【実施例】
【0020】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の前部車体構造を示し、
図1は当該車両の前部車体構造を示す斜視図、
図2は
図1から一部の部材(シュラウドメンバ、支持部材、足払いバー、タワーバーなど)を取外した状態で示す斜視図である。
【0021】
また、
図3は
図2で示した前部車体構造の平面図、
図4は
図2で示した前部車体構造の底面図、
図5は
図2で示した前部車体構造を車幅方向外側から見た状態で示す側面図、
図6は
図2で示した前部車体構造を車幅方向内側から見た状態で示す側面図である。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
【0022】
図2、
図3に示すように、エンジンルームと車室とを車両前後方向に仕切るダッシュパネル1を設け、このダッシュパネル1の車幅方向中央にはトンネル部2を形成すると共に、ダッシュパネル1の上端部にはカウル部3を配置している。
図2、
図3に示すように、上述のダッシュパネル1の上部前側には車幅方向に延びるダッシュパネル補強部材4を連結固定している。
【0023】
図2に示すように、上述のダッシュパネル1の車幅方向左右両端部には、上部にジャンクション部材5を備えたヒンジピラー6が立設固定されている。該ヒンジピラー6はアルミ合金製の押出し部材にて形成されている。
【0024】
図2に示すように、上述のヒンジピラー6の前部には、タイヤストッパ7が連結固定されている。
このタイヤストッパ7はヒンジピラー6の前部から車両前方に延びるアルミ押出し材から形成された角パイプ8と、当該角パイプ8の前端に取付けられた前部プレート9と、角パイプ8の外側部に取付けられた側部プレート10と、を備えている。
図2に示すように、上述のタイヤストッパ7の車幅方向内側とダッシュパネル1の前部との間にはジャンクション部材11が連結固定されている。
【0025】
図3、
図4に示すように、トンネル部2の下部には左右一対の下部トンネルフレーム12,12が設けられており、
図3に示すように、トンネル部2の上部には、車両平面視でV字状に組合わされた上部トンネルフレーム13が設けられている。なお、
図3、
図4において、14はトンネルパネルである。
【0026】
図2に示すように、上述のヒンジピラー6の下端部には、車両前後方向に延びるサイドシルロア15が設けられており、ヒンジピラー6の車幅方向外側下部には、車両前後方向に延びるサイドシルアッパ16が設けられている。そして、上述のサイドシルロア15とサイドシルアッパ16との両者によりサイドシル17が構成されている。
上述のサイドシルロア15およびサイドシルアッパ16は、何れもアルミ合金製の押出し部材にて形成されている。
【0027】
図4に示すように、上述のサイドシルロア15の前端部と下部トンネルフレーム12の前端部とは、車幅方向に延びるトルクボックス18で連結されている。
図3、
図4に示すように、車室内に位置するトンネル部2と、サイドシル17の車両前後方向中間部との間には、車幅方向に延びるフロアクロスメンバ19,19が設けられている。このフロアクロスメンバ19とフロアパネルとの間には、車幅方向に延びる閉断面が形成されている。
そして、上述のダッシュパネル1、ヒンジピラー6、サイドシル17、トルクボックス18等の各要素により車室構成部材20を構成している(
図3、
図4参照)。
【0028】
図2、
図5、
図6に示すように、ダッシュパネル1の前方におけるエンジンルームの左右両サイドには、サスペンションハウジング30(以下、単に、サスハウジング30と略記する)を設けている。このサスハウジング30はアルミダイカスト製で、左右一対のサスハウジング30における前側上部相互間は、車幅方向に延びる上部クロスメンバ31(
図6参照)で連結されている。また左右一対のサスハウジング30における前側下部相互間は、車幅方向に延びる下部クロスメンバ32(
図6参照)で連結されている。
さらに、上述のサスハウジング30と車室構成部材20との間は、複数のフレーム21〜25により連結されている。このフレーム21〜25による連結構造については後述する。
【0029】
図2に示すように、左右一対のサスハウジング30の前面部には、セットプレート33(
図5、
図6参照)を介して、衝撃吸収部材としてのクラッシュボックス40が締結固定されている。
このクラッシュボックス40は繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic、いわゆるFRP)により形成されていて、その後方基端部に一体形成されたフランジ部40aが、ボルト、ナット等の締結部材を用いて、セットプレート33およびサスハウジング30に共締め固定されたものである。
【0030】
図2〜
図4に示すように、上述の左右一対のクラッシュボックス40,40の前端部相互間には、アルミ合金製の押出し部材から成るバンパレインフォースメント41が取付けられている。詳しくは、バンパレインフォースメント41のクラッシュボックス40対応位置にアルミ合金製のバンパステイ42を設け、クラッシュボックス40前端をバンパステイ42に締結固定している。
【0031】
また、
図4に示すように、バンパステイ42を補強するアルミ合金製のバンパステイ補強部材43を設けている。このバンパステイ補強部材43とバンパレインフォースメント41とのクラッシュボックス40対応位置には凹形状の切欠き部をそれぞれ形成し、クラッシュボックス40先端をバンパステイ42に締結固定すると共に、バンパレインフォースメント41とバンパステイ補強部材43とバンパステイ42とは、相互にMIG溶接手段にて接合固定されている。
【0032】
図5、
図6に示すように、上述のサスハウジング30は、上辺部30aと、下辺部30bと、前辺部30cと、後辺部30dとを有すると共に、これら各辺30a〜30dで囲繞された開口部30eを備えている。
また、
図5に示すように、上述のサスハウジング30は、上辺部30aの前後方向中間部にサスペンションダンパ固定部としてのサスペンションダンパ支持部34が、上辺部30a前側および後側にアッパアーム支持部35が、下辺部30b前側および後側にロアアーム支持部36が、それぞれ形成されている。
【0033】
そして、上述のサスペンションダンパ支持部34には、サスペンションダンパ95(
図10参照)の上端部が支持され、アッパアーム支持部35には、アッパアーム93(
図10参照)の車体側枢支部が支持され、ロアアーム支持部36には、ロアアーム94(
図10参照)の車体側枢支部が支持されるように構成している。
【0034】
上述のサスハウジング30は、複数のフレーム21〜25(詳しくは、アルミ合金製の押出し部材によるフレーム部材)を用いて、車室構成部材20に連結されているので、次に、フレーム21〜25によるサスハウジング30の連結構造について説明する。
【0035】
図2、
図6に示すように、サスハウジング30の上側部とダッシュパネル1の車幅方向内側上部とは、ダッシュパネル補強部材4およびブラケット27を介して、上部内側フレーム21で連結されている。上述のダッシュパネル補強部材4は締結部材を用いてダッシュパネル1の上部前面に締結固定されており、ブラケット27も別の締結部材を用いてダッシュパネル補強部材4の前部に締結固定されている。
【0036】
また、上部内側フレーム21の前端部とサスハウジング30とは、
図6に示すように、MIG溶接にて接合固定されており、上部内側フレーム21の後端部とブラケット27とは、同様に、MIG溶接にて接合固定されている。
【0037】
図3、
図6に示すように、サスハウジング30の上側部とヒンジピラー6の前側部とは、ジャンクション部材11を介して上部外側フレーム22で連結されている。ジャンクション部材11はタイヤストッパ7の車幅方向内側部とダッシュパネル1の前面部とに連結されている。
【0038】
また、上部外側フレーム22の前端部とサスハウジング30とは、
図6に示すように、MIG溶接にて接合固定されており、上部外側フレーム22の後端部とジャンクション部材11とは、同様に、MIG溶接にて接合固定されている。
【0039】
図4、
図6に示すように、サスハウジング30の下側部とダッシュパネル1の車幅方向内側下部とは、トルクボックス18およびブラケット50を介して下部内側フレーム23で連結されている。ブラケット50は締結部材を用いてトルクボックス18に締結固定されている。
また、下部内側フレーム23の前端部とサスハウジング30とは、
図6に示すように、MIG溶接にて接合固定されており、下部内側フレーム23の後端部とブラケット50とは、同様に、MIG溶接にて接合固定されている。
【0040】
図4、
図5に示すように、サスハウジング30の下側部とヒンジピラー6の下側部とは、サイドシルロア15、トルクボックス18およびブラケット51を介して下部外側フレーム24で連結されている。ブラケット51は締結部材を用いてトルクボックス18に締結固定されている。
また、下部外側フレーム24の前端部とサスハウジング30とは、
図5に示すように、MIG溶接にて接合固定されており、下部外側フレーム24の後端部とブラケット51とは、同様に、MIG溶接にて接合固定されている。
【0041】
この構成により、サスハウジング30の上側部においては、上部内側フレーム21と上部外側フレーム22とヒンジピラー6を含むダッシュパネル1とで、車両平面視でトラス構造が形成される(
図3参照)。サスハウジング30の下側部においては、下部内側フレーム23と下部外側フレーム24とヒンジピラー6を含むダッシュパネル1とで、車両平面視でトラス構造が形成される(
図4参照)。
【0042】
要するに、サスハウジング30を、少なくとも4本のフレーム21〜24(この実施例では、片側5本のフレーム21〜25)にて車体に連結し、当該サスハウジング30と車体部材との間にトラス構造を形成することで、サスハウジング30を高剛性にて支持し、効果的な荷重伝達を行なうように構成したものである。
【0043】
図2、
図3に示すように、上述のサスハウジング30の上端とヒンジピラー6の上端とは、ジャンクション部材5を介して上端外側フレーム25で連結されている。ジャンクション部材5はヒンジピラー6の上端に連結固定されている。
【0044】
また、上端外側フレーム25の前端部とサスハウジング30とは、
図3に示すように、MIG溶接にて接合固定されている。上端外側フレーム25の後端部とジャンクション部材5とは、同様に、MIG溶接にて接合固定されている。これにより、上述の上端外側フレーム25にてサスハウジング30の支持剛性向上を図るように構成している。上述の上端外側フレーム25もアルミ合金製の押出し部材にて角パイプ状に形成されたものである。
【0045】
加えて、
図5に示すように、上端外側フレーム25の前側下面部と、タイヤストッパ7の前面部とを円弧状に連結する補強フレーム26を設けている。この補強フレーム26の前端部と上端外側フレーム25の前側下面部とはMIG溶接により連結固定されており、同様に、補強フレーム26の後端部とタイヤストッパ7前面側の前部プレート9とはMIG溶接により連結固定されている。
【0046】
さらに、
図1に示すように、上部外側フレーム22と下部外側フレーム24との間を鉛直方向に連結するアルミ合金製の連結部材28を備えている。これにより、上部外側フレーム22と下部外側フレーム24とを鉛直方向に剛性高く連結し、車体の捩れを抑制して、車両の挙動の応答性向上を図るように構成している。
上述の連結部材28は、上部外側フレーム22と下部外側フレーム24とにMIG溶接により接合固定されたものである。
【0047】
図7は
図1の要部拡大斜視図、
図8は
図7の側面図(詳しくは、車両左側外方から見た状態で示す側面図)、
図9は
図8のA−A線矢視断面図、
図10はフロントサスペンションを示す斜視図である。
図1、
図7〜
図9に示すように、上述のバンパレインフォースメント41の後方で、かつ上記クラッシュボックス40の車幅方向外側には左右一対のシュラウドサイドメンバ60が設けられている。
【0048】
上述のシュラウドサイドメンバ60は、上下方向に延びるインナ部材61と、上下方向に延びるアウタ部材62と、車幅方向に延びるアッパ部材63と、車幅方向に延びるロア部材64と、を略方形枠状に組合せて構成したものである。
【0049】
上述のシュラウドサイドメンバ60を構成する各部材61〜64は、アルミ合金製の押出し部材により角パイプ形状に形成されており、各部材間をMIG溶接により接合することで、略方形枠状に組合せたものである。
【0050】
一方、
図8に示すように、サスハウジング30の上辺部30a前側には、締結部材52を用いてジャンクション部材53を取付けている。
そして、
図1、
図8に示すように、シュラウドサイドメンバ60におけるインナ部材61の上部背面と、上述のジャンクション部材53と、の間を、車両前後方向に延びる支持部材65で連結している。
【0051】
また、
図1、
図8に示すように、上述のインナ部材61の下部背面と、サスハウジング30の下辺部30b前面と、の間を車両前後方向に延びる支持部材66で連結している。なお、サスハウジング30の下辺部30b前面と、支持部材66の後端部との間には、プレート54(
図8参照)が介設されている。
【0052】
図1、
図7、
図8に示すように、上述のシュラウドサイドメンバ60におけるアッパ部材63の車幅方向外側背面と、支持部材65の後部における車幅方向外側面と、の間を、後方かつ車幅方向内側に向けて傾斜状に延びる支持部材67で連結している。
【0053】
図1、
図7に示すように、上述のインナ部材61の下部前面部には、プレート部材68を介して支持部材69が取付けられており、左右一対の支持部材69,69前端部相互間には、車幅方向に延びる足払いバー70が横架されている。
【0054】
図1、
図7に示すように、上述の足払いバー70はバンパレインフォースメント41の下方に位置するものである。また、当該足払いバー70は、前側に位置する足払いバー本体71と、後側に位置するクロージングプレート72とを接合固定して構成したものである。
【0055】
図8に示すように、シュラウドサイドメンバ60におけるインナ部材61の上部前面の上下両部には、締結部材を用いて、上部ブラケット73および下部ブラケット74を上下方向に対向させて取付けており、これら上下の各ブラケット73,74には、車幅方向に延びるシュラウドアッパメンバ75を取付けている。
図1、
図8に示すように、当該シュラウドアッパメンバ75は、上述のバンパレインフォースメント41の上方かつ後方に位置するものである。
【0056】
図9に示すように、上述のバンパレインフォースメント41は左右一対の連結ブラケット76,76を介して、足払いバー70に連結されている。この実施例では、上述の連結ブラケット76の上端部は、バンパステイ補強部材43を介してバンパレインフォースメント41に連結されており、連結ブラケット76の下端部は、足払いバー70のクロージングプレート72背面に連結されている。
【0057】
また、
図8、
図9に示すように、上述のバンパレインフォースメント41は複数の連結ブラケット77を介して、シュラウドアッパメンバ75に連結されている。これらの各連結ブラケット77は、車幅方向に離間して設けられている。また、上記連結ブラケット77の上端部は、シュラウドアッパメンバ75の下面部に連結されており、連結ブラケット77の下端部は、バンパレインフォースメント41の背面部に連結されている。
【0058】
しかも、
図7、
図8に示すように、シュラウドサイドメンバ60におけるインナ部材61の車幅方向外側面部と、バンパレインフォースメント41の車幅方向外側部とは、連結部材80にて連結されている。
この連結部材80の前部とバンパレインフォースメント41の車幅方向外側部とは、溶接または締結部材を用いて連結することができ、連結部材80の後部とインナ部材61とは、ボルト、ナット等の締結部材を用いて連結することができる。
【0059】
このように、上述の連結部材80をクラッシュボックス40に直接接続することなく、当該連結部材80がシュラウドサイドメンバ60(詳しくは、インナ部材61)とバンパレインフォースメント41とを連結することで、クラッシュボックス40による衝撃吸収機能を確保するように構成したものである。さらに、当該連結部材80にて、バンパ機構(バンパレインフォースメント41、バンパステイ42、バンパステイ補強部材43参照)と車体(サスハウジング30参照)との共振を抑制すべく構成したものである。
【0060】
また、連結ブラケット76(
図8、
図9参照)にてバンパレインフォースメント41と足払いバー70とを連結することで、当該足払いバー70を含むバンパ機構(各要素41、42、43参照)と車体(サスハウジング30)との共振を抑制すべく構成している。
【0061】
さらに、連結ブラケット77(
図8、
図9参照)にてバンパレインフォースメント41とシュラウドアッパメンバ75とを連結することで、当該シュラウドアッパメンバ75を含むバンパ機構(各要素41、42、43参照)と車体との共振を抑制すべく構成している。
【0062】
図7、
図8に示すように、上述の連結部材80の上下両部には上下のフランジ部80a,80bが一体的に屈曲形成されている。上側のフランジ部80aは連結部材80の上端から車幅方向外側に延びた後に、上方に延びており、同様に、下側のフランジ部80bは連結部材80の下端から車幅方向外側に延びた後に、下方に延びている。
上述の上下の各フランジ部80a,80bにより連結部材80の高剛性化を図り、これにより、共振抑制機能の向上を図るように構成したものである。
【0063】
図7、
図8に示すように、上述の連結部材80は、上下方向に延びる高剛性化のビード部80c,80dを備えている。当該ビード部80c,80dにより連結部材80の上下方向の剛性を高め、これにより、共振抑制機能のさらなる向上を図るように構成している。
【0064】
図7、
図8に示すように、上述の連結部材80は、その前後方向の剛性を低下させるビード部80c,80dを備えている。すなわち、該連結部材80の長手方向中間部は車両平面視において上述のビード部80c,80dを含んでジグザグ形状に形成されており、これにより、上下方向の剛性を高める一方で、前後方向の剛性を低下させている。
【0065】
このように構成することで、車両前突時において連結部材80が潰れやすくなり、当該連結部材80およびクラッシュボックス40の潰れが阻害されることなく、クラッシュボックス40にて前突荷重の円滑なエネルギ吸収を図るように構成している。
【0066】
ところで、
図1に示すように、この実施例の車両の前部車体構造は、車両右側のサスハウジング30の上辺部30aと、ダッシュパネル1におけるトンネル部2よりも上方かつ車幅方向左側の部位と、を連結する一方のタワーバー81を設けている。
【0067】
また、車両左側のサスハウジング30の上辺部30aと、ダッシュパネル1におけるトンネル部2よりも上方かつ車幅方向右側の部位と、を連結する他方のタワーバー82を設けている。
そして、これらの各タワーバー81,82を、車両平面視でX形状に組合わせている。さらに、これら各タワーバー81,82の前端部同士を車幅方向に延びて連結する前端連結部83を備えている。
【0068】
ここで、上述の各タワーバー81,82および前端連結部83は、炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber−Glass Reinforced Plastics、いわゆるCFRP)により一体かつ内部中空に形成されている。
【0069】
図10に示すように、フロントサスペンション90は、フロントホイールハブ91と、ナックル92と、アッパアーム93と、ロアアーム94と、サスペンションダンパ95と、を備えている。
アッパアーム93の前後一対の車体側枢支部93aは取付けボス93b,93bを備えている。ロアアーム94の前後一対の車体側枢支部94aも取付けボス94b,94bを備えている。また、サスペンションダンパ95上端の車体側枢支部95aも取付けボス95b,95bを備えている。
【0070】
さらに、
図10に示すように、ロアアーム94側の前後一対の車体側枢支部94a,94aのうちの車両後側の車体側枢支部94aの近傍と、アッパアーム93側の前後一対の車体側枢支部93a,93aのうちの車両前側の車体側枢支部93aの近傍と、に跨がって、連結ロッド96が設けられている。
そして、
図10で示したサスペンションダンパ95の車体側枢支部95aにおける取付けボス95b,95bは、
図5で示したサスハウジング30のサスペンションダンパ支持部34に取付けられる。
【0071】
また、アッパアーム93側の前後一対の車体側枢支部93a,93aにおける取付けボス93b,93bは、アッパアーム支持部35に取付けられる(
図5、
図10参照)。
同様に、ロアアーム94側の前後一対の車体側枢支部94a,94aにおける取付けボス94b,94bは、ロアアーム支持部36に取付けられる(
図5、
図10参照)。
【0072】
図11は車両の前部車体構造を示す要部の斜視図、
図12は当該前部車体構造を車幅方向中間部にて上下方向に断面し、車幅方向内側から車幅方向外側を見た状態で示す斜視図、
図13はX形状のタワーバーと前端連結部とを抽出して示す斜視図である。
【0073】
図11に示すように、X形状のタワーバー81,82のうちの一方のタワーバー81の後端は、締結ボルト84(
図13参照)等の締結部材を用いて、左右一対のブラケット27,27のうちの車両左側のブラケット27に締結されている。
【0074】
同様に、X形状のタワーバー81,82のうちの他方のタワーバー82の後端は、締結ボルト85(
図13参照)等の締結部材を用いて、左右一対のブラケット27,27のうちの車両右側のブラケット27に締結されている。
【0075】
また、一方のタワーバー81の前端部と前端連結部83の車幅方向右端部とは交差して一体化された取付け部86が形成されている。
同様に、他方のタワーバー82の前端部と前端連結部83の車幅方向左端部とは交差して一体化された取付け部87が形成されている。
【0076】
そして、
図11、
図12に示すように、上述の各取付け部86,87を、締結ボルト88等の締結部材を用いて、各サスハウジング30の上辺部30aにそれぞれ締結している。
これにより、車両平面視でX形状のタワーバー81,82にて、ダッシュパネル1とサスハウジング30とを連結するように構成している。
【0077】
図5、
図11に示すように、サスハウジング30の前後一対のサスペンションダンパ支持部34,34には、ウエルドボルト37,37が外方へ突出するように設けられている。
図5、
図11に示すように、サスハウジング30の前側の前後一対のアッパアーム支持部35,35、並びに、後側の前後一対のアッパアーム支持部35,35には、それぞれウエルドボルト38,38が外方へ突出するように設けられている。
【0078】
図5、
図11に示すように、サスハウジング30の前側の前後一対のロアアーム支持部36,36、並びに、後側の前後一対のロアアーム支持部36,36には、それぞれウエルドボルト39,39が外方へ突出するように設けられている。
【0079】
図10に示すように、サスペンションダンパ95上端の車体側枢支部95aにおける前後一対の取付けボス95b,95bには、ウエルドボルト37,37を貫通させるための挿通孔95c,95cが開口形成されている。
【0080】
また、同図に示すように、アッパアーム93基端側の各車体側枢支部93a,93aにおける前後一対の取付けボス93b,93bには、ウエルドボルト38,38を貫通させるための挿通孔93c,93cがそれぞれ開口形成されている。
【0081】
同様に、ロアアーム94基端側の各車体側枢支部94a,94aにおける前後一対の取付けボス94b,94bにも、ウエルドボルト39,39を貫通させるための挿通孔94c,94cがそれぞれ開口形成されている。
【0082】
そして、上述の各ウエルドボルト37,38,39に対して、各取付けボス95b,93b,94bの各挿通孔95c,93c,94cを車幅方向外側から装着し、これらの各挿通孔95c,93c,94cから車幅方向外方へ突出したウエルドボルト37,38,39に対して、車幅方向外側からナットを螺合させることで、それぞれの支持部34,35,36にサスペンションダンパ95上端、アッパアーム93基端、ロアアーム94基端をそれぞれ車幅方向外側から取付けるように構成している。
【0083】
図11に示すように、上述の前端連結部83は、左右一対のサスペンションダンパ95を、車幅方向外側から固定するサスペンションダンパ支持部34の前側固定部(
図5に示す前後一方の支持部34,34のうちの車両前側に位置する支持部34)相互間に設けられている。
【0084】
このように、左右一対のサスハウジング30,30におけるサスペンションダンパ支持部34への前側固定部(一対の支持部34,34のうち車両前側に位置する支持部34)相互間を、上述の前端連結部83で車幅方向に連結している。これにより、サスペンションダンパ支持部34に対する荷重入力時、上述のサスハウジング30の前側が車幅方向内側へ回転変位しようとする力を効果的に受け、車体の捩れを抑制し、剛性確保を図るように構成したものである。
【0085】
また、上述のサスペンションダンパ支持部34には、サスペンションダンパ95が車幅方向外側から固定されるもので、これにより、サスペンションダンパ95のサスペンションダンパ支持部34に対する締結作業性の向上を図るように構成している。
【0086】
この実施例では、サスペンションダンパ95のみならず、アッパアーム93の基端側、並びに、ロアアーム94の基端側も車幅方向外側から固定されるものである。これにより、取付けボス95b,93b,94bに対する挿通孔95c,93c,94c、並びに、各支持部34,35,36のウエルドボルト37,38,39の係止孔の加工方向を共通化すると共に、ウエルドボルト37,38,39に対するナットの締結方向の共通化を図るように構成している。
【0087】
上述したように、上記サスハウジング30とダッシュパネル1とは、
図2で示したように、複数のフレーム21〜25で連結されている。この実施例では、同図に示すように、片側5本のフレーム、すなわち、上部内側フレーム21と、上部外側フレーム22と、下部内側フレーム23と、下部外側フレーム24と、上端外側フレーム25と、の片側5本のフレームにより、サスハウジング30とダッシュパネル1とを連結している。
【0088】
これにより、サスハウジングとダッシュパネルとの間を鋼板製のパネル部材を用いて連結する従前の構造に対して、複数のフレーム部材にて上記両者30,1を連結し、軽量化を図りつつ、サスハウジング30の支持剛性向上を図るように構成したものである。
【0089】
上述の複数のフレーム21〜25のうち上記上部外側フレーム22は、サスハウジング30の上側部と、ヒンジピラー6前側部とを連結するものである。詳しくは、上部外側フレーム22の後端部は、ジャンクション部材11およびタイヤストッパ7を介してヒンジピラー6前側部に連結されている。
そして、この上部外側フレーム22の前端の上下位置よりも上方に上述のサスペンションダンパ支持部34が位置するものである。
【0090】
上述の上部外側フレーム22でサスハウジング30が支持されている部位よりも上方のサスペンションダンパ支持部34の位置が変形しやすいが、この部位に入力される荷重を上述の前端連結部83で受けることにより、車体の捩れを抑制して、剛性の確保を図るように構成している。
また、上述の複数のフレーム21〜25はアルミ合金製の押出し部材により内部中空の角パイプ状に形成されている。これにより、フレーム21〜25の軽量化を図るように構成している。
【0091】
さらに、上記サスハウジング30はアルミダイカストにて形成されており、サスハウジング30それ自体の軽量化を図ると共に、
図10で示したアッパアーム93、ロアアーム94、サスペンションダンパ95等のサスペンション構成部材の支持剛性向上を図るように構成している。
なお、
図12において、97はサブフレーム、98はアンダカバー、99はフロアパネルである。
【0092】
このように、上記実施例の車両の前部車体構造は、サスペンションダンパ固定部(サスペンションダンパ支持部34参照)と、アッパアーム支持部35と、ロアアーム支持部36と、が形成されるサスペンションハウジング(サスハウジング30)を備えた車両の前部車体構造であって、ダッシュパネル1と上記サスペンションハウジング(サスハウジング30)とを連結する車両平面視でX形状のタワーバー81,82を設けると共に、該タワーバー81,82は、その前端部同士を車幅方向に延びて連結する前端連結部83を備え、上記前端連結部83は左右一対のサスペンションダンパ95を車幅方向外側から固定する上記サスペンションダンパ固定部(サスペンションダンパ支持部34)の前側固定部(一対の支持部34,34のうちの車両前側に位置する支持部34)間同士を連結するように設けられたものである(
図10、
図11参照)。
【0093】
この構成によれば、サスペンションダンパ固定部(サスペンションダンパ支持部34)の前側固定部間を上記前端連結部83にて連結したので、サスペンションダンパ固定部(サスペンションダンパ支持部34)への荷重入力時に、上記サスペンションハウジング(サスハウジング30)の前側が車幅方向内側へ回転しようとする力を効果的に受けて車体の捩れを抑制し、剛性確保を図ることができる。
【0094】
また、上記サスペンションダンパ固定部(サスペンションダンパ支持部34)には、サスペンションダンパ95が車幅方向外方から固定されるので、サスペンションダンパ95のサスペンションダンパ固定部(サスペンションダンパ支持部34)に対する締結作業性の向上を図ることができる。
【0095】
この発明の一実施形態においては、上記サスペンションハウジング(サスハウジング30)と上記ダッシュパネル1とを連結する複数のフレーム部材(フレーム21〜25参照)を備えたものである(
図2参照)。
【0096】
この構成によれば、次のような効果がある。
すなわち、サスペンションハウジングとダッシュパネルとの間を鋼板製のパネル部材を用いて連結する従前の構造に対して、複数のフレーム部材(フレーム21〜25)にて連結するので、軽量化を図りつつ、サスペンションハウジング(サスハウジング30)の支持剛性向上を図ることができる。
【0097】
また、この発明の一実施形態においては、上記複数のフレーム部材(フレーム21〜25)のうちの一つは、上記サスペンションハウジング(サスハウジング30)の上側部とヒンジピラー6前側部とを連結する上側フレーム部材(上部外側フレーム22)であって、当該上側フレーム部材(上部外側フレーム22)よりも上方に上記サスペンションダンパ固定部(サスペンションダンパ支持部34)が位置するものである(
図2、
図3、
図11参照)。
【0098】
この構成によれば、上述の上側フレーム部材(上部外側フレーム22)でサスペンションハウジング(サスハウジング30)が支持されている部位よりも上方のサスペンションダンパ固定部(サスペンションダンパ支持部34)が変形しやすいが、この部位に入力される荷重を上記前端連結部83で受けるので、車体の捩れを抑制し、剛性確保を図ることができる。
【0099】
さらに、この発明の一実施形態においては、上記複数のフレーム部材(フレーム21〜25)はアルミ押出し材にて構成されたものである(
図2参照)。
この構成によれば、フレーム部材(フレーム21〜25)の軽量化を図ることができる。
【0100】
加えて、この発明の一実施形態においては、上記サスペンションハウジング(サスハウジング30)はアルミダイカストにて形成されたものである(
図5、
図6参照)。
この構成によれば、サスペンションハウジング(サスハウジング30)の軽量化を図ることができると共に、
図10で示したアッパアーム93、ロアアーム94、サスペンションダンパ95等のサスペンション構成部材の支持剛性向上を図ることができる。
【0101】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のサスペンションダンパ固定部は、実施例のサスペンションダンパ支持部34に対応し、
以下同様に、
サスペンションハウジングは、サスハウジング30に対応し、
X形状のタワーバーは、一方のタワーバー81と他方のタワーバー82に対応し、
複数のフレーム部材は、フレーム21,22,23,24,25に対応し、
上側フレーム部材は、上部外側フレーム22に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。