特開2021-127049(P2021-127049A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-127049(P2021-127049A)
(43)【公開日】2021年9月2日
(54)【発明の名称】車両の前部車体構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20210806BHJP
   B62D 21/15 20060101ALI20210806BHJP
【FI】
   B62D25/20 C
   B62D21/15 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-23880(P2020-23880)
(22)【出願日】2020年2月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】四柳 泰希
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BA02
3D203CA23
3D203CA40
3D203CA53
3D203CB24
3D203DA05
3D203DA22
(57)【要約】
【課題】衝撃吸収部材による衝撃吸収機能を確保しつつ、バンパ機構と車体との共振を抑制することができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
【解決手段】バンパレインフォースメント41と車体30との間に設けられる衝撃吸収部材40を備えた車両の前部車体構造であって、シュラウドサイドメンバ60が上記バンパレインフォースメント41の後方で、かつ、上記衝撃吸収部材40の車幅方向外側に設けられると共に、上記シュラウドサイドメンバ60と上記バンパレインフォースメント41の車幅方向外側部とを連結する連結部材80が設けられたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンパレインフォースメントと車体との間に設けられる衝撃吸収部材を備えた車両の前部車体構造であって、
シュラウドサイドメンバが上記バンパレインフォースメントの後方で、かつ、上記衝撃吸収部材の車幅方向外側に設けられると共に、上記シュラウドサイドメンバと上記バンパレインフォースメントの車幅方向外側部とを連結する連結部材が設けられた
車両の前部車体構造。
【請求項2】
上記バンパレインフォースメントの下方には足払いバーが設けられ、
上記バンパレインフォースメントは上記足払いバーに連結された
請求項1に記載の車両の前部車体構造。
【請求項3】
上記バンパレインフォースメントの上方かつ後方にはシュラウドアッパメンバが設けられ、
上記バンパレインフォースメントは上記シュラウドアッパメンバに連結された
請求項1または2に記載の車両の前部車体構造。
【請求項4】
上記連結部材の上下には高剛性化のフランジ部が形成された
請求項1〜3の何れか一項に記載の車両の前部車体構造。
【請求項5】
上記連結部材は、上下方向に延びる高剛性化のビード部を備えた
請求項1〜4の何れか一項に記載の車両の前部車体構造。
【請求項6】
上記連結部材は、その前後方向の剛性を低下させるビード部を備えた
請求項1〜4の何れか一項に記載の車両の前部車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バンパレインフォースメントと車体との間に設けられる衝撃吸収部材を備えた車両の前部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、バンパレインフォースメントとサスペンションハウジングとの間には、衝撃吸収部材としてのクラッシュボックスが設けられている。
車両前突時の衝撃吸収機能を向上させるためには、上記サスペンションハウジングの前部に車両前後方向の長さが長い逐次破壊機能を有するクラッシュボックスを設けることが考えられる(特開2017−2998号公報参照)。
【0003】
この場合、上記クラッシュボックスの後部を取付けるサスペンションハウジングとバンパレインフォースメントとの間の距離が長くなり、振動に対して不利となる関係上、バンパ機構と車体とが共振するという課題が生じる。
【0004】
ところで、特許文献1にはクラッシュボックスの車両前後方向における中間部を、連結ブラケットを介して、シュラウド部材に連結した構造が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来構造においては、クラッシュボックスの中間部が支持されている関係上、振動抑制効果が不充分となり、また、クラッシュボックスの中間部が支持されているので、車両衝突時におけるクラッシュボックスによる衝撃吸収性能に影響が及ぶという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−195068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、衝撃吸収部材による衝撃吸収機能を確保しつつ、バンパ機構と車体との共振を抑制することができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による車両の前部車体構造は、バンパレインフォースメントと車体との間に設けられる衝撃吸収部材を備えた車両の前部車体構造であって、シュラウドサイドメンバが上記バンパレインフォースメントの後方で、かつ、上記衝撃吸収部材の車幅方向外側に設けられると共に、上記シュラウドサイドメンバと上記バンパレインフォースメントの車幅方向外側部とを連結する連結部材が設けられたものである。
【0008】
上記構成によれば、上述の連結部材は、シュラウドサイドメンバとバンパレインフォースメントとを連結するので、衝撃吸収部材による衝撃吸収機能を確保することができる。
しかも、上記連結部材にて、バンパ機構と車体との共振を抑制するとこができる。
【0009】
この発明の一実施態様においては、上記バンパレインフォースメントの下方には足払いバーが設けられ、上記バンパレインフォースメントは上記足払いバーに連結されたものである。
上記構成によれば、バンパレインフォースメントが足払いバーにも連結されているので、当該足払いバーを含むバンパ機構と車体との共振を抑制することができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記バンパレインフォースメントの上方かつ後方にはシュラウドアッパメンバが設けられ、上記バンパレインフォースメントは上記シュラウドアッパメンバに連結されたものである。
上記構成によれば、バンパレインフォースメントがシュラウドアッパメンバにも連結されているので、当該シュラウドアッパメンバを含むバンパ機構と車体との共振を抑制することができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記連結部材の上下には高剛性化のフランジ部が形成されたものである。
上記構成によれば、上下のフランジ部により連結部材の高剛性化を図ることができ、この結果、共振抑制機能の向上を図ることができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記連結部材は、上下方向に延びる高剛性化のビード部を備えたものである。
上記構成によれば、上述のビード部により連結部材の上下方向の剛性を高めることができ、この結果、共振抑制機能の向上を図ることができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記連結部材は、その前後方向の剛性を低下させるビード部を備えたものである。
上記構成によれば、車両前突時において連結部材が潰れやすいので、当該連結部材および衝撃吸収部材の潰れが阻害されるとこなく、衝撃吸収部材にて前突荷重の円滑なエネルギ吸収を図るとこができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、衝撃吸収部材による衝撃吸収機能を確保しつつ、バンパ機構と車体との共振を抑制するとこができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の車両の前部車体構造を示す斜視図
図2図1から一部の部材を取外した状態で示す斜視図
図3図2で示した前部車体構造の平面図
図4図2で示した前部車体構造の底面図
図5図2で示した前部車体構造を車幅方向外側から見た状態で示す側面図
図6図2で示した前部車体構造を車幅方向内側から見た状態で示す側面図
図7図1の要部拡大斜視図
図8図7の側面図
図9図8のA−A線矢視断面図
図10】フロントサスペンションを示す斜視図
図11】衝撃吸収部材の他の実施例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
衝撃吸収部材による衝撃吸収機能を確保しつつ、バンパ機構と車体との共振を抑制するという目的を、バンパレインフォースメントと車体との間に設けられる衝撃吸収部材を備えた車両の前部車体構造であって、シュラウドサイドメンバが上記バンパレインフォースメントの後方で、かつ、上記衝撃吸収部材の車幅方向外側に設けられると共に、上記シュラウドサイドメンバと上記バンパレインフォースメントの車幅方向外側部とを連結する連結部材が設けられるという構成にて実現した。
【実施例】
【0017】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の前部車体構造を示し、図1は当該車両の前部車体構造を示す斜視図、図2図1から一部の部材(シュラウドメンバ、支持部材、足払いバー、タワーバーなど)を取外した状態で示す斜視図、図3図2で示した前部車体構造の平面図、図4図2で示した前部車体構造の底面図である。また図5図2で示した前部車体構造を車幅方向外側から見た状態で示す側面図、図6図2で示した前部車体構造を車幅方向内側から見た状態で示す側面図である。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
【0018】
図2図3に示すように、エンジンルームと車室とを車両前後方向に仕切るダッシュパネル1を設け、このダッシュパネル1の車幅方向中央にはトンネル部2を形成すると共に、ダッシュパネル1の上端部にはカウル部3を配置している。
図2図3に示すように、上述のダッシュパネル1の上部前側には車幅方向に延びるダッシュパネル補強部材4を連結固定している。
【0019】
図2に示すように、上述のダッシュパネル1の車幅方向左右両端部には、上部にジャンクション部材5を備えたヒンジピラー6が立設固定されている。該ヒンジピラー6はアルミ合金製の押出し部材にて形成されている。
【0020】
図2に示すように、上述のヒンジピラー6の前部には、タイヤストッパ7が連結固定されている。
このタイヤストッパ7はヒンジピラー6の前部から車両前方に延びるアルミ押出し材から形成された角パイプ8と、当該角パイプ8の前端に取付けられた前部プレート9と、角パイプ8の外側部に取付けられた側部プレート10と、を備えている。
図2に示すように、上述のタイヤストッパ7の車幅方向内側とダッシュパネル1の前部との間にはジャンクション部材11が連結固定されている。
【0021】
図3図4に示すように、トンネル部2の下部には左右一対の下部トンネルフレーム12,12が設けられており、図3に示すように、トンネル部2の上部には、車両平面視でV字状に組合わされた上部トンネルフレーム13が設けられている。なお、図3図4において、14はトンネルパネルである。
【0022】
図2に示すように、上述のヒンジピラー6の下端部には、車両前後方向に延びるサイドシルロア15が設けられており、ヒンジピラー6の車幅方向外側下部には、車両前後方向に延びるサイドシルアッパ16が設けられている。そして、上述のサイドシルロア15とサイドシルアッパ16との両者によりサイドシル17が構成されている。
上述のサイドシルロア15およびサイドシルアッパ16は何れもアルミ合金製の押出し部材にて形成されている。
【0023】
図4に示すように、上述のサイドシルロア15の前端部と下部トンネルフレーム12の前端部とは、車幅方向に延びるトルクボックス18で連結されている。
図3図4に示すように、車室対応位置のトンネル部2とサイドシル17の前後方向中間部との間には、車幅方向に延びるフロアクロスメンバ19,19が設けられており、このフロアクロスメンバ19と図示しないフロアパネルとの間には、車幅方向に延びる閉断面が形成されている。
そして、上述のダッシュパネル1、ヒンジピラー6、サイドシル17、トルクボックス18等の各要素により車室構成部材20を構成している(図3図4参照)。
【0024】
図2図5図6に示すように、ダッシュパネル1の前方におけるエンジンルームの左右両サイドには、サスペンションハウジング30(以下、単に、サスハウジング30と略記する)を設けている。このサスハウジング30はアルミダイカスト製で、左右一対のサスハウジング30における前側上部相互間は、車幅方向に延びる上部クロスメンバ31で連結されており、左右一対のサスハウジング30における前側下部相互間は、車幅方向に延びる下部クロスメンバ32で連結されている。
また、上述のサスハウジング30と車室構成部材20との間は、複数のフレーム21〜25により連結されている。このフレーム21〜25による連結構造については後述する。
【0025】
図1図2に示すように、左右一対のサスハウジング30の前面部には、セットプレート33(図5図6参照)を介して、衝撃吸収部材としてのクラッシュボックス40が締結固定されている。
このクラッシュボックス40は繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic、いわゆるFRP)により形成されていて、その後方基端部に一体形成されたフランジ部40aが、ボルト、ナット等の締結部材を用いて、セットプレート33およびサスハウジング30に共締め固定されたものである。
【0026】
図2図4に示すように、上述の左右一対のクラッシュボックス40,40の前端部相互間には、アルミ合金製の押出し部材から成るバンパレインフォースメント41が取付けられている。詳しくは、バンパレインフォースメント41のクラッシュボックス40対応位置にアルミ合金製のバンパステイ42を設け、クラッシュボックス40前端をバンパステイ42に締結固定している。
【0027】
また、図4に示すように、バンパステイ42を補強するアルミ合金製のバンパステイ補強部材43を設けている。このバンパステイ補強部材43とバンパレインフォースメント41とのクラッシュボックス40対応位置には凹形状の切欠き部をそれぞれ形成し、クラッシュボックス40先端をバンパステイ42に締結固定すると共に、バンパレインフォースメント41とバンパステイ補強部材43とバンパステイ42とは、相互にMIG溶接手段にて接合固定されている。
【0028】
図5図6に示すように、上述のサスハウジング30は、上辺部30aと、下辺部30bと、前辺部30cと、後辺部30dとを有すると共に、これら各辺30a〜30dで囲繞された開口部30eを備えている。
また、図5に示すように、上述のサスハウジング30は、上辺部30aの前後方向中間部にサスペンションダンパ支持部34が、上辺部30a前側および後側にアッパアーム支持部35が、下辺部30b前側および後側にロアアーム支持部36が、それぞれ形成されている。
【0029】
そして、上述のサスペンションダンパ支持部34には、サスペンションダンパ95(図10参照)の上端部が支持され、アッパアーム支持部35には、アッパアーム93(図10参照)の車体側枢支部が支持され、ロアアーム支持部36には、ロアアーム94(図10参照)の車体側枢支部が支持されるように構成している。
【0030】
上述のサスハウジング30は複数のフレーム21〜25(詳しくは、アルミ合金製の押出し部材によるフレーム部材)を用いて車室構成部材20に連結されているので、次に、フレーム21〜25によるサスハウジング30の連結構造について説明する。
【0031】
図2図6に示すように、サスハウジング30の上側部とダッシュパネル1の車幅方向内側上部とは、ダッシュパネル補強部材4およびブラケット27を介して、上部内側フレーム21で連結されている。上述のダッシュパネル補強部材4は締結部材を用いてダッシュパネル1の上部前面に締結固定されており、ブラケット27も別の締結部材を用いてダッシュパネル補強部材4の前部に締結固定されている。
また、上部内側フレーム21の前端部とサスハウジング30とは、図6に示すように、MIG溶接にて接合固定されており、上部内側フレーム21の後端部とブラケット27とは、同様に、MIG溶接にて接合固定されている。
【0032】
図3図6に示すように、サスハウジング30の上側部とヒンジピラー6の前側部とは、ジャンクション部材11を介して上部外側フレーム22で連結されている。ジャンクション部材11はタイヤストッパ7の車幅方向内側部とダッシュパネル1の前面部とに連結されている。
また、上部外側フレーム22の前端部とサスハウジング30とは、図6に示すように、MIG溶接にて接合固定されており、上部外側フレーム22の後端部とジャンクション部材11とは、同様に、MIG溶接にて接合固定されている。
【0033】
図4図6に示すように、サスハウジング30の下側部とダッシュパネル1の車幅方向内側下部とは、トルクボックス18およびブラケット50を介して下部内側フレーム23で連結されている。ブラケット50は締結部材を用いてトルクボックス18に締結固定されている。
また、下部内側フレーム23の前端部とサスハウジング30とは、図6に示すように、MIG溶接にて接合固定されており、下部内側フレーム23の後端部とブラケット50とは、同様に、MIG溶接にて接合固定されている。
【0034】
図4図5に示すように、サスハウジング30の下側部とヒンジピラー6の下側部とは、サイドシルロア15、トルクボックス18およびブラケット51を介して下部外側フレーム24で連結されている。ブラケット51は締結部材を用いてトルクボックス18に締結固定されている。
また、下部外側フレーム24の前端部とサスハウジング30とは、図5に示すように、MIG溶接にて接合固定されており、下部外側フレーム24の後端部とブラケット51とは、同様に、MIG溶接にて接合固定されている。
【0035】
この構成により、サスハウジング30の上側部においては、上部内側フレーム21と上部外側フレーム22とヒンジピラー6を含むダッシュパネル1とで、車両平面視でトラス構造が形成され(図3参照)、サスハウジング30の下側部においては、下部内側フレーム23と下部外側フレーム24とヒンジピラー6を含むダッシュパネル1とで、車両平面視でトラス構造が形成される(図4参照)。
【0036】
要するに、サスハウジング30を少なくとも4本のフレーム21,22,23,24にて車体に連結し、当該サスハウジング30と車体部材との間にトラス構造を形成することで、サスハウジング30を高剛性にて支持し、効果的な荷重伝達を行なうように構成したものである。
【0037】
図2図3に示すように、上述のサスハウジング30の上端とヒンジピラー6の上端とは、ジャンクション部材5を介して上端外側フレーム25で連結されている。ジャンクション部材5はヒンジピラー6の上端に連結固定されている。
【0038】
また、上端外側フレーム25の前端部とサスハウジング30とは、図3に示すように、MIG溶接にて接合固定されている。上端外側フレーム25の後端部とジャンクション部材5とは、同様に、MIG溶接にて接合固定されている。これにより、上述の上端外側フレーム25にてサスハウジング30の支持剛性向上を図るように構成している。上述の上端外側フレーム25もアルミ合金製の押出し部材にて角パイプ状に形成されたものである。
【0039】
加えて、図5に示すように、上端外側フレーム25の前側下面部と、タイヤストッパ7の前面部とを円弧状に連結する補強フレーム26を設けている。この補強フレーム26の前端部と上端外側フレーム25の前側下面部とはMIG溶接により連結固定されており、同様に、補強フレーム26の後端部とタイヤストッパ7前面側の前部プレート9とはMIG溶接により連結固定されている。
【0040】
さらに、図1に示すように、上部外側フレーム22と下部外側フレーム24との間を鉛直方向に連結するアルミ合金製の連結部材28を備えている。これにより、上部外側フレーム22と下部外側フレーム24とを鉛直方向に剛性高く連結し、車体の捩れを抑制して、車両の挙動の応答性向上を図るように構成している。
【0041】
図7図1の要部拡大斜視図、図8図7の側面図(詳しくは、車両左側外方から見た状態で示す側面図)、図9図8のA−A線矢視断面図、図10はフロントサスペンションを示す斜視図である。
図1図7図9に示すように、上述のバンパレインフォースメント41の後方で、かつ上記クラッシュボックス40の車幅方向外側には左右一対のシュラウドサイドメンバ60が設けられている。
【0042】
上述のシュラウドサイドメンバ60は、上下方向に延びるインナ部材61と、上下方向に延びるアウタ部材62と、車幅方向に延びるアッパ部材63と、車幅方向に延びるロア部材64と、を略方形枠状に組合せて構成したものである。
【0043】
上述のシュラウドサイドメンバ60を構成する各部材61〜64は、アルミ合金製の押出し部材により角パイプ形状に形成されており、各部材間をMIG溶接により接合することで、略方形枠状に組合せたものである。
【0044】
一方、図8に示すように、サスハウジング30の上辺部30a前側には、締結部材52を用いてジャンクション部材53を取付けている。
そして、図1図8に示すように、シュラウドサイドメンバ60におけるインナ部材61の上部背面と、上述のジャンクション部材53と、の間を、車両前後方向に延びる支持部材65で連結している。
【0045】
また、図1図8に示すように、上述のインナ部材61の下部背面と、サスハウジング30の下辺部30b前面と、の間を車両前後方向に延びる支持部材66で連結している。なお、サスハウジング30の下辺部30b前面と、支持部材66の後端部との間には、プレート54が介設されている。
【0046】
図1図7図8に示すように、上述のシュラウドサイドメンバ60におけるアッパ部材63の車幅方向外側背面と、支持部材65の後部における車幅方向外側面と、の間を、後方かつ車幅方向内側に向けて傾斜状に延びる支持部材67で連結している。
【0047】
図1図7に示すように、上述のインナ部材61の下部前面部には、プレート部材68を介して支持部材69が取付けられており、左右一対の支持部材69,69前端部相互間には、車幅方向に延びる足払いバー70が横架されている。
【0048】
図1図7に示すように、上述の足払いバー70はバンパレインフォースメント41の下方に位置するものである。また、当該足払いバー70は、前側に位置する足払いバー本体71と、後側に位置するクロージングプレート72とを接合固定して構成したものである。
【0049】
図8に示すように、シュラウドサイドメンバ60におけるインナ部材61の上部前面の上下両部には、締結部材を用いて、上部ブラケット73および下部ブラケット74を上下方向に対向させて取付けており、これら上下の各ブラケット73,74には、車幅方向に延びるシュラウドアッパメンバ75を取付けている。図1図8に示すように、当該シュラウドアッパメンバ75は、上述のバンパレインフォースメント41の上方かつ後方に位置するものである。
【0050】
図9に示すように、上述のバンパレインフォースメント41は左右一対の連結ブラケット76,76を介して、足払いバー70に連結されている。この実施例では、上述の連結ブラケット76の上端部は、バンパステイ補強部材43を介してバンパレインフォースメント41に連結されており、連結ブラケット76の下端部は、足払いバー70のクロージングプレート72背面に連結されている。
【0051】
また、図8図9に示すように、上述のバンパレインフォースメント41は複数の連結ブラケット77を介して、シュラウドアッパメンバ75に連結されている。これらの各連結ブラケット77は、車幅方向に離間して設けられている。また、上記連結ブラケット77の上端部は、シュラウドアッパメンバ75の下面部に連結されており、連結ブラケット77の下端部は、バンパレインフォースメント41の背面部に連結されている。
【0052】
しかも、図7図8に示すように、シュラウドサイドメンバ60におけるインナ部材61の車幅方向外側面部と、バンパレインフォースメント41の車幅方向外側部とは、連結部材80にて連結されている。
この連結部材80の前部とバンパレインフォースメント41の車幅方向外側部とは、溶接または締結部材を用いて連結することができ、連結部材80の後部とインナ部材61とは、ボルト、ナット等の締結部材を用いて連結することができる。
【0053】
このように、上述の連結部材80をクラッシュボックス40に直接接続することなく、当該連結部材80がシュラウドサイドメンバ60(詳しくは、インナ部材61)とバンパレインフォースメント41とを連結することで、クラッシュボックス40による衝撃吸収機能を確保するように構成したものである。さらに、当該連結部材80にて、バンパ機構(バンパレインフォースメント41、バンパステイ42、バンパステイ補強部材43参照)と車体(サスハウジング30参照)との共振を抑制すべく構成したものである。
【0054】
また、連結ブラケット76にてバンパレインフォースメント41と足払いバー70とを連結することで、当該足払いバー70を含むバンパ機構(各要素41、42、43参照)と車体(サスハウジング30)との共振を抑制すべく構成している。
【0055】
さらに、連結ブラケット77にてバンパレインフォースメント41とシュラウドアッパメンバ75とを連結することで、当該シュラウドアッパメンバ75を含むバンパ機構(各要素41、42、43参照)と車体との共振を抑制すべく構成している。
【0056】
図7図8に示すように、上述の連結部材80の上下両部には上下のフランジ部80a,80bが一体的に屈曲形成されている。上側のフランジ部80aは連結部材80の上端から車幅方向外側に延びた後に、上方に延びており、同様に、下側のフランジ部80bは連結部材80の下端から車幅方向外側に延びた後に、下方に延びている。
上述の上下の各フランジ部80a,80bにより連結部材80の高剛性化を図り、これにより、共振抑制機能の向上を図るように構成したものである。
【0057】
図7図8に示すように、上述の連結部材80は、上下方向に延びる高剛性化のビード部80c,80dを備えている。当該ビード部80c,80dにより連結部材80の上下方向の剛性を高め、これにより、共振抑制機能のさらなる向上を図るように構成している。
【0058】
図7図8に示すように、上述の連結部材80は、その前後方向の剛性を低下させるビード部80c,80dを備えている。すなわち、該連結部材80の長手方向中間部は車両平面視において上述のビード部80c,80dを含んでジグザグ形状に形成されており、これにより、上下方向の剛性を高める一方で、前後方向の剛性を低下させている。
【0059】
このように構成することで、車両前突時において連結部材80が潰れやすくなり、当該連結部材80およびクラッシュボックス40の潰れが阻害されることなく、クラッシュボックス40にて前突荷重の円滑なエネルギ吸収を図るように構成している。
【0060】
ところで、図1に示すように、この実施例の車両の前部車体構造は、車両右側のサスハウジング30の上辺部30aと、ダッシュパネル1におけるトンネル部2よりも上方かつ車幅方向左側の部位と、を連結する一方のタワーバー81を設けている。
また、車両左側のサスハウジング30の上辺部30aと、ダッシュパネル1におけるトンネル部2よりも上方かつ車幅方向右側の部位と、を連結する他方のタワーバー82を設けている。
そして、これらの各タワーバー81,82を、車両平面視でX形状に組合わせている。さらに、これら各タワーバー81,82の前端部同士を車幅方向に延びて連結する前端連結部83を備えている。
【0061】
ここで、上述の各タワーバー81,82および前端連結部83は、炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber−Glass Reinforced Plastics、いわゆるCFRP)により一体かつ内部中空に形成されている。
【0062】
図10に示すように、フロントサスペンション90は、フロントホイールハブ91と、ナックル92と、アッパアーム93と、ロアアーム94と、サスペンションダンパ95と、を備えている。
アッパアーム93の前後一対の車体側枢支部93aは取付けボス93b,93bを備えている。ロアアーム94の前後一対の車体側枢支部94aも取付けボス94b,94bを備えている。また、サスペンションダンパ95上端の車体側枢支部95aも取付けボス95b,95bを備えている。
【0063】
さらに、図10に示すように、ロアアーム94側の前後一対の車体側枢支部94a,94aのうちの車両後側の車体側枢支部94aの近傍と、アッパアーム93側の前後一対の車体側枢支部93a,93aのうちの車両前側の車体側枢支部93aの近傍と、に跨がって、連結ロッド96が設けられている。
そして、図10で示したサスペンションダンパ95の車体側枢支部95aにおける取付けボス95b,95bは、図5で示したサスハウジング30のサスペンションダンパ支持部34に取付けられる。
【0064】
また、アッパアーム93側の前後一対の車体側枢支部93a,93aにおける取付けボス93b,93bは、アッパアーム支持部35に取付けられる(図5図10参照)。
同様に、ロアアーム94側の前後一対の車体側枢支部94a,94aにおける取付けボス94b,94bは、ロアアーム支持部36に取付けられる(図5図10参照)。
【0065】
図2で示した多角筒形状のクラッシュボックス40に代えて、図11に示すクラッシュカン45を用いてもよい。図11は車両左側のクラッシュカン45を車幅方向外方かつ前方上部から見た状態で示す斜視図であって、車両右側のクラッシュカンについては図示省略しているが、車両右側のクラッシュカンは、車両左側のそれと左右対称に形成される。
【0066】
図11に示すように、上記クラッシュカン45は、先端に位置するフランジ部46と、基端側に位置するフランジ部47と、これらの各フランジ部46,47を車両前後方向に延びて連結するクラッシュカン本体48と、を繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic、いわゆるFRP)にて一体形成したものである。
【0067】
上述の先端側のフランジ部46はバンパステイ42に締結され、基端側のフランジ部47はセットプレート33を介してサスハウジング30の前辺部30cに締結される。
また、クラッシュカン本体48は、その車幅方向断面が略W字形状に形成されると共に、当該クラッシュカン本体48は先端から基端側にかけて車幅方向寸法が漸増するように形成されている。
【0068】
このように、上記実施例の車両の前部車体構造は、バンパレインフォースメント41と車体(サスハウジング30参照)との間に設けられる衝撃吸収部材(クラッシュボックス40、クラッシュカン45参照)を備えた車両の前部車体構造であって、シュラウドサイドメンバ60が上記バンパレインフォースメント41の後方で、かつ、上記衝撃吸収部材(クラッシュボックス40、クラッシュカン45)の車幅方向外側に設けられると共に、上記シュラウドサイドメンバ60と上記バンパレインフォースメント41の車幅方向外側部とを連結する連結部材80が設けられたものである(図1図7図8参照)。
【0069】
この構成によれば、上述の連結部材80は、シュラウドサイドメンバ60とバンパレインフォースメント41とを連結するので、衝撃吸収部材(クラッシュボックス40、クラッシュカン45)による衝撃吸収機能を確保することができる。
しかも、上記連結部材80にて、バンパ機構(各要素41、42、43参照)と車体との共振を抑制することができる。
【0070】
また、この発明の一実施形態においては、上記バンパレインフォースメント41の下方には足払いバー70が設けられ、上記バンパレインフォースメント41は上記足払いバー70に連結されたものである(図9参照)。
この構成によれば、バンパレインフォースメント41が足払いバー70にも連結されているので、当該足払いバー70を含むバンパ機構と車体との共振を抑制することができる。
【0071】
さらに、この発明の一実施形態においては、上記バンパレインフォースメント41の上方かつ後方にはシュラウドアッパメンバ75が設けられ、上記バンパレインフォースメント41は上記シュラウドアッパメンバ75に連結されたものである(図9参照)。
この構成によれば、バンパレインフォースメント41がシュラウドアッパメンバ75にも連結されているので、当該シュラウドアッパメンバ75を含むバンパ機構と車体との共振を抑制することができる。
【0072】
さらにまた、この発明の一実施形態においては、上記連結部材80の上下には高剛性化のフランジ部80a,80bが形成されたものである(図7図8参照)。
この構成によれば、上下のフランジ部80a,80bにより連結部材80の高剛性化を図ることができ、この結果、共振抑制機能の向上を図ることができる。
【0073】
加えて、この発明の一実施形態においては、上記連結部材80は、上下方向に延びる高剛性化のビード部80c,80dを備えたものである(図7図8参照)。
この構成によれば、上述のビード部80c,80dにより連結部材80の上下方向の剛性を高めることができ、この結果、共振抑制機能の向上を図ることができる。
【0074】
また、この発明の一実施形態においては、上記連結部材80は、その前後方向の剛性を低下させるビード部80c,80d(この実施例では、ビード部80c,80dを含むジグザグ形状により前後方向剛性低下部を形成している)を備えたものである(図7図8参照)。
【0075】
この構成によれば、車両前突時において連結部材80が潰れやすいので、当該連結部材80および衝撃吸収部材(クラッシュボックス40、クラッシュカン45)の潰れが阻害されることなく、衝撃吸収部材にて前突荷重の円滑なエネルギ吸収を図ることができる。
【0076】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の衝撃吸収部材は、実施例のクラッシュボックス40またはクラッシュカン45に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上説明したように、本発明は、バンパレインフォースメントと車体との間に設けられる衝撃吸収部材を備えた車両の前部車体構造について有用である。
【符号の説明】
【0078】
40…クラッシュボックス(衝撃吸収部材)
41…バンパレインフォースメント
45…クラッシュカン(衝撃吸収部材)
60…シュラウドサイドメンバ
70…足払いバー
75…シュラウドアッパメンバ
80…連結部材
80a、80b…フランジ部
80c、80d…ビード部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11