特開2021-126115(P2021-126115A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-126115加水で瞬時に食することのできるペースト状になる野菜と果物等の顆粒とその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-126115(P2021-126115A)
(43)【公開日】2021年9月2日
(54)【発明の名称】加水で瞬時に食することのできるペースト状になる野菜と果物等の顆粒とその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 19/00 20160101AFI20210806BHJP
   A23B 7/024 20060101ALI20210806BHJP
   A23L 19/12 20160101ALI20210806BHJP
   A23L 19/15 20160101ALI20210806BHJP
【FI】
   A23L19/00 A
   A23B7/024
   A23L19/12 A
   A23L19/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2021-66132(P2021-66132)
(22)【出願日】2021年2月15日
(31)【優先権主張番号】特願2020-36260(P2020-36260)
(32)【優先日】2020年2月14日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592065531
【氏名又は名称】新居 高行
(72)【発明者】
【氏名】新居 高行
【テーマコード(参考)】
4B016
4B169
【Fターム(参考)】
4B016LC06
4B016LE02
4B016LE03
4B016LE04
4B016LG01
4B016LG05
4B016LG06
4B016LG08
4B016LG11
4B016LP03
4B016LP05
4B016LP08
4B016LP11
4B016LP13
4B169AA01
4B169BA07
4B169HA01
4B169HA02
4B169HA03
4B169HA07
4B169HA11
4B169KA07
4B169KB03
4B169KC04
4B169KC08
4B169KC19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】山菜、野菜、果物等を顆粒にして、長期間保存して素材の栄養分、色、味、風味、歯触り感の損失を防ぎ、水を加えて瞬時に栄養分、色、味、風味、歯触り感を再現可能なペーストになる顆粒を提供する。
【解決手段】原料の不要部分を除去後、20mm〜50mm角位にカットし、60℃以上で5分〜10分以上の加熱で内外を殺菌し、次に150PPM以下の次亜塩素酸ナトリウム水で15分間以上浸漬、次に原料を10mm角位にカットし、濃度0.1〜5PPMで約20℃以下の循環式オゾンで約10〜30分間程浸漬した後、粒径約1mm〜3mm位に破砕し、急速凍結庫で−35℃以下、約3時間〜5時間急速凍結後、真空乾燥させ水分が5%以下位になるまで乾燥させることを特徴とする根菜、野菜、果物顆粒の製造方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新鮮な根菜、野菜、果物を洗浄後不要な部分を除去して、原料を約20mm〜50mm位の立方体、若しくは厚さ約10mm〜20mm位の輪切りにカットして、60℃以上の熱湯、若しくは蒸気(スチーム)を発するドーム状の中で10秒〜10分以上の加熱により内外の殺菌と調理加熱と水分の膨張で乾燥時の隙間を大きく作れる。次に150PPM以下の次亜塩素酸ナトリウム水に漬け15分間以上の殺菌をする。更に5mm〜15mm角位にカットし、農薬や土壌菌、微生物等の殺菌と漂白と加工中室内で付着した細菌等の分解除去を目的に約20℃以下で濃度約0.1PPM〜5PPM以下の循環式オゾン水に10秒〜10分間程浸ける。次に原料を約1mm〜5mm以下に破砕(すり潰す)する。破砕した原料と破砕により生じた水分もステンレス製の平型トレーに入れ急速凍結庫で−35℃以下、約3時間〜5時間程の急速凍結により原料と水分を完全に凍結させる。凍結後真空乾燥機により、乾燥工程の解凍初期時は95℃〜85℃、解凍中期は85℃〜65℃、後期は乾燥を目的として45℃〜40℃を制御させる。全ての乾燥加工に必要な時間は16〜18時間程(原料の含水量による)の熱を加えて原料内の含水率が5%以下になるまで乾燥することを特徴とする根菜、野菜、果物顆粒の製造方法である。
【請求項2】
新新鮮な根菜、野菜、果物を洗浄後不要な部分を除去して、原料を約20mm〜50mm位の立方体、若しくは厚さ約10mm〜20mm位の輪切りにカットして、60℃以上の熱湯、若しくは蒸気(スチーム)を発するドーム状の中で10秒〜10分以上の加熱により内外の殺菌と調理加熱と乾燥時の隙間を大きく作られる。次に150PPM以下の次亜塩素酸ナトリウム水に漬け15分間以上の殺菌をする。更に5mm〜15mm角位にカットし、農薬や土壌菌、微生物等の殺菌と漂白と加工中室内で付着した細菌等の分解除去を目的に約20℃以下で濃度約0.1PPM〜5PPM以下の循環式オゾン水に10秒〜10分間程浸ける。次に原料を約1mm〜5mm以下に破砕(すり潰す)する。破砕した原料と破砕により生じた水分に増粘材、調味料、等添加物や糊剤等を入れて個々の風味を加えてステンレス製の平型トレーに入れ急速凍結庫で−35℃以下、約3時間〜5時間程の休息凍結により原料と水分を完全に凍結させる。凍結後真空乾燥機により、乾燥工程の解凍初期時は95℃〜85℃、解凍中期は85℃〜65℃、後期は乾燥を目的として45℃〜40℃を制御させる。全ての乾燥加工に必要な時間は16〜18時間程(原料の含水量による)の熱を加えて原料内の含水率が5%以下になるまで乾燥することを特徴とする根菜、野菜、果物顆粒の製造方法である。
【請求項3】
新新鮮な根菜、野菜、果物を洗浄後不要な部分を除去して、原料を約20mm〜50mm位の立方体、若しくは厚さ約10mm〜20mm位の輪切りにカットして、60℃以上の熱湯、若しくは蒸気(スチーム)を発するドーム状の中で10秒〜10分以上の加熱により内外の殺菌と調理加熱と乾燥時の隙間を大きく作られる。次に150PPM以下の次亜塩素酸ナトリウム水に漬け15分間以上の殺菌をする。更に5mm〜15mm角位にカットし、農薬や土壌菌、微生物等の殺菌と漂白と加工中室内で付着した細菌等の分解除去を目的に約20℃以下で濃度約0.1PPM〜5PPM以下の循環式オゾン水に10秒〜10分間程浸ける。次に原料を約1mm〜5mm以下に破砕(すり潰す)して、破砕した原料と破砕により生じた水分に増粘材、調味料等添加物や糊剤等を入れその他の風味を加えて四角型、丸型等やその他の形に成型し、急速凍結庫で−35℃以下、約3時間〜5時間程の休息凍結により原料と水分を完全に凍結させる。凍結後真空乾燥機により、乾燥工程の解凍初期時は95℃〜85℃、解凍中期は85℃〜65℃、後期は乾燥を目的として45℃〜40℃を制御させる。全ての乾燥加工に必要な時間は16〜18時間程(原料の含水量による)の熱を加えて原料内の含水率が5%以下になるまで乾燥することを特徴とする根菜、野菜、果物顆粒の製造方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、山菜・野菜若しくは果物を破砕と加熱、若しくは調理して凍結、乾燥して薄く隙間の多い顆粒にする事で水を加えるだけで瞬時に給水して素材の持つ色、味、香、歯触りと栄養分を有する生食ペーストを可能にする山菜・野菜と果物の顆粒の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0001】
従来市場に数多くの野菜や果物の乾燥した食品(フリーズドライや温熱乾燥、自然乾燥した)がある。従来のこれらの加工食品は小さな片の固形か、粉末であり硬く乾燥により元の素材の有する鮮やかな色と風味は減少している事が多い。食する時若しくは調理する時は殆ど温湯で復元する。水で還元される物もあるが瞬時では無く、一定時間、水に浸して復元する。水に溶けやすい顆粒とは原料を乾燥、粉末にして食用の糊等で粉末と粉末を付着する技術が主である。高級果物のマンゴや白い大根おろしや粘りの多い白い山芋、馬鈴薯、黄色のおろし生姜、赤いトマト、苺等の顆粒を水で手軽にペーストになる顆粒は現市場には無い。このような顆粒食品があれば手軽に野菜や果物の生食用のペースト状の食品が得られ便利になる。そこで水を加えるだけで瞬時にペースト状になり歯ざわり感を有する山菜、野菜、果物の新しい顆粒を開発する事にした。まず国内で一番消費量の多い野菜の大根の顆粒で大根おろしの試験をした。大根は水分が95%近くありおろしを作ると水分が多く、摩り下ろして時間の経過と共に褐変して行く。工場でおろして流通する大根おろしもあるが時間の経過による辛味等の風味の損失は避けられない。大根の持つ消化酵素のビタミンCのジアスターゼと辛味成分のイソチオシアナートは時間の経過で著しく損失して風味が変わり、大根特有の辛昧は減少し、次第に辛みを感じなくなり、「気の抜けた」状態になる。冷凍の大根おろしもある。冷凍物の触感は生と比較して見劣りは少ない。栄養分のある絞り汁を除去して在る為、辛味の減少と冷凍である為流通と保管に問題が残る。もっと手軽に大根おろしを得られないかと探したが市場に以前はAD乾燥による商品が発売されたが、色が薄黄色で香りはなく異臭がする粉末であり評判が悪くスーパー等の小売店から姿を消した。また新しく市場に多くの添加物を使用したチューブ入りの大根おろし、山芋等が出てきたが触感、味、香り共にすりおろした生の大根おろしとは言い難いものがある。生の大根おろし等が手軽に得られる方法について開発し、大根、山芋、馬鈴薯、カボチャ、ニンニク、生姜の根菜類やマンゴ、イチゴ、トマト等の野菜、果物を冷水で生食可能のペーストになる顆粒を作る事にした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許番号】
特許第4196357号(P4196357)
当出願者による特許第4196357号による製造方法で製造したが顆粒製品の仕上がりに問題はないが内部の殺菌が不十分な事と、馬鈴薯とカボチャは顆粒へ加水後に再加熱の必要がある。乾燥後に検査の結果、生菌数と大腸菌群が予想以上に検出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
大根、芋類、ニンニク等の根菜類、野菜、果物は、内部と外部にも農薬や土壌菌等が付着している。これらの殺菌と除去が必要である。又白い原料は加工工程、経年経過により褐変しやすく、加工後も酸化等による褐変を防がなければならない。山菜、野菜、果物等を顆粒にして水を加えて素材の栄養分、色、味、風味、歯触り感の損失を防ぎ瞬時にペーストになる事を課題として試作を始めた。吸水性を良くする為には素材を薄くして不定形で給水する隙間をより多く作らなければならない。加熱による膨張で繊維室内の水分を増加し、凍結によりさらに繊維室内を膨張させることで乾燥時に多くの隙間が出来る。乾燥後隙間の多い不定形ならば毛細管現象により瞬時に吸水しやすい。馬鈴薯やカボチャ等は乾燥後に過熱調理が必要である。乾燥時の過剰加熱は色、味、香り、歯触りを変化させてしまう。乾燥後の保存においても細菌の増加、紫外線や酸化の予防が必要である。上記の種々の課題を解決して瞬時に水で溶ける野菜と果物等の顆粒とその製造方法を試験、開発した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
作業前夜に室内の中を0.1〜2PPM位のオゾンガスで室内殺菌しておく。新鮮な根菜、野菜、果物を洗浄後不要な部分を除去して、原料を約20mm〜50mm位の立方体、若しくは厚さ約10mm〜20mm位の輪切りにカットして、60℃以上の熱湯、若しくは蒸気(スチーム)を発するドーム状の中で10秒〜10分以上の加熱により内外の殺菌と調理加熱と水分の膨張で乾燥時の隙間をより大きく作られる。次に150PPM以下の次亜塩素酸ナトリウム水に漬け15分間以上の殺菌をする。更に5mm〜15mm角位にカットし、農薬や土壌菌、微生物等の殺菌と漂白と加工中室内に浮遊中の付着した細菌の分解除去を目的に約20℃以下で濃度約0.1PPM〜5PPM以下の循環式オゾン水に10秒〜10分間程浸ける。次に原料を約1mm〜5mm以下に破砕(すり潰す)する。破砕した原料と破砕により生じた水分もステンレス製の平型トレーに入れ急速凍結庫で−35℃以下、約3時間〜5時間程の急速凍結により原料と水分を完全に凍結させる。凍結後真空乾燥機により、乾燥工程の解凍初期時は95℃〜85℃、解凍中期は85℃〜65℃、後期は乾燥を目的として45℃〜40℃を制御させる。全ての乾燥加工に必要な時間は16〜18時間程(原料の含水量による)の熱を加えて原料内の含水率が5%以下になるまで乾燥することを特徴とする根菜、野菜、果物顆粒の製造方法である。
【発明の効果】
【0005】
この製造方法は加熱により、原料を殺菌と加熱調理と内部の膨張効果を増加、破砕後も多くの水分を含んだ粒体は凍結によりさらに膨張し凍結した膨張氷体は乾燥工程の水分除去で、そのままの形で乾燥して隙間の多い不定形の凸凹に風味を有する薄い顆粒になった。この薄い不定形の顆粒が水分を瞬時に吸収可能にした。この製造方法により製造した大根の顆粒で試した。大根の顆粒10gに冷水150CCを加えた結果、瞬時に給水して160gの白い香りと粒々感を有する大根おろしが再現された。試食すると辛みのある白い大根おろしである。これがフリーズドライの大根おろしとは気づかないほど生に近い食感であった。その他のトマト、マンゴも瞬時に風味のあるマンゴ、トマトジュースが得られた。山芋も冷水の加水により真っ白いすり潰した触感のとろろ芋が再現された。試作したその他の顆粒も同様に元の原料の再現が可能になった。馬鈴薯とカボチャは初期に加熱調理されており、そのまま食することができジャーマンポテトやカボチャサラダが可能になった。そしてこの顆粒を検査機構で検査の結果下記の様に好結果が出た。
農薬 未検出
大腸菌群 陰性
生菌数 1.0×10という結果で大満足であった
この顆粒をアルミ蒸着の袋に入れ酸化防止剤、乾燥剤と同封して密封し、常温で冷暗所において3年間の経年変化を調べたが色と味、香り、触感等の変化は見られなかった。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0006】
1.大根おろし顆粒の実施例
上記実施方法により大根で大根おろしの実施例を説明する。原料を約20mm〜50mm位の立方体、若しくは厚さ約10mm〜20mm位の輪切りにカットして、60℃以上の熱湯、若しくは蒸気(スチーム)を発するドーム状の中で10秒〜10分以上の加熱により内外の殺菌と、調理加熱と水分の膨張で乾燥時の隙間をより大きく作られる。次に150PPM以下の次亜塩素酸ナトリウム水に漬け15分間以上の殺菌をする。更に5mm〜15mm角位にカットし、農薬や土壌菌、微生物等の殺菌と漂白と加工中室内に浮遊中の付着した外側の細菌分解除去を目的に約20℃以下で濃度約0.1PPM〜5PPM以下の循環式オゾン水に10秒〜10分間程浸ける。次に原料を約1mm〜5mm以下に破砕(すり潰す)する。破砕した原料と破砕により生じた水分もステンレス製の平型トレーに入れ急速凍結庫で−35℃以下、約3時間〜5時間程の急速凍結により原料と水分を完全に凍結させる。次に真空乾燥機に入れ、加熱温度は高温により変化しない(煮えない)様に乾燥工程前期の解凍初期時に約95〜85℃、中期に約65℃以下、後期乾燥時は約45℃〜40℃を制御させる。乾燥工程に必要な時間は16〜20時間程(材料の含水量による)の熱を加えて凍結している水分を直接昇華(気化)させて水蒸気として除去し、大根粒の水分が5%以下の0.1mm〜2mm位の白い小さな顆粒になるまで乾燥する。歯触りに変化を持たせる為にサイズの異なる顆粒を乾燥の前後に加えても良い。乾燥した大根の顆粒は辛味が減少する為、同じ大根の種類であるホースラディッシュ(西洋わさび)の顆粒を約0.5%〜10%加えて、辛味の補填をする事もある。大根顆粒に赤唐辛子の顆粒を1%〜10%(辛味の程度による)加えて、顆粒紅葉おろしとすることもある。乾燥後に各々の乾燥顆粒を加えてもよい
2.山芋(長芋)・自然薯の顆粒の実施例
上記実施方法により自然薯・山芋の顆粒で実施例を説明する。新鮮な自然薯・山芋の不要部分を除去して洗浄後自然薯・山芋を約2cm〜5cm位角の立方体若しくは厚さ約1cm〜5cm位の輪切りにする。カットした山芋(長芋)・自然薯を60℃以上の熱湯若しくは蒸気(スチーム)を発するドーム状の中で1分〜10分以上の加熱により、内外の殺菌と繊維質内が上昇して水分を膨張させ、凍結で水分を膨張させ易く、乾燥時に隙間をより大きくする効果を得られる。次に5mm〜15mm角位にカットし、農薬や土壌菌、微生物等の殺菌と漂白と加工中室内に浮遊中の付着した細菌分解除去を目的に約20℃以下で濃度約0.1PPM〜5PPM以下の循環式オゾン水に10秒〜10分間程浸ける。次にこのカットした自然薯・山芋を粒径約1mm〜3mm位に破砕する。破砕した自然薯・山芋と破砕により出た汁を一緒にステンレスのトレーに入れ凍結庫に入れて−35℃以下の短時間内(約3時間〜5時間、自然薯・山芋の含む含水量により)に急速凍結して自然薯・山芋の水分を完全に凍結させる。次に真空乾燥機に入れ、加熱温度は高温により変化しない(煮えない)様に乾燥工程前期の解凍初期時に約95〜85℃、中期に約65℃以下、後期乾燥時は約45℃〜40℃を制御させる。乾燥工程に必要な時間は16〜20時間程(材料の含水量による)の熱を加えて凍結している水分を直接昇華(気化)させて水蒸気として除去し、自然薯・山芋内の水分が5%以下の白い小さな顆粒になるまで乾燥する。使用する原料の種類により粘度の減少が生じることがあるため増粘剤を加える事もある。
3.馬鈴薯顆粒の実施例
上記実施方法により馬鈴薯の顆粒で実施例を説明する。新鮮な馬鈴薯の不要部分を除去して洗浄後馬鈴薯を約2cm〜5cm位角の立方体若しくは厚さ約1cm〜5cm位の輪切りにする。カットした馬鈴薯を60℃以上の熱湯若しくは蒸気(スチーム)を発するドーム状の中で5分〜10分以上の加熱により、素材の内外の殺菌と、馬鈴薯を乾燥後に加水のみで食する事が、可能になるまでの加熱をする。繊維質内温度が上昇して感熱調理され、水分を膨張させ、凍結でも水分を膨張させる事により、乾燥時に隙間をより大きくする効果を得られる。次に5mm〜15mm角位にカットし、150PPM以下の次亜塩素酸ナトリウム水で15分間以上の殺菌後、更に殺菌、漂白、脱臭、褐変防止、農薬の除去と、加工工程において、室内に浮遊していて付着した細菌の除去等を目的として濃度0.1PPM〜5PPMの20℃以下の循環式オゾン水で馬鈴薯角を10〜30分間程浸ける。次に馬鈴薯角を粒径約1mm〜3mm位に破砕する。馬鈴薯粒は水分が少ない為前記オゾン水を5%〜10%位加えても良い。破砕した馬鈴薯粒と破砕により生じた水分をステンレスのトレーに入れ凍結庫に入れて−35℃以下で短時間内(約3時間〜5時間、馬鈴薯の含水量により)に急速凍結して馬鈴薯の水分を完全に凍結させる。次に真空乾燥機に入れ、乾燥の前期にて95〜90℃、中、後期にて80℃以下を制御させる。全ての乾燥加工に必要な時間は10〜12時間程(馬鈴薯の含水量による)の熱を加えて凍結している水分を直接昇華(気化)により除去して、馬鈴薯内の水分が5%位になるまで乾燥する。馬鈴薯は加熱調理済顆粒にする事により二次加工用として手軽に冷水でジャーマンポテト、コロッケ作りの原料、ポテトサラダ、温湯でスープが可能になる。
4.カボチャ顆粒の実施例
上記実施方法によりカボチャの顆粒で実施例を説明する。新鮮なカボチャの不要部分を除去して洗浄後カボチャを約2cm〜5cm位角の立方体に切る。カットしたカボチャを60℃以上の熱湯若しくは蒸気(スチーム)を発するドーム状の中で5分〜10分以上の加熱により素材の内外の殺菌と、カボチャを乾燥後に加水のみで食する事が可能になるまでの調理加熱をする。繊維質内温度が上昇して水分を膨張させ、凍結でも水分を膨張させる事により、乾燥時に隙間をより大きくする効果を得られる。加熱殺菌後150PPM以下の次亜塩素酸ナトリウム水で15分間以上の殺菌、次に5mm〜15mm角位にカットし、殺菌、漂白、脱臭、褐変防止、農薬の除去と、加工工程において、室内に浮遊していて付着した細菌の除去等を目的として濃度0.1PPM〜5PPMの20℃以下の循環式オゾン水でカボチャ角を10〜30分間程浸ける。次にカボチャを粒径約1mm〜3mm位に破砕する。カボチャ粒は水分が少ない為前記オゾン水を5%〜10%位加えても良い。破砕したカボチャ粒と破砕により生じた水分をステンレスのトレーに入れ凍結庫に入れて−35℃以下で短時間内(約3時間〜5時間、カボチャの含水量により)急速凍結してカボチャの水分を完全に凍結させる。次に真空乾燥機に入れ、乾燥の前期にて95〜90℃、中、後期にて80℃以下を制御させる。全ての乾燥加工に必要な時間は10〜12時間程(カボチャの含水量による)の熱を加えて凍結している水分を直接昇華(気化)により除去して、カボチャ内の水分が5%位になるまで乾燥する。カボチャは加熱調理済顆粒にする事により冷水で二次加工用として手軽に製菓の原料、カボチャサラダ、温湯でスープ用が可能になる。
5.トマト顆粒の実施例
上記実施方法によりトマトの顆粒で実施例を説明する。新鮮なトマトの不要部分を除去して洗浄後トマトを約2cm〜5cm位角の立方体若しくは厚さ約1cm〜5cm位の輪切りにする。カットしたトマトを60℃以上の熱湯若しくは蒸気(スチーム)を発するドーム状の中で5分〜10分以上の加熱により、外部と内部の殺菌と調理が可能になる。繊維質内温度が上昇して水分を膨張させ、凍結で水分を膨張させる事により、乾燥時に隙間をより大きくする効果を得られる。次に5mm〜15mm角位にカットし、150PPM以下の次亜塩素酸ナトリウム水で15分間以上の殺菌と漂白、褐変防止、農薬の除去等する。更に殺菌、漂白、脱臭、褐変防止、農薬の除去と、加工工程において、室内に浮遊していて付着した細菌の除去等を目的として濃度0.1PPM〜5PPMの20℃以下の循環式オゾン水でトマト角を10〜30分間程浸ける。次にこのカットしたトマトを粒径約1mm〜3mm位に破砕する。破砕したトマトと破砕により出た汁を一緒にステンレスのトレーに入れ凍結庫に入れて−35℃以下で短時間内(約3時間〜5時間、トマトの含む含水量により)急速凍結してトマトの水分を完全に凍結させる。次に真空乾燥機に入れ、加熱温度は高温により変化しない(煮えない)様に乾燥工程前期の解凍初期時に約95〜85℃、中期に約65℃以下、後期乾燥時は約45℃〜40℃を制御させる。乾燥工程に必要な時間は16〜20時間程(材料の含水量による)の熱を加えて凍結している水分を直接昇華(気化)させて水蒸気として除去し、トマト内の水分が5%以下の赤い小さな顆粒になるまで乾燥する。トマトは顆粒にする事により二次加工用として手軽に製菓、ジュース、ソース、ケチャップ、イタリア料理、美容、健康食品等になり利用範囲も広い。
6.イチゴ・マンゴ等のフルーツの実施例
イチゴ・マンゴ等のフルーツ類の洗浄後、不要部分を除去し20mm〜50mm角位の立方体若しくは厚さ約2cm〜5cm位の輪切りにカットし、60℃以上の熱湯若しくは蒸気(スチーム)の中で5分〜10分以上の加熱により素材の外部と内部の殺菌をする。次に5mm〜15mm角位にカットし、150PPM以下の次亜塩素酸ナトリウム水で15分間以上の殺菌と漂白、褐変防止、農薬の除去等する。更に濃度0.1PPM〜5PPMの20℃以下の循環式オゾン水で殺菌、漂白、脱臭、褐変防止、農薬の除去と、加工工程において、室内に浮遊していて付着した細菌の除去等を目的としてイチゴ・マンゴ等角を10〜30分間程浸ける。次にこのイチゴ・マンゴ等を粒径約1mm〜3mm位に破砕する。破砕したフルーツ類と破砕により生じた水分もステンレスのトレーに入れる。水分が少ないものは前記オゾン水を5%〜20%加える事もある。次に凍結庫に入れて−35℃以下の短時間内で約3時間〜5時間急速凍結して乾燥の前期の解凍時に95〜85℃、中、後期にて65℃以下(好ましくは65℃〜40℃)を制御させる。全ての乾燥加工に必要な時間は10〜12時間程の熱を加えて凍結している水分を直接昇華(気化)させて水蒸気として除去して、水分が5%以下になるまで乾燥する。
7.その他の野菜等の実施例
1.大根おろし顆粒の実施例〜6.イチゴ・マンゴ等のフルーツの実施例で乾燥前、乾燥後に増粘材、栄養剤、調味料等、色、味、栄養等の補填と風味の補填をした製造方法
8.1.大根おろし顆粒の実施例〜6.イチゴ・マンゴ等のフルーツの実施例で乾燥前、乾燥後に形を形成できる食材等で顆粒を丸、四角,三角等の形を成型して乾燥させた製造補不法
9.大根おろし顆粒の実施例〜6.イチゴ・マンゴ等のフルーツの実施例で改良の為工程の順序や時間、材料の変更もある。
【発明の効果】
【0008】
野菜と果物等を破砕と加熱で繊維質を壊して、栄養分と風味を含む水分は潰れて、重さで薄い不定形の塊になる。凍結により栄養分や風味を含んだ水分は柔らかく、薄い粒体になり、繊維質内の氷の体積が膨張して横に広がり、各繊維質間の隙間内に隙間より大きな氷を作る。膨張した氷塊は乾燥により凸凹の不定形で繊維質に多くの隙間を作り薄い顆粒に乾燥する。この隙間には素材の持つ栄養分や風味等がすべて付着して乾燥している。又段階的な加熱方法により原料の色と風味は変化が少なく、隙間の多い顆粒は水分の吸収を早める事により、冷水を加えるだけで瞬時に給水して鮮やかな色と、栄養と風味を再現できる。この顆粒に約15倍の水を加えて、シャキシャキ感と辛味を感じる白い大根おろし等その他の生食ペーストが再現できる。殺菌に次亜塩素酸水、オゾン水を使用する事で付着している細菌、微生物、酵母、農薬等を分解、除去することが出来、次亜塩素酸水、オゾン水殺菌は時間の経過と共に気化して原料に残る事は無い。乾燥した顆粒大根を数種の検査にて計測した。残留農薬は無検出(無農薬栽培でもある)、生菌数は1.0×10、色の数値を色彩計で計測すると白度は85以上であった。次にアルミ蒸着の袋に入れ脱酸素剤と乾燥材を入れ、密封して常温で1年経過しても白色の変化は見られなかった。再度白さの計測をしたが83であった。更に開封後に冷蔵庫・冷凍庫で保管したが2年間、色と踏みの変化は見られなかった。そこでこの方法を基本に山芋、カボチャ、馬鈴薯、生姜、ワサビ、梅干、ニンニク、トマト、イチゴ、唐辛子、葱等で試作したが殆どの野菜、果物で顆粒化が可能である。