特開2021-130648(P2021-130648A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 雲南▲け▼莱▲はく▼科技有限公司の特許一覧

特開2021-130648加熱霧化が可能な固体漢方薬健康増進製品、健康増進方法及び加熱霧化装置
<>
  • 特開2021130648-加熱霧化が可能な固体漢方薬健康増進製品、健康増進方法及び加熱霧化装置 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-130648(P2021-130648A)
(43)【公開日】2021年9月9日
(54)【発明の名称】加熱霧化が可能な固体漢方薬健康増進製品、健康増進方法及び加熱霧化装置
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/287 20060101AFI20210813BHJP
   A61K 36/8969 20060101ALI20210813BHJP
   A61K 36/8967 20060101ALI20210813BHJP
   A61K 36/8966 20060101ALI20210813BHJP
   A61K 36/355 20060101ALI20210813BHJP
   A61K 36/346 20060101ALI20210813BHJP
   A61K 31/045 20060101ALI20210813BHJP
   A61K 31/201 20060101ALI20210813BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20210813BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20210813BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20210813BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20210813BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20210813BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20210813BHJP
   A61M 15/00 20060101ALI20210813BHJP
【FI】
   A61K36/287
   A61K36/8969
   A61K36/8967
   A61K36/8966
   A61K36/355
   A61K36/346
   A61K31/045
   A61K31/201
   A61K9/16
   A61K9/20
   A61K9/72
   A61K47/10
   A61K47/12
   A61P11/00
   A61M15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-148525(P2020-148525)
(22)【出願日】2020年9月3日
(31)【優先権主張番号】202010103994.5
(32)【優先日】2020年2月20日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520340385
【氏名又は名称】雲南▲け▼莱▲はく▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張鵬飛
(72)【発明者】
【氏名】孫暁竜
(72)【発明者】
【氏名】孫軍
(72)【発明者】
【氏名】董雲
(72)【発明者】
【氏名】李永福
(72)【発明者】
【氏名】宣躍超
(72)【発明者】
【氏名】王小玉
(72)【発明者】
【氏名】羅平安
(72)【発明者】
【氏名】徐洋
【テーマコード(参考)】
4C076
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA37
4C076AA93
4C076BB27
4C076CC15
4C076DD37
4C076DD41
4C076FF68
4C088AB12
4C088AB26
4C088AB30
4C088AB85
4C088AC03
4C088AC05
4C088AC11
4C088BA07
4C088MA35
4C088MA41
4C088MA43
4C088MA70
4C088NA10
4C088NA14
4C088ZA59
4C088ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA13
4C206DA04
4C206KA01
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA55
4C206MA61
4C206MA90
4C206NA10
4C206NA14
4C206ZA59
4C206ZC75
(57)【要約】      (修正有)
【課題】漢方薬有効成分が十分放出・霧化できる固体漢方薬健康増進製品、該製品を吸入することによる呼吸器官の健康増進方法、及び、直接投薬できる霧化装置を提供する。
【解決手段】質量割合が40%〜90%の漢方薬粉末と10%〜60%の霧剤から調製される、加熱霧化が可能な固体漢方薬健康増進製品であって、前記漢方薬粉末を調製する漢方薬がメントール、ボルネオール、オレイン酸、リノール酸、菊花(キクカ)、黄精(オウセイ)、百合(ユリ)、四川貝母(シセンバイモ)、金銀花(キンギンカ)、及び桔梗(キキョウ)からなる群から選択される1種以上であり、前記霧化剤がプロピレングリコール、オレイン酸、リノール酸、及びパルミチン酸からなる群から選択される1種以上である、固体漢方薬健康増進製品。前記製品を200℃〜400℃まで加熱し、発生した霧を人体の口腔から呼吸器官への直接吸入に供することを含む呼吸器官の健康増進方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量割合が40%〜90%の漢方薬粉末と10%〜60%の霧剤から調製される、加熱霧化が可能な固体漢方薬健康増進製品であって、
前記漢方薬粉末を調製する漢方薬がメントール、ボルネオール、オレイン酸、リノール酸、菊花(キクカ)、黄精(オウセイ)、百合(ユリ)、四川貝母(シセンバイモ)、金銀花(キンギンカ)、及び桔梗(キキョウ)からなる群から選択される1種以上であり、
前記霧化剤がプロピレングリコール、オレイン酸、リノール酸、及びパルミチン酸からなる群から選択される1種以上である、
固体漢方薬健康増進製品。
【請求項2】
前記漢方薬粉末と前記霧化剤が均一に混合された顆粒又は蜜丸である、請求項1に記載の固体漢方薬健康増進製品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の固体漢方薬健康増進製品を用いた呼吸器官の健康増進方法であって、前記固体漢方薬健康増進製品を200℃〜400℃まで加熱し、発生した霧を人体の口腔から呼吸器官への直接吸入に供することを含む
呼吸器官の健康増進方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の固体漢方薬健康増進製品を加熱霧化する漢方薬加熱霧化装置であって、
筐体(1)と、
前記筐体(1)内に設置され、上下が前記筐体(1)の外へ貫通する薬剤カートリッジ(2)と、
前記薬剤カートリッジ(2)を取り囲む加熱管(3)と、
前記加熱管(3)と連結している加熱電源(4)と
を含み、
前記薬剤カートリッジ(2)の下部は吸気口(5)であり、上部は排気口(6)である、
漢方薬加熱霧化装置。
【請求項5】
前記薬剤カートリッジ(2)が前記固体漢方薬健康製品を貯蔵し、前記加熱管(3)が前記漢方薬を加熱霧化する加熱温度範囲が200℃〜400℃である、請求項4に記載の漢方薬加熱霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年2月20日に提出された中国特許出願第202010103994.5号に基づく優先権を主張し、その内容のすべてが、参照により本出願に取り込まれる。
【0002】
本発明は健康増進製品、健康増進方法、健康増進装置技術領域に属する。具体的には、加熱霧化可能な固体漢方薬健康増進製品、並びにそれに適応した健康増進方法及び固体漢方薬健康増進製品加熱霧化装置である。
【背景技術】
【0003】
咽頭、喉頭、気管、気管支及び肺等の呼吸器官の重要組織に異変が生じた場合、治療方法は主に薬を経口投与し消化器官により吸収する方法あるいは静脈注射投与方法等の間接的投与方法を採用する。あるいは、超音波霧化等の直接呼吸器官に接触する技術及び設備を採用し、直接投薬することもでき、この方がより迅速、効果的である。
【0004】
治療の補助手段として、また呼吸器官に問題を感じる時の日常的健康管理方法として、漢方薬による補助的健康増進手段は一定の効果を得ることができる。現在、漢方薬による健康増進は主に消化器官吸収(例えばアロマセラピー)、皮膚吸収(例えば皮膚投薬マッサージ)である。但し、香を焚く時、過量のPM2.5が発生し、環境と空気に影響を与えることもあり、また皮膚による投薬は直接ではないため、効果が比較的に弱い。
【0005】
中国の多くの漢方薬は呼吸器官健康増進作用成分を含有しているが、長い間、煮て漢方薬湯剤、膏薬、口腔錠等の内服又は口腔投与方法だけで使用し、その作用と保健効果が間接的で緩慢であった。近年、漢方薬等の植物電子タバコ用充填物に使用することが提案されているが(特許文献1)、抽象的な可能性の提示にとどまり、漢方薬有効成分を霧化させ、迅速に投薬し、より効果的に呼吸器官健康増進作用を発揮できる簡単、有効、便利な方法はまだない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019−180323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は現有の技術に存在する不足点を解決し、漢方薬有効成分が十分放出・霧化できる固体漢方薬を提供することで、簡単で便利な直接投薬できる霧化方法を実現し、呼吸器官健康を増進することである。また、前記固体漢方薬を霧化させる霧化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では以下の技術方案を採用する。
【0009】
質量割合が40%〜90%の漢方薬粉末と10%〜60%の霧剤から調製される、加熱霧化が可能な固体漢方薬健康増進製品であって、
前記漢方薬粉末を調製する漢方薬がメントール、ボルネオール、オレイン酸、リノール酸、菊花(キクカ)、黄精(オウセイ)、百合(ユリ)、四川貝母(シセンバイモ)、金銀花(キンギンカ)、及び桔梗(キキョウ)からなる群から選択される1種以上であり、
前記霧化剤がプロピレングリコール、オレイン酸、リノール酸、及びパルミチン酸からなる群から選択される1種以上である、
固体漢方薬健康増進製品。
【0010】
本発明の固体漢方薬健康増進製品は、前記漢方薬粉末と前記霧化剤が均一に混合された顆粒又は蜜丸(蝋皮丸)であることが好ましい。
【0011】
本発明の固体漢方薬健康増進製品を用いた呼吸器官の健康増進方法は、前記固体漢方薬健康増進製品を200℃〜400℃まで加熱し、発生した霧を人体の口腔から呼吸器官への直接吸入に供することを含む。
【0012】
本発明の固体漢方薬健康増進製品を加熱霧化する漢方薬加熱霧化装置は、筐体と、前記筐体内に設置され、上下が前記筐体の外へ貫通する薬剤カートリッジと、前記薬剤カートリッジを取り囲む加熱管と、前記加熱管と連結している加熱電源とを含み、前記薬剤カートリッジの下部は吸気口であり、上部は排気口である。
【0013】
本発明の漢方薬加熱霧化装置は、前記薬剤カートリッジ(2)が前記固体漢方薬健康製品を貯蔵、前記加熱管(3)が前記漢方薬を加熱霧化する加熱温度範囲が200℃〜400℃であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の固体漢方薬健康製品中には、人体呼吸器官の殺菌、消炎、解毒に有益な漢方薬成分を多く含んでおり、これらの薬効成分は低温加熱で放出できるだけでなく、安全な霧化剤に有効に溶け込み、霧とともに口腔に入ることができる。高温加熱が不要のため、漢方薬が焦げることと有害成分が生じることを回避できる。
【0015】
本発明では固体漢方薬健康製品を加熱霧化する方法を採用するので、漢方薬を煎じ、濃縮する過程で生じる有効成分の損失と漢方薬製剤の長時間保存で生じる薬効の不安定性と沈殿化を避けることができ、固体漢方薬の直接の霧化投薬を実現した。低温加熱により漢方薬成分と霧化剤を一生に霧化させ、口腔から吸い込むことより漢方薬を直接呼吸器官全体に作用させることできる。また喉や肺への作用がより直接で、より効率的に呼吸器官健康を増進することができる。その上、苦い漢方薬を飲む不快感を避けることができる。
【0016】
本発明中の漢方薬加熱霧化装置はその構造が簡単で、使用も便利であり、容易に固体漢方薬を加熱霧化し呼吸器官健康増進に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は漢方薬霧化装置の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に実例を通じ本発明の内容に対し更なる説明を行う。ここで挙げる実例は本発明を解釈するためであって、本発明の保護範囲を限定するためではない。
【0019】
本発明中の前記加熱霧化が可能な固体漢方薬健康製品は、質量割合が40%〜90%の漢方薬粉末と10%〜60%霧化剤で調製される。前記漢方薬粉末を調製する漢方薬はメントール、ボルネオール、オレイン酸、リノール酸、菊花(キクカ)、黄精(オウセイ)、百合(ユリ)、四川貝母(シセンバイモ)、金銀花(キンギンカ)、及び桔梗(キキョウ)からなる群から選択される1種以上である。前記霧化剤はプロピレングリコール、オレイン酸、リノール酸、及びパルミチン酸からなる群から選択される1種以上である。
【0020】
前記メントール、ボルネオール、オレイン酸、リノール酸、菊花(キクカ)、黄精(オウセイ)、百合(ユリ)、四川貝母(シセンバイモ)、金銀花(キンギンカ)、及び桔梗(キキョウ)からなる群から選択される1種以上を粉末化し、霧化剤と均一に混合後、スイング造粒技術を用いて顆粒を作るか、又は蜂蜜丸製造器を用いて蜜丸を調製することができる。
【0021】
前記固体漢方薬健康製品を採用した呼吸器官健康を増進する方法は、固体漢方薬健康製品を200℃〜400℃まで加熱し、発生した霧を人体の口腔から呼吸器官への直接吸入に供することを含む。発生した霧が人体の口腔から呼吸器官への直接吸入が可能であれば、具体的な態様は限定されないが、典型的にはノズルなどにより霧を放出することができる。
【0022】
前記固体漢方薬健康製品を加熱霧化する漢方薬加熱霧化装置の一実施形態は、図1に示すように、筐体(1)と、筐体(1)内に設置され、上下が筐体(1)の外へ貫通する薬剤カートリッジ(2)と、薬剤カートリッジ(2)を取り囲む加熱管(3)と、加熱管(3)と連結している加熱電源(4)を含む。前記薬剤カートリッジ(2)の下部は吸気口(5)であり、上部は排気口(6)である。固体漢方薬健康製品を薬剤カートリッジ(2)に入れ、加熱電源(4)を入れると、加熱管(3)が昇温する。加熱温度を200℃〜400℃に制御することができる。固体漢方薬健康製品より霧が発生すると、排気口(6)に口づけ、霧化した漢方薬吸い込むことができる。薬剤カートリッジ(2)下部の吸気口(5)より空気が自然に入るので、気流の流通が流暢であり、吸い口(排気口(6))での吸い込みが容易になり、発生した霧がスムーズに口腔に吸い込まれる。排気口(6)の外端部には、口で咥えやすいノズルなどを繋げることができる。
【実施例】
【0023】
(実施例1)
質量割合に従い、90%の漢方薬粉末と10%の霧化剤を計量した。漢方薬粉末の組成は質量分率でメントール2分量、黄精(オウセイ)3分量、四川貝母(シセンバイモ)3分量、桔梗(キキョウ)2分量であった。霧化剤はオレイン酸とパルミチン酸の混合物を使用した。漢方薬粉末と霧化剤を均一に混合し、蜜丸製造機器を用いて、固体漢方薬健康製品を製造した。当該固体漢方薬健康製品を数個図1で示した漢方薬加熱霧化装置の薬剤カートリッジ(2)に入れ、加熱電源(4)を入れ、加熱温度を350℃に設定した。5〜10s加熱後、漢方薬の霧が発生した。排気口(6)を口に入れ、漢方薬の霧を吸い込めばよい。
【0024】
(実施例2)
質量割合に従い、60%の漢方薬粉末と40%の霧化剤を計量した。漢方薬粉末の組成は質量分率でボルネオール粉末1分量、リノール酸2分量、菊花(キクカ)粉末5分量、百合(ユリ)2分量であった。霧化剤はテトラデカン酸とプロピレングリコール混合物を使用した。漢方薬粉末と霧化剤を均一に混合し、スイング造粒技術を用いて顆粒を作製し、固体漢方薬健康製品を調製した。当該固体漢方薬健康製品を数個図1で示した漢方薬加熱霧化装置の薬剤カートリッジ(2)に入れ、加熱電源(4)を入れ、加熱温度を300℃に設定した。5〜10s加熱後、漢方薬の霧が発生した。排気口(6)を口に入れ、漢方薬の霧を吸い込めばよい。
【0025】
(実施例3)
質量割合に従い、50%の漢方薬粉末と50%の霧化剤を計量した。漢方薬粉末の組成は質量分率でメントール1分量、ボルネオール粉末1分量、菊花(キクカ)粉末3分量、百合(ユリ)粉末2分量、四川貝母(シセンバイモ)母1分量、桔梗(キキョウ)2分量であった。霧化剤はプロピレングリコール、オレイン酸、テトラデカン酸を任意の比率で配合した混合物を使用した。漢方薬粉末と霧化剤を均一に混合し、蜜丸製造機器を用いて、固体漢方薬健康製品を調製した。当該固体漢方薬健康製品を数個図1で示した漢方薬加熱霧化装置の薬剤カートリッジ(2)に入れ、加熱電源(4)を入れ、加熱温度を400℃に設定した。5〜10s加熱後、漢方薬の霧が発生した。排気口(6)を口に入れ、漢方薬の霧を吸い込めばよい。
【0026】
(実施例4)
質量割合に従い、40%の漢方薬粉末と60%の霧化剤を計量した。漢方薬粉末は組成質量分率でメントール粉末1分量、ボルネオール粉末1分量、リノール酸2分量、桔梗(キキョウ)6分量であった。霧化剤はテトラデカン酸を使用した。漢方薬粉末と霧化剤を均一に混合し、スイング造粒技術を用いて顆粒を製造し、固体漢方薬健康製品を得た。当該固体漢方薬健康製品を数個図1で示した漢方薬加熱霧化装置の薬剤カートリッジ(2)に入れ、加熱電源(4)を入れ、加熱温度を200℃に設定した。5〜10s加熱後、漢方薬の霧が発生した。排気口(6)を口に入れ、漢方薬の霧を吸い込めばよい。
図1