【実施例1】
【0020】
以下、
図1乃至
図4に基づいて、本発明の第1実施例である振動遮断装置100を説明する。
【0021】
<1.本発明の第1実施例である振動遮断装置100の周辺構造>
まず、本発明の第1実施例である振動遮断装置の斜視断面図である
図1に基づいて、本発明の第1実施例である振動遮断装置100の周辺構造について説明する。
【0022】
本発明の第1実施例である振動遮断装置100は、
図1に示すように、一端がエンジン側排気管EEと封止状態で接続され、他端がリアマフラー側排気管MEと封止状態で接続されている。
そして、エンジン側排気管EEから排出した排気ガスGは、振動遮断装置100を通ってリアマフラー側排気管MEに向かって流れている。
すなわち、エンジン側排気管EEは振動遮断装置100の上流側と接続され、リアマフラー側排気管MEは振動遮断装置100の下流側と接続されていることになる。
なお、本実施例において、上流方向を「後方」、下流方向を「前方」と呼ぶ。
【0023】
<2.本発明の第1実施例である振動遮断装置100の構造>
次に、
図1乃至
図3により、振動遮断装置100の構造について説明する。
図2は本発明の第1実施例である振動遮断装置の側面断面図であり、
図3は本発明の第1実施例である振動遮断装置の要部拡大図である。
【0024】
振動遮断装置100は、エンジン側排気管EEと接続される円筒状のインナーパイプ110と、このインナーパイプ110に外挿されてインナーパイプ110の外周面111に固定される環状のストッパー120と、インナーパイプ110に外挿されてインナーパイプ110に対して摺動自在に当接する環状のガスケット130と、このガスケット130に当接する環状の押圧部材140と、この押圧部材140とストッパー120との間に配置されて押圧部材140とストッパー120とに当接するコイル状のスプリング(弾性部材)150と、これらの部材を外側から覆う円筒状のアウターカップ160とを備えている。
そして、この振動遮断装置100は、
図2に示すように、インナーパイプの中心軸Xに対して線対称になっている。
【0025】
<インナーパイプ>
インナーパイプ110は、金属製であり、エンジン側排気管EEと接続されていることから、エンジン側排気管EEから排出される排気ガスGの流路となっている。
【0026】
<ストッパー>
ストッパー120は、
図3に示すように、前後方向に伸びる水平部121とこの水平部121の一端から半径方向遠方(本実施例では、水平部121と直交する方向)に向かって伸びる縦壁部122とを有するL字状の部材であり、インナーパイプ110とアウターカップ160との間に形成された環状空間Vに配設されている。
また、ストッパー120は、
図1および
図2に示すように、インナーパイプ110の前方側に固定されている(前方側ストッパー120F)と共にインナーパイプ110の後方側に固定されている(後方側ストッパー120R)。
【0027】
<ガスケット>
ガスケット130は、金網等の補強材および膨張黒鉛等の耐熱材により形成されており、環状空間Vに配設されている。
また、ガスケット130は、
図3に示すように、インナーパイプ110から遠ざかる方向(すなわち、半径方向遠方)に伸びてアウターカップ160およびインナーパイプ110に対して摺動自在に当接する本体部分131と、この本体部分131からストッパー120に向かって伸びてインナーパイプ110に対して摺動自在に当接するインナーパイプ当接部分132とを有するL字状の部材である。
このようなガスケット130は、
図1および
図2に示すように、ストッパー120と同様に、インナーパイプ110の前方側に配されている(前方側ガスケット130F)と共にインナーパイプ110の後方側に配されている(後方側ガスケット130R)。
【0028】
ガスケット130の本体部分131には、アウターカップ160と当接する外接面131aと、インナーパイプ110と当接する内接面131bとが形成されている。
本体部分131の外接面131aは球面状に形成されている。
この外接面131aの曲率中心は、
図2に示すように、後述するアウターカップ160の内周面161bbの球心OCよりも前方および後方に位置している。
すなわち、
図2に示すように、前方側ガスケット130Fの外接面の曲率中心OFはアウターカップ160の内周面161bbの球心OCよりも前方側に位置しており、後方側ガスケット130Rの外接面の曲率中心ORはアウターカップ160の内周面161bbの球心OCよりも後方側に位置している。
さらに、ガスケット130の外接面131aの曲率中心は、
図2に示すように、中心軸Xから半径方向に所定距離だけ離れて位置している。
したがって、前方側ガスケット130Fの外接面の曲率中心OFは中心軸Xを中心とする単一の仮想円CF上に配置されており、後方側ガスケット130Rの外接面の曲率中心ORは中心軸Xを中心とする単一の仮想円CR上に配置されている。
【0029】
ガスケット130のインナーパイプ当接部分132は、
図3に示すように、本体部分131の内接面131bと面一でインナーパイプ110と当接するインナーパイプ当接面132aと、押圧部材140と当接する押圧部材当接面132bとを有している。
この押圧部材当接面132bは、ストッパー120に向けて下る(中心軸Xに向かう)傾斜面となっている。
【0030】
<押圧部材>
押圧部材140は、
図3に示すように、インナーパイプ110から遠ざかる方向(すなわち、半径方向遠方)に伸びる径方向突出部141と、この径方向突出部141からストッパー120側に向かって伸びる軸方向延伸部142とを有するL字状の部材であり、インナーパイプ110とアウターカップ160との間に形成された環状空間Vに配設されている。
また、押圧部材140は、
図1および
図2に示すように、インナーパイプ110の前方側に配設されている(前方側押圧部材140F)と共にインナーパイプ110の後方側に配設されている(後方側押圧部材140R)。
【0031】
押圧部材140の軸方向延伸部142は、
図3に示すように、ストッパー120に向かって下り傾斜となっている。
この軸方向延伸部142の下り傾斜の角度は、ガスケット130の押圧部材当接面132bの下り傾斜の角度とほぼ等しくなっている。
したがって、押圧部材140の軸方向延伸部142は、ガスケット130の押圧部材当接面132bと面接触している。
【0032】
<スプリング>
スプリング150は、
図2に示すように、押圧部材140とストッパー120とに付勢力を与える部材であり、インナーパイプ110とアウターカップ160との間に形成された環状空間Vに配設されている。
また、スプリング150は、
図1および
図2に示すように、インナーパイプ110の前方側に配設されている(前方側スプリング150F)と共にインナーパイプ110の後方側に配設されている(後方側スプリング150R)。
【0033】
<アウターカップ>
アウターカップ160は、
図1および
図2に示すように、インナーパイプ110の後方側に配置されている後方側アウターカップ161と、インナーパイプ110の前方側に配置されている前方側アウターカップ162とを有しており、インナーパイプ110を覆っている。
後方側アウターカップ161は、
図3に示すように、前後方向に伸びる筒状部分161aと、この筒状部分161aの後端側から後方に向かって伸びる縮径部分161bとを有している。
前方側アウターカップ162の後端側は、後方側アウターカップ161に封止状態で内挿されており、前端側にはリアマフラー側排気管MEが封止状態で内挿されている。
【0034】
後方側アウターカップ161の縮径部分161bにおけるインナーパイプ110との距離は、後方に向かうにしたがって小さくなっている。
また、この縮径部分161bの内周面161bbは、球面状になっている。
この内周面161bbの球面半径は、後方側ガスケット130Rの外接面131aの球面半径よりも大きくなっている。
【0035】
前方側アウターカップ162も後方側アウターカップ161と同様に筒状部分および縮径部分を有している。
そして、前方側アウターカップ162の縮径部分の内周面も後方側アウターカップ161と同様に球面状となっており、前方側アウターカップ162の内周面の球面半径も後方側アウターカップ161の内周面と同様に前方側ガスケット130Fの外接面131aの球面半径よりも大きくなっている。
【0036】
また、後方側アウターカップ161および前方側アウターカップ162の内周面161bbの球心OCは一致しており、振動遮断装置100の中心軸(インナーパイプ110の中心軸)X上に位置している。
【0037】
<3.本実施例の振動遮断装置100における振動遮断および排気ガスの封止>
次に、
図4に基づいて、このように構成された振動遮断装置100における振動遮断および排気ガスGの封止について説明する。
図4は本発明の第1実施例である振動遮断装置における排気ガスの封止を説明する要部拡大図であり、
図3と同一の部分となっている。
【0038】
<振動の遮断>
まず、振動遮断装置100による振動遮断について説明する。
上述したように、本発明の振動遮断装置100におけるガスケット130は、インナーパイプ110と摺動自在に当接している。
したがって、エンジン側排気管EEが前後方向に振動したとしても、エンジン側排気管EEと接続されているインナーパイプ110がガスケット130に対して前後方向に摺動することになるため、ガスケット130およびガスケット130と当接しているアウターカップ160はエンジン側排気管EEと連動して振動しにくくなっている。
よって、本発明の振動遮断装置100は、エンジン側排気管EEの前後方向の振動がリアマフラー側排気管MEに伝達されることを遮断している。
【0039】
さらに、本発明の振動遮断装置100におけるアウターカップ160は、ガスケット130と摺動自在に当接しており、アウターカップ160の内周面161bbの球心OCを中心に前後方向と直交する方向(すなわち、中心軸Xと直交する方向)に揺動自在となっている。
したがって、エンジン側排気管EEが中心軸Xと直交する方向に振動したとしても、エンジン側排気管EEと接続されているインナーパイプ110が当接するガスケット130を介してアウターカップ160に対して揺動しつつ摺動することになるため、ガスケット130と当接しているアウターカップ160はエンジン側排気管EEと連動して振動しにくくなっている。
よって、本発明の振動遮断装置100は、エンジン側排気管EEの中心軸(インナーパイプ110の中心軸)Xと直交する方向の振動がリアマフラー側排気管MEに伝達されることを遮断している。
【0040】
<排気ガスの封止>
次に、
図4に基づいて、振動遮断装置100による排気ガスGの封止について説明する。
なお、以下、振動遮断装置100の後方側における排気ガスGの封止について説明するが、振動遮断装置100の前方側における排気ガスGの封止についても同様である。
【0041】
後方側スプリング150Rは自然長よりも圧縮された状態で後方側ストッパー120Rと後方側押圧部材140Rとの間に配置されている。
これにより、後方側スプリング150Rは、後方側ストッパー120Rと後方側押圧部材140Rとを付勢力Fで付勢している。
また、後方側ストッパー120Rはインナーパイプ110に固定されているため、後方側ストッパー120Rはインナーパイプ110に対して移動しない。
したがって、後方側押圧部材140Rが、インナーパイプ110に対して前後方向に移動自在となっている。
【0042】
また、後方側押圧部材140Rの軸方向延伸部142は、後方側スプリング150Rにより後方側に付勢された状態で後方側ガスケット130Rの押圧部材当接面132bと当接している。
このとき、後方側スプリング150Rの付勢力や後方側ガスケット130Rの押圧部材当接面132bの下り傾斜の角度が所定の角度になっていることにより、後方側スプリング150Rの付勢力により後方側ガスケット130Rが十分に押し込まれた状態において、後方側ガスケット130Rの本体部分131と後方側押圧部材140Rの径方向突出部141との間に隙間Aが形成されている。
換言すると、後方側押圧部材140Rの径方向突出部141は、後方側ガスケット130Rの本体部分131と前後方向に離間している。
【0043】
このように後方側押圧部材140Rが軸方向延伸部142のみで後方側ガスケット130Rと当接、すなわち、後方側ガスケット130Rの押圧部材当接面132bが、後方側スプリング150Rによる付勢方向と交差していることにより、
図4に示すように後方側スプリング150Rによる付勢力Fは、後方側ガスケット130Rの押圧部材当接面132bの傾斜方向の分力Foと、この分力Foと直交し、中心軸X方向に向かう分力Fiとに分解される。
【0044】
分力Foは、後方側ガスケット130Rの押圧部材当接面132bの傾斜方向に働く力であることから、後方側ガスケット130Rを後方側アウターカップ161に当接させる方向の分力となる。
したがって、後方側ガスケット130Rが後方側アウターカップ161に対して分力Foにより押しつけられるため、後方側ガスケット130Rと後方側アウターカップ161との間が封止され、排気ガスGの漏出を防止している。
【0045】
また、分力Fiは、中心軸X方向に向かうことから、後方側ガスケット130Rをインナーパイプ110に当接させる方向の分力となる。
したがって、後方側ガスケット130Rがインナーパイプ110に対して分力Fiにより押しつけられるため、後方側ガスケット130Rとインナーパイプ110との間が封止され、排気ガスGの漏出を防止している。
【0046】
なお、本実施例では、インナーパイプ110の前方と後方にそれぞれガスケット130と押圧部材140とスプリング150とが設けられていることにより、アウターカップ160が後方に移動した場合は後方側スプリング150Rが必ず自然長より短くなり、アウターカップ160が前方に移動した場合は前方側スプリング150Fが必ず自然長より短くなるため、前方側ガスケット130Fまたは後方側ガスケット130Rの少なくとも一方が必ずインナーパイプ110とアウターカップ160との間で封止状態となり、確実に排気ガスGを封止することができている。
【0047】
<4.本実施例の奏する作用効果>
本実施例の振動遮断装置100は、インナーパイプ110に摺動自在に当接する環状のガスケット130を備え、インナーパイプ110とアウターカップ160とのいずれか一方が、エンジン側排気管EEと接続され、インナーパイプ110とアウターカップ160とのいずれか他方が、リアマフラー側排気管MEと接続されていることにより、インナーパイプ110とアウターカップ160とがガスケット130を介して排気ガスGの流動方向に摺動自在となり、エンジン側排気管EEが排気ガスGの流動方向に振動して、エンジン側排気管EEと接続されるインナーパイプ110またはアウターカップ160のいずれか一方が、リアマフラー側排気管MEと接続されるインナーパイプ110またはアウターカップ160のいずれか他方に対して振動した際に、ガスケット130を介してインナーパイプ110とアウターカップ160とが摺動することにより振動エネルギーが消費されるため、エンジン側排気管EEの排気ガス流動方向の振動がリアマフラー側排気管MEへ伝達されることを抑制することができる。
また、アウターカップ160に摺動自在に当接する環状のガスケット130を備え、インナーパイプ110とアウターカップ160とのいずれか一方が、エンジン側排気管EEと接続され、インナーパイプ110とアウターカップ160とのいずれか他方が、リアマフラー側排気管MEと接続され、ガスケット130が、アウターカップ160に形成された球面状の内周面161bbと当接する球面状の外接面131aを有していることにより、インナーパイプ110とアウターカップ160とがガスケット130を介して内周面161bbの球心OCを中心として3次元的に揺動自在となり、エンジン側排気管EEが排気ガスGの流動方向と直交する平面内の方向に振動して、エンジン側排気管EEと接続されるインナーパイプ110またはアウターカップ160のいずれか一方が、リアマフラー側排気管MEと接続されるインナーパイプ110またはアウターカップ160のいずれか他方に対して振動した際に、ガスケット130を介してインナーパイプ110とアウターカップ160とが摺動することにより振動エネルギーが消費されるため、エンジン側排気管EEの排気ガスGの流動方向と直交する平面内の方向への振動がリアマフラー側排気管MEへ伝達されることを抑制することができる。
さらに、環状空間Vに配設されてガスケット130と当接する環状の押圧部材140と、環状空間Vに配設されて押圧部材140とストッパー120とに付勢力を与える弾性部材であるスプリング150を備えていることにより、押圧部材140を介してガスケット130にスプリング150による付勢力が加わってガスケット130が常にインナーパイプ110とアウターカップ160とに当接するため、エンジン側排気管EEとリアマフラー側排気管MEとの間が封止され、エンジン側排気管EEから排出される排気ガスGが摺動面を介して外部に漏れ出ることを確実に防ぐことができる。
【0048】
また、スプリング150を介してガスケット130に与える押圧部材140の付勢力が、ガスケット130をアウターカップ160に当接させる方向の分力Foと、ガスケット130をインナーパイプ110に当接させる方向の分力Fiとに分解されることにより、単一のスプリング150で複数の方向の付勢力が生み出されるため、ガスケット130がアウターカップ160と当接する方向の付勢力とガスケット130がインナーパイプ110と当接する方向の付勢力とを別個に発生させる必要がなくなり、振動遮断装置100を容易に小型化することができる。
【0049】
また、押圧部材140の軸方向延伸部142が、スプリング150によりガスケット130のインナーパイプ当接部分132の押圧部材当接面132bと当接しており、ガスケット130の押圧部材当接面132bが、スプリング150による付勢方向と交差していることにより、スプリング150を介してガスケット130に与える押圧部材140の付勢力が、ガスケット130をアウターカップ160に当接させる方向の分力と、ガスケット130をインナーパイプ110に当接させる方向の分力とに分解されるため、単一のスプリング150で複数の方向の付勢力を生み出すことができる。
【0050】
また、押圧部材140の軸方向延伸部142とガスケット130の押圧部材当接面132bとを接触させて、スプリング150による付勢力のすべてをスプリング150による付勢方向と交差しているガスケット130の押圧部材当接面132bに作用させることができるため、押圧部材140によりガスケット130をインナーパイプ110とアウターカップ160とにより強力に押しつけて、より確実にガスケット130とインナーパイプ110およびアウターカップ160との隙間をシールすることができる。
【0051】
また、ガスケット130が、インナーパイプ110の前端側および後端側にそれぞれ配置されていることにより、インナーパイプ110とアウターカップ160との間に形成された環状空間Vを前後2ヶ所でシールするため、エンジン側排気管EEから排出される排気ガスGが外部に漏れ出ることをより確実に防ぐことができることに加え、スプリング150がガスケット130間に配設されるため、スプリング150が排気ガスGに晒されなくなり、スプリング150の劣化を遅らせることができる。
【0052】
<5.変形例>
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。
【0053】
例えば、上述した実施例において、前方側ストッパー120Fの水平部は後方側、後方側ストッパー120Rの水平部は前方側を向いていたが、ストッパー120の水平部121の向く方向は前後方向であれば前方側および後方側のいずれであってもよい。
【0054】
例えば、上述した実施例において、ストッパー120、ガスケット130、押圧部材140、スプリング150は、インナーパイプ110の前方側と後方側に設けていたが、インナーパイプ110の後方側のみに設けてもよい。
【0055】
例えば、上述した実施例において、ストッパー120はインナーパイプ110に2つ設けられていたが、変形例である
図5に示すように、ストッパーを1つだけ設け、その前面と後面とにスプリングを当接させてもよい。
【0056】
例えば、上述した実施例において、前方側アウターカップ162は後方側アウターカップ161に封止状態で内挿されていたが、後方側アウターカップ161と前方側アウターカップ162とを溶接して一体化させてもよい。
【0057】
例えば、上述した実施例において、押圧部材140は、インナーパイプ110から遠ざかる方向に伸びる径方向突出部141と、この径方向突出部141からストッパー120側に向かって伸びる軸方向延伸部142とを有していたが、別の変形例である
図6に示すように、押圧部材140の軸方向延伸部142をインナーパイプ110とほぼ水平とし、径方向突出部141と軸方向延伸部142とを滑らかな曲線で接続してもよい。
径方向突出部141と軸方向延伸部142とを滑らかな曲線で接続した場合、径方向突出部141と軸方向延伸部142との接続部分で押圧部材140がガスケット130の押圧部材当接面132bと線接触(あるいは前後方向に一定の幅を持って接触)している。
この場合であっても、スプリング150を介してガスケット130に与える押圧部材140の付勢力が、ガスケット130をアウターカップ160に当接させる方向の分力Foと、ガスケット130をインナーパイプ110に当接させる方向の分力Fiとに分解される。
【0058】
例えば、上述した実施例において、ガスケット130の押圧部材当接面132bは、ストッパー120に向かって下り傾斜となっていたが、ガスケットの押圧部材当接面は、スプリングによる付勢方向と交差していれば、これに限定されるものではなく、例えば、曲面などであってもよい。