【解決手段】実施形態に係る情報処理装置は、選択部と、指示部とを備える。選択部は、カメラ画像を受信する受信車両と、受信車両にカメラ画像を配信可能な接続候補とを選択する。指示部は、第1条件に基づいて接続候補と受信車両との通信接続を開始させる。指示部は、受信車両、または接続候補に緊急車両が含まれる場合には、第1条件よりも優先的に適用される第2条件に基づいて接続候補と受信車両との通信接続を開始させる。
前記指示部は、前記接続候補に前記緊急車両が含まれる場合には、前記緊急車両に関連するカメラ画像が優先的に表示されるように、前記接続候補と前記受信車両との通信接続を開始させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
前記指示部は、前記緊急車両が前記受信車両に近づいている場合には、前記緊急車両、前記緊急車両周辺の車両、および前記緊急車両周辺に設けられた定点カメラの少なくとも一つと、前記受信車両との通信接続を開始させる
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
前記指示部は、前記緊急車両、および前記受信車両が交差点に対し互いに交差する方向に進む場合には、前記交差点に向けて進む前記緊急車両、前記交差点に向けて進む前記緊急車両周辺の車両、および前記交差点を映す定点カメラの少なくとも一つと、前記受信車両との通信接続を開始させる
ことを特徴とする請求項3または4に記載の情報処理装置。
前記指示部は、前記緊急車両が前記受信車両に近づいている場合には、前記受信車両の前方の車両、および前記受信車両の前方を映す定点カメラの少なくとも一つと、前記受信車両との通信接続を開始させる
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
前記指示部は、前記受信車両が前記緊急車両であり、かつ前記緊急車両が交差点に向けて進む場合には、前記交差点のカメラ画像が優先的に表示されるように、前記緊急車両に対し交差する方向から前記交差点に向けて進む車両、および前記交差点を映す定点カメラの少なくとも一つと、前記緊急車両との通信接続を開始させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
前記指示部は、前記受信車両が前記緊急車両である場合には、前記緊急車両の目的地付近のカメラ画像が優先的に表示されるように、前記緊急車両の目的地付近の車両、および前記目的地付近に設けられた定点カメラの少なくとも一つと、前記緊急車両との通信接続を開始させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る情報処理装置、配信システムおよび情報処理方法について説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1実施形態)
<配信システムの概要>
まず、
図1A〜
図1Dを用いて、実施形態に係る管理装置100(情報処理装置の一例)、配信システムSおよび情報処理方法の概要について説明する。
図1A〜
図1Dは、配信システムSの概要を示す図である。なお、実施形態に係る情報処理方法は、
図1Aに示す管理装置100と、複数の車載装置1とが互いにデータを送受信することで実行される。
【0011】
図1Aに示すように、配信システムSは、各車両C1〜Cnに搭載された車載装置1と、管理装置100とを備える。
図1Aに示す例において、車載装置1は、通信機能を備えたドライブレコーダである場合を示す。車載装置1は、車両情報を所定周期で管理装置100へ送信する。車両情報には、「車両ID」、「現在地」、「走行速度」、「走行予定経路」などが含まれる。
【0012】
「車両ID」は、各車両C1〜Cnを識別する識別子であり、各車両C1〜Cnが緊急車両であるか、一般車両であるかを示す識別子である。緊急車両は、パトカーや、消防車や、救急車などである。一般車両は、緊急車両以外の車両であり、通常の乗用車や、バスや、トラックなどである。すなわち、「車両ID」は、各車両C1〜Cnの種類を識別する識別子である。
【0013】
「現在地」は、各車両C1〜Cnの現在地である。「走行速度」は、各車両C1〜Cnの現在の走行速度である。「走行予定経路」は、各車両C1〜Cnの走行予定の経路を示す。現在地は、各車両C1〜Cnに設けられたGPS(Global Positioning System)装置103(
図3参照)によって検出される。走行予定経路は、各車両C1〜Cnに設けられたナビゲーション装置104(
図3参照)によって設定される。
【0014】
管理装置100は、サーバ装置である。管理装置100は、各車載装置1から送信された車両情報を車両情報データベース31で管理する。実施形態に係る配信システムSは、車両情報データベース31に基づいて、各車両C1〜Cnの位置や、走行速度などを把握することができる。配信システムSは、例えば、車両Cnの運転者が他地点の現在の状況を確認したい状況が発生した場合に、車載装置1間での通信を指示する。
【0015】
その後、他地点を撮影可能な車載装置1から他地点を撮影したカメラ画像が車両Cnの車載装置1へ配信され、他の車載装置1が搭載された車内にて、かかるカメラ画像を表示することができる。カメラ画像には、静止画、および動画が含まれる。
【0016】
なお、以下では、カメラ画像を配信する車載装置1を搭載した車両について「候補車両」、カメラ画像を受信する車載装置1を搭載した車両について「受信車両」と記載する場合がある。なお、候補車両が受信車両となり、受信車両が候補車両となる場合もある。候補車両は、受信車両にカメラ画像を配信可能な接続候補である。
【0017】
ここで、
図1Bを用いて、受信車両において、候補車両から配信されたカメラ画像を表示するまでの一連の処理手順について説明しておく。
図1Bに示すように、まず、管理装置100は、車両情報データベース31に基づいて、接続車両を選択する(S1)。
【0018】
接続車両には、受信車両と候補車両とが含まれる。管理装置100は、予め設定された所定条件を満たす車両を接続車両として選択する。
【0019】
例えば、管理装置100は、或る車両を受信車両として選択し、受信車両に対して予め設定された所定距離内に存在する車両を候補車両として選択する。また、例えば、管理装置100は、ナビゲーション装置104において目的地までの走行経路を設定した車両を受信車両として選択し、走行経路上の車両や、走行に影響を及ぼす車両を候補車両として選択する。
【0020】
なお、受信車両と候補車両とは、1対1の関係である必要はなく、1つの受信車両に対して複数の候補車両が選択される場合もある。
図1Bにおいては、受信車両として車両Cnが選択され、候補車両として車両C1、C2が選択されている。
【0021】
続いて、管理装置100は、ステップS1にて選択した接続車両に対して、通信接続を指示する(S2)。通信接続の指示を受信した車両Cnは、車両C1、C2と通信接続を開始する(S3)。すなわち、管理装置100は、車両Cnと車両C1、C2との事前接続となる通信接続を開始させる。
【0022】
なお、事前接続においては、候補車両から受信車両へカメラ画像の配信を行うことにしてもよいし、単に通信を確立させた状態で待機しておくことにしてもよい。
【0023】
その後、車両Cnにおいて、所定の表示条件が成立した場合に、車両C1から配信されたカメラ画像が車両Cnにて表示されることになる。なお、表示条件とは、受信車両が信号待ちなどで停車した場合、受信車両が渋滞に合流した場合、受信車両の車載装置1に対して搭乗者が所定の操作を行った場合などが含まれる。
【0024】
実施形態に係る配信システムSでは、受信車両の搭乗者が他地点の状況を確認したいシチュエーションを先読みし、受信車両と候補車両とを事前に通信接続しておき、上記のシチュエーションが実際に到来した場合に、他地点のカメラ画像を受信車両にて表示させるものである。
【0025】
このような配信システムSにおいて、受信車両、および候補車両には、一般車両と、緊急車両とが含まれることがある。そこで、実施形態に係る管理装置100は、緊急車両に関して適したカメラ画像を表示させることを目的とした。
【0026】
管理装置100は、例えば、
図1Cに示すように、渋滞した道路において、接続車両を選択する(S10)。例えば、交差点の手前の車両Cnが受信車両として選択され、車両C1〜C3が候補車両として選択される。車両C1〜C3は、緊急車両ではなく、一般車両である。
【0027】
次に、管理装置100は、第1条件に基づいて車両C1〜C3と、車両Cnとの通信接続を指示する(S11)。これにより、受信車両である車両Cnと、候補車両である車両C1〜C3との通信接続が開始される(S12)。
【0028】
第1条件は、予め設定された条件である。例えば、第1条件は、受信車両の走行経路や、進行方向の前方において渋滞が発生している場合に、渋滞の先頭の候補車両や、渋滞の先頭付近の候補車両のカメラ画像を優先的に受信車両に表示させるルールである。また、例えば、第1条件は、受信車両の走行経路や、進行方向の前方において急カーブなどの注意点がある場合に、注意点を映す候補車両のカメラ画像を優先的に表示させるルールである。
【0029】
図1Cにおいて、候補車両C1〜C3には緊急車両が含まれないため、第1条件に基づいて、例えば、渋滞の先頭車両である車両C1のカメラ画像が車両Cnに表示される(S13)。
【0030】
一方、管理装置100は、例えば、
図1Dに示すように、渋滞した道路において、候補車両に緊急車両である車両C4が含まれる場合には、
図1Cと同様に、接続車両を選択する(S20)。ここでは、車両C1〜C4が候補車両として選択される。
【0031】
次に、管理装置100は、車両C1〜C4に緊急車両C4が含まれるため、第2条件に基づいて車両C1〜C4と、車両Cnとの通信接続を指示する(S21)。これにより、受信車両である車両Cnと、候補車両である車両C1〜C4との通信接続が開示される(S22)。
【0032】
第2条件は、第1条件とは異なり、第1条件よりも優先的に適用される条件である。第2条件は、緊急車両に関連するカメラ画像を優先的に表示させるルールである。
【0033】
図1Dにおいて、候補車両C1〜C4に緊急車両C4が含まれるため、第2条件に基づいて緊急車両である車両C4のカメラ画像が車両Cnに表示される(S23)。
【0034】
すなわち、第1条件では車両C1のカメラ画像が表示される場合であっても、緊急車両である車両C4が候補車両に含まれる場合には、車両C4のカメラ画像を表示させるように第2条件が優先して適用され、車両C4のカメラ画像が車両Cnに表示される。
【0035】
<管理装置>
次に、
図2を用いて、実施形態に係る管理装置100の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る管理装置100のブロック図である。
図2に示すように、管理装置100は、通信部2と、記憶部3と、制御部4とを備える。
【0036】
通信部2は、例えばNIC等によって実現される。通信部2は、所定のネットワークと無線で接続され、ネットワークを介して、複数の車載装置1との間で情報の送受信を行う。
【0037】
記憶部3は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部3は、車両情報データベース31を備える。
【0038】
車両情報データベース31は、各車載装置1から送信される車両情報を格納するデータベースである。車両情報データベース31は、「車両ID」、「現在地」、「走行速度」および「走行予定経路」などを互いに関連付けて記憶する。
【0039】
制御部4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0040】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部4の取得部41、選択部42、判定部43、および指示部44として機能する。
【0041】
また、制御部4の取得部41、選択部42、判定部43、指示部44の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0042】
取得部41は、通信部2を介して各車載装置1から車両情報を取得し、取得した車両情報に基づいて、車両情報データベース31を更新する。
【0043】
選択部42は、所定条件を満たす接続車両を選択する。選択部42は、カメラ画像を受信する受信車両と、受信車両にカメラ画像を配信可能な候補車両とを選択する。選択部42は、或る受信車両を選択し、選択した受信車両に対する候補車両を選択する。
【0044】
判定部43は、受信車両にカメラ画像を配信する候補車両の通信接続条件を第1条件とするか、第2条件とするかを判定する。すなわち、判定部43は、受信車両にカメラ画像を配信する候補車両の通信接続を、第1条件に基づいて開始するか、第2条件に基づいて開始するかを判定する。
【0045】
具体的には、判定部43は、接続車両に緊急車両が含まれるか否かを判定する。判定部43は、受信車両の車両IDに基づいて受信車両が緊急車両か否かを判定する。判定部43は、候補車両の車両IDに基づいて候補車両が緊急車両であるか否かを判定する。
【0046】
指示部44は、接続車両に対し通信接続を指示する。指示部44は、第1条件に基づいて候補車両と受信車両との通信接続を指示する。すなわち、指示部44は、第1条件に基づいて候補車両と受信車両との通信接続を開始させる。具体的には、指示部44は、複数の候補車両の中から、第1条件に基づいて優先的に表示されるカメラ画像を撮影する優先候補車両を設定し、優先候補車両を含む候補車両と受信車両との通信接続を開始させる。
【0047】
指示部44は、受信車両、または候補車両に緊急車両が含まれる場合には、第1条件とは異なる第2条件を優先的に適用した通信接続を指示する。すなわち、指示部44は、第2条件に基づいて候補車両と受信車両との通信接続を開始させる。具体的には、指示部44は、複数の候補車両の中から、第2条件に基づいて優先的に表示されるカメラ画像を撮影する優先候補車両を設定し、優先候補車両を含む候補車両と受信車両との通信接続を開始させる。
【0048】
指示部44は、候補車両に緊急車両が含まれる場合には、緊急車両のカメラ画像が優先的に受信車両に表示されるように通信接続を指示する。
【0049】
例えば、指示部44は、渋滞する道路を走行する受信車両に対し、候補車両に緊急車両が含まれていない場合には、第1条件に基づいて、渋滞の先頭、または先頭付近の候補車両のカメラ画像が優先的に表示されるように、受信車両と候補車両との通信接続を指示する。
【0050】
このような場合に、候補車両に緊急車両が含まれると、指示部44は、第2条件に基づいて、緊急車両のカメラ画像が優先的に表示されるように、受信車両と候補車両との通信接続を指示する。
【0051】
また、例えば、指示部44は、受信車両に緊急車両が含まれる場合には、緊急車両の目的地付近の候補車両のカメラ画像が優先的に表示されるように、受信車両と候補車両との通信接続を指示する。緊急車両の目的地付近とは、緊急車両が向かう到着地点を含む所定の範囲である。
【0052】
また、指示部44は、車両の走行状態に基づいて該車両が緊急車両として扱うか否かを判定する。つまり、指示部44は、車両が緊急車両であっても、走行状態から緊急性を要しないと判断した場合には、上記のような緊急車両に対する特別処理を行わない。例えば、パトカーのような緊急車両であっても、任務から帰る時のように緊急走行が必要でない場合もある。このような場合は上記のような特別処理を行っても効果がないため、指示部44は、車両を緊急車両として扱うかを、該車両の車両情報に基づいて判定する。
【0053】
指示部44は、具体的には車両の走行状態を車両情報から取得し、該走行状態が緊急走行条件を満たすか判定する。走行状態が緊急走行条件を満たす場合、指示部44は該車両を緊急車両として扱う。車両の走行状態は、例えば、取得部41を介して取得される。
【0054】
具体的には、緊急車両に搭載される車載装置1は、走行状態として、緊急走行中であることを示す緊急走行フラグを車両情報に付与して管理装置100に送信する。緊急走行フラグは、赤色灯やサイレンの動作スイッチがONとなっている間フラグが立つようにするとよい。
【0055】
管理装置100は、緊急走行フラグを車両IDと紐づけて車両情報データベース31に記録する。指示部44は、候補車両の車両IDに基づいて緊急走行フラグを参照する。指示部44は、緊急走行条件として、緊急走行フラグが立っていることを確認し、該候補車両を緊急車両として扱うか否かを決定する。
【0056】
<車載装置>
次に、
図3を用いて、車載装置1の構成例について説明する。
図3は、実施形態に係る車載装置1のブロック図である。
図3に示すように、実施形態に係る車載装置1には、カメラ101、車載センサ102、GPS装置103およびナビゲーション装置104が接続される。
【0057】
カメラ101は、車両の周囲を撮像するカメラであり、所定のフレームレートでカメラ画像を生成する。なお、カメラ101は、車内を撮像するカメラを含むようにしてもよい。
【0058】
車載センサ102は、車両の走行状態を検出する各種センサであり、例えば、速度センサを含む。
【0059】
GPS装置103は、GPS衛星(不図示)から送信される測位信号に基づいて、車両の現在地を測位する。なお、車両の位置の変化から、車両の進行方向を検出することができる。ナビゲーション装置104は、搭乗者によって設定された車両の目的地までの走行経路を設定する装置である。
【0060】
また、車載装置1は、車載装置1が出力したカメラ画像などを表示する表示装置50に接続される。表示装置50は、表示部51および操作部52を備える。
【0061】
表示部51は、例えば、有機ELや、液晶ディスプレイで構成されたタッチパネルディスプレイであり、車載装置1から出力される映像信号を表示する。操作部52は、表示部51に表示された画像に基づき、搭乗者からの所定操作を受け付ける。
【0062】
操作部52は、搭乗者の操作に応じて表示部51に表示されるカメラ画像を切り替える。操作部52は、カメラ画像の再生、停止、巻き戻し等の各種操作を受け付けることも可能である。また、搭乗者は、操作部52を介して、過去に撮像されたカメラ画像の配信を要求することも可能である。
【0063】
すなわち、実施形態に係る配信システムSでは、カメラ画像のリアルタイム配信に加え、過去に撮像されたカメラ画像の録画配信を行うこともできる。なお、操作部52を例えば、表示装置50とは別に設けることにしてもよい。
【0064】
車載装置1は、通信部5と、記憶部6と、制御部7とを備える。通信部5は、例えばNIC等によって実現される。通信部5は、所定のネットワークと無線で接続され、ネットワークを介して、他の車載装置1(不図示)や、管理装置100との間で情報の送受信を行う。
【0065】
記憶部6は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部6は、カメラ画像情報61を記憶する。
【0066】
カメラ画像情報61は、カメラ101によって撮影されたカメラ画像に関する情報であり、カメラ像のデータ本体、撮影日時、撮影位置などが含まれる。また、カメラ画像情報61は、他の車両で撮影されたカメラ画像を含む。
【0067】
続いて、制御部7について説明する。制御部7は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0068】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部7の取得部71、判定部72、指示部73、再生部74、および切替部75として機能する。
【0069】
また、制御部7の取得部71、判定部72、指示部73、再生部74、および切替部75の少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
【0070】
取得部71は、車両情報を取得する。取得部71は、車載センサ102から車両の走行状態を取得する。取得部71は、カメラ101からカメラ画像を取得する。取得部71は、GPS装置103から車両の現在地を取得する。取得部71は、ナビゲーション装置104から走行経路を取得する。
【0071】
取得部71は、管理装置100から通信部5を介して通信接続の指示を取得する。取得部71は、自車両が受信車両として選択されている場合には、通信部5を介して候補車両からカメラ画像を取得する。具体的には、取得部71は、通信部5を介して候補車両に設けられた他の車載装置1からカメラ画像を取得する。
【0072】
判定部72は、表示装置50に対する所定の表示条件が成立しているか否かを判定する。判定部72は、通信接続の指示に基づいて、自車両が受信車両であるか否かを判定する。判定部72は、通信接続の指示に基づいて、自車両が候補車両であるか否かを判定する。
【0073】
指示部73は、車両情報を所定周期で通信部5を介して管理装置100へ送信する。指示部73は、自車両が候補車両として選択されている場合には、カメラ101によって撮影したカメラ画像を、通信部5を介して受信車両に対して送信する。
【0074】
再生部74は、候補車両から配信されるカメラ画像の受信が開始されると、カメラ画像を再生するビュワーアプリを起動させ、バックグランド再生を開始させる。バックグランド再生とは、所定の表示条件が成立する場合に、表示装置50に表示される画面を予め準備することを意味する。
【0075】
再生部74は、自車両が受信車両である場合には、通信接続の指示に基づいて、バックグランド再生を開始する。具体的には、再生部74は、優先候補車両から送信されたカメラ画像に基づいてバックグランド再生のための画像を生成し、バックグランド再生を開始させる。なお、再生部74は、優先候補車両以外の候補車両から送信されたカメラ画像に基づいた画像を生成してもよい。
【0076】
例えば、再生部74は、自車両が緊急車両ではなく、かつ第2条件に基づいた通信接続の指示がある場合、すなわち、候補車両に緊急車両が含まれる場合には、緊急車両のカメラ画像をバックグランド再生する。
【0077】
例えば、再生部74は、自車両が緊急車両である場合には、目的地付近の候補車両のカメラ画像をバックグランド再生する。
【0078】
バックグラウンド再生時に再生するカメラ画像は、所定の表示条件が成立するまで、表示装置50に表示されない。そのため、バックグラウンド再生時のカメラ画像について、低容量画像が受信されることにしてもよい。
【0079】
低容量画像とは、実際に表示装置50に表示されるカメラ画像に比べて、フレームレートが低いカメラ画像、解像度が低いカメラ画像、ビットレートが低いカメラ画像のいずれか一つを含むカメラ画像である。これにより、通信負荷を抑えつつ、カメラ画像を受信することが可能となる。
【0080】
低容量画像としてバックグランド再生中のカメラ画像は、表示装置50に表示される場合には、高容量画像として表示される。再生部74は、バックグランド再生のカメラ画像が、表示装置50に表示される際に、再生するカメラ画像を高容量画像に変更して再生する。
【0081】
切替部75は、所定の表示条件が成立した場合に、バックグランド再生を行っているカメラ画像を表示装置50に表示させる。例えば、切替部75は、バックグラウンド再生中のカメラ画像の画面階層を最前面とする。これにより、バックグランド再生されているカメラ画像の画面階層が最前面に切り替えられ、バックグランド再生されているカメラ画像が表示装置50に表示されることになる。
【0082】
所定の表示条件が成立すると、表示装置50には、例えば、
図4に示すように、バックグランド再生されていたカメラ画像Lcとともに、カメラ画像Lcの撮影位置を示す地図画像Lmが表示される。
図4は、所定の表示条件が成立した場合に表示装置50に表示される画像の一例を示す図である。
【0083】
例えば、受信車両が自車両であり、候補車両に緊急車両が含まれる場合には、地図画像Lmにおいては、自車両の位置を示す自車両アイコンA1と、緊急車両のカメラ画像Lcの撮像位置を示す緊急車両アイコンA2とが表示される。
【0084】
また、緊急車両アイコンA2には、リアルタイム配信であることを示す「LIVE」の吹き出しA3が表示される。このように、緊急車両アイコンA2を地図画像Lmとともに表示することで、カメラ画像Lcの撮像位置を容易に認識することが可能となる。
【0085】
また、切替部75は、所定の表示条件が成立しなくなると、表示装置50に表示されているカメラ画像の画面階層を最前面としない。これにより、例えば、候補車両のカメラ画像が表示装置50に表示されなくなる。すなわち、バックグランド再生されているカメラ画像は、表示装置50に表示されなくなる。
【0086】
このように、切替部75は、画面階層を切り替えるだけでよいので、所定の表示条件の成立後、例えば、候補車両において撮影されたカメラ画像を速やかに乗員へ提供することが可能となる。
【0087】
<接続指示処理>
次に、
図5を用いて、実施形態に係る接続指示処理について説明する。
図5は、実施形態に係る接続指示処理を説明するフローチャートである。
【0088】
管理装置100は、接続車両を選択する(S100)。具体的には、管理装置100は、受信車両に対し、所定条件を満たす車両を候補車両として選択する。
【0089】
管理装置100は、接続車両に緊急車両が含まれているか否かを判定する(S101)。具体的には、管理装置100は、候補車両、または受信車両に緊急車両が含まれているか否かを判定する。
【0090】
管理装置100は、接続車両に緊急車両が含まれていない場合には(S101:Yes)、第1条件に基づいた通信接続を指示する(S102)。
【0091】
管理装置100は、接続車両に緊急車両が含まれている場合には(S101:No)、第2条件に基づいた通信接続を指示する(S103)。
【0092】
実施形態に係る管理装置100は、選択部42と、指示部44とを備える。選択部42は、カメラ画像を受信する受信車両と、受信車両にカメラ画像を配信可能な候補車両(接続候補)とを選択する。指示部44は、第1条件に基づいて候補車両と受信車両との通信接続を開始させる。指示部44は、受信車両、または候補車両に緊急車両が含まれる場合には、第1条件よりも優先的に適用される第2条件に基づいて候補車両と受信車両との通信接続を開始させる。
【0093】
これにより、管理装置100は、緊急車両に適したカメラ画像を表示させることができる。
【0094】
また、管理装置100は、候補車両に緊急車両が含まれる場合には、緊急車両のカメラ画像が優先的に表示されるように、緊急車両と受信車両との通信接続を開始させる。
【0095】
これにより、受信車両の表示装置50には緊急車両のカメラ画像が表示される。そのため、受信車両の搭乗者は、緊急車両のカメラ画像を確認することができ、緊急車両の接近を表示装置50の画面によって確認することができる。従って、受信車両の運転者は、緊急車両にスムーズに道路を譲ることができる。
【0096】
また、管理装置100は、緊急車両が受信車両である場合には、緊急車両の目的地付近のカメラ画像が優先的に表示されるように、緊急車両の目的地付近の候補車両と緊急車両との通信接続を開始させる。
【0097】
これにより、緊急車両の表示装置50には緊急車両の目的地付近のカメラ画像が表示される。そのため、緊急車両の搭乗者は、緊急車両の目的地付近の様子を確認することができる。
【0098】
また、管理装置100は、車両の走行状態を取得し、走行状態が緊急走行条件を満たす場合に、車両を緊急車両として扱う。
【0099】
これにより、管理装置100は、緊急車両が緊急走行を行っている場合にのみ第2条件に基づいた通信接続を開始させ、緊急車両に適したカメラ画像を表示させることができる。
【0100】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る配信システムSについて説明する。ここでは、第1実施形態に係る配信システムSと異なる箇所について説明し、第1実施形態に係る配信システムSと同じ構成についての説明は省略する。
【0101】
第2実施形態に係る管理装置100は、受信車両、または候補車両に緊急車両が含まれる場合に、緊急車両との位置や、進行方向などの走行状態に応じて、第2条件における通信接続を指示する。
【0102】
管理装置100の判定部43は、候補車両に緊急車両が含まれる場合には、緊急車両と受信車両とが近づいているか否かを判定する。判定部43は、緊急車両の走行状態(例えば、現在地、走行速度、進行方向)と、受信車両の走行状態(例えば、現在値、走行速度、進行方向)とに基づいて、緊急車両と受信車両とが近づいているか否かを判定する。
【0103】
また、判定部43は、受信車両が緊急車両である場合には、同様に、緊急車両と候補車両とが近づいているか否かを判定する。
【0104】
指示部44は、候補車両に緊急車両が含まれ、かつ緊急車両と受信車両とが近づいている場合に、第2条件に基づいた通信接続を指示する。すなわち、指示部44は、第2条件に基づいて候補車両と受信車両との通信接続を開始させる。
【0105】
指示部44は、例えば、受信車両の後方から緊急車両が近づいている場合には、緊急車両のカメラ画像が優先的に受信車両に表示されるように、受信車両と候補車両との通信接続を指示する。なお、指示部44は、緊急車両周辺の候補車両のカメラ画像が優先的に受信車両に表示されるように、受信車両と候補車両との通信接続を指示してもよい。緊急車両周辺の候補車両は、緊急車両と同一方向に進んでいる候補車両であり、かつ緊急車両から予め設定された所定の近距離範囲内にある候補車両である。
【0106】
これにより、受信車両では、所定の表示条件が成立した場合に、緊急車両、または緊急車両付近の候補車両のカメラ画像が表示装置50に表示される。そのため、受信車両の搭乗者は、受信車両に近づく緊急車両を確認することができ、受信車両の運転者は、緊急車両にスムーズに道を譲ることができる。
【0107】
指示部44は、例えば、受信車両の後方から緊急車両が近づいている場合には、受信車両の前方の候補車両のカメラ画像が優先的に受信車両に表示されるように、受信車両と候補車両との通信接続を指示してもよい。
【0108】
これにより、受信車両では、所定の表示条件が成立した場合に、受信車両の前方が表示装置50に表示される。そのため、受信車両の運転者は、緊急車両を避けるためのスペースが前方にあるか否かを確認することができる。従って、受信車両の運転者は、緊急車両に道を譲る際の操作が容易となる。
【0109】
また、指示部44は、例えば、候補車両に緊急車両が含まれ、かつ緊急車両、および受信車両が交差点に対し互いに交差する方向に向かって進む場合には、緊急車両、または緊急車両付近の候補車両のカメラ画像が優先的に受信車両に表示されるように、受信車両と候補車両との通信接続を指示する。
【0110】
これにより、受信車両では、所定の表示条件が成立した場合に、緊急車両、または緊急車両付近の候補車両のカメラ画像が表示装置50に表示される。そのため、受信車両の搭乗者は、交差点に進入する緊急車両の存在を確認することができる。
【0111】
また、指示部44は、例えば、緊急車両が受信車両から離れている場合には、候補車両に緊急車両が含まれる場合であっても、第1条件に基づいて受信車両と候補車両との通信接続を指示する。
【0112】
これにより、受信車両では、所定の表示条件が成立した場合に、例えば、渋滞の先頭、または先頭付近の候補車両のカメラ画像が優先的に表示される。すなわち、受信車両に走行に緊急車両の影響が少ない場合には、緊急車両に関連するカメラ画像が表示されることを抑制することができる。
【0113】
また、指示部44は、受信車両が緊急車両であり、かつ緊急車両が交差点に向けて進む場合には、交差点のカメラ画像が優先的に表示されるように、緊急車両に対し交差する方向から交差点に向けて進む候補車両のカメラ画像が優先的に緊急車両に表示されるように、緊急車両と候補車両との通信接続を指示する。
【0114】
これにより、緊急車両では、所定の表示条件が成立した場合に、緊急車両に対し交差する方向から交差点に向けて進む候補車両のカメラ画像が表示装置50に表示される。そのため、緊急車両の搭乗者は、緊急車両とは交差する方向から交差点に向けて進む候補車両の存在を確認することができる。
【0115】
また、指示部73は、例えば、緊急車両に対し交差する方向から交差点に向けて進む候補車両がない場合には、所定の表示条件が成立した場合に、第1条件に基づいて緊急車両の目的地付近の候補車両のカメラ画像が優先的に表示される。
【0116】
これにより、緊急車両の搭乗者は、緊急車両の目的地付近の様子を確認することができる。
【0117】
(変形例)
上記実施形態では、接続候補として車両を一例として説明したが、これに限られることはない。接続候補は、定点カメラ120を含んでもよい。すなわち、変形例に係る管理装置100は、受信車両と定点カメラ120との通信接続を指示してもよい。定点カメラ120は、所定の撮影範囲を撮影し、例えば、街灯や、道路脇などに設けられる。定点カメラ120は、通信装置などを有し、
図6に示すように、管理装置100と通信部2を介して通信可能である。定点カメラ120は、定点カメラ情報や、撮影したカメラ画像などを送信可能である。
図6は、変形例に係る管理装置100のブロック図である。
【0118】
変形例に係る管理装置100の記憶部3は、カメラ情報を記憶するカメラ情報データベース32を備える。カメラ情報には、「カメラID」、「設置位置」や、「撮影範囲」などが含まれる。「カメラID」は、定点カメラ120を識別する識別子である。「設置位置」は、定点カメラ120が設置されている場所である。「撮影範囲」は、定点カメラ120の撮影範囲である。カメラ情報データベース32は、「カメラID」、「設置位置」や、「撮影範囲」などを互いに関連付けて記憶する。
【0119】
また、車載装置1は、
図7に示すように、定点カメラ120と通信部5を介して通信可能である。
図7は、変形例に係る車載装置1のブロック図である。
【0120】
変形例に係る管理装置100は、例えば、候補車両に緊急車両が含まれている場合には、緊急車両に関連するカメラ画像が優先的に表示されるように、緊急車両周辺に設けられた定点カメラ120と、受信車両との通信接続を指示してもよい。
【0121】
また、変形例に係る管理装置100は、例えば、候補車両に緊急車両が含まれ、かつ緊急車両が受信車両に近づいている場合には、緊急車両に関連するカメラ画像が優先的に表示されるように、緊急車両付近に設けられた定点カメラ120と受信車両との通信接続を指示してもよい。また、変形例に係る管理装置100は、例えば、緊急車両が受信車両の後方から近づいている場合には、受信車両の前方を映す定点カメラ120のカメラ画像が受信車両に優先的に表示されるように、受信車両と定点カメラ120との通信接続を指示してもよい。
【0122】
また、変形例に係る管理装置100は、例えば、候補車両に緊急車両が含まれ、かつ緊急車両、および受信車両が交差点に互いに交差する方向に向けて進む場合には、交差点を映す定点カメラ120のカメラ画像が優先的に受信車両に表示されるように、受信車両と定点カメラ120との通信接続を指示してもよい。
【0123】
また、変形例に係る管理装置100は、例えば、受信車両が緊急車両であり、かつ緊急車両が交差点に向けて進む場合には、交差点を映す定点カメラ120のカメラ画像が優先的に緊急車両に表示されるように、緊急車両と定点カメラ120との通信接続を指示してもよい。
【0124】
また、変形例に係る管理装置100は、例えば、受信車両が緊急車両である場合には、緊急車両の目的地付近に設けられた定点カメラ120のカメラ画像が優先的に緊急車両に表示されるように、緊急車両と定点カメラ120との通信接続を指示してもよい。
【0125】
上記変形例に係る管理装置100においても、緊急車両に関して適したカメラ画像を提供することができる。また、変形例に係る管理装置100は、定点カメラ120を用いて広範囲のカメラ画像を表示装置50に表示させることができ、安全性を向上させることができる。
【0126】
なお、変形例に係る管理装置100は、第1条件に基づいて接続候補と受信車両との通信接続を指示する場合に、定点カメラ120と受信車両とを接続してもよい。
【0127】
また、変形例に係る管理装置100は、第2条件に基づいて接続候補と受信車両との通信接続を指示する際に、複数の画像が表示装置50に表示されるように、通信接続を指示してもよい。変形例に係る管理装置100は、例えば、候補車両が緊急車両であり、緊急車両、および受信車両が交差点に対し互いに交差する方向に進む場合には、交差点に向けて進む緊急車両のカメラ画像、および交差点を映す定点カメラ120のカメラ画像が優先的に受信車両に表示されるように、受信車両と、候補車両、および定点カメラ120との通信接続を指示してもよい。
【0128】
なお、上記実施形態では、緊急車両のカメラ画像が優先的に表示される例について説明を行ったがこの限りではない。変形例に係る管理装置100は、受信車両、もしくは候補車両に緊急車両が含まれる場合は、該車両間の接続において、緊急車両に関する処理が優先されるようにしてもよい。変形例に係る管理装置100は、例えば、他の候補に比べて当該接続に関する通信確立を先に行うとよい。また、変形例に係る管理装置100は、通信確立数に限度がある場合には、当該接続を優先して通信確立を維持する、つまり、他の通信を無効化して通信を維持してもよい。また、変形例に係る管理装置100は、データ通信のスケジューリングにおいて、当該接続に関する通信を優先的に先に行うようにしてもよい。また、変形例に係る管理装置100は、当該接続に関してデータ通信容量割り当てを多くするとしてもよい。これにより、緊急車両が要望する画像を迅速に収集できる。
【0129】
上記実施形態、および変形例では、管理装置100がサーバ装置である一例について説明したが、これに限られることはない。管理装置100は、車載装置1に組み込まれてもよい。
【0130】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。