【解決手段】情報提供装置は、取得部、表示処理部、算出部及び受付部を備える。取得部は、利用者周辺に位置する施設の施設情報を取得する。表示処理部は、施設情報から情報提供画面を表示する。算出部は、位置情報及び施設の位置から、利用者及び施設の距離を算出する。受付部は、情報提供画面で、施設の指定を受け付ける。情報提供画面は、撮像部より取得したスルー画像及び、スルー画像上に配置されるターゲット表示及びスクロールビューを備える。ターゲット表示は、施設情報に基づいて施設の位置を表示し、スクロールビューは、施設情報に基づいて表示処理される項目を複数並べて表示し、表示処理部は、受付部が指定を受け付けた施設に対応するターゲット表示を強調し、利用者及び施設の距離をターゲット表示付近に表示する。
【背景技術】
【0002】
従来より、利用者が興味のある施設を地図上に表示処理し、利用を促すためのナビゲーションシステムが登場している。
【0003】
また、特にモバイル端末を用いて、カメラで取得した画像に、付加情報を重畳して提示する拡張現実(AR:Augmented Reality)技術を用いたシステムが登場している。
【0004】
特許文献1には、店舗が存在する複数階層からなる建物において当該店舗が位置する階層を示す階層情報を含む店舗情報を記憶する記憶手段と、ユーザ端末から当該ユーザ端末で撮像された撮像画像と当該撮像の方位を示す方位情報と当該ユーザ端末の位置を示す端末位置情報とを受信する通信手段と、上記受信された端末位置情報及び方位情報と上記記憶された店舗位置情報を基に、上記撮像画像に含まれる建物に存在する少なくとも1つの店舗を特定し、上記撮像画像における当該特定された店舗が存在する階層の位置を上記階層情報を基に特定し、上記特定された店舗の上記識別情報を、上記撮像画像の上記特定された階層の位置に重畳させて表示させるための表示情報を生成し上記ユーザ端末へ送信する制御手段を有する情報処理装置に関する技術が記載されている。
【0005】
特許文献2には、所定の地図領域内に座標情報を有する建物を建物情報記憶手段から特定し、当該特定した建物にタグを紐づけするタグ紐づけ手段と、前記D地図画像の視点位置の座標情報と視線方向および前記特定した建物の3D座標に基づいて、前記3D地図画像上の前記特定した建物の位置に当該建物に紐づけられたタグの情報を合成するタグ合成手段と、前記タグが紐づけられた建物に収容されている店舗の店舗情報を建物情報記憶手段から特定し、当該特定した店舗情報を前記タグの情報が合成された3D地図画像と紐づける店舗情報紐づけ手段と、前記タグの情報が合成された3D地図画像をタグ付き3D地図記憶手段に格納する格納手段を備えた地図画像処理装置に関する技術が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術は、利用者が向かおうとする目的地がすでに決定しているような場合に、その目的地に向かう為の助けとして、ARを応用して周辺情報の提供を行うものである。また、ARについての他の典型的な利用態様としては、利用者が興味を持った対象(例えば、商品や建物等)をカメラで撮影し、その対象の情報を取得するものが挙げられる。
【0008】
これらは、事前に利用者が目的とする施設の位置や、興味を持つものが特定された状態で利用される技術であり、例えば、利用者が思い立って、希望を満たす周辺施設を探しながら移動するような場合に、効果的に利用できなかった。
【0009】
また、施設の位置を利用者に対して提示する為の既存のナビゲーションシステムでは、地図画面上で施設の位置等を表示することが行われているが、これでは、周辺施設を探訪する趣味性が損なわれてしまう。また、地図を読むことに不慣れな利用者に対しては、有効に利用し難いという問題があった。
【0010】
上記事情を鑑みて、本発明は、ARを用いて施設探訪を行う為の新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記発明を解決するために、本発明は、情報提供プログラムであって、
前記情報提供プログラムは、コンピュータを、取得部、表示処理部、算出部及び受付部を備えた情報提供装置として機能させるものであって、
前記取得部は、利用者の位置情報に基づいて、前記利用者周辺に位置する施設の施設情報を取得可能に構成され、
前記表示処理部は、前記施設情報に基づいて情報提供画面を表示処理し、表示処理結果を出力可能に構成され、
前記算出部は、前記位置情報及び前記施設の位置に基づいて、前記利用者及び前記施設の距離を算出可能に構成され、
前記受付部は、前記情報提供画面を介して、前記施設の指定を受け付け可能に構成されており、
前記情報提供画面は、撮像部より取得したスルー画像並びに、前記スルー画像上に配置されるターゲット表示及びスクロールビューを備え、
前記ターゲット表示は、前記施設情報に基づいて表示処理される前記施設の位置を示した表示であり、
前記スクロールビューは、前記施設情報に基づいて表示処理される項目が複数並べて配置された表示であり、
前記表示処理部は、前記受付部が指定を受け付けた施設に対応する前記ターゲット表示を強調し、更に、前記距離を前記ターゲット表示付近に表示処理する。
【0012】
このような構成とすることで、AR表示により、特に、目的地が事前に定まっていないような施設探訪を、効率的に実施することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記受付部は、前記ターゲット表示の指定に基づいて前記施設の指定を受け付け、
前記表示処理部は、前記ターゲット表示の指定に基づいて前記施設の指定を受け付けると、前記スクロールビューをスクロールして、指定された前記施設の項目を表示処理する。
【0014】
このような構成とすることで、AR表示を用いて、効率的に施設探訪を行うことができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記受付部は、前記スクロールビューのスクロール操作に基づいて、前記施設の指定を受け付ける。
【0016】
このような構成とすることで、AR表示を用いて、効率的に施設探訪を行うことができる。
【0017】
本発明は、情報提供システムであって、
前記情報提供システムは、取得部、表示処理部、算出部及び受付部を備え、
前記取得部は、利用者の位置情報に基づいて、前記利用者周辺に位置する施設の施設情報を取得可能に構成され、
前記表示処理部は、前記施設情報に基づいて情報提供画面を表示処理し、表示処理結果を出力可能に構成され、
前記算出部は、前記位置情報及び前記施設の位置に基づいて、前記利用者及び前記施設の距離を算出可能に構成され、
前記受付部は、前記情報提供画面を介して、前記施設の指定を受け付け可能に構成されており、
前記情報提供画面は、撮像部より取得したスルー画像並びに、前記スルー画像上に配置されるターゲット表示及びスクロールビューを備え、
前記ターゲット表示は、前記施設情報に基づいて表示処理される前記施設の位置を示した表示であり、
前記スクロールビューは、前記施設情報に基づいて表示処理される項目が複数並べて配置された表示であり、
前記表示処理部は、前記受付部が指定を受け付けた施設に対応する前記ターゲット表示を強調し、更に、前記利用者及び施設の距離を前記ターゲット表示付近に表示処理する。
【0018】
本発明は、情報提供装置であって、
前記情報提供装置は、取得部、表示処理部、算出部及び受付部を備え、
前記取得部は、利用者の位置情報に基づいて、前記利用者周辺に位置する施設の施設情報を取得可能に構成され、
前記表示処理部は、前記施設情報に基づいて情報提供画面を表示処理し、表示処理結果を出力可能に構成され、
前記算出部は、前記位置情報及び前記施設の位置に基づいて、前記利用者及び前記施設の距離を算出可能に構成され、
前記受付部は、前記情報提供画面を介して、前記施設の指定を受け付け可能に構成されており、
前記情報提供画面は、撮像部より取得したスルー画像並びに、前記スルー画像上に配置されるターゲット表示及びスクロールビューを備え、
前記ターゲット表示は、前記施設情報に基づいて表示処理される前記施設の位置を示した表示であり、
前記スクロールビューは、前記施設情報に基づいて表示処理される項目が複数並べて配置された表示であり、
前記表示処理部は、前記受付部が指定を受け付けた施設に対応する前記ターゲット表示を強調し、更に、前記利用者及び施設の距離を前記ターゲット表示付近に表示処理する。
。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、ARを用いて施設探訪を行う為の新規な技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明について説明する。図面には、本発明の好ましい実施形態が示されている。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0022】
例えば、本実施形態では情報提供システム及び情報提供装置の構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、コンピュータプログラム、記録媒体等も、同様の作用効果を奏することができる。プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。ここで、前記プログラムを記憶した記録媒体は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0023】
本実施形態では、飲食店の施設情報を、情報提供装置により利用者に対して提供する場合について例示する。ここで、施設は、飲食店に限らず、例えば、小売店、アミューズメント施設、公共施設、医療施設及び、その他の任意のロケーションに関する情報を施設情報として、利用者へ配信してかまわない。
【0024】
<情報提供システム100>
図1に示すように、本実施形態における情報提供システム100は、情報提供装置1、施設情報配信装置6及びネットワークNWを備える。情報提供装置1は、利用者により操作される端末であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等の多機能情報端末により構成される。
【0025】
施設情報配信装置6は、施設情報を格納し、情報提供装置1に対して施設情報を配信する装置であり、例えばサーバにより構成される。本実施形態では、施設情報配信装置6は、情報提供装置1からのウェブAPI(Application Programming Interface)アクセスによって、該当する施設情報を情報提供装置1へ提供するAPIサーバとして例示する。
【0026】
<施設情報>
施設情報は、施設ID、施設の名称、緯度、経度、住所、施設画像、施設ページへのアクセスURL、施設のカテゴリ、施設の営業時間及び、喫煙やカード決済の可否等、カテゴリを超えて設定され得る施設のオプション情報、等である。この中で、言語に依存する情報(例えば、名称、住所、カテゴリ、営業時間及び、可否に関する情報、等)については、複数言語対応可能に、準備されたものを利用してもよい。
【0027】
<情報提供装置1>
情報提供装置1は、制御部10、情報入力・指定部11、記憶部12、表示部13、通信部14、撮像部15、方位情報取得部16、姿勢情報取得部17及び、位置情報取得部18を備える。
【0028】
制御部10は、記憶部12に記憶されたプログラムにしたがい、情報提供装置1を構成する種々の要素を制御するものである。本実施形態では、制御部10は、取得部2、算出部3、表示処理部4及び受付部5を備える。
【0029】
記憶部12は、情報提供装置1が機能する為の種々のプログラム及びデータを記憶するものであり、例えばメモリ、ハードディスク、SSD等により構成される。本実施形態では、記憶部12は、情報提供プログラムを格納している。
【0030】
表示部13は、利用者への情報表示を行うものであり、例えば、モニタ、ディスプレイ等により構成される。本実施形態では、情報入力・指定部11及び表示部13が一体となったタッチパネルを用いて、利用者からの操作入力を受け付けるものとする。
【0031】
通信部14は、情報提供装置1を構成する他の構成要素又は他の情報処理装置と有線又は無線によりデータ通信可能に構成される。本実施形態では、情報提供装置1は、インターネット等のIPネットワークNWを介して、施設情報配信装置6と通信可能に構成されている。本実施形態に係るネットワークNWは、任意のネットワークプロトコルに基づくものであって良く、その種別に制限はない。
【0032】
撮像部15は、被写体を撮像した画像データを、制御部10に対して出力するものであり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、レンズ等から構成される。
【0033】
方位情報取得部16は、情報提供装置1の方位を制御部10に対して出力するものであり、例えば、地磁気センサ等から構成される。
【0034】
姿勢情報取得部17は、情報提供装置1の姿勢を制御部10に対して出力するものであり、例えば、3軸加速度センサ等から構成される。
【0035】
位置情報取得部18は、情報提供装置1の2又は3次元位置を制御部10に対して出力するものであり、例えば、GPS受信機、高度気圧センサ等から構成される。
【0036】
<情報提供装置1の機能構成>
取得部2は、利用者の位置情報に基づいて、利用者周辺に位置する施設の施設情報を取得可能に構成される。本実施形態では、取得部2は、施設情報取得要求として、位置情報取得部18が取得した利用者の位置情報及び、情報取得を希望する範囲を通信部14及びネットワークNWを介して施設情報配信装置6に送信する。そして、取得部2は、施設情報配信装置6より返送された施設情報であって、指定の範囲内に位置する施設の少なくとも一部に関する施設情報を受け取る。ここで、取得部2は、必ずしも、施設情報取得要求にて範囲を指定する必要がなく、施設情報配信装置6側で送出する施設の範囲が規定されてもよい。なお、上述の施設情報として、更に、高度や、施設の所在を示す階層を受け取る構成としてもかまわない。また、取得部2が、格納した施設情報に対してこれらのうち少なくとも一方を付与してもよい。取得部2は、高度や階層として所定の値や、所定範囲内に含まれた1又は複数種類の値を与えてもよいし、例えば、住所から階層を取得して高度を付与してもよい。
【0037】
ここで、指定の範囲内に位置する施設の少なくとも一部とは、施設情報配信装置6が格納した施設情報のうち、指定の範囲内に位置する施設の全件が、必ずしも情報提供装置1に返送されなくてもよいことを意味する。例えば、情報提供装置1が受け取る施設情報の件数(=施設の件数)について、上限を設ける構成としてもよい。上限は、取得部2から送出される施設情報取得要求に含められてもよいし、施設情報配信装置6側で設定されて、上限内の件数の施設情報を、施設情報取得要求に対して返送する構成であってもよい。上限を設ける場合、施設情報配信装置6は、取得部2が情報提供装置1の位置に近接した施設の施設情報を優先的に受け取れるよう、施設情報取得要求に含まれた位置情報に応じて、除外される施設情報を決定可能に構成されることが好ましい。
【0038】
また、施設情報配信装置6が格納した施設情報のうち、施設カテゴリ等の属性に応じて、施設情報配信装置6より送出又は、取得部2が受け取る施設情報がフィルタされてよい。例えば、施設情報に含まれる営業時間によって、施設情報がフィルタされてよい。
【0039】
算出部3は、位置情報及び施設の位置に基づいて、利用者及び施設の距離を算出可能に構成される。本実施形態では、施設の位置は、施設情報に含まれた緯度及び経度により定義され、情報提供装置1の位置情報及び、この施設の位置に基づく直線距離により、利用者及び施設の距離が与えられる。本実施形態では、算出部3は、取得部2が取得した施設情報に含まれた施設の緯度経度及び、利用者の位置情報に基づいて、利用者及び施設の距離を算出する。算出部3は、API等を利用して距離を返送するための外部のシステムに、情報提供装置1の位置情報及び施設の位置を受け渡し、返送された距離を利用してもよい。例えば、算出部3は、距離の算出に際して、情報提供装置1並びに1又は複数の施設の所在を示す情報を、外部の地図情報サーバに対して送信し、外部の地図情報サーバより返送された施設への距離を受け取ることで、距離を算出する構成であってもよい。
【0040】
施設の距離は、情報提供装置1の2次元位置情報又は3次元位置情報並びに、施設の2次元位置又は3次元位置の任意の組み合わせで算出されてよい。典型的には、算出部3は、高度を必ずしも必要としない。情報提供装置1及び施設の2次元位置情報及び3次元位置情報の組み合わせにより距離を求める場合、例えば、残りの1次元(典型的には高度)には、0や1などの任意の値が与えられてもよい。2次元位置情報同士で距離を算出する場合、両者に高度が与えられてもよいし、2次元での距離が求められてもよい。後述する画面表示に際しては、施設の3次元位置について、ターゲットをAR表示してもよいし、施設の2次元位置に応じて、現在位置からの方向並びに、施設の距離又は仮想的に付与された高度に応じて、ターゲットの位置が決定されてもよい。
【0041】
また、算出部3は、施設情報に含まれた位置に代えて、住所によって、距離を算出可能に構成してもよい。また、距離は、直線距離でなく、経路検索によって得られた経路距離であってもよい。また、算出部3を施設情報配信装置6に設け、取得部2が、施設情報として施設までの距離を受け取り可能に構成されてよい。
【0042】
表示処理部4は、施設情報に基づいて情報提供画面を表示処理し、表示処理結果を出力可能に構成される。情報提供画面の詳細については、後述する。なお、表示処理部4が表示処理に利用する施設情報は、施設情報配信装置6より送信された施設情報、又は取得部2が取得した施設情報の全てでなくてもよい。
【0043】
受付部5は、情報提供画面を介して、施設の指定を受け付け可能に構成される。本実施形態では、情報提供画面に対するGUI操作が情報入力・指定部11を介してなされると、受付部5が操作を受け付け、表示処理部4は、その操作に応じて情報提供画面を表示処理可能に構成される。
【0044】
上記の各構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合は、制御部10が含んだCPUが、記憶部12が格納する情報提供プログラムを実行することで、各種機能を実現することができる。プログラムは、情報提供装置1の内蔵の記憶部12に格納してもよく、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、情報提供装置1は、外部の記憶部に格納されたプログラムを読み出し、クラウドコンピューティングに上記の各構成要素を実現してもよい。ハードウェアによって実現する場合、ASIC、FPGA又はDRPなどの種々の回路によって実現することができる。
【0045】
<情報提供画面>
次に、
図2〜
図9を用いて、情報提供画面の表示処理について説明する。以降で説明する画面は、表示処理部4で表示処理され、表示部13にて表示された画像である。
【0046】
<全体処理概要>
まず、
図2〜4を用いて、本実施形態に係る情報提供システム100が実行する全体処理の概要について説明する。なお、
図2以降で特定する処理フローチャートの処理順序は、図示した順番に限らず、任意に変更されてかまわない。
【0047】
図2に示すS11(ステップ11)において、利用者により情報提供装置1の情報入力・指定部11を用いて、所定の操作がなされ、情報提供プログラムが制御部10により実行されることで、アプリケーションが起動する。
【0048】
次に、S12において、制御部10により、施設情報を取得するか否かが判断される。施設情報を取得する場合(YES)、S13に進み、取得部2が施設情報を取得する。施設情報の取得は、少なくともアプリケーションの起動後に実行され、その後、時間経過や位置情報の変動などに応じて自動で実行される。取得部2は、利用者の要求に応じて、随意で施設情報が更新可能に構成されてもよい。
【0049】
S13では、取得部2は、まず、位置情報取得部18を介して情報提供装置1の位置情報を取得し(S131)、そして、S131で取得した位置情報を含む施設情報取得要求を施設情報配信装置6に送信し(S132)、施設情報配信装置6より施設情報取得要求に応じた施設情報の返送を受ける(S133)。取得部2は、取得した施設情報を記憶部12に記憶する。S133で施設情報を取得した後又は、S12で施設情報を取得(更新)する必要がない場合(NO)は、S14に進む。
【0050】
S14では、取得した施設情報に基づいて、算出部3は、個々の施設への距離を算出する。そして、S15では、表示処理部4は、施設情報のAR表示を行う。
【0051】
<情報提供画面>
図3は、施設情報をAR表示した際の情報提供画面の画面表示例である。情報提供画面は、スルー画像、ターゲットtx(t1〜t8)、メニューm(mA及びmB)、施設項目cx(c1及びc2)及び、経路表示ボタンrtを備える。
【0052】
表示処理部4は、撮像部15が取得した画像に基づいて、スルー画像を情報提供画面に表示する。表示処理部4は、更に、S13で取得した施設情報に含まれた施設の位置並びに、方位情報取得部16が取得した方位及び姿勢情報取得部17が取得した情報提供装置1の3軸姿勢に基づいて、スルー画像上に、施設の位置を示した表示であるターゲットtxを配置したAR画面を表示処理する。
【0053】
また、表示処理部4は、S13で取得した施設情報に基づいて、施設項目cxをスクロール可能に並べて配置したスクロールビューを表示処理する。スクロールビューは、項目を1次元配列したものであり、スクロールして情報提供画面上に表示された施設項目を切り替え可能になされている。スクロールビューには、画面外に配置された施設(図示例では、ターゲットt1〜t8が示す施設)以外の施設項目cxも表示され得る。ここで、ターゲットtiと施設項目ciは、いずれも施設iの施設情報に基づいて、表示処理部4が表示処理したものである。
【0054】
図4は、施設項目cxの拡大図である。施設項目cxは、施設情報に含まれた一定の情報を提示する領域である。本実施形態における施設項目cxは、施設名cx1、営業時間cx2、オプション情報cx3(図示例では、クレジットカードの利用可否に関するオプション情報cx3A及び、深夜営業ありか否かを示すオプション情報cx3B)、施設画像cx4及び、施設ページへのリンクcx5を備える。
【0055】
メニューm(mA及びmB)が指定されると、追加画面が表示される。また、経路表示ボタンrtが押下されると、表示処理部4は、現在指定されている施設への経路を、地図表示する。
【0056】
S16にて、利用者による操作を受付部5が受け付けると(YES)、操作指示に応じた処理が実行される(S17)。表示処理部4は、受付部5が指定を受け付けた施設iに対応するターゲットtiのターゲット表示を強調し、更に、距離をターゲット表示付近に表示処理する。
【0057】
S18にて、アプリケーションを終了する場合(YES)、すべての処理が終了する。アプリケーションを終了しない場合(NO)、S12に進む。本実施形態では、S12、S13にて、取得部2は、一定の時間間隔で施設情報の再取得を行い、表示処理部4が表示処理する施設情報を更新する。
【0058】
<ターゲット選択に対する処理>
次いで、
図5を用いて、本実施形態に係る情報提供システム100が実行するターゲット選択に対する処理について説明する。
図5(a)は、ターゲット選択がされた場合の処理フローチャートである。
【0059】
受付部5は、ターゲット指定に基づいて、施設の指定を受け付ける。情報提供画面を介して、受付部5が施設の指定を受け取ると、表示処理部4は、ターゲットtiのアイコンを変化させると共に、ターゲットtiに対応する施設iへの距離をターゲットti付近に表示する(S21)。そして更に、表示処理部4は、スクロールビューを操作して、選択されたターゲットtiに対応した施設iの施設項目ciを情報提供画面上に遷移させる。
【0060】
図5(b)は、ターゲット選択がされた場合の情報提供画面の画面表示例である。
図5(b)は、ターゲットt4が選択された場合の画面表示である。受付部5が、ターゲットt4の選択を受け付けると、表示処理部4は、S21でターゲットt4を変化させてターゲットT4(Tx)とすると共に、ターゲットT4の付近に距離D4(Dx)を表示する表示処理を実行する。更に、表示処理部4は、スクロールビューを動かして、施設4(x)の施設項目c4を情報提供画面上に表示させる表示処理を実行する。
【0061】
<ターゲット等の重なり>
図6は、ターゲット等が重なる場合の表示処理に関する図である。
図6(a)に示すように、ターゲットtm及びtnが重なりあう場合、表示処理部4は、算出部3が施設情報に基づいて算出した施設m及びnまでの距離に応じて、その重なり状態を決定する。本実施形態では、距離が近い施設iのターゲットtiを、手前側に配置する。図示例では、ターゲットtmが示す施設mが、利用者により近い施設であることがわかる。
【0062】
図6(a)において、受付部5が、ターゲットtmの指定を受け付けると、表示処理部4は、ターゲットtmをターゲットTmに変化させ、更に施設mまでの距離Dmを表示処理する。受付部5が、ターゲットtnの指定を受け付けると、表示処理部4は、ターゲットtnをターゲットTnに変化させ、更に施設nまでの距離Dnを表示処理する。
【0063】
本実施形態では、
図6(a)に示すように、距離Dnが表示処理される場合、手前側に位置するターゲットtmに距離Dmの一部が隠れるように構成されている。換言すれば、本実施形態では、指定されたターゲットtxと同じレイヤーに、距離Dxを配置している。指定されたターゲットtxと異なるレイヤーに、距離Dxを配置してもかまわない。例えば、
図6(b)に示すように、距離Dnは、常に最も手前側に表示してもかまわない。
【0064】
<施設項目選択に対する処理>
次いで、
図7、8を用いて、本実施形態に係る情報提供システム100が実行する施設項目選択に対する処理について説明する。
【0065】
受付部5は、更に、スクロールビューのスクロール操作に基づいて、施設の指定を受け付ける。受付部5は、利用者によってスクロールビューが操作され、所定位置まで施設項目ciがスクロールされることで、施設iの選択を受け付ける。施設項目ciの操作に応じて施設の選択要求を受け取ると、表示処理部4は、施設項目ciに対応するターゲットtiのアイコンを変化させると共に、施設iへの距離をターゲットti付近に表示する(S31)。
【0066】
<ターゲットが画面外にある場合>
S32にて、対応したするターゲットtiが画面外に存在する場合、方向アイコンを表持して、画面外におけるターゲットtiの方向を示す(S33)。
【0067】
図8は、ターゲットが画面外に位置した場合の情報提供画面の画面表示例である。
図8(a)に示すように、スクロールビューが操作されて施設9についての施設項目c9が画面上の所定位置に表示処理されると、受付部5は、施設9が指定されたと判断する。ここで、施設9が画面外に存在する為、表示処理部4は、画面縁部に、方向表示dを表示処理する。方向表示dの方向に、更に画面を向けたのが、
図8(b)に示す画面表示である。
【0068】
<施設項目選択に対する処理>
図9を用いて、本実施形態に係る情報提供システム100が実行するフィルタ処理について説明する。
【0069】
表示処理部4は、受付部5がメニューmBの操作指示を受け付けると、条件選択画面scを表示処理する。条件選択画面scを介して、表示条件が指定されると、表示処理部4は、指定された条件に応じて、表示する施設xをフィルタする。
【0070】
図9は、フィルタ処理する場合の情報提供画面の画面表示例である。
図9(a)に示すように、メニューmBが操作指示されると、条件選択画面scが表示処理される。条件選択画面scは、言語選択部sc1、カテゴリ選択部sc2、オプション選択部sc3及び、フィルタ部sc4を備える。
【0071】
言語選択部sc1が選択されると、アプリの表示言語を切り替える。このため、取得部2は、複数言語の施設情報を、施設情報取得要求してもよい。カテゴリ選択部sc2が操作されると、カテゴリでの絞り込みにより、フィルタが設定される。オプション選択部sc3が操作されると、オプションでの絞り込みにより、表示する施設がフィルタされる。フィルタ部sc4が操作されると、表示処理部4が表示処理する施設の再検索が行われ、指定され他条件に合致する施設のターゲットtx及び施設項目cxが、表示処理される。フィルタの結果、一部の施設(施設3及び5)についてのみ表示処理部4が表示処理した情報提供画面を、
図9(b)に示す画面表示である。