本発明の一実施形態は、誘電体層、及び上記誘電体層を間に挟んで配置される第1及び第2内部電極を含み、第1方向に対向する第5面及び第6面、第2方向に対向する第3面及び第4面、第3方向に対向する第1面及び第2面を含む本体と、上記本体を貫通して上記第1内部電極と連結される第1貫通電極と、上記本体を貫通して上記第2内部電極と連結される第2貫通電極と、上記第1面及び第2面に配置され、上記第1貫通電極と連結される第1及び第2外部電極と、上記第1及び第2外部電極と離隔し、上記第2貫通電極と連結される第3及び第4外部電極と、を含み、上記第1及び第2貫通電極はテーパを含む積層セラミックキャパシタを提供することができる。
第1または第2内部電極の法線に対するテーパの角度の絶対値のうち最小値をテーパの角度としたとき、前記第1及び第2貫通電極のテーパ(taper)の角度は1°〜25°の範囲内である、請求項1または2に記載の積層セラミックキャパシタ。
前記第1及び第2貫通電極の最小直径(d)に対する最大直径(D)の割合(D/d)は、1.20〜3.7の範囲内である、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0016】
そして、本発明を明確に説明するために、図面において説明と関係ない部分は省略し、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一の構成要素に対しては、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外する意味ではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0017】
図面において、X方向は、第1方向、L方向または長さ方向、Y方向は、第2方向、W方向または幅方向、Z方向は、第3方向、T方向または厚さ方向と定義することができる。
【0018】
以下、
図1〜
図4a、
図4bを参照して、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタについて詳細に説明する。
【0019】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、誘電体層111、及び上記誘電体層111を間に挟んで配置される第1及び第2内部電極121、122を含み、第1方向(X方向)に対向する第5面及び第6面S5、S6、第2方向(Y方向)に対向する第3面及び第4面S3、S4、第3方向(Z方向)に対向する第1面及び第2面S1、S2を含む本体110と、上記本体110を貫通して上記第1内部電極121と連結される第1貫通電極131と、上記本体110を貫通して上記第2内部電極122と連結される第2貫通電極132と、上記第1面S1及び第2面S2に配置され、上記第1貫通電極131と連結される第1及び第2外部電極141、144と、上記第1及び第2外部電極141、144と離隔し、上記第2貫通電極132と連結される第3及び第4外部電極142、143と、を含むことができる。上記第1及び第2貫通電極131、132はテーパ(taper)を含むことができる。
【0020】
本体110には、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されている。上記本体110の具体的な形状は特に制限されないが、図示のように、本体110は六面体状やそれと類似の形状からなることができる。上記本体110は、焼成過程で上記本体110に含まれているセラミック粉末の収縮によって、上記本体110は完全な直線を有する六面体状ではないが、実質的に六面体状を有することができる。
【0021】
本体110は、厚さ方向(Z方向)に互いに対向する第1及び第2面S1、S2、上記第1及び第2面S1、S2と連結され、幅方向(Y方向)に互いに対向する第3及び第4面S3、S4、上記第1及び第2面S1、S2と連結され、且つ上記第3及び第4面S3、S4と連結され、長さ方向(X方向)に互いに対向する第5及び第6面S5、S6を有することができる。このとき、上記第1、第2、第3及び第4面S1、S2、S3、S4のうちから選択された一面が実装面になることができる。
【0022】
本体110を形成する複数の誘電体層111は、焼成された状態であり、隣接する誘電体層111の間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認し難いほど一体化することができる。
【0023】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量を得ることができる限り、特に制限されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO
3系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末は、例えば、BaTiO
3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶した(Ba
1−xCa
x)TiO
3、Ba(Ti
1−yCa
y)O
3、(Ba
1−xCa
x)(Ti
1−yZr
y)O
3またはBa(Ti
1−yZr
y)O
3などを挙げることができる。上記誘電体層111を形成する材料は、チタン酸バリウム(BaTiO
3)などのパウダーに、本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0024】
本体110の最下部の内部電極の下部及び最上部の内部電極の上部には、所定の厚さの第1及び第2カバー部112、113が形成されることができる。このとき、第1及び第2カバー部112、113は、誘電体層111と同一の組成からなることができ、内部電極を含まない誘電体層を本体110の最上部の内部電極の上部と最下部の内部電極の下部にそれぞれ少なくとも一層以上積層して形成されることができる。
【0025】
内部電極121、122は、誘電体層111を間に挟んで互いに対向するように交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。
【0026】
このとき、第1及び第2内部電極121、122はそれぞれ、第1及び第2絶縁部121a、122aを含むことができる。第1及び第2絶縁部121a、122aはそれぞれ、第1及び第2内部電極121、122が形成されない領域を意味し、第1及び第2内部電極121、122がそれぞれ異なる極性の外部電極のみに連結されるようにする役割を果たすことができる。すなわち、第1貫通電極131は、第1絶縁部121aによって第2内部電極122と離隔し、第2貫通電極132は、第2絶縁部122aによって第1内部電極121と離隔する。
【0027】
第1及び第2内部電極121、122が第1及び第2貫通電極131、132によって第1〜第4外部電極141、142、143、144とそれぞれ連結されるようにすることで、誘電体層111を間に挟んで第1及び第2内部電極121、122が互いに重なる面積を最大化することができる。これにより、積層セラミックキャパシタ100のキャパシタ容量が著しく増加することができる。
【0028】
第1及び第2内部電極121、122は、ニッケル(Ni)を最も多く含有することができるが、これに制限されるものではなく、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、銅(Cu)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、及びこれらの合金のうち一つ以上の物質を含む導電性ペーストを用いて形成されることができる。上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
第1及び第2貫通電極131、132は、ニッケル(Ni)を最も多く含有することができるが、これに制限されるものではなく、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、銅(Cu)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、及びこれらの合金のうち一つ以上の物質を含む導電性ペーストを用いて形成されることができる。上記第1及び第2貫通電極131、132を形成する方法は、特に制限されず、例えば、誘電体層111、第1内部電極121及び第2内部電極122が積層された積層体を形成し、その後、レーザードリル(Laser Drill)、穿孔機(Mechanical Pin Puncher)などを用いて本体110を第3方向(Z方向)に貫通し、上述の導電性ペーストを充填して第1及び第2貫通電極131、132を形成することができる。このとき、形成された貫通電極は焼成電極であってもよい。
【0030】
一例において、第1及び第2内部電極121、122と第1及び第2貫通電極131、132は、同一の金属成分を含むことができる。上記同一の金属成分は、ニッケル(Ni)であることができるが、これに制限されるものではなく、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、銅(Cu)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、及びこれらの合金のうち一つ以上であることができる。本発明による積層セラミックキャパシタの第1及び第2内部電極121、122と第1及び第2貫通電極131、132が同一の金属成分を含む場合、焼成開始温度及び/または焼成収縮率を一致させることができるため、クラックやデラミネーションなどの発生を防止することができる。
【0031】
本発明の一実施形態において、第1及び第2貫通電極131、132は、Z方向に突出していることができる。
図2を参照すると、第1貫通電極131は、本体110の第2面に突出していることができる。これは、貫通電極を形成する過程で、焼成収縮などによって本体110の貫通孔の外部に貫通電極が押し出されて発生する現象である。上記突出部の大きさに応じて、基板の内部または表面への実装時に電極の浮き上がりが発生して固着力が低下することがある。本発明の積層セラミックキャパシタは、外部電極を本体の第1面及び第2面の両方に形成することにより、突起部による固着力の低下を防止することができる。
【0032】
図3は本発明の実施形態による第1貫通電極131の断面を示す断面図である。以下、
図3を参照して、第1貫通電極131を基準に貫通電極の構造について説明する。但し、これは、第2〜第4貫通電極132、133、134に同様に適用されることができる。
【0033】
図3を参照すると、本発明の一実施形態において、第1及び第2内部電極121、122の積層方向に対する第1貫通電極131の断面は台形であることができる。上記第1及び第2内部電極121、122の積層方向は、第3方向(Z方向)であることができ、例えば、第1貫通電極131のL−T断面またはW−T断面を意味することができる。上記第1及び第2内部電極121、122の積層方向に対する第1貫通電極131の断面が台形であるとは、第1貫通電極131が下部から上部に行くほどその直径が大きくなることを意味することができる。
【0034】
一例において、第1及び第2貫通電極131のテーパ(taper)の角度θ1は1°〜25°の範囲内であってもよい。上記テーパの角度θ1とは、第1または第2内部電極121、122の法線に対するテーパの角度θ1の絶対値のうち最小値を意味することができる。第1または第2内部電極121、122の法線に対する本発明の積層セラミックキャパシタのL−W面の法線を意味することができる。
図9を参照すると、上記第1貫通電極131のテーパ(taper)の角度θ1は、第1または第2内部電極121、122に対する法線を基準に測定した値であることができ、上記法線に対する角度の絶対値のうち最小値を意味することができる。上記第1貫通電極131のテーパの角度θ1は25°以下、24°以下、23°以下、22°以下、21°以下、または20°以下であることができ、下限は特に制限されるものではないが、例えば、1°以上であってもよい。第1貫通電極131のテーパの角度θ1が上述の範囲を満たすようにすることにより、容量を形成する活性層及びカバー層のデラミネーションを減少させることができる。
【0035】
本発明の一実施形態において、第1貫通電極131及び第2貫通電極132の最小直径(d)に対する最大直径(D)の割合(D/d)は、1.20〜3.7の範囲内であってもよい。上記第1及び第2貫通電極131、132の最小直径(d)及び最大直径(D)は、製造された積層セラミックキャパシタの完成品を基準に測定した値であることができ、ランダムに選択された20個のサンプルを測定した値の平均値であることができる。上記第1貫通電極131及び第2貫通電極132の最小直径(d)に対する最大直径(D)の割合(D/d)は、1.20以上、1.21以上、1.22以上、1.23以上、1.24以上、または1.25以上であってもよく、3.70以下、3.69以下、3.68以下、3.67以下、3.66以下、または3.50以下であってもよいが、これらに制限されるものではない。第1貫通電極131及び第2貫通電極132の最小直径(d)に対する最大直径(D)の割合(D/d)が上記範囲を満たす場合には、カバー層の押され現象を改善させることができる。これにより、ESL特性を改善させることができる。
【0036】
本発明による第1及び第2貫通電極131、132の最大直径及び/または最小直径は、上述の割合を満足すれば特に制限されるものではない。本発明の一例において、上記第1及び第2貫通電極131、132の最大直径は20μm〜200μmの範囲内であってもよい。上記第1及び第2貫通電極131、132の最大直径は、例えば、20μm以上、21μm以上、22μm以上、23μm以上、24μm以上、または25μm以上であることができ、200μm以下、198μm以下、196μm以下、194μm以下、192μm以下、または190μm以下であってもよいが、これらに制限されるものではない。
【0037】
本発明の一例において、本体110の厚さは100μm以下であることができる。上記本体110の厚さは、第1面と第2面の間の垂直距離であることができ、下限は特に制限されるものではないが、例えば、5μm以上であってもよい。本体110の厚さが100μm以下になるよう製作することにより、基板内蔵用積層セラミックキャパシタ、及びAP下端部にLSCタイプで実装することができる積層セラミックキャパシタに適用することができる。
【0038】
本発明の一実施形態によると、第1〜第4外部電極141、142、143、144は、本体110の両面に配置されることができる。上記第1及び第2外部電極141、144は、本体110の第1面S1及び第2面S2にそれぞれ配置され、上述した第1貫通電極131によって電気的に連結されることができる。また、上記第3及び第4外部電極142、143は、上記第1及び第2外部電極141、144と離隔し、本体110の第1面S1及び第2面S2にそれぞれ配置されることができ、上述した第2貫通電極132によって電気的に連結されることができる。
【0039】
上記構造の積層セラミックキャパシタ100は、本体110の上面及び下面を連結する側面のマージン部を減少させることにより、第1及び第2内部電極121、122が形成される領域を増加させることで積層セラミックキャパシタ100のキャパシタ容量を大幅に向上させることができる。すなわち、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、側面に外部電極が配置されていない電極構造を有し、内部電極が本体を貫通する貫通電極によって外部電極と連結される構造を有するため、キャパシタの容量をさらに著しく向上させることができる。
【0040】
以下、
図2を参照して、第1外部電極141を基準に、外部電極の構造について説明する。但し、これは、第2〜第4外部電極142、143、144に同様に適用することができる。
【0041】
図2を参照すると、第1外部電極141は、第1焼成電極141aと、第1及び第2めっき層141b、141cと、を含むことができる。上記第1焼成電極141aは、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、及びこれらの合金のうち一つ以上の物質を含むことができ、例えば、ニッケル(Ni)を含む導電性ペーストを焼成して形成された焼成電極であることができる。上記第1焼成電極141aのように、外部電極を焼成電極として形成する場合には、本体と内部電極の同時焼成が可能となるという利点があり、本体と外部電極の間の固着強度をさらに向上させることができる。
【0042】
一例において、本発明の第1〜第4外部電極141、142、143、144は、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1nm〜100nmの範囲内であってもよい。本明細書において、「中心線平均粗さ(Ra)」とは、仮想の中心線に対する距離の平均値を意味することができる。上記中心線平均粗さ(Ra)が1nm〜100nmの範囲内である外部電極は、上述の範囲の表面粗さを有する外部電極を意味することができ、上述の範囲を満たす表面粗さを人為的に形成した外部電極を意味することができる。
【0043】
上記中心線平均粗さ(Ra)は、第1〜第4外部電極141、142、143、144の表面上に形成されている粗さに対して仮想の中心線を想定し、上記粗さの仮想の中心線を基準にそれぞれの距離(例えば、r1、r2、r3・・・rn)を測定した後、下記式のように各距離の平均値を求めて算出された値から誘電体層の中心線平均粗さ(Ra)を算出することができる。
【0045】
上記範囲を満たす中心線平均粗さ(Ra)を有する外部電極は、物理的または化学的方法で表面改質(Surface modification)して形成することができる。上述の粗さを付与することができれば、表面改質方法は特に制限されず、例えば、酸性または塩基性溶液による表面処理または研磨剤を用いた物理的研磨などの方法を用いることができる。
【0046】
一般に、ニッケルなどを含む焼成電極は、焼成過程で表面に酸化層が形成されるため、めっき層を形成することが困難であり、形成されためっき層が簡単に剥離されるなどの問題点がある。しかし、本発明の一実施形態による外部電極が上述の範囲の中心線平均粗さ(Ra)を満たすように表面改質された場合には、酸化層が除去されるか、または所定の粗さを有する表面が形成されるため、外部電極とめっき層の密着力を強化することができ、めっき層の剥離を防止することができる。
【0047】
本発明の一実施形態による第1めっき層141bは、ニッケルを含むめっき層であることができ、第2めっき層141cは、銅またはスズを含むめっき層であることができる。上記第1めっき層141bは、ニッケルを含むことにより、第1焼成電極141aとの密着性を向上させることができる。また、上記第2めっき層141cが銅またはスズを含むことにより、導電性、めっき密着性、及び半田付け性に優れた外部電極を形成することができる。
【0048】
一例において、本発明の第1〜第4外部電極141、142、143、144は、厚さが3μm〜30μmの範囲内であってもよい。上記第1〜第4外部電極141、142、143、144の厚さとは、上述の焼成電極、第1めっき層及び第2めっき層が積層された全体の厚さを意味することができ、本体から外部電極の表面に対する垂直距離を意味することができる。外部電極の厚さを上記範囲に調節することにより、表面実装用または基板内蔵用としての使用時に多くのスペースを占めることなく、優れた実装性を有することができる。
【0049】
図5、
図6、
図7a、
図7b、
図8a、
図8bは本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す図である。以下、
図5〜
図8bを参照して、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタについて詳細に説明する。
【0050】
本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタ200は、第1内部電極221、誘電体層211、及び第2内部電極222が積層された本体210と、第1〜第4連結電極231、232、233、234と、第1〜第4外部電極241、242、243、344と、を含むことができる。上記誘電体層211、第1及び第2内部電極221、222、ならびに第1〜第4外部電極241、242、243、244の成分及び構成などについては、上述のとおりであるため省略する。
【0051】
本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタ200は、第1連結電極231、第2連結電極232、第3連結電極233、及び第4連結電極234を含み、上記第1及び第4連結電極231、234は、第1及び第2外部電極241、244と電気的に連結され、上記第2及び第3連結電極232、233は、第3及び第4外部電極243、244と電気的に連結されることができる。上記のように、第1外部電極と第2外部電極を連結する連結電極、及び第3外部電極と第4外部電極を連結する連結電極がそれぞれ複数配置されることにより、外部電極と本体の固着力をより向上させることができる。
【0052】
図7a及び
図7bは第1内部電極221及び第2内部電極222の形状を示す断面図である。
図7a及び
図7bを参照すると、第1内部電極221及び第2内部電極222は、互いに点対称をなすT字型であることができる。上記第1内部電極221は、T字型の電極パターンを有することができ、電極パターンが形成されていない電極未配置領域222aは、絶縁領域であることができる。また、上記第2内部電極222は、T字型の電極パターンを有することができ、電極パターンが形成されていない電極未配置領域221aは、絶縁領域であることができる。
【0053】
上記電極パターンを有する積層セラミックキャパシタにおいて、第1及び第4連結電極231、234は、第1内部電極221と連結され、第2内部電極222の未配置領域222aを貫通することができる。また、第2及び第3連結電極232、233は、第2内部電極222と連結され、第1内部電極221の未配置領域222aを貫通することができる。内部電極の未配置領域に連結電極が貫通する構造を有することにより、本発明による積層セラミックキャパシタは、相互インダクタンスを相殺してESLを改善させることができ、ビア孔が内部電極上に形成される構造に比べてキャパシタの容量を増加させることができる。
【0054】
一例において、第1及び第2内部電極321、322の未配置領域321a、322aは、ラウンド状であることができる。
図8a及び
図8bを参照すると、第1内部電極321は、T字型の電極パターンを有することができ、内部電極が配置されていない未配置領域322aは、ラウンド状であることができる。また、第2内部電極322は、T字型の電極パターンを有することができ、内部電極が配置されていない未配置領域321aは、ラウンド状であることができる。上述のように、内部電極パターンのリセス部をラウンド状に形成する場合には、キャパシタの容量をより上昇させることができる。
【0055】
上記では、内部電極の電極未配置領域が四角状及びラウンド状を有する場合を例に挙げたが、これは一つの例示であり、本発明の内部電極パターンの形状はこれに制限されるものではなく、三角形、多角形など様々な形状も本発明の権利範囲に属するといえる。
【0056】
図9〜
図13は、
図1及び
図5に示された積層セラミックキャパシタの製造方法を示す図である。
図9〜
図13を参照して、本発明の
図1及び
図5に示された積層セラミックキャパシタの製造方法について説明する。かかる製造方法の説明から、上述の積層セラミックキャパシタの構造はさらに明確になる。
【0057】
まず、
図9に示すように、誘電体層からなるセラミックグリーンシートの一面に導電性金属を含むペーストを所定の厚さに印刷したシートを積層し、誘電体層、及び上記誘電体層を間に挟んで配置される第1及び第2内部電極を含む本体を設ける。本体510の上下部には、内部電極が含まれない誘電体層を積層することで、第1カバー部512及び第2カバー部513を形成することができる。
【0058】
本発明の一例において、第1カバー部512または第2カバー部513上に、必要に応じて識別部550を配置することもできる。上記識別部550は、上記第1カバー部512及び第2カバー部513のいずれか一つに形成され、明るさまたは色の差によって本体510の上、下部を識別する機能を果たすことができる。上記識別部550は、一つのセラミックグリーンシートが焼成されるか、または複数のセラミックグリーンシートが積層された誘電体層であることができ、第1カバー部512または第2カバー部513内に含まれることができる。
【0059】
上記識別部550が上記第1または第2カバー部と明るさまたは色の差を有するようにする方法は、特に制限されない。上記識別部550は、本体に含まれるセラミック粒子とサイズが異なるセラミック粒子を用いて形成するか、またはセラミック成分にNi、Mn、Cr、Mg、Y、及びVのうち選択された一つ以上の金属の酸化物、BaSiO
3またはCaSiO
3などの成分を追加して形成することができ、レーザーでマーキングする方法などを用いることができるが、これに制限されるものではない。上記識別部が配置される場合、本体の上部及び下部を区別することができ、上述の貫通電極が突出する突出部の方向を確認することができるため、本発明による積層セラミックキャパシタを基板に実装する際に、固着力により優れた方向を選択して実装することができる。
【0060】
上記カバー部を形成した後、レーザードリル(Laser Drill)や穿孔機(Mechanical Pin Puncher)などを用いて本体にビアHを形成する。その後、
図11に示すように、ビアHに導電性ペーストを塗布するか、またはめっきなどの方法を用いて導電性物質を充填し、第1及び第2貫通電極531、532を形成する。
【0061】
その後、本体510の一面に、第1及び第2貫通電極531、532と連結される第1〜第4外部電極541、542、543、544を形成する。
【0062】
具体的に、第1〜第4外部電極を形成する段階は、上記本体上にニッケルを含む第1〜第4焼成電極を形成する段階(
図11)と、上記第1〜第4焼成電極層上にそれぞれ第1めっき層を形成する段階(
図12)と、上記第1めっき層上にそれぞれ第2めっき層を形成する段階(
図13)と、を含んで行われる。
【0063】
焼成電極は、ニッケルを含む導電性ペーストを塗布し、これを焼成して形成されることができ、第1めっき層はニッケルを含み、電気的または化学的めっき法によって形成されることができる。第2めっき層は、銅またはスズを含み、電気的または化学的めっき法によって形成されることができる。
【0064】
焼成電極層を形成した後、仮焼及び焼成を行い、上記第1めっき層及び第2めっき層を形成して、
図1及び
図5に示された積層セラミックキャパシタを完成する。
【0065】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。