【解決手段】警報器(1)は、監視対象についての報知の要否を検知する検知部(61)と、監視対象に関する報知および所定のコンテンツの報知を行う報知部(63)と、機能確認指示を受け付けた場合に、報知部がコンテンツの報知を行っている状態であるときには、報知部による報知を中止させて機能確認動作を実行する機能確認制御部(65)と、を備える。
前記機能確認制御部は、前記第3機能確認動作の実行中に、前記指示受付部が前記第1条件の指示または前記第2条件の指示を受け付けた場合に、前記第3機能確認動作を中止し、前記指示受付部が受け付けた指示に応じて前記第1機能確認動作または前記第2機能確認動作を実行する、請求項2に記載の警報器。
前記機能確認制御部は、前記第1機能確認動作または前記第2機能確認動作の実行中に、前記指示受付部が前記第1条件の指示、前記第2条件の指示、および前記第3条件の指示のいずれかの指示を受け付けた場合に、実行中以外の前記第1機能確認動作、前記第2機能確認動作、および前記第3機能確認動作のいずれも実行しない、請求項2または3に記載の警報器。
前記報知部は、前記機能確認制御部により前記コンテンツの報知を中止させられた後、当該機能確認制御部による前記第1機能確認動作、前記第2機能確認動作、または前記第3機能確認動作が終了した場合に、中止させられた前記コンテンツの報知を行わない、請求項2から4のいずれか1項に記載の警報器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
警報器には、当該警報器の機能が正常に動作するか否かを確認するための機能確認動作を、ユーザの指示に基づいて実行可能なものが存在する。しかしながら、特許文献1に記載の警報器においては、サービス情報報知中に機能確認動作の指示を受け付けた場合の動作については何ら記載されていない。
【0005】
本発明の一態様は、機能確認動作を適切に実行可能な警報器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る警報器は、可燃性ガス、一酸化炭素および火災の少なくとも1つを含む監視対象について、報知が必要な状態にあるか否かを検知する検知部と、ネットワーク上のサーバと通信を行う通信部と、前記検知部の検知結果に基づいた前記監視対象に関する報知と、前記通信部と前記サーバとの通信結果に基づいた所定のコンテンツの報知と、を行う報知部と、前記警報器に対する指示を受け付ける指示受付部と、前記指示受付部が機能確認指示を受け付けた場合に、前記監視対象についての報知が必要な状態にあることを前記検知部が検知しているときには、前記警報器の機能を確認する機能確認動作を実行せず、前記報知部が前記コンテンツの報知を行っている状態であるときには、前記報知部による報知を中止させて前記機能確認動作を実行する機能確認制御部と、を備える。
【0007】
前記構成によると、警報器は、監視対象に関する報知を行う機能と、コンテンツを報知する機能とを有する。警報器の機能確認指示を受け付けた場合において、警報器が監視対象に関する報知が必要な状態であるときには、機能確認制御部は機能確認動作を実行しない。一方、警報器がコンテンツを報知しているのであれば、機能確認制御部は当該報知を中止させて機能確認動作を実行する。したがって、ユーザは、コンテンツの報知よりも機能確認動作を優先して実行させることができる。
【0008】
また、本発明の一様態に係るガス警報器において、前記機能確認制御部は、前記指示受付部が第1条件の指示を受け付けた場合に、前記機能確認動作としての第1機能確認動作を実行し、前記指示受付部が第2条件の指示を受け付けた場合に、前記機能確認動作としての、前記第1機能確認動作とは異なる第2機能確認動作を実行し、前記指示受付部が第3条件の指示を受け付けた場合に、第3機能確認動作を実行し、前記第3機能確認動作は、前記報知部による前記コンテンツの報知に関するものである。
【0009】
前記構成によると、ユーザは、指示の条件に応じて、コンテンツの報知に関する機能確認動作を含む、3種類の機能確認動作を実行させることができる。
【0010】
また、本発明の一様態に係るガス警報器において、前記機能確認制御部は、前記第3機能確認動作の実行中に、前記指示受付部が前記第1条件の指示または前記第2条件の指示を受け付けた場合に、前記第3機能確認動作を中止し、前記指示受付部が受け付けた指示に応じて前記第1機能確認動作または前記第2機能確認動作を実行する。
【0011】
前記構成によると、機能確認制御部は、コンテンツの報知に関する機能確認動作の実行中に、指示受付部が指示を受け付けた場合に、他の機能確認動作を実行する。したがって、ユーザは、コンテンツの報知に関する機能確認動作の実行中に、他の機能確認動作を実行させる必要が生じた場合に、当該他の機能確認動作を割り込ませて実行させることができる。
【0012】
また、本発明の一様態に係るガス警報器において、前記機能確認制御部は、前記第1機能確認動作または前記第2機能確認動作の実行中に、前記指示受付部が前記第1条件の指示、前記第2条件の指示、および前記第3条件の指示のいずれかの指示を受け付けた場合に、実行中以外の前記第1機能確認動作、前記第2機能確認動作、および前記第3機能確認動作のいずれも実行しない。
【0013】
前記構成によると、機能確認制御部は、コンテンツの報知に関する機能確認動作以外の機能確認動作の実行中に、指示受付部に対する指示が行われても、当該指示に基づく機能確認動作を実行しない。したがって、ユーザは、実行中の第1機能確認動作または第2機能確認動作の結果を得ることができる。
【0014】
また、本発明の一様態に係るガス警報器において、前記報知部は、前記機能確認制御部により前記コンテンツの報知を中止させられた後、当該機能確認制御部による前記第1機能確認動作、前記第2機能確認動作、または前記第3機能確認動作が終了した場合に、中止させられた前記コンテンツの報知を行わない。
【0015】
前記構成によると、機能確認動作の終了後に、当該機能確認動作により中止されたコンテンツの報知を行わない。ユーザが、コンテンツの報知を中止させて機能確認動作を実行させた場合に、当該コンテンツの内容を把握しておく必要がない場合が多いと考えられる。したがって、ユーザは、不要なコンテンツの報知を聞かずに済む。
【0016】
また、本発明の一様態に係るガス警報器において、前記指示受付部は、前記警報器に設けられた押しボタンに対する押下操作が行われたか否かを判定する押下操作判定部であって、前記第1条件の指示は、前記押下操作が継続した期間が所定の第1時間以下である指示であり、前記第2条件の指示は、前記押下操作が継続した期間が前記第1時間よりも長く、かつ前記第1時間よりも長い第2時間以下である指示であり、前記第3条件の指示は、前記押下操作が継続した期間が前記第2時間よりも長い指示である。
【0017】
前記構成によると、ユーザは、指示の条件として、押しボタンを押下する時間を異ならせることで、3種類の機能確認動作を実行させることができる。
【0018】
また、本発明の一様態に係るガス警報器において、前記第3条件の指示は、前記押下操作が継続した期間が前記第2時間よりも長く、かつ前記第2時間よりも長い第3時間以内の指示であって、前記機能確認制御部は、前記押下操作が継続した期間が前記第3時間を超える場合に、前記第1機能確認動作、前記第2機能確認動作、および前記第3機能確認動作のいずれも実行しない。
【0019】
前記構成によると、押しボタンを押下した後、押下操作が第3時間以上継続した場合には、機能確認制御部は、機能確認動作を実行しない。したがって、ユーザは、誤って押しボタンを押下した場合であっても、機能確認動作を実行させることなく押下操作を終了させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によれば、機能確認動作を適切に実行できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔実施形態1〕
以下、実施形態1について、詳細に説明する。
【0023】
図1は、実施形態1に係る警報器1の要部の構成を示すブロック図である。警報器1は、可燃性ガス、一酸化炭素および火災の少なくとも1つを含む監視対象についての報知を行う。また、警報器1は、ネットワーク100上のサーバ200と通信可能であり、通信結果に基づいて所定のコンテンツを報知する。
【0024】
図1に示すように、警報器1は、センサ10、タイマ20、記録部30、アンテナ40、押しボタン50、出力部55および制御部60を備える。
【0025】
センサ10は、被検知ガスを検知する。被検知ガスは、可燃性ガス、一酸化炭素、または火災などにより発生する煙の少なくとも1つを含む。センサ10として、例えば拡散式または吸引式のセンサを用いることができる。センサ10は、互いに異なる複数種類の被検知ガスを検知可能な、複数のセンサを含むセンサ群であってもよい。センサ10は、被検知ガスの検知対象区域に設置されている。センサ10は、被検知ガスの種類、濃度、またはそれらの組み合わせに応じた出力値を制御部60の検知部61(後述)へ出力する。
【0026】
タイマ20は、現在時刻を制御部60へ出力する。タイマ20としては、例えば電波時計、またはリアルタイムクロック(RTC、Real Time Clock)を用いることができる。タイマ20としてRTCを用いる場合、当該RTCは例えば制御部60として用いられるマイコンに搭載されていてもよく、当該マイコンと別に、独立して実装されていてもよい。記録部30は、警報器1の動作に必要な情報を記録する記録媒体である。記録部30は、例えばフラッシュメモリまたはSSD(Solid State Drive)である。ただし、警報器1は、タイマ20および記録部30の一方または両方を備えずに、当該一方または両方に対応する機能を有する外部装置と無線または有線で通信可能に接続されていてもよい。またタイマ20としては、マイコンに搭載されているタイマを用いてもよく、この場合には、警報器1の稼働時間および/または通電時間を出力するようにしてもよい。
【0027】
アンテナ40は、警報器1がネットワーク100上のサーバ200と通信を行うためのアンテナである。アンテナ40は、例えばWi−Fi(登録商標)に対応した通信が可能なものであってよい。押しボタン50は、警報器1に対する指示を入力するためのボタンである。ユーザは、押しボタン50を押下した後に放すことで、警報器1に対する指示を入力することができる。
【0028】
出力部55は、警報器1からユーザに対して出力を行うためのものである。出力部55の例として、音声を出力するスピーカ、警報器1の状態に応じて発光するLED(Light Emitting Diode)(後述するガス漏れ警告ランプ73、CO警告ランプ74、表示ランプ75、情報通知ランプ76、アクセスランプ77など)などが挙げられる。また、出力部55は、画像を出力するディスプレイを含んでいてもよい。
【0029】
制御部60は、警報器1の動作を制御する。制御部60は、検知部61、通信部62、報知部63、指示受付部64、機能確認制御部65、および異常検知部66を備える。
【0030】
検知部61は、センサ10の出力に基づいて、警報器1が、監視対象についての報知が必要な状態にあるか否かを検知する。具体的には、検知部61は、センサ10の出力が示す被検知ガスの濃度が所定の閾値以上である場合に、警報器1が、当該被検知ガスの種類に対応する監視対象についての報知が必要な状態であることを検知する。センサ10が可燃性ガスを検知可能であれば、監視対象は当該可燃性ガスを含む。センサ10が一酸化炭素を検知可能であれば、監視対象は一酸化炭素を含む。センサ10が火災などにより発生する煙を検知可能であれば、監視対象は火災を含む。
【0031】
また、検知部61には、被検知ガスの濃度について複数段階の閾値が設定されていてもよい。この場合、検知部61は、センサ10の出力が示す被検知ガスの濃度がいずれの段階の閾値以上であるかに応じて、警報器1が、監視対象について、互いに異なる状態にあることを検知してもよい。
【0032】
例えば検知部61には、センサ10の出力が示す被検知ガスの濃度について、注意報閾値と、注意報閾値よりも高い警報閾値とが設定されてよい。この場合、検知部61は、被検知ガスの濃度が注意報閾値未満であれば、警報器1が監視対象についての報知が不要な状態であることを検知する。検知部61は、被検知ガスの濃度の濃度が注意報閾値以上かつ警報閾値未満であれば、警報器1が監視対象についての注意報の報知が必要な状態であることを検知する。注意報とは、比較的緊急度の低い報知である。検知部61は、被検知ガスの濃度が警報閾値以上であれば、警報器1が監視対象についての警報の報知が必要な状態であることを検知する。警報とは、注意報よりも緊急度の高い報知である。
【0033】
異常検知部66は、警報器1に異常が発生した場合に、当該異常の発生を検知する。異常の例として、警報器1に故障が発生した状態になった場合が挙げられる。異常検知部66は、図示しない異常検知機構からの出力に基づいて、警報器1における異常の発生を検知する。また、異常の別の例として、警報器1に予め設定された使用期限を超過した状態になった場合などが挙げられる。異常検知部66は、タイマ20から取得した時刻に基づいて、使用期限を超過したか否かを検知する。タイマ20としてマイコンに搭載のタイマを用いる場合、異常検知部66は、例えばタイマ20から取得した通電時間に基づいて、使用期限を超過したか否かを検知する。
【0034】
通信部62は、アンテナ40を介して、ネットワーク100上のサーバ200と通信を行う。通信部62は、サーバ200から受信したデータを報知部63へ出力する。
【0035】
報知部63は、検知部61の検知結果に基づいた、監視対象に関する報知と、通信部62とサーバ200との通信結果に基づいた、所定のコンテンツの報知とを行う。また、報知部63は、警報器1に異常が発生していることを異常検知部66が検知した場合には、当該異常の発生を報知する。報知部63は、出力部55を制御して上記の報知を行う。
【0036】
報知部63が報知するコンテンツの例としては、防災に関連する情報、天気に関する情報、または警報器1が設置されている地域に関連したその他の情報が挙げられる。報知部63は、例えばコンテンツ自体をサーバ200からダウンロードして報知してもよい。また、報知部63は、記録部30に格納されているコンテンツを、サーバ200からの指示に基づいて報知してもよい。
【0037】
なお、
図1に示した例では、警報器1は、(i)検知部61の検知結果に基づいた、監視対象に関する報知、(ii)所定のコンテンツの報知、および(iii)異常検知部66の検知結果に基づく、異常の発生の報知の全てを報知部63が行う。しかし、警報器1は上記の報知のいずれかを行う報知部を、複数備えていてもよい。
【0038】
指示受付部64は、警報器1に対するユーザの指示を受け付ける。実施形態1においては、指示受付部64は、押しボタン50に対する押下操作が行われたか否かを判定する押下操作判定部である。また、指示受付部64は、例えば専用のリモートコントローラまたはスマートフォンなどの外部装置を用いてのユーザの指示を受け付けてもよい。指示受付部64は、受け付けた指示を機能確認制御部65へ出力する。
【0039】
また、指示受付部64は、ユーザの指示ではなく、サーバ200側からの指示を受け付けてもよい。この場合、警報器1の管理者は、警報器1のメンテナンスを行う場合に、サーバ200側から指示受付部64へ機能確認指示を送信するだけで済む。このため、警報器1のメンテナンスのために作業員が警報器1のユーザを訪問する場合と比較して、作業員およびユーザの、双方の手間が低減される。
【0040】
機能確認制御部65は、警報器1の機能を確認するための機能確認動作を制御する。指示受付部64が受付可能な指示には、機能確認動作を実行する指示(機能確認指示)が含まれる。指示受付部64が機能確認指示を受け付けた場合に、機能確認制御部65は、当該機能確認指示の条件(後述)に応じて、検知部61、通信部62、または報知部63の機能確認動作を実行する。
【0041】
警報器1においては、監視対象についての報知が必要な状態にあることを検知部61が検知しているときには、機能確認制御部65は機能確認動作を実行しない。また、警報器1に異常が発生していることを異常検知部66が検知しているときにも、機能確認制御部65は機能確認動作を実行しない。一方、指示受付部64が機能確認指示を受け付けた場合に、報知部63がコンテンツの報知を行っている状態であるときには、機能確認制御部65は、報知部63によるコンテンツの報知を中止させて機能確認動作を実行する。このため、ユーザは、警報器1の機能の確認が必要である場合に、コンテンツの報知よりも機能確認動作を優先して実行させることができる。
【0042】
なお、指示受付部64が機能確認指示を受け付けた場合に、報知部63が監視対象または警報器1における異常の発生の、スピーカおよびLEDによる報知を行っているときには、報知部63はスピーカによる当該報知を一時的に停止する。ただし、報知部63は、LEDによる当該報知については継続する。また、スピーカによる当該報知を一時的に停止しても、警報器1は依然として監視対象についての報知が必要な状態、または異常が発生している状態である。このため、スピーカによる報知を一時的に停止した状態において、指示受付部64が機能確認指示を受け付けた場合には、機能確認制御部65は機能確認動作を実行しない。スピーカによる報知を停止した後、一定時間(例えば5分間)経過しても、監視対象についての報知が必要な状態、または異常が発生している状態が継続していた場合には、報知部63はスピーカによる報知を再度行う。
【0043】
また、報知の種類によっては、報知中に指示受付部64が機能確認指示を受け付けた場合であっても、報知部63はスピーカによる報知を停止しなくてもよい。また、スピーカによる報知を停止した後、時間経過により再度スピーカによる報知を開始した後に指示受付部64が機能確認指示を受け付けた場合にも、報知部63はスピーカによる報知を停止しなくてもよい。また報知部63はスピーカによる当該報知を一時的に停止するために指示受付部64が受け付ける指示は、機能確認指示とは異なる指示(本実施形態においては、異なる押しボタン操作)であってもよい。
【0044】
機能確認制御部65は、指示受付部64が受け付けた指示の条件に応じて、互いに異なる第1機能確認動作、第2機能確認動作および第3機能確認動作を実行可能である。機能確認制御部65は、指示受付部64が第1条件の指示を受け付けた場合に、第1機能確認動作を実行する。機能確認制御部65は、指示受付部64が第2条件の指示を受け付けた場合に、第2機能確認動作を実行する。機能確認制御部65は、指示受付部64が第3条件の指示を受け付けた場合に、第3機能確認動作を実行する。第1〜第3条件については後述する。
【0045】
第1機能確認動作は、例えば検知部61による監視対象についての検知機能に関する機能確認動作である。機能確認制御部65は、第1機能確認動作において確認結果が正常であった場合、その旨の音声(例えば「正常です」)をスピーカから出力させる。
【0046】
第2機能確認動作は、例えば警報音が正常に出力されるかをユーザが聞いて確認するための動作である。また、第2機能確認動作は、通信部62によるサーバ200との通信機能に関する機能確認動作であってもよい。
【0047】
第3機能確認動作は、報知部63によるコンテンツの報知に関する機能確認動作である。第3機能確認動作において、通信部62は、例えばサーバ200に対してテスト用の音声データをダウンロードする。報知部63はダウンロードした音声データに基づく音声をスピーカから出力する。このように、ユーザは、指示の条件を異ならせることで、コンテンツの報知に関する機能確認動作を含む、3種類の機能確認動作を実行させることができる。
【0048】
なお、機能確認動作の種類は3種類に限定されず、2種類以下または4種類以上であってもよい。この場合、機能確認動作の種類の数に応じて、指示の条件の数も変化する。
【0049】
上述したとおり、実施形態1における指示受付部64は押下操作判定部である。このため、指示受付部64は、例えば押しボタン50に対する押下操作が継続した時間を判定することができる。指示受付部64は、押下操作が行われているという判定の、開始時刻および終了時刻をタイマ20から取得し、それらの時刻の差を押下操作が継続した時間とする。タイマ20としてマイコンに搭載のタイマを用いる場合、押下操作の開始から終了まで(例えば押しボタン50を押してから離すまで)の時間を計測して、押下操作が継続した時間を判定してもよい。
【0050】
例えば、第1条件の指示(第1の入力態様による指示)は、押下操作が継続した期間が所定の第1時間(例えば3秒)以下である指示である。第2条件の指示(第2の入力態様による指示)は、押下操作が継続した時間が第1時間よりも長く、かつ第1時間よりも長い第2時間(例えば6秒)以下である指示である。第3条件の指示(第3の入力態様による指示)は、押下操作が継続した時間が第2時間よりも長い指示である。すなわち、第1〜3条件の指示は、押しボタン50を押下する時間の長さによって区別される。この場合、ユーザは、指示の条件として、押しボタン50を押下する時間を異ならせることで、単一の押しボタン50により3種類の機能確認動作を実行させることができる。なお、第1時間および第2時間の長さは上記の例に限られない。
【0051】
指示受付部64は、押しボタン50が押下されていると判定した状態で第1時間および第2時間が経過した場合に、スピーカからビープ音を出力させてもよい。この場合、ユーザは、自身の操作がいずれの指示の条件を満たしているか否かを容易に把握できる。
【0052】
第1〜第3条件の指示は、上記の例に限定されない。第1〜第3条件の指示の別の例としては、所定の時間(例えば1秒)内に押しボタン50が押下される回数を挙げることができる。第2条件の指示は第1条件の指示よりも入力が困難であり、第3条件の指示は第2条件の指示よりも入力が困難であることが好ましい。ここでいう「入力が困難である」とは、例えば操作に要する時間が長い、または操作の回数が多いなど、手間を要することを意味する。
【0053】
上記の例では、第2条件の指示は、第1条件の指示と比較して、押下操作が継続した時間が長い指示であるため、操作に要する時間が長い。同様に、第3条件の指示は、第2条件の指示と比較して、押下操作が継続した時間が長い指示であるため、操作に要する時間が長い。したがって、上記の例では、第2条件の指示は第1条件の指示よりも入力が困難であり、第3条件の指示は第2条件の指示よりも入力が困難であるといえる。
【0054】
コンテンツの報知の機能は、監視対象についての状態の検知などの機能と比較して、警報器1の機能としての重要度が低い。このため、第1〜第3条件を上記のとおり設定することで、より重要な機能についての機能確認動作を簡易な指示で実行できるため、利便性が向上する。
【0055】
機能確認制御部65は、第3機能確認動作の実行中に、指示受付部64が第1条件の指示または第2条件の指示を受け付けた場合に、第3機能確認動作を中止し、指示受付部64が受け付けた指示に応じて第1機能確認動作または第2機能確認動作を実行する。このため、ユーザは、第3機能確認動作の実行中に、より重要な他の機能についての機能確認動作を実行させる必要が生じた場合に、当該他の機能確認動作を割り込ませて実行させることができる。なお、機能確認制御部65は、第3機能確認動作の実行中に、指示受付部64が第3条件の指示を受け付けた場合には、実行中の第3機能確認動作を中止することなく継続する。機能確認制御部65は、第3機能確認動作に使用するテスト用音声のダウンロードが完了するまでは、指示受付部64が第3条件の指示を受け付けても、実行中の第3機能確認動作を中止することなく継続するようにし、テスト用音声のダウンロード終了後、音声を出力している場合には、指示受付部64が第3条件の指示を受け付けると、当該音声の出力を停止するようにしてもよい。
【0056】
また、機能確認制御部65は、第1機能確認動作または第2機能確認動作の実行中に、指示受付部64が第1条件の指示、第2条件の指示または第3条件の指示を受け付けた場合に、実行中以外の第1機能確認動作、第2機能確認動作および第3機能確認動作のいずれも実行しない。したがって、ユーザは、重要な機能についての機能確認動作の実行中に、誤って他の機能確認動作の指示を行った場合であっても、実行中の機能確認動作を中止させず、当該機能確認動作の結果を得ることができる。
【0057】
また、第3条件の指示は、押下操作が継続した期間が第2時間よりも長く、かつ第2時間よりも長い第3時間(例えば10秒)以内の指示であるものとする。機能確認制御部65は、指示受付部64が受け付けた指示において、押下操作が継続した期間が第3時間を超える場合には、第1機能確認動作、第2機能確認動作、および第3機能確認動作のいずれも実行しない。このため、ユーザは、誤って押しボタン50を押下した場合に、押下した状態を第3時間以上にわたって継続させることで、第1〜第3機能確認動作のいずれも実行させることなく押しボタン50の押下操作を終了させることができる。なお、第3時間の長さは上記の例に限られない。
【0058】
報知部63は、機能確認制御部65によりコンテンツの報知を中止させられた後、第1機能確認動作、第2機能確認動作、または第3機能確認動作が終了した場合に、中止させられたコンテンツの報知を行わない。このため、ユーザは、コンテンツの報知を中止させて機能確認動作を実行させた場合に、中止させたコンテンツの内容を機能確認動作の終了時まで把握しておく必要がない場合が多いと考えられる。したがって、ユーザは、不要なコンテンツの報知を聞かずに済む。
【0059】
図2は、実施形態に係る警報器1の形態例を示す外形図である。
図2においては、警報器1の正面図が符号2001で示され、側面図が符号2002で示されている。
図1に示された上述の各機能ブロックは筐体70内に納められ、本形態例では警報器1が一体の機器として構成されている。
【0060】
筐体70の正面の右側には、筐体70に設けられた複数の小孔としての、通気口71が形成されている。通気口71の裏側の筐体70内部にセンサ10が配置されることにより、センサ10が警報器1周囲の雰囲気を監視することを可能にしている。また、筐体70の正面の上部中央付近には、筐体70に設けられた複数の小孔としての音声出力孔72が形成されている。音声出力孔72の裏側の筐体70内部に出力部55としてのスピーカが配置されることにより、スピーカの出力が、音声出力孔72を通じて警報器1の筐体70外部に取り出される。
【0061】
図2の符号2001に示されるように、筐体70の正面下部には、出力部55としてのガス漏れ警告ランプ73、CO警告ランプ74、表示ランプ75、および情報通知ランプ76が並べて配置されている。ガス漏れ警告ランプ73およびCO警告ランプ74は、対応する異常を、視覚を通じて報知する。表示ランプ75は、電源ランプと兼用されている。表示ランプ75は、警報器1が正常な状態では連続点灯し、正常でない状態では所定の間隔で点滅する。情報通知ランプ76は、コンテンツの報知を実行している場合に点灯する。例示として、ガス漏れ警告ランプ73、CO警告ランプ74の発光色は、それぞれ警告色である赤色、黄色とすることができる。また、表示ランプ75の発光色は緑色とすることができる。また、情報通知ランプ76の発光色は、上記各ランプのいずれの発光色とも異なる橙色とすることができる。
図2の符号2002に示されるように、筐体70の側面に押しボタン50が設けられている。なお、押しボタン50の設けられる位置は筐体70の側面に限らず、正面に設けられてもよい。
【0062】
なお、
図2の符号2001に示されるように、筐体70の正面下部には、通信部62によるサーバ200との通信の状態を示すためのアクセスランプ77が更に配置されていてもよい。アクセスランプ77は、例えばサーバ200との接続が確立できない場合に点灯するように構成されることで、サーバ200との通信の状態が外部より認識できるようになる。
【0063】
図3は、警報器1における処理の一例を示すフローチャートである。警報器1において、指示受付部64は、押しボタン50に対する押下操作を待機する(S1)。この状態において、検知部61は、センサ10から出力値を取得し、監視対象についての報知が必要か否かの検知を行っている。また、通信部62は、必要に応じてサーバ200と通信を行い、コンテンツおよび/またはその報知指示をダウンロードする。報知部63は、検知部61による検知の結果、異常検知部66による検知の結果、または通信部62による通信の結果に応じて、監視対象についての報知、異常の発生の報知、またはコンテンツの報知を行う。指示受付部64は、押下操作を受け付けない(S1でNO)限りは、この状態を継続する。
【0064】
押下操作が行われ(S1でYES)、かつ(i)監視対象についての報知が必要な状態であることを検知部61が検知していた場合、または(ii)警報器1における異常の発生の報知が必要な状態であることを異常検知部66が検知していた場合(S2でYES)、報知部63は報知を停止する(S3)。ただし、既に報知を停止した状態である場合には、報知部63は何もせず処理を終了する。監視対象についての報知または警報器1における異常の発生の報知が必要な状態であることを検知部61が検知していなかった場合(S2でNO)、機能確認制御部65は、第1または第2機能確認動作の実行中であるか判定する(S4)。第1または第2機能確認動作の実行中である場合(S4でYES)、機能確認制御部65は、第1〜第3機能確認動作のいずれも実行しない。なお、ステップS4でYESである場合には、機能確認制御部65は、実行中の第1または第2機能確認動作を終了してもよい。
【0065】
第1または第2機能確認動作の実行中でない場合(S4でNO)、機能確認制御部65は、指示受付部64が受け付けた押下操作が3秒継続したか判定する(S5)。押下操作が3秒継続しなかった場合(S5でNO)、機能確認制御部65は第1機能確認動作を実行する(S6)。押下操作が3秒継続した場合(S5でYES)、機能確認制御部65は、押下操作が6秒継続したか判定する(S7)。押下操作が6秒継続しなかった場合(S7でNO)、機能確認制御部65は第2機能確認動作を実行する(S8)。ステップS6またはS8において、第3機能確認動作を実行中であった場合、機能確認制御部65は、当該第3機能確認動作を中止して第1機能確認動作または第2機能確認動作を実行する。
【0066】
押下操作が6秒継続した場合(S7でYES)、機能確認制御部65は、押下操作が10秒継続したか判定する(S9)。押下操作が10秒継続しなかった場合(S9でNO)、機能確認制御部65は、第3機能確認動作を実行中であるか判定する(S10)。第3機能確認動作を実行中である場合(S10でYES)、機能確認制御部65は第3機能確認動作を新たに実行することはせず、既に実行中の第3機能確認動作を継続する。第3機能確認動作を実行中でない場合(S10でNO)、機能確認制御部65は第3機能確認動作を実行する(S11)。押下操作が10秒継続した場合(S9でYES)、機能確認制御部65は、第1〜第3機能確認動作のいずれも実行しない。
【0067】
なお、機能確認制御部65は、指示受付部64が受け付けた押下操作の期間が極端に短い所定の期間(例えば150ms)未満である場合には、第1〜第3機能確認動作のいずれも実行しないこととしてもよい。これにより、ユーザが押しボタン50を誤って一瞬のみ押下した場合に、不要な機能確認動作が実行されない。この場合、指示受付部64は、当該所定の期間の経過時にもスピーカからビープ音を出力させてもよい。
【0068】
〔ソフトウェアによる実現例〕
警報器1の制御ブロック(特に検知部61、通信部62、報知部63、指示受付部64、機能確認制御部65、および異常検知部66)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0069】
後者の場合、警報器1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0070】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。