【解決手段】携帯用情報機器は、第1筐体と、前記第1筐体と隣接し、前記第1筐体に対して相対的に回動可能に連結された第2筐体と、スタンド装置と、を備える。前記スタンド装置は、前記第1筐体の背面に設けられ、該背面に沿った収納位置と、該背面から突出した起立位置とに移動可能な第1スタンド板と、前記第2筐体の背面に設けられ、該背面に沿った収納位置と、該背面から突出した起立位置とに移動可能な第2スタンド板と、を有する。前記第1スタンド板及び前記第2スタンド板は、互いの隣接端部同士が離間して別体に構成される分離状態と、互いの隣接端部同士が連結され、一体となって前記収納位置と前記起立位置との間を移動する連結状態と、に切替可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような携帯用情報機器は、手で把持した状態で操作する場合と机上等に置いた状態で操作する場合とがあり、机上等に置いた状態で操作する場合にスタンドで起立可能であると利便性が向上する。そこで、上記特許文献1の構成は、携帯用情報機器の背面を覆うカバーにスタンド機能を設け、利便性を向上させている。
【0005】
ところで、上記のような携帯用情報機器は、左右の筐体間を閉じた状態と開いた状態とで外面が周長差を生じる。そこで、上記特許文献1の構成は、左右の筐体の背面に亘るスタンド板の中央に多数の折り線を設けることで、周長差を吸収している。損結果、特許文献1の構成は、スタンドの構造が複雑になっている。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、高い利便性と簡素な構成を両立することができる携帯用情報機器及びスタンド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る携帯用情報機器は、携帯用情報機器であって、第1筐体と、前記第1筐体と隣接し、前記第1筐体に対して相対的に回動可能に連結された第2筐体と、スタンド装置と、を備え、前記スタンド装置は、前記第1筐体の背面に設けられ、該背面に沿った収納位置と、該背面から突出した起立位置とに移動可能な第1スタンド板と、前記第2筐体の背面に設けられ、該背面に沿った収納位置と、該背面から突出した起立位置とに移動可能な第2スタンド板と、を有し、前記第1スタンド板及び前記第2スタンド板は、互いの隣接端部同士が離間して別体に構成される分離状態と、互いの隣接端部同士が連結され、一体となって前記収納位置と前記起立位置との間を移動する連結状態と、に切替可能である。
【0008】
前記第1筐体と前記第2筐体とは、互いの正面同士が面内方向に並んで配置される平板形態と、互いの正面同士又は背面同士が対向するように重ねて配置される積層形態と、に変化可能であり、前記スタンド装置は、前記平板形態では互いの隣接端部同士が当接して前記連結状態となり、前記積層形態では互いの隣接端部同士が離間して前記分離状態となる構成としてもよい。
【0009】
前記スタンド装置は、前記第1スタンド板の第1端部を前記第1筐体に対して回転可能に支持する第1ヒンジ部と、前記第2スタンド板の第1端部を前記第2筐体に対して回転可能に支持する第2ヒンジ部と、前記第1スタンド板及び前記第2スタンド板の互いの隣接端部同士を着脱可能に連結する連結部と、を有する構成としてもよい。
【0010】
前記連結部は、前記第1スタンド板に設けられた磁石と、前記第2スタンド板に設けられ、前記磁石と吸着可能な被吸着体と、を有する構成としてもよい。
【0011】
前記連結部は、前記第1スタンド板に回動可能に支持され、前記積層形態時に前記第1スタンド板の前記隣接端部から埋没し、前記平板形態時に前記第1スタンド板の前記隣接端部から突出するレバー部材と、前記第2スタンド板に設けられ、前記レバー部材が係脱可能な係合凹部と、を有する構成としてもよい。
【0012】
前記連結部は、前記第1スタンド板に設けられた凸部と、前記第2スタンド板に設けられ、少なくとも前記第1スタンド板が前記収納位置から前記起立位置に移動する際に前記凸部に当接する受け部と、を有する構成としてもよい。
【0013】
前記スタンド装置は、前記第1筐体の背面を覆う第1カバー部と、前記第2筐体の背面を覆う第2カバー部と、をさらに有し、前記第1スタンド板は、前記第1カバー部と連結され、前記第2スタンド板は、前記第2カバー部と連結された構成としてもよい。
【0014】
本発明の第2態様に係るスタンド装置は、スタンド装置であって、第1カバー部と、前記第1カバー部と隣接して用いる第2カバー部と、第1端部が前記第1カバー部に対して第1ヒンジ部を介して回転可能に連結され、前記第1カバー部と面内方向に並んで配置される収納位置と、第2端部が前記第1カバー部の面外方向に突出した起立位置と、に移動可能な第1スタンド板と、第1端部が前記第2カバー部に対して第2ヒンジ部を介して回転可能に連結され、前記第2カバー部と面内方向に並んで配置される収納位置と、第2端部が前記第2カバー部の面外方向に突出した起立位置と、に移動可能な第2スタンド板と、を備え、前記第1スタンド板及び前記第2スタンド板は、互いの隣接端部同士が離間して別体に構成される分離状態と、互いの隣接端部同士が連結され、一体となって前記収納位置と前記起立位置との間を移動する連結状態と、に切替可能である。
【0015】
前記第1スタンド板及び前記第2スタンド板の互いの隣接端部同士を着脱可能に連結する連結部を備える構成としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高い利便性と簡素な構成を両立することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る携帯用情報機器について、この機器に装着するスタンド装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、一実施形態に係るスタンド装置10を備えた携帯用情報機器12の模式的な斜視図である。
図1は、携帯用情報機器12を背面側から見た図である。
図2は、
図1に示す携帯用情報機器12の側面図である。
図3A〜
図3Cは、携帯用情報機器12を平板形態から積層形態に変化させる動作を示す模式的な底面図である。
【0020】
図1〜
図3Cに示すように、携帯用情報機器12は、第1筐体14と、第2筐体15と、ディスプレイ16と、スタンド装置10と、を備える。本実施形態では、携帯用情報機器12として、本のように折り畳み可能なタブレット型PCを例示する。携帯用情報機器12は、タブレット型PC以外、例えばスマートフォンや携帯用ゲーム機等でもよい。
【0021】
筐体14,15は、互いに隣接して並んで配置されている。筐体14,15は、互いの隣接端部14a,15a同士がヒンジ18(
図3A〜
図3C参照)を介して相対的に回動可能に連結されている。筐体14,15は、互いの正面14b,15b同士が面内方向に並んで配置される平板形態(
図1及び3A参照)と、互いの正面14b,15b同士が対向するように重ねて配置される積層形態(
図3C参照)と、に変化可能である。積層形態は、
図3Cに示す構成と逆向きでもよい。つまり積層形態は、筐体14,15の背面14c,15c同士が対向するように重ねて配置されてもよい。第1筐体14の内部には、CPU(中央演算処理装置)を実装した基板やアンテナ装置等の電子部品が適宜収容されている。第2筐体15の内部には、図示しないバッテリ装置等の電子部品が適宜収容されている。
【0022】
ディスプレイ16は、例えば各筐体14,15の正面14b,15b間に亘って延在し、筐体14,15を折り畳んだ際に一緒に折り畳み可能な柔軟性の高いペーパー構造の有機EL(Electro Luminescence)フレキシブルディスプレイである。ディスプレイ16は、筐体14,15の隣接端部14a,15aを跨ぐ範囲に折曲領域が形成される。ディスプレイ16は、各筐体14,15の正面14b,15bにそれぞれ設けられたデュアルディスプレイもよい。
【0023】
以下、スタンド装置10及び携帯用情報機器12について、筐体14,15の並び方向をX方向、筐体14,15の隣接端部14a,15aの長手方向に沿う方向をY方向、筐体14,15の厚み方向をZ方向、と呼んで説明する。
【0024】
次に、スタンド装置10の具体的な構成例を説明する。
図4は、スタンド装置10の模式的な背面図である。
【0025】
図1〜
図4に示すように、スタンド装置10は、第1筐体14の背面14cに装着される第1カバー部20A及び第1スタンド板20Bと、第2筐体15の背面15cに装着される第2カバー部21A及び第2スタンド板21Bと、連結部22と、を備える。本実施形態のスタンド装置10は、携帯用情報機器12の背面14c,15cを覆う保護・装飾機能と、携帯用情報機器12を起立姿勢に保持するスタンド機能と、を有する。
【0026】
第1カバー部20A及び第1スタンド板20Bは、Y方向に並んで配置され、全体として第1筐体14の背面14cを覆い隠す矩形状のプレート状部材である。
【0027】
第1カバー部20Aは、例えば四隅に設けられた磁石23N(
図2及び
図4参照)と、背面14cの対向位置に設けられた磁石23Sとの吸着作用により、背面14cに対して着脱可能に固定される。磁石23N,23Sは、一方が磁石であれば、他方は金属等の磁性体で形成された被吸着体でもよい。第1カバー部20Aは、磁石23N,23Sに代えて、図示しない両面テープ等で背面14cに固定されてもよいし、ねじ止め等で固定されてもよい。
【0028】
第1スタンド板20Bは、第1カバー部20Aの下端部に第1ヒンジ部24を介して回転可能に連結されている。これにより、第1スタンド板20Bは、
図3Aに示す収納位置と、
図1に示す起立位置との間で移動可能である。具体的には、収納位置において、第1スタンド板20Bは、背面14cに沿って配置され、第1カバー部20Aと同様な磁石23N,23Sの吸着作用によって背面14cに固定される。起立位置において、第1スタンド板20Bは、磁石23N,23Sの吸着力に抗して背面14cから引き剥がされ、第1ヒンジ部24側とは逆側の下端部が背面14cから突出するように回動した位置に配置される。
【0029】
第1ヒンジ部24は、第1スタンド板20Bを収納位置と、1又は複数の角度の起立位置とに位置決め可能な構成であればその構造は問わない。第1ヒンジ部24は、例えばトルクヒンジで構成され、第1スタンド板20Bを無段階に所望の角度で位置決め固定できる構成でもよい。第1ヒンジ部24は、例えば収納位置から起立位置まで一定角度ずつ位置決め固定できるラチェット構造でもよい。ラチェット構造の第1ヒンジ部24は、収納位置と、1又は複数の起立位置とでのみ第1スタンド板20Bを位置決め固定でき、他の角度ではフリーに回動する構造でもよい。
【0030】
第2カバー部21A及び第2スタンド板21Bは、第1カバー部20A及び第1スタンド板20Bと同様な構成であるため、詳細な説明は省略する。つまり、第2カバー部21A及び第2スタンド板21Bも、Y方向に並んで配置され、全体として第2筐体15の背面15cを覆い隠す矩形状のプレート部材である。第2カバー部21Aと第2スタンド板21Bとの間を連結する第2ヒンジ部25は、第1ヒンジ部24と同一構造でよい。
【0031】
カバー部20A,21A及びスタンド板20B,21Bは、例えばガラスエポキシ樹脂、ポリカーボネイト、カーボン等からなる薄い平板を芯材とし、芯材の周囲を皮革、人工皮革、布等の表皮材で包んだ構造である。カバー部20A,21A及びスタンド板20B,21Bは、表皮材を持たず、硬質の芯材のみで構成されてもよい。また、カバー部20A,21Aは、スタンド板20B,21Bのような剛性は不要であるため、芯材を持たず、軟質の表皮材のみで構成されてもよい。
【0032】
携帯用情報機器12が平板形態の場合、カバー部20A,21Aは、互いの隣接端部20Aa,21Aa同士が当接して1枚のカバー部を形成する(
図1及び
図4参照)。この際、スタンド板20B,21Bは、互いの隣接端部20Ba,21Ba同士が当接すると共に連結部22で一体に連結された連結状態となる。その結果、スタンド板20B,21Bは、1枚のスタンド板として収納位置及び起立位置に移動可能である(
図1参照)。
【0033】
携帯用情報機器12が積層形態の場合、カバー部20A,21Aは、互いの隣接端部20Aa,21Aa同士が離間し、それぞれ筐体14,15の背面14c,15cを個別に覆った状態となる(
図3C参照)。この際、スタンド板20B,21Bは、互いの隣接端部20Ba,21Ba同士も離間した分離状態となる。このため、スタンド板20B,21Bも、それぞれ各筐体14,15の背面14c,15cを個別に覆った収納位置となる(
図3C参照)。
【0034】
図5A及び
図5Bは、連結部22の構成を模式的に示す説明図である。
図5Aは、分離状態のスタンド板20B,21Bを示し、
図5Bは、連結状態のスタンド板20B,21Bを示している。
【0035】
図4〜
図5Bに示すように、連結部22は、互いに吸着可能な磁石28N,28Sを有する。一方の磁石28Nは、第1スタンド板20Bに埋設され、隣接端部20Baから第2スタンド板21B側を臨んでいる。他方の磁石28Sは、第2スタンド板21Bに埋設され、隣接端部21Baから第1スタンド板20B側を臨んでいる。磁石28N,28Sは、一方が磁石であれば、他方は金属等の磁性体で形成された被吸着体でもよい。
【0036】
次に、携帯用情報機器12を
図3Cに示す積層形態と
図3Aに示す平板形態との間で変化させる際のスタンド装置10の機能を説明する。
【0037】
先ず、携帯用情報機器12を積層形態から平板形態に変化させる際は、左右の筐体14,15の側端部をそれぞれ把持し、ヒンジ18を介して筐体14,15間を開く。そうすると、スタンド板20B,21Bは、互いの隣接端部20Ba,21Ba同士が当接し、同時に磁石28N,28Sの吸着力で連結される(
図4及び
図5B参照)。これにより、スタンド装置10は、携帯用情報機器12の背面14c,15cの全体を一枚板状に覆った状態となる。
【0038】
平板形態の携帯用情報機器12をスタンド装置10で起立して用いる場合は、左右のスタンド板20B,21Bの一方又は両方の側端部を把持し、スタンド板20B,21Bを磁石23N,23Sの吸着力に抗して回動させる。そうすると、左右のスタンド板20B,21Bは、連結部22の連結作用により、一体となって所望の起立位置まで移動する。そこで、各スタンド板20B,21Bの下端部を机面上等に着地させ、各筐体14,15の下端部も机面上等に着地させることで、携帯用情報機器12が
図1や
図2に示す起立姿勢に保持される。なお、
図4〜
図5Bに示す構成例の連結部22は、スタンド板20B,21Bを連結状態のままで収納位置から起立位置まで回動させるために、磁石28N,28S全体の吸着力が磁石23N,23S全体の吸着力よりも十分に強い必要がある。
【0039】
なお、平板形態にて、再び携帯用情報機器12を起立させずに使用する際は、連結部22で連結された一枚板状のスタンド板20B,21Bを収納位置に押し倒す。そうすると、スタンド板20B,21Bは、磁石23N,23Sの吸着力で筐体14,15の背面14c,15cに固定され、収納位置に保持される。これにより平板形態の携帯用情報機器12は、全体として一枚板状を成し、スタンド板20B,21Bが邪魔になることがない。
【0040】
次に、携帯用情報機器12を平板形態から積層形態に変化させる際は、左右の筐体14,15をそれぞれ把持し、ヒンジ18を介して筐体14,15間を折り畳む。そうすると、スタンド板20B,21Bは、互いの隣接端部20Ba,21Ba間が引き離される方向に相対移動して磁石28N,28Sが離間するため、それぞれが分離状態となる(
図3B参照)。最終的には、筐体14,15間を
図3Cに示す積層形態まで折り畳む。そうすると、スタンド装置10は、第1カバー部20A及び第1スタンド板20Bが第1筐体14の背面14cを覆い、第2カバー部21A及び第2スタンド板21Bが第2筐体15の背面15cを覆った状態となる。つまり、携帯用情報機器12は、積層形態の筐体14,15の外面(背面14c,15c)がカバー部20A,21A及びスタンド板20B,21Bで覆われた状態となる。
【0041】
連結部は、左右のスタンド板20B,21B間を連結状態と分離状態とに切替可能であれば、連結部22とは異なる構成としてもよい。そこで、次に、連結部の変形例を順に説明する。
【0042】
図6A及び
図6Bは、第1変形例に係る連結部30の構成を模式的に示す平面図である。
図6A及び
図6Bは、スタンド板20B,21の内部構造を示している。
図6A及び
図6Bに示す連結部30は、
図5A及び
図5Bに示す連結部22に対し、レバー部材32を追加した構成である。
【0043】
レバー部材32は、第1スタンド板20B内に配置され、第1スタンド板20Bに対して回転軸34を介して回動可能に支持されている。レバー部材32は、第2スタンド板21B側に突出した係合片32aを第1端部に有し、磁石32Sを第2端部に有する。係合片32aは、隣接端部20Baに形成された開口部から出没可能である。磁石32Sは、隣接端部20Baを臨むように配置されている。回転軸34には、ねじりコイルばね34aが巻き掛けられている。レバー部材32は、ねじりコイルばね34aにより、回転軸34を中心として係合片32aが隣接端部20Baから埋没する後退方向(
図6A中で時計方向)に常時付勢されている。
【0044】
第2スタンド板21Bには、係合片32aが係脱可能な係合凹部36が設けられている。係合凹部36は、隣接端部21Baに臨んで開口している。第2スタンド板21B側の磁石28Sのうち1つの磁石28Sは、レバー部材32の磁石32Sとの間に斥力(反発力)を発生可能な位置にある。連結部30は、レバー部材32を第2スタンド板21Bに設け、係合凹部36を第1スタンド板20Bに設けてもよい。また、連結部30は、第1スタンド板20Bにレバー部材32を設けた構成と、第2スタンド板21Bにレバー部材32を設けた構成とを併用してもよい。レバー部材32は、隣接端部20Ba又は21Baに沿って複数並列されてもよい。
【0045】
このような連結部30を備えたスタンド装置10は、携帯用情報機器12が積層形態から平板形態に変化すると、スタンド板20B,21B間が磁石28N,28Sの吸着力で安定して連結される。同時に、磁石32Sが対向する磁石28Sとの間で斥力を発生し、レバー部材32がねじりコイルばね34aの付勢力に抗して
図6A中で反時計方向に回転する。その結果、係合片32aが隣接端部20Baから突出し、隣接端部20Ba,21Baを跨いだ状態で係合凹部36に係合する(
図6B参照)。係合片32aと係合凹部36の係合状態は、磁石28S,32Sの斥力が発生している間、つまり平板形態中は維持される。
【0046】
従って、連結部30は、磁石28N,28Sによる吸着作用に加えて、係合片32aと係合凹部36の係合作用によって物理的にもスタンド板20B,21B間を連結する。その結果、スタンド板20B,21Bは、収納位置と起立位置との間での移動時の連結強度が一層向上し、この移動時にスタンド板20B,21B間の連結状態が誤って解除される不具合の発生を一層抑制できる。なお、携帯用情報機器12が積層形態になると、スタンド板20B,21Bがそれぞれ分離状態となり、磁石32Sが磁石28Sから離間する。これによりレバー部材32は、ねじりコイルばね34aの付勢力によって再び
図6Aに示す位置に復帰する。その結果、係合片32aが隣接端部20Baから第1スタンド板20B内に没入するため、係合片32aが外観上に露出して外観品質を低下させることが抑制される。
【0047】
連結部30は、スタンド板20B,21B間のがたつき防止のため、磁石28N,28Sをレバー部材32と併用することが好ましい。但し、連結部30は、磁石28N,28Sを省略し、レバー部材32と係合凹部36の係合作用のみで構成されてもよく、後述する連結部40,50,60についても同様である。
【0048】
図7A〜
図7Fは、第2変形例に係る連結部40の構成を模式的に示す説明図である。
図7A〜
図7Fに示す連結部40は、
図5A及び
図5Bに示す連結部22に対し、凸部42A,42B及び受け部43A,43Bを追加した構成である。
【0049】
図7A〜
図7Fに示すように、凸部42Aは、第1スタンド板20Bの隣接端部20Baから第2スタンド板21B側に突出した板片である。凸部42Bは、第2スタンド板21Bの隣接端部21Baから第1スタンド板20B側に突出した板片である。凸部42A,42Bは、Y方向で並ぶように配置されている。
【0050】
受け部43Aは、第1スタンド板20Bの隣接端部20Baから後退するように形成された凹状部の底面である。受け部43Aは、凸部42Bと対向し、凸部42BとZ方向で互い違いに重なるように形成されている。受け部43Bは、第2スタンド板21Bの隣接端部21Baから後退するように形成された凹状部の底面である。受け部43Bは、凸部42Aと対向し、凸部42AとZ方向で互い違いに重なるように形成されている。
【0051】
このような連結部40を備えたスタンド装置10では、携帯用情報機器12が積層形態から平板形態に変化すると、スタンド板20B,21B間が磁石28N,28Sの吸着力で安定して連結される。同時に、凸部42Aが受け部43Bに当接し、これとは逆向きで凸部42Bが受け部43Aに当接する。これによりスタンド板20B,21B間は、磁石28N,28Sによる吸着作用に加えて、受け部43B,43Aによる凸部42A,42Bの係止作用によって物理的にも連結される。
【0052】
すなわち、一枚板状に形成されたスタンド板20B,21Bが収納位置から起立位置に移動する際は、受け部43A,43Bがそれぞれ凸部42B,42Aに係止され、スタンド板20B,21Bの分離が物理的に抑制される(
図7E及び
図7F参照)。また、一枚板状に形成されたスタンド板20B,21Bが起立位置から収納位置に移動する際は、凸部42A,42Bがそれぞれ受け部43B,43Aに係止され、スタンド板20B,21Bの分離が物理的に抑制される(
図7E及び
図7F参照)。連結部40は、少なくともスタンド板20B,21Bが収納位置から起立位置に移動する方向の移動を規制できればよい。
【0053】
図8は、第3変形例に係る連結部50の構成を模式的に示す説明図である。
図8に示す連結部50は、
図7A等に連結部40の凸部42A,42B及び受け部43A,43Bとは形状の異なる凸部52及び受け部53を備えた構成である。
【0054】
凸部52は、第2スタンド板21Bの隣接端部21Baから第1スタンド板20B側に突出した板片である。凸部52は、例えば側面視略三角形状を有する。受け部53は、第1スタンド板20Bの隣接端部20Baに開口し、凸部52が係脱可能な凹部である。凸部52及び受け部53は、Y方向で複数並ぶように配置されている。複数の凸部52及び受け部53のうち、一部の凸部52が第1スタンド板20B側に設けられ、一部の受け部53が第2スタンド板21B側に設けられることで、凸部52がY方向で交互に配置された構成等でもよい。
【0055】
このような連結部50を備えたスタンド装置10においても、携帯用情報機器12が積層形態から平板形態に変化すると、スタンド板20B,21B間が磁石28N,28Sの吸着力で安定して連結される。同時に、凸部52が受け部53に係合する。これによりスタンド板20B,21B間は、磁石28N,28Sによる吸着作用に加えて、凸部52と受け部53との係合作用によって物理的にも連結される。
【0056】
図9A及び
図9Bは、第4変形例に係る連結部60の構成を模式的に示す説明図である。
図9A及び
図9Bに示す連結部60は、
図6A及び
図6Bに示す連結部30のレバー部材32をスライド部材62に置き換えた構成である。
【0057】
スライド部材62は、第1スタンド板20Bに対してX方向にスライド可能に支持された状態で、第1スタンド板20Bの内部に収容されている。スライド部材62は、先端にテーパ形状を有する帯板状部材である。スライド部材62の基端側には、操作部62aが突設されている。操作部62aは、第1スタンド板20Bの外面に形成された図示しないX方向の長孔から露出しており、ユーザがX方向にスライド操作可能である。
【0058】
このような連結部60を備えたスタンド装置10では、携帯用情報機器12が積層形態から平板形態に変化すると、スタンド板20B,21B間が磁石28N,28Sの吸着力で安定して連結される。そこで、ユーザは、操作部62aを介してスライド部材62を第2スタンド板21B側にスライドさせる。そうすると、スライド部材62の先端部が、隣接端部20Ba,21Baを跨いで第2スタンド板21B側の係合凹部36に係合する。これによりスタンド板20B,21B間は、磁石28N,28Sによる吸着作用に加えて、スライド部材62と係合凹部36との係合作用によって物理的にも連結される。
【0059】
以上のように、本実施形態の携帯用情報機器12は、スタンド装置10を備える。そして、スタンド装置10の第1スタンド板20B及び第2スタンド板21Bは、互いの隣接端部20Ba,21Ba同士が離間して別体に構成される分離状態と、互いの隣接端部20Ba,21Ba同士が連結され、一体となって収納位置と起立位置との間を移動する連結状態とに切替可能である。
【0060】
すなわち、スタンド装置10は、各筐体14,15にそれぞれ別体で第1スタンド板20Bと第2スタンド板21Bとを設ける。このため、スタンド装置10は、携帯用情報機器12筐体14,15間の回動動作時の周長差の影響を受けない。しかもスタンド装置10は、各筐体14,15にそれぞれ個別にスタンド板20B,21Bを設けるだけの簡素な構成でありながらも、携帯用情報機器12の積層形態と平板形態との間の変化に円滑に追従でき、高い利便性が得られる。
【0061】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0062】
上記では、スタンド装置10は、筐体14,15に固定されるカバー部20A,21Aにスタンド板20B,21Bが回転可能に連結され、これによりスタンド板20B,21Bが筐体14,15に対して回転可能に支持された構成であるとした。しかしながら、スタンド装置10は、カバー部20A,21Aを持たない構成としてもよい。この構成では、スタンド装置10は、スタンド板20B,21Bを筐体14,15の背面14c,15cに対してヒンジ部24,25で直接的に連結すればよい。この際、筐体14,15は、例えば背面14c,15cのY方向下半分を2層構造とし、その表面層をスタンド板20B,21Bとするとよい。なお、上記実施形態のスタンド装置10は、カバー部20A,21Aにスタンド板20B,21Bを連接させた構成のため、携帯用情報機器12への装着が容易であり、また携帯用情報機器12の装飾や保護の観点からも有効である。
【0063】
上記では、本のように二つ折りに折り畳み可能な携帯用情報機器11を例示したが、携帯用情報機器12は、同形の筐体同士を二つ折りに折り畳む構成以外、例えば大形の筐体の左右縁部にそれぞれ小形の筐体を折り畳み可能に連結した観音開きの構成、1つの筐体の左右縁部にそれぞれ折り畳み方向の異なる筐体を連結したS型の折り畳み構成、大形の筐体の左右一方の縁部に小形の筐体を折り畳み可能に連結したJ型の折り畳み構成等、各種構成に適用可能であり、筐体の連結数は4以上としてもよい。この場合も、適宜各筐体の背面にスタンド装置10を構成するカバー部20A,21Aやスタンド板20B,21Bを設ければよい。