【解決手段】現在位置情報及び方位情報を取得する携帯端末100であって、地面、床面、又は、施設ないし設備の壁面に配設されるとともに、位置情報及び方角情報を含む誘導情報を含んでなる認識コードを読み取る撮像部110を有する。また、撮像部110により読み取られた認識コードから取得される位置情報及び方角情報に基づいて、携帯端末100の現在位置情報及び方位情報を取得する取得部を有する。前記取得部においては、撮像された認識コードの位置情報が現在位置情報として取得されるとともに、撮像された認識コードの向きに基づき算出された読み取り角度と認識コードの方角情報とに基づいて、携帯端末100の方位情報が取得される。
請求項1〜6のいずれかに記載の携帯端末における前記取得部で取得した前記現在位置情報及び前記方位情報に基づいて現在地から目的地までの経路を表示する携帯端末であって、
目的地を入力する入力手段、
現在地から目的地までの推奨経路を取得する推奨経路取得手段、及び、
前記推奨経路取得手段で取得された推奨経路を地図上に表示させる表示手段を有する、
携帯端末。
請求項1〜6のいずれかに記載の携帯端末における前記取得部で取得した前記現在位置情報及び前記方位情報に基づいて現在地から目的地までの経路誘導を行う携帯端末であって、
目的地を入力する入力手段、
現在地から目的地までの推奨経路を取得する推奨経路取得手段、及び、
前記推奨経路取得手段で取得された推奨経路を地図上に表示させる表示手段を有する、
携帯端末。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
<システム構成>
図1は、本発明の実施の形態1における経路誘導システムの構成例の概要を示す図である。
【0011】
図1に示されるように、経路誘導システムは、ビーコン装置300と、ビーコン装置300から無線通信を介してデータが送信される携帯端末100と、携帯端末100とネットワークを介して接続される経路提供サーバ200とから構成される。
【0012】
ビーコン装置300は、地下鉄道の駅の構内や、地下鉄道の駅のプラットフォームなどに設置される。また、ビーコン装置300は、地下鉄道の駅に至るまでの地下道や地下にある店舗などにも設置される。ビーコン装置300は、短距離無線(Bluetooth(登録商標)など)を利用し、ビーコン装置300を識別するためのビーコン装置識別情報を携帯端末100へブロードキャスト(送信)する。これによって、ビーコン装置300は、地下鉄道の駅の構内や、地下鉄道の駅のプラットフォーム内や、地下鉄道の駅に至るまでの地下道や地下にある店舗内の携帯端末100へビーコン装置識別情報を送信する。なお、ビーコン装置300は、超広帯域無線通信(Ultra Wide Band)を利用し、ビーコン装置300を識別するためのビーコン装置識別情報を携帯端末100へブロードキャスト(送信)するようにしても良い。また、Wi−Fi(登録商標)アクセスポイントの識別情報(SSID)やWi−Fiフィンガープリントを併用しても良い。複数箇所に設置されたビーコン装置300からの電波を携帯端末100が受信する場合、その位置に固有の電波強度もしくは位相(Angle of Arrival)のパターンを、識別情報として利用するようにしても良い。その場合、携帯端末100は識別情報を経路提供サーバ200に送信し、経路提供サーバ200は、識別情報と対応する位置情報を取得し、取得した位置情報を携帯端末100へ送信する。
【0013】
携帯端末100は、ビーコン装置300から無線通信を介して送信されるビーコン装置識別情報を受信する。携帯端末100は、各種アプリケーションプログラムを読み込むことで、対応するアプリケーションを動作させる。携帯端末100により読み込まれるアプリケーションプログラムにより動作されるアプリケーションとしては、現在地から目的地までの経路を誘導する経路誘導アプリケーションなどがある。そして、経路誘導アプリケーションが起動されることで、携帯端末100は、現在地から目的地までの経路誘導を行う。携帯端末100は、撮像部110と、制御部120と、誘導情報記憶部130とを有する。
【0014】
携帯端末100の撮像部110は、携帯端末100が有するCCDカメラや、携帯端末100と有線または無線ネットワークを介して接続されるカメラや、携帯端末100と有線または無線ネットワークを介して接続されるカメラ付きのウェアラブルデバイスなどが該当する。
携帯端末100の撮像部110は、地面や床面に設けられている警告ブロックに表示されている認識コードを読み取る。
【0015】
携帯端末100の撮像部110により撮像される点字ブロックは、地面や床面に設けられ、突起が表面に形成されることで視覚障害者や歩行者が足裏の触感覚で認識可能に構成されている。点字ブロックには、誘導ブロック(線ブロック)と警告ブロック(点ブロック)とが存在する。誘導ブロックには、平行した線が突起状で移動方向に沿って複数形成されている。警告ブロックには、格子状に点が形成されており、進路の分岐点、進路が湾曲する地点、行き止りなどの地点に一つ以上設けられている。
【0016】
警告ブロックには、認識コードの一例であるQRコード(Quick Response Code:登録商標)が表示されている。認識コードには、警告ブロックを識別するための警告ブロック識別情報がエンコードされ記録されている。なお、認識コードに、路線名を示す路線名情報を識別するための路線識別情報と、駅の名称を示す駅名情報を識別するための駅識別番号と、場所を特定するための情報である場所情報を識別するための場所識別情報とがエンコードされるようにしても良い。
【0017】
各認識コードには予め番号(警告ブロック識別情報)が割り振られている。そして、認識コードは、
図10に示されるように、経路の次の分岐先に隣接する認識コードの中で最も、小さい番号が割り振られる認識コードに、上部(認識コードの上辺)が向くように貼り付けられる。
【0018】
図10に示される例では、認識コード610が隣接する認識コードのうち、最も番号が小さいのは認識コード620である。そのため、認識コード610の上部は、認識コード620を向いて警告ブロックに貼り付けられる。また、認識コード620が隣接する認識コードのうち、最も番号が小さいのは認識コード610である。そのため、認識コード620の上部は認識コード610を向いて警告ブロックに貼り付けられる。
【0019】
なお、誘導ブロックに認識コードが表示されるようにしても良い。この場合、誘導ブロックの平行した突起状の線と線との間に形成される溝に認識コードが表示される。なお、誘導ブロックについては、突起状の線の上に認識コードが表示されるようにしても良い。また、誘導ブロックの四隅や、外周に沿って認識コードが複数表示されるようにしても良い。
【0020】
警告ブロックには、点を除外した領域に形成される平面部に認識コードが表示される。なお、警告ブロックについては、最も外周側の点や・四隅のいずれかの点を除外することで形成される平面部に認識コードが表示されるようにしても良い。また、外周に沿って認識コードが複数表示されるようにしても良い。また、最も外周側の点や・四隅以外のいずれかの点(中央部分の点など)を除外することで形成される平面部に認識コードが表示されるようにしても良い。
【0021】
また、認識コードの中央部分を1つの辺の長さが1.5〜2.5cmの正方形状で切り出して、警告ブロックの4つの点で囲まれる領域に表示されるようにしても良い。これによって、点を除外することなく、認識コードを警告ブロックに表示できる。
【0022】
また、認識コードが印字されたシールが警告ブロックに添付されることで、警告ブロックに認識コードが表示されるようにしても良い。さらに、認識コードが警告ブロックに印字されることで警告ブロックに認識コードが表示されるようにしても良い。また、種別が警告ブロックのみに認識コードが表示されるようにしても良い。警告ブロックのみに認識コードが表示されることで、認識コードを警告ブロックに表示させる(設ける)手間を削減できる。
【0023】
撮像部110は、種別が警告ブロックのみから認識コードを読み取る。これによって、撮像部110が点字ブロックを読み取る回数を削減でき、通信量を必要最小限にできる。また、認識コード(QRコード)を表示する点字ブロックの数を削減できる。
【0024】
また、撮像部110は、各認識コード(QRコード)が出発地から目的地までの間に存在する順番(ヒストリー)が、最も小さい、出発地側の認識コードを読み取る。
携帯端末100の制御部120は、撮像部110により読み取られた認識コードをデコードし、認識コードに記録された警告ブロック識別情報を取得する。
【0025】
携帯端末100の制御部120は、警告ブロック識別情報と対応する位置情報を取得し、取得した位置情報から現在位置を特定する。より詳細には、制御部120は、携帯端末100とネットワークを介して接続される経路提供サーバ200から送信される、警告ブロック識別情報と対応する位置情報を取得する。なお、携帯端末100が、誘導情報(後述、
図2)が記憶されている誘導情報記憶部220を有するようにしても良い。その場合、携帯端末100は、取得した警告ブロック識別情報をキーに誘導情報記憶部220を検索することで、対応する位置情報を取得する。
【0026】
携帯端末100の制御部120は、現在地から目的地までの各QRコードの位置情報と、各QRコードが出発地から目的地までの間に存在する順番(ヒストリー)と、QRコード間の方向とから構成される経路情報に基づき、経路誘導画面(後述、
図5)の表示および経路誘導を実施する。
【0027】
詳細には、携帯端末100の制御部120は、経路情報を構成する、現在地から目的地までの各QRコードの位置情報から特定される位置に認識コードを読み取る(以下、認識コード読取位置と呼ぶ場合がある。)認識コード読取位置マーカを表示させる。なお、制御部120は、分岐点であってQRコードが存在する位置のみに認識コード読取位置マーカを表示させるようにしても良い。また、制御部120は、経路情報を構成する各QRコードが出発地から目的地までの間に存在する順番(ヒストリー)に基づき、QRコードの順番を認識コード読取位置マーカ上または認識コード読取位置マーカの近傍に表示させても良い。
【0028】
また、制御部120は、経路情報を構成する現在地から目的地までの各QRコードの位置情報と、各QRコードが出発地から目的地までの間に存在する順番(ヒストリー)と、QRコード間の方向とに基づき、誘導ブロックがある位置に、経路および進行方向を示す誘導マーカを表示させる。
なお、経路情報は、現在地と目的地が明らかになった時点で経路提供サーバ200上、もしくは携帯端末100のアプリケーション内で生成されるものである。
【0029】
認識コードは、警告ブロックの内側に、認識コードの上辺が警告ブロックの枠線を構成する上辺と並行になるように、貼り付けられる。そして、認識コードは、隣接する認識コードの中で最も、小さい番号が割り振られる認識コードに上部を向くように貼り付けられる。
【0030】
図8に示されるように認識コードの上側が0度、右側が90度、下側が180度、左側が270度という形で角度が割り振られている。上述したように認識コードの上側は隣接する認識コードの中で最も、小さい番号が割り振られる認識コードを向いている。
そのため、経路提供サーバ200の制御部210は、撮像された認識コードの向きから現在のユーザの体の向きを特定できる。
【0031】
携帯端末100の制御部120は、QRコードの3コーナーに配置されるファインダパターン(切り出しシンボル)の位置関係によって、認識コードに対する体の向き、または認識コードに対する携帯端末100の向きを示す読み取り角度を算出する。そして、携帯端末100の制御部120は、算出した読み取り角度を保持する。読み取り角度は、例えば、ユーザの体の向きに対する認識コードの上辺の傾きの角度や、携帯端末100の向きに対する認識コードの上辺の傾きの角度が該当する。
【0032】
図9(a)に示されるように、ファインダパターンが右上と、左上と、左下に配置されている場合には、携帯端末100の制御部120は、読み取り角度を0度として算出する。また、
図9(b)に示されるように、ファインダパターンが左上と、左下と、右下に配置されている場合には、携帯端末100の制御部120は、読み取り角度を90度として算出する。また、
図9(c)に示されるように、ファインダパターンが右上と、右下と、左下とに配置されている場合には、携帯端末100の制御部120は、読み取り角度を180度として算出する。また、
図9(d)に示されるように、ファインダパターンが左上と、右上と、右下に配置されている場合には、携帯端末100の制御部120は、読み取り角度を270度として算出する。
【0033】
携帯端末100の誘導情報記憶部130および経路提供サーバ200の誘導情報記憶部220に記憶されている誘導情報には、どの角度が北を指しているかが予め記憶されている。携帯端末100の制御部120および経路提供サーバ200の制御部220は、読み取り角度と記憶されている北を指す角度とを対比することで、携帯端末100の方位を算出する。
携帯端末100の制御部120は、経路情報を参照することで、現在位置から、次に認識コードが読み取られる位置までの進行方向を算出する。北の角度が分かることにより、制御部120が、QRコードの読み取り角度と北の角度に基づいて、ユーザの向いている方位を推定する。そして、制御部120が、推定した方位が地図の上部になるように地図を回転させる。
なお、誘導情報記憶部130および誘導情報記憶部220に予め記憶されている方位は、いずれかの方位であれば良く北に限定されない。制御部120は、読み取り角度と記憶されている方位とを対比することで、携帯端末100の方位を算出する。
【0034】
また、携帯端末100の制御部120は、認識コードの向きと、読み取り角度とに基づき、携帯端末100(ユーザ)の方向(携帯端末が認識コードに面する向き)を算出する。例えば、読み取り角度が0度の場合、携帯端末100は、認識コードの方向(隣接する認識コードのうち最も番号が小さい認識コードの方向)を向いていることになる。
【0035】
また、携帯端末100の制御部120は、読み取った認識コードの警告ブロック識別情報をキーに誘導情報記憶部130を検索し、対応するエッジ情報を参照することで、読み取った認識コードの向きを算出する。
そして、携帯端末100の制御部は、認識コードの向きと、読み取り角度とに基づき、携帯端末100(ユーザ)の方向を算出する。
【0036】
そして、携帯端末100の制御部120は、算出した携帯端末100の方向と、進行方向とに基づき、音声案内する案内方向を算出する。例えば、携帯端末100の向きと、進行方向とが一致する場合、制御部120は、案内方向を直進として算出する。また、携帯端末100の向きと進行方向との差が180度の場合、制御部120は、案内方向を後進として算出する。
【0037】
また、携帯端末100の制御部120は、位置情報(現在位置)と、次の案内ポイント(次に認識コードが読み取られる位置)の位置情報(緯度、経度)に基づき、現在位置から次の案内ポイントまでの移動距離を算出する。
そして、携帯端末100の制御部120は、算出した案内方向と移動距離を指示するための音声をスピーカーに出力させる。
【0038】
携帯端末100の制御部120は、ビーコン装置300から送信されるビーコン装置識別情報と対応する位置情報を取得し、警告ブロック識別情報と対応する位置情報を取得できない場合、ビーコン装置識別情報と対応する位置情報から現在位置を特定しても良い。
【0039】
経路提供サーバ200は、制御部210と、誘導情報記憶部220と、ビーコン位置情報記憶部230とを有する。経路提供サーバ200には、地図を表示させるための、地図データが記憶されている。経路提供サーバ200は、現在地から目的地までの間に存在するQRコードを読み取るQRコード読取位置をノードとする経路の経路情報を生成し、生成した経路情報を携帯端末100に送信する。
【0040】
経路提供サーバ200の制御部210は、携帯端末100から送信される警告ブロック識別情報をキーに誘導情報記憶部220を検索し、対応する位置情報を取得する。そして、経路提供サーバ200は、取得した位置情報を携帯端末100へ送信する。
【0041】
また、経路提供サーバ200の制御部210は、携帯端末100から送信される現在地から目的地までの経路を探索する。制御部210は、探索した経路を構成する、現在地から目的地までの位置情報をキーに誘導情報記憶部220を検索し、現在地から目的地までの間に存在する各QRコードの位置情報を取得する。また、制御部210は、出発地から目的地までの間に存在する各QRコードの順番を採番し、QRコード間の方向を付与する。これによって、制御部210は、現在地から目的地までの各QRコードの位置情報と、各QRコードが出発地から目的地までの間に存在する順番(ヒストリー)と、QRコード間の方向とから構成される経路情報を生成する。そして、経路提供サーバ200は、生成した経路情報を携帯端末100へ送信する。なお、携帯端末100が、入力を受け付けた出発地から目的地までの経路情報を自ら生成しても良く、経路情報がビーコン識別情報をさらに含むようにしても良い。
【0042】
なお、経路提供サーバ200の制御部210が、位置情報(現在位置)と、次の案内ポイント(次に認識コードが読み取られる位置)の位置情報(緯度、経度)に基づき、現在位置から次の案内ポイントまでの移動距離を算出するようにしても良い。その場合、制御部210は、算出した進行方向と移動距離とを指示する音声を出力するための音声案内情報を生成する。
【0043】
経路提供サーバ200の制御部210は、ビーコン装置300が携帯端末100へ送信するビーコン識別情報と対応する位置情報と、場所識別情報とをビーコン位置情報記憶部230から取得する。そして、経路提供サーバ200は、取得した位置情報と、場所識別情報とを携帯端末100へ送信する。
<誘導情報>
【0044】
図2は、本発明の実施の形態1における携帯端末100の誘導情報記憶部130および経路提供サーバ200の誘導情報記憶部220に記憶されている誘導情報の概要を示す図である。
図2に示されるように、誘導情報は、警告ブロック識別情報、位置情報、場所情報、駅名情報、路線名情報、ランドマークの向き、エッジ情報、接続情報、どの角度が北を指しているかを示す北の角度などのデータ項目により構成される。
【0045】
警告ブロック識別情報は、警告ブロックを識別するための符号を示す。警告ブロック識別情報は、認識コードに割り振られる番号である。認識コードは、認識コードが隣接する認識コードのうち、最も番号が小さい方向を向いて貼り付けられる。
位置情報は、警告ブロックの位置(QRコードの位置)を特定するための情報であり、例えば、緯度と経度により構成される。場所情報は、「階段」、「改札」「プラットフォーム」「販売機」などの地下の場所を特定するための情報である。
場所情報は、プラットフォームの名称と、電車の行先と、電車の車両番号と、電車の車両の扉を特定するための扉情報とから構成されるようにしても良い。駅名情報は、駅の名称を示す。路線名情報は、路線の名称を示す。
ランドマークの向きは、改札、プラットフォームなどのランドマークにQRコードが貼り付けられた角度(ランドマークの向き)を示す。登録されているランドマークの向きが0度の場合、警告ブロックの正面にランドマークがあることを意味し、登録されているランドマークの向きが90度の場合、警告ブロックの右側にランドマークがあることを意味し、登録されているランドマークの向きが180度の場合、警告ブロックの背面にランドマークがあることを意味し、登録されているランドマークの向きが270度の場合、警告ブロックの左側にランドマークがあることを意味する。エッジ情報は、隣接する認識ブロックの警告ブロック識別情報(番号)を示す。
【0046】
図11に示される例では、プラットフォームの端に貼り付けられた認識コード920については、180度のランドマークの向き(認識コード920の背面側)がプラットフォームに面していると登録されている。この場合、0度のランドマークの向き側(認識コード920の上辺側)から認識コード920が読み取られた場合、携帯端末100の制御部120は、「プラットフォームの端が正面にある」ことを通知するための音声案内をスピーカーに出力させる。
【0047】
より詳細には、携帯端末100の制御部120は、QRコードの3コーナーに配置されるファインダパターン(切り出しシンボル)の位置関係によって、読み取り角度を算出する。そして、制御部120は、認識コード920に登録されているランドマークの向きと、読み取り角度とに基づいて、対応する音声案内をスピーカーに出力させる。例えば、読み取り角度と、登録されているランドマークの向きとが一致する場合、携帯端末100の制御部120は、「プラットフォームの端が正面にある」ことを通知するための音声案内をスピーカーに出力させる。
【0048】
一方、
図12に示されるような、読み取り角度が90度であり、登録されているランドマークの向きが180度のように、読み取り角度と登録されているランドマークの向きとの差が90度である場合は、携帯端末100の制御部120は、「プラットフォームの端が右にある」ことを通知するための音声案内をスピーカーに出力させる。
【0049】
接続情報は、工事や貼り付け作業員の貼り付け方向の間違いによって、認識コードが隣接する認識コードの中で最も、小さい番号が割り振られる認識コードに上部を向くように貼り付けられるというルールが崩れた場合に、登録されている貼り付け方向を変更可能にするための情報である。接続情報は、接続元の警告ブロック識別情報(番号)と、接続先の警告ブロック識別番号(番号)と、接続先の角度とから構成される。
携帯端末100の制御部120は、接続情報と、読み取り角度とに基づき、携帯端末100の方向を算出する。
【0050】
図13(a)に示されるように、工事の前には、認証コード1310は、隣接する認証コードの中で最も小さい番号が割り振られている認証コード1320を上部が向くように貼り付けられている。また、認証コード1320は、隣接する認証コードの中で最も小さい番号が割り振られている認証コード1310を上部が向くように貼り付けられている。
【0051】
図13(b)に示されるように、工事の後には、認証コード1310から認証コード1320までが誘導ブロックで接続しなくなることがある。その場合、携帯端末100の制御部120は、接続情報を参照することで、認証コード1310の270度の方向と、認証コード1330の0度の方向とが接続し、認証コード1330の270度の方向と、認証コード1340の90度の方向とが接続し、認証コード1340の0度の方向と認証コード1320の90度の方向とが接続しているものとして、経路誘導を行う。
<ビーコン位置情報>
【0052】
図3は、本発明の実施の形態1における経路提供サーバ200のビーコン位置情報記憶部230に記憶されているビーコン位置情報の構成例の概要を示す図である。
図3に示されるように、ビーコン位置情報は、ビーコン識別情報、位置情報、場所情報などのデータ項目により構成される。
【0053】
ビーコン識別情報は、ビーコン装置300を識別するための符号を示す。位置情報は、ビーコン装置300が設置される位置を特定するための情報を示す。場所情報は、「階段」、「改札」「プラットフォーム」「販売機」などのビーコンが設置される場所を示す。
<目的地設定画面>
【0054】
図4は、本発明の実施の形態1における携帯端末100のディスプレイに表示される目的地設定画面の概要を示す図である。
図4に示されるように、目的地設定画面には、現在置表示領域121と、目的地表示領域122と、経路誘導開始ボタン123とが表示される。
【0055】
現在地表示領域121には、ユーザの現在位置に関する情報である、駅名情報(飯田橋駅など)と、路線名情報(有楽町線など)と、場所情報(プラットフォーム ○○行き △号車 ××扉など)が表示される。
目的地表示領域122には、ユーザから入力を受け付けた目的地が表示される。
【0056】
経路誘導開始ボタン123が押下されると、携帯端末100は、現在地表示領域121に表示される現在地から目的地表示領域122に表示される目的地までの経路を経路提供サーバ200に要求する。
<経路誘導画面>
【0057】
図5は、本発明の実施の形態1における携帯端末100のディスプレイに表示される経路誘導画面の概要を示す図である。
図5に示されるように、経路誘導画面には、ユーザの現在位置を示す現在位置表示マーカ131と、認識コードが読み取られる位置を示す認識コード読取位置マーカ132と、認識コード撮像ボタン133と、誘導マーカ134とが表示される。
【0058】
携帯端末100の制御部120は、経路情報を構成する、現在地から目的地までの各QRコードの位置情報から特定される位置に認識コードを読み取る認識コード読取位置マーカ132を表示させる。これによって、認識コード読取位置マーカ132は、出発地から目的地までの経路上であって、警告ブロックが存在する位置に表示される。
【0059】
また、制御部120は、経路情報を構成する現在地から目的地までの各QRコードの位置情報と、各QRコードが出発地から目的地までの間に存在する順番(ヒストリー)と、QRコード間の方向とに基づき、誘導ブロックがある位置に、経路および進行方向を示す誘導マーカ134を表示させる。
【0060】
詳細には、制御部120は、マーカの順番が小さい認識コード読取位置マーカ132と、次にマーカの順番が小さい認識コード読取位置マーカ132との間に、誘導マーカ134を表示させる。
【0061】
具体的には、制御部120は、マーカの順番(ヒストリー)が一番小さい認識コード読取位置マーカ132と、マーカの順番(ヒストリー)が次に小さい認識コード読取マーカ132との間に、誘導マーカ134を表示させる。
【0062】
具体的には、まず、制御部120は、現在地と、マーカの順番(ヒストリー)が一番の認識コード読取位置マーカ132との間に、誘導マーカ134を表示させる。次に、制御部120は、マーカの順番が一番の認識コード読取位置マーカ132と、マーカの順番が二番の順番との間に誘導マーカ134を表示させる。制御部120は、同様の処理をマーカの順番が一番大きな値になるまで行う。これによって、誘導マーカ134は、現在位置表示マーカ131と認識コード読取位置マーカ132までの間に表示される。また、誘導マーカ134は、認識コード読取位置マーカ132と次に認識コードが読み取られる認識コード読取位置マーカ132との間に表示される。
認識コード撮像ボタン133が一度押下されると、撮像モードに切り替わり、その後は目的地到達まで自動的にQRコードを読み取り続ける。
<全体処理>
【0063】
図6は、本発明の実施の形態1における路誘導システムの全体処理の概要を示す図である。携帯端末100のディスプレイには目的地設定画面(前述、
図4)が表示されている。
【0064】
まず、S601にて、携帯端末100の撮像部110は、警告ブロックの認識コードを読み取る。そして、携帯端末100の制御部120は、警告ブロック識別情報を取得する。また、携帯端末100の制御部120は、撮像部110により読み取られた認識コードに基づき、読み取り角度を算出する。そして、携帯端末100の制御部120は、読み取り角度を保持する。
次に、S602にて、携帯端末100は、S601にて取得した警告ブロック識別情報を経路提供サーバ200に送信する。
【0065】
次に、S603にて、経路提供サーバ200は、S602にて送信された警告ブロック識別情報を受信する。そして、経路提供サーバ200の制御部210は、受信した警告ブロック識別情報をキーに誘導情報記憶部220を検索し、対応する位置情報と、場所情報と、駅名情報と、路線名情報とを取得する。
次に、S604にて、経路提供サーバ200は、S603にて取得した位置情報と、場所情報と、駅名情報と、路線名情報とを携帯端末100へ送信する。
【0066】
次に、S605にて、携帯端末100は、S604にて送信された位置情報と、場所情報と、駅名情報と、路線名情報とを受信する。そして、携帯端末100の制御部120は、受信した位置情報と、場所情報と、駅名情報と、路線名情報とから特定される現在地に関する情報を現在地表示領域121に表示させる。
【0067】
次に、S606にて、携帯端末100は、目的地の入力を受け付ける。詳細には、携帯端末100は、候補一覧が提示されそこから目的地を選択することで、目的地の入力を受け付ける。携帯端末100の制御部120は、入力を受け付けた目的地を目的地表示領域122に表示させる。
次に、S607にて、携帯端末100は、経路誘導開始ボタン123を押下する入力を受け付ける。
次に、S608にて、携帯端末100は、現在位置の位置情報と、目的地を特定するための目的地の位置情報とを、経路提供サーバ200に送信する。
【0068】
次に、S609にて、経路提供サーバ200は、S608にて送信された現在地の位置情報と目的地の位置情報とを受信する。そして、経路提供サーバ200の制御部210は、現在地から目的地までの経路を探索する。制御部210は、QRコードをノードとして、公知の最短経路を探索するアルゴリズムを用いて経路を探索する。なお、経路提供サーバ200は、現在地と、目的地と、現在地から目的地までの経路とを対応付けて予め保持するようにしても良い。
【0069】
次に、S610にて、経路提供サーバ200の制御部210は、S609にて探索した経路を構成する、現在地から目的地までの位置情報をキーに誘導情報記憶部220を検索し、現在地から目的地までの各QRコードの位置情報を取得する。また、制御部210は、出発地から目的地までの間に存在する各QRコードの順番を採番し、探索した経路を参照(現在地から目的地までの方向を参照)することでQRコード間の方向を付与する。
【0070】
次に、S611にて、経路提供サーバ200の制御部210は、現在地から目的地までの各QRコードの位置情報と、出発地から目的地までの間に各QRコードが存在する順番(ヒストリー)と、QRコード間の方向とから構成される経路情報を生成する。
【0071】
なお、ユーザが地下にいる場合は、経路提供サーバ200の制御部210は、目的地から最も近い、地下から地上への出口を目的地とした経路情報を生成するようにしても良い。
次に、S612にて、経路提供サーバ200は、S611にて生成した経路情報を携帯端末100へ送信する。
【0072】
次に、S613にて、携帯端末100は、S612にて送信された経路情報を受信する。そして、携帯端末100の制御部120は、受信した経路情報に基づく経路を含む経路誘導画面(前述、
図5)をディスプレイに表示させる。
【0073】
より詳細には、携帯端末100の制御部120は、受信した経路情報を構成する現在地から目的地までの各QRコードの位置情報から特定される位置に認識コードを読み取る認識コード読取位置マーカを表示させる。また、制御部120は、経路情報を構成する現在地から目的地までの各QRコードの位置情報と、各QRコードが出発地から目的地までの間に存在する順番(ヒストリー)と、QRコード間の方向とに基づき、誘導ブロックがある位置に、経路および進行方向を示す誘導マーカを表示させる。
また、携帯端末100の制御部120は、受信した経路情報を参照することで、現在位置から、次に認識コードが読み取られる位置までの進行方向を特定する。
【0074】
また、携帯端末100の制御部120は、S601にて読み取った認識コードの警告ブロック識別情報をキーに誘導情報記憶部130を検索し、対応するエッジ情報を参照することで、S601にて読み取った認識コードの向きを算出する。
【0075】
そして、携帯端末100の制御部は、認識コードの向きと、読み取り角度とに基づき、携帯端末100(ユーザ)の方向を算出する。そして、制御部120は、算出した携帯端末100の方向と、進行方向とに基づき、音声案内する案内方向を算出する。
【0076】
また、携帯端末100の制御部120は、位置情報(現在位置)と、次の案内ポイント(次に認識コードが読み取られる位置)の位置情報(緯度、経度)に基づき、現在位置から次の案内ポイントまでの移動距離を算出する。
そして、携帯端末100の制御部120は、算出した案内方向と移動距離を指示するための音声をスピーカーに出力させる。
【0077】
なお、携帯端末100の制御部120は、経路情報を参照し、前回の案内ポイントの位置情報(緯度、経度)、次の案内ポイント(次に認識コードが読み取られる位置)の位置情報(緯度、経度)と、さらに次の案内ポイントの位置情報(緯度、経度)との3点に基づいて、案内方向を算出するようにしても良い。これによって、案内ポイントに到達する前に案内方向を音声でスピーカーに出力させることが可能になる。
なお、制御部120は、分岐点であって、QRコードを読み取った位置のみに認識コード読取位置マーカ132を表示させるようにしても良い。
【0078】
次に、S614にて、携帯端末100の制御部120は、撮像部110により、次の認識コード読取位置にて警告ブロックから新たに認識コードが読み取られたか否かを判定する。S614にて、制御部120が、新たに認識コードが読み取られていないと判定する場合(S614−No)S614へ進む。一方、制御部120が、新たに認識コードが読み取られたと判定する場合(S614−Yes)、S615へ進む。
【0079】
次に、S615にて、携帯端末100の制御部120は、新たに読み取られた認識コードから警告ブロック識別情報を取得する。また、携帯端末100の制御部120は、撮像部110により読み取られた認識コードに基づき、読み取り角度を算出する。そして、携帯端末100の制御部120は、読み取り角度を保持する。
次に、S616にて、携帯端末100は、S615にて取得した警告ブロック識別情報を経路提供サーバ200に送信する。
【0080】
次に、S617にて、経路提供サーバ200は、S616にて送信された警告ブロック識別情報を受信する。そして、経路提供サーバ200の制御部210は、受信した警告ブロック識別情報をキーに誘導情報記憶部220を検索し、対応する位置情報を取得する。
次に、S618にて、経路提供サーバ200は、S617にて取得した位置情報を携帯端末100へ送信する。
【0081】
次に、S619にて、携帯端末100は、S618にて送信された位置情報を受信する。そして、携帯端末100の制御部120は、受信した位置情報から特定される現在位置を経路誘導画面に表示させる。より詳細には、制御部120は、位置情報から特定される現在位置に現在位置表示マーカ131を表示させることで、経路誘導画面を更新する。
【0082】
また、携帯端末100の制御部120は、受信した位置情報と経路情報とを参照することで、現在位置から、次に認識コードが読み取られる位置までの進行方向を特定する。
【0083】
また、携帯端末100の制御部120は、S601にて読み取った認識コードの警告ブロック識別情報をキーに誘導情報記憶部130を検索し、対応するエッジ情報を参照することで、S614にて読み取った認識コードの向きを算出する。
【0084】
そして、携帯端末100の制御部120は、認識コードの向きと、S615にて算出した読み取り角度とに基づき、携帯端末100(ユーザ)の方向を算出する。そして、制御部120は、算出した携帯端末100の方向と、進行方向とに基づき、音声案内する案内方向を算出する。
【0085】
また、携帯端末100の制御部120は、位置情報(現在位置)と、次の案内ポイント(次に認識コードが読み取られる位置)の位置情報(緯度、経度)に基づき、現在位置から次の案内ポイントまでの移動距離を算出する。
そして、携帯端末100の制御部120は、算出した案内方向と移動距離を指示するための音声をスピーカーに出力させる。
【0086】
次に、S620にて、携帯端末100の制御部120は、目的地に到達したか否かを判定する。制御部120が、目的地に到達したと判定する場合(S620−Yes)、全体処理を終了する。一方、制御部120が、目的地に到達していないと判定する場合(S620−No)、S614に戻る。
【0087】
なお、経路提供サーバ200の制御部210が、認識コードの向きと、読み取り角度とに基づき、携帯端末100(ユーザ)の方向を算出するようにしても良い。この場合、制御部310は、算出した携帯端末100の方向と、進行方向とに基づき、音声案内する案内方向を算出する。
【0088】
また、経路提供サーバ200の制御部210が、位置情報(現在位置)と、次の案内ポイント(次に認識コードが読み取られる位置)の位置情報(緯度、経度)に基づき、現在位置から次の案内ポイントまでの移動距離を算出するようにしても良い。この場合、制御部210は、算出した進行方向と移動距離とを指示する音声を出力するための音声案内情報を生成する。また、現在位置から次の案内ポイントまでの移動距離は、予め算出され経路提供サーバ200の誘導情報記憶部220および携帯端末100の誘導情報記憶部130に記憶されているようにしても良い。その場合、制御部210、制御部120は、誘導情報記憶部220から、現在位置から次の案内ポイントまでの移動距離を取得し、取得した移動距離と、算出した進行方向とに基づき音声案内情報を生成する。
<実施の形態1の効果>
【0089】
以上説明した実施の形態1によれば、携帯端末100の制御部120が、警告ブロック識別情報と対応する位置情報を取得し、取得した位置情報から現在位置を特定することで、経路上(駅構内、屋内、屋外など)の現在位置の確認が容易になる。すなわち、認識コードの読取り位置まで誘導ブロックを辿ることで到達できる。そして、地下などのGPS信号が受信できない環境での経路誘導を、安価なコストで実現できる。
また、警告ブロックを用いているため、QRコードの張替を行うだけで容易にメンテナンスについても可能である。
【0090】
また、携帯端末100の制御部120が、経路提供サーバ200から送信される警告ブロック識別情報と対応する、位置情報を取得することで、地下などであっても経路誘導ができる。なお、携帯端末100の制御部120は、地下以外の屋外などであっても警告ブロック識別情報と対応する、位置情報を取得できる。
【0091】
また、携帯端末100の撮像部110が、種別が警告ブロックのみから認識コードを読み取ることで、携帯端末100の消費電力量と通信料を抑制できる。また、次の警告ブロックまでは、誘導ブロックを辿ることで到達でき、最小限の読取り回数での経路誘導を実現できる。
【0092】
また、携帯端末100の制御部120が、現在地から目的地までの各QRコードの位置情報と、各QRコードが出発地から目的地までの間に存在する順番(ヒストリー)と、QRコード間の方向とから構成される経路情報に基づき、警告ブロックがある位置に認識コードを読み取る認識コード読取位置マーカ132を表示させることで、次回に認識コードを読み取る位置をユーザに認識させることができる。
【0093】
また、携帯端末100の制御部120が、分岐点であって、警告ブロックがある位置に認識コード読取位置表示マーカ132を表示させることで、ユーザは分岐点にて認識コード読取位置表示マーカ132を読み取ることで現在位置を更新できる。
【0094】
また、携帯端末100の制御部120が、経路情報に基づき、誘導ブロックがある位置に誘導マーカ134を表示させることで、経路および進行方向と、次に認識コードを読み取るまでの距離感とをユーザに認識させることができる。
【0095】
また、携帯端末100の制御部120が、ビーコン装置300から送信されるビーコン装置識別情報と対応する位置情報を取得し、警告ブロック識別情報と対応する位置情報を取得できない場合、ビーコン装置識別情報と対応する位置情報から現在位置を特定することで、認識コードを取得できない場合であっても、現在位置情報を取得できる。
また、携帯端末100の制御部120が、認識コードに基づき、読み取り角度を算出し、算出した読み取り角度と、認識コードの向きとに基づき、携帯端末100の方向を算出し、
携帯端末100の方向と、進行方向とに基づき、音声案内する案内方向を算出することで、携帯端末100の方向と対応した、正確な案内方向を音声案内可能になる。
また、制御部120が、認識コードに対してランドマークが存在するランドマークの向きを参照し、参照したランドマークの向きと、読み取り角度との差に基づいて、ランドマークが存在する方位を算出することで、正確にランドマークが存在する方位をユーザに知らせることが可能になる。
また、制御部120が、読み取り角度と、北を指す角度とに基づき方位を算出することで、ユーザに正確な方位を提供可能になる。
また、制御部120が、接続情報と、読み取り角度とに基づき、携帯端末100の方向を算出することで、工事などによって、誘導ブロックの配置が変更された場合であっても、正確な案内方向を音声案内可能になる。
(実施の形態2)
【0096】
実施の形態2が実施の形態1と異なる点は、実施の形態2では、携帯端末100が視覚障害者向けに音声にて経路誘導を行う点であり、経路情報が音声案内情報を含む点である。
以下、実施の形態2では、実施の形態1と異なる点を主に
図7を用いて説明する。
<全体処理>
【0097】
図7は、本発明の実施の形態2における経路誘導システムの全体処理の概要を示す図である。携帯端末100のディスプレイには目的地設定画面(前述、
図4)が表示されている。
【0098】
まず、S701にて、携帯端末100の撮像部110は、警告ブロックの認識コードを読み取る。そして、携帯端末100の制御部120は、警告ブロック識別情報を取得する。また、携帯端末100の制御部120は、撮像部110により読み取られた認識コードに基づき、読み取り角度を算出する。そして、携帯端末100の制御部120は、読み取り角度を保持する。
【0099】
次に、S702にて、携帯端末100は、S701にて取得した警告ブロック識別情報を経路提供サーバ200に送信する。また、携帯端末100は、S701にて算出した読み取り角度を経路提供サーバ200に送信する。
【0100】
次に、S703にて、経路提供サーバ200は、S702にて送信された警告ブロック識別情報と、読み取り角度とを受信する。そして、経路提供サーバ200の制御部210は、受信した警告ブロック識別情報をキーに誘導情報記憶部220を検索し、対応する位置情報を取得する。また、経路提供サーバ200の制御部210は、携帯端末100から送信される読み取り角度を保持する。
次に、S704にて、経路提供サーバ200は、S703にて取得した位置情報を携帯端末100へ送信する。
【0101】
次に、S705にて、携帯端末100は、S704にて送信された位置情報を受信する。そして、携帯端末100の制御部120は、受信した位置情報から特定される現在位置に関する情報を現在地表示領域121に表示させる。
【0102】
次に、S706にて、携帯端末100は、目的地の入力を受け付ける。携帯端末100の制御部120は、入力を受け付けた目的地を目的地表示領域122に表示させる。
次に、S707にて、携帯端末100は、経路誘導開始ボタン123を押下する入力を受け付ける。
次に、S708にて、携帯端末100は、現在位置の位置情報と、目的地を特定するための目的地の位置情報とを、経路提供サーバ200に送信する。
【0103】
次に、S709にて、経路提供サーバ200は、S708にて送信された現在地の位置情報と目的地の位置情報とを受信する。そして、経路提供サーバ200の制御部210は、現在地から目的地までの経路を探索する。
【0104】
次に、S710にて、経路提供サーバ200の制御部210は、S709にて探索した経路を構成する、現在地から目的地までの位置情報をキーに誘導情報記憶部220を検索し、現在地から目的地までの各QRコードの位置情報を取得する。また、制御部210は、出発地から目的地までの間に存在する各QRコードの順番を採番し、探索した経路を参照することでQRコード間の方向を付与する。
【0105】
制御部210は、S701にて算出した読み取り角度と、次に進むべき地点(警告ブロックが存在する位置)の方向(S610にて付与されたQRコード間の方向)とに基づき、現在位置から、次に認識コードが読み取られる位置までの進行方向を算出する。
【0106】
また、制御部210は、S703にて受信した警告ブロック識別情報をキーに誘導情報記憶部220を検索し、対応するエッジ情報を参照することで、S701にて読み取られた認識コードの向きを算出する。
【0107】
そして、制御部210は、認識コードの向きと、S703にて受信した読み取り角度とに基づき、携帯端末100(ユーザ)の方向を算出する。そして、制御部120は、算出した携帯端末100の方向と、進行方向とに基づき、音声案内する案内方向を算出する。
【0108】
また、制御部210は、位置情報(現在位置)と、次の案内ポイント(次に認識コードが読み取られる位置)の位置情報(緯度、経度)に基づき、現在位置から次の案内ポイントまでの移動距離を算出する。
そして、制御部210は、算出した案内方向と移動距離とを指示する音声を出力するための音声案内情報を生成する。
【0109】
次に、S711にて、経路提供サーバ200の制御部210は、現在地から目的地までの各QRコードの位置情報と、各QRコードが出発地から目的地までの間に存在する順番(ヒストリー)と、QRコード間の方向と、音声案内情報とから構成される経路情報を生成する。
次に、S712にて、経路提供サーバ200は、S711にて生成した経路情報を携帯端末100へ送信する。
【0110】
次に、S713にて、携帯端末100は、S712にて送信された経路情報を受信する。そして、携帯端末100の制御部120は、受信した経路情報に基づく経路を含む経路誘導画面(前述、
図5)をディスプレイに表示させる。また、携帯端末100は、受信した経路情報を構成する音声案内情報に基づき、案内方向と移動距離を指示するための音声を出力する。
【0111】
より詳細には、携帯端末100の制御部120は、受信した位置情報(QRコードの位置情報)から次のQRコード読取位置までを案内するための音声をスピーカーに出力させる。
【0112】
次に、S714にて、携帯端末100の制御部120は、撮像部110により次の認識コード読取位置にて警告ブロックから新たに認識コードが読み取られたか否かを判定する。S714にて、制御部120が、新たに認識コードが読み取られていないと判定する場合(S714−No)S714へ進む。一方、制御部120が、新たに認識コードが読み取られたと判定する場合(S714−Yes)、S715へ進む。
【0113】
次に、S715にて、携帯端末100の制御部120は、新たに読み取られた認識コードから警告ブロック識別情報を取得する。また、携帯端末100の制御部120は、撮像部110により読み取られた認識コードに基づき、読み取り角度を算出する。そして、携帯端末100の制御部120は、読み取り角度を保持する。
【0114】
次に、S716にて、携帯端末100は、S715にて取得した警告ブロック識別情報を経路提供サーバ200に送信する。また、携帯端末100は、S715にて算出した読み取り角度を経路提供サーバ200に送信する。
【0115】
次に、S717にて、経路提供サーバ200は、S716にて送信された警告ブロック識別情報と、読み取り角度とを受信する。そして、経路提供サーバ200の制御部210は、受信した警告ブロック識別情報をキーに誘導情報記憶部220を検索し、対応する位置情報を取得する。また、経路提供サーバ200の制御部210は、携帯端末100から送信される読み取り角度を保持する。
【0116】
制御部210は、S715にて算出した読み取り角度と、次に進むべき地点(警告ブロックが存在する位置)の方向(S710にて付与されたQRコード間の方向)とに基づき、現在位置から、次に認識コードが読み取られる位置までの進行方向を算出する。
【0117】
また、制御部210は、S717にて受信した警告ブロック識別情報をキーに誘導情報記憶部220を検索し、対応するエッジ情報を参照することで、S714にて読み取られた認識コードの向きを算出する。
【0118】
そして、制御部210は、認識コードの向きと、S717にて受信した読み取り角度とに基づき、携帯端末100(ユーザ)の方向を算出する。そして、制御部120は、算出した携帯端末100の方向と、進行方向とに基づき、音声案内する案内方向を算出する。
【0119】
また、制御部210は、位置情報(現在位置)と、次の案内ポイント(次に認識コードが読み取られる位置)の位置情報(緯度、経度)に基づき、現在位置から次の案内ポイントまでの移動距離を算出する。
そして、制御部210は、算出した案内方向と移動距離とを指示する音声を出力するための音声案内情報を生成する。
【0120】
次に、S718にて、経路提供サーバ200は、S717にて取得した位置情報を携帯端末100へ送信する。また、経路提供サーバ200は、S717にて生成した音声案内情報を携帯端末100へ送信する。
【0121】
次に、S719にて、携帯端末100は、S718にて送信された位置情報と音声案内情報とを受信する。そして、携帯端末100の制御部120は、受信した位置情報から特定される現在地を現在地表示領域121に表示させる。
また、携帯端末100は、受信した音声案内情報に基づき、進行方向と移動距離を指示するための音声を出力する。
【0122】
なお、携帯端末100の制御部120は、経路情報を参照することで、受信した位置情報(QRコードの位置情報)と、予め付与されて対応する音声案内情報を取得(特定)し、取得した音声案内情報に基づく音声をスピーカーに出力させるようにしても良い。
【0123】
次に、S720にて、携帯端末100の制御部120は、目的地に到達したか否かを判定する。制御部120が、目的地に到達したと判定する場合(S720−Yes)、全体処理を終了する。一方、制御部120が、目的地に到達していないと判定する場合(S720−No)、S714に戻る。
【0124】
なお、S715にて、携帯端末100の制御部120は、取得した警告ブロック識別情報のQRコードの位置情報が、S713にて受信した経路情報を構成するQRコードの位置情報に含まれるか否かを判定するようにしても良い。この場合、制御部120が、S715にて取得した警告ブロック識別情報のQRコード位置情報が、S713にて受信した経路情報を構成するQRコード位置情報に含まれていない場合、制御部120は、経路から外れていることを示すエラーメッセージをスピーカーに出力させる。
<実施の形態2の効果>
【0125】
以上のように、本実施の形態2によれば、実施の形態1と異なる効果として、携帯端末100の制御部120が、警告ブロック識別情報と対応する音声案内情報を取得し、取得した前記音声案内情報と対応する音声を出力させることで、誘導ブロックを辿りながら移動する視覚障害者に対する経路誘導が可能になる。また、ノードであるQRコード位置での音声案内が可能になる。さらに、視覚障害者が、触地図を用いることなく現在位置の確認が可能になる。
【0126】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
たとえば、携帯端末がタブレット端末である実施形態もある。また、携帯端末は、タブレット端末以外にも、様々な形態の携帯端末を全て含むものである。
【0127】
また、上記携帯端末100における制御部120及び誘導情報記憶部130は、本発明の取得部の一例として機能する。
その場合、各認識コードに関する位置情報(配設された認識コードの緯度経度情報)や方角情報(配設された認識コードのどの角度が北を指すか等の情報)等の誘導情報が誘導情報記憶部130に記憶されている。そして、制御部120は撮像部110で取得された認識コードの識別情報をキーに誘導情報記憶部130を検索し、対応する位置情報、場所情報、駅名情報及び路線名情報を取得して、位置情報を現在位置情報として取得する。
また、制御部120は、撮像部110で取得された認識コードの向きに基づいて読み取り角度を算出するとともに、算出された読み取り角度と認識コードの識別情報に対応する方角情報とに基づいて、携帯端末100の方位情報(携帯端末100がどの方位を向いているか)を算出する。
【0128】
また、別の例においては、携帯端末100の受信部が本発明の取得部の一例として機能する。
その場合、経路提供サーバ200が、本発明のサーバの一例として機能するとともに、各識別コードに関する位置情報(配設された認識コードの緯度経度情報)や方角情報(配設された認識コードのどの角度が北を指すか等の情報)等の誘導情報が経路提供サーバ200の誘導情報記憶部220に記憶されている。そして、経路提供サーバ200の制御部210は、携帯端末100の撮像部110で取得され経路提供サーバ200に送信された認識コードの識別情報をキーに誘導情報記憶部220を検索し、対応する位置情報、場所情報、駅名情報及び路線名情報を取得して、位置情報を現在位置情報として取得し、携帯端末100に送信する。携帯端末100の受信部は、経路提供サーバ200から送信された現在位置情報を受信する。
また、経路提供サーバ200の制御部210は、携帯端末100の撮像部110で取得され経路提供サーバ200に送信された認識コードの向きに基づいて読み取り角度を算出するとともに、算出された読み取り角度と認識コードの識別情報に対応する方角情報とに基づいて、携帯端末100の方位情報(携帯端末100がどの方位を向いているか)を算出し、方位情報を携帯端末100に送信する。携帯端末100の受信部は、経路提供サーバ200から送信された方位情報を受信する。
【0129】
これらの場合において、取得された現在位置情報に基づいて、携帯端末100の位置を地図上に表示する表示手段を携帯端末100が有するよう構成してもよい。その際、表示手段は取得された方位情報に基づいて、携帯端末100が向いている方位が上向きとなるように地図を回転させて表示するようにしてもよい。
また、上記いずれかの取得部で取得した現在位置情報及び方位情報に基づいて、現在地から目的地までの経路を表示するようにしてもよい。その際、携帯端末100には目的地を入力する入力手段が備えられるとともに、現在地から目的地までの推奨経路を取得する推奨経路取得手段、及び、推奨経路取得手段で取得された推奨経路を地図上に表示させる表示手段を有するよう構成する。
【0130】
推奨経路を取得する推奨経路取得手段としては、例えば、現在地と目的地を含む領域の各箇所にノードを設置し、各ノード間をエッジで接続するか、又は、通行可能な道(あるいは通行不可能な壁)を定義することによって、計算される複数の経路の中から推奨経路を選定する手段等、周知の手段が使用される。
【0131】
このとき、携帯端末100の表示手段においては、取得した方位情報に基づいて、携帯端末100が向いている方位が上向きとなるように地図を回転させて表示してもよい。
【0132】
また、推奨経路取得手段で取得された推奨経路上に認識コードが存在する場合、推奨経路上に存在する各認識コードの位置情報と、各認識コードが出発地から目的地までの間に存在する順番と、各認識コード間の方向とから構成される経路情報に基づき、
図5に示すように経路および進行方向を示す誘導マーカを地図上に表示させるようにしてもよい。
【0133】
また、上記いずれかの取得部で取得した現在位置情報及び方位情報に基づいて、現在地から目的地までの経路誘導を行うようにしてもよい。その際、携帯端末100には目的地を入力する入力手段が備えられるとともに、現在地から目的地までの推奨経路を取得する推奨経路取得手段、及び、推奨経路取得手段で取得された推奨経路を地図上に表示させる表示手段を有するよう構成する。
【0134】
推奨経路を取得する推奨経路取得手段としては、例えば、現在地と目的地を含む領域の各箇所にノードを設置し、各ノード間をエッジで接続するか、又は、通行可能な道(あるいは通行不可能な壁)を定義することによって、計算される複数の経路の中から推奨経路を選定する手段等、周知の手段が使用される。
【0135】
このとき、携帯端末100の表示手段においては、取得した方位情報に基づいて、携帯端末100が向いている方位が上向きとなるように地図を回転させて表示するとともに、次に進むべき方向を示す進行方向表示手段を有するようにしてもよい。
【0136】
また、推奨経路取得手段で取得された推奨経路上に認識コードが存在する場合、推奨経路上に存在する各認識コードの位置情報と、各認識コードが出発地から目的地までの間に存在する順番と、各認識コード間の方向とから構成される経路情報に基づき、
図5に示すように経路および進行方向を示す誘導マーカを地図上に表示させるようにしてもよい。
【0137】
また、上記表示手段として、既存の地図表示アプリケーションを使用し、本発明の取得手段で取得した現在位置情報及び方位情報を既存の地図表示アプリケーション上に表示するようにしてもよい。
【0138】
また、認識コードの一例としてQRコードを記載しているが、これに限ったものではなく、
図2に示す誘導情報をデータとして記録できるものであれば、さらには、撮像部110による撮影の向きを識別できるものであれば、QRコード以外の形式のもので構わない。
【0139】
さらに、認識コードを警告ブロックや誘導ブロック等の点字ブロックに取り付ける例を記載したが、これに限ったものではない。認識コードは、建物内外の地面、建物内の床面、施設乃至設備の壁面、床面に表示される案内用の線上、階段の手すり、エスカレータの乗降場所、駅や大型商業施設や遊戯施設の出入口、十字路の隅部に立地する建物の壁面等に配設される。
また、このような認識コードが所定のルールに基づいて配設されるようにすれば、経路を誘導するものであることが把握しやすい。
【0140】
上記した技術によれば、視覚障害者だけではなく、周囲の看板等における文字が読めない海外からの旅行者や、土地勘のない国内外の旅行者等であっても、認証コードを撮像するだけで、現在位置及び向いている方位に関する情報を取得して携帯端末100に表示させることができ、さらには、目的地を入力することで、現在地から目的地までの経路誘導情報を取得することが可能なシステムを構築することができる。
【0141】
また、携帯端末100が向いている方位が上向きとなるよう、つまり、撮像した者(つまり携帯端末)が向いている方角とディスプレイに表示される地図の向きが合致するよう地図を回転させて表示することにより、現実の空間と地図の対応関係がどうなっているのかを撮像者が頭の中で考える必要がなくなるため、撮像者が屋外に出た直後であっても、また、配置される認識コードの数が少ない場合であっても、迷うことがない。
【0142】
上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換しても良い。
【0143】
また、上記の各構成、機能、処理部は、それらの一部又は全部を、ハードウェア(例えば、集積回路)で実現してもよい。また、上記の各構成、機能、処理部は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。