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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-129282(P2021-129282A)
(43)【公開日】2021年9月2日
(54)【発明の名称】演奏撮影装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20210806BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20210806BHJP
【FI】
   H04N5/232 190
   H04N5/232 060
   H04N5/225 600
   H04N5/232 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-24689(P2020-24689)
(22)【出願日】2020年2月17日
(71)【出願人】
【識別番号】520056512
【氏名又は名称】株式会社エムテックス
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】比嘉 孝一郎
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA02
5C122EA63
5C122EA66
5C122EA67
5C122FA18
5C122FH11
5C122FH14
5C122FJ09
5C122GC17
5C122GC53
5C122GG21
5C122HA29
5C122HB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】演奏空間における演者の撮影において、設備・人に掛かる必要経費を低減させることで、演奏画像配信の裾野を拡大させ、演奏画像配信におけるエンターテインメント性を高める演奏撮影装置を提供する。
【解決手段】演奏空間310をカメラ500が撮影した第1画像情報に基づいて、演者330の演奏空間内の位置情報と、演者が所持する楽器370を含む演者による演奏手段360と、を対応付けて特定する手段と、演奏手段を含む演者の特徴を表す演者特徴情報と、演者の演奏空間内の位置情報と、を対応付けて記憶する手段と、集音装置が取得した演奏空間における音情報に基づいて、演奏空間において演奏されている演奏手段を特定する手段と、記憶手段において、特定した演奏手段と対応する演奏空間内の位置情報を抽出する抽出手段と、カメラ510に対し、抽出された演奏空間内の位置情報で特定される場所を撮影するように指示を行う手段と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一人以上の演者によって演奏が行われる演奏空間を認識用カメラ装置が撮影した認識用画像情報に基づいて、各前記演者の前記演奏空間内の位置情報と、前記各演者が所持する楽器を含む前記各演者による演奏手段と、を対応付けて特定する演者情報特定手段と、
前記演奏手段を含む前記各演者の特徴を表す演者特徴情報と、前記各演者の前記演奏空間内の位置情報と、を対応付けて記憶する演者情報記憶手段と、
集音装置が取得した前記演奏空間における音情報に基づいて、前記演奏空間において演奏されている前記演奏手段を特定する音源特定手段と、
前記演者情報記憶手段において、前記音源特定手段が特定した前記演奏手段と対応する前記演者の演奏空間内の位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、
撮影用カメラ装置に対し、抽出された前記演奏空間内の位置情報で特定される場所を撮影するように指示を行う撮影指示手段と、を有することを特徴とする演奏撮影装置。
【請求項2】
前記演者特徴情報が、前記演者の顔の位置、前記演者が所持する楽器の位置、前記演者の手の位置、前記演者の口の位置のうち何れか一つ以上の情報を含み、
前記演者情報特定手段が、前記認識用画像情報に基づいて、前記演者の顔の位置、前記演者が所持する楽器の位置、前記演者の手の位置、前記演者の口の位置のうち何れか一つ以上の情報を特定し、
前記位置情報抽出手段が、前記演者情報記憶手段において、前記特定した演奏手段と対応する前記演者の顔の位置、前記演者が所持する楽器の位置、前記演者の手の位置、前記演者の口の位置のうち何れか一つ以上の前記位置情報を抽出することを特徴とする請求項1に記載の演奏撮影装置。
【請求項3】
前記演者特徴情報が、前記演者の全身の大きさ、前記演者の顔の大きさ、前記演者の手の大きさ、前記演者の口の大きさ、前記演者が所持する楽器の大きさのうち何れか一つ以上の情報を含み、
前記演者情報特定手段が、前記認識用画像情報に基づいて、前記演者の全身の大きさ、前記演者の顔の大きさ、前記演者が所持する楽器の大きさ、前記演者の手の大きさ、前記演者の口の大きさのうち何れか一つ以上の情報を特定し、
前記位置情報抽出手段が、前記演者情報記憶手段において、前記特定した演奏手段と対応する前記演者の全身の大きさ、前記演者の顔の大きさ、前記演者の手の大きさ、前記演者の口の大きさ、前記演者が所持する楽器の大きさのうち何れか一つ以上の情報を抽出し、
前記撮影指示手段が、前記撮影用カメラ装置に対し、抽出された前記大きさに関する情報に合わせて撮影する範囲の大小を変更するように指示を行うことを特徴とする請求項2に記載の演奏撮影装置。
【請求項4】
照明装置に対し、抽出された前記演奏空間内の位置情報で特定される場所を照らすように指示を行う照明指示手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の演奏撮影装置。
【請求項5】
前記照明指示手段が、前記照明装置に対し、抽出された前記大きさに関する情報に合わせて照明を当てる範囲の大小を変更するように指示を行うことを特徴とする請求項3を引用する請求項4に記載の演奏撮影装置。
【請求項6】
ユーザー端末から、前記撮影用カメラ装置に撮影させる場所として、前記演者の全身・顔・口・手、前記演者が所持する楽器のうち何れかを選択させた選択情報を受け付ける撮影選択受付手段を有し、
前記位置情報抽出手段が、前記演者情報記憶手段において、前記撮影選択受付手段が受け付けた前記選択情報と対応する前記演者の顔の位置、前記演者が所持する楽器の位置、前記演者の手の位置、前記演者の口の位置のうち何れか一つ以上の前記位置情報を抽出することを特徴とする請求項2に記載の演奏撮影装置。
【請求項7】
ユーザー端末から、前記照明装置に照明を当てさせる場所として、前記演者の全身・顔・口・手、前記演者が所持する楽器のうち何れかを選択させた選択情報を受け付ける照明選択受付手段を有し、
前記位置情報抽出手段が、前記演者情報記憶手段において、前記照明選択受付手段が受け付けた前記選択情報と対応する前記演者の顔の位置、前記演者が所持する楽器の位置、前記演者の手の位置、前記演者の口の位置のうち何れか一つ以上の前記位置情報を抽出することを特徴とする請求項2を引用する請求項4に記載の演奏撮影装置。
【請求項8】
前記撮影用カメラ装置が撮影した画像情報を、通信ネットワークを介して配信する画像配信手段を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一に記載の演奏撮影装置。
【請求項9】
演者情報特定手段が、一人以上の演者によって演奏が行われる演奏空間を認識用カメラ装置が撮影した認識用画像情報に基づいて、各前記演者の前記演奏空間内の位置情報と、前記各演者が所持する楽器を含む前記各演者による演奏手段と、を対応付けて特定するステップと、
音源特定手段が、集音装置が取得した前記演奏空間における音情報に基づいて、前記演奏空間において演奏されている前記演奏手段を特定するステップと、
位置情報抽出手段が、前記演奏手段を含む前記各演者の特徴を表す演者特徴情報と前記各演者の前記演奏空間内の位置情報とを対応付けて記憶する演者情報記憶手段において、前記音源特定手段が特定した前記演奏手段と対応する前記演者の演奏空間内の位置情報を抽出するステップと、
撮影指示手段が、撮影用カメラ装置に対し、抽出された前記演奏空間内の位置情報で特定される場所を撮影するように指示を行うステップと、を含む演奏撮影方法。
【請求項10】
前記演者特徴情報が、前記演者の顔の位置、前記演者が所持する楽器の位置、前記演者の手の位置、前記演者の口の位置のうち何れか一つ以上の情報を含み、
前記演者情報特定手段が、前記認識用画像情報に基づいて、前記演者の顔の位置、前記演者が所持する楽器の位置、前記演者の手の位置、前記演者の口の位置のうち何れか一つ以上の情報を特定し、
前記位置情報抽出手段が、前記演者情報記憶手段において、前記特定した演奏手段と対応する前記演者の顔の位置、前記演者が所持する楽器の位置、前記演者の手の位置、前記演者の口の位置のうち何れか一つ以上の前記位置情報を抽出することを特徴とする請求項9に記載の演奏撮影方法。
【請求項11】
前記演者特徴情報が、前記演者の全身の大きさ、前記演者の顔の大きさ、前記演者の手の大きさ、前記演者の口の大きさ、前記演者が所持する楽器の大きさのうち何れか一つ以上の情報を含み、
前記演者情報特定手段が、前記認識用画像情報に基づいて、前記演者の全身の大きさ、前記演者の顔の大きさ、前記演者が所持する楽器の大きさ、前記演者の手の大きさ、前記演者の口の大きさのうち何れか一つ以上の情報を特定し、
前記位置情報抽出手段が、前記演者情報記憶手段において、前記特定した演奏手段と対応する前記演者の全身の大きさ、前記演者の顔の大きさ、前記演者の手の大きさ、前記演者の口の大きさ、前記演者が所持する楽器の大きさのうち何れか一つ以上の情報を抽出し、
前記撮影指示手段が、前記撮影用カメラ装置に対し、抽出された前記大きさに関する情報に合わせて撮影する範囲の大小を変更するように指示を行うことを特徴とする請求項10に記載の演奏撮影方法。
【請求項12】
照明指示手段が、照明装置に対し、抽出された前記演奏空間内の位置情報で特定される場所を照らすように指示を行うステップを含むことを特徴とする請求項9乃至11の何れか一に記載の演奏撮影方法。
【請求項13】
前記照明指示手段が、前記照明装置に対し、抽出された前記大きさに関する情報に合わせて照明を当てる範囲の大小を変更するように指示を行うことを特徴とする請求項11を引用する請求項12に記載の演奏撮影方法。
【請求項14】
撮影選択受付手段が、ユーザー端末から、前記撮影用カメラ装置に撮影させる場所として、前記演者の全身・顔・口・手、前記演者が所持する楽器のうち何れかを選択させた選択情報を受け付けるステップを含み、
前記位置情報抽出手段が、前記演者情報記憶手段において、前記撮影選択受付手段が受け付けた前記選択情報と対応する前記演者の顔の位置、前記演者が所持する楽器の位置、前記演者の手の位置、前記演者の口の位置のうち何れか一つ以上の前記位置情報を抽出することを特徴とする請求項10に記載の演奏撮影方法。
【請求項15】
照明選択受付手段が、ユーザー端末から、前記照明装置に照明を当てさせる場所として、前記演者の全身・顔・口・手、前記演者が所持する楽器のうち何れかを選択させた選択情報を受け付けるステップを含み、
前記位置情報抽出手段が、前記演者情報記憶手段において、前記照明選択受付手段が受け付けた前記選択情報と対応する前記演者の顔の位置、前記演者が所持する楽器の位置、前記演者の手の位置、前記演者の口の位置のうち何れか一つ以上の前記位置情報を抽出することを特徴とする請求項10を引用する請求項12に記載の演奏撮影方法。
【請求項16】
画像配信手段が、前記撮影用カメラ装置が撮影した画像情報を、通信ネットワークを介して配信するステップを含むことを特徴とする請求項9乃至15の何れか一に記載の演奏撮影方法。
【請求項17】
コンピューターに、請求項9乃至16の何れか一に記載の方法を実行させるための演奏撮影プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
舞台上で演奏する演者を自動で撮影する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ライブ会場の映像配信では、複数台のカメラ装置、照明器具、編集器具、中継車、撮影者・編集者等の大掛かりな装置・人の準備が必要となり、大規模なライブ会場のみが映像配信の対象となっている。
【0003】
一方で、中小規模のライブ会場においては、設備・人・予算の制約があるため、映像配信がなされることはなく、その結果、マイナーなアーティストは露出が少なくなり、マーケットに認知される機会が少ないという実情がある。
ところで、特許文献1では、音源の位置を特定し、特定周波数の音源を自動的に追尾して撮影することのできる音源追尾型カメラ装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−359767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術は、交通取り締まり用のカメラ装置の技術であって、想定されていないライブ会場等の演奏空間への適用が難しいという問題点があった。
【0006】
そこで本発明では、上記問題点に鑑み、演奏空間における演者の撮影において、設備・人に掛かる必要経費を低減させることによって、演奏画像配信の裾野を拡大させると共に、演奏画像配信におけるエンターテインメント性を高める演奏撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する演奏撮影装置の一形態は、一人以上の演者によって演奏が行われる演奏空間を認識用カメラ装置が撮影した認識用画像情報に基づいて、各前記演者の前記演奏空間内の位置情報と、前記各演者が所持する楽器を含む前記各演者による演奏手段と、を対応付けて特定する演者情報特定手段と、前記演奏手段を含む前記各演者の特徴を表す演者特徴情報と、前記各演者の前記演奏空間内の位置情報と、を対応付けて記憶する演者情報記憶手段と、集音装置が取得した前記演奏空間における音情報に基づいて、前記演奏空間において演奏されている前記演奏手段を特定する音源特定手段と、前記演者情報記憶手段において、前記音源特定手段が特定した前記演奏手段と対応する前記演者の演奏空間内の位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、撮影用カメラ装置に対し、抽出された前記演奏空間内の位置情報で特定される場所を撮影するように指示を行う撮影指示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示する演奏撮影装置は、演奏空間における演者の撮影において、設備・人に掛かる必要経費を低減させることによって、演奏画像配信の裾野を拡大させると共に、演奏画像配信におけるエンターテインメント性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る演奏撮影装置の概要を説明する図である。
図2】本実施の形態に係る演奏撮影装置と他装置との接続態様を説明する図である。
図3】本実施の形態に係る演奏撮影装置の機能ブロック図である。
図4】本実施の形態に係る演者情報記憶手段の一例を示す図である。
図5】本実施の形態に係る演奏撮影装置のハードウエア構成例を示す図である。
図6】本実施の形態に係る演奏撮影装置による演者の位置及び特徴を特定する処理例の流れを示すフローチャートである。
図7】本実施の形態に係る演奏撮影装置によるカメラ装置及び照明装置への制御指示を行う処理例の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る演奏撮影装置の動作原理)
【0011】
図1乃至4を用いて、本実施の形態に係る演奏撮影装置(以下、単に「本装置」という。)100の動作原理について説明する。図1及び2は、本装置100の概略を説明するための図であり、図3は、本装置100の機能ブロック図である。
【0012】
図1で示すように、本装置100は、ライブ会場のように、一人以上の演者330が演奏を行う演奏空間310において、現に演奏を行う演者330の撮影を行ったり、演者330に照明装置520の光を当てたりするためのものである。演奏空間310には認識用カメラ装置500が設置され、認識用カメラ装置500は、演奏空間310全体を撮影し、演者330の位置や演者330の特徴340を認識するために用いる認識用画像情報320を出力する。
【0013】
また、演奏空間310には、演者330が発する音を集音する集音装置530が設置される。集音装置530は、例えば、マイク装置であっても良く、複数の音声信号を電気的に加算、加工し出力する音響機器であるミキサーであっても良い。さらに、演奏空間310には、本装置100の指示に従って演者330を撮影する撮影用カメラ装置510や演者330へライトを当てる照明装置520も設置される。
【0014】
図2で示すように、本装置100は、通信ネットワーク550を介して、認識用カメラ装置500、撮影用カメラ装置510、照明装置520、集音装置530、ユーザー端末540と接続される。通信ネットワーク550は、有線通信ネットワークであっても良く、無線通信ネットワークであっても良い。
【0015】
図1及び2で示すように、本装置100は、認識用カメラ装置500が撮影した画像320に基づいて、演者330一人ひとりの位置350、楽器370や歌声などの演奏手段360を含む演者330の特徴を表す情報340を特定し、データーベース化する。その一方で、本装置100は、集音装置530が取得した演奏空間310の音情報470に基づいて、演奏空間310において音を発している演奏手段360を特定し、データーベース110内で紐付けられる演者330の位置情報350や演者特徴情報340を抽出する。そして、本装置100は、抽出した演者330の位置情報350や演者特徴情報340に基づいて、撮影用カメラ装置510や照明装置520へ制御指示を行う。
【0016】
このようにして、本装置100は、ライブ会場のような演奏空間310の撮影において、人手を減らし、人件費を削減することによって、小さな演奏空間310における演奏画像を配信するなど演奏画像配信の裾野を拡大させることができる。加えて、本装置100は、演奏画像の自動配信におけるエンターテインメント性を高める。
【0017】
図3で示すように、本装置100は、演者情報記憶手段110、画像情報取得手段120、演者情報特定手段130、音源情報取得手段140、音源特定手段150、位置情報抽出手段160、撮影指示手段170、照明指示手段180、撮影選択受付手段190、照明選択受付手段200、画像配信手段210を有する。
【0018】
演者情報記憶手段110は、演者330が所持する楽器370や演者330の歌声などの演奏手段360を含む演者330それぞれの特徴を表す演者特徴情報340と、演者330それぞれの演奏空間310内の位置情報350と、を対応付けて記憶する。演者特徴情報340は、例えば、演者330それぞれについて、演奏手段360、全身の大きさ420、顔の位置380や大きさ430、所持する楽器370の位置390や大きさ460、手の位置400や大きさ440、口の位置410や大きさ450を含む。なお、位置情報350、380、390、400、410は、XYZ座標で表される情報であっても良く、その他の座標系で表される情報であっても良い。また、大きさを表す情報420、430、440、450、460は、どの様な単位を以って表現されても良い。
【0019】
図4で示すように、演者情報記憶手段110においては、例えば、演者識別情報:「A」、演奏手段360:「ボーカル」、位置情報350:「8,2,5」、全身の大きさ420:「10」、顔の位置情報380:「8,2,〇」、…のような形態で、演者特徴情報340と位置情報350とが紐付けて記憶される。また、演者情報記憶手段110においては、例えば、演者識別情報:「C」、演奏手段360:「ドラムス」、位置情報350:「18,7,6」、…、楽器の位置情報390:「18,7,◇」、楽器の大きさ460:「10」、…のような形態で、演者特徴情報340と位置情報350とが紐付けて記憶される。
【0020】
画像情報取得手段120は、一人以上の演者330によって演奏が行われる演奏空間310について、認識用カメラ装置500が撮影した認識用画像情報320を、通信ネットワーク550を介して取得する。認識用画像情報320は、どの様なデータ形式であっても良い。
【0021】
演者情報特定手段130は、認識用画像情報320に基づいて、各演者330の演奏空間310内の位置情報350と、各演者330が所持する楽器370を含む各演者330による演奏手段370と、を対応付けて特定する。
【0022】
また、演者情報特定手段130は、認識用画像情報320に基づいて、演者330の顔の位置380、演者330が所持する楽器370の位置390、演者330の手の位置400、演者330の口の位置410のうち何れか一つ以上の情報を特定する。
【0023】
さらに、演者情報特定手段130は、認識用画像情報320に基づいて、演者330の全身の大きさ420、演者330の顔の大きさ430、演者330が所持する楽器370の大きさ460、演者330の手の大きさ440、演者330の口の大きさ450のうち何れか一つ以上の情報を特定する。
【0024】
演者情報特定手段130が認識用画像情報320に基づいて、演奏手段360、位置情報350、380、390、400、410、大きさを表す情報420、430、440、450、460を特定する手法は、従来の画像認識技術が用いられる。また、演者情報特定手段130は、認識用画像情報320に基づいて、演者330が所持する楽器370が特定できない場合、演者330の演奏手段360を“ボーカル(歌を歌う行為)”と認識する形態であっても良い。
【0025】
音源情報取得手段140は、演奏空間310において集音装置530が取得した音情報470を、通信ネットワーク550を介して取得する。音情報470は、どの様なデータ形式であっても良い。集音装置530は、例えば、マイク装置であっても良く、複数の音声信号を電気的に加算、加工し出力する音響機器であるミキサーであっても良い。
【0026】
音源特定手段150は、集音装置530が取得した演奏空間310における音情報470に基づいて、演奏空間310において演奏されている演奏手段360を特定する。演奏手段360とは、例えば、演者330が所持する楽器370や演者330の歌声である。音源特定手段150が演奏手段360を特定する手法は、従来の音声認識技術が用いられ、既知(登録済み)の音情報と音情報470とを比較することによって行われる。
【0027】
位置情報抽出手段160は、演者情報記憶手段110において、音源特定手段150が特定した演奏手段360と対応して記憶される演者330の演奏空間310内の位置情報350を抽出する。
【0028】
位置情報抽出手段160は、演者情報記憶手段110において、音源特定手段150が特定した演奏手段360と対応して記憶される演者330の顔の位置380、演者330が所持する楽器370の位置390、演者330の手の位置400、演者330の口の位置410のうち何れか一つ以上の位置情報を抽出する。
【0029】
また、位置情報抽出手段160は、演者情報記憶手段110において、音源特定手段150が特定した演奏手段360と対応して記憶される演者330の全身の大きさ420、演者330の顔の大きさ430、演者330の手の大きさ440、演者330の口の大きさ450、演者330が所持する楽器370の大きさ460のうち何れか一つ以上の情報を抽出する。
【0030】
また、位置情報抽出手段160は、演者情報記憶手段110において、後述する選択情報480、490と対応して記憶される演者330の顔の位置380、演者330が所持する楽器370の位置390、演者330の手の位置400、演者330の口の位置410のうち何れか一つ以上の位置情報を抽出する形態としても良い。
【0031】
撮影指示手段170は、撮影用カメラ装置510に対し、位置情報抽出手段160が抽出した演奏空間310内の位置情報350、380、390、400、410で特定される場所を撮影するように指示を行う。撮影用カメラ装置510は、1台であっても、複数台であっても良い。
【0032】
撮影指示手段170は、撮影用カメラ装置510に対し、位置情報抽出手段160が抽出した大きさを表す情報420、430、440、450、460に合わせて、撮影する範囲の大小を変更するように指示を行う。大きさを表す情報420、430、440、450、460と撮影する範囲の大きさ(これを変更する制御指示)との関係は、適宜定めることが可能である。
なお、撮影用カメラ装置510は、撮影指示手段170による指示に従って撮影を行い、本装置100へ撮影した画像情報を送信する。
【0033】
照明指示手段180は、照明装置520に対し、位置情報抽出手段160が抽出した演奏空間310内の位置情報350、380、390、400、410で特定される場所を照らすように指示を行う。照明装置520は、1台であっても、複数台であっても良い。
【0034】
照明指示手段180は、照明装置520に対し、位置情報抽出手段160が抽出した大きさを表す情報420、430、440、450、460に合わせて、照明を当てる範囲の大小を変更するように指示を行う。大きさを表す情報420、430、440、450、460と照明を当てる範囲の大きさ(これを変更する制御指示)との関係は、適宜定めることが可能である。
なお、照明装置520は、照明指示手段180による指示に従って照明(投光)する。
【0035】
撮影選択受付手段190は、ユーザー端末540から、撮影用カメラ装置510に撮影させる場所として、演者330の全身・顔・口・手(指先)、演者330が所持する楽器370のうち何れかを選択させた選択情報480を受け付ける。
【0036】
照明選択受付手段200は、ユーザー端末540から、照明装置520に照明を当てさせる場所として、演者330の全身・顔・口・手(指先)、演者330が所持する楽器370のうち何れかを選択させた選択情報490を受け付ける。
画像配信手段210は、撮影用カメラ装置510が撮影した画像情報を、通信ネットワーク550を介して配信する。
【0037】
本装置100は、上記のような動作原理に基づいて、演奏空間310における演者330の撮影において、設備・人に掛かる必要経費を低減(自動化)させることによって、演奏画像配信の裾野を拡大させ、演奏画像配信におけるエンターテインメント性も高める。
(本実施の形態に係る演奏撮影装置のハードウエア構成)
【0038】
図5を用いて、本装置100のハードウエア構成例について説明する。図5は、本装置100のハードウエア構成の一例を示す図である。図5で示すように、本装置100は、CPU(Central Processing Unit)610、ROM(Read-Only Memory)620、RAM(Random Access Memory)630、補助記憶装置640、通信I/F650、入力装置660、出力装置670、記録媒体I/F680を有する。
【0039】
CPU610は、ROM620に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM630に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、本装置100全体を制御する。ROM620は、CPU610が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM630は、CPU610でROM620に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0040】
補助記憶装置640は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0041】
通信I/F650は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワーク550に接続し、通信機能を提供する他装置500、510、520、530、540とデータの授受を行うためのインターフェースである。
【0042】
入力装置660は、キーボードやタッチパネルなど本装置100にデータ入力を行うための装置である。出力装置670は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される装置であり、本装置100が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する装置である。
記録媒体I/F680は、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリなどの記録媒体690とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0043】
本装置100が有する各手段は、CPU610が、ROM620又は補助記憶装置640に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、本装置100が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウエアとして実現される形態としても良い。また、通信I/F650を介して外部サーバー装置から本発明に係るプログラムを読み込ませたり、記録媒体I/F680を介して記録媒体690から本発明に係るプログラムを読み込ませたりして、本装置100に当該プログラムを実行させる形態としても良い。
(本実施の形態に係る演奏撮影装置による処理例)
(1)演者330の位置350及び特徴340を特定する処理例
【0044】
図6を用いて、本装置100による演者330の位置350及び特徴340を特定する処理例について説明する。図6は、本装置100による演者330の位置350及び特徴340を特定する処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0045】
S10で認識用カメラ装置500が、演奏空間310全体を撮影し、演者330の位置や演者330の特徴340を認識するために用いる認識用画像情報320を出力する。そして、認識用カメラ装置500は、通信ネットワーク550を介して、認識用画像情報320を本装置100へ送付する。
【0046】
さらに、S10で画像情報取得手段120が、認識用カメラ装置500から通信ネットワーク550を介して送付される認識用画像情報320を取得する。なお、認識用画像情報320は、どの様なデータ形式であっても良い。
【0047】
S20で演者情報特定手段130が、S10において取得された認識用画像情報320に基づいて、各演者330の演奏空間310内の位置情報350と、各演者330が所持する楽器370を含む各演者330による演奏手段370と、を対応付けて特定する。
【0048】
また、演者情報特定手段130は、認識用画像情報320に基づいて、演者330の顔の位置380、演者330が所持する楽器370の位置390、演者330の手の位置400、演者330の口の位置410のうち何れか一つ以上の情報を特定する。
【0049】
さらに、演者情報特定手段130は、認識用画像情報320に基づいて、演者330の全身の大きさ420、演者330の顔の大きさ430、演者330が所持する楽器370の大きさ460、演者330の手の大きさ440、演者330の口の大きさ450のうち何れか一つ以上の情報を特定する。
【0050】
演者情報特定手段130は、従来の画像認識技術が用いて、演奏手段360、位置情報350、380、390、400、410、大きさを表す情報420、430、440、450、460を特定する。また、演者情報特定手段130は、認識用画像情報320に基づいて、演者330が所持する楽器370が特定できない場合、演者330の演奏手段360を“ボーカル(歌を歌う行為)”と認識する形態であっても良い。
【0051】
S30で演者情報特定手段130が、S20において特定された楽器370や演者330の歌声などの演奏手段360を含む演者330それぞれの特徴を表す演者特徴情報340と、演者330それぞれの演奏空間310内の位置情報350と、を対応付けて、演者情報記憶手段110へ登録する。
【0052】
なお、演者特徴情報340は、例えば、演者330それぞれについて、演奏手段360、全身の大きさ420、顔の位置380や大きさ430、所持する楽器370の位置390や大きさ460、手の位置400や大きさ440、口の位置410や大きさ450を含む。なお、位置情報350、380、390、400、410は、XYZ座標で表される情報であっても良く、その他の座標系で表される情報であっても良い。また、大きさを表す情報420、430、440、450、460は、どの様な単位を以って表現されても良い。
【0053】
図4で示すように、演者情報記憶手段110においては、例えば、演者識別情報:「A」、演奏手段360:「ボーカル」、位置情報350:「8,2,5」、全身の大きさ420:「10」、顔の位置情報380:「8,2,〇」、…のような形態で、演者特徴情報340と位置情報350とが紐付けて登録される。また、演者情報記憶手段110においては、例えば、演者識別情報:「C」、演奏手段360:「ドラムス」、位置情報350:「18,7,6」、…、楽器の位置情報390:「18,7,◇」、楽器の大きさ460:「10」、…のような形態で、演者特徴情報340と位置情報350とが紐付けて登録される。
(2)カメラ装置510及び照明装置520への制御指示を行う処理例
【0054】
図7を用いて、本装置100によるカメラ装置510及び照明装置520への制御指示を行う処理例について説明する。図7は、本装置100によるカメラ装置510及び照明装置520への制御指示を行う処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0055】
S110で集音装置530が、演奏空間310において演者330が発する音を集音し、通信ネットワーク550を介して、集音した音情報470を本装置100へ送付する。なお、集音装置530は、例えば、マイク装置であっても良く、複数の音声信号を電気的に加算、加工し出力する音響機器であるミキサーであっても良い。そして、S110で音源情報取得手段140が、集音装置530が取得した音情報470を、通信ネットワーク550を介して取得する。音情報470は、どの様なデータ形式であっても良い。
【0056】
さらに、S110で音源特定手段150が、S110において取得された演奏空間310における音情報470に基づいて、演奏空間310において演奏されている演奏手段360を特定する。演奏手段360とは、例えば、演者330が所持する楽器370や演者330の歌声である。音源特定手段150が演奏手段360を特定する手法は、従来の音声認識技術が用いられ、既知(登録済み)の音情報と音情報470とを比較することによって行われる。
【0057】
S120で位置情報抽出手段160が、S110において特定された演奏手段360と演者情報記憶手段110において対応して記憶される演者330の演奏空間310内の位置情報350を抽出する。また、位置情報抽出手段160は、S110において特定された演奏手段360と演者情報記憶手段110において対応して記憶される演者330の顔の位置380、演者330が所持する楽器370の位置390、演者330の手の位置400、演者330の口の位置410のうち何れか一つ以上の位置情報を抽出する。
【0058】
また、位置情報抽出手段160は、S110において特定された演奏手段360と演者情報記憶手段110において対応して記憶される演者330の全身の大きさ420、演者330の顔の大きさ430、演者330の手の大きさ440、演者330の口の大きさ450、演者330が所持する楽器370の大きさ460のうち何れか一つ以上の情報を抽出する。
【0059】
S130で撮影指示手段170が、撮影用カメラ装置510に対し、S120において抽出された演奏空間310内の位置情報350、380、390、400、410で特定される場所を撮影するように指示を行う。撮影用カメラ装置510は、1台であっても、複数台であっても良い。
【0060】
また、撮影指示手段170は、撮影用カメラ装置510に対し、S120において抽出された大きさを表す情報420、430、440、450、460に合わせて、撮影する範囲の大小を変更するように指示を行う。大きさを表す情報420、430、440、450、460と撮影する範囲の大きさ(これを変更する制御指示)との関係は、適宜定めることが可能である。
【0061】
加えて、S130で照明指示手段180が、照明装置520に対し、S120において抽出された演奏空間310内の位置情報350、380、390、400、410で特定される場所を照らすように指示を行う。照明装置520は、1台であっても、複数台であっても良い。
【0062】
また、照明指示手段180は、照明装置520に対し、S120において抽出された大きさを表す情報420、430、440、450、460に合わせて、照明を当てる範囲の大小を変更するように指示を行う。大きさを表す情報420、430、440、450、460と照明を当てる範囲の大きさ(これを変更する制御指示)との関係は、適宜定めることが可能である。
【0063】
なお、撮影用カメラ装置510は、撮影指示手段170による指示に従って撮影を行い、本装置100へ撮影した画像情報を送信する。画像配信手段210は、撮影用カメラ装置510が撮影した画像情報を、通信ネットワーク550を介して配信する。
【0064】
上記(1)(2)で示すような処理に基づいて、本装置100は、演奏空間310における演者330の撮影において、設備・人に掛かる必要経費を低減させることによって、演奏画像配信の裾野を拡大させることができる。それに加えて、本装置100は、演奏画像配信におけるエンターテインメント性も高めることができる。
【0065】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
100 演奏撮影装置
110 演者情報記憶手段
120 画像情報取得手段
130 演者情報特定手段
140 音情報取得手段
150 音源特定手段
160 位置情報抽出手段
170 撮影指示手段
180 照明指示手段
190 撮影選択受付手段
200 照明選択受付手段
210 画像配信手段
310 演奏空間
320 認識用画像情報
330 演者
340 演者特徴情報
350 演者の位置
360 演奏手段
370 演者が所持する楽器
380 演者の顔の位置
390 演者が所持する楽器の位置
400 演者の手の位置
410 演者の口の位置
420 演者の全身の大きさ
430 演者の顔の大きさ
440 演者の手の大きさ
450 演者の口の大きさ
460 演者が所持する楽器の大きさ
470 演奏空間における音情報
480 撮影選択受付手段による選択情報
490 照明選択受付手段による選択情報
500 認識用カメラ装置
510 撮影用カメラ装置
520 照明装置
530 集音装置(ミキサーを含む)
540 ユーザー端末
550 通信ネットワーク
610 CPU
620 ROM
630 RAM
640 補助記憶装置
650 通信インターフェース
660 入力装置
670 出力装置
680 記録媒体インターフェース
690 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7