【解決手段】糸継装置34は、2本の糸Yの先端を撚り合せることにより2本の糸Yを継ぐ加撚部52と、一対の撚り止めレバー96と、モータ73とを備える。一対の撚り止めレバー96は、2本の糸Yと接触しない待機位置と、待機位置よりも所定の移動方向における一方側の、2本の糸Yを押さえることにより2本の糸Yの先端とは反対側への撚りの伝播を抑制する。モータ73は、押え位置を移動方向において調整する。
前記駆動モータによって前記ストッパと共通に回転駆動されるカムと、前記カムに従動するカムフォロアと、を有し、前記カムフォロアが移動することにより前記2本の糸を把持及び切断するように構成されたクランプアンドカッタ機構、を備え、
前記駆動モータの前記回転軸は、少なくとも所定の第1角度から第2角度を経由して第3角度まで回転可能であり、
前記カムのカム面は、前記回転軸が前記第1角度と前記第2角度との間で回転しているときに前記カムフォロアを移動させるように形成され、
前記ストッパの前記接触面は、前記回転軸が前記第2角度と前記第3角度との間で回転しているときに前記押え位置が変化するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の糸継装置。
前記駆動モータの前記回転軸は、前記回転軸の軸方向において前記駆動モータのハウジングから一方側に突出した第1軸部と、前記軸方向において前記ハウジングから他方側に突出した第2軸部と、を有し、
前記ストッパは、前記第1軸部に取り付けられ、
前記カムは、前記第2軸部に取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の糸継装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施の形態について説明する。なお、
図1の紙面左右方向を左右方向とする。
図1の紙面上下方向を重力が作用する上下方向(鉛直方向)とする。左右方向及び上下方向の両方と直交する方向を前後方向とする。また、糸Yが走行する方向を糸走行方向とする。
【0026】
(自動ワインダの概略構成)
まず、本実施形態に係る自動ワインダ1(本発明の糸巻取機)の概略構成について、
図1及び
図2を参照しつつ説明する。
図1は、自動ワインダ1の正面図である。
図2は、自動ワインダ1の電気的構成を示すブロック図である。自動ワインダ1は、複数の巻取ユニット2と、玉揚装置3と、機台制御装置4とを備える。
【0027】
複数の巻取ユニット2は、左右方向に配列され、各々が、給糸ボビンBsから引き出された糸Yを巻取ボビンBwに巻き取ってパッケージPを形成する。玉揚装置3は、複数の巻取ユニット2の上方に配置されている。玉揚装置3は、左右方向に移動可能に構成されている。玉揚装置3は、ある巻取ユニット2から満巻の信号を受信したときに、当該巻取ユニット2の近傍に移動して、当該巻取ユニット2からのパッケージPの取り外し等を行う。
【0028】
機台制御装置4は、巻取ユニット2のユニット制御部14(
図2参照)、玉揚装置3の制御部(不図示)と電気的に接続され、これらの制御部との通信を行う。
【0029】
(巻取ユニット)
次に、巻取ユニット2の構成について
図3を参照しつつ説明する。
図3は、巻取ユニット2の概略的な正面図である。
【0030】
図3に示すように、巻取ユニット2は、給糸部11と、糸処理実行部12と、巻取部13と、ユニット制御部14とを有する。巻取ユニット2は、給糸部11から引き出された糸Yに対して糸処理実行部12による処理を施しつつ、巻取部13によって糸Yを巻き取る。
【0031】
給糸部11は、給糸ボビンBsに巻き付けられた糸Yを解舒しながら供給するためのものである。
図3に示すように、給糸部11は、巻取ユニット2の最も下側に配置されている。給糸部11は、給糸ボビン支持部21と、糸解舒補助装置22とを有する。給糸ボビン支持部21は、給糸ボビンBsを略直立状態に支持する。糸解舒補助装置22は、給糸ボビンBsから糸Yが解舒される際の膨らみを、規制筒23によって規制する。規制筒23は、給糸ボビンBsに巻かれている糸量が減るにつれて下方へ移動し、上記膨らみの大きさを一定の大きさに保つように構成されている。
【0032】
糸処理実行部12は、糸Yに関する様々な処理を実行するためのものである。
図3に示すように、糸処理実行部12は、上下方向において給糸部11と巻取部13との間に配置されている。糸処理実行部12は、テンション付与装置31と、糸継機構32(本発明の糸継部)と、ヤーンクリアラ33とを有する。
【0033】
テンション付与装置31は、走行する糸Yに所定のテンションを付与する装置である。テンション付与装置31は、給糸部11のすぐ上側に配置されている。テンション付与装置31の一例として、いわゆるゲート式のものが挙げられる。
図3に示すように、複数の固定ゲート体31aと複数の可動ゲート体31bとが、上下方向に交互に配置されている。そして、複数の可動ゲート体31bの水平方向の位置を調整することによって、固定ゲート体31aと可動ゲート体31bとの間を走行する糸Yに所定のテンションが付与される。
【0034】
糸継機構32は、糸走行方向において給糸部11と巻取部13との間で糸Yが繋がっていない状態になったときに、給糸部11側の糸Y(下糸Y1)と巻取部13側の糸Y(上糸Y2)とを糸継ぎするための機構である。糸継機構32は、糸継装置34と、下糸捕捉案内部35と、上糸捕捉案内部36とを有する。
【0035】
糸継装置34は、下糸Y1と上糸Y2とを継ぐ装置である。糸継装置34は、圧縮空気の作用によって糸端同士を絡み合わせるスプライサである。詳細については後述する。
【0036】
下糸捕捉案内部35は、給糸ボビンBs側(糸走行方向における上流側)の下糸Y1を捕捉して糸継装置34へ案内するように構成されている。下糸捕捉案内部35は、糸継装置34の下側に配置されている。下糸捕捉案内部35は、軸35aを中心に回転可能なパイプ状のアーム35bと、アーム35bの先端部に配置され、下糸Y1の糸端部を吸引捕捉する吸引部35cと、アーム35bを回転駆動して上下に旋回させるモータ37と、を有する。下糸捕捉案内部35は、不図示の吸引源に接続されている。上糸捕捉案内部36は、巻取部13側(糸走行方向における下流側)の上糸Y2を捕捉して糸継装置34へ案内するように構成されている。上糸捕捉案内部36は、糸継装置34の上側に配置されている。上糸捕捉案内部36は、軸36aを中心に回転可能な透明なパイプ状のアーム36bと、アーム36bの先端部に配置され、上糸Y2の糸端部を吸引捕捉する吸引部36cと、アーム36bを回転駆動して上下に旋回させるモータ38と、を有する。上糸捕捉案内部36は、不図示の吸引源に接続されている。
【0037】
以上の構成を有する糸継機構32において、以下のようにして糸継ぎが行われる。巻取動作時に、例えば、ヤーンクリアラ33によって糸欠陥が検出されて糸Yが切断された場合、ユニット制御部14は、巻取ユニット2の各構成要素を制御して巻取動作を一時停止させる。そして、ユニット制御部14は、糸継機構32等を制御して、分断された下糸Y1及び上糸Y2の吸引捕捉、下糸Y1及び上糸Y2の糸継装置34への案内、及び、糸継装置34による糸継ぎを行わせる。
【0038】
ヤーンクリアラ33は、走行する糸Yの太さ等に関する情報を取得し、この情報に基づいて、糸欠陥を検出する。ヤーンクリアラ33は、例えば、糸継装置34の上側に配置されている。ヤーンクリアラ33は、カッタ33aを有する。ヤーンクリアラ33によって糸欠陥が検出されたとき、カッタ33aが即座に糸Yを切断するとともに、ヤーンクリアラ33は、検出信号をユニット制御部14へ出力する。
【0039】
巻取部13は、糸Yを巻取ボビンBwに巻き取ってパッケージPを形成する巻取動作を行う。
図3に示すように、巻取部13は、巻取ユニット2の最も上側に配置されている。巻取部13は、巻取ボビンBwを回転自在に保持するクレードル41と、綾振ドラム42と、ドラム駆動モータ43とを有する。巻取部13は、クレードル41に回転自在に支持されたパッケージPが接触している綾振ドラム42をドラム駆動モータ43で回転駆動することにより、パッケージPを従動回転させて糸Yを巻取ボビンBwに巻き取る。
【0040】
クレードル41は、巻取ボビンBw(パッケージP)を回転自在に支持するように構成されている。綾振ドラム42は、軸方向が左右方向と略平行な筒状の部材である。綾振ドラム42の外周面には、糸Yを綾振りさせるための綾振り溝42aが形成されている。綾振ドラム42は、この綾振り溝42aに糸Yを通しながら回転することにより、糸Yを所定の幅で綾振りさせる。そして、綾振ドラム42が、綾振り溝42aによって糸Yを綾振りさせながら、パッケージPの外周面と接触した状態で回転することで、パッケージPは、綾振ドラム42との接触摩擦により従動回転する。これにより、糸Yが綾振りされながら巻取ボビンBwに巻き取られてパッケージPが形成される。
【0041】
ドラム駆動モータ43は、綾振ドラム42を回転駆動させるモータである。ドラム駆動モータ43は、パッケージPに糸Yが巻き取られる正転方向と、パッケージPから糸Yが引き出される逆転方向の両方に綾振ドラム42を回転駆動可能に構成されている。通常の巻取動作時には、綾振ドラム42が正転駆動されることでパッケージPが正転し、糸Yが巻取ボビンBwに巻き取られる。また、上述した糸継ぎ時には、綾振ドラム42が逆転駆動される。これにより、上糸捕捉案内部36が上糸Y2を吸引した状態で下方へ回動したときに、上糸Y2がパッケージPから引き出される。
【0042】
ユニット制御部14は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。ユニット制御部14は、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUにより各部を制御する。具体的には、ユニット制御部14は、ヤーンクリアラ33等からの信号の受信、並びに、モータ37、38、ドラム駆動モータ43、糸継装置34のモータ63、73(後述)等の制御を行う。また、ユニット制御部14は、機台制御装置4を介して玉揚装置3に玉揚げを要求する信号の出力を行う。
【0043】
(糸継装置の具体的構成)
次に、糸継装置34の具体的構成について、
図4〜
図9を参照しつつ説明する。
図4は、糸継装置34を左斜め上前方から見た斜視図である。
図5は、糸継装置34を左斜め下前方から見た斜視図である。
図6(a)〜(c)は、糸継装置34の縦断面図であり、糸継装置34の動作の概要を示す説明図である。
図7は、糸継装置34を上方から見た図(平面図)である。
図8は、糸継装置34を上方から見た図であり、後述するカッタ79aを示す説明図である。
図9は、糸継装置34を下方から見た図(底面図)である。
【0044】
図4に示すように、糸継装置34は、解撚部51と、加撚部52と、ガイド板53、54と、糸寄せ機構55と、クランプアンドカッタ機構56と、撚り止め機構57とを備える。糸継装置34は、糸寄せ機構55によってガイド板53、54へ案内された2本の糸Y(下糸Y1及び上糸Y2)をクランプアンドカッタ機構56によって把持・切断し、下糸Y1及び上糸Y2の先端(糸端)を解撚部51によって解撚する。また、糸継装置34は、糸寄せ機構55によって加撚部52へ案内された下糸Y1の糸端と上糸Y2の糸端とを加撚部52によって撚り合わせる。また、糸継装置34は、下糸Y1と上糸Y2とを撚り合わせる際、撚り止め機構57によって下糸Y1及び上糸Y2を押さえることにより、下糸Y1及び上糸Y2の先端とは反対側(言い換えると、上下方向において加撚部52とは反対側)への撚りの伝播を抑制する。
【0045】
(解撚部の構成)
解撚部51は、下糸Y1及び上糸Y2の糸端を解撚するように構成されている。
図6(a)〜(c)に示すように、解撚部51は、上下方向に間隔を空けて並べられた2本の解撚パイプ61a、61bを有する。解撚パイプ61aが上側に配置され、解撚パイプ61bが下側に配置されている。解撚パイプ61a、61bは、前後方向に延びた円筒状の部材である。また、解撚パイプ61a、61bの内壁面には、圧縮空気を噴射するための不図示の噴射孔が形成されている。噴射孔から圧縮空気流が噴射されると、解撚パイプ61a、61b内に空気流が発生する。これにより、解撚パイプ61aは前端の開口から下糸Y1を吸引でき、解撚パイプ61bは前端の開口から上糸Y2を吸引できる(
図6(b)参照)。また、解撚部51では、解撚パイプ61aに導入された下糸Y1の糸端及び解撚パイプ61b内に導入された上糸Y2の糸端が空気流によって解撚される。
【0046】
また、
図6(a)〜(c)に示すように、解撚パイプ61aの上側且つ前側には、後述するように上糸Y2を屈曲させるためのフロントプレート60aが設けられている。解撚パイプ61bの下側且つ前側には、後述するように下糸Y1を屈曲させるためのフロントプレート60bが設けられている。
【0047】
(加撚部の構成)
加撚部52は、解撚部51で解撚された下糸Y1の糸端と上糸Y2の糸端を撚り合わせて下糸Y1と上糸Y2とを継ぐように構成されている。
図6(a)〜(c)に示すように、加撚部52は、加撚ノズル62を有する。加撚ノズル62は、概ね筒状の部材であり、上下方向に延びている。加撚ノズル62は、解撚パイプ61a、61bよりも前側に位置し、且つ、上下方向において解撚パイプ61aと解撚パイプ61bとの間に位置している。加撚ノズル62の前端部は、上下方向における全長にわたって開口しており(
図4参照)、前方から下糸Y1及び上糸Y2が導入されることが可能となっている。下糸捕捉案内部35によって糸継装置34に案内された下糸Y1及び上糸捕捉案内部36によって糸継装置34に案内された上糸Y2は、上記前端部の開口から加撚ノズル62に導入される。
【0048】
図6(a)〜(c)に示すように、加撚ノズル62の内壁面には、圧縮空気を噴射するための噴射孔62aが形成されている。噴射孔62aから圧縮空気が噴射されると、加撚ノズル62内に旋回空気流が発生する。これにより、加撚部52では、解撚部51で解撚され且つ加撚ノズル62へ案内された下糸Y1の糸端と上糸Y2の糸端とを、旋回空気流によって撚り合わせて糸継ぎすることができる。
【0049】
(ガイド板の構成)
ガイド板53は、略水平に配置された板状の部材である。ガイド板53は、解撚部51及び加撚部52よりも上側に配置されている。
図4に示すように、ガイド板53の前端には、後方に延びており下糸Y1が導入されるガイド溝53Lと、後方に延びており上糸Y2が導入されるガイド溝53Uとが形成されている。ガイド溝53Lの近傍には、後述するカッタ79aが設けられている(
図5参照)。ガイド溝53Uの近傍には、後述するクランプ78aが設けられている(
図4参照)。
【0050】
ガイド板54は、ガイド板53と同様に略水平に配置された板状の部材である。ガイド板54は、解撚部51及び加撚部52よりも下側に配置されている。
図4に示すように、ガイド板54の前端には、後方に延びており下糸Y1が導入されるガイド溝54Lと、後方に延びており上糸Y2が導入されるガイド溝54Uとが形成されている。ガイド溝54Lは、ガイド板53のガイド溝53Lのほぼ真下に配置されている。ガイド溝54Uは、ガイド板53のガイド溝53Uのほぼ真下に配置されている。ガイド溝54Lの近傍には、後述するクランプ78bが設けられている(
図5参照)。ガイド溝54Uの近傍には、後述するカッタ79bが設けられている(
図4参照)。
【0051】
(糸寄せ機構の構成)
糸寄せ機構55は、下糸Y1及び上糸Y2を加撚ノズル62等へ案内・導入するように構成されている。
図4に示すように、糸寄せ機構55は、モータ63(本発明の移動駆動部)と、伝達部材64、65と、一対の糸寄せレバー66(糸寄せレバー66a、66b)とを有する。糸寄せ機構55は、伝達部材64、65を介してモータ63の動力を糸寄せレバー66a、66bに伝達することにより、糸寄せレバー66a、66bを回動させて下糸Y1及び上糸Y2を加撚ノズル62等へ案内・導入する。
【0052】
モータ63は、例えば公知のステッピングモータである。
図4に示すように、モータ63は、糸継装置34の後端部に設けられている。モータ63は、上下方向に延びた回転軸67を有する。回転軸67には、伝達部材64が取り付けられている。伝達部材64は、平面視で例えば概ね扇形の板状部材である。伝達部材64の基端側部分は、回転軸67に固定されている。伝達部材64の先端側部分は、上下方向が軸方向である回動軸68を介して伝達部材65と相対回動可能に接続されている。伝達部材64の先端部には、磁石69が取り付けられている。伝達部材64の下方には、磁石69を検知するための磁気センサ70が設けられている。伝達部材65は、概ね前後方向に長く延びた棒状部材である。伝達部材65の後端部は、回動軸68を介して伝達部材64と接続されている。伝達部材65の前端部は、上下方向が軸方向である回動軸71を介して糸寄せレバー66aと相対回動可能に接続されている。
【0053】
糸寄せレバー66a、66bは、略水平に配置された板状のレバーである。糸寄せレバー66aは、上下方向において、ガイド板53とフロントプレート60aとの間に配置されている(
図6(a)〜(c)参照)。
図4に示すように、糸寄せレバー66aの基端部は、回動軸71を介して伝達部材65と相対回動可能に接続されている。糸寄せレバー66aの基端から先端へ向かう途中部は、上下方向が軸方向であり且つ位置が固定された回動軸72に回動可能に取り付けられている。糸寄せレバー66aの、回動軸72に取り付けられた部分よりもさらに先端側の部分には、後述する撚り止めレバー96aの突起96a1と接触可能な接触部66a1が設けられている。糸寄せレバー66bは、上下方向において、フロントプレート60bとガイド板54との間に配置されている(
図6(a)〜(c)参照)。糸寄せレバー66bは、不図示の連結部材によって、糸寄せレバー66aと一体的に回動可能に連結されている。糸寄せレバー66bの基端部は、回動軸72に回動可能に取り付けられている(
図5参照)。
【0054】
糸寄せレバー66a、66bは、上側から見たときに、下糸Y1及び上糸Y2と接触しない初期位置(
図7、
図8参照)から時計回りに回動可能である。糸寄せレバー66a、66bが初期位置に位置しているとき、糸寄せレバー66a、66bは、左右方向において加撚部52等の外側に位置している。糸寄せレバー66a、66bが初期位置から回動すると、糸寄せレバー66a、66bの先端側部分は、下糸捕捉案内部35によって糸継装置34に案内された下糸Y1、及び、上糸捕捉案内部36によって糸継装置34に案内された上糸Y2に押し付けられる。糸寄せレバー66a、66bの先端側部分が押し付けられた下糸Y1及び上糸Y2は、加撚部52等へ案内・導入される。具体的には、下糸Y1がガイド溝53L、54L及び加撚ノズル62へ案内・導入され、上糸Y2がガイド溝53U、54U及び加撚ノズル62へ案内・導入される。
【0055】
(クランプアンドカッタ機構の構成)
クランプアンドカッタ機構56は、モータ73(
図5参照)によって駆動され、糸寄せ機構55によってガイド溝53L、54Lに導入された下糸Y1及びガイド溝53U、54Uに導入された上糸Y2を把持及び切断するように構成されている。
図4、
図5、
図7〜
図9に示すように、クランプアンドカッタ機構56は、カム74と、カムフォロア75と、伝達部材76と、一対の伝達部材77(伝達部材77a、77b)と、一対のクランプ78(クランプ78a、78b)と、一対のカッタ79(カッタ79a、79b)とを有する。大まかには、クランプアンドカッタ機構56は、カム74、カムフォロア75、伝達部材76、77aを介して、ガイド板53の近傍に配置されたクランプ78a及びカッタ79aにモータ73の動力を伝達する。これにより、クランプ78aによって上糸Y2が把持され、カッタ79aによって下糸Y1が切断される。また、クランプアンドカッタ機構56は、カム74、カムフォロア75、伝達部材76、77bを介してモータ73の動力をクランプ78b及びカッタ79bに伝達する。これにより、クランプ78bによって下糸Y1が把持され、カッタ79bによって上糸Y2が切断される。
【0056】
モータ73は、例えば公知のステッピングモータであり、モータ63とは別に設けられている。モータ73は、糸継装置34の前後方向における概ね中央部に設けられている(
図4、
図5、
図9参照)。モータ73は、上下方向に延びた回転軸80を有する。
【0057】
図4、
図7、
図8に示すように、カム74は、回転軸80に取り付けられている。カム74は、カム面81を有する(詳細については後述する)。また、カム74には、磁石82が取り付けられている。カム74の下方には、磁石82を検知するための磁気センサ83が設けられている。
【0058】
カムフォロア75は、カム74に従動する円板状の部材である。カムフォロア75は、周面がカム面81と接触するように配置されている。カムフォロア75は、伝達部材76に回転自在に取り付けられ(
図4参照)、不図示のねじりコイルバネによってカム面81側へ付勢されている。伝達部材76は、上下方向に延び且つ位置が固定された回動軸84(
図5参照)に回動可能に取り付けられている。伝達部材76は、上下方向に延びるように形成されている。伝達部材76の上端部は、上下方向が軸方向である回動軸85aを介して伝達部材77aに接続されている(
図5参照)。また、伝達部材76の下端部は、上下方向が軸方向である回動軸85bを介して伝達部材77bと相対回動可能に接続されている(
図5参照)。
【0059】
伝達部材77aは、概ね前後方向に延びた棒状の部材である。伝達部材77aの後端部は、回動軸85aを介して伝達部材76の上端部と相対回動可能に接続されている(
図7、
図8参照)。伝達部材77aの前端部は、上下方向が軸方向である回動軸86a(
図8参照)を介してカッタ79aと接続されている。伝達部材77aの前後方向における中間部には、概ね左右方向に屈曲した屈曲部87aが形成されている。屈曲部87aの前面は、後述するクランプ78aのベアリング89a1と接触可能に配置されている。
【0060】
クランプ78aは、ガイド板53よりも上側に配置されている。
図7に示すように、クランプ78aは、位置が概ね固定された固定片88aと、固定片88aに対して移動可能(開閉可能)な可動片89aとを有する。可動片89aは、前後方向に延びた板状の部材である。可動片89aの後端部には、伝達部材77aの屈曲部87aの前面と接触可能なベアリング89a1が設けられている(
図4参照)。可動片89aの前後方向における中間部は、上下方向が軸方向であり且つ位置が固定された回動軸90aに回動可能に取り付けられている。回動軸90aの周りには、可動片89aの先端部を固定片88a側へ付勢するねじりコイルバネ91aが設けられている。クランプ78aは、可動片89aを閉じる(固定片88aと接触させる)ことにより、上糸Y2を固定片88aとの間に挟んで把持する。また、固定片88aは、可動片89aを閉じたときの衝撃を緩和し、かつ可動片89aと滑らかに接触させる目的で、若干では有るが移動可能に取り付けられている。
【0061】
カッタ79aは、ガイド板53よりも下側に配置されている。
図8に示すように、カッタ79aは、位置が固定された固定片92aと、固定片92aに対して移動可能(開閉可能)な略L字状の可動片93aとを有する。固定片92aは、前後方向に延びている。可動片93aの基端部は、回動軸86aを介して伝達部材77aの前端部と相対回動可能に接続されている。可動片93aの屈曲部分は、上下方向が軸方向であり且つ位置が固定された回動軸94aを介して固定片92aに回動可能に取り付けられている。可動片93aの先端部には、刃が形成されている。カッタ79aは、可動片93aを閉じることにより、下糸Y1を可動片93aと固定片92aとの間に挟んで切断する。
【0062】
伝達部材77b、クランプ78b及びカッタ79bは、上述した伝達部材77a、クランプ78a及びカッタ79aと概ね同様の構成を有する。すなわち、伝達部材77bの後端部は、回動軸85bを介して伝達部材76の下端部と相対回動可能に接続されている。伝達部材77bの前端部は、カッタ79b(
図4参照)と相対回動可能に接続されている。伝達部材77bの前後方向における中間部には、屈曲部87bが形成されている。屈曲部87bの前面は、クランプ78bの可動片89b(後述)の後端部と接触可能に配置されている。クランプ78bは、ガイド板54よりも下側に配置されている。クランプ78bは、固定片88bと、可動片89bとを有する(
図5参照)。可動片89bの後端部には、伝達部材77bの屈曲部87bの前面と接触可能なベアリング89b1が設けられている。可動片89bの前後方向における中間部は、回動軸90bに回動可能に取り付けられている。回動軸90bの周りには、ねじりコイルバネ91bが設けられている。カッタ79bは、ガイド板54よりも上側に配置されている。カッタ79bは、固定片92bと、略L字状の可動片93bとを有する(
図4参照)。可動片93bの基端部は、回動軸86bを介して伝達部材77bの前端部と相対回動可能に接続されている。可動片93bの屈曲部分は、固定片92bに回動可能に取り付けられている。可動片93bの先端部には、固定片92bとの間に上糸Y2を挟むことにより上糸Y2を切断可能な刃が形成されている。
【0063】
(撚り止め機構の構成)
撚り止め機構57は、下糸Y1の糸端と上糸Y2の糸端とが加撚部52によって撚り合わされる際、下糸Y1及び上糸Y2を押さえることにより、下糸Y1及び上糸Y2の先端とは反対側への撚りの伝播を抑制するように構成されている。
図4に示すように、撚り止め機構57は、ねじりコイルバネ95と、一対の撚り止めレバー96(撚り止めレバー96a、96b)とを有する。また、
図5、
図9に示すように、撚り止めレバー96には、従動部材97、98が接続されている。さらに、従動部材98の近傍にはストッパ99が設けられている。撚り止めレバー96a、96bは、ねじりコイルバネ95によって糸寄せレバー66a、66b側へ付勢されることにより、糸寄せレバー66a、66bと一体的に回動可能である。また、撚り止めレバー96a、96bは、従動部材98がストッパ99に接触しているときに、回動が規制され、且つ、糸寄せレバー66a、66bに対して相対的に回動可能である。
【0064】
ねじりコイルバネ95は、上述した回動軸72を囲うように配置されている(
図4、
図5参照)。ねじりコイルバネ95は、撚り止めレバー96a、96bを糸寄せレバー66a、66b側へ付勢するように設けられている。撚り止めレバー96a、96bは、略水平に配置され且つ糸寄せレバー66a、66bとは独立して設けられた板状のレバーである。撚り止めレバー96a、96bは、ねじりコイルバネ95によって糸寄せレバー66a、66b側へ付勢されている。撚り止めレバー96a、96bの基端部は、回動軸72に回動可能に取り付けられている(
図7〜
図9参照)。撚り止めレバー96aは、上下方向において、フロントプレート60aと加撚部52との間に配置されている(
図6(a)〜(c)参照)。撚り止めレバー96aの基端から先端へ向かう途中部には、上下方向に延び且つ糸寄せレバー66aの接触部66a1と接触可能な突起96a1が設けられている(
図7、
図8参照)。撚り止めレバー96bは、上下方向において、加撚部52とフロントプレート60bとの間に配置されている(
図6(a)〜(c)参照)。撚り止めレバー96bは、回動軸72を回動軸中心として撚り止めレバー96aと一体的に回動可能に構成されている。撚り止めレバー96bの基端から先端へ向かう途中部は、上下方向が軸方向である回動軸101を介して従動部材97と相対回動可能に接続されている(
図9参照)。撚り止めレバー96a、96bの回動する方向が、本発明の移動方向に相当する。
【0065】
従動部材97は、概ね前後方向に延びた棒状の部材である。従動部材97の前端部は、上下方向が軸方向である回動軸101を介して撚り止めレバー96bの途中部と相対回動可能に接続されている。従動部材97の後端部は、上下方向が軸方向である回動軸102を介して従動部材98と相対回動可能に接続されている。従動部材98は、概ね左右方向に延びた棒状の部材である。従動部材98の一端部は、回動軸102を介して従動部材97と相対回動可能に接続されている。従動部材98の他端部は、位置が固定された上述の回動軸84に回動可能に取り付けられている(
図9参照)。従動部材98の途中部には、ストッパ99と接触可能なベアリング103が回転自在に設けられている。一対の撚り止めレバー96及び従動部材97、98が、本発明の移動部材に相当する。
【0066】
ストッパ99は、撚り止めレバー96a、96bの回動(移動方向における移動)を規制するように構成された、概ね円板状の部材である。ストッパ99の詳細については後述する。
【0067】
上記構成により、撚り止めレバー96a、96bは、下糸Y1及び上糸Y2と接触しない待機位置と、下糸Y1及び上糸Y2を押さえることにより、下糸Y1及び上糸Y2の先端とは反対側への撚りの伝播を抑制する押え位置との間で回動可能(移動可能)である。詳細については後述する。
【0068】
(糸継装置による糸継ぎの概略的な手順)
次に、
図6(a)〜(c)に戻って、上記構成を有する糸継装置34による糸継ぎの概略的な手順について説明する。初期状態として、糸寄せレバー66a、66b及び撚り止めレバー96a、96bは、解撚部51及び加撚部52等の前側、且つ、左右方向における外側に退避している(例えば
図4参照)。
【0069】
糸継装置34の動作前に、下糸捕捉案内部35によって下糸Y1が糸継装置34へ案内され、上糸捕捉案内部36によって上糸Y2が糸継装置34へ案内される。これにより、下糸Y1及び上糸Y2は、解撚部51、加撚部52、ガイド板53及びガイド板54のすぐ前側に位置するように配置される。
【0070】
次に、モータ63(
図4参照)が動作すると、糸寄せレバー66a、66bが後方へ回動させられる(なお、撚り止めレバー96a、96bも糸寄せレバー66a、66bと一体的に回動する)。これにより、下糸Y1及び上糸Y2が糸寄せレバー66a、66bによって後方へ寄せられる。そして、下糸Y1がガイド溝53L、54L及び加撚ノズル62へ案内・導入され、上糸Y2がガイド溝53U、54U及び加撚ノズル62へ案内・導入される(
図6(a)参照)。
【0071】
次に、モータ73(
図4参照)が動作すると、クランプアンドカッタ機構56(
図4参照)が動作する。これにより、クランプ78aによって上糸Y2が把持され、クランプ78bによって下糸Y1が把持される。その直後、カッタ79aによって下糸Y1が切断され、カッタ79bによって上糸Y2が切断される。これにより、下糸Y1の糸端が解撚パイプ61aに吸引され、上糸Y2の糸端が解撚パイプ61bに吸引される(
図6(b)参照)。
【0072】
次に、モータ63(
図4参照)が動作すると、糸寄せレバー66a、66bがさらに後方へ回動させられ、下糸Y1及び上糸Y2が押される。これにより、下糸Y1の糸端が解撚パイプ61aから引き出され、上糸Y2の糸端が解撚パイプ61bから引き出される。また、このとき、撚り止めレバー96a及びフロントプレート60aによって上糸Y2が押さえられ、上糸Y2が屈曲させられる。また、撚り止めレバー96b及びフロントプレート60bによって下糸Y1が押さえられ、下糸Y1が屈曲させられる(
図6(c)参照)。これにより、下糸Y1及び上糸Y2の先端とは反対側への撚りの伝播が抑制される。撚り止めレバー96a、96bの停止位置(押え位置)は、ストッパ99(
図5参照)によって規定される。この状態で、加撚部52の噴射孔62aから圧縮空気が噴射されると、加撚ノズル62内に旋回空気流が発生し、下糸Y1の糸端と上糸Y2の糸端とが旋回空気流によって撚り合わされる。以上のようにして、糸継ぎが行われる。
【0073】
ここで、撚り止めレバー96a、96bの押え位置を規定するためのストッパは、従来、オペレータにより手動で位置調整されるように構成されていた。このため、調整に手間がかかる等の問題があった。そこで、撚り止めレバー96a、96bの押え位置の調整の手間を軽減させるために、ストッパ99、及び、クランプアンドカッタ機構56のカム74が以下のように構成されている。
【0074】
(ストッパ及びカムの詳細構成)
次に、ストッパ99及びカム74のより詳細な構成について、
図4、
図5、
図7〜
図9及び
図10(a)〜(f)を参照しつつ説明する。
図10(a)〜(c)は、カム74を示す説明図である。
図10(d)〜(f)は、ストッパ99を示す説明図である。なお、
図7、
図8及び
図10(a)〜(c)は、平面図(糸継装置34を上側から見た図)である。一方、
図9及び
図10(d)〜(f)は、底面図(糸継装置34を下側から見た図)である。本実施形態における平面図と底面図とでは、左右が互いに逆向きであることに留意されたい。具体的には、
図7、
図8及び
図10(a)〜(c)の紙面左側は、本実施形態の左右方向における左側である。一方、
図9及び
図10(d)〜(f)の紙面左側は、本実施形態の左右方向における右側である。
【0075】
まず、ストッパ99は、モータ73(本発明の調整駆動部及び駆動モータ)によってカム74と共通に回動駆動される。カム74及びストッパ99は、いずれもモータ73の回転軸80に取り付けられている。より詳細には、モータ73の回転軸80は、上下方向(本発明の軸方向)に延びている。回転軸80は、ハウジング73a(
図5参照)から上側(本発明の他方側)に突出した上側軸部80a(本発明の第2軸部。
図4参照)と、ハウジング73aから下側(本発明の一方側)に突出した下側軸部80b(本発明の第1軸部。
図5参照)とを有する。カム74は、上側軸部80aに取り付けられている(
図7、
図8参照)。ストッパ99は、下側軸部80bに取り付けられている(
図9参照)。ストッパ99は、従動部材98よりも前側に配置されている。
【0076】
次に、ストッパ99の形状及びカム74の形状について説明する。説明の便宜上、先にカム74の形状について説明する。
図10(a)に示すように、カム74のカム面81は、第1面81aと、第2面81bと、第3面81cとを有する。第1面81a、第2面81b及び第3面81cは、上側から見たときに、回転軸80を中心として、この順で時計回りに並べて配置されている。第1面81aは、カムフォロア75の周面に沿う形状(すなわち、第1面81aの略全体がカムフォロア75の周面と接触可能な形状)を有している。第1面81aの略全体がカムフォロア75の周面と接触しているとき、カム74の回転角度は初期角度(第1角度)である(言い換えると、回転軸80の回転角度が初期角度(第1角度)である)。
【0077】
第2面81bは、概ね平面状に形成された面である。第2面81bは、第1面81a側の端から第3面81c側の端にわたって、回転軸80の軸中心からの距離が徐々に小さくなった後、当該距離が再び徐々に大きくなるように形成されている。言い換えると、第2面81bの、第1面81a側から第3面81c側へ向かう途中部と、回転軸80の軸中心との距離が最小となっている。
図10(b)に示すように、上側から見たときに、カム74が初期角度から角度θaだけ反時計回りに回転して、第2面81bの第3面81c側の端部がカムフォロア75と接触している状態において、カム74の回転角度は第2角度である。言い換えると、この状態における回転軸80の回転角度が第2角度である。
【0078】
第3面81c(
図10(a)〜(c)の太線参照)は、上側から見たときに略円弧状に形成された面である。すなわち、第3面81cは、第2面81b側の端から第2面81bとは反対側の端にわたって、回転軸80の軸中心との距離が略一定な面である。
図10(c)に示すように、上側から見たときに、カム74が初期角度から角度θbだけ反時計回りに回転して、第3面81cの第2面81bとは反対側の端部がカムフォロア75と接触している状態において、カム74の回転角度は第3角度である。言い換えると、この状態における回転軸80の回転角度が第3角度である。このように、カム74、及び、モータ73の回転軸80は、少なくとも初期角度(第1角度)から第2角度を経由して第3角度まで回転可能である。
【0079】
次に、ストッパ99の形状について説明する。ストッパ99も、カム74と同様に回転軸80に取り付けられているため、初期角度(第1角度)から第2角度を経由して第3角度まで回転可能である(
図10(d)〜(f)参照)。ストッパ99は、回転軸80と略直交する周面104を有する。周面104は、第1面104aと、第2面104b(本発明の接触面。
図10(d)〜(f)の太線参照)とを含む。第1面104a及び第2面104bは、下側から見たときに、回転軸80を中心として、この順で反時計回りに並べて配置されている。第1面104aは、ストッパ99が第1角度と第2角度との間で回転しているときにベアリング103と接触可能な面である。ストッパ99の回転角度が第1角度であるとき、ベアリング103は、第1面104aの、第2面104bとは反対側の端部と接触可能である(
図10(d)参照)。第1面104aは、例えば、回転軸80の軸中心との距離が概ね一定であるが、これには限られない。
【0080】
第2面104bは、ストッパ99が第2角度と第3角度との間で回転しているときにベアリング103と接触可能な面である。すなわち、ストッパ99の回転角度が第2角度であるとき(
図10(e)参照)、第2面104bの第1面104a側の端部がベアリング103と接触可能である。ストッパ99の回転角度が第3角度であるとき(
図10(f)参照)、第2面104bの第1面104aとは反対側の端部がベアリング103と接触可能である。少なくとも第2面104bは、ストッパ99の回転周方向(周方向)における位置に応じて回転軸80の軸中心からの距離が変わるように形成されている。一例として、第2面104bは、周方向において第1面104aから遠ざかるほど回転軸80の軸中心との距離が近くなるように形成されている。
【0081】
(糸継装置の動作の詳細)
次に、糸継装置34の動作(特に、糸寄せ機構55、クランプアンドカッタ機構56及び撚り止め機構57の動作)の詳細について、
図11(a)〜
図15(d)を参照しつつ説明する。
図11(a)〜
図15(d)のうち、「(a)」が付された図面は、糸寄せレバー66a撚り止めレバー96aの動作を示す説明図である。「(b)」が付された図面は、糸寄せレバー66b及び撚り止めレバー96bの動作を示す説明図である。「(c)」が付された図面は、クランプ78aの動作を示す説明図である。「(d)」が付された図面は、カッタ79aの動作を示す説明図である。なお、クランプ78b及びカッタ79bは、クランプ78a及びカッタ79aと同様の原理によって動作するため、クランプ78b及びカッタ79bの動作に関する図示及び詳細な説明は省略する。
【0082】
図11(a)〜
図15(d)のうち、「(a)」、「(c)」又は「(d)」が付された図面は、平面図(糸継装置34を上側から見た図)である。「(b)」が付された図面は、底面図(糸継装置34を下側から見た図)である。本実施形態における平面図と底面図とでは、左右が互いに逆向きであることに留意されたい。
【0083】
初期状態として、伝達部材64に設けられた磁石69が磁気センサ70の真上に位置し、且つ、カム74に設けられた磁石82が磁気センサ83の真上に位置している(
図11(a)参照)。このとき、糸寄せレバー66a、66b、クランプ78a、78b、カッタ79a、79b、撚り止めレバー96a、96bが初期位置に位置している(
図11(a)〜(d)参照)。すなわち、糸寄せレバー66a、66b、撚り止めレバー96a、96bは、概ね前後方向に延びており(
図11(a)、(b)参照)、下糸Y1及び上糸Y2に接触していない。撚り止めレバー96a、96bの初期位置が、本発明の待機位置に相当する。この位置ではクランプ78a、78bは開いている(
図11(c)参照)。カッタ79a、79bは開いている(
図11(d)参照)。
【0084】
まず、モータ63が動作し、回転軸67が、上側から見たときに時計回りに回動する(
図12(a)の矢印A01参照)。これにより、モータ63の動力が伝達部材64、65を介して糸寄せレバー66a、66bに伝達され、上側から見たときに、糸寄せレバー66a、66bが時計回りに回動する(
図12(a)の矢印A02参照)。モータ63は、糸寄せレバー66a、66bが下糸Y1及び上糸Y2を加撚部52等へ案内・導入する位置(
図12(a)参照)まで移動したときに動作停止する。このように糸寄せレバー66a、66bが移動しているとき、撚り止めレバー96a、96bがねじりコイルバネ95によって糸寄せレバー66a、66b側へ付勢されており、且つ、突起96a1が接触部66a1と接触している。これにより、撚り止めレバー96a、96bは、糸寄せレバー66a、66bと一体的に回動する(移動する)。また、撚り止めレバー96a、96bが回動すると、撚り止めレバー96bと接続された従動部材97、及び、従動部材97と接続された従動部材98が従動する(
図12(b)の矢印A03参照)。従動部材98に設けられたベアリング103がストッパ99に接触すると、従動部材98のさらなる移動が規制される。これにより、撚り止めレバー96a、96bの回動も規制される(
図12(b)参照)。具体的には、ストッパ99によって、撚り止めレバー96a、96bの移動方向における一方側(概ね後方)へのさらなる回動が規制される。
【0085】
また、モータ63の上記動作と合わせて、モータ73も動作し、回転軸80が、上側から見たときに反時計回りに回転する。これにより、カム74が、上方から見たときに反時計回りに回転する(
図12(c)、(d)の矢印A04参照)。カム74は、第1角度と第2角度との間で回転する。カムフォロア75は、カム面81の第2面81bと接触しており、且つ、カムフォロア75の回転軸中心と回転軸80の軸中心との距離が徐々に小さくなるように移動させられる。このとき、伝達部材76は、上側から見たときに反時計回りに回動する。これにより、伝達部材77aが前方へ移動させられる(
図12(c)、(d)の矢印A05参照)。すると、クランプ78aの可動片89aに設けられたベアリング89a1が伝達部材77aの屈曲部87aによって前方に押される。このとき、可動片89aが、回動軸90aを軸中心として、ねじりコイルバネ91aによる付勢力に逆らって、上側から見たときに反時計回りに回動する(
図12(c)の矢印A06参照)。これにより、クランプ78aが初期位置よりもさらに開かれる。クランプ78bも、同様の原理でさらに開かれる。
【0086】
また、上述したように伝達部材77aが前方へ移動させられると、カッタ79aの可動片93aは、回動軸94aを軸中心として、上側から見たときに時計回りにわずかに回動する。これにより、カッタ79aは、初期位置からわずかに開かれる(矢印省略)。カッタ79bも、同様の原理で開かれる。
【0087】
また、モータ73の上記動作時、ストッパ99は、下側から見たときに時計回りに回転する(
図12(b)の矢印A07参照)。このとき、ストッパ99の第1面104aがベアリング103と接触している(
図12(b)参照)。
【0088】
上述したような、
図12(a)〜(d)に示すタイミングでは、糸寄せレバー66a、66bによって下糸Y1及び上糸Y2が加撚部52等へ案内・導入される(
図6(a)参照)。
【0089】
次に、モータ63の動作が停止した状態(
図13(a)参照)で、モータ73がさらに動作する。このとき、回転軸80が、上側から見たときに反時計回りに(下側から見たときに時計回りに)回転する(
図13(b)〜(d)参照)。このとき、カム74の回転角度は、第2角度まで到達する(
図13(c)、(d)の矢印A08参照)。また、カムフォロア75は、カム面81の第2面81bと接触しており、且つ、カムフォロア75の回転軸中心と回転軸80の軸中心との距離が徐々に大きくなるように移動させられる。これにより、伝達部材77aが後方へ移動させられる(
図13(c)、(d)の矢印A09参照)。すると、伝達部材77aの屈曲部87aが、可動片89aに設けられたベアリング89a1から離隔する。このとき、可動片89aが、ねじりコイルバネ91aによる付勢力によって、上側から見たときに時計回りに回動する(
図13(c)の矢印A10参照)。これにより、クランプ78aが閉じられ、可動片89aと固定片88aとの間に上糸Y2が挟まれて把持される。クランプ78bも、同様に閉じられ、可動片89bと固定片88bとの間に下糸Y1が挟まれて把持される。
【0090】
また、上述したように伝達部材77aが後方へ移動させられると、カッタ79aの可動片93aは、上側から見たときに反時計回りに回動する(
図13(d)の矢印A11参照)。これにより、カッタ79aが閉じられ、可動片93aと固定片92aとの間に下糸Y1が挟まれて切断される。カッタ79bも、同様に閉じられ、可動片93bと固定片92bとの間に上糸Y2が挟まれて切断される。このとき、下糸Y1が解撚パイプ61aに吸い込まれ、上糸Y2が解撚パイプ61bに吸い込まれる(
図6(b)参照)。
【0091】
以上のように、回転軸80及びカム74が第1角度と第2角度との間で回転しているときに、クランプアンドカッタ機構56を動作させることができる。回転軸80及びカム74の回転角度が第2角度に到達したとき、クランプアンドカッタ機構56の動作が完了する。
【0092】
また、モータ73の上記動作時、ストッパ99は、下側から見たときに時計回りにさらに回転する(
図13(b)の矢印A12参照)。このとき、ストッパ99の第1面104aと第2面104bとの境目部分がベアリング103と接触している(
図13(b)参照)。
【0093】
次に、モータ63が動作し、モータ63の回転軸67及び伝達部材64が、上側から見たときに時計回りにさらに回動する(
図14(a)の矢印A13参照)。これにより、上側から見たときに、糸寄せレバー66a、66bが時計回りにさらに回動する(
図14(a)の矢印A14参照)。このとき、
図14(b)に示すように、ベアリング103がストッパ99に接触しているため、撚り止めレバー96a、96bの後方への回動が規制される。これにより、糸寄せレバー66aの接触部66a1が撚り止めレバー96aの突起96a1と離隔し、糸寄せレバー66a、66bと撚り止めレバー96a、96bとが一体的に回動している状態(第1状態)が解除される。言い換えると、糸寄せレバー66a、66bと撚り止めレバー96a、96bとが相対的に回動する(第2状態)。さらに言い換えると、第2状態においては、撚り止めレバー96a、96bが、糸寄せレバー66a、66bに対して独立して位置決めされる。このように、撚り止めレバー96a、96bは、第1状態と第2状態との間で状態を切換可能である。糸寄せレバー66a、66bの上記動作により、下糸Y1が解撚パイプ61aから引き出され、上糸Y2が解撚パイプ61bから引き出される(
図6(c)参照)。モータ63の上記動作時、モータ73の動作は、例えば停止している(
図14(b)〜(d)参照)。
【0094】
次に、例えばモータ63の動作が停止した後、モータ73が動作し、回転軸80が、上側から見たときに反時計回りに(下側から見たときに時計回りに)さらに回転する(
図15(b)〜(d)参照)。回転軸80、カム74及びストッパ99は、第2角度と第3角度との間で回転する(
図15(b)の矢印A15及び
図15(c)、(d)の矢印A16参照)。カムフォロア75は、カム面81の第3面81cと接触しており、カムフォロア75の回転軸中心と回転軸80の軸中心との距離は一定に維持される(
図15(c)、(d)参照)。このため、クランプアンドカッタ機構56の動作は停止している。また、このとき、ストッパ99の第2面104bがベアリング103と接触している(
図15(b)参照)。ストッパ99の回転角度に応じて、第2面104bのベアリング103との接触部分が変化する。これに伴い、ベアリング103と回転軸80の軸中心との距離が変化し、従動部材98が回動させられる(例えば、
図15(b)の矢印A17参照)。これにより、撚り止めレバー96a、96bも回動させられ、位置が微調整される(例えば、
図15(b)の矢印A18参照)。具体的には、ストッパ99の回転角度が第2角度に近いときには、撚り止めレバー96a、96bの先端側部分が比較的前側に位置する。これにより、下糸Y1及び上糸Y2が比較的緩く押さえられる。一方、ストッパ99の回転角度が第3角度に近いときには、撚り止めレバー96a、96bの先端側部分が比較的後側に位置する。これにより、下糸Y1及び上糸Y2が比較的強く押さえられる。モータ73の動作が停止し、ストッパ99の回転が停止したときの撚り止めレバー96a、96bの位置が、押え位置である。
【0095】
このように、撚り止めレバー96a、96bは、待機位置と押え位置との間で回動可能(移動可能)である。押え位置は、待機位置よりも移動方向における一方側に位置している。ストッパ99によって、撚り止めレバー96a、96bの移動方向における一方側(概ね後方)へのさらなる移動が規制される。さらに、押え位置は、モータ73がストッパ99を駆動することにより調整される。ストッパ99は、上述したように、回転軸80及びストッパ99が第2角度と第3角度との間で回転しているときに押え位置を変化させる。このため、本実施形態のように、撚り止めレバー96a、96bがモータ63によって糸寄せレバー66a、66bと共通に移動駆動され、モータ63の動作を調整することで押え位置を調整することが難しい構成でも、押え位置を簡単に調整できる。
【0096】
以上のように、モータ73によって、人手によらず撚り止めレバー96a、96bの押え位置を調整できる。したがって、撚り止めレバー96a、96bの押え位置の調整の手間を軽減させることができる。
【0097】
また、糸寄せレバー66a、66b及び撚り止めレバー96a、96bの動作を決定するモータ63と、ストッパ99を駆動するモータ73とが別々に設けられている。このため、モータ63の動作を変更することなくストッパ99の位置を調整できる。したがって、撚り止めレバー96a、96bの押え位置を他の機構の動作に左右されることなく簡単に変更できる。
【0098】
また、ストッパ99の位置調整により撚り止めレバー96a、96bの押え位置を調整できる。さらに、撚り止めレバー96a、96bがストッパ99と接触している第2状態において、糸寄せレバー66a、66bと撚り止めレバー96a、96bとを相対移動させることができる。したがって、撚り止めレバー96a、96bと糸寄せレバー66a、66bとが共通に移動駆動される構成においても、撚り止めレバー96a、96bの押え位置と糸寄せレバー66a、66bの停止位置とを独立的に調整できる。
【0099】
また、ストッパ99の回転角度を調整することにより第2面104bの移動部材との接触部分を変更でき、これにより押え位置を調整できる。したがって、シンプルな構成により押え位置を調整できる。
【0100】
また、上述したように、撚り止めレバー96a、96bを押え位置に位置させるべきタイミングでは、クランプアンドカッタ機構56の動作は既に完了している。糸継装置34は、ストッパ99及びカム74をモータ73で回転駆動し、さらに、回転軸80を第1角度と第2角度との間で回転させているときにカムフォロア75を移動させるように構成されている。また、回転軸80を第2角度と第3角度との間で回転させているときに、押え位置を調整できる。このように、回転軸80の回転角度に応じて、クランプアンドカッタ機構56の動作と押え位置の調整とを独立的に行わせることができるので、駆動源の数を増やすことなく押え位置を調整できる。したがって、装置の大型化及びコストの増大を抑えつつ押え位置の調整の手間を軽減させることができる。
【0101】
また、ストッパ99及びカム74は、回転軸80に取り付けられている。このような単純な構成により、ストッパ99及びカム74を回転させることができる。したがって、装置の大型化を抑制できる。
【0102】
また、ストッパ99が、モータ73のハウジング73aを挟んでカム74とは反対側に位置している。したがって、ストッパ99及びカム74が回転軸の軸方向における同じ側に取り付けられている構成と比べて、ストッパ99がクランプアンドカッタ機構56と干渉することを容易に回避できる。
【0103】
また、糸継装置34が設けられた巻取ユニット2において、押え位置の調整の手間を軽減させることができる。したがって、調整のための巻取ユニット2の停止時間を短縮させることができ、稼働効率を向上させることができる。
【0104】
また、このような糸継装置34によって、自動ワインダ1の複数の巻取ユニット2における押え位置の手間を軽減できる。特に、自動ワインダ1のスパン単位で設定を変更する際には、押え位置の調整をスパン単位で一括調整できるので、調整の手間を大きく軽減することができる。したがって、自動ワインダ1の稼働効率を大幅に向上させることができる。
【0105】
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0106】
(1)前記実施形態において、カム74がモータ73の上側軸部80aに取り付けられており、ストッパ99がモータ73の下側軸部80bに取り付けられているものとしたが、これには限られない。カム74及びストッパ99は、例えば、回転軸80の上下方向における同じ側に取り付けられていても良い。
【0107】
(2)前記までの実施形態において、ストッパ99及びカム74がモータ73の回転軸80に取り付けられているものとしたが、これには限られない。モータ73の動力伝達方向において、回転軸80とストッパ99又はカム74との間に、不図示の伝達部材が介在していても良い。この場合でも、回転軸80を第1角度と第2角度との間で回転させているときにカムフォロア75を移動させることができ、且つ、回転軸80を第2角度と第3角度との間で回転させているときに押え位置を調整できるように糸継装置34が構成されていれば良い。
【0108】
(3)前記までの実施形態において、クランプアンドカッタ機構56及びストッパ99の両方がモータ73によって駆動されるものとしたが、これには限られない。クランプアンドカッタ機構56を動作させるための駆動源とストッパ99を動作させるための駆動源とが、別々に設けられていても良い。
【0109】
(4)前記までの実施形態において、糸寄せレバー66a、66b及び撚り止めレバー96a、96bの両方がモータ63によって駆動されるものとしたが、これには限られない。糸寄せレバー66a、66bを動作させるための駆動源と撚り止めレバー96a、96bを動作させるための駆動源とが、別々に設けられていても良い。
【0110】
(5)前記までの実施形態において、糸寄せレバー66a、66bが下糸Y1及び上糸Y2を加撚部52等へ案内するタイミングで、従動部材98に設けられたベアリング103がストッパ99と接触するものとした。言い換えると、モータ73及びストッパ99による押え位置の調整前に、撚り止めレバー96a、96bの移動がストッパ99によって規制されるものとした。しかしながら、これには限られず、ベアリング103をストッパ99と接触させるタイミングは、ストッパ99による押え位置の調整中或いは調整後であっても良い。糸継装置34は、加撚部52によって下糸Y1と上糸Y2とが撚り合わされるよりも前に、撚り止めレバー96a、96bの押え位置を規定するように構成されていれば良い。
【0111】
(6)前記までの実施形態において、ストッパ99がモータ73によって回転駆動されることにより、ストッパ99の回転角度に応じて撚り止めレバー96a、96bの押え位置が調整されるものとしたが、これには限られない。ストッパ99は、例えば、不図示のリニアアクチュエータにより直線的に移動駆動されても良い。
【0112】
(7)前記までの実施形態において、従動部材98に設けられたベアリング103とストッパ99とが接触することにより撚り止めレバー96a、96bの回動(移動)が規制されるものとしたが、これには限られない。ストッパ99は、例えば、撚り止めレバー96a又は撚り止めレバー96bと直接接触することにより撚り止めレバー96a、96bの回動(移動)を規制するように設けられていても良い。
【0113】
(8)前記までの実施形態において、撚り止めレバー96a、96bが回動駆動されるように構成されているものとしたが、これには限られない。撚り止めレバー96a、96bは、例えば直線的に移動可能に構成されていても良い。
【0114】
(9)前記までの実施形態において、ストッパ99が駆動されることによって撚り止めレバー96a、96bの押え位置が調整されるものとしたが、これには限られない。撚り止めレバー96a、96bを移動駆動する移動駆動部が、撚り止めレバー96a、96bを所望の押え位置で停止させるように動作しても良い。つまり、撚り止めレバー96a、96bが所望の位置でちょうど停止するタイミングで移動駆動部が動作停止するように、移動駆動部が構成されていても良い。
【0115】
(10)前記までの実施形態において、糸寄せレバー66a、66bを動かすことにより下糸Y1及び上糸Y2を解撚パイプ61a、61bからそれぞれ引き出すタイミングと、撚り止めレバー96a、96bの押え位置を調整するタイミングとが別々であるものとした。しかしながら、これには限られず、これらのタイミングが同時であっても良い。
【0116】
(11)前記までの実施形態において、自動ワインダ1は複数の巻取ユニット2を備えるものとしたが、これには限られない。自動ワインダ1は、巻取ユニット2を1つのみ備えていても良い。
【0117】
(12)本発明は、自動ワインダ1に限らず、例えば特開2019−31380号公報に記載されているような紡績機等、様々な糸巻取機に適用可能である。