【課題】本発明は、処理スピードの問題を解決し、処理するデータ量を抑え、解像度の高い画像を扱いやすくなるだけでなく、画像に対しての違和感を少なくすることが可能な建築物表示システム、建築物表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】建築物を3次元に構成した建築物モデルに基づく仮想建築物空間を出力する表示端末100と、前記表示端末100に、前記仮想建築物空間を出力させるための信号を、当該表示端末100に送信する画像処理端末200と、操作者が前記仮想建築物空間内を移動する入力操作を受け付け、当該入力操作の信号を前記画像処理端末200に送信する操作受付端末300と、を備える建築物表示システムは、前記画像処理端末200が、前記建築物モデル全体を3次元データで出力するよりも、前記仮想建築物空間内の前記操作者の視点に基づいた代替画像を出力することで、データ量を削減した画像を出力する。
前記画像出力手段は、光がほぼ照らされていない建築物モデルに対して、前記仮想建築物空間内の所定の位置に光源を配置することで、光を照らして当該仮想建築物空間を出力し、
前記操作受付端末が入力した移動先の建築物モデルに、移動前に光を照らさず、移動の入力操作があった場合に光を照らして、移動先の仮想建築物空間を出力する、
請求項1に記載の建築物表示システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0016】
[建築物表示システム1の概要]
本発明の好適な実施形態の概要について、
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態である建築物表示システム1の概要を説明するための図である。建築物表示システム1は、表示端末100、画像処理端末200、操作受付端末300から構成され、仮想建築物空間を表示端末に表示させるコンピュータシステムである。
【0017】
なお、建築物表示システム1は、建築物を3次元に構成した建築物モデルを作成するコンピュータ、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。この場合、建築物表示システム1は、後述する処理を、上述した端末装置、コンピュータ、又はその他の端末や装置類との何れか又は複数の組み合わせにより実行する事になる。
【0018】
また、表示端末100、画像処理端末200、操作受付端末300は、其々、例えば、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0019】
表示端末100は、建築物を3次元に構成した建築物モデルに基づく仮想建築物空間を出力する端末装置である。表示端末100は、例えば、テレビやモニタやパーソナルコンピュータ(例えば、据置型や携帯型のパーソナルコンピュータ)等の静止画や動画等の画像や建築物を3次元に構成した仮想建築物モデル等を表示する端末装置である。
【0020】
表示端末100は、上述した画像処理端末200と公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信や各種処理を実行する。
【0021】
画像処理端末200は、表示端末100に、仮想建築物空間を出力させるための信号を、この表示端末100に送信する端末装置である。画像処理端末200は、例えば、パーソナルコンピュータ等の端末装置である。
【0022】
画像処理端末200は、上述した表示端末100及び操作受付端末300と公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信や各種処理を実行する。
【0023】
操作受付端末300は、操作者が仮想建築物空間を移動する入力操作を受け付け、この入力操作の信号を画像処理端末200に送信する端末装置である。操作受付端末300は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末やパーソナルコンピュータ等の端末装置や、マウスやキーボード等の入力装置である。
【0024】
操作受付端末300は、上述した画像処理端末200と公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信や各種処理を実行する。
【0025】
画像処理端末200は、建築物モデル全体を3次元データで出力するよりも、仮想建築物空間内の操作者の視点に基づいた代替画像を出力することで、データ量を削減した画像を出力する。建築物モデルとは、光の有無に関わらず、建築物が3次元モデル化されたものである。仮想建築物空間とは、この建築物モデルに対して光を照らした状態のものである。
【0026】
例えば、画像処理端末200は、コンピュータ等から取得した建築物モデル全体における仮想建築物空間に基づいた代替画像を作成する。この代替画像は、例えば、建築物モデルとしては、ソリッドモデルで作成された躯体を、操作者の視点から見える箇所をサーフィスモデルに代替した画像や、厚みのない2次元の平面画像を、建築物モデルの該当箇所に貼付した画像である。
【0027】
画像処理端末200は、この代替画像を、表示端末100に出力させる。
【0028】
例えば、画像処理端末200は、この代替画像を、表示端末100に送信する。表示端末100は、この代替画像を自身の表示部等に表示する。この結果、画像処理端末200は、この代替画像を、表示端末100に出力させることになる。
【0029】
この結果、建築物表示システム1は、表示端末100に出力させるデータ量を、従来よりも削減することが可能となり、建築物モデルにさらに精緻な画像を採用することも可能となり、臨場感のある仮想建築物空間を表示端末100に出力させることが可能となる。
【0030】
なお、画像処理端末200は、光がほぼ照らされていない建築物モデルに対して、仮想建築物空間内の所定の位置に光源を配置することで、光を照らして仮想建築物空間を出力し、操作受付端末300が入力した移動先の建築物モデルに、移動前に光を照らさず、移動の入力操作があった場合に光を照らして、移動先の仮想建築物空間を出力する構成であってもよい。
【0031】
例えば、画像処理端末200は、操作受付端末300から取得した操作者の移動の入力操作の信号に基づいて、この入力操作の結果、移動する先の場所に対して、所定の位置に光源を配置する。画像処理端末200は、この配置した光源に基づいて、この場所を光で照らすことになる。このとき、入力操作が行われる以前のこの場所には、光源が配置されておらず、光が照らされていない状態である。
【0032】
画像処理端末200は、この光源を配置した状態の仮想建築物空間を、表示端末100に出力させることになる。このとき、仮想建築物空間は、代替画像に光源が配置されており、代替画像に光が照らされている状態となる。
【0033】
次に、建築物表示システム1が実行する処理の概要について説明する。
【0034】
画像処理端末200は、建築物を3次元に構成した建築物モデルに基づく仮想建築物空間を取得する(ステップS01)。例えば、画像処理端末200は、コンピュータ等から、この仮想建築物空間を取得する。コンピュータ等は、自身が作成又は自身が記録したこの仮想建築物空間を画像処理端末200に送信する。画像処理端末200は、この仮想建築物空間を受信することにより、この仮想建築物空間を取得することになる。
【0035】
画像処理端末200は、建築物モデル全体を3次元データで出力するよりも、仮想建築物空間内の操作者の視点に基づいた代替画像を出力することで、データ量を削減した画像を出力する(ステップS02)。例えば、画像処理端末200は、取得した仮想建築物空間内の操作者の視点に基づいた代替画像を作成する。画像処理端末200は、この作成した代替画像を、表示端末100に出力させる。画像処理端末200は、作成した代替画像を、表示端末100に送信する。表示端末100は、この代替画像を受信し、自身の表示部に表示する。この結果、画像処理端末200は、表示端末100に、代替画像を出力させることになる。
【0036】
以上が、建築物表示システム1が実行する処理の概要である。
【0037】
[建築物表示システム1のシステム構成]
図2に基づいて、本発明の好適な実施形態である建築物表示システム1のシステム構成について説明する。
図2は、本発明の好適な実施形態である建築物表示システム1のシステム構成を示す図である。
図2において、建築物表示システム1は、表示端末100、画像処理端末200、操作受付端末300から構成され、仮想建築物空間を表示端末に表示させるコンピュータシステムである。
【0038】
なお、建築物表示システム1は、上述したコンピュータ、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。この場合、建築物表示システム1は、後述する処理を、上述した端末装置、コンピュータ、又はその他の端末や装置類との何れか又は複数の組み合わせにより実行する事になる。
【0039】
また、表示端末100、画像処理端末200、操作受付端末300は、其々、例えば、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0040】
表示端末100は、上述した端末装置であり、画像処理端末200と公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信や各種処理を実行する。
【0041】
表示端末100は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。また、表示端末100は、記録部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。また、表示端末100は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス等を備える。
【0042】
表示端末100において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、出力モジュール140を実現する。
【0043】
画像処理端末200は、上述した端末装置であり、表示端末100及び操作受付端末300と公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信や各種処理を実行する。
【0044】
画像処理端末200は、表示端末100と同様に、制御部、通信部、記録部、処理部を備える。
【0045】
画像処理端末200において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、仮想建築物空間取得モジュール220、代替仮想建築物空間出力モジュール221を実現する。また、画像処理端末200において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記録部と協働して、記録モジュール230を実現する。また、画像処理端末200において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、代替画像作成モジュール240、代替建築物モデル作成モジュール241、代替建築物モデル特定モジュール242、光源配置モジュール243、光源削除モジュール244を実現する。
【0046】
操作受付端末300は、上述した端末装置であり、画像処理端末200と公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信や各種処理を実行する。
【0047】
操作受付端末300は、表示端末100と同様に、制御部、通信部、記録部、処理部を備える。
【0048】
操作受付端末300において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、入力操作信号送信モジュール320を実現する。また、操作受付端末300において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、入力操作受付モジュール340を実現する。
【0049】
[代替建築物モデル作成処理]
図3に基づいて、建築物表示システム1が実行する代替建築物モデル作成処理について説明する。
図3は、画像処理端末200が実行する代替建築物モデル作成処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0050】
仮想建築物空間取得モジュール220は、仮想建築物空間を取得する(ステップS10)。ステップS10において、仮想建築物空間は、建築物を3次元に構成した建築物モデルに基づくものである。仮想建築物空間取得モジュール220は、この仮想建築物空間を、コンピュータ等から取得する。コンピュータは、自身が作成又は記録したこの仮想建築物空間を、画像処理端末200に送信する。仮想建築物空間取得モジュール220は、この仮想建築物空間を受信することにより、仮想建築物空間を取得することになる。
【0051】
この仮想建築物空間には、光源データが含まれる。この光源データは、建築物モデルにおける光源の位置及びその光量を指定するものである。光源としては、直接光及び補助光が存在する。直接光は、大本となる太陽光である。補助光は、個別空間(部屋等)のライティングであり、直接光のみでは十分ではない場合、個別空間の臨場感を上げるために配置される。
【0052】
なお、光源データは、直接光のみで十分な光量が確保される場合、直接光のみであってもよい。
【0053】
代替画像作成モジュール240は、操作者の視点に基づいた代替画像を作成する(ステップS11)。ステップS11において、代替画像は、取得した3次元の建築物モデルを、2次元に代替する画像である。このとき、操作者の視点は、予め設定されたものである。この操作者の視点は、仮想建築物空間に対して、操作者の視点の位置及び方向の入力を予め受け付けておき設定されるものであってもよいし、上述した仮想建築物空間に操作者の視点の位置及び方向が含まれていてもよい。
【0054】
上述したステップS11の処理の結果、操作者や顧客が閲覧する範囲内のみに限定した代替画像を作成することが可能となる。
【0055】
代替画像作成モジュール240が作成する代替画像について説明する。
【0056】
はじめに、代替画像作成モジュール240が、サーフィスモデルの躯体を、代替画像として作成する場合について説明する。
【0057】
代替画像作成モジュール240は、ソリッドモデルで作成された躯体の内、操作者の視点から見える箇所をサーフィスモデルに代替した画像を、代替画像として作成する。直方体の躯体を例とした場合、本来、この躯体は、建築物モデルにおいて、中身が詰まった状態の6面体の構造物である。これを、サーフィスモデルに代替する結果、操作者の視点から見える箇所のみの中身が詰まっていない状態の3面体の構造物に代替することになる。これにより、建築物モデルを軽量化することが可能となる。
【0058】
図5に基づいて、代替画像作成モジュール240が作成する代替画像の一例について説明する。
図5は、代替画像作成モジュール240が作成する代替画像の一例を模式的に示す図である。
図5は、ソリッドモデルの躯体400及びサーフィスモデルの躯体410が示されている。
【0059】
代替画像作成モジュール240は、躯体400に基づいて、この躯体400の代替画像として、躯体410を作成する。躯体400は、ソリッドモデルの直方体であり、中身が詰まった状態の6面体の構造物である。また、この躯体400に対する操作者の視点が矢印420である。すなわち、操作者及び顧客は、この矢印420の位置及び方向から、躯体400を閲覧することになる。
【0060】
代替画像作成モジュール240は、この操作者の視点に基づいて、躯体400の代替画像を作成する。代替画像作成モジュール240は、この操作者の視点に基づいて、実際に操作者及び顧客が閲覧することが可能な面を3面体とするサーフィスモデルの躯体410を作成する。代替画像作成モジュール240は、矢印420の位置及び方向に基づいて、躯体400を操作者が閲覧可能な面430,440,450により構成された3面体のサーフィスモデルを作成することになる。
【0061】
この結果、代替画像作成モジュール240は、躯体400の代替画像として、躯体410を作成することになる。
【0062】
次に、代替画像作成モジュール240が、2次元の平面画像を、建築物モデルに貼付し、代替画像として作成する場合について説明する。
【0063】
代替画像作成モジュール240は、建築物モデルのうち、操作者の視点から閲覧する場合、建築物モデル全体では、アイテムとして小さいが、その数が多いもの(例えば、柵、格子、手すり、雨樋、梯子、)に対して、代替画像を作成する。柵を例とした場合、代替画像作成モジュール240は、この柵に対して、厚みのない柵の2次元の平面透過画像を作成し、これを柵に対して貼付する。代替画像作成モジュール240は、柵以外の該当するものに対しても同様に、平面透過画像を作成し、平面透過画像を其々のものに貼付する。代替画像作成モジュール240は、これらのものに、其々の平面透過画像を貼付した状態にすることにより、代替画像を作成することになる。これにより、一つ一つを3次元データで処理するよりも、処理量を減らすことが可能となる。また、操作者が移動して、視点が変更された場合であっても、移動先の視点における平面透過画像の変化のみで対応することが可能となり、顧客の違和感を少なくすることが可能となる。
【0064】
図6に基づいて、代替画像作成モジュール240が作成する代替画像の別の一例について説明する。
図6は、代替画像作成モジュール240が作成する代替画像の一例を模式的に示す図である。
図6は、柵500に2次元の平面透過画像510を貼付した柵520が示されている。
【0065】
代替画像作成モジュール240は、柵500の代替画像として、この柵500の厚みのない2次元の平面透過画像510を作成する。代替画像作成モジュール240は、柵510に、この平面透過画像510を、貼付した状態である柵520を作成する。すなわち、代替画像作成モジュール240は、平面透過画像510を建築物モデルの該当する箇所(柵500)に貼付した柵520を、代替画像として作成する。
【0066】
この結果、代替画像作成モジュール240は、柵500の代替画像として、柵520を作成することになる。
【0067】
代替建築物モデル作成モジュール241は、作成した代替画像に基づいて、この代替画像により作成された代替建築物モデルを作成する(ステップS12)。ステップS12において、代替建築物モデル作成モジュール241は、作成した代替画像を組み合わせることにより、代替建築物モデルを作成する。代替建築物モデル作成モジュール241は、取得した仮想建築物空間における建築物モデルを参照し、上述した躯体410や柵520や、その他の作成した代替画像を組み合わせることにより、この建築物モデルを、代替画像により作成した代替建築物モデルを作成することになる。
【0068】
記録モジュール230は、作成した代替建築物モデル及び取得した仮想建築物空間を記録する(ステップS13)。
【0069】
なお、記録モジュール230は、取得した仮想建築物空間を、記録しない構成であってもよい。
【0070】
以上が、代替建築物モデル作成処理である。
【0071】
上述した代替建築物モデル作成処理の結果、画像処理端末200は、建築物モデルにおいて、操作者の視点に基づいた代替画像を作成し、この作成した代替画像に基づいた代替建築物モデルを作成することになる。この結果、表示端末100に表示する仮想建築物空間のデータ量の削減を図ることが可能となる。また、建築物モデルにさらに精緻な画像を採用することも可能となる。この精緻な画像を採用することにより、臨場感のある仮想建築物空間を作成することが可能となる。
【0072】
[代替仮想建築物空間出力処理]
図4に基づいて、建築物表示システム1が実行する代替仮想建築物空間出力処理について説明する。
図4は、表示端末100、画像処理端末200、操作受付端末300が実行する代替仮想建築物空間出力処理のフローチャートを示す図である。上述した各装置のモジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0073】
入力操作受付モジュール340は、操作者から、仮想建築物空間内を移動する入力操作を受け付ける(ステップS20)。ステップS20において、入力操作受付モジュール340は、タップ操作やマウス操作等の入力操作を受け付けることにより、仮想建築物空間内を移動する入力操作を受け付ける。
【0074】
このとき、操作受付端末300は、自身の表示部等に、簡易的な仮想建築物空間や、仮想建築物空間の名前等を表示しておき、これらに対する入力操作を受け付けることにより、仮想建築物空間内を移動する入力操作を受け付ける。
【0075】
入力操作信号送信モジュール320は、受け付けた入力操作の信号である入力操作信号を、画像処理端末200に送信する(ステップS21)。ステップS21において、入力操作信号には、移動前の場所や移動先の場所に関する情報(例えば、名称や識別子)が含まれる。画像処理端末200は、この入力操作信号を受信することにより、入力操作信号を取得することになる。
【0076】
ステップS21の処理において、入力操作信号送信モジュール320は、マンションの外観を表示する入力操作信号を送信したものとして説明する。
【0077】
代替建築物モデル特定モジュール242は、取得した入力操作信号に基づいて、表示端末100に出力する代替建築物モデルを特定する(ステップS22)。ステップS22において、代替建築物モデル特定モジュール242は、入力操作信号に含まれる移動前及び移動先の情報に基づいて、今回出力する代替建築物モデルを特定する。入力操作信号送信モジュール320が、マンションの外観を表示する入力操作信号を送信していることから、代替建築物モデル特定モジュール242は、マンションの外観の代替建築物モデルを特定する。
【0078】
光源配置モジュール243は、特定した代替建築物モデルに対して、光源を配置する(ステップS23)。ステップS23において、光源配置モジュール243は、上述したステップS10の処理により取得し、ステップS13の処理により記録した仮想建築物空間における光源データに基づいて、特定した代替建築物モデルに対して、光源を配置する。光源配置モジュール243は、光源データにおける直接光の位置及び光量と、補助光の位置及び光量とに基づいて、代替建築物モデルに対して、光源を配置する。光源配置モジュール243が、光源を配置した代替建築物モデルが、代替仮想建築物空間になる。
【0079】
なお、光源配置モジュール243は、光源データが、直接光の位置及び光量のみである場合、代替建築物モデルに対して、直接光の位置及び光量のみを、光源として配置する。
【0080】
図7に基づいて、光源配置モジュール243が光源を配置した状態の一例について説明する。
図7は、光源配置モジュール243が、光源を配置する前後の代替建築物モデルの一例を模式的に示す図である。
図7は、光源配置前の代替建築物モデル600と、光源配置後の代替建築物モデル610とが示されている。
【0081】
光源配置モジュール243は、光源データに基づいて、代替建築物モデル600に光源を配置する。光源配置モジュール243は、光源データに基づいて、代替建築物モデル600に、直接光620、補助光630を其々配置する。すなわち、代替建築物モデル610は、代替建築物モデル600に、光源が配置された状態を意味する。直接光620及び補助光630により、代替建築物モデル610は、光が満たされた状態となる。この結果、代替建築物モデル610は、代替仮想建築物空間となる。
【0082】
図8に基づいて、代替建築物モデル特定モジュール242が特定した代替建築物モデル及びこの代替建築物モデルに光源を配置した状態の代替仮想建築物空間について説明する。
図8は、代替建築物モデル及び代替仮想建築物空間の一例を模式的に示した図である。
図8は、光がほぼ照らされていない状態のマンションの外観の代替建築物モデル700と、この代替建築物モデル700に光源を配置した状態の代替建築物モデルである代替仮想建築物空間710とが示されている。
【0083】
代替建築物モデル特定モジュール242は、取得した入力操作信号に含まれる移動前及び移動先の情報に基づいて、代替建築物モデルを特定する。上述した通り、今回取得した入力操作信号は、移動先の場所として、マンションの外観が入力されているため、代替建築物モデル特定モジュール242は、このマンションの外観の代替建築物モデル700を特定する。この代替建築物モデル700は、光がほぼ照らされておらず、暗くなっている。光源配置モジュール243はこの代替建築物モデル700に対して、光源データに基づいて、光源を配置する。この結果、代替仮想建築物空間710が作成されることになる。この代替仮想建築物空間710は、光が満たされた状態であり、明るくなっている。
【0084】
この結果、光に関する処理を、移動先の代替建築物モデルに対してのみ実行することになるため、従来のように、全ての建築物モデルに対して光に関する処理を実行する場合と比較して、処理するデータ量を削減することが可能となる。
【0085】
なお、上述したステップS23の処理では、移動前の場所に関する情報が存在しないため、省略するが、画像処理端末200は、移動前の場所に関する情報が存在する場合、移動前の場所における代替仮想建築物空間に配置した光源を削除する処理を実行することになる。この処理の詳細は、後述する。
【0086】
代替仮想建築物空間出力モジュール221は、代替仮想建築物空間を、表示端末100に送信する(ステップS24)。ステップS24において、代替仮想建築物空間出力モジュール221は、作成した代替仮想建築物空間を、表示端末100に送信する。表示端末100は、この代替仮想建築物空間を受信することにより、画像処理端末200から、代替仮想建築物空間を取得することになる。
【0087】
出力モジュール140は、取得した代替仮想建築物空間を出力する(ステップS25)。ステップS25において、出力モジュール140は、この代替仮想建築物空間を、自身の表示部等に表示することにより、この代替仮想建築物空間を出力することになる。
【0088】
この結果、表示端末100は、上述した仮想建築物空間710を出力することになる。
【0089】
入力操作受付モジュール340は、操作者から、仮想建築物空間内を移動する入力操作を受け付ける(ステップS26)。ステップS26の処理は、上述したステップS20の処理と同様である。
【0090】
入力操作信号送信モジュール320は、受け付けた入力操作の信号である入力操作信号を、画像処理端末200に送信する(ステップS27)。ステップS27の処理は、上述したステップS21の処理と同様である。
【0091】
ステップS27の処理において、入力操作信号送信モジュール320は、マンションの外観からエントランスへ移動する入力操作信号を送信したものとして説明する。
【0092】
代替建築物モデル特定モジュール242は、取得した入力操作信号に基づいて、表示端末100に出力する代替建築物モデルを特定する(ステップS28)。ステップS28の処理は、上述したステップS22の処理と同様である。ただし、ステップS28において、入力操作信号送信モジュール320が、マンションの外観からエントランスに移動する入力操作信号を送信していることから、代替建築物モデル特定モジュール242は、エントランスの代替建築物モデルを特定する。
【0093】
光源配置モジュール243は、特定した代替建築物モデルに対して、光源を配置する(ステップS29)。ステップS29の処理は、上述したステップS23の処理と同様である。
【0094】
図9に基づいて、代替建築物モデル特定モジュール242が特定した代替建築物モデル及びこの代替建築物モデルに光源を配置した状態の代替仮想建築物空間について説明する。
図9は、代替建築物モデル及び代替仮想建築物空間の一例を模式的に示した図である。
図9は、光がほぼ照らされていない状態のマンションの外観の代替建築物モデル800と、この代替建築物モデル800に光源を配置した状態の代替建築物モデルである代替仮想建築物空間810とが示されている。
【0095】
代替建築物モデル特定モジュール242は、取得した入力操作信号に含まれる移動前及び移動先の情報に基づいて、代替建築物モデルを特定する。上述した通り、今回取得した入力操作信号は、移動前の場として、マンションの外観が入力され、移動先の場所として、エントランスが入力されているため、代替建築物モデル特定モジュール242は、このエントランスの代替建築物モデル800を特定する。この代替建築物モデル800は、光がほぼ照らされておらず、暗くなっている。光源配置モジュール243はこの代替建築物モデル800に対して、光源データに基づいて、光源を配置する。この結果、代替仮想建築物空間810が作成されることになる。この代替仮想建築物空間810は、光が満たされた状態であり、明るくなっている。
【0096】
この結果、光に関する処理を、移動先の代替建築物モデルに対してのみ実行することになるため、従来のように、全ての建築物モデルに対して光に関する処理を実行する場合と比較して、処理するデータ量を削減することが可能となる。
【0097】
光源削除モジュール244は、移動前の場所における代替仮想建築物空間に配置した光源を削除する(ステップS30)。ステップS30において、光源削除モジュール244は、入力操作信号における移動前の場所に関する情報に基づいて、移動前の代替仮想建築物空間に配置した光源を削除する。光源削除モジュール244は、上述したステップS23の処理により配置した光源を削除する。すなわち、光源削除モジュール244は、移動前の場所における代替仮想建築物空間から、光源を削除する。
【0098】
この結果、画像処理端末200は、移動先のみに光源を配置することになるため、光に関する処理を、移動先の代替建築物モデルに対してのみ実行することになり、従来のように、全ての建築物モデルに対して光に関する処理を実行する場合と比較して、処理するデータ量を削減することが可能となる。
【0099】
なお、上述したステップS29及びS30の処理は、その順番が前後してもよい。すなわち、画像処理端末200は、先に、移動前の場所における代替建築物モデルに配置した光源を削除し、移動先の場所における代替建築物モデルに対して、光源を配置する構成であってもよい。
【0100】
代替仮想建築物空間出力モジュール221は、代替仮想建築物空間を、表示端末100に送信する(ステップS31)。ステップS31の処理は、上述したステップS24の処理と同様である。
【0101】
出力モジュール140は、取得した代替仮想建築物空間を出力する(ステップS32)。ステップS32の処理は、上述したステップS25の処理と同様である。
【0102】
この結果、表示端末100は、上述した仮想建築物空間710を出力することになる。
【0104】
建築物表示システム1は、操作者又は顧客が操作を終了するまで、上述した代替仮想建築物空間出力処理を実行することになる。
【0105】
なお、上述した各処理において、マンションを例として説明しているが、それ以外の建築物やそれ以外のものであっても、本発明は適用可能である。
【0106】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、単数又は複数のコンピュータからネットワーク経由で提供される(クラウドサービス、SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0107】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
前記画像出力手段は、光がほぼ照らされていない建築物モデルに対して、前記仮想建築物空間内の所定の位置に光源を配置することで、光を照らして当該仮想建築物空間を出力し、
前記操作受付端末が入力した移動先の建築物モデルに、移動前に光を照らさず、移動の入力操作があった場合に光を照らして、移動先の仮想建築物空間を出力する、
請求項1に記載の建築物表示システム。
本発明によれば、建築物を3次元に構成した建築物モデルに基づく仮想建築物空間を出力する表示端末と、前記表示端末に、前記仮想建築物空間を出力させるための信号を、当該表示端末に送信する画像処理端末と、操作者が前記仮想建築物空間内を移動する入力操作を受け付け、当該入力操作の信号を前記画像処理端末に送信する操作受付端末と、
前記画像出力手段は、光がほぼ照らされていない建築物モデルに対して、前記仮想建築物空間内の所定の位置に光源を配置することで、光を照らして当該仮想建築物空間を出力し、
前記操作受付端末が入力した移動先の建築物モデルに、移動前に光を照らさず、移動の入力操作があった場合に光を照らして、移動先の仮想建築物空間を出力する、
請求項1に記載の建築物表示システム。
本発明によれば、建築物を3次元に構成した建築物モデルに基づく仮想建築物空間を出力する表示端末と、前記表示端末に、前記仮想建築物空間を出力させるための信号を、当該表示端末に送信する画像処理端末と、操作者が前記仮想建築物空間内を移動する入力操作を受け付け、当該入力操作の信号を前記画像処理端末に送信する操作受付端末と、