【解決手段】識別部で識別された紙幣を一時貯留する複数の一時貯留部139と、複数の一時貯留部139のそれぞれの下方に設けられ、上方の一時貯留部139から紙幣Sを受け入れて繰り出し可能に収納する収納部165と、を備え、複数の一時貯留部139は、それぞれが、横方向に移動して開閉し、且つ、閉状態で紙幣を上側に集積させる上下に移動可能なシャッタ46と、シャッタ46上の集積状態の紙幣Sを上側から押圧可能であって上下に移動可能なプッシャ45と、を備えており、複数のプッシャ45を連結させると共に一つの駆動源により駆動されて複数のプッシャ45を上下に移動させる連結アーム102を備える。
前記一時貯留部に貯留している紙幣を前記収納部へ受け渡す収納処理時に、複数の前記一時貯留部のそれぞれの、前記プッシャと前記シャッタとが、相互間の距離変動を抑制しつつ下降することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の紙幣処理装置。
前記一時貯留部に貯留している紙幣を前記収納部へ受け渡す収納処理時に、すべての前記シャッタを高さ方向の位置を揃えた停止位置に停止させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の紙幣処理装置。
前記一時貯留部に貯留している紙幣を前記収納部へ受け渡す収納処理時に、前記プッシャは、前記停止位置に停止する前記シャッタ上の紙幣に当接して停止することを特徴とする請求項6に記載の紙幣処理装置。
前記一時貯留部は、前記停止位置に停止する複数の前記シャッタを一斉に開閉する一つのシャッタ開閉モータを有することを特徴とする請求項6または7記載の紙幣処理装置。
前記連結アームの下降動作によって、前記プッシャは、前記リンク部の前記上側当接部に当接しながら、前記一時貯留部に一時貯留している紙幣を、前記収納部に押し込むことを特徴とする請求項3項記載の紙幣処理装置。
前記連結アームは、上昇動作によって、すべての前記プッシャを、前記リンク部の前記下側当接部に当接させながら、前記一時貯留部の上側にある定位置まで移動させることを特徴とする請求項3記載の紙幣処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る一実施形態の紙幣処理装置を図面を参照して以下に説明する。本実施形態の紙幣処理装置11は、紙幣についての入出金処理等を行うものである。以下では、バラ紙幣を単に紙幣と称し、紙幣を所定の結束単位枚数(100枚)で結束した紙幣を束紙幣と称す。以下の説明において、紙幣処理装置11の主たる操作時に操作者が立つ側を「前」、その反対側を「後」とする。
【0033】
図1に示すように、本実施形態の紙幣処理装置11は、その装置本体10の前面側の上部に入金部20、出金返却部21および出金リジェクト庫22が設けられている。出金返却部21は入金部20の上側に、出金リジェクト庫22は出金返却部21の上側に、それぞれ設けられている。
【0034】
入金部20は、開閉可能な図示略のシャッタを有しており、シャッタが開状態とされて外部から紙幣が投入され、その後、シャッタが閉じられて紙幣を装置内に繰り出す。入金部20には、前から見て紙幣が左右方向に長手方向を沿わせた姿勢で下から上に集積されて載置されることになる。入金部20には、下部に、入金部20内に集積された紙幣を下端のものから一枚ずつ分離し所定の間隔をあけて装置内へ繰り出す入金繰出部24が設けられている。紙幣は、紙幣処理装置11内で、基本的にその短手方向を搬送方向に沿わせた姿勢で搬送される。
【0035】
入金部20から紙幣を繰り出す入金繰出部24は、入金部20内に集積された紙幣のうちの最も下側の紙幣の短手方向の中間部に当接して、これを装置内側に蹴り出す蹴出ローラ24aと、蹴出ローラ24aで蹴り出された紙幣を装置内に繰り出す繰出ローラ24bと、繰出ローラ24bで装置内に繰り出す紙幣を一枚ずつに分離する分離ローラ24cとを有している。入金繰出部24の直後位置には、入金繰出部24から繰り出された紙幣に、複数枚重なった状態の重送、搬送方向に対し斜めの姿勢となる斜行、あるいは隣り合う紙幣同士の搬送間隔が狭いニアフィード等の搬送異常があるか否かと、半券等の形状異常があるか否かとを光学的に検出する入口センサ25が設けられている。
【0036】
出金返却部21は、開閉可能な図示略のシャッタを有しており、シャッタが閉状態とされて装置内から出金用の紙幣が繰り出され、その後、シャッタが開かれることで紙幣が装置外に取り出される。言い換えれば、出金返却部21は、紙幣を装置外に取り出し可能とする。出金返却部21には、入金処理時等にリジェクトされる紙幣も繰り出される。出金返却部21は、装置内から繰り出された紙幣が、前から見て左右方向に長手方向を沿わせた姿勢で下から上に集積されて載置されることになる。
【0037】
出金リジェクト庫22は、紙幣処理装置11の装置本体10から着脱可能となっている。出金リジェクト庫22は、装置内から繰り出された紙幣が、前から見て左右方向に長手方向を沿わせた姿勢で下から上に集積されて載置される。出金リジェクト庫22は、内部に紙幣を収納した状態のまま、装置本体10から取り外される。
【0038】
紙幣処理装置11の後部には、入金部20から繰り出された紙幣の真偽と、真紙幣の金種と、重送、斜行あるいはニアフィード等の搬送異常の有無等を識別する識別部31が設けられている。識別部31は、紙幣の表裏、上下(天地)および左右等も識別する。
【0039】
入金部20、出金返却部21および出金リジェクト庫22の後方には、紙幣を整列させて所定の結束単位枚数ずつ集積させる複数、具体的には2カ所の整列部35,36が設けられている。また、この整列部35,36の後方には、整列部35,36で集積された結束単位枚数の紙幣を上方に搬送する昇降搬送部37が設けられている。また、整列部35,36の上方には、整列部35,36で集積され昇降搬送部37で搬送されてきた結束単位枚数の紙幣に結束テープを巻き回して束紙幣とする結束部38が設けられている。この結束部38の前側には結束部38で作成された束紙幣を装置外に取り出し可能に繰り出す束出金部39が設けられている。束出金部39も開閉可能な図示略のシャッタを有しており、シャッタが閉状態とされて装置内から束紙幣が繰り出され、その後、シャッタが開かれることで束紙幣が装置外に取り出される。
【0040】
紙幣処理装置11の下部には、複数具体的には4カ所の同様の構造の一時貯留収納庫41が、上下左右の位置を合わせて前後に配置されている。これら一時貯留収納庫41は、紙幣を収納可能であって収納している紙幣を繰り出し可能な還流庫である。4カ所の一時貯留収納庫41が一つのユニット100に組み込まれており、このユニット100が装置本体10から引き出し可能となっている。
【0041】
紙幣処理装置11において、最も奥側に配置された一時貯留収納庫41(A)、奥から2番目に配置された一時貯留収納庫41(B)および奥から3番目に配置された一時貯留収納庫41(C)は、いずれも受け入れ可能な所定の単一金種の紙幣の真券を下から上に集積させた状態で入金確定前に一時貯留すると共に、入金確定後に繰り出し可能となるように収納するものである。また、奥から4番目に配置された一時貯留収納庫41(D)は、受け入れ可能な所定の単一金種の紙幣の真券および全金種の汚損券を下から上に集積させた状態で入金確定前に一時貯留すると共に、入金確定後に繰り出し可能となるように収納するものである。
【0042】
一時貯留収納庫41(A)は、受け入れ可能と識別した所定の単一の第1金種の紙幣(例えば五千円券)の真券を、一時貯留収納庫41(B)は、受け入れ可能と識別した所定の単一の第2金種の紙幣(例えば千円券)の真券を、一時貯留収納庫41(C)は、受け入れ可能と識別した所定の単一の第3金種の紙幣(例えば万円券)の真券を、それぞれ繰り出し可能に収納する。また、一時貯留収納庫41(D)は、これら以外の受け入れ可能と識別した紙幣(例えば二千円券の真券および汚損券、万円券の汚損券、五千円券の汚損券、千円券の汚損券)を、繰り出し可能に収納する。
【0043】
すなわち、紙幣処理装置11は、単一金種用(万円券、五千円券および千円券)の一時貯留収納庫41を複数個、金種別に有している。なお、一時貯留収納庫41は、複数個あれば良く、収納パターンは、それぞれが単一金種の紙幣を収納するパターンに限らない。複数の一時貯留収納庫41のそれぞれについて、収納パターンを、単一金種の紙幣を収納する一時貯留収納庫41と、所定の複数金種の紙幣を混合で収納する一時貯留収納庫41と、全金種の紙幣を混合で収納する一時貯留収納庫41との中から、適宜選択して設定することができる。
【0044】
同様の構造の一時貯留収納庫41(A)〜41(D)は、それぞれが、紙幣を収容する内部空間を形成する角筒状の収容体40と、収容体40の上部に設けられて紙幣の内部空間への取り込みおよび内部空間からの繰り出しを行う取込繰出部42と、取込繰出部42から内部空間に繰り出された紙幣を集積させるシャッタ46と、収容体40の上下方向中間部に設けられて内部空間を上下に仕切る開閉可能な同形状のフラッパ43と、集積状態の収納紙幣を支持するとともに内部空間内を昇降するステージ44と、ステージ44上に集積された紙幣を上から押圧する紙幣押し込み板としてのプッシャ45と、を有している。
【0045】
例えば、一時貯留収納庫41(A)を例にとり説明すると、取込繰出部42は、収容体40内に設けられたシャッタ46上あるいはステージ44上に集積された紙幣のうちの最上位置の紙幣の短手方向の中間部に当接して、これを一時貯留収納庫41(A)外に向け蹴り出す蹴出ローラ42aと、この蹴出ローラ42aで蹴り出された紙幣を一時貯留収納庫41(A)外に繰り出す繰出ローラ42bと、この繰出ローラ42bで一時貯留収納庫41(A)外に繰り出す紙幣を一枚ずつに分離する分離ローラ42cとを有している。繰出ローラ42bは、この繰り出し時とは逆向きに回転することで、連れ回りする分離ローラ42cとで紙幣を挟持して一時貯留収納庫41(A)の収容体40内の内部空間に上部位置から繰り出す。一時貯留収納庫41(B)〜41(D)も同様である。
【0046】
ユニット100は、装置本体10に引き出しおよび押し込み可能に連結されたユニット本体101と、ユニット本体101に昇降可能に支持された、
図3に示す一つの連結アーム102と、連結アーム102を上下に移動させる一つの駆動源としての
図2に示すプッシャ昇降モータ103とを有している。
【0047】
図3に示すように、連結アーム102は、4カ所の一時貯留収納庫41(A)〜41(D)を繋ぐようにこれらの配列方向に延在している。連結アーム102は、この延在状態を維持したまま、ユニット本体101に対し鉛直上下方向にのみ移動するように、ユニット本体101に摺動可能に支持されている。連結アーム102は、
図2に示す一つのプッシャ昇降モータ103により駆動されてユニット本体101に対し
図3〜
図5,
図15に示す最上部位置であるアーム最上部位置と、
図13,
図14に示す最下部位置であるアーム最下部位置との間で移動する。
【0048】
ユニット本体101には、連結アーム102がアーム最上部位置にあることを検知する
図2に示すアーム最上部位置センサ105と、連結アーム102がアーム最下部位置にあることを検知する
図2に示すアーム最下部位置センサ106と、連結アーム102がアーム最上部位置とアーム最下部位置との間の
図6に示す第1中間所定位置に位置することを検知する
図2に示すアーム中間位置センサ107と、が設けられている。
【0049】
連結アーム102には、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれの位置に、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれのプッシャ45を上下移動可能に支持する同形状のリンク部111を有している。リンク部111は、いずれも上下方向に延びる直線状のガイド溝である。
【0050】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれの収容体40内には、対応する収容体40内で昇降可能となるようにプッシャ45が設けられている。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)に設けられるすべてのプッシャ45は、同形状であり、水平に広がる下面を有する板状のプッシャ本体113と、プッシャ本体113に設けられた支持軸114にこの支持軸114を中心に揺動可能となるように支持されたガイド体115と、対応するリンク部111に係合するピン状の係合部118とを有している。
【0051】
すべてのプッシャ45は、プッシャ本体113が下面を水平にした状態のまま、連結アーム102に対して鉛直上下方向にのみ相対移動可能となるように連結アーム102に摺動可能に支持されている。すべてのプッシャ45は、いずれも、係合部118が対応するリンク部111に係合することで、このリンク部111内を上下に摺動する。リンク部111は、係合するプッシャ45の上側面の一部を構成する係合部118の上端部に当接可能な上側当接部121を上端部に有しており、係合するプッシャ45の下側面の一部を構成する係合部118の下端部に当接可能な下側当接部122を下端部に有している。
【0052】
よって、リンク部111は、係合するプッシャ45を、その係合部118が上側当接部121に当接する状態と下側当接部122に当接する状態との間で移動可能に支持する。言い換えれば、プッシャ45は、連結アーム102に対し、
図13,
図14に示すように上側当接部121に当接する相対上端位置と、
図3〜
図5,
図15に示すように下側当接部122に当接する相対下端位置との間で相対移動可能となっている。プッシャ45は、自重により、係合部118をリンク部111内の下側当接部122に当接させる方向の重力を受ける。
【0053】
例えば、一時貯留収納庫41(A)を例にとり説明すると、
図3〜
図5,
図15に示すように、連結アーム102がアーム最上部位置にあって、一時貯留収納庫41(A)のプッシャ45がリンク部111の下側当接部122に当接する状態にあるとき、このプッシャ45は、
図1に示すように一時貯留収納庫41(A)の取込繰出部42から収容体40内に放出される紙幣よりも上側にある。この状態で、
図3〜
図5,
図15に示すように、ガイド体115は、自重により、プッシャ本体113の下面から、後ろ下がりに斜めに延出する。よって、この状態で、プッシャ45は、ガイド体115が、収容体40内に前方から取込繰出部42によって放出される紙幣を案内する。
【0054】
一時貯留収納庫41(B)〜41(D)についても同様である。よって、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ45が、これらに共通の一つの連結アーム102を介して、これらに共通の一つの駆動源としてのプッシャ昇降モータ103で駆動されて上下に移動することになり、その際に一つの連結アーム102に対しては個別に相対移動可能となる。一つのプッシャ昇降モータ103が、複数、具体的には4つの一時貯留収納庫41(A)〜41(D)に共通で設けられている。
【0055】
連結アーム102に設けられたすべてのリンク部111は、それぞれの上側当接部121が、高さ方向の位置を合わせ、且つ、横方向に、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の配設ピッチと同等の所定距離、離隔した状態で配置されている。よって、
図13,
図14に示すようにすべてのプッシャ45が相対上端位置にあるとき、すべてのプッシャ45が高さ位置を合わせることになる。
【0056】
また、連結アーム102に設けられたすべてのリンク部111は、それぞれの下側当接部122が、高さ方向の位置を合わせ、且つ、横方向に、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の配設ピッチと同等の所定距離、離隔した状態で配置されている。よって、
図3〜
図5,
図15に示すように、すべてのプッシャ45が相対下端位置にあるとき、すべてのプッシャ45が高さ位置を合わせることになる。
【0057】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれの収容体40内には、対応する収容体40内で昇降可能となるようにシャッタ46が設けられている。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)に設けられるすべてのシャッタ46は、同形状であり、それぞれの上面が全体的に水平に広がる形状をなしている。シャッタ46は、板状のベース部131と、このベース部131に摺動可能に連結された板状の摺動体132とを有している。摺動体132はベース部131に対し水平に摺動することになり、これにより、シャッタ46は水平方向に伸縮可能となっている。シャッタ46は、伸長状態にあるとき、その摺動体132がそのベース部131から前方に延出している。
【0058】
例えば、一時貯留収納庫41(A)を例にとり説明すると、シャッタ46は、
図3〜
図9,
図15に示すように、伸長し上面が水平に広がる状態のまま、収容体40内に配置された状態が閉状態である。閉状態にあるシャッタ46は、収容体40内を昇降可能であり、このシャッタ46専用の
図2に示すシャッタ昇降モータ135でベース部131が駆動されて収容体40内を、
図4に示す最上部位置であるシャッタ最上部位置と、
図3,
図9に示す最下部位置であるシャッタ最下部位置との間で鉛直に移動する。
【0059】
収容体40には、シャッタ46がシャッタ最上部位置にあることを検知する、このシャッタ46専用の
図2に示すシャッタ最上部位置センサ136と、シャッタ46がシャッタ最下部位置にあることを検知する、このシャッタ46専用の
図2に示すシャッタ最下部位置センサ137と、が設けられている。一時貯留収納庫41(A)は、収容体40内にシャッタ46がある状態で、シャッタ46から上側の構成が一時貯留部139となっている。
【0060】
シャッタ46は、
図3〜
図9,
図15に示すように、閉状態にあるとき、一時貯留部139の底部を構成することになり、
図1に示す取込繰出部42から繰り出された紙幣を載置させ、下から上へと集積させる。その際に、
図2に示す制御部181は、取込繰出部42から繰り出された紙幣の量に応じてシャッタ昇降モータ135を駆動してシャッタ46を下降させる。また、シャッタ46は、載置させた紙幣の最上位置の紙幣を、上昇して取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。この状態で、取込繰出部42が紙幣を一枚ずつ分離して一時貯留部139から繰り出す。その際に、制御部181は、取込繰出部42から繰り出された紙幣の量に応じてシャッタ昇降モータ135を駆動してシャッタ46を上昇させる。
【0061】
一時貯留収納庫41(B)〜41(D)についても同様である。よって、一時貯留収納庫41(B)のシャッタ46も、専用のシャッタ昇降モータ135で駆動されて昇降するとともに、専用のシャッタ最上部位置センサ136と専用のシャッタ最下部位置センサ137とで位置が検知されることになる。また、一時貯留収納庫41(C)のシャッタ46も、専用のシャッタ昇降モータ135で駆動されて昇降するとともに、専用のシャッタ最上部位置センサ136と専用のシャッタ最下部位置センサ137とで位置が検知されることになる。また、一時貯留収納庫41(D)のシャッタ46も、専用のシャッタ昇降モータ135で駆動されて昇降するとともに、専用のシャッタ最上部位置センサ136と専用のシャッタ最下部位置センサ137とで位置が検知されることになる。
【0062】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46は、
図4に示すようにシャッタ最上部位置の高さを合わせており、
図3,
図9,
図15に示すようにシャッタ最下部位置の高さも合わせている。すべてのシャッタ46は、それぞれのベース部131が図示略の一つのベース部材に昇降可能に支持されている。このベース部材は、ユニット本体101に対し前後に水平に摺動可能に支持されており、
図2に示す一つのシャッタ開閉モータ141で駆動されてユニット本体101に対し水平に移動する。
【0063】
図9に示すように、すべてのシャッタ46がシャッタ最下部位置に停止している状態で、このベース部材が一つのシャッタ開閉モータ141で駆動されてユニット本体101に対し水平に移動することで、すべてのシャッタ46は、同期し連動して、ユニット本体101に対し前後に水平に移動する。よって、一つのシャッタ開閉モータ141が、複数、具体的には4つの一時貯留収納庫41(A)〜41(D)に共通で設けられている。なお、すべてのシャッタ46は、いずれもベース部131がシャッタ開閉モータ141で駆動されてユニット本体101に対し水平に摺動することになり、摺動体132は、それを支持するベース部131に対して摺動する。
【0064】
例えば、一時貯留収納庫41(A)を例にとり説明すると、シャッタ46は、
図9に示すようにシャッタ最下部位置にある状態で、シャッタ開閉モータ141で図示略のベース部材を介して前方に水平に移動させられる。すると、シャッタ46は、
図10に示すように一時貯留収納庫41(A)の収容体40内から、前側に移動して収容体40の外に退避する。その際に、シャッタ開閉モータ141の駆動中、後側のベース部131は移動を続けるものの、前側の摺動体132は、収容体40の前側にある図示略のストッパに当接して停止する。これにより、摺動体132がベース部131に対して摺動して、シャッタ46は縮長する。このように、収容体40から外に退避した状態が、シャッタ46の開状態である。シャッタ46が退避時に縮長することによって、一時貯留収納庫41(A)とその前側の一時貯留収納庫41(B)との配設ピッチを短くできる。
【0065】
図10〜
図14に示す、この開状態から、シャッタ開閉モータ141で後方に水平に移動させられることにより、シャッタ46は、後方に移動して、
図15に示すように収容体40内に進入して閉状態になる。その際に、シャッタ開閉モータ141の駆動中、後側のベース部131は移動を続けるものの、その初期において、前側の摺動体132は、図示略のシャッタスプリングの付勢力で図示略のストッパに当接し停止する状態が維持されることで、後側のベース部131に対して摺動する。これにより、シャッタ46は伸長する。シャッタ46は伸長した状態で、収容体40内に進入して閉状態になる。
【0066】
一時貯留収納庫41(B)〜41(D)についても同様である。よって、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46が、これらに共通の一つの図示略のベース部材を介して、これらに共通の一つのシャッタ開閉モータ141で駆動されることで、同期して水平に移動して開閉することになる。
【0067】
ユニット本体101には、図示略のベース部材の位置を検知することで、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46が閉位置にあることを検知する
図2に示すシャッタ閉位置センサ145と、図示略のベース部材の位置を検知することで、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46が開位置にあることを検知する
図2に示すシャッタ開位置センサ146とが設けられている。よって、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46が、これらに共通の一つのシャッタ閉位置センサ145で閉位置にあることが検知され、これらに共通の一つのシャッタ開位置センサ146で開位置にあることが検知される。
【0068】
以上により、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれの一時貯留部139は、これらに共通の連結アーム102を上下に移動させる一つの駆動源としてのプッシャ昇降モータ103を有している。紙幣処理装置11は、一時貯留部139のそれぞれに設けられた、全部で複数あるシャッタ46をそれぞれ個別に独立して上下に移動させるシャッタ昇降モータ135をシャッタ46に対し一対一で備えている。言い換えれば、紙幣処理装置11は、シャッタ46の数と同じ複数のシャッタ昇降モータ135を備えている。また、紙幣処理装置11は、一時貯留部139のそれぞれに設けられた、全部で複数あるシャッタ46を、いずれもシャッタ最下部位置に停止する状態で一斉に開閉する一つのシャッタ開閉モータ141を備えている。
【0069】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれの収容体40に対し、
図3〜
図10,
図14,
図15に示す進入状態と、
図11〜
図13に示す退避状態とに、進退可能となるようにフラッパ43が設けられている。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)に設けられるすべてのフラッパ43は、同形状であり、それぞれが、一対の揺動軸151と、一対のフラッパ本体152とを有している。一対のフラッパ本体152は、同形状であり、揺動軸151に連結される基端構成部155と、基端構成部155から垂直に延出する先端構成部156とを有する鉤型をなしている。一方のフラッパ本体152は、これに連結された一方の揺動軸151を中心に揺動可能となっており、他方のフラッパ本体152は、これに連結された他方の揺動軸151を中心に揺動可能となっている。
【0070】
例えば、一時貯留収納庫41(A)を例にとり説明すると、一対のフラッパ本体152は、
図3〜
図10,
図14,
図15に示すように先端構成部156を収容体40内に進入させる閉状態と、
図11〜
図13に示すように先端構成部156を収容体40内から退避させる開状態とに、同期して揺動する。一対の揺動軸151は、ユニット本体101に位置固定で取り付けられており、収容体40の前後にそれぞれ高さ位置を合わせて配置されている。
【0071】
閉状態にある前側のフラッパ本体152は、前側の揺動軸151から基端構成部155が上方に延出し、基端構成部155の上端から先端構成部156が後方に延出しており、閉状態にある後側のフラッパ本体152は、後側の揺動軸151から基端構成部155が上方に延出し、基端構成部155の上端から先端構成部156が前方に延出している。閉状態にある一対のフラッパ本体152は、それぞれの先端構成部156の上面が同一平面で水平に広がっており、先端構成部156の下面も同一平面で水平に広がっている。
【0072】
一時貯留収納庫41(B)〜41(D)についても同様である。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43が、一対の揺動軸151の高さ方向の位置を合わせている。よって、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43が、閉状態にある一対のフラッパ本体152の先端構成部156の上面の高さ位置を合わせることになり、閉状態にある一対のフラッパ本体152の先端構成部156の下面の高さ位置を合わせることになる。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43は、それぞれの閉状態にある一対のフラッパ本体152の先端構成部156の上面が紙幣を載置させる載置面となる。
【0073】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43は、これらに共通の
図2に示す一つのフラッパ開閉モータ161で駆動されて同期して開閉する。一つのフラッパ開閉モータ161が、複数、具体的には4つの一時貯留収納庫41(A)〜41(D)に共通で設けられている。
【0074】
ユニット本体101には、フラッパ43が開位置にあることを検知する
図2に示すフラッパ開位置センサ162と、フラッパ43が閉位置にあることを検知する
図2に示すフラッパ閉位置センサ163とが設けられている。よって、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43が、これらに共通の一つのフラッパ開位置センサ162で開位置にあることが検知され、これらに共通の一つのフラッパ閉位置センサ163で閉位置にあることが検知される。
【0075】
例えば、一時貯留収納庫41(A)を例にとり説明すると、一時貯留収納庫41(A)は、フラッパ43が閉状態にあるとき、収容体40内のフラッパ43の一対のフラッパ本体152の先端構成部156よりも下側が、収納部165となっている。プッシャ45には、閉状態にあるフラッパ43の一対のフラッパ本体152の先端構成部156との干渉を避けるように図示略の切欠きが形成されており、プッシャ45は、
図14に示すように、プッシャ本体113の下面を、閉状態にあるフラッパ43の一対のフラッパ本体152の先端構成部156の下面の位置まで下降させることが可能となっている。
【0076】
プッシャ45は、シャッタ46が閉状態にあるとき、一時貯留部139側から収納部165側への下降は、シャッタ46に干渉するため不可となっている。プッシャ45は、シャッタ46が開状態にあることを条件に、連結アーム102の上下移動によって、一時貯留部139側から収納部165側への下降と、収納部165側から一時貯留部139側への上昇とが可能とされる。
【0077】
一時貯留収納庫41(B)〜41(D)についても同様である。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43は、それぞれの閉状態にある一対のフラッパ本体152の先端構成部156の下面が紙幣Sを上から押さえる押さえ面となる。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の複数の一時貯留部139のそれぞれの鉛直下方に収納部165が設けられている。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の複数の収納部165は、それぞれの鉛直上方の一時貯留部139から紙幣を受け入れて繰り出し可能に収納する。言い換えれば、複数の一時貯留収納庫41(A)〜41(D)は、それぞれが、一時貯留部139と、その鉛直下方の収納部165との組み合わせを有している。
【0078】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれの収容体40内に、収容体40内を昇降可能となるようにステージ44が設けられている。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)に設けられるすべてのステージ44は、同形状であり、上面が水平に広がる状態のまま、昇降可能である。
【0079】
例えば、一時貯留収納庫41(A)を例にとり説明すると、ステージ44は、専用の
図2に示すステージ昇降モータ171で駆動されて収容体40(A)内を最上部位置であるステージ最上部位置と最下部位置であるステージ最下部位置との間で移動する。ステージ昇降モータ171はステッピングモータであり、通電がオフされた状態では、ステージ44をその上側に載置される紙幣の重さでは下降させることはない。また、ステージ昇降モータ171は、通電がオフされた状態では、ステージ44がプッシャ昇降モータ103の駆動力で連結アーム102を介してプッシャ45で下方に押圧されると、この押圧力でプッシャ45との間の紙幣を圧縮させた後にステージ44を下降させる。
【0080】
ステージ44は、フラッパ43が閉状態にあるとき、フラッパ43の一対のフラッパ本体152の先端構成部156に干渉するため、先端構成部156を越えて昇降することはできない。
【0081】
ユニット本体101には、ステージ44がステージ最上部位置にあることを検知する専用の
図2に示すステージ最上部位置センサ172と、ステージ44がステージ最下部位置にあることを検知する専用の
図2に示すステージ最下部位置センサ173とが設けられている。
【0082】
一時貯留収納庫41(B)〜41(D)についても同様である。よって、一時貯留収納庫41(B)においても、そのステージ44が、専用のステージ昇降モータ171で駆動されて昇降するとともに、専用のステージ最上部位置センサ172と、専用のステージ最下部位置センサ173とで位置が検知されることになる。また、一時貯留収納庫41(C)においても、そのステージ44が、専用のステージ昇降モータ171で駆動されて昇降するとともに、専用のステージ最上部位置センサ172と、専用のステージ最下部位置センサ173とで位置が検知されることになる。一時貯留収納庫41(D)においても、そのステージ44が、専用のステージ昇降モータ171で駆動されて昇降するとともに、専用のステージ最上部位置センサ172と、専用のステージ最下部位置センサ173とで位置が検知されることになる。
【0083】
以上により、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれに設けられた、全部で複数ある収納部165は、それぞれが、開閉するフラッパ43と、上下に移動するステージ44と、を備えている。そして、紙幣処理装置11は、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれに設けられた、全部で複数ある収納部165のそれぞれのフラッパ43を一斉に開閉する一つのフラッパ開閉モータ161を有している。
【0084】
また、紙幣処理装置11は、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれに設けられた、全部で複数あるステージ44をそれぞれ個別に独立して上下移動させるステージ昇降モータ171を備えている。言い換えれば、紙幣処理装置11は、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれに設けられた、全部で複数あるステージ44を個別に独立して上下に移動させるステージ昇降モータ171をステージ44に対し一対一で備えている。さらに言い換えれば、紙幣処理装置11は、ステージ44の数と同じ複数のステージ昇降モータ171を備えている。
【0085】
一つのプッシャ昇降モータ103、一つのアーム最上部位置センサ105、一つのアーム最下部位置センサ106、一つのアーム中間位置センサ107、複数のシャッタ昇降モータ135、複数のシャッタ最上部位置センサ136、複数のシャッタ最下部位置センサ137、一つのシャッタ開閉モータ141、一つのシャッタ閉位置センサ145、一つのシャッタ開位置センサ146、一つのフラッパ開閉モータ161、一つのフラッパ開位置センサ162、一つのフラッパ閉位置センサ163、複数のステージ昇降モータ171、複数のステージ最上部位置センサ172および複数のステージ最下部位置センサ173は、紙幣処理装置11の全体を制御する制御部181に接続されている。一つのプッシャ昇降モータ103、複数のシャッタ昇降モータ135、一つのシャッタ開閉モータ141、一つのフラッパ開閉モータ161および複数のステージ昇降モータ171は、制御部181で個別に制御される。
【0086】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれの一時貯留部139に紙幣を一時貯留させる場合(後述する入金処理)、その前の待機状態で、
図3に示すように、連結アーム102はアーム最上部位置に位置している。また、この待機状態にあるとき、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ45が、それぞれの係合部118を対応するリンク部111の下側当接部122に当接させる相対下端位置に位置して高さ位置を揃えている。このとき、プッシャ本体113は、下面が、
図1に示す取込繰出部42の蹴出ローラ42aの下端位置よりも上側に位置する。また、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ45は、プッシャ本体113からガイド体115が後ろ下がりに延出する状態となる。連結アーム102がアーム最上部位置にあってプッシャ45が相対下端位置にあるときのプッシャ45の位置が定位置である待機位置となっている。連結アーム102は、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ45を、リンク部111の下側当接部122に当接させて、一時貯留部139の上側にある待機位置に位置させて待機状態にする。
【0087】
また、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれの一時貯留部139に紙幣を一時貯留させる場合、その前の待機状態で、
図3に示すように、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべての収納部165において、フラッパ43がシャッタ46よりも下側で閉状態となっている。
図3では、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべての収納部165に、それまで紙幣を収納していない状態を示しており、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべての収納部165において、閉状態のフラッパ43の押さえ面にステージ44が上面において当接している。なお、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のいずれかの収納部165に既に紙幣を収納している状態にあれば、該当する収納部165においては、フラッパ43の押さえ面とステージ44の上面とで、既に収納している紙幣を挟持していることになる。
【0088】
また、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれの一時貯留部139に紙幣を一時貯留させる場合、その前の待機状態で、
図3に示すように、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべての一時貯留部139において、シャッタ46が最下部位置で閉状態となっている。
【0089】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれの一時貯留部139に紙幣を一時貯留させる場合、まず、
図3に示すように、最下部位置で閉状態にある待機状態のシャッタ46を、
図4に示すように受入位置に移動させる。すなわち、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべての一時貯留部139において、シャッタ46を、シャッタ昇降モータ135を駆動して上昇させ、シャッタ最上部位置センサ136で検知される最上部位置まで移動させた後、集積スペース確保のための同等の所定量下降させて、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ昇降モータ135を停止させる。これにより、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46が受入位置に位置する受入状態になる。この受入状態にあるとき、
図4に示すように一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46が上面の高さ位置を揃えている。このとき、シャッタ46は、プッシャ本体113から後ろ下がりに延出するガイド体115よりも所定距離下方の位置に位置する。
【0090】
そして、例えば、一時貯留収納庫41(A)の一時貯留部139に紙幣Sを一時貯留させる場合を例にとり説明すると、一時貯留収納庫41(A)の
図1に示す取込繰出部42から収容体40内に紙幣Sが繰り出されることになる。すると、プッシャ45がガイド体115で紙幣Sを案内し、シャッタ46が上面に紙幣Sを載置させ、下から上へと集積させる。その際に、制御部181は、シャッタ昇降モータ135によって、シャッタ46を、取込繰出部42から繰り出された紙幣Sの量に応じて下降させる。このようにして、例えば、
図5に示すように、一時貯留部139が、アーム最上部位置にある連結アーム102に対して相対下端位置にあるプッシャ45と、シャッタ46との間に紙幣Sを集積させる。
【0091】
一時貯留収納庫41(B)〜41(D)についても同様である。ここでは、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべての一時貯留部139が、それぞれ最大400枚の紙幣Sを一時貯留可能となっており、一時貯留収納庫41(A)の一時貯留部139に200枚の紙幣Sが、一時貯留収納庫41(B)の一時貯留部139に400枚の紙幣Sが、一時貯留収納庫41(C)の一時貯留部139に300枚の紙幣Sが、一時貯留収納庫41(D)の一時貯留部139に1枚の紙幣Sが、それぞれ一時貯留されたものとする。この場合、一時貯留収納庫41(B)のシャッタ46の高さ位置が最も低く、一時貯留収納庫41(C)のシャッタ46の高さ位置が2番目に低く、一時貯留収納庫41(A)のシャッタ46の高さ位置が3番目に低く、一時貯留収納庫41(D)のシャッタ46の高さ位置が最も高くなる。
【0092】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)において、上記のように一時貯留部139に一時貯留させた紙幣Sを収納部165に収納する場合(後述する収納処理)、制御部181が、一つのプッシャ昇降モータ103を駆動して、連結アーム102を所定量下降させる。すると、
図6に示すように、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ45が、それぞれの係合部118を係合先の連結アーム102のリンク部111の下側当接部122に当接させた状態のまま下降して、鉛直下方にあるシャッタ46上の紙幣Sとの距離を、プッシャ本体113を紙幣Sに当接させない範囲で狭める。
【0093】
そして、連結アーム102が
図6に示す第1中間所定位置まで下降して、アーム中間位置センサ107で検知されると、制御部181は、駆動中のプッシャ昇降モータ103に同期させて、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ昇降モータ135を駆動して、
図7に示すように、連結アーム102と、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46とを同等の速度で下降させる。すなわち、プッシャ昇降モータ103と複数のシャッタ昇降モータ135とを同期させて駆動する。
【0094】
このとき、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のいずれにおいても、シャッタ46がシャッタ最下部位置まで下降しなければ、プッシャ45とシャッタ46とは同じ間隔を維持したまま下降する。その結果、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のいずれにおいても、シャッタ46がシャッタ最下部位置まで下降しなければ、プッシャ45とシャッタ46上の最上位置の紙幣Sの上面とは同じ間隔を維持したまま下降する。すなわち、同じ一時貯留収納庫41を構成するプッシャ45とシャッタ46とが、相互間の距離変動を抑制しつつ下降する。
【0095】
ここで、連結アーム102が
図6に示す第1中間所定位置にあるとき、同じ一時貯留収納庫41を構成する、紙幣Sを集積させていない受入位置にあるシャッタ46とプッシャ45との間隔が、所定枚数の紙幣Sの集積高さに相当する基本間隔となる。基本間隔は、具体的には、シャッタ46の上面とプッシャ本体113の下面との間隔が、200枚の紙幣Sの集積高さに相当する長さに設定されている。連結アーム102は、アーム中間位置センサ107で検知される第1中間所定位置に位置するとき、一時貯留部139側にある。
【0096】
そして、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれにおいて、シャッタ46がシャッタ最下部位置に位置したことをシャッタ最下部位置センサ137が検知すると、制御部181は、シャッタ最下部位置に位置したシャッタ46を下降させていたシャッタ昇降モータ135を停止させる。
【0097】
具体的には、
図6に示すように、連結アーム102との同期下降開始時点で上記のように400枚の紙幣Sを集積させて最も下側に位置していた一時貯留収納庫41(B)のシャッタ46が最初に、
図8に示すようにシャッタ最下部位置に位置することになって、制御部181は、一時貯留収納庫41(B)のシャッタ昇降モータ135を停止させる。その次に300枚の紙幣Sを集積させていた一時貯留収納庫41(C)のシャッタ46が、
図8に示すようにシャッタ最下部位置に位置することになって、制御部181は一時貯留収納庫41(C)のシャッタ昇降モータ135を停止させる。その次に200枚の紙幣Sを集積させていた一時貯留収納庫41(A)のシャッタ46が、
図8に示すようにシャッタ最下部位置に位置することになって、制御部181は一時貯留収納庫41(A)のシャッタ昇降モータ135を停止させる。その次に、1枚の紙幣Sを集積させていた一時貯留収納庫41(D)のシャッタ46が、
図9に示すようにシャッタ最下部位置に位置することになって、制御部181は一時貯留収納庫41(D)のシャッタ昇降モータ135を停止させる。
【0098】
このような一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の各シャッタ昇降モータ135の集積枚数による順次の停止の流れにおいても、プッシャ昇降モータ103の駆動は継続しており、連結アーム102は下降を続けている。よって、まず、最初にシャッタ最下部位置に位置して停止した一時貯留収納庫41(B)のシャッタ46上に集積されている400枚の集積状態の紙幣Sの上面に、
図8に示すように一時貯留収納庫41(B)のプッシャ45がプッシャ本体113の下面において当接する。すると、一時貯留収納庫41(B)のプッシャ本体113の下降は、停止しているシャッタ46および紙幣Sによって停止させられることになる。言い換えれば、一時貯留収納庫41(B)のプッシャ本体113は、シャッタ最下部位置で停止するシャッタ46上の紙幣Sに当接して停止する。
【0099】
これに対して、連結アーム102は下降を続けているため、
図8,
図9に示すように一時貯留収納庫41(B)のプッシャ本体113は、その係合部118を、下降を続けている連結アーム102の係合先のリンク部111の下側当接部122から離間させてこのリンク部111内で相対的に上昇させながら、停止状態を維持する。このように係合部118が係合先のリンク部111の下側当接部122から離間すると、プッシャ45は、板金の重みにより、シャッタ最下部位置で停止するシャッタ46上の紙幣Sを下側に押さえ付けた状態となる。このように、リンク部111は、連結アーム102とともにプッシャ45を下降させた際に、プッシャ45とシャッタ46上の集積状態の紙幣Sとが接触すると、プッシャ45を連結アーム102に対して相対的に上方向に逃がす機構となっている。
【0100】
次に、一時貯留収納庫41(B)のシャッタ46の次にシャッタ最下部位置に位置して停止した一時貯留収納庫41(C)のシャッタ46(C)上に集積されている300枚の集積状態の紙幣Sの上面に、
図8に示すように一時貯留収納庫41(C)のプッシャ45がプッシャ本体113の下面において当接する。すると、一時貯留収納庫41(C)のプッシャ本体113の下降は停止させられることになる。言い換えれば、一時貯留収納庫41(C)のプッシャ本体113は、シャッタ最下部位置に停止するシャッタ46上の紙幣Sに当接して停止する。
【0101】
これに対して、連結アーム102は下降を続けているため、
図9に示すように一時貯留収納庫41(C)のプッシャ本体113は、その係合部118を、係合先のリンク部111の下側当接部122から離間させてこのリンク部111内で相対的に上昇させながら、停止状態を維持する。このように係合部118が係合先のリンク部111の下側当接部122から離間すると、プッシャ45は、板金の重みにより、シャッタ46上の紙幣Sを下側に押さえ付けた状態となる。
【0102】
次に、一時貯留収納庫41(C)のシャッタ46の次にシャッタ最下部位置に位置して停止した一時貯留収納庫41(A)のシャッタ46上に集積されている200枚の集積状態の紙幣Sの上面に、
図9に示すように一時貯留収納庫41(A)のプッシャ45がプッシャ本体113の下面において当接する。すると、一時貯留収納庫41(A)のプッシャ本体113の下降は停止させられることになる。言い換えれば、一時貯留収納庫41(A)のプッシャ本体113は、シャッタ最下部位置に停止するシャッタ46上の紙幣Sに当接して停止する。
【0103】
ここで、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)は、いずれも200枚以上の紙幣Sを貯留している場合には、プッシャ本体113により紙幣Sを押え付けるようになっている。すなわち、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の一時貯留部139の紙幣Sの貯留枚数はいずれも最大400枚であるが、200枚以上の集積状態の紙幣Sがあると、シャッタ46が最下部に到達した場合には、その後、プッシャ45が当接して、その板金の重みにより、紙幣Sが下側に押さえ付けられた状態となる。
【0104】
なお、一時貯留収納庫41(D)においては、シャッタ最下部位置に位置して停止したシャッタ46上に集積されている1枚の紙幣Sの上面には、プッシャ45のプッシャ本体113が下面において当接することはなく、シャッタ46の上面と、プッシャ本体113とは、離間したままとなる。
【0105】
制御部181は、
図9に示すように一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46が、高さ方向の位置を揃えて停止位置であるシャッタ最下部位置に位置して停止すると、プッシャ昇降モータ103を一旦停止させて、連結アーム102を停止させる。すなわち、4つの一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてにおいて、シャッタ46が最下部位置に到達した状態となると同時に、制御部181は、連結アーム102の下降動作も停止させる。その結果、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてにおいて、シャッタ46がフラッパ43上の最下部位置で停止している状態となる。このとき、集積枚数が200枚以上の一時貯留部139、すなわち一時貯留収納庫41(A)〜41(C)の一時貯留部139では、上述したとおり、プッシャ45が集積状態の紙幣Sの上面を押さえ付けた状態となっている。
【0106】
制御部181は、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46がシャッタ最下部位置に位置することで、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ昇降モータ135及びプッシャ昇降モータ103を停止した後、一つのシャッタ開閉モータ141を駆動して、
図10に示すように、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46をそれぞれ対応する収容体40から退避させて同時に開状態とする。シャッタ46は、この最下部位置が、集積状態の紙幣Sの一時貯留部139における収納部165への受渡位置となっている。
【0107】
シャッタ開閉モータ141で一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46を開状態にすると、一時貯留収納庫41(A)のシャッタ46は、一時貯留収納庫41(A)の収容体40から退避するものの、このシャッタ46上にあって一時貯留収納庫41(A)のプッシャ本体113で上から押さえられていた200枚の集積状態の紙幣Sは一時貯留収納庫41(A)の収容体40で横方向の移動が規制されることになる。よって、これら200枚の集積状態の紙幣Sは、この収容体40内で集積状態を保ったまま一時貯留収納庫41(A)の閉状態のフラッパ43の載置面に落下して載置される。
【0108】
このように200枚の集積状態の紙幣Sは、落下することにより、その上面の位置が下がることになり、よって、これに当接していた一時貯留収納庫41(A)のプッシャ本体113も、その係合部118を係合先のリンク部111内で移動させながら下降する。このとき、200枚の集積状態の紙幣Sの落下距離は、落下前のこの係合部118と係合先のリンク部111の下側当接部122との距離よりも大きく、よって、一時貯留収納庫41(A)のプッシャ本体113は、その係合部118を係合先のリンク部111の下側当接部122に当接させて停止して、200枚の集積状態の紙幣Sから離間する。なお、開状態となる際に、一時貯留収納庫41(A)のシャッタ46は、後側のベース部131が前方に移動し、その途中で、前側の摺動体132が、前側にある図示略のストッパに当接して停止し、後側のベース部131に対して相対的に摺動する結果、縮長する。
【0109】
また、一時貯留収納庫41(B)のシャッタ46は、一時貯留収納庫41(B)の収容体40から退避するものの、このシャッタ46上にあって一時貯留収納庫41(B)のプッシャ本体113で上から押さえられていた400枚の集積状態の紙幣Sは一時貯留収納庫41(B)の収容体40で横方向の移動が規制されることになる。よって、これら400枚の集積状態の紙幣Sは、この収容体40内で集積状態を保ったまま一時貯留収納庫41(B)の閉状態のフラッパ43の載置面に落下して載置される。
【0110】
このように400枚の集積状態の紙幣Sは、落下することにより、その上面の位置が下がることになり、よって、これに当接していた一時貯留収納庫41(B)のプッシャ本体113も、その係合部118を係合先のリンク部111内で移動させながら下降する。このとき、400枚の集積状態の紙幣Sの落下距離は、落下前のこの係合部118と係合先のリンク部111の下側当接部122との距離よりも小さく、よって、一時貯留収納庫41(B)のプッシャ本体113は、その係合部118を係合先のリンク部111の下側当接部122に当接させることはなく、400枚の集積状態の紙幣Sに当接した状態を維持したまま一緒に落下する。なお、開状態となる際に、一時貯留収納庫41(B)のシャッタ46も、前側の摺動体132が図示略のストッパに当接して停止し、後側のベース部131に対して相対的に摺動する結果、縮長する。
【0111】
また、一時貯留収納庫41(C)のシャッタ46は、一時貯留収納庫41(C)の収容体40から退避するものの、このシャッタ46上にあって一時貯留収納庫41(C)のプッシャ本体113で上から押さえられていた300枚の集積状態の紙幣Sは一時貯留収納庫41(C)の収容体40で横方向の移動が規制されることになる。よって、これら300枚の集積状態の紙幣Sは、この収容体40内で集積状態を保ったまま一時貯留収納庫41(C)の閉状態のフラッパ43の載置面に落下して載置される。
【0112】
このように300枚の集積状態の紙幣Sは、落下することにより、その上面の位置が下がることになり、よって、これに当接していた一時貯留収納庫41(C)のプッシャ本体113も、その係合部118を係合先のリンク部111内で移動させながら下降する。このとき、300枚の集積状態の紙幣Sの落下距離は、落下前のこの係合部118と係合先のリンク部111の下側当接部122との距離よりも小さく、よって、一時貯留収納庫41(C)のプッシャ本体113は、その係合部118を係合先のリンク部111の下側当接部122に当接させることはなく、300枚の集積状態の紙幣Sに当接した状態を維持したまま一緒に落下する。なお、開状態となる際に、一時貯留収納庫41(C)のシャッタ46も、前側の摺動体132が図示略のストッパに当接して停止し、後側のベース部131に対して相対的に摺動する結果、縮長する。
【0113】
また、一時貯留収納庫41(D)のシャッタ46は、一時貯留収納庫41(D)の収容体40から退避するものの、このシャッタ46上にあって一時貯留収納庫41(D)のプッシャ本体113から離間していた1枚の紙幣Sは一時貯留収納庫41(D)の収容体40で横方向の移動が規制されることになって、この収容体40内で一時貯留収納庫41(D)の閉状態のフラッパ43の載置面に落下して載置される。一時貯留収納庫41(D)において、シャッタ最下部位置に位置して停止したシャッタ46上に集積されている1枚の紙幣Sの上面には、プッシャ45のプッシャ本体113が下面において当接していないため、1枚の紙幣Sが落下してもプッシャ本体113が下降することはない。なお、開状態となる際に、一時貯留収納庫41(D)のシャッタ46も、前側の摺動体132が図示略のストッパに当接して停止し、後側のベース部131に対して相対的に摺動する結果、縮長する。
【0114】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46が開位置に位置したことを、シャッタ開位置センサ146が検知すると、制御部181は、シャッタ開閉モータ141を停止させる。次に、制御部181は、一つのフラッパ開閉モータ161を駆動して、
図11に示すように一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43を同時に開状態にすることになり、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43が開状態になったことをフラッパ開位置センサ162で検知するとフラッパ開閉モータ161を停止させる。
【0115】
このフラッパ開閉モータ161に駆動により、一時貯留収納庫41(A)においては、フラッパ43の一対のフラッパ本体152がそれぞれを支持する揺動軸151を中心に同期して回転し、一対の先端構成部156に載置されていた200枚の集積状態の紙幣Sを若干持ち上げながら、収容体40内から収容体40外へ退避する。すると、200枚の集積状態の紙幣Sは、フラッパ43による支持がなくなるため、集積状態を保ったまま落下して、一時貯留収納庫41(A)のステージ44上に載置される。なお、一時貯留収納庫41(A)の収納部165に既に紙幣Sが収納されていた場合、200枚の集積状態の紙幣Sは、すでに収納されていたステージ44上の紙幣Sに重ねて載置される。一時貯留収納庫41(A)において、ステージ44は、このように紙幣Sを載置させても、ステージ昇降モータ171の通電オフでの停止トルクで停止している。
【0116】
また、フラッパ開閉モータ161に駆動により、一時貯留収納庫41(B)においては、フラッパ43が一対の先端構成部156に載置されていた400枚の集積状態の紙幣Sをプッシャ45とともに若干持ち上げながら、収容体40内から収容体40外へ退避する。すると、400枚の集積状態の紙幣Sは、フラッパ43による支持がなくなるため、集積状態を保ったまま落下して、一時貯留収納庫41(B)のステージ44上に載置される。この場合も、一時貯留収納庫41(B)の収納部165に既に紙幣Sが収納されていた場合、400枚の集積状態の紙幣Sは、すでに収納されていたステージ44上の紙幣Sに重ねて載置される。
【0117】
このように400枚の集積状態の紙幣Sが、落下することにより、その上面の位置が下がると、これに当接していた一時貯留収納庫41(B)のプッシャ本体113も、その係合部118を係合先のリンク部111内で移動させながら下降する。このとき、400枚の集積状態の紙幣Sの落下距離は、落下前のこの係合部118と係合先のリンク部111の下側当接部122との距離よりも小さく、よって、一時貯留収納庫41(B)のプッシャ本体113は、その係合部118を係合先のリンク部111の下側当接部122に当接させることはなく、400枚の集積状態の紙幣Sに当接した状態を維持したまま一緒に落下する。一時貯留収納庫41(B)において、ステージ44は、このように紙幣Sを載置させ、プッシャ本体113の重量を受けても、ステージ昇降モータ171の通電オフでの停止トルクで停止している。
【0118】
また、フラッパ開閉モータ161に駆動により、一時貯留収納庫41(C)においては、フラッパ43が一対の先端構成部156に載置されていた300枚の集積状態の紙幣Sをプッシャ45とともに若干持ち上げながら、収容体40内から収容体40外へ退避する。すると、300枚の集積状態の紙幣Sは、フラッパ43による支持がなくなるため、集積状態を保ったまま落下して、一時貯留収納庫41(C)のステージ44上に載置される。この場合も、一時貯留収納庫41(C)の収納部165に既に紙幣Sが収納されていた場合、300枚の集積状態の紙幣Sは、すでに収納されていたステージ44上の紙幣Sに重ねて載置される。
【0119】
このように300枚の集積状態の紙幣Sが、落下することにより、その上面の位置が下がると、これに当接していた一時貯留収納庫41(C)のプッシャ本体113も、その係合部118を係合先のリンク部111内で移動させながら下降する。このとき、300枚の集積状態の紙幣Sの落下距離は、落下前のこの係合部118と係合先のリンク部111の下側当接部122との距離よりも小さく、よって、一時貯留収納庫41(C)のプッシャ本体113は、その係合部118を係合先のリンク部111の下側当接部122に当接させることはなく、300枚の集積状態の紙幣Sに当接した状態を維持したまま一緒に落下する。一時貯留収納庫41(C)において、ステージ44は、このように紙幣Sを載置させ、しかもプッシャ本体113の重量を受けても、ステージ昇降モータ171の通電オフでの停止トルクで停止している。
【0120】
また、フラッパ開閉モータ161に駆動により、一時貯留収納庫41(D)においては、フラッパ43が一対の先端構成部156に載置されていた1枚の紙幣Sを若干持ち上げながら、収容体40内から収容体40外へ退避する。すると、1枚の紙幣Sは、フラッパ43による支持がなくなるため、落下して、一時貯留収納庫41(D)のステージ44上に載置される。この場合も、一時貯留収納庫41(D)の収納部165に既に紙幣Sが収納されていた場合、1枚の紙幣Sは、すでに収納されていたステージ44上の紙幣Sに重ねて載置される。一時貯留収納庫41(D)においても、ステージ44は、このように紙幣Sを載置させても、ステージ昇降モータ171の通電オフでの停止トルクで停止している。
【0121】
以上のようにして一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43を開状態にすると、
図11に示すように、400枚の集積状態の紙幣Sを受け取った一時貯留収納庫41(B)のステージ44上の最上位置の紙幣Sの上面の高さ位置が最も高くなり、次に300枚の集積状態の紙幣Sを受け取った一時貯留収納庫41(C)のステージ44上の最上位置の紙幣Sの上面の高さ位置が高くなり、次に200枚の集積状態の紙幣Sを受け取った一時貯留収納庫41(A)のステージ44上の最上位置の紙幣Sの上面の高さ位置が高くなり、1枚の集積状態の紙幣Sを受け取った一時貯留収納庫41(D)のステージ44上の最上位置の紙幣Sの高さ位置が最も低くなる。
【0122】
制御部181は、上記のようにフラッパ開閉モータ161を駆動して一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43を開状態にした後、停止させていたプッシャ昇降モータ103を駆動して、
図12に示すように連結アーム102をアーム最下部位置に向けて下降させる。
【0123】
すると、まず、最も高さ位置が高い一時貯留収納庫41(B)のステージ44上の最上位置の紙幣Sの上面に載置されて停止しているプッシャ本体113の係合部118が、係合先のリンク部111の上側当接部121に当接して、連結アーム102と一体に下降する状態となる。すると、連結アーム102の下降により、一時貯留収納庫41(B)は、このプッシャ本体113が集積状態の紙幣Sを介してステージ44を下方に押圧することになり、このステージ44は、プッシャ本体113との間の紙幣Sを圧縮した後、このプッシャ本体113からステージ昇降モータ171の通電オフでの停止トルクを超えるトルクを受けて、このプッシャ本体113の下降に応じた量、下降する。その結果、一時貯留収納庫41(B)において、
図13に示すようにステージ44上の集積状態の紙幣Sが収納部165側に押し込まれる。すなわち、連結アーム102の下降動作によって、プッシャ45は、リンク部111の上側当接部121に当接しながら、一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sを、収納部165に押し込む。
【0124】
次に、高さ位置が次に高い一時貯留収納庫41(C)のステージ44上の最上位置の紙幣Sの上面に載置されて停止しているプッシャ本体113の係合部118が、係合先のリンク部111の上側当接部121に当接して、連結アーム102と一体に下降する状態となる。すると、連結アーム102の下降により、一時貯留収納庫41(C)は、このプッシャ本体113が集積状態の紙幣Sを介してステージ44を下方に押圧することになり、このステージ44は、プッシャ本体113との間の紙幣Sを圧縮した後、このプッシャ本体113からステージ昇降モータ171の通電オフでの停止トルクを超えるトルクを受けて、このプッシャ本体113の下降に応じた量、下降する。その結果、一時貯留収納庫41(C)において、
図13に示すようにステージ44上の集積状態の紙幣Sが収納部165側に押し込まれる。
【0125】
次に、一時貯留収納庫41(A)において、連結アーム102のリンク部111の下側当接部122に係合部118を当接させた状態で連結アーム102とともに下降してきたプッシャ本体113が、高さ位置が次に高い一時貯留収納庫41(A)のステージ44上の最上位置の紙幣Sの上面に当接して停止して、その係合部118を、下降する連結アーム102の係合先のリンク部111の上側当接部121に当接させる。これにより、一時貯留収納庫41(A)のプッシャ本体113が連結アーム102と一体に下降する状態となる。すると、連結アーム102の下降により、一時貯留収納庫41(A)は、このプッシャ本体113が集積状態の紙幣Sを介してステージ44を下方に押圧することになり、このステージ44は、プッシャ本体113との間の紙幣Sを圧縮した後、このプッシャ本体113からステージ昇降モータ171の通電オフでの停止トルクを超えるトルクを受けて、このプッシャ本体113の下降に応じた量、下降する。その結果、一時貯留収納庫41(A)において、
図13に示すようにステージ44上の集積状態の紙幣Sが収納部165側に押し込まれる。
【0126】
次に、一時貯留収納庫41(D)において、連結アーム102のリンク部111の下側当接部122に係合部118を当接させた状態で連結アーム102とともに下降してきたプッシャ本体113が、高さ位置が最も低い一時貯留収納庫41(D)のステージ44上の紙幣Sの上面に当接して停止して、その係合部118を、下降する連結アーム102の係合先のリンク部111の上側当接部121に当接させる。これにより、一時貯留収納庫41(D)のプッシャ本体113が連結アーム102と一体に下降する状態となる。すると、連結アーム102の下降により、一時貯留収納庫41(D)は、このプッシャ本体113が紙幣Sを介してステージ44を下方に押圧することになり、このステージ44は、このプッシャ本体113からステージ昇降モータ171の停止トルクを超えるトルクを受けてこのプッシャ本体113の下降に応じた量、下降する。その結果、一時貯留収納庫41(D)において、
図13に示すようにステージ44上の紙幣Sが収納部165側に押し込まれる。
【0127】
すなわち、制御部181は、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてにおいて、一時貯留部139側から収納部165側への紙幣の押し込み時に、ステージ昇降モータ171の駆動は行っていない。したがって、ステージ44の上下駆動を行うステッピングモータであるステージ昇降モータ171は、通電をオフしてもその位置をキープ可能であり、かつプッシャ45の下降によって下方向への圧力をかけた際に、プッシャ45に追従してステージ44が下降する(押し込まれる)保持トルクを有したもので構成されている。
【0128】
連結アーム102がアーム最下部位置に位置したことをアーム最下部位置センサ106が検知すると、制御部181は、プッシャ昇降モータ103を停止させる。すると、
図13に示すように、連結アーム102に連結された一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ45が停止する。この状態で、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ本体113は、それぞれの係合部118が係合先のリンク部111の上側当接部121に当接しており、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ本体113の下面の高さ位置が同等になっている。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれのプッシャ本体113が同じ一時貯留収納庫41を構成するステージ44とで紙幣Sを挟持している。なお、プッシャ本体113は、同じ一時貯留収納庫41を構成するステージ44との間に紙幣Sがなければ、下面において、ステージ44の上面に当接する。連結アーム102は、アーム最下部位置センサ106で検知されるアーム最下部位置にあるとき、収納部165側にある。
【0129】
ここで、連結アーム102がアーム最下部位置に位置することで、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の同等とされたすべてのプッシャ本体113の下面の高さ位置は、その時点では開状態にあるフラッパ43が、閉状態になったときの、押さえ面の高さ位置と一致する。
【0130】
上記のように、連結アーム102がアーム最下部位置に位置することによりプッシャ昇降モータ103を停止させた後、制御部181は、一つのフラッパ開閉モータ161を駆動して、
図14に示すように一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43を同時に閉状態にする。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43が閉状態になったことをフラッパ閉位置センサ163で検知すると、制御部181は、フラッパ開閉モータ161を停止させる。
【0131】
このフラッパ開閉モータ161に駆動により、一時貯留収納庫41(A)においては、フラッパ43の一対のフラッパ本体152がそれぞれを支持する揺動軸151を中心に同期して回転し、一対の先端構成部156を収容体40に進入させて、ステージ44上の紙幣Sをプッシャ45とで上から押さえる状態になる。言い換えれば、フラッパ43およびプッシャ45が紙幣Sをステージ44とで挟持する状態になる。一時貯留収納庫41(B)〜(D)においても、同様に、それぞれのフラッパ43が押さえ面において、ステージ44上の紙幣Sをプッシャ45とで上から押さえる状態になる。
【0132】
具体的に、紙幣Sをいずれも収納部165に収納していない状態から始まった一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の収納処理であるため、一時貯留収納庫41(A)においては、200枚の集積状態の紙幣Sがフラッパ43およびプッシャ45とステージ44とで挟持されて収納部165に収納される。また、一時貯留収納庫41(B)においては、400枚の集積状態の紙幣Sがフラッパ43およびプッシャ45とステージ44とで挟持されて収納部165に収納される。また、一時貯留収納庫41(C)においては、300枚の集積状態の紙幣Sがフラッパ43およびプッシャ45とステージ44とで挟持されて収納部165に収納される。また、一時貯留収納庫41(D)においては、1枚の集積状態の紙幣Sがフラッパ43およびプッシャ45とステージ44とで挟持されて収納部165に収納される。
【0133】
上記のように、一つのフラッパ開閉モータ161を駆動して一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43を閉状態にした後、制御部181は、プッシャ昇降モータ103を駆動して、
図15に示すように、連結アーム102をアーム最上部位置に向けて上昇させることになる。すると、その初期においては、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ45が、それぞれの係合部118を係合先のリンク部111内で相対的に下降させることにより停止しており、その後、それぞれの係合部118が係合先のリンク部111の下側当接部122に当接して、連結アーム102と一体に上昇することになる。言い換えれば、連結アーム102は、アーム最上部位置までの上昇動作によって、すべてのプッシャ45を、リンク部111の下側当接部122に当接させながら、一時貯留部139の上側にある定位置である待機位置まで移動させる。なお、プッシャ45が上昇しても、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43が先端構成部156の押さえ面においてステージ44上の収納状態の紙幣Sを上から押さえており、ステージ44とで収納状態の紙幣Sを挟持している。言い換えれば、紙幣Sを収納部165に収納する状態を維持している。連結アーム102が、待機位置であるアーム最上部位置に位置したことを、アーム最上部位置センサ105が検知すると、制御部181は、プッシャ昇降モータ103を停止させる。
【0134】
なお、この連結アーム102の上昇中、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ45がシャッタ46よりも上側に位置する所定のタイミングで、制御部181は、一つのシャッタ開閉モータ141を駆動する。すると、
図15に示すように、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46が閉位置に位置する。その際に、シャッタ46は、後側のベース部131が後方に移動することになり、これに対して前側の摺動体132が図示略のシャッタスプリングの付勢力でベース部131から延びて、伸長する。すべてのシャッタ46が閉位置に位置したことを、シャッタ閉位置センサ145が検知すると、制御部181は、シャッタ開閉モータ141を停止させる。これにより、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46をそれぞれ対応する収容体40に進入させて閉状態とする。その結果、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46はシャッタ最下部位置に位置し閉状態となって待機状態となる。
【0135】
このようにして、連結アーム102、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ45、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46および一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43が待機状態となる。
【0136】
以上により、複数の一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれの一時貯留部139が、横方向に移動して開閉し、且つ、閉状態で紙幣Sを上側に集積させる上下に移動可能なシャッタ46と、シャッタ46上に集積状態の紙幣Sを上側から押圧可能であって上下に移動可能なプッシャ45と、を備えており、複数のプッシャ45を連結させると共に一つの駆動源であるプッシャ昇降モータ103により駆動されて複数のプッシャ45を上下に移動させる連結アーム102を備えている。そして、この連結アーム102は、複数のプッシャ45のそれぞれを上下移動可能に支持するリンク部111を備えている。
【0137】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)は、それぞれの一時貯留部139に貯留している紙幣Sを鉛直下方の収納部165へ受け渡す収納処理時に、複数の一時貯留部139のそれぞれの、プッシャ45とシャッタ46とが、相互間の距離変動を抑制しつつ下降する。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)は、それぞれの一時貯留部139に貯留している紙幣Sを鉛直下方の収納部165へ受け渡す収納処理時に、プッシャ昇降モータ103と複数のシャッタ昇降モータ135とを同期させて駆動する。
【0138】
また、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)は、それぞれの一時貯留部139に貯留している紙幣Sを鉛直下方の収納部165へ受け渡す収納処理時に、すべてのシャッタ46を高さ方向の位置を揃えた停止位置であるシャッタ最下部位置に停止させる。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)は、それぞれの一時貯留部139に貯留している紙幣Sを鉛直下方の収納部165へ受け渡す収納処理時に、プッシャ45が、シャッタ最下部位置に停止するシャッタ46上の紙幣Sに当接して停止する。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)は、それぞれの一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sを鉛直下方の収納部165へ受け渡す収納処理時に、連結アーム102を一時貯留部139側から収納部165側へ移動させる。
【0139】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)においては、
図5に示すように紙幣Sを一時貯留部139に一時貯留させた後(後述する入金処理を行った後)、一時貯留部139の紙幣Sを、上記のように収納部165には収納せず、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)から繰り出すことも可能である(後述する返却処理)。
【0140】
一時貯留収納庫41(A)について、一時貯留部139の紙幣Sを繰り出す場合、制御部181は、シャッタ昇降モータ135を駆動しシャッタ46を上昇させて、シャッタ46上の最上位置の紙幣Sを、取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。そして、この状態で、制御部181は、この取込繰出部42を駆動する。すると、この取込繰出部42が紙幣Sを一枚ずつ分離して一時貯留収納庫41(A)から外に繰り出す。その際に、制御部181は、取込繰出部42から繰り出された紙幣Sの量に応じてシャッタ昇降モータ135を駆動してシャッタ46を上昇させる。
【0141】
また、一時貯留収納庫41(B)について、一時貯留部139の紙幣Sを繰り出す場合、制御部181は、シャッタ昇降モータ135を駆動しシャッタ46を上昇させて、シャッタ46上の最上位置の紙幣Sを、取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。そして、この状態で、制御部181は、この取込繰出部42を駆動する。すると、この取込繰出部42が紙幣Sを一枚ずつ分離して一時貯留収納庫41(B)から外に繰り出す。その際に、制御部181は、取込繰出部42から繰り出された紙幣Sの量に応じてシャッタ昇降モータ135を駆動してシャッタ46を上昇させる。
【0142】
また、一時貯留収納庫41(C)について、一時貯留部139の紙幣Sを繰り出す場合、制御部181は、シャッタ昇降モータ135を駆動しシャッタ46を上昇させて、シャッタ46上の最上位置の紙幣Sを、取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。そして、この状態で、制御部181は、この取込繰出部42を駆動する。すると、この取込繰出部42が紙幣Sを一枚ずつ分離して一時貯留収納庫41(C)から外に繰り出す。その際に、制御部181は、取込繰出部42から繰り出された紙幣Sの量に応じてシャッタ昇降モータ135を駆動してシャッタ46を上昇させる。
【0143】
また、一時貯留収納庫41(D)について、一時貯留部139の紙幣Sを繰り出す場合、制御部181は、シャッタ昇降モータ135を駆動しシャッタ46を上昇させて、シャッタ46上の紙幣Sを、取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。そして、この状態で、制御部181は、この取込繰出部42を駆動する。すると、この取込繰出部42が紙幣Sを一時貯留収納庫41(D)から外に繰り出す。その際に、制御部181は、取込繰出部42から繰り出された紙幣Sの量に応じてシャッタ昇降モータ135を駆動してシャッタ46を上昇させる。
【0144】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)について、一時貯留部139に一時貯留させた紙幣Sをすべて一時貯留収納庫41(A)〜41(D)から繰り出すと、制御部181は、すべてのシャッタ46をシャッタ最下部位置に位置させて、待機状態に戻す。
【0145】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)において、
図15に示すように収納部165に収納した紙幣Sを繰り出す場合(後述するバラ紙幣出金処理)、制御部181は、一つのシャッタ開閉モータ141を駆動して、シャッタ最下部位置に位置して待機状態にある一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46をそれぞれ対応する収容体40から退避させて同時に開状態とする。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46が開位置に位置したことを、シャッタ開位置センサ146が検知すると、制御部181は、シャッタ開閉モータ141を停止させる。
【0146】
次に、制御部181は、一つのフラッパ開閉モータ161を駆動して一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43を同時に開状態にすることになり、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43が開状態になったことをフラッパ開位置センサ162で検知するとフラッパ開閉モータ161を停止させる。
【0147】
一時貯留収納庫41(A)において、収納部165の紙幣Sを繰り出す場合、制御部181は、ステージ昇降モータ171を駆動しステージ44を上昇させて、このステージ44上の最上位置の紙幣Sを、取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。そして、この状態で、制御部181は、この取込繰出部42を駆動する。すると、この取込繰出部42が紙幣Sを一枚ずつ分離して一時貯留収納庫41(A)から外に繰り出す。その際に、制御部181は、取込繰出部42から繰り出された紙幣Sの量に応じてステージ昇降モータ171を駆動してステージ44を上昇させる。
【0148】
また、一時貯留収納庫41(B)において、収納部165の紙幣Sを繰り出す場合、制御部181は、ステージ昇降モータ171を駆動しステージ44を上昇させて、このステージ44上の最上位置の紙幣Sを、取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。そして、この状態で、制御部181は、この取込繰出部42を駆動する。すると、この取込繰出部42が紙幣Sを一枚ずつ分離して一時貯留収納庫41(B)から外に繰り出す。その際に、制御部181は、取込繰出部42から繰り出された紙幣Sの量に応じてステージ昇降モータ171を駆動してステージ44を上昇させる。
【0149】
また、一時貯留収納庫41(C)において、収納部165の紙幣Sを繰り出す場合、制御部181は、ステージ昇降モータ171を駆動しステージ44を上昇させて、このステージ44上の最上位置の紙幣Sを、取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。そして、この状態で、制御部181は、この取込繰出部42を駆動する。すると、この取込繰出部42が紙幣Sを一枚ずつ分離して一時貯留収納庫41(C)から外に繰り出す。その際に、制御部181は、取込繰出部42から繰り出された紙幣Sの量に応じてステージ昇降モータ171を駆動してステージ44を上昇させる。
【0150】
また、一時貯留収納庫41(D)において、収納部165の紙幣Sを繰り出す場合、制御部181は、ステージ昇降モータ171を駆動しステージ44を上昇させて、このステージ44上の最上位置の紙幣Sを、取込繰出部42の蹴出ローラ42aに当接させる。そして、この状態で、制御部181は、この取込繰出部42を駆動する。すると、この取込繰出部42が紙幣Sを一枚ずつ分離して一時貯留収納庫41(D)から外に繰り出す。その際に、制御部181は、取込繰出部42から繰り出された紙幣Sの量に応じてステージ昇降モータ171を駆動してステージ44を上昇させる。
【0151】
一時貯留収納庫41(A)〜41(D)について、収納部165から必要な紙幣Sを一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の外部に繰り出した後、制御部181は、プッシャ昇降モータ103を駆動して、連結アーム102を、アーム最下部位置センサ106で検知されるまで下降させる。すると、一時貯留部139から収納部165への収納時と同様、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のそれぞれにおいて、連結アーム102で押圧されてプッシャ本体113が集積状態の紙幣Sを介してステージ44を下方に押圧することになる。
【0152】
その後、制御部181は、一つのフラッパ開閉モータ161を駆動して一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのフラッパ43を同時に閉状態にした後、プッシャ昇降モータ103を駆動して、連結アーム102を、アーム最上部位置センサ105で検知されるまで上昇させて待機位置に戻すことになる。その途中、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのプッシャ45がシャッタ46よりも上側に位置する所定のタイミングで、制御部181は、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のすべてのシャッタ46を、一つのシャッタ開閉モータ141を駆動して収容体40に進入させて同時に閉状態として待機位置に戻す。
【0153】
一時貯留収納庫41(A)〜41(C)は、複数の金種別の一時貯留部139を有している。金種別の一時貯留部139は、それぞれが単一金種の紙幣Sを取り込み可能かつ繰り出し可能に一時貯留することになる。また、一時貯留収納庫41(A)〜41(C)は、同一金種用の一時貯留部139の直下に設けられ、シャッタ46が開状態とされた同一金種用の一時貯留部139から紙幣Sを受け入れて繰り出し可能に収納する収納部165を金種別に複数有している。
【0154】
図1に示すように、紙幣処理装置11の下部には、一時貯留収納庫41(D)の前側に、装置本体10から取り外し可能であって回収処理時に金種別の収納部165から繰り出された紙幣Sを取り込んで収納すると共に、補充処理時に補充用の紙幣Sが装置外で装填され、装填された紙幣Sを繰り出す一括一時貯留部としての収納カセット部51が設けられている。収納カセット部51は、紙幣Sを収納可能であって収納している紙幣Sを繰り出し可能である。収納カセット部51は、ユニット本体101に対し着脱可能とされており、ユニット100が装置本体10から引き出された状態で、ユニット本体101から取り外される。収納カセット部51は一時貯留収納庫41(A)〜41(D)と上下左右の位置を合わせて前後に並んでいる。
【0155】
収納カセット部51は、紙幣Sを取り込み可能かつ繰り出し可能に収納するものであり、その上部には、内部に紙幣Sを取り込むとともに内部の紙幣Sを最上位置のものから一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて繰り出す取込繰出部52が設けられている。収納カセット部51には、内部空間内を昇降するステージ53が設けられている。ここで、収納カセット部51には、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のような内部空間を上下に仕切るシャッタおよびフラッパは設けられていない。
【0156】
取込繰出部52は、ステージ53上に集積された紙幣Sのうちの最上位置の紙幣Sの短手方向の中間部に当接して、これを収納カセット部51外に向けて蹴り出す蹴出ローラ52aと、蹴出ローラ52aで蹴り出された紙幣Sを収納カセット部51外に繰り出す繰出ローラ52bと、繰出ローラ52bで収納カセット部51外に繰り出す紙幣Sを一枚ずつに分離する分離ローラ52cとを有している。繰出ローラ52bは、この繰り出し時とは逆向きに回転することで、連れ回りする分離ローラ52cとで紙幣Sを挟持して収納カセット部51内に取り込む。
【0157】
収納カセット部51の紙幣Sを取込繰出部52が収納カセット部51外に繰り出す際に、ステージ53は、載置させた紙幣Sのうちの最上位置の紙幣Sを取込繰出部52の蹴出ローラ52aに当接させる。この状態で、取込繰出部52が紙幣Sを一枚ずつ分離して繰り出す。その際に、ステージ53は、取込繰出部52から繰り出された紙幣Sの量に応じて上昇する。また、取込繰出部52が収納カセット部51内に紙幣Sを繰り出す際に、繰出ローラ52bは、上記とは逆に回転することで、ステージ53上に紙幣Sを繰り出す。その際に、ステージ53は、取込繰出部52から繰り出された紙幣Sの量に応じて下降する。
【0158】
紙幣処理装置11の内部には、入金部20から入金繰出部24で繰り出された紙幣Sを含んで紙幣Sを搬送する搬送部61が各部を適宜繋ぐように設けられている。搬送部61は、紙幣Sを、基本的にその短手方向を搬送方向に沿わせた姿勢で移動させる。
【0159】
搬送部61は、装置本体10の前部に設けられた入金部20の紙幣Sを装置本体10の後部に設けられた識別部31に向けて搬送し、さらに、装置本体10の前部に設けられた収納カセット部51に向けて搬送する搬送路61Aを有している。搬送路61Aは、入金部20の入金繰出部24から後方に、後述する搬送路61Jと搬送路61Mとの間まで延出した後、下方に延出し、その後、後方に延出して識別部31を通り、下側にて前向きに折り返して前方に延出して紙幣処理装置11の前端から下方に延出して収納カセット部51の取込繰出部52に繋がる。
【0160】
また、搬送部61は、搬送路61Aにおける収納カセット部51への接続位置と識別部31との間から下方に分岐して一時貯留収納庫41(A)の取込繰出部42に繋がる搬送路61Cと、搬送路61Aにおける収納カセット部51への接続位置と搬送路61Cの分岐位置との間から下方に分岐して一時貯留収納庫41(B)の取込繰出部42に繋がる搬送路61Dと、搬送路61Aにおける収納カセット部51への接続位置と搬送路61Dの分岐位置との間から下方に分岐して一時貯留収納庫41(C)の取込繰出部42に繋がる搬送路61Eと、搬送路61Aにおける収納カセット部51への接続位置と搬送路61Eの分岐位置との間から下方に分岐して一時貯留収納庫41(D)の取込繰出部42に繋がる搬送路61Fとを有している。
【0161】
また、搬送部61は、搬送路61Aにおける最も収納カセット部51側から上方に分岐した後に後方に延出して搬送路61Aの入金部20から識別部31に向かいつつ下方に延出する部分の下部に繋がる搬送路61Gと、搬送路61Aの搬送路61Fの分岐位置と搬送路61Gの分岐位置との間位置から上方に分岐して搬送路61Gの途中位置に繋がる搬送路61Hと、搬送路61Gにおける搬送路61Hの接続位置と搬送路61Aへの接続位置との間位置から上方に分岐して搬送路61Aにおける搬送路61Gの接続位置と入口センサ25との間に繋がる搬送路61Jとを有している。
【0162】
また、搬送部61は、搬送路61Aにおける搬送路61Gの接続位置と搬送路61Jの接続位置との間から後方に分岐した後、上方に延出し、その後、前方に延出して出金返却部21に繋がる搬送路61Kと、搬送路61Kの上部の途中位置から分岐して出金リジェクト庫22に繋がる搬送路61Lとを有している。
【0163】
また、搬送部61は、搬送路61Aにおける搬送路61Gの接続位置と識別部31との間から上方に分岐して搬送路61Kにおける搬送路61Aからの分岐位置と搬送路61Lの分岐位置との間に接続される搬送路61Mと、搬送路61Aにおける搬送路61Mの分岐位置と識別部31との間から分岐して搬送路61Mの中間位置に繋がる搬送路61Nとを有している。搬送路61Nには、紙幣Sの表裏を反転させる表裏反転部63が設けられている。
【0164】
また、搬送部61は、搬送路61Kにおける搬送路61Lの分岐位置と搬送路61Mの合流位置との間から後方に分岐して整列部35に繋がる搬送路61Pと、搬送路61Kにおける搬送路61Pの分岐位置と搬送路61Mの合流位置との間から後方に分岐して整列部36に繋がる搬送路61Qとを有している。
【0165】
識別部31は、搬送部61によって搬送される紙幣Sを識別することになり、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)および収納カセット部51は、識別部31によって識別した紙幣Sを繰り出し可能に収納する。
【0166】
紙幣処理装置11は、操作者によって操作入力がなされるとともに操作者に対して表示を行う操作表示部182を有している。
【0167】
次に、本実施形態の紙幣処理装置11の主な処理について説明する。
【0168】
待機状態にあるとき、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)は、すべてが一時貯留部139を空の状態としており、収納部165に適宜の紙幣Sを収納している。また、待機状態にあるとき、 収納カセット部51は空の状態であり、収納カセット部51のステージ53は紙幣Sを受け入れ可能な上部の所定の待機位置に位置している。
【0169】
[入金処理]
図16の太線は、装置外から入金部20に投入された紙幣Sを搬送しつつ識別および計数して一時貯留する入金処理の紙幣搬送ルートを示している。つまり、操作表示部182に入金処理の選択操作がなされると、制御部181は、入金処理を開始することになり、入金繰出部24が、入金部20に投入された紙幣Sを最下のものから順に、蹴出ローラ24aで蹴り出し繰出ローラ24bおよび分離ローラ24cで一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣Sを、搬送路61Aが搬送することになる。入金繰出部24から繰り出された紙幣Sは、繰り出し直後に入口センサ25で、搬送異常の有無と形状異常の有無とが検出される。
【0170】
制御部181は、入口センサ25で搬送異常あるいは形状異常があることが検出された異常紙幣については、
図16に太実線から太一点鎖線に示すように、搬送路61Aの入金部20側の端部と搬送路61M,61Kとで出金返却部21に搬送する。すなわち、入口センサ25で搬送異常あるいは形状異常があることが検出された異常紙幣については、入金部20から識別部31に向かう搬送路61Aから分岐し、分岐後はこの搬送路61Aに交わることがない搬送路61M,61Kで、識別部31に搬送することなく出金返却部21に搬送する。他方、入口センサ25で搬送異常および形状異常のいずれも検出されなかった紙幣Sについては、
図16に太実線で示すように、搬送路61Aで識別部31に搬送する。そして、この搬送中に識別部31が紙幣Sを識別および計数することになり、制御部181は、識別部31で受け入れ可能と識別した紙幣Sで正常搬送の正常紙幣Sを、
図16に太実線で示すように、搬送路61C,61D,61E,61Fで振り分ける。
【0171】
これにより、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)が、それぞれ取込繰出部42によって、一時貯留部139の閉状態で受入位置にあるシャッタ46上に紙幣Sを集積させることになる。すなわち、制御部181は、受け入れ可能と識別した紙幣Sのうち、第1金種の紙幣S(例えば五千円券)の真券を一時貯留収納庫41(A)の一時貯留部139のシャッタ46上に、第2金種の紙幣S(例えば千円券)の真券を一時貯留収納庫41(B)の一時貯留部139のシャッタ46上に、第3金種の紙幣S(例えば万円券)の真券を一時貯留収納庫41(C)の一時貯留部139のシャッタ46上に、これら以外の紙幣S(例えば二千円券)の真券および全金種の受け入れ可能な汚損券を一時貯留収納庫41(D)の一時貯留部139のシャッタ46上に、それぞれ一時貯留させる。このようにして、識別部31で識別された紙幣Sを一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の複数の一時貯留部139に一時貯留させる。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の複数の一時貯留部139への入金処理は、詳しくは、上述のように行われる。
【0172】
他方、制御部181は、入金部20から入金繰出部24で繰り出された紙幣Sのうち、識別部31で受け入れ不可と識別した紙幣S、すなわち金種識別できない金種識別不良の紙幣Sと、重送、斜行あるいはニアフィード等の搬送異常の紙幣とをリジェクト紙幣として、
図16に太実線、太破線および太一点鎖線で示すように、搬送路61Aから搬送路61H、搬送路61G、搬送路61A、搬送路61Mおよび搬送路61Kで出金返却部21に搬送する。
【0173】
なお、このとき、入金部20から出て搬送路61A上を識別部31に向かう紙幣Sと、搬送路61H,61Gから搬送路61Aを通って搬送路61Mに向かう紙幣Sとが、搬送路61Aの一部を共通使用することになるため、この部分で交差する可能性がある。このため、識別部31で紙幣Sを受け入れ不可と判定すると、制御部181は、この紙幣Sとの交差のタイミングを見計らって、入金繰出部24を停止させて、入金部20からの紙幣Sの繰り出しを中断する。すなわち、識別部31で受け入れ不可と判定されたリジェクト紙幣Sが、遅くとも搬送路61Gから搬送路61Aに入る時点では、搬送路61Aの搬送路61Mの分岐位置よりも入金部20側に紙幣Sが存在しないように、入金繰出部24を停止させる。識別部31で受け入れ不可と判定されたリジェクト紙幣Sが、その後、搬送路61Aから搬送路61Mに入ると、制御部181は、入金繰出部24の駆動を再開させる。
【0174】
以上の入金処理の作動を行うことによって、入金部20の紙幣Sがなくなり、入金部20から繰り出されたすべての紙幣Sが、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の一時貯留部139および出金返却部21のいずれかに搬送されると、制御部181は、出金返却部21のシャッタを開いて出金返却部21から紙幣Sを取り出し可能にするとともに、識別部31で受け入れ可能と判定して一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の一時貯留部139および収納カセット部51に一時貯留した紙幣Sの金種別の枚数および総額等を操作表示部182に表示させる。そして、制御部181は、操作表示部182への入金確定操作および入金キャンセル操作の入力を待機する状態となって入金処理を終了する。
【0175】
[収納処理]
入金処理後、操作表示部182への入金確定操作が入力された入金確定時に、制御部181は、入金を確定するとともに、入金処理にて一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の一時貯留部139に一時貯留した紙幣Sを、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の収納部165に収納する収納処理を行う。
図17の太線は、この収納処理の紙幣搬送ルートを示している。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)における一時貯留部139から収納部165への収納処理は、詳しくは上述のように行われる。
【0176】
[返却処理]
入金処理後、操作表示部182への入金キャンセル操作が入力された入金キャンセル時に、制御部181は、入金を確定せず、入金処理にて一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の一時貯留部139に一時貯留した紙幣Sをすべて、出金返却部21に繰り出す返却処理を行う。
図18の太線は、この返却処理の紙幣搬送ルートを示している。一時貯留収納庫41(A)〜41(D)における返却処理の一時貯留部139からの紙幣Sの繰り出しは、詳しくは上述のように行われる。
【0177】
返却処理において、例えば、一時貯留収納庫41(A)の一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sがある場合、一時貯留収納庫41(A)の取込繰出部42が、この一時貯留部139の紙幣Sを最上位置のものから蹴出ローラ42aで蹴り出し繰出ローラ42bおよび分離ローラ42cで一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣Sを、
図18に太実線で示すように、搬送路61C,61A,61Kで出金返却部21に搬送する。また、一時貯留収納庫41(B)の一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sがある場合、この一時貯留部139の紙幣Sを同様にして繰り出し、搬送路61D,61A,61Kで出金返却部21に搬送する。一時貯留収納庫41(C)の一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sがある場合、この一時貯留部139の紙幣Sを同様にして繰り出し、搬送路61E,61A,61Kで出金返却部21に搬送する。一時貯留収納庫41(D)の一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sがある場合、この一時貯留部139の紙幣Sを同様にして繰り出し、搬送路61F,61A,61Kで出金返却部21に搬送する。返却処理の最後に、制御部181は、出金返却部21のシャッタを開いて出金返却部21から紙幣Sを取り出し可能にする。
【0178】
[バラ紙幣出金処理]
図19の太線は、操作表示部182へ入力されたバラ紙幣出金操作に基づいて、一時貯留収納庫41(A)〜41(C)の指定された金種のものから紙幣Sを出金するバラ紙幣出金処理の紙幣搬送ルートを示している。一時貯留収納庫41(A)〜41(C)におけるバラ紙幣出金処理の収納部165からの紙幣Sの繰り出しは、上述したように行われる。
【0179】
バラ紙幣出金処理において、制御部181は、入力された金種別の出金枚数に基づき、一時貯留収納庫41(A)の収納部165に収納している第1金種の紙幣Sを繰り出す場合、一時貯留収納庫41(A)のステージ44に載置された紙幣Sを最上位置のものから蹴出ローラ42aで蹴り出し繰出ローラ42bおよび分離ローラ42cで一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣Sを、
図19に太実線で示すように、搬送路61C,61Aで識別部31に、入金処理とは逆向きに搬送し、識別部31の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でない正常紙幣Sを、搬送路61A,61Kでそのまま出金返却部21に、表裏反転が必要な正常紙幣Sを、搬送路61Aから搬送路61Nを介して表裏反転部63で表裏反転させた後、搬送路61M,61Kで出金返却部21に、それぞれ搬送する。これにより、バラ紙幣出金操作に基づく第1金種の正常紙幣Sを出金返却部21に表裏を取り揃えながら繰り出す。なお、識別部31が搬送異常と識別したり、金種識別不良と識別した、正常紙幣S以外のリジェクト紙幣については、
図19に太実線から太破線で示すように、搬送路61A,61K,61Lによって出金リジェクト庫22に搬送し、出金リジェクト庫22に収納する。
【0180】
また、バラ紙幣出金処理において、一時貯留収納庫41(B)の収納部165に収納している第2金種の紙幣Sを繰り出す場合、制御部181は、同様にして、一時貯留収納庫41(B)のステージ44に載置された紙幣Sを最上位置のものから順に取込繰出部42で繰り出させて搬送路61D,61Aで識別部31に搬送することになり、識別部31の識別結果に基づいて、表裏を取り揃えながら、出金返却部21に搬送する。
【0181】
また、バラ紙幣出金処理において、一時貯留収納庫41(C)の収納部165に収納している第3金種の紙幣Sを繰り出す場合、制御部181は、同様にして、一時貯留収納庫41(C)のステージ44に載置された紙幣Sを最上位置のものから順に取込繰出部42で繰り出させて搬送路61E,61Aで識別部31に搬送することになり、識別部31の識別結果に基づいて、表裏を取り揃えながら、出金返却部21に搬送する。
【0182】
以上のようにして、入力された金種別の出金枚数の紙幣Sを、金種別に、表裏を取り揃えながら出金返却部21に繰り出す。バラ紙幣出金処理の最後に、制御部181は、出金返却部21のシャッタを開いて出金返却部21から紙幣Sを取り出し可能にする。
【0183】
以上に述べた本実施形態によれば、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の複数の一時貯留部139は、それぞれが閉状態のシャッタ46の上側に紙幣Sを受け入れて集積させることになるが、シャッタ46が上下に移動可能であるため、シャッタ46を、紙幣Sの集積量に応じて上下に移動させることができる。よって、一時貯留部139内への紙幣Sの繰り出し位置と、紙幣Sのシャッタ46上の受入位置との間隔を調整することができる。したがって、集積不良を抑制することが可能となる。また、シャッタ46が上下に移動可能であることに加えて、プッシャ45が上下に移動可能であるため、これらの間隔を調整しながら、集積状態の紙幣Sを一時貯留部139における収納部165への受渡位置へ運ぶことが可能となる。そして、受渡位置において、シャッタ46が横方向に移動して開状態になることで、一時貯留部139から収納部165に紙幣Sを収納することができる。よって、一時貯留部139は、集積状態を保ったまま適切に紙幣Sを収納部165へ収納することが可能となる。すなわち、プッシャ45とシャッタ46との間隔を狭めてこれらを同時に下降させることによって、これらの間の集積枚数が少ない状況でも、これらの間で集積状態の紙幣Sが自由となるスペースを制限することができ、現金障害を防ぐことができる。そして、連結アーム102が一つの駆動源であるプッシャ昇降モータ103により駆動されて複数のプッシャ45を上下に移動させるため、コスト増を抑制することができ、省スペース化が可能となる。言い換えれば、シャッタ46上の集積状態の紙幣Sの枚数に関わらず、安定した収納動作が行えるとともに、コストダウンが実現できるようになる。
【0184】
また、連結アーム102は、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の複数のプッシャ45のそれぞれを上下移動可能に支持するリンク部111を備えているため、連結アーム102を下降させてプッシャ45を下降させる際に、各プッシャ45は、シャッタ46上に集積状態の紙幣Sの上面に当接することで、集積量に応じた位置に停止することができる。よって、一つの連結アーム102で複数のプッシャ45を移動させても、各シャッタ46上の集積状態の紙幣Sの集積量に応じてプッシャ45を停止させることができる。言い換えれば、集積枚数が多い一時貯留部139については、プッシャ45と集積状態の紙幣Sとが接触しても、下降する連結アーム102に対してプッシャ45が上方向に逃げるため、他の一時貯留部139のプッシャ45の下降動作に影響を与えることがない。
【0185】
また、連結アーム102は、一時貯留収納庫41(A)〜41(D)の複数のプッシャ45のそれぞれを上下移動可能に支持するリンク部111が、係合するプッシャ45の上側面の一部に当接可能な上側当接部121の高さ方向の位置を合わせており、係合するプッシャ45の下側面の一部に当接可能な下側当接部122の高さ方向の位置を合わせている。このため、連結アーム102は、複数のプッシャ45をそれぞれ下側当接部122に当接させて一定の高さ位置に配置することができる。また、連結アーム102は、複数のプッシャ45を上側当接部121に当接させて一定の高さ位置から紙幣を下方に押圧することができる。
【0186】
また、複数の一時貯留部139に貯留している紙幣Sを収納部165へ受け渡す収納処理時に、複数の一時貯留部139のそれぞれの、プッシャ45とシャッタ46とが、相互間の距離変動を抑制しつつ下降するため、これらの距離変動を抑制しながら、集積状態の紙幣Sを一時貯留部139における収納部165への受渡位置へ運ぶことが可能となる。よって、一時貯留部139は、集積状態を保ったまま適切に紙幣Sを収納部165へ収納することができる。
【0187】
また、複数のシャッタ46をそれぞれ独立して上下に移動させるシャッタ昇降モータ135で、各シャッタ46を紙幣Sの集積量に応じて下降させることができるため、集積不良の発生を抑制することができる。すなわち、上述したように、一時貯留部の集積容量をアップさせるために一時貯留部の紙幣集積のための空間を広げ過ぎると、集積紙幣が自由落下する過程で紙幣の姿勢状態が崩れ、集積不良を生じる虞がある。また、その対策として、一時貯留部の底部(閉状態のシャッタ)が上下方向に移動する機構を備え、集積枚数に応じた底部の位置、すなわち自由空間を極力少なくする位置で、紙幣を一時貯留部へ取り込ませる方法も考えられる。一時貯留収納庫が種類別に複数設けられている場合、それぞれの一時貯留収納庫の機構の駆動源を、コストダウンや実装スペースの削減のため、極力共通化させている。このような場合、それぞれの一時貯留収納庫の各機構が一時貯留収納庫間でそれぞれ独立して作動する構成となっていない。共通化は、例えば第1〜第4のすべての一時貯留収納庫で共通の駆動源とさせる場合や、第1〜第2の一時貯留収納庫と、第3〜第4の一時貯留収納庫との2組に分けて、共通化させる場合なども考えられるが、第1〜第4のすべての一時貯留収納庫の駆動源を共通にした例で述べると、第1〜第4の各一時貯留収納庫で一時貯留部の集積枚数に差があった場合、最も集積枚数の多い一時貯留収納庫の一時貯留部の底部位置に合わせることになるため、それより少ない集積枚数の一時貯留収納庫の一時貯留部では、紙幣が自由となるスペースの制限が十分に行えない。これによって、上記のように集積不良の原因となる場合や、静電気により一時貯留部の側板に紙幣が張り付くことにより、現金障害を誘発させる可能性も生じてしまう。これに対して、複数のシャッタ46をそれぞれ独立して上下に移動させるシャッタ昇降モータ135で、各シャッタ46を紙幣Sの集積量に応じて下降させることができるため、集積不良の発生を抑制することができる。
【0188】
また、一時貯留部139に貯留している紙幣Sを収納部165へ受け渡す収納処理時に、一つの駆動源としてのプッシャ昇降モータ103と複数のシャッタ昇降モータ135とを同期させて駆動することから、複数の一時貯留部139それぞれのプッシャ45とシャッタ46との距離変動を抑制しながら、集積状態の紙幣Sを一時貯留部139における収納部165への受渡位置へ運ぶことが容易に可能となる。よって、一時貯留部139は、集積状態を保ったまま適切に紙幣Sを収納部165へ収納することができる。
【0189】
また、複数の一時貯留部139に貯留している紙幣Sを収納部165へ受け渡す収納処理時に、すべてのシャッタ46を高さ方向の位置を揃えた停止位置に停止させるため、複数の一時貯留部139に貯留している紙幣Sを良好に収納部165へ受け渡すことができる。
【0190】
また、一時貯留部139に貯留している紙幣Sを収納部165へ受け渡す収納処理時に、プッシャ45は、停止位置に停止するシャッタ46上の紙幣Sに当接して停止するため、シャッタ46上の集積状態の紙幣Sをシャッタ46とプッシャ45とで挟持することができる。
【0191】
また、複数の一時貯留部139は、一つのシャッタ開閉モータ141で、停止位置に停止する複数のシャッタ46を一斉に開閉することができるため、さらなるコスト低減を図ることができ、さらなる省スペース化を図ることができる。
【0192】
また、一つのフラッパ開閉モータ161が複数の収納部165のフラッパ43を一斉に開閉するため、さらなるコスト低減を図ることができ、さらなる省スペース化を図ることができる。また、複数のステージ44を個別に上下移動させるステージ昇降モータ171を備えるため、複数の収納部165の複数のステージ44を紙幣Sの収納量に応じた位置に配置することができる。
【0193】
また、一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sを収納部165へ受け渡す収納処理時に、連結アーム102を一時貯留部139側から収納部165側へ移動させることで、複数のプッシャ45が、複数の一時貯留部139から複数の収納部165に紙幣Sを収納することになる。
【0194】
また、連結アーム102の下降動作によって、プッシャ45は、リンク部111の上側当接部121に当接しながら、一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sを、収納部165に押し込むため、簡素な構成で良好に、一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sを、収納部165に押し込むことができる。
【0195】
また、連結アーム102の上昇動作によって、すべてのプッシャ45を、リンク部111の下側当接部122に当接させながら、一時貯留部139の上側にある定位置である待機位置まで移動させるため、簡素な構成で良好に、すべてのプッシャ45を待機位置まで移動させることができる。
【0196】
ここで、シャッタ46の待機位置は、閉状態での最下部位置となる。したがって、待機状態ではシャッタ46が最下部位置にあり、入金処理の開始にあたって、シャッタ46は最上部位置まで上昇後、所定量下降して受入位置に位置し、一時貯留部139での紙幣Sの集積に最適なスペースを確保した後に、紙幣Sが搬送される。シャッタ46の待機位置を受入位置にしていない理由は、待機位置を受入位置とした場合、例えば、入金収納後の出金処理(釣銭処理)において、収納部165に収納した紙幣Sを出金する際に、シャッタ46を最下部位置まで下げる必要があり、時間がかかってしまうことに起因する。なお、実施形態でのシャッタ46の待機位置は一例であり、これに関わらず、シャッタ46の待機位置を受入位置にしても良い。
【0197】
なお、入金処理時は入金部20のシャッタの開作動や、入金部20へのオペレータによる紙幣Sのセットなどと並行して一時貯留収納庫41(A)〜41(D)のシャッタ46の受入位置への移動を行うことで、処理時間短縮を図ることが可能となる。
【0198】
また、プッシャ45は、連結アーム102が上下移動中または停止中のいずれであっても、リンク部111の上側当接部121と下側当接部122との間で可動に構成されている。このため、各一時貯留部139の集積枚数が異なる場合であっても、一つの連結アーム102および一つのプッシャ昇降モータ103で集積状態の紙幣Sを収納部165への受渡位置へ良好に運ぶことが可能となる。すなわち、紙幣Sの枚数が多い一時貯留部139は、プッシャ45が集積状態の紙幣Sの上面によって移動規制されて、下降する連結アーム102に対して上側に相対移動する。紙幣量に応じて、プッシャ45は、下側当接部122と上側当接部121との間で適切な位置をとることができる。例えば紙幣Sが多いほど、より上側当接部121に近づく配置となる。よって、複数のプッシャ45を一つの駆動源であるプッシャ昇降モータ103で適切に運ぶことが可能となるため、コスト安となる。また駆動部品の実装も省スペースとなる。
【0199】
また、制御部181は、一時貯留部139に貯留している紙幣Sを収納部165へ受け渡す収納処理時に、複数ある一時貯留部139に貯留しているそれぞれの紙幣量に応じて、プッシャ45とシャッタ46とで構成される一時貯留空間の高さ方向の長さが長くなることを規制する。このため、一時貯留部139の紙幣Sを、その集積状態を保ったまま適切に、収納部165へ紙幣Sを受け渡す準備位置となる、一時貯留部139内の紙幣受渡位置まで運ぶことができる。これにより、複数ある一時貯留部139において、それぞれが貯留している紙幣量に応じて、一時貯留空間の拡大が適切に規制された状態で収納部165へ紙幣Sを受け渡す紙幣受渡位置まで紙幣Sを運ぶことが可能となるため、集積状態を保ったまま適切に紙幣Sを収納部165へ収納することができる。
【0200】
また、一時貯留部139は、連結アーム102を上下移動させるプッシャ昇降モータ103と、複数あるシャッタ46をそれぞれ独立して上下移動させる複数のシャッタ昇降モータ135とを備えている。そして、制御部181は、一時貯留部139の一時貯留位置から収納部165への紙幣Sを受け渡す準備位置となる、一時貯留部139内の紙幣受渡位置まで紙幣Sを運ぶ際、プッシャ昇降モータ103と複数あるシャッタ昇降モータ135とを同期させて、連結アーム102および複数あるシャッタ46を下側に移動開始させる。これにより、プッシャ45とシャッタ46とで構成される一時貯留空間の高さを、それぞれの一時貯留部139に集積された紙幣量に応じた最適な長さを保ったままの状態で、複数の一時貯留部139の紙幣Sを同時に収納部165への受渡位置まで適切に(集積状態を崩さないで)移動させることができる。また、この制御(複数あるシャッタ46の上下移動の同期をとること)により、プッシャ45の上下駆動を一つの駆動源であるシャッタ昇降モータ135で行うことが可能となるため、コスト安および省スペース化となる。
【0201】
また、制御部181は、収納動作過程において、複数ある下側移動中のシャッタ46のうち、一時貯留部139の一時貯留している紙幣Sが、収納部165への紙幣Sを受け渡す準備位置となる、一時貯留部139内の紙幣受渡位置に到着したシャッタ46から順次停止させ、最終的に、すべてのシャッタ46を、一時貯留部139内の紙幣受渡位置で、高さ方向の位置を揃えて停止させる。これにより、集積枚数の多い一時貯留部139のシャッタ46が、先行して下側に移動していても、最終的には、一時貯留部139から収納部165への紙幣受渡時に、複数あるシャッタ46が高さ方向の位置を揃えて並ぶ状態となる。したがって、シャッタ46の開閉駆動を行うシャッタ開閉モータ141が一つで済むという効果を奏するため、コスト安となり、省スペースとなる。
【0202】
また、プッシャ45は、連結アーム102の上下方向の停止位置によらず、リンク部111が有する上側当接部121と下側当接部122との間で可動するよう構成されている。そして、制御部181が、収納動作過程において、一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sを、収納部165へ受け渡す準備位置となる、一時貯留部139内の紙幣受渡位置にシャッタ46を到着させた後に停止した際、シャッタ46が支える集積状態の紙幣Sの高さに応じて、プッシャ45は、リンク部111が有する下側当接部122からの係合が外れ、リンク部111が有する上側当接部121に当接する位置まで、退避することが可能である。これにより、連結アーム102を紙幣受渡位置に停止した状態のとき、集積枚数が少ない(200枚未満)一時貯留部139のプッシャ45は、リンク部111の下側当接部122との係合が外れることはなく、集積枚数が多い(200枚以上400枚まで)一時貯留部139のプッシャ45は、集積状態の紙幣Sの上面によりプッシャ45の下側面が上側に押されるため、リンク部111の下側当接部122との係合が外れることとなり、集積状態の紙幣Sの枚数に応じて、プッシャ45が上側に退避する機構となっている。よって退避機構のために専用の駆動部品を設けることなく、簡素な構成で、それぞれの集積枚数に応じた一時貯留空間を実現することができる。
【0203】
また、一時貯留部139は、複数あるシャッタ46を一斉に略水平方向に開閉可能な一つのシャッタ開閉モータ141を有している。そして、制御部181は、複数あるシャッタ46がすべて、一時貯留部139内の紙幣受渡位置に位置している状態で、複数あるシャッタ46を開閉する。これにより、複数あるシャッタ46の開閉を一つの駆動源で行うことが可能となり、コスト安、省スペース化となる。
【0204】
また、収納部165は、略水平に開閉するフラッパ43と、収納状態の紙幣Sを支えるとともに上下移動するステージ44と、を備えている。そして、複数ある収納部165のフラッパ43を一斉に開閉する一つのフラッパ開閉モータ161と、各ステージ44を個別に上下させるステージ昇降モータ171とを備えている。よって、一つの駆動源で複数のフラッパ43を開閉させるため、コスト安となる。
【0205】
また、プッシャ45は、シャッタ46が開状態にあることを条件に、連結アーム102の上下移動に伴って、一時貯留部139側から収納部165側への下降と、収納部165側から一時貯留部139側への上昇と、が可能に構成されている。そして、制御部181は、一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sを収納部165へ収納させる収納動作時に、連結アーム102を一時貯留部139側から収納部165側へ移動させる。これにより、シャッタ46と干渉させることなくプッシャ45を昇降させることができる。
【0206】
また、制御部181が、収納動作過程において、一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sを収納部165へ受け渡す際の連結アーム102の下降動作に伴い、プッシャ45は、その上面の一部をリンク部111が有する上側当接部121に当接させながら、一時貯留部139に一時貯留している紙幣Sを、一時貯留部139の受渡位置側から収納部165側のフラッパ43の下位置まで押し込む。これにより、一つの駆動源で複数のプッシャ45を駆動して紙幣Sをフラッパ43の下位置まで押し込むため、コスト安となる。
【0207】
また、制御部181が、収納動作を終了させる過程において、フラッパ43を閉状態にした後、連結アーム102を一時貯留部139側へ移動させる連結アーム102の上昇動作に伴い、プッシャ45は、その下面の一部をリンク部111が有する下側当接部122に当接させながら、プッシャ45のすべてを一時貯留部139の上側にある待機位置まで移動させる。これにより、一つの駆動源で複数のプッシャ45を待機位置に戻すため、コスト安となる。