特開2021-125065(P2021-125065A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ワップサー合同会社の特許一覧

特開2021-125065パーソナルシェアリングサービスシステム
<>
  • 特開2021125065-パーソナルシェアリングサービスシステム 図000003
  • 特開2021125065-パーソナルシェアリングサービスシステム 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-125065(P2021-125065A)
(43)【公開日】2021年8月30日
(54)【発明の名称】パーソナルシェアリングサービスシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20210802BHJP
【FI】
   G06Q30/06 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-19404(P2020-19404)
(22)【出願日】2020年2月7日
(71)【出願人】
【識別番号】520046731
【氏名又は名称】ワップサー合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】半田 寛之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】簡単に個人間でモノを広く共有するためのパーソナルシェアリングサービスシステムを提供するにある。
【解決手段】モノCを貸し出そうとする貸し手A及びモノCを借り出そうとする借り手Bを登録するシェアリングサーバ10を備え、貸し手Aが貸し出そうとするモノCと借り手Bが借り出そうとするモノCとが一致するときには、貸し手Aと借り手Bとを連携させるパーソナルシェアリングサービスシステムにおいて、貸し手Aが保管したモノCを借り手Bへ貸し出すためのシェアリングポート200を配備したので、貸し手Aは、モノCをシェアリングポート200に保管すれば、いちいち借り手BにモノCを届けたり、渡したりする必要がない。また、借り手Bは、シェアリングポート200にいけばいつでもモノCを借りることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノを貸し出そうとする貸し手及び前記モノを借り出そうとする借り手を登録するシェアリングサーバを備え、前記貸し手が貸し出そうとする前記モノと前記借り手が借り出そうとする前記モノとが一致するときには、前記貸し手と前記借り手とを連携させるパーソナルシェアリングサービスシステムにおいて、前記貸し手が保管した前記モノを前記借り手へ貸し出すためのシェアリングポートを配備したことを特徴とするパーソナルシェアリングサービスシステム。
【請求項2】
前記シェアリングポートは、前記貸し手又は前記借り手が使用する電磁気的キーとの相互認証により、施錠及び解錠可能であることを特徴とする請求項1記載のパーソナルシェアリングサービスシステム。
【請求項3】
前記シェアリングポートは、前記シェアリングサーバに対する通信手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のパーソナルシェアリングサービスシステム。
【請求項4】
前記シェアリングポートは、監視用センサを備えたことを特徴とする請求項1記載のパーソナルシェアリングサービスシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルシェアリングサービスシステムに関する。詳しくは、簡単にモノを個人間で広く共有するためのサービスシステムである。
【背景技術】
【0002】
個人間(C to C)のシェアリングサービスとしては、車と空間(場所)について、以下のものが知れらている。
例えば、「Anyca」は、自分の車を他人に貸すサービスを提供している(https://anyca.net/)。このサービスでは、借りる人に車を届けて貸し出しを行う。そのため、土日しか乗らないなど、普段使用しない時間帯をビジネスに活用できる。
また、「スペースマーケット」は、空いている部屋や場所を会議室や撮影用に時間貸しするサービスである(https://www.spacemarket.com/)。そのため、個人が所有する部屋や場所を貸し出すことでビジネスに活用できる。
また、特許文献1には、カーシェアリングサービスなどに代表されるシェアリングサービスの一つとして、家族内のいずれかの人間が申し込んだサービスを、家族の他の人間が共有して利用できるように工夫した技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020−13496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来では、たまにしか使わない、必要な時にしか使わないといった、普段は使わずに眠っている「モノ」をビジネスに活用できるシェアリングサービスが、車と空間(場所)くらいしか知られていない。
例えば、ラベルプリンター(テプラ)、高圧洗浄機(ケルヒャー;KARCHER)などは、便利だが、プロでない限り、普通の家庭ではこれらは、毎日使うモノではない。
【0005】
ただ、これらのモノをたまにしか使わないのに購入した人(貸し手)がいる一方で、たまにしか使わないから、使いたいけど、購入しない人(借り手)もいる。
これら貸し手と借り手を結びつけるシェアリングサービスが従来では車と空間(場所)以外に知られていない。
【0006】
なお、貸し手は貸し出すモノ(車や部屋の鍵)をわざわざ借り手に届けたり、渡したりする手間が必要となる。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、簡単に個人間でモノを広く共有するためのパーソナルシェアリングサービスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の第1の形態に係るパーソナルシェアリングサービスシステムは、モノを貸し出そうとする貸し手及び前記モノを借り出そうとする借り手を登録するシェアリングサーバを備え、前記貸し手が貸し出そうとする前記モノと前記借り手が借り出そうとする前記モノとが一致するときには、前記貸し手と前記借り手とを連携させるパーソナルシェアリングサービスシステムにおいて、前記貸し手が保管した前記モノを前記借り手へ貸し出すためのシェアリングポートを配備したことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決する本発明の第2の形態に係るパーソナルシェアリングサービスシステムは、上記パーソナルシェアリングサービスシステムにおいて、前記シェアリングポートは、前記貸し手又は前記借り手が使用する電磁気的キーとの相互認証により施錠及び解錠可能であることを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する本発明の第3の形態に係るパーソナルシェアリングサービスシステムは、上記パーソナルシェアリングサービスシステムにおいて、前記シェアリングポートは、前記シェアリングサーバに対する通信手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する本発明の第4の形態に係るパーソナルシェアリングサービスシステムは、上記パーソナルシェアリングサービスシステムにおいて、前記シェアリングポートは、監視用センサを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
1.車や空間(場所)以外に、ラベルプリンター、旅行用スーツケース、高圧洗浄機、電動ドライバーなど、たまにしか使わないモノを貸し出すことができる。
2.貸し手は、モノをシェアリングポートに保管すれば、いちいち借り手にモノを届けたり、渡したりする必要がない。また、借り手は、シェアリングポートにいけばいつでもモノを借りることができる。
3.貸し手は、普段使わないモノを借り手に貸し出すことで、ビジネスに活用する(収入を得る)ことができ、借り手は使いたい時だけ費用を支払いモノを使うことで、たまにしか使わないものを購入する必要がない。
4.貸し手は、貸し出しシェアリングポートにモノを保管することで、自宅における保管スペースを節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施例に係るパーソナルシェアリングサービスの構成図である。
図2】本発明の第2の実施例に係るパーソナルシェアリングサービスの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施例1]
本発明の第1の実施例に係るパーソナルシェアリングサービスシステムを図1に示す。
図1に示すように、本実施例に係るパーソナルシェアリングサービスは、貸し手Aと借り手Bをつなぎ(連携させ)、貸し出すモノCを管理するためのプラットフォーム(一点鎖線で囲まれる枠で示す)100と、モノCを貸し出し、借り出すためのシェアリングポート(二点鎖線で囲まれる枠で示す)200で構成される。
【0014】
プラットフォーム100は、インターネット(クラウド)上に設置されるシェアリングサーバ10と、貸し手Aや借り手Bが使用する情報入力端末20、貸し手Aや借り手Bが使用する電磁気的キー30、課金システム40とから構成される。図中では、貸し手Aが使用する電磁気的キー30は省略されている。
シェアリングサーバ10は、本システムを運用する仲介業者がインターネット上に設置するものであり、記憶回路11、マッチング回路12及び認証回路13を備え、詳しくは後述する通り、シェアリングポート200とは通信手段50を介して通信可能である。
【0015】
記憶回路11は、情報入力端末20を介して、貸し手A又は借り手Bが利用者登録の際に入力した利用者情報を記憶する。
マッチング回路12は、記憶回路11に記憶された利用者情報に基づき、貸し手Aが貸し出そうとするモノCと借り手Bが借り出そうとするモノCとが一致するか否かを判定するものである。
モノCの品目名が完全に一致する場合に限らず、あいまい検索により、品目の一部一致の場合も、一致すると判定しても良い。
【0016】
認証回路13は、詳しくは後述する通り、シェアリングポート200を施錠又は解錠しようとする者が貸し手A又は借り手B(本人)か否か認証するものである。
貸し手Aと借り手Bが使用する情報入力端末20としては、インターネットを介してシェアリングサーバ10にアクセス可能なパソコン20a又はスマートフォン20b等が使用できる。例えば、タブレット端末の使用も可能である。
【0017】
情報入力端末20を通じて、利用者情報として、貸し手Aは貸し出そうとするモノCの品目及び料金を入力して登録でき、借り手Bは、借り出すモノCの品目を選択し、借り出す期間を登録する。例えば、ラベルプリンターを3日間借りる場合は、貸し手Aのラベルプリンターが貸し出し可能な状態であることを確認し、ラベルプリンターを選択し3日間の予約を入れる。また、貸し手Aは貸し出そうとするモノCを保管するシェアリングポート200の位置を選択(指定)して入力できる。貸し手Aがシェアリングポート200の位置を選択したときは、シェアリングサーバ10は、通信手段50を介して、選択されたシェアリングポート200の位置を確保する。
更に、利用者情報として、貸し手A、借り手Bは自己の個人識別情報(例えば、氏名、生年月日、住所、メールアドレス、電話番号等)を入力して登録することができる。
【0018】
情報入力端末20には、利用者情報を入力するための専用ソフトウェア(アプリケーション)がインストールされている。このようなソフトウェアに代えて、シェアリングサーバ10をインターネット上で特定するURL(特定サイト)を通じて、ログインID(identification)及びパスワードを使用して、利用者情報をウェブブラウザから同様に入力できようにしても良い。
貸し手Aと借り手Bが使用する電磁気的キー30としては、スマートフォン30a、ICカード30b等が使用できる。例えば、NFC(Near field communication)タグやRFID(radio frequency identifier)タグも使用できる。
【0019】
一例として、非接触型のICカード30bを例にして説明する。非接触型のICカード30bは、記憶部、送信部及び受信部を備えたICチップ及び電磁誘導可能なアンテナを備えている。一方、シェアリングポート200には、ICカードリーダー(図示省略)が備えられている。
ICカード30bをICカードリーダーにかざすと、ICカードリーダーが発生する磁界がICカード30bのアンテナを貫くことにより誘導電流がアンテナを流れ、これを起電力としてICチップが動作し、記憶部に記憶されていた情報(識別子等)がICカードリーダーに送信され、ICカードリーダー内のアンテナがこれを受信し、その情報は、シェアリングサーバ10内の認証回路13に送られる。
【0020】
認証回路13は、この情報が記憶回路11に記憶されている貸し手A、借り手Bの個人識別情報に対比して、これらが一致すると、シェアリングポート200を施錠又は解錠可能とする。つまり、ICカード30bとICカードリーダーとの間で相互認証と通信(情報の読み書き)が行われる。
ここでは、接触型のICカード30bを例にして説明したが、NFCタグやRFIDタグにもICカードと同様な技術が使われており、ICカードリーダーとの間で相互認証と通信が可能である。
更には、NFCタグを搭載したスマートフォン30aも、ICカードリーダーとの間で相互認証と通信が可能である。
【0021】
モノCを貸し出し、借り出すためのシェアリングポート200は、貸し手Aが保管したモノCを借り手Bに貸し出す場所であり、駅やスーパー等不特定多数の人が行き交う場所に本システムを運用する仲介業者が配備するものである。シェアリングポート200は、モノCに応じて異なる種類があり、例えば、モノCが高圧洗浄機のときは、ロッカー又はキャビネット210である。
シェアリングポート200は、前述したとおり、貸し手Aと借り手Bが使用する電磁気的キー30と相互認証により施錠及び解錠が可能である。シェアリングポート200は、モノCを借り出した時また返却した時、施錠を忘れた場合に一定時間が経過した後で自動的に施錠されるという機能を追加しても良い。上記説明で、電磁気的キー30としてICカード30bを例にしていたが、電磁気的キー30として使用されるスマートフォン30aにインストールしたアプリケーション(以下、スマホアプリと言う)からも施錠、解錠ができる機能を持たせても良い。この場合、スマホアプリで解錠(または施錠)ボタンを押すと、識別情報、位置情報をシェアリングサーバ10に送信し、借り出し前であれば解錠指示をシェアリングポート200に送り、貸し出し後であれば施錠指示をシェアリングポート200に送ることも可能となる。
【0022】
更に、シェアリングポート200は、監視用センサ(図示省略)を備えている。この監視用センサとしては、モノCを光学的に撮影するCCDカメラ、ラインセンサでもよいし、モノCの重量を計測する重量計を使用することも出来る。モノCの存在を確実に認識する手段とすることができる。
このような監視用センサをシェアリングポート200に設けることにより、貸し手Aがシェアリングポート200にモノCを保管したこと、借り手Bがシェアリングポート200からモノCを借り出したこと、シェアリングポート200にモノCを返却したことを把握することができる。また、このような監視用センサによれば、破損や盗難も検知することができる。
【0023】
更に、シェアリングポート200は、施錠及び解錠状態、施錠及び解錠に使用された電磁気的キー30の情報(識別子等)、監視用センサの検出結果、位置情報等をシェアリングサーバ10へ無線送信するために、通信手段50として、SIMカード(Subscriber Identity Module Card)が設けられている。SIMカードとは、キャリア(通信会社)から貸与され、携帯電話等で使用されるICカードであり、加入者を特定するためのID番号が記録されている。
【0024】
課金システム40は、貸し手Aが入力したモノCの料金に仲介業者の仲介手数料を加えて借り手Bへ課金し、借り手Bが支払ったモノCの料金を貸し手Aが受け取らせるようにするものであり、シェアリングサーバ10と通信網を介して接続されている。借り手Bの支払いは、例えば、銀行口座への振り込み、クレジット会社を通じた入金により行うことができる。
【0025】
上記構成を有する本実施例に係るパーソナルシェアリングサービスシステムによる利用形態は次の通りである。
【0026】
先ず、貸し手Aは、情報入力端末20を介して、シェアリングサーバ10に対して利用者登録する際に、貸し出そうとするモノCを保管するシェアリングポート200を選択すると、シェアリングサーバ10は、通信手段50を介して選択されたシェアリングポート200を確保する。次いで、貸し手Aは、貸し出そうとするモノC及びその料金をシェアリングサーバ10に入力して登録すると、貸し出そうとするモノCを選択したシェアリングポート200に搬送して保管し、電磁気的キー30の相互認証によりシェアリングポート200を施錠する事により、貸出を開始する。
【0027】
一方、借り手Bは、情報入力端末20を介して、シェアリングサーバ10に対して利用者登録する際に、例えば、借り出そうとするモノCをとして高圧洗浄機を登録すると、貸し手Aが貸し出そうとするモノCも高圧洗浄機で、両者は一致したとする。一致したことは、上記専用ソフトウェアで自動的にプッシュ通知しても良いし、電子メールで通知することもできる。
また、借り手Bは、上記特定サイトに現在登録されているモノCのリストを画面で確認することができ(検索も可能)、借りたいモノCが見つかったら、そのモノCに対して(モノCが空いていれば)借り出す予約を入れる。もちろん、モノCのリストに借りたいモノがない場合、シェアリングサーバ10に希望をリクエストし、該当するモノを貸し出す人が現れたら通知するようにしても良い。
そのような通知があったときは、借り手Bは、高圧洗浄機が保管されているシェアリングポート200の位置と料金を確認したうえで、高圧洗浄機に対して貸し出し予約を登録する。貸し出し予約とは、モノCに対する貸し出しの日時と返却の日時のことである。借り手Bは、貸し出し予約に併せて、課金システム40により料金を支払う。このように、前払い(使用前に払う)でも良いし、後払い(使用後に支払う)でも、前払いと後払いの両方が選択できても良い。超過した時間は超過料金を課金しても良い。支払われた料金は課金システム40を通じて貸し手Aが受け取る。その後、借り手Bは、高圧洗浄機が保管されているシェアリングポート200へ行き、電磁気的キー30の相互認証によりシェアリングポート200を解錠して、高圧洗浄機を借り出す。使用後は、高圧洗浄機を元のシェアリングポート200へ戻して、再度、電磁気的キー30の相互認証によりシェアリングポート200を施錠する。
【0028】
この際、シェアリングポート200は、監視用センサにより、貸し手Aが高圧洗浄機を選択したシェアリングポート200に保管したこと、借り手Bが高圧洗浄機を借り出したこと及び返却されたことを検知し、通信手段50によりシェアリングサーバ10へ通知する。
【0029】
上記構成を有する本実施例のパーソナルシェアリングサービスシステムは、既存サービスに対して、以下の2点に主な特徴がある。
1.貸し手A、借り手B、貸し出すモノCを管理するプラットフォーム100だけでなく、貸し出す借り出すシェアリングポート200を提供すること。
2.貸し手Aが貸すモノCを借り手Bへ届けたり、渡したりする必要性を排除したこと。
【0030】
本実施例では、マッチング回路12は、モノCの品目名によりモノCが一致するか否か判定しているが、モノCの品目名に代えてモノCの画像が情報入力端末20を通じて記憶回路11に記憶されている場合は、マッチング回路12は、貸し手Aが貸し出そうとするモノCと借り手Bが借り出そうとするモノCとが画像間で類似するか判定し、一定以上に類似する場合は、一致すると判定しても良い。
【0031】
また、本実施例では、貸し手Aが貸し出そうとするモノCと借り手Bが借り出そうとするモノCとが一致するか否かをマッチング回路12により機械的(人工的)に判定しているが、これに代えて、人為的に決定しても良い。
具体的には、借り手Bが借りるモノCを探すときは、基本的には予め上記特定サイトに登録されている貸し出し中のリストから選択する。ヤフオク(https://auctions.yahoo.co.jp/)やメルカリ(https://www.mercari.com/)のように出品者(貸し手)が商品を掲載しており、それを見て購入者(借り手)が商品を選択し購入(予約)すること同様なものである。
例えば、貸し手Aが貸し出そうとするモノCを上記特定サイトで一覧表示し、借り手Bがこれを閲覧して借り出そうとするモノCと一致するものを選択して決定し、決定ボタンをクリックすることにより、貸し手Aが貸し出そうとするモノCと借り手Bが借り出そうとするモノCとが一致すると人為的に決定することになる。
逆に、借り手Bが借り出そうとするモノCを上記特定サイトで一覧表示し、貸し手Aがこれを閲覧して貸し出そうとするモノCと一致するものを選択して決定し、決定ボタンをクリックすることにより、貸し手Aが貸し出そうとするモノCと借り手Bが借り出そうとするモノCとが一致すると人為的に決定することになる。
このように人為的な決定に基づけば、貸し手Aと借り手Bとの連携が比較的簡単に行える。
【0032】
上記実施例において、ICカード30bに情報を記録するためのICカードリーダー/ライターをパソコン20aにUSB接続し、シェアリングサーバ10に登録されている個人識別情報を予めパソコン20aからICカード30bへ転送しておくことも出来る。また、ICカード30bの識別子(例えば、スイカカードの番号など)をシェアリングサーバ10に登録し、個別識別情報と紐づけすることもできる。
また、情報入力端末20であるスマートフォン20bを電磁気的キー30であるスマートフォン30aとして利用するのであれば、特別な作業をすることなく、NFCタグに記録された個人識別情報によりICカードリーダーとの間で相互認証と通信を行うことができる。
【0033】
本実施例では、課金システム40は、シェアリングサーバ10の外部に設置し、シェアリングサーバ10と通信網を介して通信可能であるが、シェアリングサーバ10の内部に設置することも可能である。
例えば、認証回路13に課金システムを兼用させ、貸し手Aと借り手Bが使用する電磁気的キー30とシェアリングポート200のICカードリーダーとの間で相互認証する際に、QRコード(登録商標)やバーコードも同時に読み込んでキャッシュレスで料金決済することも可能である。
【0034】
[実施例2]
本発明の第2の実施例に係るパーソナルシェアリングサービスシステムを図2に示す。
本実施例は、図2に示す通り、本システムで貸し出すモノCの主な例と、そのモノCに対するシェアリングポート200の主な例を示すものである。なお、上記実施例1と同一部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0035】
(1)スマートロック
貸し出すモノCとしての主な対象が、自転車C1、ベビーカーC2、自動車C3等のときは、貸し出すモノCに直接施錠することにより保管するスマートロック220,230をシェアリングポート200として使用する。スマートロック220は錠前をイメージしたものであり、スマートロック230は自動車用キーレスエントリーシステムのコントロールボックスをイメージしたものである。
上記スマートロック220,230は、ICカード30b(NFCタグ)またはスマートフォン30aで施錠・解錠が可能であり、通信手段50としてSIMカードが設けられている。
上記スマートロック220,230としては、自転車専用、自動車専用、汎用(大きさのバリエーションあり)を提供すると良い。
上記スマートロック220,230は、利用者が自分で貸し出すモノCに直接取り付けることにより保管するものである。
上記スマートロック220,230は、通信手段50がついているので、施錠・解錠状態、利用した施錠手段(ICカード30b、スマートフォン30a等およびその情報(識別子等))をシェアリングサーバ10に送信可能である。更に、位置情報の送信も可能である。
上記スマートロック220,230に、監視用センサを付けると、破壊や盗難を検知し、必要な情報をシェアリングサーバ10に通知することも出来る。
【0036】
(2)スマートボックス
貸し出すモノCとしての主な対象が、ラベルプリンターC4、電動ドライバーC5、その他の小物C6のときは、スマートボックス240をシェアリングポート200としてシェアオフィス等に設置する。
上記スマートボックス240は、ICカード30b(NFCタグ)またはスマートフォン30aで施錠・解錠が可能であり、通信手段50としてSIMカードが設けられている。
上記スマートボックス240は、大小さまざまなサイズを提供すると良い。図中のスマートボックス240は、工具入れ程度のサイズをイメージしている。
上記スマートボックス240内に、利用者が自分で貸し出すモノCを入れて保管する。
上記スマートボックス240は、通信手段50がついているので、施錠・解錠状態、利用した施錠手段(ICカード30b、スマートフォン30a等およびその情報(識別子等))をシェアリングサーバ10に送信可能である。また、位置情報の送信も可能である。
上記スマートボックス240に、監視用センサを付けると、破壊や盗難を検知し、必要な情報をシェアリングサーバ10に通知することもできる。
上記スマートボックス240の内部に監視用センサを付けると、モノCが入っているか(返却されているか)検知し、モノCの状態をシェアリングサーバ10に通知することができる。
【0037】
(3)スマートロッカー/キャビネット
貸し出すモノCとしての主な対象が、小物から大物までの様々な種類であるとき、例えば、スーツケースC7、高圧洗浄機C8、脚立C9等であるとき、駅前やスーパーなどにスマートロッカー/キャビネット210をシェアリングポート200として設置する。
上記スマートロッカー/キャビネット210は、ICカード30b(NFCタグ)またはスマートフォン30aで施錠・解錠が可能であり、通信手段50としてSIMカードが設けられている。
上記スマートロッカー/キャビネット210は、大小さまざまなサイズを提供すると良い。
上記スマートロッカー/キャビネット210は、利用者が自分で貸し出すモノCを内部に入れて保管する。
上記スマートロッカー/キャビネット210は、通信手段50がついているので、施錠・解錠状態、利用した施錠手段(ICカード30b、スマートフォン30a等およびその情報(識別子等))をシェアリングサーバ10に送信可能である。また、位置情報の送信も可能である。
上記スマートロッカー/キャビネット210に、監視用センサを付けると、破壊や盗難を検知し、必要な情報をシェアリングサーバ10に通知することができる。
上記スマートロッカー/キャビネット210内部に監視用センサを付けると、モノCが入っているか(返却されているか)検知し、モノCの状態をシェアリングサーバ10に通知することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のパーソナルシェアリングサービスシステムは、簡単にモノを個人間で広く共有するためのサービスシステムとして産業上広く利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
10 シェアリングサーバ
11 記憶回路
12 マッチング回路
13 認証回路
20 情報入力端末
20a パソコン
20b スマートフォン
30 電磁気的キー
30a スマートフォン
30b ICカード
40 課金システム
50 通信手段
100 プラットフォーム
200 シェアリングポート
A 貸し手
B 借り手
C モノ

図1
図2