【解決手段】駐車支援装置160は、走行経路R1に従って自車両5を走行させるための制御情報を生成して車両制御ユニット150に出力する走行制御部176と、走行経路R1の途中で、自車両5が、走行経路R1に対応した進行方向に進行できずに停車したか否かを判定し、自車両5が停車したと判定した場合に、走行経路R1と、車両が停車した走行経路R1の地点とを示す情報を、無線通信部110により操作端末10に送信させ、走行制御部176は、操作端末10から、自車両5を移動させる地点を指定する指定情報を受信した場合、指定された地点まで移動させる経路を自車両5の走行経路R2に設定し、自車両5を、指定された地点まで移動させる制御情報を車両制御ユニット150に出力する。
前記判定部は、前記車両が走行済みの前記走行経路に、前記車両が進行方向を前進から後進、又は後進から前進に変更した変更地点が含まれる場合、前記走行経路の開始地点と、前記変更地点とを示す情報を、前記無線通信部により前記外部装置に送信させ、
前記走行制御部は、前記外部装置から、前記指定情報として、前記変更地点又は前記開始地点を指定する情報を受信した場合、前記車両が停車した前記走行経路の地点から前記指定情報により指定された前記変更地点又は前記開始地点まで前記走行経路を戻る経路を前記車両の走行経路に設定し、
前記走行経路に設定した前記戻る経路に従って前記車両に走行させるための制御情報を生成する、ことを特徴とする請求項1記載の駐車支援装置。
前記判定部は、障害物を検出する検出部の検出結果に基づき、前記車両が、走行済みの前記走行経路に沿って前記変更地点及び前記開始地点まで戻ることが可能であるか否かを判定し、
前記車両が前記開始地点まで戻ることが可能である場合、前記変更地点及び前記開始地点の情報を、前記無線通信部により前記外部装置に送信させ、
前記車両が前記変更地点まで戻ることが可能である場合、前記変更地点の情報を、前記無線通信部により前記外部装置に送信させ、
前記走行制御部は、前記外部装置から、前記指定情報として、前記変更地点を指定する情報を受信した場合、前記車両が停車した前記走行経路の地点から前記変更地点まで前記走行経路を戻る経路を前記車両の走行経路に設定し、
前記外部装置から、前記指定情報として、前記開始地点を指定する情報を受信した場合、前記車両が停車した前記走行経路の地点から前記開始地点まで前記走行経路を戻る経路を前記車両の走行経路に設定する、ことを特徴とする請求項3記載の駐車支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、駐車支援システム1のシステム構成図である。
駐車支援システム1は、車両に搭載された車載装置100と、車載装置100を遠隔操作する操作端末10と、を備える。操作端末10は、本発明の外部装置に相当する。
操作端末10と車載装置100は、無線通信により接続される。操作端末10と車載装置100とを接続する無線通信の通信方式は、少なくとも所定距離以上の通信距離を担保できる方式であれば任意であり、例えば、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)を用いることができる。以下では、車載装置100が搭載された車両を、自車両5という。
【0009】
操作端末10は、車載装置100を操作する端末であり、ユーザ3の操作を受け付ける機能、及び各種情報を表示する機能を有したモバイル型の電子機器である。操作端末10には、例えば、スマートフォンやタブレットPC(パーソナルコンピュータ)を用いることができる。操作端末10は、ユーザ3による駐車支援の開始操作や、自車両5を駐車させる駐車位置の選択操作といった各種の操作を受け付け、操作結果を車載装置100に送信する。
【0010】
車載装置100は、自車両5の自動駐車を支援する装置である。具体的には、車載装置100は、自車両5の周囲に存在する駐車領域を検出し、検出した駐車領域を撮影した撮影画像に、駐車領域を示す図形等の画像を重畳して操作端末10に送信する。車載装置100は、操作端末10から自車両5を駐車させる駐車領域を指定した情報を受信すると、指定された駐車領域内に目標駐車位置を設定し、設定した目標駐車位置に自車両5を移動させる走行経路を生成する。そして、車載装置100は、自車両5に搭載された操舵装置151、駆動装置153、制動装置155及び変速装置157を制御して、自車両5を走行経路に沿って走行させ、目標駐車位置に自車両5を駐車させる。
【0011】
次に、操作端末10の構成について説明する。
操作端末10は、無線通信部11、操作部12、表示部13、音声入力部15、音声出力部16及び制御部20を備える。
【0012】
無線通信部11は、制御部20の制御に従って車載装置100と無線通信を行い、各種のデータを送受信する。
【0013】
操作部12は、ボタンやスイッチ等のハードウェアを備え、ユーザ3の操作を受け付ける受付部として機能する。ボタンやスイッチの図示は省略する。操作部12は、ボタンやスイッチが操作されると、操作されたボタンやスイッチに対応した操作信号を制御部20に出力する。
【0014】
表示部13は、タッチパネル14を備える。タッチパネル14は、液晶パネル等の表示パネルと、抵抗膜方式や静電容量方式等のタッチセンサとを備える。タッチパネル14は、タッチパネル14に対するタッチ操作の操作位置を検出し、検出した操作位置を示す操作信号を制御部20に出力する。
【0015】
音声入力部15は、ユーザ3が発した音声を音声データとして入力し、入力した音声データを制御部20に出力する。音声出力部16は、制御部20から入力された音声データに対応する音声を外部に出力する。
【0016】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-processing unit)等のプロセッサと、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等のメモリとを備える。プロセッサ及びメモリの図示は省略する。制御部20は、メモリに記憶された制御プログラムをプロセッサが実行することにより、操作端末10の各部を制御する。制御プログラムには、例えば、サーバ装置からダウンロードしたアプリケーションプログラムが含まれる。
【0017】
制御部20は、機能的構成として、表示制御部21と、情報生成部23とを備える。
表示制御部21は、車載装置100から受信した情報をタッチパネル14に表示させる。
情報生成部23は、車載装置100に送信する情報を生成し、生成した情報を車載装置100に送信する。情報生成部23が生成する情報には、指定情報が含まれる。指定情報は、自車両5が、車載装置100により生成された走行経路を移動中に、走行経路に対応した進行方向に移動できずに停車した場合に、自車両5を移動させる地点を指定した情報である。
【0018】
図2は、車載装置100の構成を示すブロック図である。
図2を参照しながら車載装置100の構成について説明する。
車載装置100は、無線通信部110、位置検出ユニット120、検出部130、車両センサ140、車両制御ユニット150及び駐車支援装置160を備える。
【0019】
無線通信部110は、駐車支援装置160の制御に従って操作端末10と無線通信を行い、各種データを送受信する。
【0020】
位置検出ユニット120は、自車両5の現在位置を検出する。位置検出ユニット120は、GNSS(Global Navigation Satellite System)信号を受信するGNSS受信器と、GNSS受信器が受信したGNSS信号に基づいて自車両5の現在位置を演算するプロセッサと、を備える。GNSS受信器及びプロセッサの図示は省略する。位置検出ユニット120は、演算により求めた自車両5の現在位置を示す位置情報を駐車支援装置160に出力する。
【0021】
検出部130は、自車両5の周囲に存在する障害物7を検出し、検出した障害物7と自車両5との距離等を検出する1又は複数のセンサを備える。本実施形態の検出部130は、カメラユニット131及びソナーユニット133をセンサとして備えるが、検出部130に搭載可能なセンサは、カメラユニット131及びソナーユニット133に限定されない。例えば、電波や光等を利用して障害物7との間の距離を測定可能なレーダーやライダー(LiDAR:Laser Imaging Detection and Ranging)を検出部130に搭載してもよい。
【0022】
カメラユニット131は、自車両5の前方、後方、左側方及び右側方等の自車両5の複数箇所に搭載されたカメラにより構成される。これらのカメラは、自車両5を中心に360°の範囲を撮影可能となるように画角が調整されている。カメラユニット131の各カメラは、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等のイメージセンサと、イメージセンサの受光状態から撮影画像を生成するデータ処理回路とを備える。カメラユニット131の各カメラは、各々の撮影範囲を所定のフレームレートで撮影して撮影画像を生成する。カメラユニット131は、生成した撮影画像を駐車支援装置160に出力する。駐車支援装置160は、入力された撮影画像をメモリ165に一時的に記憶させる。
【0023】
ソナーユニット133は、前方、後方、左側方及び右側方等の自車両5の複数箇所に搭載され、超音波を用いて自車両5の周囲に存在する障害物7の大きさや、障害物7までの距離等を検出する。
【0024】
車両センサ140は、自車両5に搭載されたセンサである。自車両5に搭載される車両センサ140には、例えば、シフトポジションセンサや、車速センサ、ブレーキセンサ、舵角センサ等が含まれる。シフトポジションセンサや、車速センサ、ブレーキセンサ、舵角センサの図示は省略する。
【0025】
車両制御ユニット150は、本発明の車両制御装置に相当する。車両制御ユニット150には、カメラユニット131の撮影画像や、ソナーユニット133のセンサ値が入力される。また、車両制御ユニット150には、車両センサ140のセンサ値が検出結果として入力される。
【0026】
車両制御ユニット150は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)等のコンピュータを備え、操舵装置151、駆動装置153、制動装置155及び変速装置157を制御するユニットである。
車両制御ユニット150は、駐車支援装置160から入力される制御情報や、車速センサや、ブレーキセンサ、舵角センサのセンサ値に基づいて操舵装置151や、駆動装置153、制動装置155をフィードバック制御し、駐車支援装置160が生成した走行経路に従って自車両5を走行させる。
【0027】
また、車両制御ユニット150は、検出部130により障害物7が検出され、検出された障害物7が自車両5に接触する場合、障害物7との接触を回避する回避走行を実行する。回避走行とは、後述の駐車支援装置160が生成した走行経路を逸脱した経路を走行させて自車両5の障害物7との接触を回避する走行である。車両制御ユニット150は、回避走行の実行後、走行経路から逸脱した経路を自車両5が走行している場合、自車両5の経路を走行経路に戻す回復走行を実行する。
【0028】
車両制御ユニット150には、CAN(Controller Area Network)やEthernet(登録商標)等の車載ネットワークを介して操舵装置151、駆動装置153、制動装置155及び変速装置157が接続される。
【0029】
操舵装置151は、自車両5の操舵輪を操舵させるアクチュエータを含む装置である。車両制御ユニット150は、このアクチュエータを駆動させることで、操舵輪の操舵角を変更して自車両5の進行方向を制御する。
駆動装置153は、自車両5の駆動輪の駆動力を調整するアクチュエータを含む装置である。このアクチュエータには、自車両5の動力源がエンジンである場合はスロットルアクチュエータが該当し、動力源がモータである場合には当該モータが該当する。車両制御ユニット150は、アクチュエータを駆動させることで、自車両5の駆動力を制御する。
【0030】
制動装置155は、自車両5の車輪へ付与する制動力を制御するアクチュエータを含む装置である。車両制御ユニット150は、このアクチュエータを駆動させることで、車輪に制動力を付与し、自車両5の車速を減速させる。
変速装置157は、変速機及びアクチュエータを含む装置である。車両制御ユニット150は、このアクチュエータを駆動させて変速機のシフト位置を変更することで、変速機の変速比を変更したり、自車両5の進行方向を前進又は後進に切り替えたりする。
【0031】
駐車支援装置160は、CPUやMPU等のプロセッサ170と、ROM(Read Only Memory)やRAM等のメモリ165と、を備えるコンピュータである。駐車支援装置160は、これらのハードウェアの他に、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージ装置や、センサ類や周辺機器等を接続するためのインターフェース回路、車載ネットワークを介して他の車載装置と通信する車載ネットワーク通信回路等を備える。駐車支援装置160は、メモリ165が記憶する制御プログラムをプロセッサ170が実行することで各種の機能的構成を実現する。
【0032】
メモリ165は、プロセッサ170が実行する制御プログラムや、カメラユニット131の撮影画像、ソナーユニット133のセンサ値、後述するマップ生成部173が生成したマップデータ等を記憶する。
【0033】
駐車支援装置160は、機能的構成として、通信制御部171、位置取得部172、マップ生成部173、駐車領域検出部174、経路生成部175、走行制御部176及び判定部177を備える。
【0034】
通信制御部171は、無線通信部110を制御して、操作端末10と各種データを送受信する。
【0035】
位置取得部172には、位置検出ユニット120により算出された自車両5の現在位置が位置情報として入力される。位置取得部172は、公知又は周知のデッドレコニングの手法を用いて、自車両5の現在位置を推定し、位置検出ユニット120から入力された自車両の現在位置を、推定結果に基づき補正する。
【0036】
マップ生成部173は、自車両5の周囲に存在する障害物7や、自車両5の現在位置をローカル座標系に記録したマップデータを生成する。このマップデータは、メモリ165に生成される。障害物7は、自車両5の走行を阻害、或いは規制する適宜の物体である。障害物7の例として、例えば柱や壁等の建造物、自車両5が走行可能な走行領域と駐車領域とを区画するポールや地面の駐車区画線、他車両、カート、歩行者等が挙げられる。
また、マップ生成部173は、位置取得部172から逐次入力される自車両5の現在位置や、検出部130から逐次入力される障害物7の検出結果に基づき、マップデータの登録情報である自車両5の現在位置や、障害物7の位置や大きさを逐次更新する。
【0037】
なお、本実施形態では、マップ生成部173がマップデータを生成する場合について説明するが、駐車場内における柱や壁等の障害物7の位置が予め記録されたマップデータを駐車支援装置160が取得する構成であってもよい。例えば、駐車支援装置160がサーバ装置からマップデータをダウンロードしてもよいし、メモリ165に予め記憶させたマップデータを読み出してもよい。この場合、駐車支援装置160は、取得したマップデータに、位置取得部172から入力される自車両5の現在位置や、検出部130により検出された障害物7の位置を記録してマップデータを生成する。
【0038】
駐車領域検出部174は、自車両5を駐車させることが可能な駐車領域を検出する。以下では、自車両5が駐車可能な領域を「駐車可能領域」という。また、他車両が駐車しており駐車できない領域も含む場合、「駐車領域」と表記する。駐車領域検出部174は、マップ生成部173が生成したマップデータや、カメラユニット131の撮影画像に基づいて駐車可能領域を検出する。例えば、駐車領域検出部174は、カメラユニット131の撮影画像を解析して路面に引かれた駐車区画線を検出する。駐車区画線は、駐車領域を区画する白線である。駐車領域検出部174は、検出した駐車区画線に基づいて駐車領域の位置を特定し、特定した駐車領域のうち、領域内に他車両等の障害物7が存在しない駐車可能領域をマップデータに基づいて選択する。
【0039】
駐車領域検出部174は、カメラユニット131の撮影画像に、駐車可能領域の位置を示す図形や識別情報等を重畳した画像を生成する。生成された画像を位置選択画像という。生成された位置選択画像は、通信制御部171の制御により無線通信部110を介して操作端末10に送信される。また、駐車領域検出部174は、駐車可能領域を識別する識別情報と、駐車可能領域のマップデータでの位置とを対応づけた対応情報をメモリ165に記憶させる。
【0040】
操作端末10は、車載装置100から受信した位置選択画像をタッチパネル14に表示させる。ユーザ3は、タッチパネル14に表示された位置選択画像を視認し、自車両5を駐車させる駐車可能領域をタッチ操作により選択する。操作端末10は、位置選択画像において、タッチ操作により選択された駐車可能領域を識別する識別情報を車載装置100に送信する。
【0041】
経路生成部175は、操作端末10から受信した識別情報により、ユーザ3により選択された駐車可能領域を特定する。また、経路生成部175は、対応情報を参照して選択された駐車可能領域のマップデータでの位置を特定する。経路生成部175は、選択された駐車可能領域のマップデータでの位置を特定すると、自車両5を駐車させる目標駐車位置を、選択された駐車可能領域内に設定し、自車両5を現在位置から移動させて目標駐車位置に駐車させる経路を生成する。経路生成部175は、マップデータに基づき、障害物7と接触せずに自車両5を目標駐車位置に駐車させるための経路を生成する。本明細書において、「接触」には、自車両5と障害物7とが衝突して自車両5が進行方向に進行できない場合も含まれる。また、自車両5と障害物7との接触はないが、自車両5と障害物7との距離が予め設定された距離以下であり、自車両5が障害物7接触するのではとの不安感を乗員に与える場合も接触と判定してもよい。経路生成部175は、生成した経路の情報を走行制御部176に出力する。
【0042】
走行制御部176は、経路生成部175が生成した経路を、自車両5を走行させる走行経路R1に設定し、設定した走行経路R1に従って自車両5を走行させるための制御情報を生成する。制御情報には、走行経路R1に沿って自車両5を走行させるための情報であり、操舵、駆動、制動及び変速をそれぞれ制御する情報が含まれる。
【0043】
図3は、走行経路R1の一例を示す図である。
走行経路R1には、自車両5が走行を開始した後に、自車両5の走行を一旦停止させ、自車両5の進行方向を変更する経路が含まれる場合がある。進行方向の変更には、自車両5を前進走行から後進走行に変更する場合と、後進走行から前進走行に変更する場合とが含まれる。以下、進行方向を変更するため、自車両5を一旦停車させる位置を中間位置という。また、中間位置に、自車両5が左折する位置、自車両5が右折する位置等を含めてもよい。中間位置は、本発明の変更地点に相当する。
【0044】
例えば、走行経路R1が、
図3に示す経路R11及び経路R12により構成されると仮定する。
図3に示す走行経路R1において、経路R11は、自車両5を前進走行させる区間であり、経路R12は、自車両5を後進走行させる区間である。また、走行経路R1には、P1、P2及びP3の3つの位置が含まれる。P1は、自車両5の現在位置に相当し、P2は、中間位置に相当し、P3は、目標駐車位置に相当する。以下では、P1を開始位置P1と表記し、P2を中間位置P2と表記し、P3を目標駐車位置P3と表記する。開始位置P1は、本発明の開始地点に相当する。自車両5は、開始位置P1をスタートし、経路R11に沿って前進走行により移動する。自車両5は、中間位置P2に到達すると一旦停車し、進行方向を前進から後進に切り替える。その後、自車両5は、経路R12に沿って後進走行し、目標駐車位置P3に駐車する。
図3に示す走行経路R1は、中間位置が、中間位置P2の1つである場合を示すが、走行経路R1に複数の中間位置が含まれていてもよい。
【0045】
判定部177には、位置取得部172が取得した自車両5の現在位置や、カメラユニット131の撮影画像、ソナーユニット133や、車両センサ140に含まれる車速センサのセンサ値等が入力される。
また、判定部177には、車両制御ユニット150から通知信号が入力される。通知信号は、車両制御ユニット150が、自車両5の走行を停止させた場合に通知される信号である。車両制御ユニット150は、中間位置P2で自車両5の走行を一旦停止させた場合や、自車両5が目標駐車位置P3に到達した場合の他、自車両5がこのまま走行を継続すると障害物7との接触が回避できないと判定して自車両5を緊急停車させた場合に、通知信号を判定部177に出力する。
【0046】
判定部177は、車両制御ユニット150から通知信号が入力されると、自車両5が進行方向に進行できずに停車した状態であるか否かを判定する。障害物7等が原因で、自車両5が進行方向に進行できずに停車した場合を、以下では緊急停車という。
判定部177は、自車両5の停車が緊急停車であるか否かを判定するため、車速センサのセンサ値に基づいて、自車両5の停車が所定時間以上継続しているか否かを判定する。自車両5の停車が所定時間以上継続しているか否かを判定するのは、中間位置P2において進行方向を変更するために停車した場合や、対向車である他車両との接触を回避するための停車等を排除するためである。
【0047】
図4は、自車両5が緊急停車した状態にある場合を示す。
判定部177は、自車両5の停車が所定時間以上継続していると判定した場合、自車両5の現在位置が目標駐車位置P3であるか否かを判定する。判定部177は、自車両5の現在位置が目標駐車位置P3である場合、目標駐車位置P3への駐車が完了したと判定する。また、判定部177は、自車両5の現在位置が目標駐車位置P3以外の位置である場合、カメラユニット131の撮影画像や、ソナーユニット133のセンサ値により自車両5の進行方向に障害物7が検出されたか否かを判定する。
図4は、自車両5の進行方向に障害物7が検出され、位置P4において自車両5が緊急停車した状態を示す。以下、位置P4を緊急停車位置P4と表記する。判定部177は、
図4に示すように、自車両5の進行方向に障害物7が検出された場合、自車両5は緊急停車した状態であると判定する。
【0048】
判定部177は、自車両5が緊急停車した状態であると判定すると、緊急停車位置P4から走行経路R1の開始位置P1や中間位置P2まで自車両5を走行させることが可能であるか否かを判定する。このとき自車両5を走行させる経路は、開始位置P1から緊急停車位置P4までの走行済みの走行経路R1を、緊急停車位置P4から開始位置P1の方向に戻る経路である。判定部177は、カメラユニット131の撮影画像や、ソナーユニット133のセンサ値に基づいて、走行経路R1を、開始位置P1や中間位置P2の方向に戻った場合に、自車両5に接触する障害物7があるか否かを判定する。
【0049】
判定部177は、開始位置P1や中間位置P2に戻ることができないと判定した場合、走行不能であることを通知する情報を、無線通信部110を制御して操作端末10に送信させる。
また、判定部177は、中間位置P2及び開始位置P1まで戻ることが可能であると判定した場合、走行経路R1と、自車両5が緊急停車した緊急停車位置P4と、中間位置P2及び開始位置P1を示す情報とを、無線通信部110を制御して操作端末10に送信させる。例えば、判定部177は、走行経路R1における中間位置P2及び開始位置P1と、緊急停車位置P4との位置関係を示す情報を、無線通信部110を制御して操作端末10に送信させてもよい。
また、判定部177は、中間位置P2まで戻ることが可能であるが、開始位置P1までは戻ることができないと判定した場合、走行経路R1と、自車両5が緊急停車した緊急停車位置P4と、中間位置P2を示す情報とを、無線通信部110を制御して操作端末10に送信させる。例えば、判定部177は、走行経路R1における中間位置P2と、緊急停車位置P4との位置関係を示す情報を、無線通信部110を制御して操作端末10に送信させてもよい。
【0050】
図5〜
図8は、操作端末10のタッチパネル14に表示される表示画面を示す図である。
ここで、車載装置100から情報を受信した操作端末10のタッチパネル14に表示される表示画面について説明する。表示画面は、操作端末10の表示制御部21の制御によりタッチパネル14に表示される。
図5には、車載装置100に駐車支援を開始させる開始ボタン31が表示された表示画面を示す。ユーザ3の操作によって駐車支援のアプリケーションが起動されると、
図5に示す表示画面がタッチパネル14に表示される。ユーザ3が、
図5に示す開始ボタン31を押下することで、車載装置100による駐車支援が開始される。
【0051】
図6は、車載装置100から受信した位置選択画像が表示されたタッチパネル14の表示画面を示す図である。
図6に示すように位置選択画像には、駐車支援装置160により検出された駐車可能領域の位置が、図形や記号によって示されている。
図6には、駐車可能領域の位置を示す丸形状の図形と、駐車可能領域の各々を識別する識別番号とが表示された位置選択画像を示す。タッチパネル14に対するタッチ操作により、駐車可能領域の1つがユーザ3により選択されると、操作端末10は、選択された駐車可能領域を示す識別番号を車載装置100に送信する。
【0052】
図7は、自車両5が緊急停車した場合に、タッチパネル14に表示される表示画面を示す図である。
図7に示す表示画面には、自車両5が走行経路R1の途中で緊急停車したことを通知する案内が表示される。また、
図7に示す表示画面には、自車両5の位置を開始位置P1又は中間位置P2に戻すか否かを問い合わせる案内が表示される。さらに、
図7に示す表示画面には、自車両5の位置を開始位置P1又は中間位置P2に戻す制御を開始させる戻るボタン32が表示される。ユーザ3が戻るボタン32を押下することで、操作端末10は、
図8に示す表示画面をタッチパネル14に表示させる。
【0053】
図8は、戻り位置を選択する表示画面を示す図である。戻り位置とは、自車両5を、緊急停車位置P4から戻す位置である。例えば、緊急停車位置P4に障害物7等が存在した場合、ユーザ3が自車両5に搭乗することができず、又は自車両5への搭乗が容易ではない場合がある。このため、ユーザ3は、操作端末10を操作して、自車両5の位置を戻す戻り位置を指定する。
図8に示す表示画面は、駐車支援装置160の判定部177が、開始位置P1及び中間位置P2まで戻ることができると判定した場合に、操作端末10のタッチパネル14に表示される画面である。この表示画面には、自車両5が緊急停車した緊急停車位置P4と、戻り位置との位置関係を示す画像が表示される。ユーザ3は、戻り位置として表示された開始位置P1又は中間位置P2をタッチ操作により選択する。
また、判定部177が、中間位置P2まで戻ることができると判定した場合、タッチパネル14に表示される戻り位置は中間位置P2だけであるため、操作端末10のタッチパネル14に、「中間位置P2まで戻ります」といった案内を表示させてもよい。
【0054】
操作端末10の情報生成部23は、ユーザ3のタッチ操作の操作内容に従って、車載装置100に送信する指定情報を生成する。指定情報は、自車両5を移動させる戻り位置を指定する情報である。例えば、中間位置P2を選択する操作を受け付けた場合、情報生成部23は、戻り位置として中間位置P2を指定する指定情報を生成し、生成した指定情報を車載装置100に送信する。また、情報生成部23は、開始位置P1を選択する操作を受け付けた場合、戻り位置として開始位置P1を指定する指定情報を生成し、生成した指定情報を車載装置100に送信する。
【0055】
図9は、走行経路R1及びR2を示す図である。
図9において、走行経路R1を破線で示し、走行経路R2を実線で示す。走行経路R1は、自車両5を目標駐車位置に駐車させる経路であり、走行経路R2は、緊急停車位置P4から戻り位置まで自車両5の位置を戻す経路である。
また、
図9に示す走行経路R1は、経路R11及びR12を含む。また、走行経路R1には、開始位置P1、中間位置P2及び目標駐車位置P3が含まれる。また、
図9に示す走行経路R2は、経路R21及び経路R22を含む。走行経路R2には、緊急停車位置P4、中間位置P2及び目標駐車位置P3が含まれる。
【0056】
経路R12の位置P5において、車両制御ユニット150により障害物7が検出され、車両制御ユニット150が回避走行を実行して、自車両5が経路R12を逸脱したと仮定する。車両制御ユニット150は、回避走行を実行しても障害物7との接触を回避できない場合、自車両5を緊急停車させる。
図9に示す緊急停車位置P4において、自車両5が緊急停車したと仮定する。
【0057】
走行制御部176は、操作端末10から受信した指定情報により指定された戻り位置まで戻る経路を新たな走行経路R2に設定する。走行制御部176は、自車両5が緊急停車した場合、経路生成部175に、緊急停車位置P4から中間位置P2までの経路R21を生成させる。車両制御ユニット150により回避走行が実行された場合、自車両5が経路R12上にない場合もあるため、判定部177は、緊急停車位置P4から中間位置P2までの経路R21を経路生成部175に生成させる。
【0058】
走行制御部176は、操作端末10により選択された戻り位置が、中間位置P2である場合、経路生成部175が生成した経路R21を、新たな走行経路R2に設定する。走行制御部176は、自車両5を、設定した走行経路R2に沿って走行させるための制御情報を生成する。
また、走行制御部176は、操作端末10により選択された戻り位置が、開始位置P1である場合、経路生成部175が生成した経路R21と、走行経路R1を中間位置P2から開始位置P1まで戻る経路とを走行経路R2に設定する。走行制御部176は、自車両5を、設定した走行経路R2に沿って走行させるための制御情報を生成する。
【0059】
ここで、判定部177が、中間位置P2から開始位置P1に至る経路を、経路生成部175に生成させない理由について説明する。
図9に示す走行経路R1において、緊急停車位置P4は、中間位置P2よりも後ろの位置である。すなわち、自車両5は、中間位置P2を通過した後に、緊急停車位置P4で停車する。つまり、自車両5は、走行経路R1の経路R11をすでに走行している。このため、自車両5が通過した後に新たな障害物7が検出されない限り、経路R11の終点である中間位置P2から、経路R11の始点である開始位置P1に移動させる経路を、走行経路R2の一部として使用することが可能となる。
【0060】
また、走行制御部176は、自車両5が緊急停車した緊急停車位置P4が、走行経路R1上である場合、経路R12を緊急停車位置P4から中間位置P2まで戻る経路と、経路R11を中間位置P2から開始位置P1まで戻る経路とを走行経路R2に設定してもよい。すなわち、走行制御部176は、経路生成部175に新たな経路を生成させることなく、生成済みの走行経路R1の制御情報を使用して、走行経路R2の制御情報を生成してもよい。
【0061】
図10は、車載装置100の動作を示すフローチャートである。
図10に示すフローチャートを参照しながら車載装置100の動作について説明する。
駐車支援装置160は、操作端末10のタッチパネル14に表示された開始ボタン31が押下され、駐車支援の開始を指示する信号を操作端末10から受信することで駐車支援を開始する。
【0062】
駐車支援装置160は、駐車支援の開始を指示する信号を受信していない場合(ステップS1/NO)、駐車支援の開始を指示する信号を受信するまで処理の開始を待機する。また、駐車支援装置160は、駐車支援の開始を指示する信号を受信した場合(ステップS1/YES)、まず、検出部130の検出結果を取得する(ステップS2)。駐車支援装置160は、カメラユニット131の撮影画像や、ソナーユニット133のセンサ値を、検出部130の検出結果として取得する。駐車支援装置160は、取得した撮影画像の解析結果や、ソナーユニット133のセンサ値に基づき、自車両5の現在位置や、障害物7の位置等を記録したマップデータを生成する(ステップS3)。
【0063】
次に、駐車支援装置160は、生成したマップデータに基づき、駐車可能領域を検出する(ステップS4)。駐車支援装置160は、撮影画像を解析して駐車区画線を検出し、駐車区画線の検出結果と、マップデータとに基づいて他車両が駐車していない駐車可能領域を検出する。駐車支援装置160は、駐車可能領域を検出すると、撮影画像に、駐車可能領域の位置を示す図形や、駐車可能領域の各々を識別する識別番号を重畳して位置選択画像を生成する(ステップS5)。駐車支援装置160は、生成した位置選択画像を操作端末10に送信する(ステップS6)。
【0064】
次に、駐車支援装置160は、操作端末10から選択情報を受信したか否かを判定する(ステップS7)。選択情報には、ユーザ3の操作により選択された駐車可能領域を示す情報が含まれる。駐車支援装置160は、選択情報を受信していない場合(ステップS7/NO)、選択情報を受信するまで待機する。また、駐車支援装置160は、選択情報を受信した場合(ステップS7/YES)、受信した選択情報により指定された駐車可能領域内に目標駐車位置P3を設定し、設定した目標駐車位置P3まで自車両5を走行させる経路を生成する(ステップS8)。駐車支援装置160は、生成した経路の情報をメモリ165に記憶させる(ステップS9)。ステップS8は、本発明の生成ステップに相当する。
【0065】
次に、駐車支援装置160は、生成した経路を、自車両5を走行させる走行経路R1に設定し、自車両5を走行経路R1に沿って走行させるための制御情報を生成(ステップS10)する。駐車支援装置160は、生成した制御情報を車両制御ユニット150に出力する(ステップS11)。車両制御ユニット150が、制御情報に従って操舵装置151、駆動装置153、制動装置155及び変速装置157の駆動を制御することで、自車両5は、走行経路R1に沿った自動走行を開始する(ステップS12)。ステップS10及びS11は、本発明の出力ステップに相当する。
【0066】
車両制御ユニット150は、自車両5が自動運転による走行を開始すると、カメラユニット131が生成した撮影画像を解析した解析結果や、ソナーユニット133のセンサ値に基づいて障害物7を検出する(ステップS13)。車両制御ユニット150は、障害物7を検出できない場合(ステップS13/NO)、自車両5が目標駐車位置P3に到達したか否かを判定する(ステップS14)。車両制御ユニット150は、自車両5が目標駐車位置P3に到達していない場合(ステップS14/NO)、ステップS13に戻り、障害物7の検出を再開する。また、車両制御ユニット150は、自車両5が目標駐車位置P3に到達した場合(ステップS14/YES)、目標駐車位置P3への駐車が完了したことを通知する完了通知を操作端末10に送信して処理を終了する。
【0067】
また、車両制御ユニット150は、障害物7が検出された場合(ステップS13/YES)、検出した障害物7との接触を回避して走行する回避走行が可能か否かを判定する(ステップS15)。ステップS13及びS15のステップが、本発明の判定ステップに相当する。車両制御ユニット150は、回避走行が可能であると判定した場合(ステップS15/YES)、走行経路R1を逸脱する回避走行を実行して障害物7との接触を回避する(ステップS16)。また、車両制御ユニット150は、回避走行によって障害物7との接触が回避されると、回復走行を実行して自車両5の走行経路を走行経路R1に戻す(ステップS17)。
【0068】
また、車両制御ユニット150は、回避走行が可能ではないと判定した場合(ステップS15/NO)、自車両5を緊急停車させ(ステップS18)、通知信号を駐車支援装置160に出力し、自車両5が緊急停車したことを駐車支援装置160に通知する(ステップS19)。
【0069】
駐車支援装置160は、車両制御ユニット150から通知信号が入力され、車速センサのセンサ値により自車両5の停車時間が所定時間以上と判定され、停車した位置が目標駐車位置P3ではなく、カメラユニット131の撮影画像や、ソナーユニット133のセンサ値により自車両5の進行方向に障害物7が検出された場合、自車両5が緊急停車位置P4に緊急停車したと判定する。
【0070】
駐車支援装置160は、自車両5が緊急停車したと判定すると、自車両5が、緊急停車位置P4から戻ることが可能な戻り位置を判定する(ステップS20)。駐車支援装置160は、緊急停車位置P4が中間位置P2よりも手前である場合、走行経路R1に沿って緊急停車位置P4から開始位置P1に戻ることが可能であるか否かを判定する。また、駐車支援装置160は、緊急停車位置P4が中間位置P2よりも先の位置である場合、走行経路R1に沿って緊急停車位置P4から中間位置P2及び開始位置P1に戻ることが可能であるか否かを判定する。
【0071】
駐車支援装置160は、戻り位置を判定すると、自車両5が緊急停車したことを操作端末10に通知し、さらに、走行経路R1における緊急停車位置P4と戻り位置との位置関係を示す情報を、無線通信部110を制御して操作端末10に送信させる(ステップS21)。
操作端末10は、車載装置100から受信した情報に基づいてタッチパネル14に表示させる表示画面のデータを生成し、生成した表示画面のデータをタッチパネル14に表示させる。これにより、操作端末10のタッチパネル14には、
図8に示す表示画面が表示される。
【0072】
ユーザ3は、タッチパネル14に表示された表示画面を参照して、タッチパネル14に対するタッチ操作により戻り位置を選択する。操作端末10は、選択された戻り位置を指定した指定情報を車載装置100に送信する。
【0073】
駐車支援装置160は、操作端末10から戻り位置を指定する指定情報を受信したか否かを判定する(ステップS22)。駐車支援装置160は、指定情報を受信していない場合(ステップS22/NO)、指定情報を受信するまで待機する。
【0074】
駐車支援装置160は、指定情報を受信した場合(ステップS22/YES)、受信した指定情報により指定された戻り位置まで戻る経路を生成する(ステップS23)。このとき、駐車支援装置160は、指定された戻り位置が中間位置P2である場合、経路生成部175に新たに経路R21を生成させる。この経路R21は、緊急停車位置P4から中間位置P2まで自車両5を走行させる経路である。
駐車支援装置160は、生成した経路R21を、自車両5を走行させる走行経路R2に設定し、設定した走行経路R2の情報を走行制御部176に出力する。また、駐車支援装置160は、選択された戻り位置が、開始位置P1である場合、経路生成部175に生成させた経路R21と、走行経路R1の一部である経路R11とを含む経路を走行経路R2に設定し、設定した走行経路R2の情報を走行制御部176に出力する。
【0075】
その後、駐車支援装置160は、自車両5を走行経路R2に沿って走行させるための制御情報を生成し(ステップS24)、生成した制御情報を車両制御ユニット150に出力する(ステップS25)。車両制御ユニット150が、制御情報に従って操舵装置151、駆動装置153、制動装置155及び変速装置157の駆動を制御することで、自車両5は、走行経路R2に沿って走行し、自車両5を戻り位置まで移動させる(ステップS26)。その後、駐車支援装置160は、自車両5が戻り位置まで移動したことを操作端末10に通知する。
【0076】
図11は、操作端末10の動作を示すフローチャートである。
図11に示すフローチャートを参照しながら操作端末10の動作について説明する。
制御部20は、タッチ操作によりアプリケーションプログラムが選択されると、
図5に示す表示画面をタッチパネル14に表示される。制御部20は、
図5に示す表示画面をタッチパネル14に表示させると、開始ボタン31の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS31)。
【0077】
制御部20は、開始ボタン31の操作を受け付けていない場合(ステップS31/NO)、開始ボタン31の操作を受け付けるまで待機する。また、制御部20は、開始ボタン31の操作を受け付けた場合(ステップS31/YES)、車載装置100に駐車支援の開始を指示する信号を送信する(ステップS32)。駐車支援装置160は、操作端末10から駐車支援の開始を指示する信号を受信すると、
図10に示すステップS2〜S5の処理を行って位置選択画像を生成し、生成した位置選択画像を、無線通信部110を制御して操作端末10に送信させる。
【0078】
制御部20は、車載装置100から位置選択画像を受信するまで待機する(ステップS33/NO)。制御部20は、位置選択画像を受信した場合(ステップS33/YES)、
図6に示す位置選択画像をタッチパネル14に表示させる(ステップS34)。位置選択画像には、駐車可能領域の位置を示す図形と、駐車可能領域の各々を識別する識別番号とが表示される。
【0079】
制御部20は、位置選択画像に表示された駐車可能領域の1つを選択する選択操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS35)。タッチパネル14に対するタッチ操作により、駐車可能領域の1つがユーザ3により選択されると、操作端末10は、選択された駐車可能領域を識別する識別情報を車載装置100に送信する(ステップS36)。
【0080】
次に、制御部20は、車載装置100から緊急停車の通知を受信したか否かを判定する(ステップS37)。制御部20は、緊急停車の通知を受信していない場合(ステップS37/NO)、目標駐車位置P3への駐車が完了したことを示す完了通知を受信したか否かを判定する(ステップS39)。制御部20は、完了通知を受信していない場合(ステップS39/NO)、ステップS37の判定に戻る。また、制御部20は、完了通知を受信した場合(ステップS39/YES)、この処理フローを終了させる。
【0081】
また、制御部20は、車載装置100から緊急停車の通知を受信した場合(ステップS37/YES)、
図7に示す自車両5が走行経路Rの途中で停車したことを案内する表示画面をタッチパネル14に表示させる(ステップS38)。そして、制御部20は、自車両5の位置を開始位置P1又は中間位置P2まで戻す操作を受け付けたか否か、具体的には戻るボタン32の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS40)。
【0082】
制御部20は、自車両5を開始位置P1又は中間位置P2に戻す操作を受け付けていない場合(ステップS40/NO)、この処理フローを終了する。ユーザ3は、緊急停車した自車両5まで移動し、自車両5の進路を妨害する障害物7を取り除く。
【0083】
また、制御部20は、開始位置P1又は中間位置P2に戻す操作を受け付けた場合(ステップS40/YES)、
図8に示す表示画面をタッチパネル14に表示させ、戻り位置を選択する操作を受け付ける(ステップS41)。制御部20は、戻り位置を選択する操作を受け付けるまで待機する(ステップS41/NO)。また、制御部20は、戻り位置を選択する操作を受け付けた場合(ステップS41/YES)、選択された戻り位置を示す情報を含む信号を車載装置100に送信する(ステップS42)。その後、制御部20は、自車両5が戻り位置まで移動したことを通知する信号を受信したか否かを判定する(ステップS43)。制御部20は、自車両5が戻り位置まで移動したことを通知する信号を受信していない場合(ステップS43/NO)、この信号を受信するまで待機する。また、制御部20は、自車両5が戻り位置まで移動したことを通知する信号を受信した場合(ステップS43/YES)、この処理フローを終了させる。
【0084】
以上説明したように本実施形態の駐車支援装置160は、経路生成部175、走行制御部176、判定部177を備える。
経路生成部175は、自車両5を目標駐車位置P3に駐車させる走行経路R1を生成する。走行制御部176は、自車両5を走行経路R1に従って走行させるための制御情報を生成し、生成した制御情報を、自車両5の走行を制御する車両制御ユニット150に出力する。判定部177は、走行経路R1の途中で、自車両5が、走行経路R1に対応した進行方向に進行できずに停車した停車状態になったか否かを判定する。
【0085】
また、判定部177は、自車両5が停車状態になった場合に、走行経路R1と、停車状態となり自車両5が停車した走行経路R1の地点とを示す情報を、無線通信部110により操作端末10に送信させる。
走行制御部176は、操作端末10から、自車両5を移動させる地点を指定する指定情報を受信した場合、自車両5を、指定情報が示す地点まで移動させる制御情報を車両制御ユニット150に出力する。
従って、本実施形態によれば、自車両5が進行方向に進行できずに停車状態となった場合に、操作端末10により指定された位置まで自車両5を移動させることができる。このため、走行経路R1の途中で、自車両5が進行方向に進行できなくなった場合の利便性を向上させることができる。
【0086】
また、判定部177は、走行経路R1のうち、自自車両5が走行済みの経路を示す情報を、無線通信部110により操作端末10に送信させる。
走行制御部176は、指定情報として、自車両5が走行済みの走行経路上の地点を指定する情報を受信した場合、指定情報により指定された地点まで走行経路R1を戻る経路を自車両5の走行経路R2に設定し、走行経路R2に設定した戻る経路に従って自車両5を走行させるための制御情報を生成する。
指定情報により指定された地点まで、自車両5がすでに走行済みの走行経路R1を戻ることで移動させることができる。走行経路R1を戻る経路は、走行済みであるため、障害物等が存在せず、走行できる確率が高い経路である。このため、指定された地点に移動できる確率を高めることができる。
【0087】
判定部177は、自車両5が走行済みの走行経路R1に、自車両5が進行方向を前進から後進、又は後進から前進に変更した中間位置P2が含まれる場合、走行経路R1の開始位置P1と、中間位置P2とを示す情報を、無線通信部110により操作端末10に送信させる。
走行制御部176は、操作端末10から、指定情報として、中間位置P2又は開始位置P1を指定する情報を受信した場合、自車両5が停車した走行経路R1の地点から指定情報により指定された中間位置P2又は開始位置P1まで走行経路R1を戻る経路を自車両5の走行経路R2に設定する。また、走行制御部176は、走行経路R2に設定した戻る経路に従って自車両5に走行させるための制御情報を生成する。
従って、自車両5を中間位置P2又は開始位置P1まで、自車両5がすでに走行済みの走行経路R1を戻ることで移動させることができる。走行経路R1を戻る経路は、走行済みであるため、障害物等が存在せず、走行できる確率が高い経路である。このため、指定された地点に移動できる確率を高めることができる。
【0088】
判定部177は、障害物を検出する検出部130の検出結果に基づき、自車両5が、走行済みの走行経路R1に沿って中間位置P2及び開始位置P1まで戻ることが可能であるか否かを判定する。
判定部177は、自車両5が開始位置P1まで戻ることが可能である場合、中間位置P2及び開始位置P1の情報を、無線通信部110により操作端末10に送信させる。また、判定部177は、自車両5が中間位置P2まで戻ることが可能である場合、中間位置P2の情報を、無線通信部110により操作端末10に送信させる。
走行制御部176は、操作端末10から、指定情報として、中間位置P2を指定する情報を受信した場合、自車両5が停車した走行経路R1の地点から中間位置P2まで走行経路R1を戻る経路を自車両5の走行経路R2に設定する。
また、走行制御部176は、操作端末10から、指定情報として、開始位置P1を指定する情報を受信した場合、自車両5が停車した走行経路R1の地点から開始位置P1まで走行経路R1を戻る経路を自車両5の走行経路R2に設定する。
従って、自車両5の位置を戻すことが可能な位置を操作端末10に通知することができる。また、自車両5を、指定された中間位置P2又は開始位置P1まで、自車両5がすでに走行済みの走行経路R1を戻ることで移動させることができる。
【0089】
走行制御部176は、現在位置から目標駐車位置までの経路の少なくとも一部を使用して経路生成部175に戻る経路を生成させ、経路生成部175が生成した戻る経路を自車両5の走行経路R2に設定する。
従って、走行経路R2の設定に要する時間を短縮することができる。
【0090】
[変形例]
上述した実施形態では、自車両5が緊急停車した場合に、自車両5が戻ることができる戻り位置が中間位置P2又は開始位置P1に限定されていた。この変形例では、
図12に示すように、開始位置P1から緊急停車位置P4までの走行経路R1を操作端末10のタッチパネル14に表示させ、開始位置P1から緊急停車位置P4までの走行経路R1において、ユーザ3のタッチ操作により戻り位置を選択させる。ユーザ3のタッチ操作により指定された走行経路R1の地点を指定地点という。操作端末10は、指定地点の情報を車載装置100に送信する。
【0091】
駐車支援装置160は、操作端末10から指定地点の情報を受信すると、自車両5を、緊急停車位置P4から指定地点まで走行させることができるか否かを判定する。駐車支援装置160は、カメラユニット131の撮影画像や、ソナーユニット133のセンサ値に基づき、走行経路R1を、緊急停車位置P4から指定地点まで戻ることが可能であるか否かを判定する。
【0092】
駐車支援装置160は、自車両5を、指定地点まで走行させることができないと判定した場合、移動不可であることを示す情報を、無線通信部110を制御して操作端末10に送信させる。また、駐車支援装置160は、自車両5を、指定地点まで走行させることができると判定した場合、移動可であることを示す情報を、無線通信部110を制御して操作端末10に送信させる。
【0093】
操作端末10は、駐車支援装置160から移動不可の情報を受信した場合、自車両5を移動させる戻り位置を、再度、ユーザ3に選択させる。また、操作端末10は、駐車支援装置160から移動可の情報を受信した場合、自車両5を選択された戻り位置に移動できることをタッチパネル14に表示させ、自車両5の走行を開始させる開始ボタンをタッチパネル14の表示画面に表示させる。ユーザ3がこのボタンを押下することにより、操作端末10は、ユーザ3が開始ボタンを押下すると、自車両5の走行開始を指示する信号を車載装置100に送信する。駐車支援装置160は、操作端末10から走行開始を指示する信号を受信すると、
図10に示すステップS23〜S26の手順に従い、自車両5を指定地点まで走行させる。
【0094】
また、この変形例では、開始位置P1から緊急停車位置P4までの走行経路R1に含まれる地点を、戻り位置として選択する場合について説明したが、走行経路R1上にはない地点を指定することも可能である。例えば、駐車支援装置160は、走行経路R1から所定距離以内の地点であれば、ユーザ3の選択を受け付けるようにしてもよい。この場合、駐車支援装置160は、すべての経路を再計算するため、自車両5が移動を開始するまでに時間を要することになる。
【0095】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、駐車支援装置160が、緊急停車位置P4から中間位置P2及び開始位置P1まで、自車両5が走行経路R1を戻ることが可能であるか否か判定し、戻ることが可能な位置を、操作端末10に通知していた。
これ以外の方法として、操作端末10の操作により中間位置P2又は開始位置P1を選択させ、選択された中間位置P2又は開始位置P1まで自車両5が走行経路R1を戻ることが可能であるか否かを判定してもよい。駐車支援装置160は、戻ることが可能である場合には、選択された戻り位置まで自車両5を走行させる。また、駐車支援装置160は、戻ることができない場合、戻り位置を再度、ユーザ3に選択させる。
【0096】
また、
図2に示すブロックは、本願発明を理解容易にするために、車載装置100の構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、構成要素は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0097】
また、本発明の駐車支援方法を、コンピュータを用いて実現する場合、このコンピュータに実行させるプログラムを記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu−ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、駐車支援装置160が備えるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
【0098】
また、
図10に示すフローチャートの処理単位は、車載装置100の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。車載装置100処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割してもよい。また、車載装置100の処理は、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、
図11に示す操作端末の処理を示すフローチャートについても同様である。