特開2021-123993(P2021-123993A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-123993(P2021-123993A)
(43)【公開日】2021年8月30日
(54)【発明の名称】掘削器具
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/02 20060101AFI20210802BHJP
   A01M 1/00 20060101ALI20210802BHJP
【FI】
   E02F3/02 L
   A01M1/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-20381(P2020-20381)
(22)【出願日】2020年2月10日
(71)【出願人】
【識別番号】519427882
【氏名又は名称】シンケンハウスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100133271
【弁理士】
【氏名又は名称】東 和博
(72)【発明者】
【氏名】久保田 和広
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA16
2B121CC06
2B121CC12
2B121EA25
2B121FA02
2B121FA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】建物の周囲にシロアリ防除用ステーションの設置穴を効率よく掘削することが可能な掘削器具を提供する。
【解決手段】中空のシャフト11と、支持部12を介してシャフト11の下端に、中心軸がシャフト11の中心軸と同一となるように接続された円筒部13と、円筒部13の下端に設けられた刃部14と、シャフト11の上端に接続されたハンドル部15を備える。刃部14は、円筒部13の下端に沿って円弧状に延びるとともに、相対する一対の掘削刃を備える。各掘削刃は、掘削方向に対し、回転方向前端部の刃先が外向き、中間部から回転方向後端部に向かう刃全体が内向きに曲げられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の周囲にシロアリ防除用ステーションを設置する設置穴を掘削するための掘削器具であって、
中空のシャフトと、支持部を介して前記シャフトの下端に、中心軸が前記シャフトの中心軸と同一となるように接続された円筒部と、当該円筒部の下端に設けられた刃部と、前記シャフトの上端に接続されたハンドル部を備えており、
前記刃部は、前記円筒部の下端に沿って円弧状に延びるとともに、相対する一対の掘削刃を備えており、各掘削刃は、掘削方向に対し、回転方向前端部の刃先が外向き、中間部から回転方向後端部に向かう刃全体が内向きに曲げられていることを特徴とする掘削器具。
【請求項2】
掘削方向に対し、各掘削刃の回転方向前端部の刃先角度が外向きに3〜15度であることを特徴とする、請求項1記載の掘削器具。
【請求項3】
掘削方向に対し、各掘削刃の、中間部から回転方向後端部に向かう刃全体の刃角度が内向きに3〜15度であるであることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の掘削器具。
【請求項4】
前記円筒部の内部に、当該円筒部の下端部から内周面に沿って上向きにらせん状に延びるガイド片が取り付けられていることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の掘削器具。
【請求項5】
掘削方向と直交する方向に対し、前記ガイド片が前端から後端にかけて中心方向に向かうに従い下向きとなる角度に取り付けられていることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の掘削器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手で回しながら穴を掘削する掘削器具に関し、特にシロアリ防除用ステーションの設置穴を掘削するための掘削器具に関する。
【背景技術】
【0002】
シロアリは建物の木材を食べて建物に被害を及ぼすことから、建物の被害を防ぐため、シロアリの予防と駆除対策が必要である。シロアリは日本に広く分布し(イエシロアリ、ヤマトシロアリなど)、主に地中に巣を作って生活し、巣の中の頭数が一定数に達すると、羽根アリとなって巣を飛び立ち、別の地中に新しい巣を作る。シロアリは乾燥や日光に弱く、外気との接触を嫌い、地中に蟻道と呼ばれるトンネルを作り、地中から床下の基礎コンクリートや束石を通して建物に侵入するという習性がある。
【0003】
シロアリの予防および駆除方法(防除方法)として、これまで、建物の木材や壁に穿孔して薬剤を注入し、また、建物の床下に薬剤を散布して、シロアリの進入を防ぐ方法が一般的に行われてきた。近年、シロアリの習性を利用し、建物の周囲にステーションと呼ばれる器具を埋設し、器具内に収容した薬剤を含む餌でシロアリをおびき寄せ、巣ごと死滅させる新しい方法(ベイト工法と呼ばれる)が実施されている(特許文献1、2参照)。
【0004】
図11は、後者の防除方法に使用されるステーションの設置例である。図11の例は建物1の周囲に複数のステーション(器具)2が設置(埋設)されている。ステーション2は、図12(A)(B)に示すように2つのタイプがあり、それぞれ筒状の器具本体2aにシロアリが出入りする開口部3が設けられている。
【0005】
図12(A)に示すタイプは、ステーション2にシロアリが好む餌木(モニタリングデバイス)4を収容し、点検担当者が定期的に各ステーション2の餌木4を点検するもので、餌木が食べられているかどうかを確認し、シロアリの存在を確認したら、薬剤入り餌材5に交換するようになっている。当該薬剤によりシロアリを駆除し、さらにはシロアリの習性(餌場に仲間を誘導する)を利用して巣全体に薬剤を行き渡らせ、巣を根絶させるようになっている。図12(B)に示すタイプは、ステーション2に薬剤入り餌材6を収容し、点検担当者がスケジュールに基づき薬剤入り餌材の状態とシロアリの活動状況をチェックするもので、薬剤入り餌材が一定量減っていた場合は新しい薬剤入り餌材と交換するようになっている。薬剤によりシロアリを駆除し、また、シロアリの習性を利用して巣を根絶させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−193907号公報
【特許文献2】特開2010−220624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のステーションを用いるシロアリの防除方法は、セントリコン・システム(登録商標)と呼ばれるが、従来は、建物の周囲(東西南北方向)に点検担当者が専用の器具を用いてステーションを設置する穴を掘削していた。しかしながら、建物の周囲の土質によっては地面に器具を押し込む力が余計に要ったり、器具を手で何度も回しながら地面を掘り下げたり、さらには掘り下げた穴から土を外に回収するのに苦労する場合もあり、ステーションを設置する穴の掘削作業は点検担当者の悩みの種であった。
【0008】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、建物の周囲にシロアリ防除用ステーションの設置穴を効率よく掘削することが可能な掘削器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、建物の周囲にシロアリ防除用ステーションを設置する設置穴を掘削するための掘削器具であって、
中空のシャフトと、支持部を介して前記シャフトの下端に、中心軸が前記シャフトの中心軸と同一となるように接続された円筒部と、当該円筒部の下端に設けられた刃部と、前記シャフトの上端に接続されたハンドル部を備えており、
前記刃部は、前記円筒部の下端に沿って円弧状に延びるとともに、相対する一対の掘削刃を備えており、各掘削刃は、掘削方向に対し、回転方向前端部の刃先が外向き、中間部から回転方向後端部に向かう刃全体が内向きに曲げられていることを第1の特徴とする。
【0010】
本発明に係る掘削器具は、掘削方向に対し、各掘削刃の回転方向前端部の刃先角度が外向きに3度から15度の範囲であることを第2の特徴とする。同刃先角度は外向きに5度から10度の範囲であることが望ましい。
【0011】
本発明に係る掘削器具は、掘削方向に対し、各掘削刃の、中間部から回転方向後端部に向かう刃全体の刃角度が内向きに3度から15度の範囲であることを第3の特徴とする。同刃角度は内向きに5度から10度の範囲であることが望ましい。
【0012】
本発明に係る掘削器具は、前記円筒部の内部に、当該円筒部の下端部から内周面に沿って上向きにらせん状に延びるガイド片が取り付けられていることを第4の特徴とする。
【0013】
本発明に係る掘削器具は、掘削方向と直交する方向に対し、前記ガイド片が前端から後端にかけて中心方向に向かうに従い下向きとなる角度に取り付けられていることを第5の特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明の掘削器具によると、点検担当者らが、建物の周囲にシロアリ防除用ステーションを設置する穴を効率よく掘削することができ、点検担当者の作業負担の軽減と業務の効率化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る掘削器具の正面図、
図2図1に示す掘削器具の平面図、
図3】同掘削器具の刃部を示す拡大底面図、
図4】同掘削器具の円筒部の内部を示す断面図、
図5】同掘削器具の刃部を正面からみた拡大図、
図6】同掘削器具の刃部を側面からみた拡大図、
図7】同掘削器具を地面に押し当てた状態を示す説明図、
図8】同掘削器具を用いて地面を掘削中の様子を示す説明図、
図9】同掘削器具を掘削穴から引き上げた状態を示す説明図、
図10】掘削後の設置穴にステーションを設置した状態を示す説明図、
図11】建物の周囲にステーションを設置した状態を示す平面図、
図12】(A)はステーションと薬剤入り餌材を示す正面図、(B)は別タイプのステーションと薬剤入り餌材を示す正面図、
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。図1ないし図12は本発明に係る一実施形態を示すもので、これらの図において、符号10は掘削器具を示している。
【0017】
掘削器具10は、建物の周囲にシロアリの点検または駆除を行うシロアリ防除用ステーションを設置する設置穴を掘削するための器具で、図1に示すように、中空のシャフト11と、支持部12を介して前記シャフト11の下端に接続された円筒部13と、円筒部13の下端に設けられた刃部14と、前記シャフト11の上端に接続されたハンドル部15を備えた構造となっている。
【0018】
中空のシャフト11は、ステンレス製または鉄製からなる長尺パイプ状のもので、所定の長さ(例:60〜70cm)および外径(例:2.5〜3cm)を有している。シャフト11の下端部および上端部には支持パイプ16、17が外装され、溶接等により固定されている。
【0019】
支持部12は、ステンレス製または鉄製の板をコ字形に折り曲げたもので、図4に示すように、中央の固定部12aの左右から支持片12b、12bが下向きにかつ若干開くように折り曲げられている。固定部12aの上面に前記支持パイプ16の下面が溶接等により固定されており、これにより、シャフト11の下端に支持部12が固定支持されている。
【0020】
円筒部13は、ステンレス製または鉄製からなる円筒状のもので、ステーションを設置する設置穴の深さおよび内径に合わせて、所定の長さ(例:14〜16cm)および外径(例:6〜7cm)を有している。円筒部13は、上端開口部の外径より下端開口部の外径が若干大きく、よって下に行くに従い末広がりとなる形状をしている。
【0021】
円筒部13は、シャフト11の下方に、中心軸がシャフト11の中心軸と同一となるように配置されるとともに、図4に示すように、円筒部13の上端13aに、前記支持部12の支持片12b、12bの下端が溶接等により固定されている。これにより支持部12を介して円筒部13がシャフト11の下端に強固に接続されている。
【0022】
刃部14は、ステンレス製または鉄製からなる刃状の部分で、図3に示すように、円筒部13の下端13bに沿って円弧状に延びるとともに、相対する一対の掘削刃18、19を備えている。各掘削刃18、19は円筒部13の下端13bに溶接等により固定されている。
【0023】
掘削刃18は、刃本体が、回転方向からみて前端部18aと中間部18bと後端部18cからなり、掘削方向に対し、前端部18aは刃先18a’が外向きになるように少し曲げられ、中間部18bは刃先18b’を含む刃全体が内向きになるように少し曲げられ、後端部18cは刃先18c’を含む刃全体が掘削方向と略同じ向きとなっている。すなわち、掘削方向に対し、前端部18aは刃先角度が外向きに5度から10度の範囲となるように緩やかに曲げられ、中間部18bは当該刃全体の刃角度が内向きに5度から10度の範囲となるように緩やかに曲げられている。ここで、掘削方向は、シャフト11の中心軸方向、すなわち円筒部13の中心軸方向と一致している。
【0024】
上記掘削刃18において、図5および図6に示すように、前端部18aの刃先18a’は回転時に土を切りやすい切っ先形状となっており、中間部18bの刃先18b’は前端部18aの刃先18a’から斜め下向きに延びてピーク部pから後端部18cに向けて緩やかに斜め上向きに延びる形状で、後端部18cの刃先18c’は根元側へ段部となって円筒部13の下端13bに接続されている。
【0025】
同様に、掘削刃19は、刃本体が、回転方向からみて前端部19aと中間部19bと後端部19cからなり、掘削方向に対し、前端部19aは刃先19a’が外向きになるように少し曲げられ、中間部19bは刃先19b’を含む刃全体が内向きになるように少し曲げられ、後端部19cは刃先19c’を含む刃全体が掘削方向と略同じ向きとなっている。すなわち、掘削方向に対し、前端部19aは刃先角度が外向きに5度から10度の範囲となるように緩やかに曲げられ、中間部19bは当該刃全体の刃角度が内向きに5度から10度の範囲となるように緩やかに曲げられている。
【0026】
上記掘削刃19において、掘削刃18と同様に、前端部19aの刃先19a’は回転時に土を切りやすい切っ先形状となっており、中間部19bの刃先19b’は前端部19aの刃先19a’から斜め下向きに延びてピーク部pから後端部19cに向けて緩やかに斜め上向きに延びる形状で、後端部19cの刃先19c’は根元側へ段部となって円筒部13の下端13bに接続されている。
【0027】
円筒部13の内面には、図4に示すように、刃部14により掘削された土を円筒部13内で上向きに案内するらせん状のガイド片20が取り付けられている。ガイド片20の前端20aは、掘削刃18の前端部18aから周方向に略半周後退した位置でかつ円筒部13の下端13b付近の高さに位置し、ガイド片20は、一定の幅(例:1.0〜1.5cm)で円筒部13の内周面をらせん状に略一周し、ガイド片20の後端20bは、ガイド片20の前端20aのほぼ真上付近に達している。ガイド片20は、前端20aから後端20bに至るまで、円筒部13の中心軸の軸線方向と直交する方向に対し、中心方向に向かうに従い内端側が下向きとなるように、円筒部13の内周面に取り付けられ、かつ、その取付け角度が、円筒部13の中心軸の軸線方向と直交する方向に対し、5度から20度の範囲とされている。
【0028】
ハンドル部15は、ステンレス製または鉄製からなるパイプ状のもので、所定の長さ(例:26〜30cm)および外径(例:2.5〜3cm)を有している。ハンドル部15を横向きにした状態でハンドル部15の中央下面にシャフト11の上端部の支持パイプ17が溶接等により固定され、これにより、シャフト11の上面にハンドル部15が強固に固定支持されている。
【0029】
上記構成の掘削器具10は、図7に示すように、地面Gに刃部14を当てた掘削準備の姿勢でハンドル部15の高さが大人の腰付近に位置しており、ハンドル部15の左右両端を両手で把持した自然な立位の姿勢で地面に設置穴を掘削することができる。
【0030】
次に、上記構成の掘削器具10を用いて、点検担当者(点検作業者)が、建物の周囲にステーションを設置するための設置穴を掘削し、ステーションを設置する手順について、説明する。
【0031】
まず、点検担当者は、図11を参照して、建物1の周囲にステーション2を設置する場所を定める。ここでは建物1の北側から東側まで順次、複数箇所(図示例では8か所)にステーション2を設置する。
【0032】
次に、ステーションの設置場所が定まったら、点検担当者は、図7のように、地面Gに対し掘削器具10を垂直に立て、刃部14を地面Gに押し当て、地中に抑え込む。次に、両手で把持したハンドル部15を、シャフト11の中心軸回りに、平面視して時計回りに回しながら(図2の矢印R方向)、ハンドル部15に下向きの力を与えて刃部14を地中に進入させる。
【0033】
下向きの力と回転方向の力により刃部14の掘削刃18、19が地中に進入すると、掘削刃18、19の前端部18a、19aの切刃により周囲の土が削り取られ、円筒部13内部に抱きかかえられるように溜め込まれる。円筒部13内部の土は、らせん状のガイド片20の前端20aからすくい上げられ、内部を上へと押し上げられる。
【0034】
ハンドル部15を2〜3回、回して掘り進め、図8に示すように、掘削穴hが所定の深さに達したら、図9のように掘削器具10を上に引き抜く。掘削器具10の円筒部13内部に溜め込まれた掘削土は、刃部14の掘削刃18、19の内向きに曲げられた中間部18b、19bおよび内部のらせん状のガイド片20により、円筒部13内に抱きかかえるように保持され、落下することなく、掘削器具10とともに引き上げられる。
【0035】
掘削器具10とともに引き上げられた掘削土は、掘削器具10の位置を設置穴hの横にずらし、掘削器具10を上下に振って内部の掘削土を地面に排出させる。掘削土が粘質土などである場合は、円筒部13の外からゴムハンマーなどで衝撃を与え、内部の掘削土を地面に排出させる。らせん状のガイド片20は、中心にいくに従い下向きとなる角度に取り付けられており、内部の掘削土をスムーズに落下させることができる。
【0036】
掘削器具10により地面に設置穴(掘削穴)hを掘削したら(図示例はh=27〜28cm程度である)、図10に示すように、ステーション2を設置穴hに設置する。ステーション2には、図12に示すように、タイプによって餌木4または薬剤入り餌材6が収容され、シロアリの監視または駆除が開始される。
【0037】
点検担当者は、図11を参照し、場所を移動しながら、以上の手順により、掘削器具10により地面Gに設置穴hを順次掘削し、ステーション2を設置する。
【0038】
本実施形態の掘削器具10によると、ハンドル部15を操作して、刃部14の相対する掘削刃18、19の各前端部の外向きの刃先18a’、19b’により、周方向に沿って土を削り取りながら、また、円筒部13内部のらせん状のガイド片20により、刃部14を掘削方向に前進させつつ、削り取った土を円筒部13内部で上向きに案内し、ステーション2の設置穴hを楽に掘削することができる。
【0039】
また、設置穴hの掘削後は、掘削土が、刃部14の相対する掘削刃18、19(中間部18b、19bの刃先が内向きに曲げられている)と内部のガイド片20により円筒部13内部に抱きかかえられるように保持されているので、引き上げ時に掘削後の設置穴hに落下せず、掘削土を円筒部13内部に保持したまま引き上げ、引き上げ後は、設置穴hから離れた横の場所で、円筒部13を上下方向に振ったり、ゴムハンマーなどで外から衝撃を与えることで、円筒部13内部の掘削土を容易に排出することができ、次の場所の掘削作業に入ることができる。
【0040】
図12(B)に示す別タイプのステーション2を設置する場合は、上記の要領で、別タイプのステーションの高さに合わせた深さの設置穴を掘削すればよい。
【0041】
上記実施形態は、円筒部13内部にらせん状のガイド片20が取り付けられた構造例であるが、本発明の掘削器具はこれに限らない。円筒部13内部にらせん状のガイド片20がない構造も含まれる。かかる構造は、刃部14の相対する掘削刃18、19により設置穴を掘削し、掘削後の掘削土は、前記掘削刃18、19の内向き部分により円筒部13内部に抱きかかえながら引き上げることができる。ステーション2の設置穴hの掘削作業を効率よく行える。
【0042】
かくして、本発明に係る掘削器具によると、シロアリ防除用ステーションの設置穴を効率よく掘削することができ、設置穴の設置個所が複数か所または多数箇所であっても、従来のように、点検担当者が苦労することなく、設置作業を行うことができ、点検担当者の負担を減らすことができるようになった。
【0043】
本発明に係る掘削器具は、シロアリ防除用ステーションの設置用途に限らず、農業用途(苗の設置穴など)、林業用途、土木用途などにも広く利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る掘削器具は、地面に穴を掘削する器具として利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 建物
2 ステーション
2a 器具本体
3 開口部
4 餌木
5、6 薬剤入り餌材
10 掘削器具
11 中空のシャフト
12 支持部
12a 固定部
12b 支持片
13 円筒部
14 刃部
15 ハンドル部
16、17 支持パイプ
18、19 掘削刃
18a、19a 前端部
18b、19b 中間部
18c、19c 後端部
20 ガイド片
h 設置穴
G 地面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12