【解決手段】USBプラグを接続可能なUSBコネクタ構造であって、USBプラグを挿入可能な開口部を有するケースと、ケースの内部の開口部に対応する位置に取り付けられ、開口部に挿入されたUSBプラグの受け口となるソケットと、ケースの内部に設けられ、開口部を閉鎖した閉状態と開口部を開放してソケットが露出した開状態との間で開閉可能なシャッターと、シャッターを閉状態となるように付勢する付勢部材とを備え、シャッターを構成する第1の部材及び第2の部材の全体が、それぞれの回転位置にかかわらず、ケースの外面よりケースの内側に位置していることを特徴とする、USBコネクタ構造。
前記第1の回転軸が、前記第1の平板部よりも前記第2の平板部側に位置すると共に、前記第2の回転軸が、前記第2の平板部よりも前記第1の平板部側に位置することを特徴とする、請求項1に記載のUSBコネクタ構造。
前記第1の平板部及び前記第2の平板部の外面に対する前記傾斜面の傾斜角が15〜30°であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のUSBコネクタ構造。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態として、USB Type−A規格のUSBプラグを接続可能な充電器を説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、実施形態に係る充電器の概略構成を示す斜視図であり、
図2は、
図1に示す開口部の拡大図であり、
図3は、
図1に示すIII−IIIラインに沿う断面図である。尚、以下の説明では、
図1及び
図2に示すx、y及びzの直交座標系により方向を特定する場合がある。
【0013】
図1〜
図3を参照して、充電器100は、ケース3と、ソケット4が実装された基板9と、シャッター5と、シャッター5を閉状態に付勢するための付勢部材とを少なくとも備える。尚、ケース3、ソケット4及びシャッター5がコネクタ構造を構成する。
【0014】
ケース3は、例えば箱形形状を有する樹脂の成形品であり、少なくともソケット4及びシャッター5を収容する。ケース3は、2以上の分割体として構成されても良く、この場合、嵌合により、あるいは、ネジを用いることにより分割体同士が一体化される。ケース3の前面部10は、外面が平坦な平板状の部材であり、前面部10には、USBプラグを挿入可能な開口部6が設けられている。
【0015】
図2に示すように、本実施形態においては、開口部6は十字形状に形成されている。開口部6の十字形状は、x軸に平行な一対の短辺と、y軸に平行な一対の長辺とを有する第1の長方形(二点鎖線で示す)と、x軸に平行な一対の長辺と、y軸に平行な一対の短辺とを有する第2の長方形(長破線で示す)とを交差するように重畳して構成される。開口部6のうち、第1の長方形に対応する部分は、USBプラグの先端面(断面)と同形状であるが、USBプラグを挿入できるようUSBプラグよりも僅かに大きく形成されている。また、開口部6のうち、第2の長方形に対応する部分に、後述する第1の部材11の第1の傾斜部15と、第2の部材12の第2の傾斜部16とが収容される。ただし、開口部6の形状は、USBプラグを挿入可能である限り特に限定されない。
【0016】
ソケット4は、USB規格に準拠したレセプタクルであり、開口部6に挿入されたUSBプラグの受け口となる部材である。したがって、ソケット4は、ケース3の内部において、開口部6に対応する位置、より詳細には、開口部6のうち、USBプラグを挿入可能な上記第1の長方形に相当する部分に対応する位置に配置される。ソケット4は、基板9に固定され、ソケット4の内部の各端子は、基板9に設けられた回路に電気的に接続されている。基板9は、整流回路、電圧制御回路、電流制御回路等を備える。
【0017】
尚、図示を省略しているが、充電器100には、AC電源のコンセントに接続するためのプラグや、AC電源接続用の電源コードを接続するコネクタ等が設けられ、プラグや電源コードを通じて、基板9に電力が供給される。
【0018】
シャッター5は、ケース3の内部に取り付けられ、開口部6を閉鎖した閉状態と、開口部6を開放した開状態との間で開閉可能である。シャッター5は、第1の部材11と第2の部材12とを備える。以下、
図4を参照しながら、シャッター5を構成する第1の部材11及び第2の部材12の詳細を説明する。
【0019】
図4は、
図1に示す充電器が備えるシャッターの構成部材を示す斜視図である。より詳細には、
図4(a)は、第1の部材11及び第2の部材12のそれぞれの斜視図であり、
図4(b)は、第1の部材11及び第2の部材12を組み合わせた状態の斜視図である。
【0020】
図4(a)を参照して、第1の部材11は、長方形状の第1の平板部13と、第1の平板部13に接続される一対の支持部材17a及び17bと、第1の平板部13の外面に設けられる第1の傾斜部15とを備える。第1の平板部13は、シャッター5が開口部6を閉鎖した閉状態において、開口部6の半分に重なる平板状の部材である。一対の支持部材17a及び17bは、第1の平板部13が開口部6を閉鎖する位置と開放する位置との間で移動可能となるように第1の平板部13を支持する部材である。支持部材17a及び17bの一方端部は、第1の平板部13の短辺部分にそれぞれ接続され、支持部材17a及び17bの他方端部は、同一の回転軸を中心に回転自在となるようにケース3に取り付けられている。第1の傾斜部15は、第1の平板部13の外面から突出するように設けられており、上面に傾斜面19を有する。
【0021】
同様に、第2の部材12は、長方形状の第2の平板部14と、第2の平板部14に接続される一対の支持部材18a及び18bと、第2の平板部14の外面に設けられる第2の傾斜部16とを備える。第2の平板部14は、シャッター5が開口部6を閉鎖した閉状態において、開口部6の残りの半分、すなわち、開口部6のうち、第1の平板部13によって覆われない部分に重なる平板状の部材である。一対の支持部材18a及び18bは、第2の平板部14が開口部6を閉鎖する位置と開放する位置との間で移動可能となるように第2の平板部14を支持する部材である。支持部材18a及び18bの一方端部は、第2の平板部14の短辺部分にそれぞれ接続され、支持部材18a及び18bの他方端部は、同一の回転軸を中心に回転自在となるようにケース3に取り付けられている。第2の傾斜部16は、第2の平板部14の外面から突出するように設けられており、上面に傾斜面20を有する。
【0022】
第1の平板部13の外面に対する傾斜面19の傾斜角θ1、及び、第2の平板部14の外面に対する傾斜面20の傾斜角θ2は、いずれも15〜30°であることが好ましい。後述するように、傾斜面19及び20は、充電器100にUSBプラグを接続する際に、USBプラグから加えられる力を第1の部材11及び第2の部材12を開方向に回転させる分力に分解する機能を有する。したがって、傾斜角θ1及びθ2が小さすぎると、USBプラグから第1の部材11及び第2の部材12に加わる力のうち、第1の部材11及び第2の部材12を互いに引き離す方向の分力が小さくなり、第1の部材11及び第2の部材12を開方向にスムーズに回転させることが困難となる。一方、傾斜角θ1及びθ2が大きくなりすぎると、第1の傾斜部15及び第2の傾斜部16がケース3の前面部10から外方に突出しないように、傾斜面19及び20の傾斜方向の長さを短くする必要があり、USBプラグの挿入に伴って第1の部材11及び第2の部材を開方向に回転させるために必要な傾斜方向の長さ(つまり、後述する
図5(b)〜
図6(a)の過程でUSBプラグ2との接触を維持するために必要な傾斜面19及び20の長さ)が不足し、シャッター5を開状態とすることが困難となる。傾斜角θ1及びθ2がいずれも上記の範囲内であれば、シャッター5の開操作を容易に行うことができる。
【0023】
図3及び
図4を併せて参照して、第1の部材11及び第2の部材12は、それぞれ第1の回転軸AX1及び第2の回転軸AX2を中心に回転自在となるように、ケース3の内部の所定部位に取り付けられる。第1の部材11及び第2の部材12のケース3への取り付けは、例えば、
図4(b)に示す支持部材17a〜18bの他方端部に設けられたボスを、ケース3の円柱状の孔に挿入して保持することによって行うことができる。第1の部材11及び第2の部材12を組み合わせてシャッター5を構成すると、
図3及び
図4(b)に示すように、開口部6を閉鎖する閉状態では、第1の平板部13の外面と第2の平板部14の外面とが面一となり、かつ、第1の平板部13の長辺に対応する側面21と、第2の平板部14の長辺に対応する側面22とが面接触した状態となる。
図3に示すように、閉状態において接触する側面21及び22は、ケース3の前面部10の外面と直交し、かつ、第1の回転軸AX1及び第2の回転軸AX2の両方と平行な平面P上に位置する。尚、閉状態において側面21及び22が位置する平面Pは、
図2に示した第1の長方形の一対の短辺のそれぞれの中点を通過し、開口部6を線対称に二分する面である。
【0024】
図3に示すように、第1の部材11の第1の回転軸AX1は、閉状態において、第1の平板部13の側面21及び第2の平板部14の側面22が接触する位置(すなわち、
図3の平面P)よりも、第2の平板部14側に位置する。同様に、第2の部材12の第2の回転軸AX2は、閉状態において、第1の平板部13の側面21及び第2の平板部14の側面22が接触する位置(すなわち、
図3の平面P)よりも、第1の平板部13側に位置する。本実施形態においては、第1の部材11の第1の回転軸AX1は、平面Pよりも第2の平板部14側かつソケット4と重ならない位置に設定され、第2の部材12の第2の回転軸AX2は、平面Pよりも第1の平板部13側かつソケット4と重ならない位置に設定されている。
【0025】
第1の部材11及び第2の部材12には、外力が加わっていないときに閉状態となるように付勢部材(図示せず)により付勢されている。具体的には、第1の部材11には、第1の回転軸AX1を中心として
図3における時計回り方向に付勢するバネ(図示せず)が取り付けられ、第2の部材12には、第2の回転軸AX2を中心として
図3における反時計回り方向に付勢するバネ(図示せず)が取り付けられている。また、閉状態において、第1の平板部13の側面21及び第2の平板部14の側面22を
図3に示す平面Pに位置するように第1の部材11及び第2の部材12の移動を規制するストッパー(図示せず)が設けられる。尚、付勢部材としては、例えば、第2の実施形態に示すようなトーションバネ(ねじりコイルバネ)を用いることができる。
【0026】
また、
図4に示すように、第1の平板部13の外面に設けられた第1の傾斜部15及び第2の平板部14の外面に設けられた第2の傾斜部16は、それぞれ傾斜面19及び20を有する。傾斜面19は、閉状態において第2の平板部14の側面22に接触する側面21から離れるにつれて高さが増加する面である。傾斜面20は、閉状態において第1の平板部13の側面21に接触する側面22から離れるにつれて高さが増加する面である。これらの傾斜面19及び20は、開口部6へのUSBプラグの挿入時にUSBプラグの先端部と接触して、シャッター5を構成する第1の部材11及び第2の部材12を開方向に回転させる機能を有する。以下、シャッター5の開閉方法について説明する。
【0027】
図5及び
図6は、USBプラグの挿入に伴うシャッターの開動作を示す断面図である。
【0028】
USBプラグ2を充電器100のソケット4に接続するためには、まず、
図5(a)に示すように、USBプラグ2の把持部7を把持して先端面8を開口部6に対向させつつ、USBプラグ2の向きと及びソケット4の向きを挿入可能となるように合わせる。尚、USBプラグ2及びソケット4がリバーシブルの場合は、両者の向き合わせを省略できる。
【0029】
USBプラグ2をシャッター5に近づけると、
図5(b)に示すように、USBプラグ2の先端面8が、第1の傾斜部15の傾斜面19及び第2の傾斜部16の傾斜面20に当接する。
【0030】
USBプラグ2の先端面8が傾斜面19及び20に接触した状態で、更にUSBプラグ2をケース3の内部に向けて押し込み、USBプラグ2から傾斜面19及び20へと力を加えると、第1の部材11及び第2の部材12には、これらを互いに引き離す方向に分力が働く。したがって、第1の部材11が、第1の回転軸AX1を中心として
図5における反時計回り方向に回転すると共に、第2の部材12が、第2の回転軸AX2を中心として
図5における時計回り方向に回転し、
図5(c)に示すように、第1の平板部13と第2の平板部14との間に隙間が形成される。
【0031】
USBプラグ2の先端面8と傾斜面19及び20と接触状態を維持したまま、更にUSBプラグ2をケース3の内部に向けて押し込むと、第1の部材11及び第2の部材12が更に同じ回転方向に回転することによって、第1の平板部13と第2の平板部14との間の隙間が広がり、
図6(a)に示すように、ソケット4の開口部上にUSBプラグ2を挿入可能な大きさのスペースが生じる。
【0032】
その後、USBプラグ2をケース3の内部に向けて更に押し込むと、
図6(b)に示すように、USBプラグ2がソケット4の内部に挿入され、
図6(c)に示すように、USBプラグ2の端子23とソケット4の端子24とが導通する。
【0033】
このように、USBプラグ2の先端面8が第1の傾斜部15及び第2の傾斜部16のそれぞれの傾斜面19及び20に接触した状態で、USBプラグ2がケース3の内部に挿入されるのに伴って、第1の部材11及び第2の部材12がそれぞれ第1の回転軸AX1及び第2の回転軸AX2を中心に回転する。これにより、シャッター5が
図5(a)及び(b)に示す閉状態から、
図6(a)〜(c)に示す開状態に変化し、USBプラグ2をソケット4に接続することが可能となる。
【0034】
尚、USBプラグ2をソケット4から抜き取ると、第1の部材11及び第2の部材12は、図示しないバネの付勢力によってUSBプラグ2の挿入時と反対方向に回転し、シャッター5は、
図5(a)に示す開状態に復帰する。
【0035】
本実施形態に係る充電器100においては、第1の部材11及び第2の部材12の全体が、それぞれの回転位置にかかわらず、ケース3の前面部10の外面よりもケース3の内側に位置している。したがって、他の物品が第1の部材11及び第2の部材12に接触しにくいため、ソケット4にケーブルのUSBプラグ2を接続していないときに、不用意にシャッター5が開いてしまうことを防止できる。したがって、本実施形態に係る充電器100であれば、USBプラグが挿入されていない時に、より確実に異物の侵入を防止することができる。
【0036】
また、本実施形態に係る充電器100においては、第1の回転軸AX1が、第1の平板部13よりも第2の平板部14側に位置し、かつ、第2の回転軸AX2が、第2の平板部14よりも第1の平板部13側に位置している。ここで、
図3において、第1の回転軸AX1が側面21よりも
図3における左側に位置し、第2の回転軸AX2が側面22よりも
図3における右側)に位置する場合を想定すると、第1の部材11及び第2の部材12が開方向に回転する際、第1の平板部13の一部及び第2の平板部14の一部の回転軌道がケース3の外側に膨らむため、シャッター5をケース3の前面部10の外面よりもケース3の内側で開閉させることが困難となる、シャッター5の配置スペースが大きくなり充電器100のコンパクト化が困難になる、あるいは、シャッター5とケース3との隙間を大きく取る必要があるといった問題が生じる。本実施形態における第1の回転軸AX1及び第2の回転軸AX2の配置を上記の通りとすることで、これらの問題を回避して、シャッター5とケース3との隙間を小さくし、シャッター5をケース3の前面部10より内側でコンパクトに開閉させることができる。
【0037】
また、本実施形態に係る充電器100においては、開口部6のうち、第1の長方形(
図2の二点鎖線)に対応する部分がUSBプラグ2の先端面8(断面)と略同形状に形成されている。例えば、特許文献1に記載されたカバー付きUSBコネクタにおいては、前面パネルに設けられた開口はUSBプラグの先端面よりに大きく形成されている。この場合、USBプラグの差し込み時に、ソケットに対するUSBプラグの位置が定まりにくく、差し込みがしにくいという問題がある。これに対して、本実施形態では、開口部6のうち、第1の長方形(
図2の二点鎖線)に対応する部分(開口部6の周縁部の一部)を、USBプラグ2をソケット4に挿入する際(
図5(b)〜
図6(a))のガイドとして利用できるため、ソケット4に対するUSBプラグ2の位置が一意に定まり、ソケット4へのUSBプラグ2の差し込みがしやすい。
【0038】
また、第1の平板部13の外面に対する傾斜面19の角度、及び、第2の平板部14の外面に対する傾斜面20の角度が15〜30°であるため、USBプラグ2の挿入時に傾斜面19及び20に加わる力により容易にシャッター5を開閉することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る充電器の概略構成を示す斜視図であり、
図8は、
図2に示す充電器が備える基板及びUSBコネクタ構造を示す分解斜視図であり、
図9は、
図8に示したIX−IXラインに沿う断面図である。以下においては、本実施形態と第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。USBコネクタ構造31は、
図8に示すように、シャッターケース36と、この内部に収容されるソケット4とから構成される。
【0040】
本実施形態に係る充電器200は、基板39と、2つのUSBコネクタ構造31と、ハウジング32とを備える。
【0041】
基板39は、第1の実施形態におけるものと同様に、各種の電子回路を備え、図示しないコンセントやケーブル等を介してAC電源に接続される。基板39上には、USBコネクタ構造31のそれぞれに含まれるソケット4が実装されている。ソケット4内部の端子は、基板39上の海路に電気的に接続されている。また、基板39には、ソケット4のそれぞれに対応してシャッターケース36が取り付けられている。
【0042】
シャッターケース36は、ケース33と、シャッター5と、ねじりコイルバネ(「トーションバネ」とも呼ばれる)35とを備える。
【0043】
ケース33は、第1の実施形態におけるケース3に相当する部材であり、平板状の前面部41にUSBプラグを挿入するための開口部6を有する。開口部6の形状は第1の実施形態と同じである。
【0044】
シャッター5は、第1の実施形態と同様に、ケース33の内部に取り付けられ、開口部6を閉鎖した閉状態と、開口部6を開放した開状態との間で開閉可能な部材である。
【0045】
ねじりコイルバネ35は、シャッター5の第1の部材11及び第2の部材12を閉状態に付勢する付勢部材である。本実施形態において、ねじりコイルバネ35は、
図8に示すように、コイルが第1の部材11の回転軸となるボスに嵌め込まれ、一方のアームがケース33に設けられたバー37に当接し、他方のアームが第1の部材11に設けられたバー38に当接するように取り付けられており、第1の部材11のバー38を介して第1の部材11を閉状態へと付勢している。図示は省略しているが、ケース33の反対側の面にもねじりコイルバネが同様の取り付け態様で取り付けられており、第2の部材12に設けられたバーを介して第2の部材12を閉状態へと付勢している。尚、
図8においては、付勢部材としてねじりコイルバネを用いて第1の部材11及び第2の部材12を付勢する例を示したが、付勢部材は特に限定されず、ねじりコイルバネ以外のバネを用いても良い。ただし、
図8に示したねじりコイルバネ35の取り付け方法は一例であり、第1の部材11及び第2の部材12が閉状態となるように付勢される限り、種々の付勢部材及び取り付け方法を採用できる。
【0046】
シャッター5を構成する第1の部材11及び第2の部材12をケース33内部に取り付けた後、一対のねじりコイルバネ35を所定箇所に取り付けることによって、シャッターケース36が組み立てられる。組み立てられたシャッターケース36は、
図8に示すように、基板39上に実装されたソケット4を覆うように配置され、
図9に示すように、ケース33の一対の側面(ねじりコイルバネ35が配置されていない面)に設けられた取付部48を介してビス40を用いて基板39に固定される。
【0047】
ハウジング32は、例えば箱形形状を有する樹脂の成形品であり、基板39と、基板39上に構成された複数のUSBコネクタ構造31を収容する部材である。
図7に示すように、ハウジング32には、ケース33の前面部41と略同一形状の開口が形成されており、ハウジング32内に基板39及びUSBコネクタ構造31を取り付けると、ハウジング32に設けられた開口にケース33の前面部41が嵌め込まれた状態となる。本実施形態に係る充電器200は、ケース33の前面部41とハウジング32の外面とが面一となるように構成されているが、ハウジング32からケース33の開口部6が露出している限り、ハウジング32の開口の形状は特に限定されない。また、ケース33の前面部41は、必ずしもハウジング32の外面と面一である必要はなく、ハウジング32の外面よりも内側に位置しても良いし、ハウジング32の外面よりも外側に突出していても良い。ケース3は、2以上の分割体として構成されても良く、この場合、嵌合により、あるいは、ネジを用いることにより分割体同士が一体化される。
【0048】
ソケットを複数設けた充電器を構成する場合、充電器のハウジングのサイズが大きくなるため、第1の実施形態のようにハウジングに直接シャッターを取り付ける構成では、成型誤差や組立誤差により、ハウジングと基板との間の距離にバラツキが生じやすく、シャッター5がスムーズに開閉できなくなる可能性や、USBプラグをソケットに接続したときに、両者の端子の接触が不十分となる可能性がある。
【0049】
これに対して、本実施形態に係る充電器200は、ハウジング32と比べて小さなサイズのシャッターケース36(ケース33)をソケット4のそれぞれに対して1つずつ設け、シャッターケース36を直接基板39に固定する構成であるため、ケース33の成型誤差や、シャッターケース36の基板39への組付誤差を小さくすることができ、上述した問題を解消できる。
【0050】
尚、上記の各実施形態では、ケース、ソケット及びシャッターを備えるUSBコネクタ構造を充電器に適用した例を説明したが、本発明に係るコネクタ構造は、パーソナルコンピュータやテレビ、オーディオ機器等の充電器以外の電子機器のコネクタとして利用することも可能である。また、本発明に係るコネクタ構造を電源タップに適用して、AC電源のコンセントとUSBコネクタとを兼ね備えた電源タップを構成することも可能である。
【0051】
また、上記の各実施形態では、ソケットが2つ設けられた充電器を例に挙げて説明したが、ソケットの数は3以上であっても良い。また、第1の実施形態では、ソケットの数は1つであっても良い。
【0052】
また、上記の各実施形態において、USBコネクタのタイプは特に限定されず、USB Type−A以外でも、USB Type−B、mini USB Type−B、Micro USB Type−B、USB Type−Cのいずれであっても良い。