(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-126444(P2021-126444A)
(43)【公開日】2021年9月2日
(54)【発明の名称】インソール
(51)【国際特許分類】
A43B 17/00 20060101AFI20210806BHJP
A43B 17/02 20060101ALI20210806BHJP
A43B 17/14 20060101ALI20210806BHJP
【FI】
A43B17/00 E
A43B17/02
A43B17/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2020-24248(P2020-24248)
(22)【出願日】2020年2月17日
(71)【出願人】
【識別番号】520056051
【氏名又は名称】呉原 進
(74)【代理人】
【識別番号】100110984
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 敬子
(72)【発明者】
【氏名】呉原 進
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA02
4F050AA07
4F050BA02
4F050EA06
4F050EA08
4F050HA53
4F050HA56
(57)【要約】
【課題】中足骨が内側に傾くことを十分に防止することができるインソールを提供する
【解決手段】本発明のインソールは、履物内部の輪郭に略沿った形状を有し、天然または人工のゴム材により、形成されている履物用インソールであって、母指球後部に対応する範囲に、中反発クッションが設けられている。この結果、非常に簡単な構成で、外反母趾を有効に予防し、外反母趾の進行を防止することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物内部の輪郭に略沿った形状を有し、天然または人工のゴム材により、形成されている履物用インソールであって、母指球後部に対応する範囲に、中反発クッションが設けられているインソール。
【請求項2】
さらに、内側楔状骨および立方骨の縦アーチ方向に対応する範囲に凸状のクッションが設けられている、請求項1に記載のインソール。
【請求項3】
踵骨中央に対応する範囲に、中反発クッションが設けられている、請求項1または2に記載のインソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物用インソールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
足部のアーチは。26個の骨の形状と共に、筋や靭帯によって支えられている。しかし、足関節や足部のアライメントの異常により、アーチに不安定感をもたらし、さらにはアーチの硬化とその機能の破綻を招く。アーチ機能の破綻は足部にストレスの低下をもたらし、その結果として、足底腱炎、疲労骨折、外反母趾といった足部疾患に進行する。例えば、外反母趾は、第1MP関節の外反に図移管して、第1中足骨の内転、回外が生じる。また、この背景には、外側アーチ降下と楔上骨の外側偏移が見られる。
【0003】
外反母趾に対応したインソールなどが開発されている。
例えば、特許文献1には、足先への体重負荷を軽減する堰部を設けた靴が開示されている。この靴では堰部により、足先への体重移動を防ぎ、4つ目のアーチを機能させるスペースを確保するという効果を有する。
【0004】
また、特許文献2には、インソール本体の縦方向中間部分の上面に突起を形成し、突起の後方のインソール本体の内側縁部に内側突起が形成されているものが開示されている。この構造により、外反防止等を予防、進行の防止、および靴使用者の疲労を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019−181050号公報
【特許文献2】特開2019−237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、外反母趾においては、親指の付け根の骨(中足骨)が内側に傾き(内反、)指先が外側に傾く(外反)。しかし、特許文献1においては、体重負荷を軽減するが、中足骨が内側に傾くことを十分に防止できない。
【0007】
また、特許文献2においても、インソール本体の縦方向中間部分の上面に突起が、中足骨が内側に傾くことを十分に防止できない。
本発明は、中足骨が内側に傾くことを十分に防止することができるインソールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のインソールは、履物内部の輪郭に略沿った形状を有し、天然または人工のゴム材により、形成されている履物用インソールであって、母指球後部に対応する範囲に、中反発クッションが設けられている。
【0009】
本発明者らは、インソールの母指球後部に対応する範囲に、中反発クッションを設けることにより、中足骨の捩れが予防できることを見出した。これにより、非常に簡単な構成で、外反母趾を有効に予防し、進行を防止することができる。
【0010】
また、本発明のインソールは、内側楔状骨および立方骨の縦アーチ方向に対応する範囲に凸状のクッションが設けられていてもよい。この構成とすることにより、靴内において、足の横方向への移動が軽減できる。この結果、靴内における足の縦方向への可動性を向上させるので、外反母趾を有効に予防し、外反母趾の進行を防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のインソールは、履物内部の輪郭に略沿った形状を有し、天然または人工のゴム材により、形成されている履物用インソールであって、母指球後部に対応する範囲に、中反発クッションが設けられている。この結果、非常に簡単な構成で、外反母趾を有効に予防し、外反母趾の進行を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1はインソールの構造を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明のインソール内部構造を示す図である。上面図である。インソールは、通常インソール用いられる材料が用いられる。具体的には、テンネンまたは、合成のラテックス素材を用いる。特に発泡性のラテックス素材を用いると、インソールに弾力があるので好ましい。
【0014】
インソール1上には、母指球後部に対応する範囲に、第1の中反発クッション2が設けられている。
図1に示す第1の中反発クッション2は、略半円状の板である。第1の中反発クッション2が母指球後部に当接するものであれば、略半円状でなくてもよい。中反発クッション2を用いると、中足骨の捩れを予防できる。中反発クッションの素材としては、スポンジ材、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンのような公知の素材を用いることができる。
【0015】
本発明のインソール1は、内側楔状骨の縦アーチ方向に対応する範囲に当接する第1の凸状のクッション3および立方骨の縦アーチ方向に対応する範囲に当接する第2の凸状のクッション4が設けられていていてもよい。第1の凸状のクッション3および第2の凸状のクッション4は、長手方向に沿って連続した頂点を有する構造を有している。長手方向に沿って連続した頂点の内側に位置する、第1の凸状のクッション3および第2の凸状のクッション4の内側部分において、足底部分から縦アーチを保護する。一方、長手方向に沿って連続した頂点の内側に位置する、第1の凸状のクッション3および第2の凸状のクッション4の外側部分は、足底の横側から縦アーチを保護する。この結果、足の横方向への移動が軽減できる。
【0016】
内側楔状骨の縦アーチ方向に対応する範囲に当接する第1の凸状のクッション3および立方骨の縦アーチ方向に対応する範囲に当接する第2の凸状のクッション4は、一体型であってもよく、頂点における縦方向の断面が同じものであるものを貼り合わせて用いてもよい。
【0017】
本発明のインソール1は、その表面に人工皮革などを貼付して用いる。
【0018】
本発明のインソールは、ハイヒール、パンプス、スニーカー、婦人靴、ブーツ、紳士靴、登山靴、安全靴、運動靴などの靴一般に使用することができる。特に、ハイヒール、パンプスなどにおいて、外反母趾を予防、外反母趾の進行を防止する場合に、有効である。
【符号の説明】
【0019】
1 インソール
2 第1の中反発クッション
3 第1の凸状のクッション
4 第2の凸状のクッション
5 第2の中反発クッション