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特開2021-129549加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒並びにその調製方法及び用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-129549(P2021-129549A)
(43)【公開日】2021年9月9日
(54)【発明の名称】加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒並びにその調製方法及び用途
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/167 20200101AFI20210813BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20210813BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20210813BHJP
【FI】
   A24B15/167
   A24F40/20
   A24F47/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-148527(P2020-148527)
(22)【出願日】2020年9月3日
(31)【優先権主張番号】202010104005.4
(32)【優先日】2020年2月20日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520340385
【氏名又は名称】雲南▲け▼莱▲はく▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張鵬飛
(72)【発明者】
【氏名】孫暁竜
(72)【発明者】
【氏名】孫軍
(72)【発明者】
【氏名】董雲
(72)【発明者】
【氏名】李永福
(72)【発明者】
【氏名】宣躍超
(72)【発明者】
【氏名】王小玉
(72)【発明者】
【氏名】羅平安
(72)【発明者】
【氏名】徐洋
【テーマコード(参考)】
4B043
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB08
4B043BB10
4B043BB16
4B043BB22
4B043BB25
4B043BC02
4B043BC03
4B043BC09
4B043BC20
4B043BC24
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB17
4B162AB22
4B162AB28
4B162AC13
(57)【要約】
【課題】本発明の主な目的は、既存の技術の不足点を解決し、材料の選択と生産プロセスが簡単で、品質制御が容易で、煙発生量が多く、煙発生効果が良好で、焦げにくく、掃除が不要な新型の加熱不燃焼タバコ装置に使用できる煙発生量が高い一種の高発煙顆粒を提供することである。また、本発明はこのような煙発生量が高い高発煙顆粒の調製方法及びその応用方法を提供する。
【解決手段】高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合1:1〜7:3に従い混合し調製される、加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒であって、前記高発煙顆粒素材は主材料Aと煙発生材料Bを混合造粒されたものであり、前記ゲル顆粒はゲル材料Cと煙発生材料Bを混合後、噴霧乾燥し調製されたものであり、前記主材料Aは天然植物水抽出残留物の粉砕物A1と雲南オリーブ粉砕物A2、雲南パパイヤ粉砕物A3、茯苓粉砕物A4、及び果実の殻の粉砕物A5からなる群から選択される1種以上であり、前記煙発生材料Bはプロピレングリコール、グリセロール、及びブタンジオールからなる群から選択される1種以上であり、前記ゲル材料Cはポリエチレングリコール、テトラデカン酸、及び香原料を含む、加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合1:1〜7:3に従い混合し調製される、加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒であって、
前記高発煙顆粒素材は主材料Aと煙発生材料Bを混合造粒されたものであり、
前記ゲル顆粒はゲル材料Cと煙発生材料Bを混合後、噴霧乾燥し調製されたものであり、
前記主材料Aは天然植物水抽出残留物の粉砕物A1と雲南オリーブ粉砕物A2、雲南パパイヤ粉砕物A3、茯苓粉砕物A4、及び果実の殻の粉砕物A5からなる群から選択される1種以上であり、
前記煙発生材料Bはプロピレングリコール、グリセロール、及びブタンジオールからなる群から選択される1種以上であり、
前記ゲル材料Cはポリエチレングリコール、テトラデカン酸、及び香原料を含む、
加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒。
【請求項2】
前記高発煙顆粒素材は主材料Aと煙発生材料Bを質量割合2.5:1〜1:1に従い混合後、湿潤方法より造粒したものである、請求項1に記載の高発煙顆粒。
【請求項3】
前記高発煙顆粒素材の顆粒の粒度は20〜40メッシュであり、水分含有量は8〜12wt%である、請求項1又は2に記載の高発煙顆粒。
【請求項4】
前記ゲル顆粒は、質量割合で30〜50%のポリエチレングリコール、10〜30%のテトラデカン酸、5〜25%の香原料、15〜35%煙発生材料Bを混合し、噴霧乾燥して調製されたものである、請求項1に記載の高発煙顆粒。
【請求項5】
前記ゲル顆粒の粒度は60〜200メッシュである、請求項1又は4に記載の発煙顆粒。
【請求項6】
前記主材料A中天然植物水抽出残留物の粉砕物A1は前記主材料Aの質量の50〜70%を占め、前記雲南オリーブ粉砕物A2、前記雲南パパイヤ粉砕物A3、前記茯苓粉砕物A4、前記果実殻の粉砕物A5の4種の合計量は、前記主材料Aの質量の30〜50%を占める、請求項1に記載の高発煙顆粒。
【請求項7】
前記天然植物水抽出残留物の粉砕物A1、前記雲南オリーブ粉砕物A2、前記雲南パパイヤ粉砕物A3、前記茯苓粉砕物A4、及び前記果実殻の粉砕物A5の粒度は100〜200メッシュである、請求項1又は6に記載の高発煙顆粒。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の高発煙顆粒の製造方法であって、
(1)主材料Aと煙発生材料Bを質量割合2.5:1〜1:1に従い混合し、湿潤方法により造粒、乾燥後、マイクロ波で膨脹化させ、高発煙顆粒素材を調製し、
(2)ゲル材料Cと煙発生材料B混合後、噴霧乾燥により造粒し、ゲル顆粒を得、
(3)前記高発煙顆粒素材と前記ゲル顆粒を質量割合1:1〜7:3に従い混合し、前記高発煙顆粒を調製する
ことを含む方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の高発煙顆粒の加熱不燃焼カートリッジにおける用途であって、前記高発煙顆粒を加熱不燃焼製品に用いる加熱不燃焼製品に入れ、前記高発煙顆粒を添加した加熱不燃焼カートリッジを得ることを含む用途。
【請求項10】
前記加熱不燃焼装置に用いる加熱不燃焼製品への前記高発煙顆粒の添加量は0.25±0.05gである、請求項9に記載の高発煙顆粒の加熱不燃焼カートリッジにおける用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年2月20日に提出された中国特許出願第202010104005.4号に基づく優先権を主張し、その内容のすべてが、参照により本出願に取り込まれる。
【0002】
本発明は加熱不燃焼製品技術領域に関連し、具体的には加熱不燃焼製品に用いる高発煙(煙発生量が高い)顆粒並びにその調製方法及び用途に関する。
【背景技術】
【0003】
「タバコ規制枠組み条約」の発布と実施に従い、各国政府のタバコ規制措置はますます厳しくなってきている。同時に、人々の生活レベルが高くなるに伴い、自身の健康と環境保護をもっと重視するようになり、タバコに対する認識も新しくなった。また、伝統的タバコ製品が制約を受けることに伴い、加熱不燃焼タバコ製品、電子タバコ、無煙タバコ製品等の新型タバコ製品が相次いで市販されている。
【0004】
PMIデータ統計によると、2019年上半期のIQOSカートリッジの合計出荷量は265.54億個で、同期比29.2%増、上半期の小売上額は同期比34%増だった。その中Q2の合計出荷量は150.56億個で、同期比37.3%増、サイクル比+30.94%であった。上半期の新型タバコ事業のプレート売上高は27.09億ドルで、同期比30.4%増、サイクル比+17.94%であった。第2四半期のIQOS装置の販売収入の割合は14%で、去年同期に比べ5pct低下した。これはカートリッジによる収入が継続し上昇することを示し、消費者のカートリッジ再購入率が継続し増加することを示す。2019年7月現在、IQOSのグローバルユーザー数は1130万人に達し、サイクル比+8.65%であった。その中完全にIQOSに転換した消費者(伝統巻煙使用を停止)人数は791万である。そのため、近年多くのタバコ製造企業や研究機関が加熱不燃焼タバコ製品の巨大な潜在力を見出し、この領域に大金を投入しており、見返りも大きい。
【0005】
近年、漢方薬等の植物電子タバコ用充填物に使用することが提案されている(特許文献1)。加熱不燃焼タバコ製品の技術中核は熱源と煙発生材料の両方である。煙発生材料は加熱不燃焼タバコ製品の吸引体験に影響を与える重要な要因である。既存の煙発生材料には主にタバコの薄切り、タバコ粉末、タバコのフレーク等がある。これらの材料は異なる加熱環境でタバコ特有の香を持つ煙を発生するが、均一に熱を受けることができない、炭化しやすい、操作が不便等の欠点が存在する。その中、タバコの薄切りと粉末は霧化剤を添加しにくいため、煙の量が少なく、煙の量が不均一で、焦げやすいなどの問題点が存在する。またタバコを加熱材料として採用するため、加熱で発生する蒸気中に中毒性を持つニコチンや他の有害物質を含有しており、煙中に紙が燃焼した匂いが混雑し、食感に影響を与える。その上、現在の製品は使用後、煙発生材料がコークス化、炭化、粘着などの原因で電気加熱装置に残留するため、電気加熱装置に専門工具をセットし掃除しなければならない。それ以外に、現在既に研究開発され、市販されている顆粒性の煙発生材料は、ある程度の煙発生が不均一で、煙発生効果が落ちる問題が存在する。このため、煙発生量が多く、煙発生効果が良好で、焦げにくく、清潔手入れが不要な新型の加熱不燃焼タバコ製品を開発することは、新型タバコ製品の開発に重要な意義がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019−180323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、既存の技術の不足点を解決し、材料の選択と生産プロセスが簡単で、品質制御が容易で、煙発生量が多く、煙発生効果が良好で、焦げにくく、掃除が不要な新型の加熱不燃焼タバコ装置に使用できる煙発生量が高い一種の高発煙顆粒を提供することである。また、本発明はこのような煙発生量が高い高発煙顆粒の調製方法及びその応用方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は以下の技術方案を通じて実現される。
【0009】
高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合1:1〜7:3に従い混合し調製される、加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒であって、
前記高発煙顆粒素材は主材料Aと煙発生材料Bを混合造粒されたものであり、
前記ゲル顆粒はゲル材料Cと煙発生材料Bを混合後、噴霧乾燥し調製されたものであり、
前記主材料Aは天然植物水抽出残留物の粉砕物A1と雲南オリーブ粉砕物A2、雲南パパイヤ粉砕物A3、茯苓粉砕物A4、及び果実の殻の粉砕物A5からなる群から選択される1種以上であり、
前記煙発生材料Bはプロピレングリコール、グリセロール、及びブタンジオールからなる群から選択される1種以上であり、
前記ゲル材料Cはポリエチレングリコール、テトラデカン酸、及び香原料を含む、
加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒。
【0010】
さらに、前記高発煙顆粒素材は主材料Aと煙発生材料Bを質量割合2.5:1〜1:1に従い混合後、湿潤方法より造粒したものであることが好ましい。前記高発煙顆粒素材の顆粒の粒度は20〜40メッシュであり、水分含有量は8〜12wt%であることが好ましい。
【0011】
さらに、前記ゲル顆粒は、質量割合で30〜50%のポリエチレングリコール、10〜30%のテトラデカン酸、5〜25%の香原料、15〜35%煙発生材料Bを混合し、噴霧乾燥して調製されたものであることが好ましい。前記ゲル顆粒の粒度は60〜200メッシュであることが好ましい。
【0012】
さらにまた、前記主材料A中天然植物水抽出残留物の粉砕物A1は前記主材料Aの質量の50〜70%を占め、前記雲南オリーブ粉砕物A2、前記雲南パパイヤ粉砕物A3、前記茯苓粉砕物A4、前記果実殻の粉砕物A5の4種の合計量は、前記主材料Aの質量の30〜50%を占めることが好ましい。前記天然植物水抽出残留物の粉砕物A1、前記雲南オリーブ粉砕物A2、前記雲南パパイヤ粉砕物A3、前記茯苓粉砕物A4、及び前記果実殻の粉砕物A5の粒度は100〜200メッシュであることが好ましい。
【0013】
本発明の高発煙顆粒の製造方法は、
(1)主材料Aと煙発生材料Bを質量割合2.5:1〜1:1に従い混合し、湿潤方法により造粒、乾燥後、マイクロ波で膨脹化させ、高発煙顆粒素材を調製し、
(2)ゲル材料Cと煙発生材料B混合後、噴霧乾燥により造粒し、ゲル顆粒を得、
(3)前記高発煙顆粒素材と前記ゲル顆粒を質量割合1:1〜7:3に従い混合し、前記高発煙顆粒を調製する
ことを含む。
【0014】
本発明の高発煙顆粒の加熱不燃焼カートリッジにおける用途は、前記高発煙顆粒を加熱不燃焼製品に用いる加熱不燃焼製品に入れ、前記高発煙顆粒を添加した加熱不燃焼カートリッジを得ることを含む。前記加熱不燃焼装置に用いる加熱不燃焼製品への前記高発煙顆粒の添加量は0.25±0.05gであることが好ましい。
【0015】
本発明中の高発煙顆粒中の天然植物水抽出残留物の粉砕物A1は糖含有量が低く、調製した顆粒が加熱源に付着しないため、煙発生効果に影響を与えず、加熱工具も汚染させない。粉砕物A2、A3、A4、A5の添加は香りを豊富に含有し、吸引食感を改善する。煙発生材料Bの主な役割はタバコを吸う時の一部分の煙を提供することである。本発明中の煙発生材料Bの主な利点は高発煙顆粒素材中の添加量が40〜100%に達することができ、高発煙顆粒の流動性とその後の加熱不燃焼カートリッジの加工に影響を与えず、煙量を大幅に高め、煙発生効果を著しく向上させることである。ゲル材料Cの主な役割は、香原料と一部の煙発生材料Bを包み、香と煙発生材料の損失を防止し、本発明の煙発生顆粒の煙発生量を増加させ、より良い煙発生効果を果たすことである。またゲル材料Cで調製した顆粒はその表面が滑らかで、主材料Aと煙発生材料Bで調製された高発煙顆粒素材と混合後、その高発煙顆粒の流動性を高め、その後のカートリッジの加工作業が順調に進行することを保証する。
【0016】
本発明中の高発煙顆粒は、タバコ原料を含有していないため、ニコチンなどの中毒性や健康リスク物質を生じない。そのため厳密の意味では一種の新型非タバコ製品であり、喫煙者の喫煙に対する満足感を実現するとともに、健康を損なわない。本発明の高発煙顆粒を添加したカートリッジは、市販されている既存の加熱機器及び加熱不燃焼煙発生装置を用い加熱吸引することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以下のような有益な効果がある。
(1)本発明は新型の加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒を提供し、当該高発煙顆粒は人体の健康を損なう原料成分を含んでいないため、加熱後の煙中ニコチンなどの中毒性や健康損なう物質を生じない。それ上、煙量が多く、煙発生効果が良好で、煙量は伝統の巻きタバコを上回る。吸引回数は20回前後に達し、煙量が安定し、吸引官能評価が快適である。
(2)本発明の高発煙顆粒を添加した加熱不燃焼カートリッジは、使用後直接加熱装置より取り出すことができ、煙発生顆粒が加熱装置内に残留しないため、加熱装置を汚染しない。そのため加熱装置を掃除する必要がなく、使用が非常に便利である。煙発生に必要な加熱温度が低く、270〜350℃で完璧に煙を発生することができるため、厳選した天然食材と低い煙発生温度より有害物質の発生を有効に避けることができる。
(3)本発明の高発煙顆粒は調製手法が簡単で、生産コストが低く、応用が便利で、産業化が容易である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下実例を用いて、本発明の内容をより詳しく説明するが、ここで挙げる実例は本発明の実例の一部に過ぎず、全部の実例ではないため、これを本発明の要求範囲と限定してはならない。
【0019】
前記本発明中の加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒は高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合1:1〜7:3に従い混合し、調製する。
【0020】
前記本発明の高発煙顆粒素材は、主材料Aと煙発生材料Bを混合後湿潤方法で顆粒化し調製した。主材料Aと煙発生材料Bの質量割合は2.5:1〜1:1で、調製した高発煙顆粒素材の顆粒の粒度は20〜40メッシュで、水分含有量は8〜12wt%である。その中、前記主材料Aは天然植物水抽出残留物の粉砕物A1、雲南オリーブ粉砕物A2、雲南パパイヤ粉砕物A3、茯苓粉砕物A4、及び果実殻の粉砕物A5からなる群から選択される1種以上である。主材料A中天然植物水抽出残留物の粉砕物A1の質量割合は50〜70%を占めることができる。雲南オリーブ粉砕物A2、雲南パパイヤ粉砕物A3、茯苓粉砕物A4、果実殻の粉砕物A5の4種の合計量が主材料Aの質量の30〜50%を占めることができる。前記天然植物水抽出残留物の粉砕物A1、雲南オリーブ粉砕物A2、雲南パパイヤ粉砕物A3、茯苓粉砕物A4、及び果実殻の粉砕物A5の粒度はすべて100〜200メッシュとすることができる。前記天然植物水抽出残留物の粉砕物A1とは、天然植物羅漢果、枇杷、甘草、羅望子、香莢蘭等の水抽出残留物の粉砕物である。前記果実の殻粉砕物とはクルミの殻、ココナッツの殻、マカダミア殻、及びマツの実の殻からなる群から選択される1種以上の粉砕物である。前記煙発生材料Bはプロピレングリコール、グリセロール、及びブタンジオールからなる群から選択される1種以上である。
【0021】
前記ゲル顆粒はゲル材料Cと煙発生材料Bを混合後噴霧乾燥し調製する。前記ゲル材料Cはポリエチレングリコール、テトラデカン酸、香原料を含むか、又はポリエチレングリコール、テトラデカン酸、香原料からなる。質量割合が30〜50%のポリエチレングリコール、10〜30%のテトラデカン酸、5〜25%の香原料と15〜35%の煙発生材料Bと混合後噴霧乾燥し、60〜200メッシュのゲル顆粒を調製することができる。前記香原料はタバコ元素を含んでいないタバコ本香水溶性エッセンス、ブルーベリー水溶性エッセンス、超スッキリミント水溶性エッセンス等で、すべて市販されているか、又は既存の技術で各自調製ができるものである。
【0022】
本発明中の加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒は以下の方法で調製する。
(1)主材料Aと煙発生材料Bを質量割合2.5:1〜1:1に従い混合し、湿潤方法により造粒する。乾燥後、マイクロ波で膨脹化させ、高発煙顆粒素材を調製する。
(2)ゲル材料Cと煙発生材料Bを混合し、噴霧乾燥により造粒し、ゲル顆粒を得る。
(3)高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合1:1〜7:3に従い混合し、高発煙顆粒完成品を調製する。
【0023】
前記本発明中の加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒を加熱不燃焼カートリッジへの応用は、前記高発煙顆粒を加熱不燃焼製品の加熱不燃焼製品に入れ、高発煙顆粒を添加した加熱不燃焼カートリッジを調製することを含む。加熱不燃焼製品に用いる加熱不燃焼カートリッジ毎の高発煙顆粒の添加量は普通0.25±0.05gである。
【実施例】
【0024】
(実施例1)
高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合に従い混合し、加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒を調製した。その手順は以下のようである。
【0025】
(1)質量分率に従い、天然植物羅漢果水抽出残留物の粉砕物A1を50分量、雲南オリーブ粉砕物A2を30分量、茯苓粉砕物A4を10分量、クルミの殻、ココナッツの殻粉砕物A5を10分量とグリセロールを50分量を均一に混合し、湿潤方法により造粒する。乾燥後、マイクロ波で膨脹化させ、20〜40メッシュ、水含有量が11wt%の高発煙顆粒素材を調製する。
(2)質量割合に従い、30%のポリエチレングリコール、30%のテトラデカン酸、5%のタバコ元素を含んでいないタバコ本香水溶性エッセンス、35%のグリセロールを均一に混合し、噴霧乾燥方法により造粒し、60〜200メッシュのゲル顆粒を調製する。
(3)調製した高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合7:3に従い混合し、加熱不燃焼装置に用いる高発煙顆粒を調製する。
【0026】
(実施例2)
高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合に従い混合し、加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒を調製した。その手順は以下のようである。
【0027】
(1)質量分率に従い、天然植物枇杷水抽出残留物の粉砕物A1を55分量、雲南オリーブ粉砕物A2を25分量、茯苓粉砕物A4を15分量、マカダミア殻粉砕物A5を5分量とプロピレングリコールを40分量均一に混合し、湿潤方法により造粒する。乾燥後マイクロ波で膨脹化させ、20〜40メッシュ、水含有量が10wt%の高発煙顆粒素材を調製する。
(2)質量割合に従い、40%のポリエチレングリコール、20%のテトラデカン酸、10%のブルーベリー水溶性エッセンス、30%のプロピレングリコールを均一に混合し、噴霧乾燥方法により造粒し、60〜200メッシュのゲル顆粒を調製する。
(3)調製した高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合6:4に従い混合し、加熱不燃焼装置に用いる高発煙顆粒を調製する。
【0028】
(実施例3)
高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合に従い混合し、加熱不燃焼製品に用いる高発煙顆粒を調製した。その手順は以下のようである。
【0029】
(1)質量分率に従い、天然植物羅望子水抽出残留物の粉砕物A1を65分量、雲南オリーブ粉砕物A2を15分量、雲南パパイヤ粉砕物A3を5分量、茯苓粉砕物A4を5分量、マツの実の殻とマカダミア殻粉砕物A5を10分量とプロピレングリコールを40分量均一に混合し、湿潤方法により造粒する。乾燥後、マイクロ波で膨脹化させ、20−40メッシュ、水含有量が12wt%の高発煙顆粒素材を調製する。
(2)質量割合に従い、50%のポリエチレングリコール、10%のテトラデカン酸、15%の超スッキリミント水溶性エッセンス、25%のブタンジオールを均一に混合し、噴霧乾燥方法により造粒し、60〜200メッシュのゲル顆粒を調製する。
(3)調製した高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合1:1に従い混合し、加熱不燃焼装置に用いる高発煙顆粒を調製する。
【0030】
(実施例4)
高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合に従い混合し、加熱不燃焼装置に用いる高発煙顆粒を調製した。その手順は以下のようである。
【0031】
(1)質量分率に従い、天然植物甘草水抽出残留物の粉砕物A1を70分量、雲南オリーブ粉砕物A2を15分量、雲南パパイヤ粉砕物A3を5分量、茯苓粉砕物A4を10分量とグリセロール50分量、プロピレングリコール20分量、ブタンジオール10分量を均一に混合し、湿潤方法により造粒する。乾燥後、マイクロ波で膨脹化させ、20〜40メッシュ、水含有量が12wt%の高発煙顆粒素材を調製する。
(2)質量割合に従い、45%のポリエチレングリコール、15%のテトラデカン酸、20%のブルーベリー水溶性エッセンス、10%プロピレングリコール、10%のブタンジオールを均一に混合し、噴霧乾燥方法により造粒し、60〜200メッシュのゲル顆粒を調製する。
(3)調製した高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合1:1に従い混合し、加熱不燃焼装置に用いる高発煙顆粒を調製する。
【0032】
(実施例5)
高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合に従い混合し、加熱不燃焼装置に用いる高発煙顆粒を調製した。その手順は以下のようである。
【0033】
(1)質量分率に従い、天然植物香莢蘭水抽出残留物の粉砕物A1を60分量、雲南オリーブ粉砕物A2を15分量、雲南パパイヤ粉砕物A3を15分量、茯苓粉砕物A4を5分量、マツの実の殻粉砕物A5を5分量とグリセロール70分量、プロピレングリコール15分量、ブタンジオール15分量を均一に混合し、湿潤方法により造粒する。乾燥後、マイクロ波で膨脹化させ、20〜40メッシュ、水含有量が8wt%の高発煙顆粒素材を調製する。
(2)質量割合に従い、50%のポリエチレングリコール、10%のテトラデカン酸、25%のタバコ元素を含んでいないタバコ本香水溶性エッセンス、15%グリセロールを均一に混合し、噴霧乾燥方法により造粒し、60〜200メッシュのゲル顆粒を調製する。
(3)調製した高発煙顆粒素材とゲル顆粒を質量割合7:3に従い混合し、加熱不燃焼装置に用いる高発煙顆粒を調製する。
【0034】
実例1〜5により調製された高発煙顆粒を加熱不燃装置に適用した。適用方法は前記高発煙顆粒を加熱不燃焼装置の加熱不燃焼カートリッジに添加することである。加熱不燃焼装置の加熱不燃焼カートリッジ毎の添加量は0.25±0.05gであった。
【0035】
加熱不燃焼カートリッジは、市販される既存の成型設備である紙管の被膜設備を採用した。簡単に言えば、高発煙顆粒を既存の加熱不燃焼巻煙の煙紙管に充填し、紙管の被膜を行い、加熱不燃焼カートリッジを調製した。
【0036】
前記実例で調製した加熱不燃焼カートリッジに対し性能測定を行った。IQOSカートリッジを選択し、伝統的巻きタバコである雲南煙(紫)を対照サンプルとし、官能吸引評価と吸引後の工具に対し汚染度客観評価を行った。また、質量分析計を採用し、煙中の有害物含有量を測定した。測定した主な有害物はニトロソアミン、ベンゾピレン、一酸化炭素、ニコチンであった。
【0037】
【表1】
【0038】
上記表の評価結果により、本発明の加熱不燃焼高発煙顆粒は、加熱より産生する煙中にニコチン等の依存性物質及び有害物質が発生せず、煙量が多く、煙発生効果が良好で、煙量が伝統的巻煙草より優れており、吸引回数が20回前後に達することができ、煙量が安定し、吸引の官能評価が良好であることが分かった。本発明で選択された材料と生産手法は簡単で、品質の制御が容易で、焦げにくく、健康を損なう物質を発生せず、官能吸引効果が良好である。本発明の加熱不燃焼顆粒で調製された加熱不燃焼カートリッジは、使用後加熱器具から直接取り出すことができ、加熱器具に残留せず、加熱器具を汚染しないため、加熱喫煙具を掃除する必要がなく、使用が非常に便利である。
【0039】
本発明において、湿潤造粒方法、噴霧乾燥造粒方法、加熱不燃焼カートリッジの製造方法は既存の技術を採用することができる。