【解決手段】顧客店舗への現金の配送または回収を行う警送業務を支援する警送業務支援システム1は、管理装置(オペレータ端末装置200)と携帯型端末装置300とを備える。管理装置は、顧客店舗への現金の配送または回収を行うための輸送計画に関する情報を送信する。携帯型端末装置は、顧客店舗において、現金の配送または回収が行われる対象を識別する店舗関連情報を取得する店舗関連情報取得部と、輸送計画に関する情報における現金の配送または回収の対象を示す予定店舗関連情報と、店舗関連情報とを比較する対象確認処理部と、予定店舗関連情報が示す対象と店舗関連情報が示す対象とが異なると判定された場合、その旨を報知する報知部と、を備える。
前記管理装置は、前記顧客店舗の位置、配送または回収する現金量、または現金の配送または回収を行う予定の時間帯における交通情報の少なくとも何れかに基づいて前記輸送計画を作成する
請求項1または請求項2に記載の警送業務支援システム。
前記管理装置は、前記顧客店舗の位置、配送または回収する現金量、または現金の配送または回収を行う予定の時間帯における交通情報の少なくとも何れかに基づいて複数の輸送計画を作成し、当該複数の輸送計画を地図情報と共に選択可能に表示する
請求項3に記載の警送業務支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態を説明する。
<警送業務支援システム>
図1は、実施の形態にかかる警送業務支援システムの構成例を示す図である。
図1に示す構成で、警送業務支援システム1は、サーバ装置100と、オペレータ端末装置200と、携帯型端末装置300と、入出金装置710とを備える。入出金装置710が、警送業務支援システム1の一部として構成されていてもよい。あるいは、入出金装置710が、警送業務支援システム1の外部の構成となっていてもよい。
【0011】
サーバ装置100と、オペレータ端末装置200と、携帯型端末装置300と、入出金装置710とは、通信ネットワーク720を介して通信可能である。通信ネットワーク720は、特定の種類の通信ネットワークに限定されない。例えば、通信ネットワーク720が、インターネットであってもよい。あるいは、通信ネットワーク720が、警送業務支援システム1専用の通信ネットワークであってもよい。
【0012】
また、通信ネットワーク720が複数の通信ネットワークの組み合わせにて構成されていてもよい。例えば、サーバ装置100と入出金装置710とがインターネットによって通信接続され、サーバ装置100とオペレータ端末装置200とが専用回線にて通信接続され、オペレータ端末装置200と携帯型端末装置300とが専用回線、インターネット、および、携帯電話網の組み合わせにて通信接続されていてもよい。ここでいう携帯電話網は、通信事業者がスマートフォン等の携帯電話用に提供する無線通信ネットワークである。
通信ネットワーク720が、警送業務支援システム1の一部として構成されていてもよい。あるいは、通信ネットワーク720が、警送業務支援システム1の外部の構成となっていてもよい。
【0013】
入出金装置710は、顧客店舗に設けられ、現金の入出力を受け付ける。顧客店舗の例として、銀行の支店およびスーパーマーケットの店舗が挙げられるが、これらに限定されない。
入出金装置710は、現金カセットを格納しており、入金された現金を現金カセットに入金する。また、入出金装置710は、出金操作を受けると現金カセットから現金を出金する。入出金装置710は、警送業務の対象の例に該当する。
【0014】
具体的には、入出金装置710内の現金カセットがニアフル(満杯に近い状態)になった場合、例えば空の現金カセットなどの交換用現金カセットと交換される。これにより、現金の回収(現金カセットの回収)が行われる。また、入出金装置710内の現金カセットがニアエンド(空に近い状態になった場合)現金が入った交換用現金カセットと交換される。これにより、現金の配送(現金カセットの配送)が行われる。
入出金装置710が、警送業務支援システム1の一部として構成されていてもよい。あるいは、入出金装置710が、警送業務支援システム1の外部の構成となっていてもよい。警送業務支援システム1における警送業務の対象の入出金装置710の個数は、複数であればよい。
【0015】
サーバ装置100は、入出金装置710の各々の稼働状況に関する情報を収集し管理する。稼働状況に関する情報を稼働状況情報とも称する。
例えばサーバ装置100は、稼働状況情報として、入出金装置710毎に、装置識別情報と、現金量データと、その入出金装置710が格納している現金カセットのカセット識別情報とを、当該入出金装置710から受信し記憶する。
【0016】
装置識別情報は、入出金装置710の各々を識別する情報である。現金量データは、入出金装置710内の現金カセットが格納している現金の量を示すデータである。サーバ装置100またはオペレータ端末装置200は、現金量データに基づいてニアフルおよびニアエンドを検出する。カセット識別情報は、現金カセットの各々を識別する情報である。
サーバ装置100は、例えばワークステーション(Workstation)等のコンピュータを用いて構成される。
図1の例で、サーバ装置100は、データセンタに設けられている。データセンタは、サーバ装置が設置されて各種データを収集し管理する施設である。
【0017】
オペレータ端末装置200は、サーバ装置100の端末装置として機能する。例えばオペレータ端末装置200は、サーバ装置100が収集した入出金装置710の各々の稼働状況情報に基づいて、輸送計画を作成する。ここでいう輸送計画は、前述した配送計画および回収計画の総称である。
オペレータ端末装置200は、例えばパソコン(Personal Computer;PC)などのコンピュータを用いて構成される。
【0018】
オペレータ端末装置200が輸送計画を自動的に作成するようにしてもよい。あるいは、オペレータ端末装置200がオペレータの操作に従って輸送計画を作成するようにしてもよい。あるいは、オペレータ端末装置200が輸送計画の候補を複数作成し、オペレータに何れかの輸送計画を選択させるようにしてもよい。ここでいうオペレータは、警送業務を管理する者である。オペレータは、輸送計画に基づいて警送担当者に警送業務を指示する。
オペレータ端末装置200は、管理装置の例に該当する。
【0019】
オペレータ端末装置200は、作成した輸送計画を表示する。また、オペレータ端末装置200は、作成した輸送計画に関する情報を携帯型端末装置300へ送信する。これにより、オペレータ端末装置200は、輸送計画をオペレータ、および、携帯型端末装置300を所持する警送担当者に提示する。ここでいう輸送計画に関する情報は、輸送計画そのものであってもよい。あるいは、輸送計画に関する情報は、輸送計画の一部のみであってもよい。以下では、オペレータ端末装置200が携帯型端末装置300に輸送計画を送信する場合を例に説明する。
オペレータ端末装置200は、現金センタに設けられている。現金センタは、警送業務の拠点として用いられる施設である。オペレータ端末装置200には、配送用の現金が用意されている。また、入出金装置710から回収された現金は、現金センターに持ち込まれる。
【0020】
携帯型端末装置300は、警送担当者毎に用意される。各警送担当者が1台ずつ携帯型端末装置300を所持する。特に、警送担当者は、警送業務の実行時に携帯型端末装置300を携帯し、警送業務の対象の顧客店舗等で使用する。なお、前述した携帯型端末装置300は、警送担当者毎ではなく現金輸送車毎に1台又は複数台用意されていてもよい。
携帯型端末装置300は、例えばスマートフォンなど汎用の無線端末装置にアプリケーションプログラムがインストールされて構成されていてもよい。あるいは、携帯型端末装置300が、警送業務支援システム1専用の装置となっていてもよい。
【0021】
携帯型端末装置300は、輸送計画を表示する。これにより、携帯型端末装置300は、輸送計画を警送担当者に提示する。
また、携帯型端末装置300は、警送業務の対象の顧客店舗で、警送業務の対象の入出金装置710が輸送計画における入出金装置710と同じか判定する。具体的には、携帯型端末装置300は、警送業務の対象の顧客店舗で、警送業務の対象の入出金装置710から当該入出金装置710の識別情報を読み出す。そして、携帯型端末装置300は、読み出した識別情報が示す入出金装置710が、輸送計画に示される入出金装置710と同じか否かを判定する。識別情報が示す入出金装置710が、輸送計画に示される入出金装置710と異なると判定した場合、携帯型端末装置300は、その旨を報知する。
【0022】
図2は、警送業務支援システム1を用いた警送業務の例を示す図である。
図2の例で、顧客店舗A〜Dの各々に配置された入出金装置710と、顧客店舗A〜Dの外部のデータセンタに配置されたサーバ装置100とが、通信ネットワーク721を介して通信可能となっている。通信ネットワーク721は、通信ネットワーク720の部分の例に該当する。
図2の例では、通信ネットワーク721と通信ネットワーク722との組み合わせが通信ネットワーク720の例に該当する。
【0023】
各顧客店舗A〜Dの入出金装置710では、少なくとも当該入出金装置710の稼働状況が収集される。入出金装置710は、この稼働状況に関するデータを、通信ネットワーク721を介してデータセンタのサーバ装置100に送信する。稼働状況に関するデータには、少なくとも上記の装置識別情報、現金量データ、および、カセット識別情報が含まれる。
【0024】
サーバ装置100は記憶部(後述するサーバ側記憶部)を有している。このサーバ装置100の記憶部に各顧客店舗A〜Dから送信された各入出金装置710の装置識別情報、カセット識別情報、現金カセット750内の現金量のデータが記憶される。また、サーバ装置100は、通信ネットワーク722を介して現金センタのオペレータ端末装置200と通信可能となっている。サーバ装置100の記憶部に記憶された各入出金装置710の装置識別情報、カセット識別情報、現金カセット750内の現金量のデータは、通信ネットワーク722を介して現金センタのオペレータ端末装置200に送信される。
【0025】
現金センタでは、オペレータ端末装置200が、データセンタのサーバ装置100から受信した入出金装置710の現金カセット750内の現金量のデータに基づいて、各顧客店舗A〜Dへの現金(釣銭)の配送計画、および、各顧客店舗A〜Dからの現金(売上金)の回収計画を作成する。前述したように、オペレータ端末装置200が自動的に配送計画および回収計画を作成するようにしてもよいし、オペレータの操作に基づいて配送計画および回収計画を作成するようにしてもよい。
前述したように、これら現金カセット750の配送計画及び回収計画を輸送計画とも言う。また、オペレータ端末装置200による配送計画に基づく警備担当者による現金(釣銭)の各顧客店舗への配送、および、回収計画に基づく警備会社による現金(売上金)の各顧客店舗からの現金の回収を、警送又は現送とも言う。
【0026】
<現送管理システム>
オペレータ端末装置200と携帯型端末装置300との組み合わせを現送管理システム11と言う。前述したように、オペレータ端末装置200は、各顧客店舗に設置された入出金装置710の現金カセット750内の現金量のデータに基づいて現金(売上金)の回収計画及び現金(釣銭)の配送計画を作成する。また、携帯型端末装置300は、入出金装置710を識別するための装置識別情報と、現金カセット750を識別するためのカセット識別情報と、装置識別情報とカセット識別情報とを読み取る。
【0027】
入出金装置710は、オペレータにより操作される貨幣処理装置の一例である。入出金装置710は、顧客店舗で取り扱われた現金の入金を処理する。また、入金された現金に対して釣銭が発生する場合には、入出金装置710は、釣銭の払い出しを行う。
また、入出金装置710には、複数の現金カセット750が装着される。具体的には、入出金装置710は複数の現金カセット750を格納する。実施の形態では、1つの入出金装置710に2つの現金カセット750が装着される場合を例に説明するが、1つの入出金装置710に装着される現金カセット750の個数は2つに限定されず複数であればよい。
入出金装置710に入金された現金は、入出金装置710が格納している複数の現金カセット750の何れかに収納される。また、現金カセット750に収納された現金は釣銭として払い出される。現金カセット750に収納された現金が、当該顧客店舗での売上金となる。
【0028】
入出金装置710の本体外周面には、当該入出金装置710自体を識別するための装置識別情報が設けられている。装置識別情報は、QRコード(登録商標)などの二次元コードで表示されていてもよい。ただし、装置識別情報の表示形式はこれに限定されず、携帯型端末装置300で読み取り可能な表示形式であればよい。
入出金装置710に設けられている二次元コードを、入出金装置710の二次元コードとも称する。入出金装置710の二次元コードを符号C11で示す。
【0029】
装置識別情報の一例として、入出金装置710の機種を特定する機種情報と、機種毎に装置を特定する装置特定情報とが装置識別情報に含まれていてもよい。警送担当者は、携帯型端末装置300の二次元コードリーダにより入出金装置710に設けられた二次元コードC11を読み取る。これにより携帯型端末装置300は、入出金装置710の機種情報と装置特定情報とを取得し、当該二次元コードC11が設けられた入出金装置710を特定することができる。
【0030】
また実施の形態では、現金カセット750本体の何れかの外周面には、当該現金カセット750を識別するためのカセット識別情報が設けられている。装置識別情報の場合と同様にカセット識別情報は、QRコード(登録商標)などの二次元コードで表示されていてもよい。ただし、カセット識別情報の表示形式はこれに限定されず、携帯型端末装置300で読み取り可能な表示形式であればよい。
【0031】
現金カセット750に設けられている二次元コードを、現金カセット750の二次元コードとも称する。現金カセット750の二次元コードを符号C12で示す。
警送担当者は、携帯型端末装置300の二次元コードリーダにより現金カセット750に設けられた二次元コードC12を読み取る。これにより携帯型端末装置300は、カセット識別情報を取得し、当該二次元コードC12が設けられた現金カセット750を特定することができる。
【0032】
前述したように、各顧客店舗における各入出金装置710の現金カセット750内の現金量等のデータは、データセンタのサーバ装置100に送信される。サーバ装置100により取得された現金量等のデータは、現金センタのオペレータ端末装置200に送信される。
現金センタでは、オペレータは、オペレータ端末装置200を用いて、データセンタのサーバ装置100から送信された各顧客店舗における各入出金装置710の現金カセット750内の現金量等の確認を行う。
【0033】
オペレータ端末装置200は、データセンタのサーバ装置100から送信された各顧客店舗における入出金装置710の現金カセット750内の現金量に基づいて、各顧客店舗における入出金装置710の現金カセット750の回収計画又は配送計画を作成する。具体的には、オペレータ端末装置200は、サーバ装置100から送信された各入出金装置710の現金カセット750内の現金量に基づいて、各顧客店舗の入出金装置710のうち、現金(売上金)がニアフル状態になった現金カセット750、及び現金(釣銭)がニアエンド状態になった現金カセット750を検出する。そして、オペレータ端末装置200は、検出した現金カセット750毎に、その現金カセット750と交換する現金カセット750(交換用現金カセット)を決定する。さらに、オペレータ端末装置200は、現金カセットの輸送および交換をどの顧客店舗から順番に行うかの輸送計画を作成する。
【0034】
現金センタでは、交換用現金カセットが予め用意されている。具体的には、現金がニアフル状態の現金カセット750と交換するためのニアフル状態でない現金カセット750(交換用現金カセット)と、ニアエンド状態の現金カセット750と交換するためのニアエンド状態でない現金カセット750(交換用現金カセット)とが、予め準備されている。
【0035】
交換用現金カセットとして現金カセット750が用いられる。したがって、交換用現金カセットには、当該交換用現金カセットを特定するためのカセット識別情報(二次元コードC12)が設けられている。警送担当者は、二次元コードリーダにより交換用現金カセットに設けられた二次元コードC12を読み取ることで、カセット識別情報を取得し、当該二次元コードC12が設けられた交換用現金カセットを特定することができる。
【0036】
実施の形態では、交換用現金カセットは、カート760に積み込まれる。カート760にはカート760を特定するためのカート識別情報が設けられている。このカート識別情報は、QRコード(登録商標)などの二次元コードで表示されていてもよい。ただし、カート識別情報の表示形式はこれに限定されず、携帯型端末装置300で読み取り可能な表示形式であればよい。
カート760に設けられている二次元コードを、カート760の二次元コードとも称する。カート760の二次元コードを符号C13で示す。
【0037】
現金センタのオペレータは、カート760に積み込む予定の交換用現金カセットのカセット識別情報と、当該カート760のカート識別情報とを紐付けて二次元コードリーダで読み込む。これにより、携帯型端末装置300では、交換用現金カセットのカセット識別情報とカート識別とが紐付けられて記憶される。
【0038】
カート760に積み込まれた現金カセット750(交換用現金カセット)を確認する場合、オペレータは、警送業務時に、二次元コードリーダでカート760に設けられたカート識別情報を読み込む。これにより、オペレータは、当該カート760に積み込まれた交換用現金カセットを確認することができる。1つのカート760に複数の交換用現金カセットが積み込まれた場合でも、カート760のカート識別情報を読み込むことで、積み込まれた複数の交換用現金カセットの全てを確認することができる。
【0039】
現金センタで用意された交換用現金カセットを積み込んだカート760は、警備会社の警送担当者により現金輸送車に積み込まれる。警送担当者は、携帯型端末装置300を所持している。この携帯型端末装置300は、二次元コードを読み取る二次元コードリーダ機能と、携帯型端末装置300の位置情報を取得するGPS機能とを少なくとも有している。
【0040】
警送担当者が保有する携帯型端末装置300は固有の端末識別情報を有している。この端末識別情報は、現金センタのオペレータ端末装置200に登録されており、前述した回収計画又は配送計画と関連させて記憶されている。よって、オペレータ端末装置200では、どの携帯型端末装置300を保有する警送担当者がどの回収計画(回収ルート)又は配送計画(配送ルート)に基づいて現金の輸送を行うのかを把握することができる。
【0041】
図3は、サーバ装置100の機能構成の例を示す図である。
図3に示す例で、サーバ装置100は、サーバ側通信部110と、サーバ側記憶部180と、サーバ側制御部190とを備える。
サーバ側通信部110は、他の装置と通信を行う。例えばサーバ側通信部110は、入出金装置710の各々から当該入出金装置710の稼働状況情報を受信する。また、入出金装置710の各々の稼働状況情報をオペレータ端末側操作部230へ送信する。
【0042】
サーバ側記憶部180は、各種データを記憶する。例えばサーバ側記憶部180は、サーバ側通信部110が入出金装置710の各々から受信する当該入出金装置710の稼働状況情報を記憶する。サーバ側記憶部180の機能は、サーバ側記憶部180が備える記憶デバイスを用いて実行される。
サーバ側制御部190は、サーバ装置100の各部を制御して各種処理を行う。サーバ側制御部190の機能は、サーバ装置100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)がサーバ側記憶部180からプログラムを読み出して実行することで実行される。
【0043】
図4は、オペレータ端末装置200の機能構成の例を示す図である。
図4に示す構成で、オペレータ端末装置200は、オペレータ端末側通信部210と、オペレータ端末側表示部220と、オペレータ端末側操作部230と、オペレータ端末側記憶部280と、オペレータ端末側制御部290とを備える。オペレータ端末側制御部290は、輸送計画作成部291と、輸送計画管理部292とを備える。
オペレータ端末側通信部210は、他の装置と通信を行う。例えばオペレータ端末側通信部210は、入出金装置710の各々の稼働状況情報をサーバ装置100から受信する。また、オペレータ端末側通信部210は、輸送計画作成部291が作成する輸送計画を携帯型端末装置300へ送信する。
【0044】
オペレータ端末側表示部220は、例えば液晶パネルまたはLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)パネル等の表示画面を備えて各種画像を表示する。例えばオペレータ端末側表示部220は輸送計画を表示する。
オペレータ端末側操作部230は、例えばキーボードおよびマウス等の入力デバイスを備え、ユーザ操作を受ける。
【0045】
オペレータ端末側記憶部280は、各種データを記憶する。例えばオペレータ端末側記憶部280は、オペレータ端末側通信部210がサーバ装置100から受信する入出金装置710の各々の稼働状況情報を受信する。また、オペレータ端末側記憶部280は、輸送計画作成部291が作成する輸送計画を記憶する。オペレータ端末側記憶部280の機能は、オペレータ端末側操作部230が備える記憶デバイスを用いて実行される。
オペレータ端末側制御部290は、オペレータ端末装置200の各部を制御して各種処理を行う。オペレータ端末側制御部290の機能は、オペレータ端末装置200が備えるCPUがオペレータ端末側記憶部280からプログラムを読み出して実行することで実行される。
【0046】
輸送計画作成部291は、入出金装置710の各々の稼働状況情報に基づいて輸送計画を作成する。上述したように、輸送計画作成部291が自動的に輸送計画を作成するようにしてもよい。あるいは、輸送計画作成部291がユーザ操作に従って輸送計画を作成するようにしてもよい。
輸送計画管理部292は、輸送計画を管理する。例えば、輸送計画管理部292は、輸送計画作成部291が作成した輸送計画を、オペレータ端末側記憶部280に記憶させる。また、輸送計画管理部292は、携帯型端末装置300からの送信要求に基づいて、オペレータ端末側通信部210を制御して輸送計画を携帯型端末装置300に送信させる。
【0047】
図5は、携帯型端末装置300の機能構成の例を示す図である。
図5に示す構成で、携帯型端末装置300は、携帯型端末側通信部310と、携帯型端末側表示部320と、携帯型端末側操作部330と、撮像部340と、携帯型端末側記憶部380と、携帯型端末側制御部390とを備える。携帯型端末側制御部390は、輸送計画要求部391と、店舗関連情報取得部392と、店舗確認処理部393と、二次元コード変換部394とを備える。
携帯型端末側通信部310は、他の装置と通信を行う。例えば携帯型端末側通信部310は、輸送計画要求部391の制御に従って、輸送計画の送信要求をオペレータ端末装置200へ送信する。そして、携帯型端末側通信部310は、オペレータ端末装置200が送信する輸送計画を受信する。
【0048】
携帯型端末側表示部320は、例えば液晶パネルまたはLEDパネル等の表示画面を備えて各種画像を表示する。例えば携帯型端末側表示部320は、現金カセット750の配送または回収に訪れた顧客店舗における配送または回収の対象と、輸送計画における配送または回収の対象とが異なると判定された場合、その旨をメッセージにて表示する。これにより、携帯型端末装置300は、顧客店舗における配送または回収の対象が輸送計画と異なっている可能性があることを警送担当者に報知する。
【0049】
ここで、顧客店舗における現金の配送または回収の対象を示す情報を店舗関連情報と称する。また、輸送計画における現金の配送または回収の対象を示す情報を予定店舗関連情報と称する。
店舗関連情報および予定店舗関連情報は、両者が同一か否かを判定可能であればよく、いろいろな情報とすることができる。例えば、店舗関連情報および予定店舗関連情報が、支店名または支店コードなど、店舗を識別する情報であってもよい。
あるいは、店舗関連情報および予定店舗関連情報が入出金装置710を識別する情報であってもよい。例えば、店舗関連情報は、顧客店舗で入出金装置710の二次元コードC11を携帯型端末装置300で読み取って得られる装置識別情報であってもよい。予定店舗関連情報は、輸送計画に示される装置識別情報であってもよい。
【0050】
あるいは、店舗関連情報および予定店舗関連情報が、現金カセット750を識別する情報であってもよい。例えば、店舗関連情報は、顧客店舗の入出金装置710に格納されている現金カセット750の二次元コードC12を携帯型端末装置300で読み取って得られるカセット識別情報であってもよい。予定店舗関連情報は、輸送計画に示されるカセット識別情報であってもよい。
あるいは、店舗関連情報および予定店舗関連情報は、店舗を識別情報、入出金装置710を識別する情報、および、現金カセット750を識別する情報のうち何れか2つ以上が組み合わせられた情報であってもよい。
【0051】
携帯型端末側表示部320は報知部の例に該当する。ただし、携帯型端末装置300が、顧客店舗における配送または回収の対象が輸送計画と異なっている可能性があることを報知する方法は、メッセージの表示による方法に限定されない。たとえば、携帯型端末装置300がスピーカを備え、メッセージの表示に加えてまたは代えて、警報メッセージまたは警報音など音の出力によって報知を行うようにしてもよい。
【0052】
携帯型端末側操作部330は、例えば携帯型端末側表示部320の表示画面に設けられてタッチパネルを構成するタッチセンサを備え、ユーザ操作を受け付ける。
撮像部340は、撮像を行う。特に、撮像部340は、二次元コードリーダのカメラとして機能する。具体的には、撮像部340は、二次元コードリーダに向けられた状態で携帯型端末側制御部390の制御に従って撮像を行う。この撮像により、撮像部340は、二次元コードの画像データを生成する。
【0053】
携帯型端末側記憶部380は、各種情報を記憶する。例えば携帯型端末側記憶部380は、携帯型端末側通信部310が受信する輸送計画を記憶する。携帯型端末側記憶部380の機能は、携帯型端末装置300が備える記憶デバイスを用いて実行される。
携帯型端末側制御部390は、携帯型端末装置300の各部を制御して各種処理を実行する。携帯型端末側制御部390の機能は、携帯型端末装置300が備えるCPUが携帯型端末側記憶部380からプログラムを読み出して実行することで実行される。
【0054】
輸送計画要求部391は、輸送計画に関する情報の送信をオペレータ端末装置200に要求する。具体的には、輸送計画要求部391は、輸送計画の送信要求を、携帯型端末側通信部310を介してオペレータ端末装置200へ送信する。そして、輸送計画要求部391は、携帯型端末側通信部310の受信信号から輸送計画を抽出する。これにより、輸送計画要求部391は輸送計画を取得する。
店舗関連情報取得部392は、店舗関連情報を取得する。上記のように店舗関連情報は、顧客店舗において現金の配送または回収が行われる対象を識別する情報である。
【0055】
撮像部340と店舗関連情報取得部392との組み合わせは、二次元コードリーダとして機能する。具体的には、撮像部340は、店舗関連情報取得部392が取得する二次元コードの画像を、その二次元コードが示す情報(文字列)に変換する。
特に、撮像部340が入出金装置710の二次元コードC11を撮像すると、店舗関連情報取得部392は、その二次元コードC11の画像データを装置識別情報に変換する。また、撮像部340が現金カセット750の二次元コードC12を撮像すると、店舗関連情報取得部392は、その二次元コードC12の画像データをカセット識別情報に変換する。また、撮像部340がカート760の二次元コードC13を撮像すると、店舗関連情報取得部392は、その二次元コードC13の画像をカート識別情報に変換する。
【0056】
店舗確認処理部393は、予定店舗関連情報と、前記店舗関連情報とを比較する。上記のように、予定店舗関連情報は、輸送計画における現金の配送または回収の対象を示す情報である。
店舗確認処理部393は、予定店舗関連情報が示す現金の配送または回収の対象と、店舗関連情報が示す現金の配送または回収の対象とが同一か否かを判定する。具体的には、店舗確認処理部393は、輸送計画から文字列の形式の予定店舗情報を読み出す。また、店舗確認処理部393は、店舗関連情報取得部392が二次元コードの画像を変換した文字列(文字列の形式の店舗関連情報)を取得する。そして、店舗確認処理部393は、得られた予定店舗関連情報と店舗関連情報とが文字列として等しいか否かを判定する。
【0057】
二次元コード変換部394は、携帯型端末側通信部310がオペレータ端末装置200から受信した輸送計画を二次元コードに変換する。この二次元コードは、警送担当者が交代する場合の引継ぎに用いられる。
当初予定していた警送担当者が輸送業務を行えなくなった場合、他の警送担当者が輸送業務を引き継いで行う場合がある。この場合、元の警送担当者は、輸送計画を受信した自己の携帯型端末装置300を置いていくことはできないことが考えられる。そこで、二次元コード変換部394が、輸送計画の情報を二次元コードに変換する。元の警送担当者は、この二次元コードをプリンタで印刷し、その印刷物を例えばカート760に取り付けておく。
【0058】
図6は、警送担当者の引継ぎ用の印刷物の例を示す図である。
図6の例で、二次元コード変換部394が輸送計画を変換した二次元コードC21が紙媒体に印刷されている。この二次元コードC21が印刷された紙媒体は、輸送計画の二次元コードをプリンタで印刷した印刷物の例に該当する。
輸送業務を引き継いだ警送担当者は、自己の携帯型端末装置300の二次元コードリーダ(撮像部340と店舗関連情報取得部392との組み合わせ)を用いて、印刷された二次元コードを読み取る。
図6の例の場合、輸送業務を引き継いだ警送担当者は、二次元コードC21を自己の携帯型端末装置300の二次元コードリーダで読み取る。これにより、元の警送担当者から引き継ぎ後の警送担当者へ、輸送計画を確実に引き継ぐことができる。特に、引継ぎ用の印刷物は、輸送対象(カート760)に取り付けられているので、輸送業務を早く終えて現金センタに戻ってきた現金輸送車の警送担当者が、この引継ぎ用の印刷物を読み取ることで、当該現金輸送車で輸送対象物を輸送計画に基づいて適切に輸送することができる。
【0059】
<警送業務支援システムの動作>
次に、警送支援システムの動作について説明する。
図7は、警送支援システムを用いた警送業務における、現金センタでの準備の処理手順の例を示す図である。
【0060】
(ステップS111)
現金センタにおいて、オペレータ端末装置200は、入出金装置710の現金カセット750内の現金量データを、データセンタのサーバ装置100から受信する。オペレータは、オペレータ端末装置200が受信した現金量データを参照する。あるいは、オペレータがサーバ装置100から現金量データを取得してオペレータ端末装置200へ入力するようにしてもよい。
【0061】
(ステップS112)
オペレータ端末装置200は、入出金装置710の現金カセット750内の現金量データに基づいて、どの顧客店舗のどの入出金装置710に対して、どれだけの現金を収納した現金カセット750(交換用現金カセット)がいくつ必要なのかを算出する。
【0062】
(ステップS113)
そして、オペレータ端末装置200は、どの顧客店舗に対してどの交換用現金カセットをどのような順番で輸送するかを決めた輸送計画を作成する。この輸送計画には、現金カセット750の配送計画と回収計画との両方が含まれる。この輸送計画と警送担当者(警送担当者が保有する携帯型端末装置300)とが紐付けられており、どの輸送計画をどの警送担当者が担当するのかが決められている。
【0063】
(ステップS114)
現金センタでは、例えばオペレータが、オペレータ端末装置200により作成された輸送計画に基づいて、各顧客店舗に輸送する交換用現金カセットを用意する。
(ステップS121)
次に、警備会社の警送担当者は、現金センタにおいて用意された交換用現金カセットに設けられたカセット識別情報(二次元コード)を、携帯型端末装置300の二次元コードリーダ(撮像部340および店舗関連情報取得部392)で読み取る。また、警送担当者は、この交換用現金カセットを積み込むカート760のカート識別情報を、携帯型端末装置300の二次元コードリーダで読み取る。これにより、カート760と交換用現金カセットとが紐付けられる。
【0064】
(ステップS122)
また、警送担当者の携帯型端末装置300は、オペレータ端末装置200から輸送計画を取得する。
(ステップS123)
そして、携帯型端末装置300は、カート760に積み込まれた交換用現金カセットが輸送計画で決められた交換用現金カセットと一致するか否かを判定する。例えば、携帯型端末装置300は、カート760に積み込まれた交換用現金カセットのカセット識別情報および交換用現金カセットの個数が、輸送計画におけるカセット識別情報および個数と一致するか否かを判定する。積み込まれた交換用現金カセットが輸送計画で決められた交換用現金カセットと異なると判定した場合、携帯型端末装置300は、警送担当者にエラーを報知する。
【0065】
(ステップS124)
警送担当者の携帯型端末装置300の二次元コードリーダで読み取られたカート識別情報は、携帯型端末装置300の携帯型端末側記憶部380に記憶される。
(ステップS125)
警送担当者は、交換用現金カセットを積み込んだカート760を現金輸送車770に載せる。そして、警送担当者は、輸送計画で決められた順番で、顧客店舗毎にその顧客店舗に対応するカート760を搬送する。
【0066】
図8は、警送支援システムを用いた警送業務における、顧客店舗での処理手順の例を示す図である。
(ステップS131)
各顧客店舗において、警送担当者は、携帯型端末装置300の二次元コードリーダを用いて、各入出金装置710に設けられた装置識別情報と、当該入出金装置710の各現金カセット750に設けられたカセット識別情報とを読み取る。
(ステップS132)
携帯型端末装置300は、顧客店舗で読み取った装置識別情報とカセット識別情報とが、輸送計画で予め決められた装置識別情報とカセット識別情報と一致しているか否かを判定する。ここで、携帯型端末装置300は、一致していないと判定した場合、音や音声、表示などにより警送担当者にその旨を報知する。
【0067】
(ステップS133)
一方、顧客店舗で読み取った装置識別情報及びカセット識別情報と、輸送計画で予め決められた装置識別情報とカセット識別情報とが一致している場合、警送担当者は、輸送計画に基づいて、現金カセット750の配送作業又は回収作業を実行する。具体的には、顧客店舗に設置された入出金装置710の現金カセット750内の現金(売上金)がニアフルの場合、警送担当者は、入出金装置710からニアフルの現金カセット750を取り出し、現金量がニアフルでない交換用現金カセットを入出金装置710に装着する(回収作業)。また、入出金装置710の現金カセット750がニアエンドの場合、警送担当者は、入出金装置710からニアエンドの現金カセット750を取り出し、現金量がニアエンドでない交換用現金カセットを入出金装置710に装着する(配送作業)。
【0068】
(ステップS134)
なお、前述した二次元コードリーダにより読み取られた入出金装置710の装置識別情報および現金カセット750のカセット識別情報は、二次元コードリーダで読み取られた時刻(日時)と紐付けられて、現金センタのオペレータ端末装置200に送信される。現金センタのオペレータは、オペレータ端末装置200により装置識別情報とカセット識別情報の読み取り時刻を参照することで、警送作業の履歴、進捗を確認することができる。
【0069】
<輸送計画の決定処理>
次に、現金センタのオペレータ端末装置200による輸送計画の決定処理について説明する。
図9は、輸送計画における現金カセット750の輸送ルートの、オペレータ端末装置200による表示例を示す図である。
図9の例で、オペレータ端末装置200のオペレータ端末側表示部220は、現金センタの位置と、輸送業務の対象となる顧客店舗A、B、C、Dそれぞれの位置とを地図上に表示している。また、オペレータ端末側表示部220は、現金輸送車770が顧客店舗A、B、C、Dを巡回する輸送ルートの候補として、ルートA、B、Cの3つのルートを表示している。オペレータが、オペレータ端末側表示部220が表示する輸送ルートのうち何れかに決定するユーザ操作をオペレータ端末側操作部230にて行うと、輸送計画作成部291が、その輸送ルートに決定する。
輸送ルートの候補を提示する際、オペレータ端末側表示部220は、輸送ルートの候補の何れかを地図上に表示する。
図9の例では、顧客店舗B、A、D、Cの順に巡回するルートAが地図上に表示されている。
【0070】
前述したように、オペレータ端末装置200は、各顧客店舗の各入出金装置710における現金カセット750のニアフル又はニアエンドの状態(稼働状況)をサーバ装置100から取得する。そして、輸送計画作成部291が、各顧客店舗の各入出金装置710における現金カセット750の稼働状況に基づいて、各顧客店舗への現金カセット750の輸送計画を作成する。輸送計画の作成において、輸送計画作成部291は、現金輸送車770が交換用現金カセットを各顧客店舗へ輸送するルートを決定する。
【0071】
オペレータ端末装置200が、現金センタと顧客店舗との距離、現金カセット750の稼働状況、および、1つの顧客店舗へ輸送する現金カセット750の個数のうち何れか、またはこれらの組み合わせに基づいて、輸送ルートまたはその候補を決定するようにしてもよい。
【0072】
(1)現金センタと顧客店舗との距離に基づく場合
輸送計画作成部291は、まず、現金センタから最も近い顧客店舗を選択する。そして、輸送計画作成部291は、最後に選択した顧客店舗から最も近い未選択の顧客店舗を選択する。輸送計画作成部291は、輸送業務の対象となっている全ての顧客店舗を選択するまで、最後に選択した顧客店舗から最も近い未選択の顧客店舗の選択を繰り返す。全ての顧客店舗を選択すると、輸送計画作成部291は、現金センタから出発して、顧客店舗を選択順に辿り、現金センタに戻るルートを設定する。
【0073】
図9の例では、ルートAが、現金センタと顧客店舗との距離に基づく輸送ルートの例に該当する。ルートAでは、現金センタを出発し、現金センタに最も近い顧客店舗Bに進む。顧客店舗Bからは、残りの顧客店舗A、C、Dのうち顧客店舗Bに最も近い顧客店舗Aに進む。顧客店舗Aからは、残りの顧客店舗C、Dのうち顧客店舗Aに最も近い顧客店舗Dに進む。顧客店舗Dからは、残りの顧客店舗Cに進む。そして、顧客店舗Cから現金センタに戻る。
【0074】
あるいは、輸送計画作成部291が、現金センターに徐々に近付くように、輸送ルートを決定するようにしてもよい。例えば、輸送計画作成部291が、まず、現金センタから最も遠い顧客店舗を選択するようにしてもよい。そして、輸送計画作成部291が、上記の場合と同様に、最後に選択した顧客店舗から最も近い未選択の顧客店舗を選択するようにしてもよい。輸送計画作成部291は、輸送業務の対象となっている全ての顧客店舗を選択するまで、最後に選択した顧客店舗から最も近い未選択の顧客店舗の選択を繰り返す。全ての顧客店舗を選択すると、輸送計画作成部291は、現金センタから出発して、顧客店舗を選択順に辿り、現金センタに戻るルートを設定する。
【0075】
(2)現金カセット750の稼働状況に基づく場合
輸送計画作成部291は、緊急性の高い現金カセット750の店舗を優先的に巡回するように輸送ルートを決定する。より具体的には、輸送計画作成部291は、フル状態により近い現金カセット750がある顧客店舗、および、エンド状態により近い現金カセット750がある顧客店舗をより早く巡回するように輸送ルートを設定する。
【0076】
図9の例では、ルートBが、現金カセット750の稼働状況に基づく輸送ルートの例に該当する。
図2の例では、顧客店舗A、B、C、Dの順に現金カセット750の交換の緊急性が高くなっている。これに従い、輸送計画作成部291は、現金センタを出発して顧客店舗A、B、C、Dの順に辿り、現金センタに戻るルートBを設定している。
【0077】
(3)1つの顧客店舗へ輸送する現金カセット750の個数に基づく場合
輸送計画作成部291は、輸送する現金カセット750の個数が多い顧客店舗の順番に輸送ルートを設定する。
図9の例では、ルートCが、1つの顧客店舗へ輸送する現金カセット750の個数に基づく輸送ルートの例に該当する。
図2の例では、顧客店舗Cに輸送する現金カセット750の個数が3個で最も多い。顧客店舗B、Cに輸送する現金カセット750の個数は2個である。顧客店舗Dに輸送する現金カセット750の個数が1個で最も少ない。これに従い、輸送計画作成部291は、現金センタを出発して顧客店舗D、B、D、Aの順に辿り、現金センタに戻るルートCを設定している。
【0078】
なお、輸送する現金カセット750の個数が多い顧客店舗の順番に輸送ルートを設定する場合、輸送計画作成部291が、輸送する現金カセット750の個数が同数の顧客店舗を辿る順番を決定する方法は特定の方法に限定されない。
図9の例では、輸送計画作成部291が、輸送する現金カセット750の個数が同数の顧客店舗を辿る順番を、現金カセット750の稼働状況に基づいて決定する場合の例を示している。具体的には、輸送計画作成部291は、輸送する現金カセット750の個数が何れも2つである顧客店舗B、Dのうち、現金カセット750の交換の緊急性がより高い顧客店舗Bを先に巡回するように設定している。
【0079】
あるいは、オペレータ端末装置200が、配送または回収する現金量に基づいて輸送計画を作成するようにしてもよい。
【0080】
あるいは、オペレータ端末装置200が、現金の配送または回収を行う予定の時間帯における交通情報に基づいて輸送計画を作成するようにしてもよい。例えば、オペレータ端末装置200が、交通渋滞の発生個所について、交通渋滞が発生する時間帯を避けて通るように、輸送計画を作成するようにしてもよい。オペレータ端末装置200によれば、交通渋滞を回避して輸送計画を比較的効率的に作成できる。
【0081】
あるいは、オペレータが、顧客店舗を巡回する順番を指定するようにしてもよい。例えば、オペレータが、地図上で顧客店舗を順にタッチ操作またはマウスクリックする等により、顧客店舗を巡回する順番を指定するようにしてもよい。輸送計画作成部291は、オペレータが指定した順番に従って輸送ルートを決定する。
なお、複数の顧客の現金カセット750を一緒に輸送することが禁止されている場合、輸送計画作成部291は、顧客毎に輸送計画を作成する。例えば、輸送計画作成部291は、銀行毎に、同一の銀行の各支店の輸送ルートを決定する。また、輸送計画作成部291は、小売業者毎に、同一の業者の各支店の輸送ルートを決定する。
【0082】
<輸送計画の取得操作>
次に、携帯型端末装置300が輸送計画を取得するための操作例について説明する。
図10は、携帯型端末装置300が輸送計画を取得するための操作の例を示す図である。
図10の例で、警送担当者の携帯型端末装置300の携帯型端末側表示部320には、受信ボタンが表示されている。警送担当者がこの受信ボタンの選択操作を行うと、輸送計画要求部391は携帯型端末側通信部310を制御して、現金センタのオペレータ端末装置200に対して輸送計画(輸送ルート)の送信を要求する送信要求信号を送信させる。画面表示されているボタンの選択操作は、例えば、当該ボタンに対するタッチ操作またはマウスクリックで行われる。
【0083】
オペレータ端末装置200は、携帯型端末装置300からの送信要求信号を受け付けると、事前に作成した輸送計画(輸送ルート)を携帯型端末装置300に送信する。これにより、警送担当者は、オペレータ端末装置200で作成された輸送ルート情報をワンタッチで取得することができる。
そして、携帯型端末装置300の二次元コード変換部394は、オペレータ端末装置200から受信した輸送計画(輸送ルート)を二次元コードC21の情報に変換し、表示部に表示する。
警送担当者が引き継がれる場合、上述したように、警送担当者が引き継がれる場合、二次元コードC21を印刷した印刷物を元の警送担当者から引き継ぎ後の警送担当者に受け渡すようにしてもよい。
【0084】
<輸送状況の確認>
次に、警送支援システムにおける現金カセット750の輸送状況の確認方法について説明する。
図11は、現金カセット750の輸送状況のオペレータ端末装置200による表示例を示す図である。
現金輸送車にはGNSSシステム(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)等の測位システムが設けられており、現金輸送車770の現在位置がオペレータ端末装置200に表示されるようになっている。地図上には、今回の輸送計画で行く必要がある顧客店舗が記されており、現金輸送車770が顧客店舗を通過したか否かが表示される。
【0085】
図11の例では、オペレータ端末側表示部220は、現金センタの位置と、輸送業務の対象となる顧客店舗A、B、C、Dそれぞれの位置とを地図上に表示している。また、オペレータ端末側表示部220は、現金輸送車770が顧客店舗を顧客店舗B、A、D、Cの順に巡回する輸送ルートを地図上に示している。
さらに、オペレータ端末側表示部220は、現金輸送車770の現在位置を地図上に表示している。オペレータは、オペレータ端末側表示部220の表示を参照することで、現金輸送車770が輸送ルートのどこまで進んだかといった輸送計画の進捗状況を把握できる。
【0086】
なお、携帯型端末装置300が顧客店舗の入出金装置710の二次元コードC11を読み取った場合、警送担当者がその顧客店舗に行ったことが分かる。携帯型端末装置300が顧客店舗の入出金装置710に格納されている現金カセット750の二次元コードC12を読み取った場合も、警送担当者がその顧客店舗に行ったことが分かる。これらの場合、オペレータ端末側表示部220が、地図上での当該顧客店舗の表示を異なる表示に変えるようにしてもよい。
【0087】
オペレータ端末側表示部220が、顧客店舗の表示を異なる表示に変える表示形式は、特定の表示形式に限定されない。例えば、オペレータ端末側表示部220が、オペレータ端末側制御部290の制御に従って、当該顧客店舗の表示色を変えるようにしてもよい。あるいは、オペレータ端末側表示部220が、オペレータ端末側制御部290の制御に従って、当該顧客店舗を示す図形を変えるようにしてもよい。
【0088】
また、現金輸送車にGPSシステムが搭載されていない場合、警送担当者が所持する携帯型端末装置300のGPS機能を用いるようにしてもよい。あるいは、オペレータ端末側表示部220が、携帯型端末装置300と基地局との無線通信に基づいて得られる携帯型端末装置300の推定位置を、地図上に表示するようにしてもよい。
【0089】
また、警送業務支援システム1(例えば、オペレータ端末装置200)が、輸送計画から輸送の推定所要時間または顧客店舗への推定到着時刻を算出しておくようにしてもよい。輸送の推定所要時間を超過した場合、または、顧客店舗への推定到着時刻において警送担当者が当該顧客店舗に未着の場合、オペレータ端末装置200がアラーム出力するようにしてもよい。あるいは、この場合、警送担当者の携帯型端末装置300がアラームを出力するようにしてもよい。
これにより、オペレータまたは警送担当者は、輸送業務が遅れていることを認識できる。
【0090】
なお、警送担当者が、現金カセット750に加えて、あるいは代えて、現金バッグ(現金鞄)を輸送するようにしてもよい。この場合、携帯型端末装置300が、顧客店舗の入出金装置710の装置識別情報(二次元コードC11)に加えて、あるいは代えて、当該顧客店舗の担当者の識別情報を読み取るようにしてもよい。例えば、携帯型端末装置300が、当該顧客店舗の担当者のIDカードに示される担当者コードを読み取るようにしてもよい。
顧客店舗の担当者を、店舗担当者とも称する。
【0091】
<重要物管理装置との連携>
警送管理システムが重要物管理装置と連携するようにしてもよい。
図12は、実施の形態の第1の変形例にかかる重要物管理システムの構成例を示す図である。
図12に示す構成で、警送業務支援システム2は、サーバ装置100と、オペレータ端末装置200と、携帯型端末装置300と、重要物管理装置810と、店舗端末装置820と、二次元コードリーダ830とを備える。
【0092】
図12の各部のうち、
図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には、同一の符号(100、200、300、720)を付して説明を省略する。警送業務支援システム2では、入出金装置710に代えて重要物管理装置810と、店舗端末装置820と、二次元コードリーダ830とが顧客店舗に設けられている点で、警送業務支援システム1の場合と異なる。それ以外の点では、警送業務支援システム2は警送業務支援システム1と同様である。
【0093】
なお、重要物管理装置810と、店舗端末装置820と、二次元コードリーダ830とが、警送業務支援システム2の一部として構成されていてもよい。あるいは、重要物管理装置810と、店舗端末装置820と、二次元コードリーダ830とのうちの一部または全部が、警送業務支援システム2の外部の構成となっていてもよい。
また、警送業務支援システム2が、重要物管理装置810に加えて入出金装置710も輸送計画の対象とするようにしてもよい。
【0094】
警送業務支援システム2では、警送担当者と顧客店舗の担当者とが直接会う必要がなく、売上金又は釣銭などの現金が入った現金カセット750または現金バッグなどを、重要物管理装置810を介して間接的に授受することができる。警送業務支援システム2によれば、この点で、警送担当者と顧客店舗の担当者との都合に合わせた現金の授受が可能となる。これにより、警送業務支援システム2によれば、警送担当者と顧客店舗の担当者との間の現金の授受の効率化と、安全性の向上を図ることができる。
現金カセット750または現金バッグなど授受の対象を現金バッグ等850と称する。
【0095】
重要物管理装置810は、複数のロッカーを備える。これら複数のロッカーのうち1つ以上のロッカーが、警送担当者と顧客店舗の担当者との間の受け渡しの専用ロッカーとして用いられる。
二次元コードリーダ830は、二次元コードを読み取る。特に、二次元コードリーダ830は、顧客店舗の担当者の識別情報(後述する個人認証情報)を、二次元コードから読み出す。二次元コードリーダ830が、顧客店舗の担当者の識別情報に加えて、あるいは代えて、警送担当者の識別情報を取得するようにしてもよい。二次元コードリーダ830は、認証情報取得部の例に該当する。
【0096】
店舗端末装置820は、二次元コードリーダ830が取得する顧客店舗の店舗担当者の識別情報または警送業務の警送担当者の識別情報を取得する。そして、店舗端末装置820は、二次元コードリーダ830から取得した顧客店舗の店舗担当者の識別情報または警送業務の警送担当者の識別情報が、輸送計画で予定されている顧客店舗の店舗担当者の識別情報または警送業務の警送担当者の識別情報と一致するか否かを判定する。これらの識別情報が一致すると判定した場合、店舗端末装置820は、重要物管理装置810を制御して、複数のロッカーのうち、当該店舗担当者または当該警送担当者に紐付けられたロッカーを解錠させる。
【0097】
<売上金の回収>
顧客店舗の担当者が受け渡しの対象物を重要物管理装置810に預け入れ、警送担当者が当該対象物を重要物管理装置810から受け取る場合について、顧客店舗の担当者から警送担当者へ、入出金装置710の売上金を受け渡す場合を例に説明する。
【0098】
図13は、顧客店舗の担当者が受け渡しの対象物を重要物管理装置810に預け入れる場合の処理手順の例を示す図である。
図13の例で、顧客店舗の担当者は、自己の個人認証情報を店舗端末装置820に読み取らせる。ここでいう個人認証情報は、個人を識別する情報である。ここでは、個人認証情報はQRコード(登録商標)などの二次元コードC31にて、個人認証カード840に示されている。顧客店舗の担当者は、自己の保有する個人認証カード840に印刷された二次元コードC31を店舗端末装置820の二次元コードリーダ830に読み取らせる。店舗端末装置820は、読み取った二次元コードC31を個人認証情報に変換する。
【0099】
また、重要物管理装置810は、重要物管理装置810のロッカーの開閉などの制御を行うための制御部を備えている。この制御部には、警送業務支援システム2を使用する顧客店舗の担当者の個人認証情報が予め記憶されている。重要物管理装置810の制御部は、二次元コードリーダ830で読み取られた担当者の個人認証情報が、予め記憶している個人認証情報と一致するか否かを判定する。個人認証情報を予め複数記憶している場合、重要物管理装置810の制御部は、二次元コードリーダ830で読み取られた担当者の個人認証情報が、予め記憶している複数の個人認証情報のうちの何れかと一致するか否かを判定する。二次元コードリーダ830で読み取られた担当者の個人認証情報が、予め記憶している個人認証情報と一致すると判定した場合、重要物管理装置810の制御部は、その担当者に対応する専用ロッカー(その担当者に予め紐付けられている専用ロッカー)の扉を開放する。
【0100】
ここで、顧客店舗の担当者と警送担当者の間の受け渡しに通常のロッカーを使用する場合、ロッカーが全て使用中だと受け渡しを行えないといった不都合が生じる。これに対し、警送業務支援システム2では、顧客店舗の担当者と警送担当者の間の受け渡しに専用のロッカーを使用する。これにより、ロッカーが全て使用中のために受け渡しを行えないといった不都合が生じない。
図13の例では、二次元コードC32が付された、図に向かって最右最下のロッカーが、専用ロッカーとして用いられる。
【0101】
顧客店舗の担当者は、扉が解放された専用ロッカーに売上金(現金)が入った現金バッグなどの受け渡し対象物(現金バッグ等850)を入れて、扉を閉める。専用ロッカーには、顧客店舗の担当者の情報を示す担当者情報の二次元コードC32が設けられている。警送担当者は、この専用ロッカーの二次元コードC32を読み取ることで、顧客店舗の担当者情報を取得することができる。
【0102】
受け渡しの対象である現金バッグ等850には当該現金バッグ等850を特定する情報が記憶されたICタグ851が設けられている。また、専用ロッカーの内部には、現金バッグ等850のICタグ851を読み取るためのICタグリーダが設けられている。店舗端末装置820は、専用ロッカーに入れられた現金バッグ等のICタグ851の情報を取得する。そして、店舗端末装置820は、ICタグ851の情報と、二次元コードリーダ830が読み取った個人認証情報(顧客店舗の担当者の識別情報)とを、通信ネットワーク720を介してデータセンタのサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、現金バッグ等850のICタグ851の情報および個人認証情報をサーバ側記憶部180に記憶する。
【0103】
前述したように、現金バッグ等850にはICタグ851が取り付けられ、専用ロッカー内部にはICタグリーダが設けられている。重要物管理装置810の制御部は、専用ロッカーに現金バッグ等850が入れられた場合、専用ロッカー内部に設けられたICタグリーダで現金バッグ等850に取り付けられたICタグ851の情報を取得することができる。これにより、重要物管理装置810の制御部は、現金バッグ等850が専用ロッカーに入れられたか否かを検出することができる。担当者は、重要物管理装置810が現金バッグ等850を検出しているか否かを参照して、現金バッグ等850の入れ忘れの防止に役立てることができる。
【0104】
また、予め現金センタのオペレータ端末装置200などに、専用ロッカーに預け入れる予定の現金バッグ等850のバッグ情報を登録しておくようにしてもよい。そして、オペレータ端末装置200が、顧客店舗の担当者が実際に現金バッグ等850を入れた際に得られたICタグ851の情報と、予め登録されたバッグ情報(専用ロッカーに入れる予定のバッグ情報)とを比較するようにしてもよい。これにより、オペレータ端末装置200は、予定通りの適切な現金バッグ等850が専用ロッカーに入れられたか否かを判定することができる。
【0105】
図14は、警送担当者が受け渡しの対象物を重要物管理装置810から受け取る場合の処理手順の例を示す図である。
現金バッグ等850を受け取る場合、警送担当者は、現金バッグ等850が預けられた専用ロッカーに設けられた二次元コードC32を、自己の携帯型端末装置300の二次元コードリーダで読み取る。警送担当者の携帯型端末装置300の携帯型端末側表示部320は、読み取った二次元コードを表示する。警送担当者は、携帯型端末側表示部320に表示された二次元コードを、店舗端末装置820の二次元コードリーダ830に読み取らせる。
【0106】
店舗端末装置820は、現金バッグ等850の情報と、警送担当者の携帯型端末装置300で読み取った二次元コードの情報とが、現金バッグ等850の預け入れ時の情報と一致するか否かを判定する。具体的には、店舗端末装置820は、サーバ側記憶部180が記憶している現金バッグ等850のICタグ851の情報および個人認証情報を取得する。これらの情報は、現金バッグ等850の預け入れ時の情報の例に該当する。そして、専用ロッカーのICタグリーダが読み取るICタグの情報、および、二次元コードリーダ830が読み取った二次元コードの情報が、サーバ側記憶部180から得られた情報と一致するか否かを判定する。
【0107】
現金バッグ等850の情報及び個人認証情報がサーバ装置100に記憶されている情報と一致すると判断した場合、店舗端末装置820は、重要物管理装置810の制御部に対して当該担当者情報に対応する専用ロッカーを開放するように指示する。重要物管理装置810の制御部は、店舗端末装置820からの指示に従って、当該専用ロッカーの扉を開放する。これにより、警送担当者は、顧客店舗の担当者が入れた現金バッグ等850を専用ロッカーから間違いなく確実に取り出すことができる。
【0108】
警送担当者が専用ロッカーから現金バッグ等850を取り出すことで、現金バッグ等850のICタグ851が、専用ロッカーに設けられたICタグリーダに読み取られなくなる。店舗端末装置820は、ICタグリーダが取得していたICタグ851の情報、および、その情報が読み取られなくなったことに基づいて、専用ロッカーから回収予定の適切な現金バッグ等850が取り出されたか否かを判断することができる。
【0109】
ここで、店舗端末装置820は、ICタグ851の情報から専用ロッカーに入れられた現金バッグ等850の数量を検出することができる。現金バッグ等850が専用ロッカーから取り出された場合、店舗端末装置820は、入れられた現金バッグ等850の数量と同じ数量の現金バッグ等850が専用ロッカーから取り出されたか否かを検出することができる。これにより、現金バッグ等850の取り出し忘れを防止することができる。
【0110】
また、予め現金センタのオペレータ端末装置200などに、専用ロッカーから取り出される予定の現金バッグ等850の情報などを登録しておくようにしてもよい。警送担当者が実際に現金バッグを取り出す際、オペレータ端末装置200または店舗端末装置820は、取り出された現金バッグ等850のICタグ851の情報と、予め登録されている情報とが一致するか否かを判定する。これにより、オペレータ端末装置200または店舗端末装置820は、取り出す予定の現金バッグが専用ロッカーから適切に取り出されたか否かを判定することができる。
【0111】
<釣銭の配送>
警送担当者が受け渡しの対象物を重要物管理装置810に預け入れ、顧客店舗の担当者が当該対象物を重要物管理装置810から受け取る場合について、警送担当者から顧客店舗の担当者へ、釣銭を受け渡す場合を例に説明する。
【0112】
図15は、警送担当者が受け渡しの対象物を重要物管理装置810に預け入れる場合の処理手順の例を示す図である。
釣銭を顧客店舗の担当者に受け渡す場合、警送担当者は、重要物管理装置810の専用ロッカーに設けられた二次元コード(顧客店舗に関する識別情報)を自己の携帯型端末装置300の二次元コードリーダで読み取る。警送担当者の携帯型端末装置300の携帯型端末側表示部320は、読み取った二次元コードを表示する。警送担当者は、携帯型端末側表示部320に表示された二次元コードを、重要物管理装置810に接続された店舗端末装置820の二次元コードリーダ830に読み取らせる。
【0113】
重要物管理装置810の制御部は、携帯型端末装置300が読み取った重要物管理装置810の専用ロッカーを特定するための二次元コードの情報と、輸送計画で予め設定された重要物管理装置810の専用ロッカーを特定するための情報としてサーバ装置100に登録された情報とを比較する。携帯型端末装置300から読み取られた二次元コードの情報が、予め登録された情報と一致する場合、重要物管理装置810の制御部は、当該二次元コードに対応する専用ロッカー(当該二次元コードと紐付けられている専用ロッカー)の扉を開放する。
【0114】
警送担当者は、扉が解放された専用ロッカーに、配送予定の現金(釣銭)が収納された現金バッグ等850を預け入れる。専用ロッカーに現金バッグ等850を入れた際、専用ロッカーに設けられたICタグリーダは、現金バッグ等850に設けられたICタグ851の情報を読み取る。重要物管理装置810の制御部は、読み取られたICタグ851の情報を、店舗端末装置820へ送信する。また、重要物管理装置810の制御部は、読み取られたICタグ851の情報と、二次元コードリーダ830が読み取った個人認証情報(顧客店舗の担当者の識別情報)とを、通信ネットワーク720を介してデータセンタのサーバ装置100にも送信する。サーバ装置100は、受信したICタグ851の情報および個人認証情報をサーバ側記憶部180に記憶する。
【0115】
図16は、顧客店舗の担当者が受け渡しの対象物を重要物管理装置810から受け取る場合の処理手順の例を示す図である。
釣銭を専用ロッカーから受け取る場合、顧客店舗の担当者は、店舗端末装置820の二次元コードリーダ830に、個人認証カードに印刷された個人認証情報を読み取らせる。重要物管理装置810の制御部は、二次元コードリーダで読み取られた担当者の個人認証情報と、当該専用ロッカーを使用する者の個人認証情報として予め記憶している個人認証情報とが一致するか否かを判定する。二次元コードリーダで読み取られた担当者の個人認証情報が、予め記憶している個人認証情報と一致すると判定した場合、重要物管理装置810の制御部は、その担当者に対応する専用ロッカー(その担当者に予め紐付けられている専用ロッカー)の扉を開放する。
【0116】
顧客店舗の担当者は、扉が解放された専用ロッカーから釣銭(現金)が入った現金バッグ等850を取り出し、扉を閉める。
警送担当者が専用ロッカーから現金バッグ等850を取り出すことで、現金バッグ等850のICタグ851が、専用ロッカーに設けられたICタグリーダに読み取られなくなる。店舗端末装置820は、ICタグリーダが取得していたICタグ851の情報、および、その情報が読み取られなくなったことに基づいて、専用ロッカーから回収予定の適切な現金バッグ等850が取り出されたか否かを判断することができる。また、店舗端末装置820は、ICタグリーダが読み取るICタグ851の数量を確認することで、当該専用ロッカーに預け入れられた全ての現金バッグ等850が店舗担当者により取り出されたか否かを判断することができる。
【0117】
なお、店舗端末装置820に代えて重要物管理装置810の制御部が、専用ロッカーの制御および専用ロッカー内の状況の確認を行うようにしてもよい。
また、店舗端末装置820が、ICタグリーダが読み取るICタグ851の情報をデータセンタのサーバ装置100に送信し、サーバ装置100が、ICタグ851の情報をサーバ側記憶部180に記憶するようにしてもよい。
【0118】
なお、現金バッグ等850に加えて、あるいは代えて、鍵(または複数の鍵を含む鍵セット)の受け渡しを専用ロッカーで行うようにしてもよい。具体的には、鍵または鍵セットを重要物管理装置810に預け入れ、取り出すようにしてもよい。これにより、警送担当者と顧客店舗の担当者とが直接会えなくても鍵または鍵セットの授受を行える。
例えば、顧客店舗の入出金装置710の鍵または鍵セットの受け渡しを専用ロッカーで行うようにしてもよい。あるいは、現金カセット750の鍵または鍵セットの受け渡しを専用ロッカーで行うようにしてもよい。あるいは、現金バッグ等850と当該現金バッグ等850の預け入れ又は取り出しに必要な鍵とをセットで受け渡すようにしてもよい。これにより、顧客店舗における入出金装置710または現金カセット750へのアクセスを容易にすることができる。
【0119】
<鍵管理機との連携>
警送管理システムと鍵管理装置とが連携するようにしてもよい。
図17は、実施の形態の第2の変形例にかかる授受管理システムの構成例を示す図である。
図17に示す構成で、警送業務支援システム3は、サーバ装置100と、オペレータ端末装置200と、携帯型端末装置300と、店舗端末装置820と、鍵管理装置920と、二次元コードリーダ830とを備える。
【0120】
図17の各部のうち、
図12の各部に対応して同様の機能を有する部分には、同一の符号(100、200、300、720、820、830)を付して説明を省略する。警送業務支援システム3では、重要物管理装置810に代えて鍵管理装置920が顧客店舗に設けられている点で、警送業務支援システム2の場合と異なる。それ以外の点では、警送業務支援システム3は警送業務支援システム2と同様である。
【0121】
なお、店舗端末装置820と、鍵管理装置920と、二次元コードリーダ830とが、警送業務支援システム3の一部として構成されていてもよい。あるいは、店舗端末装置820と、鍵管理装置920と、二次元コードリーダ830とのうちの一部または全部が、警送業務支援システム3の外部の構成となっていてもよい。
また、警送業務支援システム3が、鍵管理装置920に加えて、入出金装置710および重要物管理装置810のうち何れか一方、または両方を輸送計画の対象とするようにしてもよい。
【0122】
鍵管理装置920は、鍵を保持する複数の鍵保持部を備える。
また、警送業務支援システム3では、鍵管理装置920が店舗端末装置820の対象となる。
ここで、従来の手法では、現送の対象となる貨幣処理装置に使用する鍵の確認を複数の警送担当者で行った後、鍵の持ち出しおよび返却を行っている。このため、鍵の持ち出しおよび返却の確認作業に多くの労力がかかり、また、誤りが発生しやすい。
これに対し、警送業務支援システム3は、鍵管理装置920と連携することで、鍵の管理を自動化することができる。これにより、警送業務支援システム3では、鍵の持ち出しおよび返却の際の確認作業の労力の低減させることができ、かつ、持ち出し及び返却の間違いを防止または軽減することができる。
【0123】
図18は、警送業務支援システム3を用いた鍵の受け渡しの例を示す図である。
(ステップS211)
オペレータ端末装置200は、輸送計画を作成する際、輸送計画で決定した輸送ルートと、当該輸送ルートで使用される入出金装置710の鍵(鍵番号)とを輸送計画に含める。
(ステップS212)
オペレータ端末装置200は、この輸送計画を担当する警送担当者の携帯型端末装置300に、輸送計画を送信する。携帯型端末装置300は、輸送計画を受信する。
【0124】
(ステップS213)
携帯型端末装置300では、二次元コード変換部394が、輸送計画のうち輸送ルートの情報および鍵番号を二次元コードに変換する。携帯型端末側表示部320は、変換された二次元コードを表示する。
あるいは、オペレータ端末装置200が、輸送計画のうち輸送ルートの情報および鍵番号を二次元コードに変換するようにしてもよい。携帯型端末装置300は、オペレータ端末装置200が送信した二次元コードを受信し、表示する。
【0125】
(ステップS214)
二次元コードリーダ830は、携帯型端末装置300の携帯型端末側表示部320に表示された二次元コードを読み取る。これにより、輸送ルートに対応する鍵を取り出せるようになる。
(ステップS215)
ここで、鍵に予めICタグ851を取り付けておく。携帯型端末装置300は、このICタグ851を読み取り、輸送計画に示される鍵の情報と比較する。これにより、携帯型端末装置300は、取り出しされた鍵が輸送計画で予定されている鍵と一致するか否かを確認することができる。携帯型端末装置300は、この確認結果を確認時刻と紐付けて、データセンタのサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、受信した情報をサーバ側記憶部180に記憶する。
【0126】
(ステップS221)
鍵の返却の際も、携帯型端末装置300が、返却される鍵のICタグ851を読み取り、返却される鍵が適切か否かを確認する。例えば、携帯型端末装置300は、返却される鍵のICタグ851から読み取った情報が示す鍵の個数および鍵番号が、鍵管理装置920から取り出された鍵の個数および鍵番号と一致しているか否かを判定する。
【0127】
(ステップS222)
返却される鍵が適切であると判定された場合、警送担当者は、鍵を鍵管理装置920へ戻す。
(ステップS223)
携帯型端末装置300は、返却される鍵が適切か否かの確認結果を、鍵の返却時刻と紐付けてデータセンタのサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、受信した確認結果をサーバ側記憶部180に記憶する。
【0128】
(ステップS224)
オペレータ端末装置200では、サーバ装置100に記憶された情報を参照して、鍵の取り出しおよび返却の履歴を確認できる。例えば、オペレータがオペレータ端末装置200を用いて、鍵管理装置920から取り出された鍵の情報および取り出し時刻、および、鍵管理装置920に返却された鍵の情報および返却時刻を参照する。
【0129】
上述した二次元コードおよびICタグは、識別情報の提示形式の例であり、これらに限定されない。例えば、現金カセット750にICタグを取り付けて、ICタグが装置識別情報を出力するようにしてもよい。あるいは、現金カセット750に3次元コードを取り付けるようにしてもよい。
【0130】
以上のように、警送業務支援システム1は、オペレータ端末装置200と携帯型端末装置300とを備え、顧客店舗への現金の配送または回収を行う警送業務を支援する。オペレータ端末装置200は、顧客店舗への現金の配送または回収を行うための輸送計画に関する情報を送信する。携帯型端末装置300の店舗関連情報取得部392は、顧客店舗において、現金の配送または回収が行われる対象を識別する店舗関連情報を取得する。店舗確認処理部393は、輸送計画に関する情報における現金の配送または回収の対象を示す予定店舗関連情報と、店舗関連情報とを比較する。携帯型端末側表示部320は、予定店舗関連情報が示す対象と店舗関連情報が示す対象とが異なると判定された場合、その旨を報知する。
これにより、警送業務支援システム1では、実際に配送または回収される対象が、輸送計画で予定されている対象と同一であるか否かを確認できる。この点で、警送業務支援システム1によれば、警送業務の対象の配送ミスおよび回収ミスを防止または軽減できる。
【0131】
また、オペレータ端末装置200は、顧客店舗に設置された貨幣処理装置(例えば、入出金装置710)の稼働状況に基づいて輸送計画を作成する。
これにより、オペレータ端末装置200は、貨幣処理装置の稼働状況に基づいた輸送計画を適切に作成することができる。特に、オペレータ端末装置200によれば、現金カセット750がフル状態に近いほど、または、現金カセット750がエンド状態に近いほど、その現金カセット750を優先的に交換することができる。
【0132】
また、オペレータ端末装置200は、顧客店舗の位置、配送または回収する現金量、または現金の配送または回収を行う予定の時間帯における交通情報の少なくとも何れかに基づいて輸送計画を作成する。
オペレータ端末装置200によれば、顧客店舗の位置、現金量または交通状況に応じて、より効率的な輸送計画を適切に作成することができる。
【0133】
また、オペレータ端末装置200は、顧客店舗の位置、配送または回収する現金量、または現金の配送または回収を行う予定の時間帯における交通情報の少なくとも何れかに基づいて複数の輸送計画を作成し、当該複数の輸送計画を地図情報と共に選択可能に表示する。
オペレータ端末装置200によれば、複数の輸送計画を地図上に選択可能に表示できる。これにより、警送業務に関係する担当者は、地図を参照することで、最適な輸送計画をより迅速に選択することができる。
【0134】
また、携帯型端末装置300の携帯型端末側通信部310は、オペレータ端末装置200と通信を行う。輸送計画要求部391は、輸送計画に関する情報の送信を管理装置に要求する。オペレータ端末装置200のオペレータ端末側通信部210は、携帯型端末装置300と通信を行う。輸送計画管理部292は、輸送計画要求部391からの送信要求に基づいて、オペレータ端末側通信部210を制御して輸送計画に関する情報を携帯型端末装置300に送信させる。
警送業務支援システム1によれば、携帯型端末装置300は、輸送計画に関する情報が必要なタイミングで当該情報をオペレータ端末装置200に要求して取得することができる。この点で、携帯型端末装置300は、輸送計画に関する情報を最適なタイミングで迅速に取得することができる。
【0135】
また、携帯型端末装置300の二次元コード変換部394は、オペレータ端末装置200から受信した輸送計画に関する情報を二次元コードに変換する。
これにより、携帯型端末装置300は、他の携帯型端末装置300が表示する二次元コードを二次元コードリーダで読み取ることで、輸送計画に関する情報を取得できる。この点で、携帯型端末装置300は、輸送計画に関する情報の取得を比較的簡単に行うことができる。例えば、警送担当者が引き継がれる際に、輸送計画を比較的簡単に引き継ぐことができる。
【0136】
また、店舗端末装置820は、オペレータ端末装置200と通信可能に設けられる。二次元コードリーダ830は、店舗端末装置820と通信可能に設けられる。重要物管理装置810は、店舗端末装置820と通信可能に設けられ、複数のロッカーを備える。そして、二次元コードリーダ830は、顧客店舗の店舗担当者の認証情報または警送業務の警送担当者の認証情報を取得する。店舗端末装置820は、二次元コードリーダ9830により取得された店舗担当者の認証情報または警送担当者の認証情報と、オペレータ端末装置200から送信される輸送計画で予定されている店舗担当者の認証情報または警送担当者の認証情報と、が一致する場合、重要物管理装置810の複数のロッカーのうち、店舗担当者または警送担当者に紐付けられたロッカーを解錠する。
警送業務支援システム2によれば、二次元コードリーダ830により取得した店舗担当者の認証情報または警送担当者の認証情報が、輸送計画で予定されている店舗担当者の認証情報または警送担当者の認証情報と一致する場合、重要物管理装置810は、当該店舗担当者または当該警送担当者に対応するロッカーを解錠する。これにより、店舗担当者または警送担当者のうち何れか一方である受け渡し側は、所定のロッカーに現金などの重要物を適切に保管することができる。そして、店舗担当者または警送担当者のうち何れかもう一方である受け取り側は、ロッカーに保管された現金などの重要物を適切に取り出すことができる。
【0137】
また、店舗端末装置820は、オペレータ端末装置200と通信可能に設けられる。二次元コードリーダ830は、店舗端末装置820と通信可能に設けられる。鍵管理装置920は、店舗端末装置820に通信可能に設けられ、鍵を保持する複数の鍵保持部を備える。そして、二次元コードリーダ830は、顧客店舗の店舗担当者の認証情報または警送業務の警送担当者の認証情報を取得する。店舗端末装置820は、二次元コードリーダにより取得された店舗担当者の認証情報または警送担当者の認証情報と、オペレータ端末装置200が有する輸送計画で予定されている店舗担当者の認証情報または警送担当者の認証情報と、が一致する場合、前記鍵管理装置の複数の鍵保持部のうち、前記店舗担当者または前記警送担当者に紐付けられた鍵保持部を開放する。
警送業務支援システム3によれば、二次元コードリーダ830により取得した店舗担当者の認証情報または警送担当者の認証情報が、輸送計画で予定されている店舗担当者の認証情報または警送担当者の認証情報と一致する場合、鍵管理装置920は、当該店舗担当者または当該警送担当者に対応する鍵保持部を開放する。これにより、店舗担当者または警送担当者のうち何れか一方である受け渡し側は、所定の鍵保持部に適切に鍵を保管することができる。そして、店舗担当者または警送担当者のうち何れかもう一方である受け取り側は、鍵保持部に保管された鍵を適切に取り出すことができる。