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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-132043(P2021-132043A)
(43)【公開日】2021年9月9日
(54)【発明の名称】高温管状ヒーター
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/06 20060101AFI20210813BHJP
   H05B 3/48 20060101ALI20210813BHJP
【FI】
   H05B3/06 A
   H05B3/48
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2021-88078(P2021-88078)
(22)【出願日】2021年5月26日
(62)【分割の表示】特願2018-512902(P2018-512902)の分割
【原出願日】2016年9月9日
(31)【優先権主張番号】62/216,003
(32)【優先日】2015年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノスラティ、モハマド
(72)【発明者】
【氏名】ブルメル、ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】アメス、ケネス・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ウェットストーン、ポール・エス
【テーマコード(参考)】
3K092
【Fターム(参考)】
3K092PP20
3K092QA02
3K092QB26
3K092RA06
3K092RB03
3K092RB08
3K092RD02
3K092RD23
3K092TT07
3K092TT08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】誘電体材料の絶縁強度が強く、絶縁破壊やヒーターのショートが発生し難い、かつ、リーク電流のリスクが小さく、ヒーターの故障を引き起こし難い、ヒーターアセンブリを提供する。
【解決手段】ヒーターアセンブリ10は、加熱部材12と、加熱部材12を外部コンポーネントの壁16に取り付ける取り付け部材14と、加熱部材12と壁16との間に配置された絶縁材22とを含む。絶縁材22は、加熱部材12を壁16と電気的に絶縁し、加熱部材12から外部コンポーネントの壁16への接地経路をブロックする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱部材(heating member)と、
前記加熱部材を外部コンポーネントの壁に取り付ける取り付け部材(mounting member)と、
前記加熱部材と前記外部コンポーネントの壁との間に配置され、前記加熱部材を前記壁から電気的に絶縁し、前記加熱部材から前記外部コンポーネントの壁への接地経路(ground path)をブロックする絶縁材(in sulator)と、
を備えるヒーターアセンブリ。
【請求項2】
前記加熱部材は、管状ヒーター(tubular heater)である
請求項1に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項3】
前記加熱部材は、抵抗素子と、前記抵抗素子を囲み且つ電気的に絶縁する誘電体材料(dielectric material)と、前記誘電体材料及び前記抵抗素子を囲む金属外装(metal sheath)と、を備える
請求項1に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項4】
前記絶縁材は、前記金属外装を前記外部コンポーネントの壁から電気的に絶縁する
請求項3に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項5】
前記金属外装は、前記絶縁材の一方の終端面(one end surface)で終端している(terminate)
請求項4に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項6】
前記絶縁材を貫通し且つ前記抵抗素子に接続された端子ピンを、さらに備える
請求項3に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項7】
前記加熱部材は、前記金属外装の外表面上の不透性コーティング(impervious coating)をさらに含む
請求項3に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項8】
前記不透性コーティングは、0.8から1の範囲の放射率(emissivity)を有する
請求項7に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項9】
前記不透性コーティングは、グラファイト、複合材料(composite materials)、酸化物材料、及びニッケル・クロム・マグネシウム酸化物からなる群から選択された材料を含む
請求項7に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項10】
前記誘電体材料は、マグネシウム酸化物(MgO)、アルミニウム酸化物(Al)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、及びアルミニウム窒化物(AlN)からなる群から選択される
請求項4に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項11】
前記誘電体材料は、高熱伝導率を有する
請求項3に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項12】
前記誘電体材料は、アルミニウム窒化物(AlN)である
請求項11に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項13】
前記抵抗素子は、1300〜1400℃の範囲の融点を有する
請求項3に記載のヒーターアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体処理装置、特に半導体処理装置のためのヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションの記述は、本開示に関連する背景情報を単に提供するものであり、従来技術を構成しないかもしれない。
【0003】
半導体プロセスは、プロセスチャンバ内で実行される種々のプロセスを含んでいる。これらのプロセスにおいて、ヒーターは、処理すべきウェハ基板をターゲットとする高い温度で維持するために用いられる。ヒーターは、種々の形態でインプリメントされるかもしれない。例えば、ヒーターはウェハプロセスチャンバへ直接的にインテグレートされるかもしれないし、ヒーターは他のプロセスツールから独立して用いられるかもしれない。
【0004】
ヒーターは、一般に、熱を発生する抵抗加熱素子を電気的に絶縁する誘電体材料を含んでいる。プロセスチャンバで用いられる典型的なヒーターは、通常は、誘電体材料に対する制限により830℃よりも低い温度でのみ動作する。これは、誘電体材料の絶縁強度は、通常は動作温度の上昇とともに減少するためである。誘電体材料の絶縁強度が弱くなると、絶縁破壊が生じ、ヒーターのショートに至るかもしれない。
【0005】
また、特定の電圧で温度が増加するにつれて、リーク電流は指数的に増加する。誘電体材料の絶縁強度の低下と結び付いたリーク電流の増加は、グラウンドまで流れるリーク電流のリスクを増加させ、ヒーターの故障を引き起こす。
【0006】
さらに、ヒーターの外側高放射率保護表面は、酸素環境の低分圧及びプロセスチャンバ内の活性なプロセスガスに晒されることにより、しだいに劣化するかもしれない。ヒーターの劣化した外側表面は、放射率変化及び抵抗加熱素子からヒーターの外側表面を通した周辺環境への熱伝達の低下をもたらす。その結果、ヒーターの内部温度はヒーターの外部の温度よりも高くなるかもしれず、誘電体材料の絶縁強度の低下及び誘電体材料を通した電流リークの増加を悪化させることになる。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一態様において、ヒーターアセンブリは、加熱部材と、前記加熱部材を外部コンポーネントの壁に取り付ける取り付け部材と、前記加熱部材と前記壁との間に配置された絶縁材とを含む。前記絶縁材は、前記加熱部材を電気的に絶縁し、前記加熱部材から前記外部コンポーネントの壁への接地経路をブロックする。
【0008】
他の態様において、ヒーターアセンブリは、加熱素子と、前記加熱素子を囲む金属外装と、前記加熱素子と前記金属外装との間に配置された誘電体材料と、前記金属外装の周囲に配置されたコーティングとを含む。前記コーティングは、不透性材料を含む。
【0009】
さらなる適用性の範囲が、ここで述べられる記述から明らかになるであろう。記述及び特定の実例は、例示の目的のみを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
開示をより理解しやすくするために、種々の態様が記述され、例示として与えられる添付の図面が参照される。
図1図1は、本開示の第1の態様にしたがって構成されたヒーターアセンブリの側面図である。
図2図2は、本開示の教示にしたがって構成されたヒーターアセンブリの斜視図である。
図3図3は、図1のヒーターアセンブリの部分切断図であり、ヒーターアセンブリの内部構造を示している。
図4図4は、図1のA−A線に沿ったヒーターアセンブリの断面図である。
図5図5は、本開示の第2の態様にしたがって構成されたヒーターアセンブリの側面図である。
図6図6は、本開示の第3の態様にしたがって構成されたヒーターアセンブリの斜視図である。
図7図7は、図6のヒーターアセンブリの側面図である。
図8図8は、図7のB−B線に沿ったヒーターアセンブリの断面図である。
図9図9は、本開示の第4の態様にしたがって構成されたヒーターアセンブリの断面図である。
図10図10は、本開示の第5の態様にしたがって構成されたヒーターアセンブリの断面図である。
図11図11は、本開示の第6の態様にしたがって構成されたヒーターアセンブリの断面図である。
【0011】
ここで描かれる図面は、例示目的のみであり、いかなる場合においても本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の記載は、本質的に単なる例示であり、本開示、応用、或いは用途を限定することを意図していない。
【0013】
図1に示すように、本願の開示に係るヒーターアセンブリ(heater assembly)は、一般にレファレンス10によって示される。ヒーターアセンブリ10は、加熱部材(heating member)12と、加熱部材12を半導体プロセスチャンバの壁やプロセスツール或いは装置の壁といった外部コンポーネントの壁16に取り付ける取り付け部材(mounting member)14とを含む。加熱部材12は、プロセスチャンバの壁16の内表面18から突出している。取り付け部材14は、壁16の外表面20に近接して配置されている。加熱部材12は、加熱部材12と取り付け部材14との間に配置され、壁16の内表面18に近接して配置された絶縁材(in sulator)22をさらに含んでいる。絶縁材22は、加熱部材12を壁16から電気的に絶縁し、それによって、ヒーターが故障した場合に壁16を通した加熱部材12からの接地経路(ground path)をブロックし、それらについては以下により詳細に述べられるであろう。
【0014】
図2を参照すると、加熱部材12は、管状構造(tubular construction)を含んでおり、一対のフック部(hook portions)30、及びフック部30間に接続されたカーブ状の接続部32を含んでいてもよい。フック部30は、水平方向、つまり図2に示されたX軸に沿って離間している。フック部30はそれぞれ、長脚40と、短脚42と、長脚40及び短脚42間に接続された屈曲部44を含んでいる。フック部30内の長脚40及び短脚42は、垂直方向に、つまりZ軸に沿って離間している。カーブ状の接続部32はX−Y平面に延伸しており、屈曲部44はY−Z平面に延伸している。絶縁材22は、フック部30内の長脚40に対応する一対の絶縁部分23を含んでいる。
【0015】
図3を参照すると、加熱部材12は、例示の態様において管状ヒーター(tubular heater)であってもよく、スペース52を規定する金属外装(metal sheath)50、スペース52内に受け入れられた抵抗素子(resistive element)56、及びスペース52内を充填し且つ抵抗素子56を電気的に絶縁する誘電体材料(dielectric material)58を含んでいてもよい。抵抗素子56は、抵抗コイル又はワイヤの形態であってもよく、高電気抵抗を含んでいる。金属外装50は、通常は金属管状構造を有しており、ステンレススチール、Inconel(登録商標)ブランド合金のようなニッケル・クロム合金、或いは他の高耐熱金属(high refractory metal)のような耐熱性金属(heat-resistant metal)を含んでいる。誘電体材料58は、所望の誘電強度(dielectric strength)、熱伝導率及び寿命を有する材料であってもよく、マグネシウム酸化物(MgO)、アルミニウム酸化物(Al)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、或いはアルミニウム窒化物(AlN)を含んでいてもよい。抵抗素子56は、金属外装50の内側に配置され、フック部50の一方を貫通し、カーブ状の接続部32を貫通して加熱部材12のフック部50の他方まで達している。抵抗素子56は、一対の端子ピン62に接続された(例えば、溶接によって)対向する端部(opposing ends)60(図3では、一方のみ示している)を有している。端子ピン62は、絶縁材22の対応する絶縁部分23及び壁16を貫通し、外部の電源に接続されている。金属外装50は、絶縁材22の端面65で終端(terminate)されている。一態様において、絶縁材料の熱伝導率は、60〜180W/mKの間である。
【0016】
図4に示すように、加熱部材12はさらに、金属外装50の外表面全体上に外部コーティング64を含んでいる。コーティング64は、プロセスチャンバ内に存在するかもしれず且つ相対的に低いレートで劣化させるかもしれない腐食性ガスのようなプロセス環境(processing environment)に対して不透性(impervious)である。コーティング64は、グラファイト、複合物(composites)又は酸化物材料、特にニッケル・クロム・マグネシウム酸化物のような高放射率(high emissivity)を有する材料を含み、0.8から1の範囲の放射率を有するかもしれない。高放射率特性により、コーティング64は、金属外装50の表面から周辺環境により迅速に熱を放射することができる。したがって、加熱部材12の内部温度は、オーバーヒートすることなしに、所望の範囲内に維持されることができる。コーティング64は、誘電破壊(dielectric breakdown)を低減することができ、ヒーターの動作を実行する。不透性の高放射率コーティング64は、放射熱の伝達効率、全体の寿命信頼性、ヒーター機能の安定性の向上を助ける。
【0017】
図1及び図3に示すように、絶縁材22は、取り付け部材14と加熱部材12との間、特に金属外装50と壁16との間に配置され、金属外装32と壁16との間の電気的絶縁性を与えている。抵抗素子56に接続された端子ピン62は、絶縁材22及び壁16を貫通し、外部電源に接続される。しかしながら、金属外装50は、絶縁材22の端面65で終端している。終端ピン62もまた、壁16から電気的に絶縁されている。ヒーターアセンブリが普通に動作しているときには、電流は抵抗素子56を流れ、金属外装50を流れない。ヒーターアセンブリが昇温で動作していると、誘電材料の誘電強度が弱まり、コーティング64が劣化するかもしれず、誘電破壊及び誘電材料を通した金属外装50への電流リークを生じさせる。金属外装50と壁16との間に絶縁材22を設けることにより、金属外装50から壁16への接地経路(ground path)がブロックされる。その結果、加熱部材12は高温で動作し続けることができる。したがって、誘電材料58の誘電強度は、ヒーターデザインにおいて大きな制限要素にはならない。高融点抵抗材料を抵抗素子56の形成に用いることができ、ヒーターアセンブリ10の動作温度を850℃よりも高く、或いは1000℃よりも高くさえ増加させることができる。ヒーターアセンブリ10は、抵抗素子56が燃えて非接続になることによってオープン回路が形成されるまで、誘電破壊下であっても動作し続けるであろう。
【0018】
絶縁材22は、加熱部材12の冷部に隣接して設けられ、そこでは抵抗素子56の対抗する端部(opposing ends)が端子ピン62に接続されている。端子ピン62は、絶縁材23の対応する絶縁部分23まで貫通していてもよく、金属外装50は絶縁材22の端面で終端している。したがって、ヒーターは電気的にフローティングであり、抵抗素子56、絶縁材22及び金属外装50を流れるリーク電流が防止される。ヒーターアセンブリ10は、非動作のリスクなしに動作し続けることができる。
【0019】
図5に示すように、他の態様において、絶縁材70は、壁16の開口72を通して挿入されたフィードスルー(feedthrough)の形態であってもよい。金属外装50は絶縁材70の一方の端面74で終端され、抵抗素子56に接続された端子ピン62は、絶縁材70及び取り付け部材14を貫通し、外部電源に接続される。
【0020】
図6から図8を参照すると、本開示の第3の形態に係るヒーターアセンブリ80は、加熱部材82と、加熱部材82を半導体プロセスチャンバの壁或いは他のツールの壁に取り付ける取り付け部材84とを含んでいる。取り付け部材84に隣接して配置された加熱部材82の部分のみが、明確化のために示されている。なお、加熱部材82は、図2に示されたものと同様の構成を有していてもよく、本開示の範囲から逸脱せずに加熱の要求に依存する当業者に知られたいかなる他の構成を有していてもよい。
【0021】
加熱部材82は、抵抗加熱素子及び誘電体材料(図3では図示されているが、図6から8では図示されていない)が入れられている金属外装86と、金属外装86の一部分を取り囲み且つ取り付け部材84に近接した絶縁材88とを含んでいる。絶縁材88は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はセラミックで形成されていてもよく、金属外装86を取り付け部材84から電気的に絶縁している。誘電破壊が加熱部材82の誘電体材料内で生じると、絶縁材88は金属外装86から取り付け部材84を介してプロセスチャンバの壁への接地経路(ground path)をブロックする。
【0022】
取り付け部材84は、半導体プロセスチャンバの内側に近い内側フランジ90と、半導体プロセスチャンバの内側から遠い外側フランジ92とを含んでいてもよい。内側及び外側フランジ90、92は、アルミニウムで形成されていてもよい。内側フランジ90及び外側フランジ92はそれぞれ、絶縁材88が配置された開口94、96を規定する。内側フランジ90は、図8において、外側フランジ92よりも厚く示されている。内側フランジ90及び外側フランジ92は、同じ厚さを有するように形成されていてもよいことが理解される。
【0023】
絶縁材86は、内側セクション98、及び外側セクション100、及び内側セクション98と外側セクション100との間の真空シール102を含んでいてもよい。真空シール102は、真空シール102と取り付け部材84との間のエアタイトインターフェース(air-tight interface)を確立し、半導体プロセスチャンバ内又はから(in or from)加熱部材82と取り付け部材84との間のインターフェースを通したガスリークを防止する。真空シール102は、内側フランジ90の開口94の内側に設けられていてもよい。或いは、絶縁材88は、取り付け部材84に対してシールをするために、シール性を有する1つのコンポーネントで形成されていてもよい。
【0024】
内側及び外側フランジ92、94のいずれも、ねじ穴(screw holes)又はボルト穴(bolt holes)104を含んでいてもよい。ねじ又はボルト(図示せず)は、ねじ穴又はボルト穴104に挿入され、ヒーターアセンブリ80がプロセスチャンバの壁にしっかり取り付けられる。絶縁材88は、取り付け部材84の内表面106及び外表面108から突出するように示されているが、絶縁材88は、取り付け部材84の内表面及び外表面に対して面一(flush with)な終端面110を有するように形成されていてもよい。
【0025】
図9を参照すると、本開示の第4の態様にしたがって構成されたヒーターアセンブリ120は、加熱部材122と、加熱部材122を半導体プロセス壁の壁或いはプロセスツールの壁に取り付けるための取り付け部材124とを含んでいる。加熱部材122は、抵抗加熱素子126と、誘電体材料128と、抵抗加熱素子126及び誘電体材料128を取り囲み且つその中に入れる金属外装130とを含んでいる。加熱部材122は、取り付け部材124に近接する金属外装130の周囲に配置された絶縁材132をさらに含んでいる。絶縁材132は、加熱部材122で誘電破壊が生じた場合に、加熱部材122を取り付け部材124から電気的に絶縁する。
【0026】
取り付け部材124は、半導体プロセスチャンバの内側に近い内側フランジ134と、半導体プロセスチャンバの内側から遠い外側フランジ136とを含んでいる。内側及び外側フランジ134、136はそれぞれ、絶縁材132が配置された開口138、140を規定する。
【0027】
絶縁材122は、内側セクション142及び外側セクション144を、内側及び外側フランジ134及び136の開口138、140内に含んでいる。内側セクション142は、金属カラー(metal collar)150を受け入れるための増大した開口148を規定する。金属カラー150は、加熱部材122の金属外装138を取り囲み、取り付け部材124の内側フランジ134の内側に配置されている。金属カラー150は、内側終端面152及び外側終端面154を有している。金属カラー150の内側終端面152は、絶縁材132の内部セクション142に結合されている(welded)。Oリング156が、金属カラー150の外側終端面154と絶縁材132の外部セクション144とのインタ−フェースに配置されている。他のOリング158が、絶縁材132の外部セクション144と取り付け部材124の外側フランジ136とのインターフェースに設けられている。ねじ或いはボルトといった締め付け手段(fastening means)160が、半導体プロセスチャンバの壁或いはプロセスツールの壁に取り付け部材124を接触させるための取り付け部材124の内側フランジ134に設けられていてもよい。同様に、絶縁材122が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はセラミックで形成されていてもよい。
【0028】
図10を参照すると、本開示の第5の態様にしたがって構成されたヒーターアセンブリ180は、加熱部材182と、加熱部材182を取り囲む取り付け部材184とを含んでいる。前述の態様のように、加熱部材182は、金属外装186と、誘電体材料(図示せず)と、金属外装186の内側に配置された抵抗加熱素子(図示せず)とを含んでいてもよい。
【0029】
取り付け部材184は、絶縁材188と、加熱部材182の金属外装186を囲むスリーブ190とを含んでいる。絶縁材188は、スリーブ190を囲み、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)或いはセラミックで形成されていてもよい。スリーブ190は、加熱部材182の金属外装186に結合エリアで結合されて(welded)いてもよい。Oリング192が、スリーブ190と絶縁材188との間に設けられ、特に絶縁材188の溝(groove)内に設けられ、スリーブ190と絶縁材188とのシールされたインターフェースを提供している。他のOリング194が、絶縁材188と半導体プロセスチャンバの壁196との間に設けられ、それらの間のシールされたインターフェースを提供している。取り付け部材184は、キャップ200をさらに含み、絶縁材188と壁199とのインターフェースをカバーする。キャップ200は、ステンレス材料で形成されていてもよい。オプションで、リミットウォッシャ(limit washer)204が、絶縁材188の終端面に取り付けられていることができる。
【0030】
図11を参照すると、本開示の第6の態様にしたがって構成されたヒーターアセンブリ220は、加熱部材222と、加熱部材222を半導体プロセスチャンバの壁242或いはプロセスツールの壁に取り付けるための取り付け部材224とを含んでいる。
【0031】
取り付け部材224は、絶縁材226と、絶縁材226に取り付けられた取り付けプレート228とを含んでいる。絶縁材226は、壁242を貫通する第1の円筒部分230と、壁242の内表面に近接して配置された第2の増大された円筒部分232とを含んでいる。第2の増大された円筒部分232は、壁242の内表面241に面する第1の終端面234と、取り付けプレート228に面する第2の終端面236とを含んでいる。取り付けプレート228は、ねじ或いはボルトといった第1の締め付け手段(fastening means)によって絶縁材226の第2の増大された円筒部分232に取り付けられている。取り付けプレート228及び絶縁材226の第2の増大された円筒部分232は、半導体プロセスチャンバの内側に配置されている。絶縁材226及び取り付けプレート228は、加熱部材22が貫通している中央開口250を規定している。加熱部材222は、取り付け部材224に固定されており、特に接合部(weld)252によって取り付けプレート228に固定されている。取り付け部材224は、第2の締め付け手段246によって壁242固定されている。
【0032】
Oリング248は、絶縁材226の第2の増大された円筒部分232の第1及び第2の終端面234及び236のそれぞれに設けられ、第1の終端面234と壁242の内表面ン241との間のシールされたインターフェースを提供し、取り付けプレート228と絶縁材226との間のシールされたインターフェースを提供する。絶縁材226は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はセラミックで形成されていてもよい。
【0033】
本形態では、加熱部材222で誘電破壊が生じると、絶縁材226は、加熱部材222を半導体プロセスチャンバの壁242から電気的に絶縁し、接地経路(ground path)をブロックする。したがって、加熱部材222は、加熱部材222の金属外装の内側の電気的ブレークダウンにもかかわらず、動作を継続するかもしれない。
【0034】
なお、本開示は、例示として記述或いは図示された形態に限定されない。多くの種々の変形が記述され、より多くのものが当業者の知見の一部である。これらの及びさらなる変形が、技術的な等価物による置き換えとともに、本特許の開示の保護の範囲から逸脱することなく、記述及び図面に追加されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021年5月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗加熱素子(resistive heating element)と、前記抵抗加熱素子を囲み且つ前記抵抗加熱素子を電気的に絶縁する誘電体材料(dielectric material)と、前記誘電体材料を囲む外側外装(outer sheath)とを備える加熱部材(heating member)と、
前記加熱部材を外部コンポーネントの壁に取り付ける取り付け部材(mounting member)と、
前記加熱部材の前記外側外装を囲み且つ前記加熱部材の前記外側外装と前記取り付け部材との間に配置され、前記加熱部材の前記外側外装を前記取り付け部材から電気的に絶縁し且つ前記取り付け部材との間に密閉インターフェース(sealed interface)を提供する絶縁材(insulator)と、
を備え
前記抵抗加熱素子は、前記加熱部材の通常動作の間中は、前記誘電体材料及び前記絶縁材の両方によって電気的に絶縁され、且つ、前記抵抗加熱素子は、前記抵抗加熱素子から前記外部コンポーネントの前記壁への接地経路に起因する前記誘電体材料の誘電破壊が前記絶縁材によってブロックされる間中は、前記絶縁材によって電気的に絶縁されたままであるヒーターアセンブリ。
【請求項2】
前記加熱部材は、管状ヒーター(tubular heater)である
請求項1に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項3】
前記外側外装は金属外装(metal sheath)である
請求項1に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項4】
前記絶縁材を貫通し且つ前記抵抗加熱素子に接続された端子ピンを、さらに備える
請求項3に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項5】
前記加熱部材は、前記外側外装の外表面上の不透性コーティング(impervious coating)をさらに含む
請求項に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項6】
前記不透性コーティングは、0.8から1の範囲の放射率(emissivity)を有する
請求項に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項7】
前記不透性コーティングは、グラファイト、複合材料(composite materials)、酸化物材料、及びニッケル・クロム・マグネシウム酸化物からなる群から選択された材料を含む
請求項に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項8】
前記誘電体材料は、マグネシウム酸化物(MgO)、アルミニウム酸化物(Al)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、及びアルミニウム窒化物(AlN)からなる群から選択される
請求項に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項9】
前記誘電体材料は、高熱伝導率を有する
請求項に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項10】
前記誘電体材料は、アルミニウム窒化物(AlN)である
請求項に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項11】
前記抵抗加熱素子は、1300〜1400℃の範囲の融点を有する
請求項に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項12】
前記絶縁材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はセラミックで形成されている
請求項1に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項13】
前記取り付け部材は内側フランジ及び外側フランジを含み、前記絶縁材は前記内側フランジ及び前記外側フランジを貫通する
請求項1に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項14】
前記絶縁材は、内側セクション、外側セクション、及び、前記内側セクションと前記外側セクションとの間の真空シールを含み、前記真空シールは前記絶縁材と前記取り付け部材との間のエアタイトインターフェース(air-tight interface)を確立する
請求項1に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項15】
前記密閉インターフェースを提供するための前記絶縁材と前記取り付け部材との間のOリングをさらに備える
請求項1に記載のヒーターアセンブリ。
【請求項16】
前記絶縁材は、シール性を有する1つのコンポーネントである
請求項1に記載のヒーターアセンブリ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
なお、本開示は、例示として記述或いは図示された形態に限定されない。多くの種々の変形が記述され、より多くのものが当業者の知見の一部である。これらの及びさらなる変形が、技術的な等価物による置き換えとともに、本特許の開示の保護の範囲から逸脱することなく、記述及び図面に追加されてもよい。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
加熱部材(heating member)と、
前記加熱部材を外部コンポーネントの壁に取り付ける取り付け部材(mounting member)と、
前記加熱部材と前記外部コンポーネントの壁との間に配置され、前記加熱部材を前記壁から電気的に絶縁し、前記加熱部材から前記外部コンポーネントの壁への接地経路(ground path)をブロックする絶縁材(in sulator)と、
を備えるヒーターアセンブリ。
[2]
前記加熱部材は、管状ヒーター(tubular heater)である
[1]に記載のヒーターアセンブリ。
[3]
前記加熱部材は、抵抗素子と、前記抵抗素子を囲み且つ電気的に絶縁する誘電体材料(dielectric material)と、前記誘電体材料及び前記抵抗素子を囲む金属外装(metal sheath)と、を備える
[1]に記載のヒーターアセンブリ。
[4]
前記絶縁材は、前記金属外装を前記外部コンポーネントの壁から電気的に絶縁する
[3]に記載のヒーターアセンブリ。
[5]
前記金属外装は、前記絶縁材の一方の終端面(one end surface)で終端している(terminate)
[4]に記載のヒーターアセンブリ。
[6]
前記絶縁材を貫通し且つ前記抵抗素子に接続された端子ピンを、さらに備える
[3]に記載のヒーターアセンブリ。
[7]
前記加熱部材は、前記金属外装の外表面上の不透性コーティング(impervious coating)をさらに含む
[3]に記載のヒーターアセンブリ。
[8]
前記不透性コーティングは、0.8から1の範囲の放射率(emissivity)を有する
[7]に記載のヒーターアセンブリ。
[9]
前記不透性コーティングは、グラファイト、複合材料(composite materials)、酸化物材料、及びニッケル・クロム・マグネシウム酸化物からなる群から選択された材料を含む
[7]に記載のヒーターアセンブリ。
[10]
前記誘電体材料は、マグネシウム酸化物(MgO)、アルミニウム酸化物(Al)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、及びアルミニウム窒化物(AlN)からなる群から選択される
[4]に記載のヒーターアセンブリ。
[11]
前記誘電体材料は、高熱伝導率を有する
[3]に記載のヒーターアセンブリ。
[12]
前記誘電体材料は、アルミニウム窒化物(AlN)である
[11]に記載のヒーターアセンブリ。
[13]
前記抵抗素子は、1300〜1400℃の範囲の融点を有する
[3]に記載のヒーターアセンブリ。
【外国語明細書】
2021132043000001.pdf