と閾値記憶部135に記憶されている第1閾値とを比較する(S260)。次に、制御部130は、調理器200の上方の温度と第1閾値との比較結果に応じて、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を制御する(S270)。この場合、調理器200の上方の温度が高くなるほどファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数は大きくなり、調理器200の上方の温度が低くなるほどファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数は小さくなる。
【0062】
図8は、本実施形態のレンジフードのグリルモードの動作フローチャートである。この動作フローチャートは制御部130によって処理される。なお、この動作フローチャートは、操作パネル120(
図3および
図5参照)のモード切替スイッチ122によって、グリルモードが選択されているときに実行される。
【0063】
制御部130は、温度センサ300により調理器200の上方の温度を検知する(S350)。次に、制御部130は、検知された調理器200の上方の温度と閾値記憶部135に記憶されている第2閾値とを比較する(S360)。次に、制御部130は、調理器200の上方の温度と第2閾値との比較結果に応じて、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を制御する(S370)。この場合、調理器200の上方の温度が高くなるほどファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数は大きくなり、調理器200の上方の温度が低くなるほどファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数は小さくなる。
【0064】
次に、
図6から
図12を参照しながら、オートモードとグリルモードとにおいて、制御部130によって制御されるファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数について、4つの制御態様を例示して説明する。レンジフー100は、これらの制御態様のうちのいずれかの制御態様を実装させる。
【0065】
(制御態様1)
図9は、本実施形態のレンジフードの制御態様1における手動モード、オートモード、およびグリルモードの動作説明図である。
【0066】
図9に示すように、手動モードでは、温度センサ300(
図1および
図2参照)によって検知された調理器200の上方の温度、および閾値記憶部135(
図5参照)に記憶されている閾値とは無関係に、ユーザによるモード切替スイッチ122(
図3参照)による選択に応じて、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数が弱、中、強に切り替えられる。
【0067】
オートモードでは、温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値a未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を0に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値a以上閾値b未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を弱に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値b以上閾値c未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を中に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値c以上であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を強に設定する。
【0068】
グリルモードでは、温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値A未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を0に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値A以上閾値C未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を中に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値C以上であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を強に設定する。
【0069】
図9のように、オートモードで用いる閾値a、cの値はグリルモードで用いる閾値A、Cの値よりも大きくしているので、オートモードとグリルモードとを比較すると、温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が、オートモードとグリルモードとで同じ温度であっても、グリルモードの方が、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数が上がりやすい。
【0070】
また、グリルモードでは、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数は中と強の2段階しか有せず、オートモードの場合よりも、風量および回転数が早めに上昇する。このため、グリルモードでの調理中に発生した臭気や油煙などが捕獲、排気しやすくなる。
【0071】
制御部130がオートモードとグリルモードとで異なる閾値を用い、以上のような異なる制御をすることによって、レンジフード100は、調理状態に適した自動運転を行うことができ、調理で発生した臭気や油煙などを的確に捕獲、排気できる。
【0072】
(制御態様2)
図10は、本実施形態のレンジフードの制御態様2における手動モード、オートモード、およびグリルモードの動作説明図である。
【0073】
図10に示すように、手動モードにおける、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の制御は、制御態様1と同一である。
【0074】
オートモードにおける、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の制御も、制御態様1と同一である。
【0075】
グリルモードでは、温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値A未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を0に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値A以上閾値B未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を弱に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値B以上閾値C未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を中に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値C以上であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を強に設定する。
【0076】
図10のように、オートモードで用いる閾値a、b、cの値はグリルモードで用いる閾値A、B、Cの値よりも大きくしているので、オートモードとグリルモードとを比較すると、温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が、オートモードとグリルモードとで同じ温度であっても、グリルモードの方が、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数が上がりやすい。
【0077】
また、オートモードとグリルモードでは、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数は弱、中、および強の3段階に変化するものの、グリルモードでは、オートモードの場合よりも、風量および回転数が早めに上昇する。このため、グリルモードでの調理中に発生した臭気や油煙などが捕獲、排気しやすくなる。
【0078】
制御部130がオートモードとグリルモードとで異なる閾値を用い、以上のような異なる制御をすることによって、レンジフード100は、調理状態に適した自動運転を行うことができ、調理で発生した臭気や油煙などを的確に捕獲、排気できる。
【0079】
(制御態様3)
図11は、本実施形態のレンジフードの制御態様3における手動モード、オートモード、およびグリルモードの動作説明図である。
【0080】
図11に示すように、手動モードにおける、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の制御は、制御態様1と同一である。
【0081】
オートモードにおける、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の制御も、制御態様1と同一である。
【0082】
グリルモードでは、温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値A未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を0に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値A以上閾値B未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数をグリルモード用の弱に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値B以上閾値C未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数をグリルモード用の中に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値C以上であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数をグリルモード用の強に設定する。
【0083】
図11のように、オートモードで用いる閾値a、b、cの値はグリルモードで用いる閾値A、B、Cの値よりも大きくしているので、オートモードとグリルモードとを比較すると、温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が、オートモードとグリルモードとで同じ温度であっても、グリルモードの方が、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数が上がりやすい。
【0084】
また、
図11のように、グリルモードで設定される、グリルモード用の弱、中、および強におけるファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を、オートモードで設定される、弱、中、および強におけるファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数よりも大きくしているので、オートモードとグリルモードとを比較すると、グリルモードの方が、調理中に発生した臭気や油煙などが捕獲、排気しやすくなる。
【0085】
制御部130がオートモードとグリルモードとで異なる閾値を用い、オートモードとグリルモードとで異なる風量、回転数に制御をすることによって、レンジフード100は、調理状態に適した自動運転を行うことができ、調理で発生した臭気や油煙などを的確に捕獲、排気できる。
【0086】
(制御態様4)
図12は、本実施形態のレンジフードの制御態様4における手動モード、オートモード、およびグリルモードの動作説明図である。
【0087】
図12に示すように、手動モードにおける、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の制御は、制御態様1と同一である。
【0088】
オートモードにおける、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の制御も、制御態様1と同一である。
【0089】
グリルモードでは、温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値A未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数を0に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値A以上閾値C未満であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数をグリルモード用の中に設定する。温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が閾値C以上であれば、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数をグリルモード用の強に設定する。
【0090】
図11のように、オートモードで用いる閾値a、cの値はグリルモードで用いる閾値A、Cの値よりも大きくしているので、オートモードとグリルモードとを比較すると、温度センサ300によって検知された調理器200の上方の温度が、オートモードとグリルモードとで同じ温度であっても、グリルモードの方が、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数が上がりやすい。
【0091】
また、
図12のように、グリルモードで設定される、グリルモード用の中、および強におけるファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数が、オートモードで設定される、中、および強におけるファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数よりも大きくしているので、オートモードとグリルモードとを比較すると、グリルモードの方が、調理中に発生した臭気や油煙などが捕獲、排気しやすくなる。
【0092】
制御部130がオートモードとグリルモードとで異なる閾値を用い、オートモードとグリルモードとで異なる風量、回転数に制御をすることによって、レンジフード100は、調理状態に適した自動運転を行うことができ、調理で発生した臭気や油煙などを的確に捕獲、排気できる。
【0093】
次に、本実施形態のレンジフード100のタイマー運転の制御態様について、5つの制御態様を例示して説明する。レンジフード100は、これらの制御態様のうち、いずれかの制御態様を実装する。
【0094】
(制御態様1)
制御態様1では、運転スイッチ121(
図3参照)が押されて運転開始信号を受信し、その後タイマースイッチ123が押されて通常運転終了信号を受信するまでの間に、グリルモードおよびグリルモードとは異なる他の運転モード(オートモード、手動モード)でレンジフード100を運転し、通常運転終了信号を受信した場合には、制御部130は、レンジフード100の運転に使用したすべての運転モード(グリルモード、オートモード、および手動モード)のタイマー運転を行う時間のうち最も長い時間を用いてタイマー運転を行う。
【0095】
つまり、制御態様1では、制御部130は、グリルモードを含む、オートモード、および手動モードで運転した後には、運転した運転モードに対応するタイマー時間のうち最も長いタイマー時間でタイマー運転を行う。
【0096】
たとえば、グリルモード(タイマー時間T4)で運転中に手動モード(タイマー時間T1)に切り替え、その後、レンジフード100の運転を終了した場合、タイマー時間がT1<T4であれば、タイマー時間T4でタイマー運転を行う。
【0097】
このように、制御態様1では、レンジフード100の運転終了時の運転モードとは無関係に、最も長いタイマー時間でタイマー運転をする。このため、グリル内部に残った臭気や油煙などが時間の経過とともに徐々にグリルの外部に排出され、グリル内部に残った臭気や油煙などを的確に捕獲、排気できる。
【0098】
(制御態様2)
制御態様2では、運転スイッチ121(
図3参照)が押されて運転開始信号を受信し、その後タイマースイッチ123が押されて通常運転終了信号を受信するまでの間に、グリルモードおよびグリルモードとは異なる他の運転モード(オートモード、手動モード)でレンジフード100を運転し、通常運転終了信号を受信した場合には、制御部130は、グリルモードのタイマー時間T4でタイマー運転を行う。
【0099】
つまり、制御態様2では、レンジフード100の運転終了時に、グリルモードとは異なる他の運転モード(オートモード、手動モード)でレンジフード100を運転していたとしても、制御部130は、必ずグリルモードに対応するタイマー時間(T4)でタイマー運転を行う。すなわち、レンジフード100の運転終了時の運転モードとは無関係に、グリルモードのタイマー時間T4を優先してタイマー運転を行う。
【0100】
たとえば、グリルモード(タイマー時間T4)で運転中にオートモード(タイマー時間T3)に切り替え、その後レンジフード100の運転を終了した場合には、T3>T4であったとしても、タイマー時間T4でタイマー運転を行う。
【0101】
このように、制御態様2では、レンジフード100の運転終了時に、必ずグリルモードに対応するタイマー時間T4でタイマー運転を行うため、グリル内部に残った臭気や油煙などが、最適に設定されたタイマー時間T4内で、的確に捕獲、排気できる。
【0102】
(制御態様3)
制御態様3では、運転スイッチ121(
図3参照)が押されて運転開始信号を受信し、その後がタイマースイッチ123押されて通常運転終了信号を受信するまでの間に、グリルモードからグリルモードとは異なる他の運転モード(オートモード、手動モード)に切り替えてレンジフード100を運転し、通常運転終了信号を受信した場合には、制御部130は、レンジフードの運転に使用したグリルモードのタイマー運転を行う時間と、最後にグリルモードから他の運転モードに切り替えてから通常運転終了信号を受信するまでの時間を比較し、前記タイマー運転を行う時間の方が長ければ、その差分以上の時間でタイマー運転を行う。
【0103】
つまり、制御態様3では、グリルモードから他の運転モード(オートモード、手動モード)に切り替えられた後にタイマースイッチ123が押されて、通常運転終了信号を受信した場合には、制御部130は、最後にグリルモードから他の運転モード(オートモード、手動モード)に切り替えられた時点から、少なくともグリルモードに対応するタイマー時間T4はタイマー運転を継続する。
【0104】
たとえば、グリルモードから手動モードに切り替えてタイマースイッチ123が押されたとき、最後にグリルモードを使用してモード切替スイッチ122が押されてからタイマースイッチ123が押されるまでの時間がT5であったとする。一方、グリルモードに対応するタイマー時間がT4であったとする。この場合、T4>T5であったとすると、制御部130は、T4−T5の時間以上の時間、タイマー運転を継続する。
【0105】
このように、制御態様3では、グリルモードから他のモードへのモード切替が行われたときには、最後にグリルモードから他のモードに切替が行なわれてから、少なくともグリルモードに対応するタイマー時間T4以上の時間、タイマー運転を行うため、グリル内部に残った臭気や油煙などが、最適に設定されたタイマー時間T4内で、的確に捕獲、排気できる。
【0106】
(制御態様4)
制御態様4では、制御態様3で求めた差分の時間と、レンジフード100の運転に使用したグリルモード以外の運転モード(オートモード、手動モード)のタイマー運転を行う時間のうち、最も長い時間を用いてタイマー運転を行う。
【0107】
つまり、制御態様4では、タイマースイッチ123が押されたら、制御態様3の差分の時間と、オートモードに対応するタイマー時間と、手動モードに対応するタイマー時間のうちで、最も長い時間タイマー運転を行う。
【0108】
具体的には、グリルモードから手動モードに切り替え、さらにオートモードに切り替えて、タイマースイッチ123が押されたとき、最後にグリルモードからモード切替スイッチ122が押されてからタイマースイッチ123が押されるまでの時間がT5であったとする。一方、グリルモードに対応するタイマー時間がT4であったとする。この場合、制御態様4で用いる差分の時間は、T4−T5である。また、オートモードに対応するタイマー時間がT1、手動モードに対応するタイマー時間がT3であったとすると、差分の時間T4−T5と、T1と、T3とを比較し、この中で最も長い時間を用いてタイマー運転を行う。
【0109】
このように、制御態様4では、タイマースイッチ123が押されてから、制御態様3の差分の時間、グリルモードに対応するタイマー時間、および手動モードに対応するタイマー時間のうち、最も長い時間タイマー運転を行うので、グリル内部に残った臭気や油煙などが、的確に捕獲、排気できる。
【0110】
(制御態様5)
制御態様5では、運転スイッチ121(
図3参照)が押されて運転開始信号を受信し、その後タイマースイッチ123が押されて通常運転終了信号を受信するまでの間に、グリルモードでレンジフード100を運転し、かつ通常運転終了信号を受信したときにグリルモードとは異なる他の運転モード(オートモード、手動モード)でレンジフード100を運転していた場合には、制御部130は、通常運転終了信号を受信したときに運転していた運転モードのタイマー運転を行う時間を用いてタイマー運転を行う。
【0111】
つまり、制御態様4では、レンジフード100の通常運転終了時における運転モードに対応するタイマー時間を優先する。
【0112】
具体的には、グリルモードで運転中にオートモードに切り替え、その後レンジフード100の運転を終了したとする。この場合、グリルモードに対応するタイマー時間がT4、オートモードに対応するタイマー時間がT1であったとすると、タイマースイッチ123が押されたときの、オートモードに対応するタイマー時間がT1でタイマー運転を行う。
【0113】
このように、制御態様5では、通常運転終了信号を受信したときに運転していた運転モードのタイマー運転を行う時間を用いてタイマー運転を行うので、ユーザが煩わしく感じない。
【0114】
以上、本発明のレンジフード100について説明したが、本発明のレンジフード100は、実施形態で例示した態様には限らない。
【0115】
たとえば、各運転モードにおけるタイマー時間は、各々異なる時間を設定、記憶できるようにしても良い。また、手動モードとオートモードのタイマー時間を同じくしても良い。
【0116】
ただし、調理器200の上方の調理で発生した油煙や臭気などよりも、グリル内にこもった油煙や臭気などを排気するためにかかる時間の方が長いため、グリルモードのタイマー時間は長い方が好ましい。たとえば、タイマー時間を3分、15分、30分から選択できるレンジフード100の場合には、手動モードやオートモードのタイマー時間は、この3段階のうち、ユーザの好みで任意に設定できるようにし、グリルモードは、3分を除いた2段階から選択できるようにしても良い。
【0117】
また、タイマー時間はすべての運転モードで共通としても良いし、グリルモードのみ他の運転モードよりもファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数が高い仕様としても良い。
【0118】
タイマー運転中に手動で運転モードの切り替えを行った場合には、運転モード切替前の運転モードにおけるタイマー時間で運転する仕様としても良い。また、切替後の運転モードにおけるタイマー時間で運転する仕様としても良い。切替後の運転モードにおけるタイマー時間で運転する仕様とは、タイマー運転中に調理が再開するという意味ではない。
【0119】
たとえば、コンロON/OFFの情報を調理器200が赤外線により送信し、これをレンジフード100が受信している場合には、コンロOFF情報をレンジフード100が受信した後にタイマー運転がスタートしユーザが運転モードの切替を行ったとしても、レンジフード100は調理が再開したわけではないことを認識できる。
【0120】
ただし、コンロON/OFFの確認方法は調理器200との通信に限らず、レンジフード100または調理器200、レンジフード近傍に設けるセンサ、カメラなどによって確認しても良い。たとえば温度センサの場合は温度変化からコンロON/OFFを予測し、コンロON/OFFを判断しても良い。
【0121】
グリルモードで運転中に制御部130がグリルモード終了の信号を受信した場合には、グリルモードへの切替信号受信前の運転モードに切り替える仕様としても良い。グリルモード終了の信号は手動でも良いし、自動でも良い。
【0122】
自動の場合は、たとえばグリル点火有無のコンロ情報、コンロメニュー選択情報、グリル扉開閉情報、各種値(グリル内や調理器の上方などに設ける温度センサ値、臭気センサ値、煙センサ値、音センサ値、カメラ撮影情報値など)の情報を、グリルモード終了の信号としても良い。つまり、切替信号を調理状態監視部の監視結果としても良いし、切替信号に調理状態監視部の監視結果とは別の情報や値を用いても良い。
【0123】
グリルモードで運転中に制御部130がグリルモード終了の信号を受信した場合は、ユーザが選択した運転モードへ切り替える仕様としても良い。なお、「ユーザが選択した」とは、ユーザがグリルモード終了時に都度選択する運転モードでも良いし、ユーザが予め設定・選択した運転モードでも良い。
【0124】
以上の実施形態では、グリルモードおよびオートモードにおける、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の制御態様として4つの制御態様を、また、タイマー運転の制御態様として5つの制御態様をそれぞれ例示した。レンジフード100に実装させる場合には、ファン116の風量および/またはフィルタ118の回転数の制御態様として4つの制御態様のうちのいずれか1つの制御態様と、タイマー運転の制御態様として5つの制御態様のうちのいずれか1つの制御態様とを組合わせて採用する。
【0125】
以上、本発明のレンジフードを実施形態を用いて説明した。しかし、本発明のレンジフードの技術的範囲は、実施形態で説明した範囲に限られない。たとえば、当業者が本実施形態の各要素を単に置き換えることによって構成される発明などは、本発明の技術的範囲に含まれる。