【解決手段】実施の形態に係る半導体装置は、第1導電型の半導体領域と、絶縁分離領域と、第1領域と、第2領域と、制御電極と、第1電極と、第1絶縁膜とを備える。絶縁分離領域は、半導体領域の第1表面に形成され、第1表面よりも半導体領域の深さ方向に後退した第2表面を有する。第1領域は、絶縁分離領域の間であって、半導体領域上に設けられる。第2領域は、絶縁分離領域の間であって、第1領域と第1方向に離れて位置し、半導体領域上に設けられる。制御電極は、第1表面上に設けられ、第1領域と第2領域の間に位置する。第1電極は、第1領域の上に設けられ、第1領域と接続される。第1絶縁膜は、第1表面と第2表面との間の段差部の半導体領域の側壁に設けられ、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜に対してエッチング選択比が高い。
前記制御電極の側壁に順次積層されたシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を備え、前記第2絶縁膜は、前記制御電極の側壁に積層された前記シリコン窒化膜に積層される、請求項2〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
デバイス全面にシリサイド金属を形成し、前記ゲート電極の上にゲートシリサイド領域、前記ソース領域の上にソースシリサイド領域を形成する、請求項12〜16のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
前記ゲートシリサイド領域及び前記ソースシリサイド領域は、Co、W、Ti、Ni、ポリシリコンの群から選ばれるいずれかの異なるシリサイドを備える、請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、図面を参照して、実施の形態について説明する。以下に説明する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各構成部品の厚みと平面寸法との関係等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0009】
また、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものではない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0010】
以下に説明する実施の形態に係る半導体装置は、金属−酸化膜−半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を対象としている。また、以下に説明する実施の形態において、絶縁分離領域を単にSTI(シャロ―トレンチアイソレーション(Shallow Trench Isolation))と表記することもある。
【0011】
[第1の実施の形態]
(平面パターン構成)
第1の実施の形態に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成は、
図1A〜
図1Cに示すようにX−Y平面上に配置されて表される。第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成は、
図1Dに示すようにX−Y平面上に配置されて表される。
【0012】
第1の実施の形態に係る半導体装置1は、
図1Aに示すように、ソース領域S及びドレイン領域Dと、ソース領域S及びドレイン領域Dに挟まれて配置されるゲート電極Gとを備える。活性領域AAは、ソース領域S及びドレイン領域Dと、ソース領域S及びドレイン領域Dに挟まれて配置されるチャネル領域を備え、絶縁分離領域に囲まれている。絶縁分離領域は、例えば、シャロ―トレンチアイソレーション(STI:Shallow Trench Isolation)により形成される。
図1Aに示すように、ソース領域SのX方向の寸法はS1、Y方向の寸法はW1で表され、ドレイン領域DのX方向の寸法はD1、Y方向の寸法はW1で表される。ゲート電極GのX方向の寸法はL1で表される。W1、L1はそれぞれ実施の形態に係る半導体装置のチャネル幅、チャネル長に相当する。ソース領域S上には、ソースコンタクトCSが配置され、ドレイン領域D上には、ドレインコンタクトCDが配置される。Y方向に延伸したゲート電極G上には、ゲートコンタクトGCが配置される。ソースコンタクトCSの寸法は、X方向にC1、Y方向にC1で表さる。ドレインコンタクトCD及びゲートコンタクトGCの寸法も、ソースコンタクトCSと同様である。
【0013】
活性領域AAをX方向に縮小化した第1の実施の形態に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成例は、
図1Bに示すように表される。
図1Bに示すように、ソース領域SのX方向の寸法はS2、Y方向の寸法はW1で表され、ドレイン領域DのX方向の寸法はD2、Y方向の寸法はW1で表される。ここで、S2<S1が成立し、D2<D1が成立する。
【0014】
ゲート電極GのX方向の寸法はL2で表される。W1、L2はそれぞれチャネル幅、チャネル長に相当する。ソース領域S上には、ソースコンタクトCSが配置され、ドレイン領域D上には、ドレインコンタクトCDが配置されている。Y方向に延伸したゲート電極G上には、ゲートコンタクトGCが配置されている。ソースコンタクトCSの寸法は、X方向にC1、Y方向にC1で表され、ドレインコンタクトCD及びゲートコンタクトGCの寸法も、ソースコンタクトCSと同様である。
【0015】
更に活性領域AAをX方向に縮小化して、ソースコンタクトCS及びドレインコンタクトCDの端部が絶縁分離領域STIに接するまで縮小化した第1の実施の形態に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成例は、
図1Cに示すように表される。
図1Cに示すように、ソース領域SのX方向の寸法はS3、Y方向の寸法はW1で表され、ドレイン領域DのX方向の寸法はD3、Y方向の寸法はW1で表される。ここで、S3<S2<S1が成立し、D3<D2<D1が成立する。ゲート電極GのX方向の寸法はL3で表される。W1、L3はそれぞれチャネル幅、チャネル長に相当する。ソース領域S上には、端部が絶縁分離領域STIに接するソースコンタクトCSが配置され、ドレイン領域D上には、端部が絶縁分離領域STIに接するドレインコンタクトCDが配置されている。Y方向に延伸したゲート電極G上には、ゲートコンタクトGCが配置されている。ソースコンタクトCSの寸法は、X方向にC1、Y方向にC1で表され、ドレインコンタクトCD及びゲートコンタクトGCの寸法も、ソースコンタクトCSと同様である。
【0016】
更に活性領域AAを縮小化して、ソースコンタクトCS及びドレインコンタクトCDの端部が絶縁分離領域STIに乗り上げるまで縮小化した第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置1Aの平面パターン構成例は、
図1Dに示すように表される。
図1Dに示すように、ソース領域SのX方向の寸法はS4、Y方向の寸法はW1で表され、ドレイン領域DのX方向の寸法はD4、Y方向の寸法はW1で表される。ここで、S4<S3<S2<S1が成立し、D4<D3<D2<D1が成立する。ゲート電極GのX方向の寸法はL4で表される。W1、L4はそれぞれチャネル幅、チャネル長に相当する。ソース領域S上には、端部が絶縁分離領域STIに乗り上げてソースコンタクトCSが配置され、ドレイン領域D上には、端部が絶縁分離領域STIに乗り上げてドレインコンタクトCDが配置されている。Y方向に延伸したゲート電極G上には、ゲートコンタクトGCが配置されている。ソースコンタクトCSの寸法は、X方向にC1、Y方向にC1で表され、ドレインコンタクトCDの寸法も、ソースコンタクトCS及びゲートコンタクトGCの寸法と同様である。尚、絶縁分離領域(STI)は、所定の幅を有するが、
図1A〜
図1Dにおいては、この点は省略されている。また、
図1A〜
図1Dは、第1の実施の形態を対象として説明したが、第2の実施の形態においても同様に適用される。
【0017】
(リーク増大のメカニズム)
トランジスタサイズを縮小する方法の1つとして、
図1A〜
図1Dに示すように、活性領域AAを縮小化し、ソースコンタクトCS及びドレインコンタクトCDと絶縁分離領域STI間の距離を詰めることが有効である。しかしながら、ソースコンタクトCS及びドレインコンタクトCDと絶縁分離領域STIとの間の距離の縮小化に伴い、ソースコンタクトCS及びドレインコンタクトCDが絶縁分離領域STIを乗り上げるとソースコンタクトとソース拡散pn接合との間の距離が近づくため、接合リークが上昇してしまう。ソース拡散層と半導体領域間のpn接合とソースコンタクトCS界面が近づくため、ドレイン・ソース間にバイアス電圧を印加した時にチャネル内に空乏層が広がった際のソース拡散層とp型半導体領域間のpn接合のリーク電流が増大する。ソースコンタクトCSが絶縁分離領域STIを乗り上げると、ソースコンタクトCS開口時にp型半導体領域(性領域AA)端部が露出してしまう。ここにソース電極が入り込むため、ソースコンタクトCSと活性領域AAの端部のソース拡散層の距離が縮まり接合リークが上昇する。
【0018】
本実施の形態に係る半導体装置においては、絶縁分離領域STIを半導体領域の深さ方向に後退させて落とし込み、この落とし込みにより露出した半導体領域の側壁に酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い絶縁膜を形成することで、接合リークを抑制することができる。また、酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い絶縁膜をゲート側壁にも形成することにより自己整合的にゲート電極GとソースコンタクトCSとの間の距離を制御することができる。同様に、自己整合的にゲート電極GとドレインコンタクトCDとの間の距離を制御することができる。この結果、本実施の形態においては、接合リークの上昇を抑制し、かつ縮小化可能な半導体装置を提供することができる。
【0019】
(第1の実施の形態に係る半導体装置の構成)
第1の実施の形態に係る半導体装置1であって、
図1CのI−I線に沿う模式的断面構造は、
図2A及び
図2Bに示すように表される。ここで、
図2Aは、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを窓開けした構造であり、
図2Bは、ソースコンタクトCS及びドレインコンタクトCDを形成した構造である。
【0020】
第1の実施の形態に係る半導体装置1は、
図2Aに示すように、第1導電型の半導体領域10と、絶縁分離領域12と、ゲート電極14と、側壁絶縁膜261と、第1導電型と反対導電型のソース領域22及びドレイン領域23と、ソースコンタクトホールCHS及びレインコンタクトホールCHDと、ソース電極32Sと、ドレイン電極32Dと、側壁絶縁膜262とを備える。
【0021】
半導体領域10は、例えばn型半導体基板に対してpウェル拡散層を形成したp型半導体領域を備える。半導体領域10は、p型半導体基板を備えていても良い。
【0022】
絶縁分離領域12は、半導体領域10の第1表面SF1に形成され、第1表面SF1よりも半導体領域10の深さ方向に後退した第2表面SF2を有する。絶縁分離領域12はSTIにより形成可能である。尚、絶縁分離領域(STI)12は、
図2C〜
図2Hに示すように、所定の幅を有する。また、半導体領域10の深さ方向とは、上記のX−Y平面に垂直な方向である。
【0023】
ゲート電極14は、絶縁分離領域12に囲まれた半導体領域10上にゲート酸化膜20を介して形成される。
【0024】
ゲート電極14は、第1表面SF1上に設けられ、ソース領域22とドレイン領域23の間に位置する。ソース電極32Sは、ソース領域22の上に設けられ、ソース領域22と接続される。ドレイン電極32Dは、ドレイン領域23の上に設けられ、ドレイン領域23と接続される。
【0025】
側壁絶縁膜261は、ゲート電極14の両端の側壁に配置され、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜に対してエッチング選択比の高い膜を備える。
【0026】
ソース領域22及びドレイン領域23は、ゲート電極14の両端部の第1表面SF1に形成される。
【0027】
ゲート電極14の両端の第1表面SF1には、ソース領域22に隣接したソースエクステンション領域24及びドレイン領域23に隣接したドレインエクステンション領域25を備える。
【0028】
ソース領域22は、絶縁分離領域12の間であって、半導体領域10上に設けられる。ドレイン領域23は、絶縁分離領域12の間であって、ソース領域22とX方向に離れて位置し、半導体領域10上に設けられる。
【0029】
ソースコンタクトホールCHSは、ソース領域22上に形成され、ドレインコンタクトホールCHDは、ドレイン領域D上に形成される。
【0030】
また、
図2Bに示すように、ソース電極32Sは、ソースコンタクトホールCHSを介してソース領域22と電気的に接続されてソースコンタクトCSを構成し、ドレイン電極32Dは、ドレインコンタクトホールCHDを介してドレイン領域23と電気的に接続されてドレインコンタクトCDを構成する。
【0031】
側壁絶縁膜262は、第1表面SF1と第2表面SF2との間の段差部の半導体領域10の側壁に配置され、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜に対してエッチング選択比の高い絶縁膜を備える。側壁絶縁膜262は、側壁絶縁膜261と同時形成しても良い。
【0032】
側壁絶縁膜261及び側壁絶縁膜262は、例えば、ハフニウム系酸化膜を備えていても良い。ハフニウム系酸化膜は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜に対してエッチング選択比の高い膜であり、エッチング選択比は約10以上である。
【0033】
側壁絶縁膜261及び側壁絶縁膜262は、例えば、HfO
2、HfSiO
X、HfSiONの群から選ばれるいずれかの異なる材料を備えていても良い。
【0034】
側壁絶縁膜261及び側壁絶縁膜262の厚さは、数nm〜数10nmの範囲を備える。また、側壁絶縁膜261及び側壁絶縁膜262の厚さは、約2nm〜約20nm程度の範囲を備えていても良い。
【0035】
第1表面SF1と第2表面SF2の奥行方向の長さは、約数nm〜数10nmの範囲を備える。また、第1表面SF1と第2表面SF2の奥行方向の長さは、約10nm〜約50nmの範囲を備えていても良い。
第1表面SF1と第2表面SF2との間の段差部の側壁に側壁絶縁膜262を形成して、活性領域AAである半導体領域10やソース領域22及びドレイン領域23の端部が側壁絶縁膜262により被覆されて露出しなければ接合リークの上昇を抑制することができる。
【0036】
ゲート電極14の側壁には、積層されたシリコン酸化膜16及びシリコン窒化膜18を備え、側壁絶縁膜261は、シリコン窒化膜18に積層して配置される。
【0037】
ソースコンタクトCSは、
図2Bに示すように、絶縁分離領域12とソース領域22との界面に接して配置されていても良い。同様に、ドレインコンタクトCDは、
図2Bに示すように、絶縁分離領域12とドレイン領域23との界面に接して配置されていても良い。
【0038】
第1の実施の形態に係る半導体装置においては、絶縁分離領域12を半導体領域10の深さ方向に後退させて落とし込み、この落とし込みにより露出した半導体領域10やソース領域22及びドレイン領域23の側壁に酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い側壁絶縁膜262を形成することで、接合リークを抑制することができる。
【0039】
また、第1の実施の形態に係る半導体装置1においては、酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い側壁絶縁膜261をゲート側壁にも形成することにより自己整合的にゲート電極14とソースコンタクトCSとの間の距離を制御することができる。同様に、自己整合的にゲート電極14とドレインコンタクトCDとの間の距離を制御することができる。この結果、第1の実施の形態においては、接合リークの上昇を抑制し、かつ縮小化可能な半導体装置を提供することができる。
【0040】
(第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置の構成)
第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置1Aであって、
図1DのII−II線に沿う模式的断面構造は、
図2G及び
図2Hに示すように表される。ここで、
図2Gは、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを窓開けした構造であり、
図2Hは、ソースコンタクトCS及びドレインコンタクトCDを形成した構造である。
【0041】
第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置1Aは、
図2Gに示すように、第1導電型の半導体領域10と、絶縁分離領域12と、ゲート電極14と、側壁絶縁膜261と、ソース領域22及びドレイン領域23と、ソースコンタクトホールCHS及びレインコンタクトホールCHDと、側壁絶縁膜262とを備える。
【0042】
また、
図2Hに示すように、ソース電極32Sは、ソースコンタクトホールCHSを介してソース領域22と電気的に接続されてソースコンタクトCSを構成し、ドレイン電極32Dは、ドレインコンタクトホールCHDを介してドレイン領域23と電気的に接続されてドレインコンタクトCDを構成する。
【0043】
また、ソースコンタクトCSは、
図2Hに示すように、絶縁分離領域12とソース領域22とを跨いで配置されていても良い。同様に、ドレインコンタクトCDは、
図2Hに示すように、絶縁分離領域12とドレイン領域23とを跨いで配置されていても良い。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0044】
第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置1Aにおいても、絶縁分離領域12を半導体領域10の深さ方向に後退させて落とし込み、この落とし込みにより露出した半導体領域10やソース領域22及びドレイン領域23の側壁に酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い側壁絶縁膜262を形成することで、接合リークを抑制することができる。
【0045】
ソースコンタクトCSが絶縁分離領域12を乗り上げると、ソースコンタクトCS開口時に半導体領域10やソース領域22及びドレイン領域23の端部が露出するが、この側壁に酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い側壁絶縁膜262を形成することで、絶縁分離領域12上の開口部にソース電極32S及びドレイン電極32Dが入り込んでも接合リークを抑制することができる。すなわち、ソース電極32S及びドレイン電極32DがSTI上に踏み外しても接合リークを回避可能である。この結果、ソースコンタクトCSと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。同様に、ドレインコンタクトCDと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。
【0046】
また、第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置1Aにおいても、酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い側壁絶縁膜261をゲート側壁にも形成することにより自己整合的にゲート電極14とソースコンタクトCSとの間の距離を制御することができる。同様に、自己整合的にゲート電極14とドレインコンタクトCDとの間の距離を制御することができる。この結果、第1の実施の形態の変形例においては、接合リークの上昇を抑制し、かつ縮小化可能な半導体装置を提供することができる。
【0047】
(第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法)
第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、
図2A〜
図2Fに示すように表される。
【0048】
(A1)まず、
図2Cに示すように、p型半導体領域10の第1表面SF1に絶縁分離領域12を形成し、絶縁分離領域12に囲まれた半導体領域10上にゲート酸化膜20を介してゲート電極14を形成する。ここで、絶縁分離領域12は、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS;Tetraethoxysilane)により形成される。ゲート電極14は、例えば、ドープされたポリシリコン等で形成される。
【0049】
(A2)次に、ゲート電極14の側壁に例えば、化学的気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法により、シリコン酸化膜16を形成する。ここで、シリコン酸化膜16は、例えば、TEOSにより形成される。
【0050】
(A3)次に、ゲート電極14の両端の第1表面SF1にイオン注入技術を用いて、n
-ソースエクステンション領域24及びn
-ドレインエクステンション領域25を形成する。
【0051】
(A4)次に、ゲート電極14の側壁のシリコン酸化膜16上に例えば、CVD法により、シリコン窒化膜18を形成する。
【0052】
(A5)次に、ゲート電極14の両端の第1表面SF1にイオン注入技術を用いて、n
+ソース領域22及びn
+ドレイン領域23を形成する。
【0053】
(B)次に、
図2Dに示すように、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)技術を用いて、絶縁分離領域12の表面をエッチングし、第1表面SF1よりも半導体領域10の深さ方向に後退した第2表面SF2を有するSTIを形成する。
図2Dに示すように、絶縁分離領域12の表面と同時にゲート電極14の側壁のシリコン酸化膜16もエッチングされる。
【0054】
(C)次に、
図2Eに示すように、スパッタイング技術等を用いて、デバイス全面に絶縁膜26を形成する。絶縁膜26は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜に対してエッチング選択比の高い膜である。
【0055】
(D)次に、
図2Fに示すように、絶縁膜26をエッチングし、ゲート電極14の両端の側壁に配置される側壁絶縁膜261、及び第1表面SF1と第2表面SF2との間の段差部の半導体領域10やn
+ソース領域22及びn
+ドレイン領域23の側壁に側壁絶縁膜262を形成する。尚、絶縁膜26のエッチング工程では、デバイス全面に絶縁膜26を形成した後、結晶化する前に、パターニングしてドライエッチング若しくはウェットエッチングにより除去する。尚、ドライエッチングとウェットエッチングを併用しても良い。
【0056】
(E1)次に、
図2Aに示すように、デバイス全面にCVD技術等を用いて、ライナー絶縁膜30を形成する。ここで、ライナー絶縁膜30にはシリコン窒化膜を適用可能である。
【0057】
(E2)次に、
図2Aに示すように、ソース領域22及びドレイン領域23の上のライナー絶縁膜30を除去して、ソース領域22及びドレイン領域23の表面を露出させた後、デバイス全面にCVD技術等を用いて、層間絶縁膜28を形成後、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)技術を用いて平坦化する。ここで、層間絶縁膜28は、例えばTEOS若しくはCMPとの相性が良い絶縁膜として、NSG(None-doped Silicate Glass)膜などを適用可能である。NSG膜を用いることで、NSG膜の表面を高い研磨レートで良好に平坦化することができる。尚、上記のライナー絶縁膜30を形成後、デバイス全面に層間絶縁膜28を形成しても良い。
【0058】
(E3)次に、
図2Aに示すように、層間絶縁膜28に対して、RIE等のドライエッチング技術を用いて、ソース領域22及びドレイン領域23上にソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを形成する。
【0059】
尚、上記のライナー絶縁膜30を形成後、デバイス全面に層間絶縁膜28を形成する場合には、層間絶縁膜28に対してソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDの窓開けと同時にソース領域22及びドレイン領域23の上のライナー絶縁膜30を除去して、ソース領域22及びドレイン領域23の表面を露出させる。
【0060】
(F)次に、
図2Bに示すように、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを介してソース領域22及びドレイン領域23と接続されたソース電極32S及びドレイン電極32Dを形成する。ソース電極32Sは、ソースコンタクトホールCHSを介してソース領域22と電気的に接続されてソースコンタクトCSを形成し、ドレイン電極32Dは、ドレインコンタクトホールCHDを介してドレイン領域23と電気的に接続されてドレインコンタクトCDを形成する。ソースコンタクトCSは、
図2Bに示すように、絶縁分離領域12とソース領域22との界面に接して配置されていても良い。同様に、ドレインコンタクトCDは、
図2Bに示すように、絶縁分離領域12とドレイン領域23との界面に接して配置されていても良い。
【0061】
図2Aに示すように、ゲート電極14の両端の側壁には、側壁絶縁膜261が形成されているため、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを形成時には、層間絶縁膜28及びライナー絶縁膜30がオーバーエッチングされても側壁絶縁膜261は、相対的にエッチングされ難い。すなわち、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDの形成時に、側壁絶縁膜261により、自己整合的にエッチングは停止する。したがって、ソースコンタクトCSとゲート電極14との間の距離を詰めることができる。同様に、ドレインコンタクトCDとゲート電極14との間の距離を詰めることができる。
【0062】
第1表面SF1と第2表面SF2との間の段差部の半導体領域10の側壁には、側壁絶縁膜262が形成されているため、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDの形成時では、層間絶縁膜28及びライナー絶縁膜30は容易にエッチングされるが、側壁絶縁膜262は、相対的にエッチング難い。この結果、
図2Bに示すように、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDが、絶縁分離領域12に接していても接合リークを回避可能である。したがって、ソースコンタクトCSと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。同様に、ドレインコンタクトCDと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。
【0063】
(第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置の製造方法)
第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置の製造方法は、
図2C〜
図2F及び
図2G及び
図2Hに示すように表される。
【0064】
第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の工程A1〜工程A5及び工程B〜工程Dは、第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置の製造方法においても共通である。
【0065】
(G1)上記の工程Dの後、
図2Gに示すように、デバイス全面にCVD技術等を用いて、ライナー絶縁膜30を形成する。ここで、ライナー絶縁膜30にはシリコン窒化膜を適用可能である。
【0066】
(G2)次に、
図2Gに示すように、層間絶縁膜28を形成後、CMP技術を用いて平坦化する。ここで、層間絶縁膜28は、例えばTEOS若しくはNSG膜などを適用可能である。NSG膜を用いることで、NSG膜の表面を高い研磨レートで良好に平坦化することができる。
【0067】
(G3)次に、
図2Gに示すように、層間絶縁膜28に対して、RIE等のドライエッチング技術を用いて、ソース領域22及び絶縁分離領域12に跨ってソースコンタクトホールCHSを形成し、ドレイン領域23及び絶縁分離領域12に跨ってドレインコンタクトホールCHDを形成する。
【0068】
(H)次に、
図2Hに示すように、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを介してソース領域22及びドレイン領域23と接続されたソース電極32S及びドレイン電極32Dを形成する。ソース電極32Sは、ソースコンタクトホールCHSを介してソース領域22と電気的に接続されてソースコンタクトCSを形成し、ドレイン電極32Dは、ドレインコンタクトホールCHDを介してドレイン領域23と電気的に接続されてドレインコンタクトCDを形成する。
【0069】
第1表面SF1と第2表面SF2との間の段差部の半導体領域10の側壁には、側壁絶縁膜262が形成されているため、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを形成時には、層間絶縁膜28及びライナー絶縁膜30は容易にエッチングされるが、側壁絶縁膜262は、相対的にエッチングされ難い。この結果、
図2Hに示すように、ソースコンタクトCS及びドレインコンタクトCDが、絶縁分離領域12に踏み外しても接合リークも回避可能である。したがって、ソースコンタクトCSと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。同様に、ドレインコンタクトCDと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。
【0070】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る半導体装置2であって、
図1CのI−I線に沿う模式的断面構造は、
図3A〜
図3Cに示すように表される。
【0071】
第2の実施の形態に係る半導体装置2は、
図3A〜
図3Cに示すように、第1導電型の半導体領域10と、絶縁分離領域12と、ゲート電極14と、側壁絶縁膜261と、ソース領域22及びドレイン領域23と、ソースコンタクトホールCHS及びレインコンタクトホールCHDと、ソース電極32Sと、ドレイン電極32Dと、側壁絶縁膜262と、ゲート電極14上に配置されたゲートシリサイド領域34Gと、ソース領域22上に配置されたソースシリサイド領域34Sと、ドレイン領域23上に配置されたドレインシリサイド領域34Dとを備える。
【0072】
ソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dは、Co、W、Ti、Niの群から選ばれるいずれかの異なるシリサイドを備える。ゲートシリサイド領域34Gは、Co、W、Ti、Ni、ポリシリコンの群から選ばれるいずれかの異なるシリサイドを備える。
【0073】
また、
図3Cに示すように、ソース電極32Sは、ソースコンタクトホールCHSを介してソースシリサイド領域34Sと電気的に接続されてソースコンタクトCSを構成し、ドレイン電極32Dは、ドレインコンタクトホールCHDを介してドレインシリサイド領域34Dと電気的に接続されてドレインコンタクトCDを構成する。
【0074】
ソースコンタクトCSは、
図3Cに示すように、絶縁分離領域12とソース領域22及びソースシリサイド領域34Sとの界面に接して配置されていても良い。同様に、ドレインコンタクトCDは、
図3Cに示すように、絶縁分離領域12とドレイン領域23及びドレインシリサイド領域34Dとの界面に接して配置されていても良い。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0075】
第2の実施の形態に係る半導体装置においては、絶縁分離領域12を半導体領域10の深さ方向に後退させて落とし込み、この落とし込みにより露出した半導体領域10やソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dの側壁に酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い側壁絶縁膜262を形成することで、接合リークを抑制することができる。
【0076】
また、第2の実施の形態に係る半導体装置1においては、酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い側壁絶縁膜261をゲート側壁にも形成することにより自己整合的にゲート電極14とソースコンタクトCSとの間の距離を制御することができる。同様に、自己整合的にゲート電極14とドレインコンタクトCDとの間の距離を制御することができる。この結果、第2の実施の形態においては、接合リークの上昇を抑制し、かつ縮小化可能な半導体装置を提供することができる。
【0077】
(第2の実施の形態の変形例に係る半導体装置の構成)
第2の実施の形態の変形例に係る半導体装置2Aであって、
図1DのII−II線に沿う模式的断面構造は、
図3H〜
図3Jに示すように表される。
【0078】
第2の実施の形態の変形例に係る半導体装置2Aは、
図3H〜
図3Jに示すように、半導体領域10と、絶縁分離領域12と、ゲート電極14と、側壁絶縁膜261と、ソース領域22及びドレイン領域23と、ソースコンタクトホールCHS及びレインコンタクトホールCHDと、側壁絶縁膜262と、ゲート電極14上に配置されたゲートシリサイド領域34Gと、ソース領域22上に配置されたソースシリサイド領域34Sと、ドレイン領域23上に配置されたドレインシリサイド領域34Dとを備える。
【0079】
ソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dは、Co、W、Ti、Niの群から選ばれるいずれかの異なるシリサイドを備える。ゲートシリサイド領域34Gは、Co、W、Ti、Ni、ポリシリコンの群から選ばれるいずれかの異なるシリサイドを備える。
【0080】
また、
図3Jに示すように、ソース電極32Sは、ソースコンタクトホールCHSを介してソースシリサイド領域34Sと電気的に接続されてソースコンタクトCSを構成し、ドレイン電極32Dは、ドレインコンタクトホールCHDを介してドレインシリサイド領域34Dと電気的に接続されてドレインコンタクトCDを構成する。
【0081】
また、ソースコンタクトCSは、
図3Jに示すように、絶縁分離領域12とソース領域22及びソースシリサイド領域34Sとを跨いで配置されていても良い。同様に、ドレインコンタクトCDは、
図3Jに示すように、絶縁分離領域12とドレイン領域23及びドレインシリサイド領域34Dとを跨いで配置されていても良い。その他の構成は、第2の実施の形態と同様である。
【0082】
第2の実施の形態の変形例に係る半導体装置2Aにおいても、絶縁分離領域12を半導体領域10の深さ方向に後退させて落とし込み、この落とし込みにより露出した半導体領域10やソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dの側壁に酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い側壁絶縁膜262を形成することで、接合リークを抑制することができる。
【0083】
ソースコンタクトCSが絶縁分離領域12を乗り上げると、ソースコンタクトCS開口時に半導体領域10やソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dの端部が露出するが、この側壁に酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い側壁絶縁膜262を形成することで、絶縁分離領域12上の開口部にソース電極32S及びドレイン電極32Dが入り込んでも接合リークを抑制することができる。すなわち、ソース電極32S及びドレイン電極32DがSTI上に踏み外しても接合リークを回避可能である。この結果、ソースコンタクトCSと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。同様に、ドレインコンタクトCDと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。
【0084】
また、第2の実施の形態の変形例に係る半導体装置2Aにおいても、酸化膜及び窒化膜に対し選択比の高い側壁絶縁膜261をゲート側壁にも形成することにより自己整合的にゲート電極14とソースコンタクトCSとの間の距離を制御することができる。同様に、自己整合的にゲート電極14とドレインコンタクトCDとの間の距離を制御することができる。この結果、第2の実施の形態の変形例においては、接合リークの上昇を抑制し、かつ縮小化可能な半導体装置を提供することができる。
【0085】
(第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法)
第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、
図3A〜
図3Gに示すように表される。
【0086】
(A1)まず、
図3Dに示すように、半導体領域10の第1表面SF1に絶縁分離領域12を形成し、絶縁分離領域12に囲まれた半導体領域10上にゲート酸化膜20を介してゲート電極14を形成する。ここで、絶縁分離領域12は、例えば、TEOSにより形成される。ゲート電極14は、例えば、ドープされたポリシリコン等で形成される。
【0087】
(A2)次に、ゲート電極14の側壁に例えば、CVD法により、シリコン酸化膜16を形成する。ここで、シリコン酸化膜16は、例えば、TEOSにより形成される。
【0088】
(A3)次に、ゲート電極14の両端の第1表面SF1にイオン注入技術を用いて、n
-ソースエクステンション領域24及びn
-ドレインエクステンション領域25を形成する。
【0089】
(A4)次に、ゲート電極14の側壁のシリコン酸化膜16上に例えば、CVD法により、シリコン窒化膜18を形成する。
【0090】
(A5)次に、ゲート電極14の両端の第1表面SF1にイオン注入技術を用いて、n
+ソース領域22及びn
+ドレイン領域23を形成する。
【0091】
(A6)次に、デバイス全面にシリサイド金属を形成し、ゲート電極14上にゲートシリサイド領域34G、ソース領域22上にソースシリサイド領域34S、ドレイン領域23上にドレインシリサイド領域34Dを形成する。ソース領域22の表面、ドレイン領域23の表面、及びゲート電極14の表面に金属とシリコンの化合物である金属シリサイドを形成することにより、シート抵抗やコンタクト抵抗を低減することができる。また、自己整合的にシリサイドを形成可能である。ソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dは、Co、W、Ti、Niの群から選ばれるいずれかの異なるシリサイドを備えていても良い。また、ゲートシリサイド領域34Gは、Co、W、Ti、Ni、ポリシリコンの群から選ばれるいずれかの異なるシリサイドを備えていても良い。
【0092】
(B)次に、
図3Eに示すように、RIE技術を用いて、絶縁分離領域12の表面をエッチングし、第1表面SF1よりも半導体領域10の深さ方向に後退した第2表面SF2を有するSTIを形成する。
図3Bに示すように、絶縁分離領域12の表面と同時にゲート電極14の側壁のシリコン酸化膜16もエッチングされる。
【0093】
(C)次に、
図3Fに示すように、スパッタイング技術等を用いて、デバイス全面に絶縁膜26を形成する。絶縁膜26は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜に対してエッチング選択比の高い膜である。
【0094】
(D)次に、
図3Gに示すように、絶縁膜26をエッチングし、ゲート電極14の両端の側壁に側壁絶縁膜261を形成する。また、第1表面SF1と第2表面SF2との間の段差部の側壁に側壁絶縁膜262を形成する。側壁絶縁膜262により、第1表面SF1と第2表面SF2との間の段差部の半導体領域10やn
+ソース領域22及びソースシリサイド領域34S、n
+ドレイン領域23及びドレインシリサイド領域34Dの露出面を保護することができる。尚、絶縁膜26のエッチング工程では、デバイス全面に絶縁膜26を形成した後、結晶化する前に、パターニングしてドライエッチング若しくはウェットエッチングにより除去する。尚、ドライエッチングとウェットエッチングを併用しても良い。
【0095】
(E1)次に、
図3Aに示すように、デバイス全面にCVD技術等を用いて、ライナー絶縁膜30を形成する。ここで、ライナー絶縁膜30にはシリコン窒化膜を適用可能である。
【0096】
(E2)次に、
図3Aに示すように、デバイス全面にCVD技術等を用いて、層間絶縁膜28を形成後、CMP技術を用いて平坦化する。ここで、層間絶縁膜28は、例えばTEOS若しくはNSG膜などを適用可能である。
【0097】
(E3)次に、
図3Aに示すように、層間絶縁膜28に対して、RIE等のドライエッチング技術を用いて、ソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dを被覆するライナー絶縁膜30で停止するエッチングを実施し、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDの底部にライナー絶縁膜30を露出させる。
【0098】
(F)次に、
図3Bに示すように、RIE等のドライエッチング技術を用いて、ソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dを被覆するライナー絶縁膜30をエッチングして、ソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34D上にソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを形成する。
【0099】
(G)次に、
図3Cに示すように、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを介してソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dと接続されたソース電極32S及びドレイン電極32Dを形成する。ソース電極32Sは、ソースコンタクトホールCHSを介してソース領域22と電気的に接続されてソースコンタクトCSを形成し、ドレイン電極32Dは、ドレインコンタクトホールCHDを介してドレイン領域23と電気的に接続されてドレインコンタクトCDを形成する。ソースコンタクトCSは、
図3Cに示すように、絶縁分離領域12とソース領域22との界面に接して配置されていても良い。同様に、ドレインコンタクトCDは、
図3Cに示すように、絶縁分離領域12とドレイン領域23との界面に接して配置されていても良い。
【0100】
図3Bに示すように、ゲート電極14の両端の側壁には、側壁絶縁膜261が形成されているため、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを形成時には、層間絶縁膜28及びライナー絶縁膜30がオーバーエッチングされても側壁絶縁膜261は、相対的にエッチングされ難い。すなわち、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDの形成時に、側壁絶縁膜261により、自己整合的にエッチングは停止する。したがって、ソースコンタクトCSとゲート電極14との間の距離を詰めることができる。同様に、ドレインコンタクトCDとゲート電極14との間の距離を詰めることができる。
【0101】
第1表面SF1と第2表面SF2との間の段差部の半導体領域10の側壁には、側壁絶縁膜262が形成されているため、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDの形成時では、層間絶縁膜28及びライナー絶縁膜30は容易にエッチングされるが、側壁絶縁膜262は、相対的にエッチングされ難い。この結果、
図3Cに示すように、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDが、絶縁分離領域12に接していても接合リークを回避可能である。したがって、ソースコンタクトCSと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。同様に、ドレインコンタクトCDと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。
【0102】
(第2の実施の形態の変形例に係る半導体装置の製造方法)
第2の実施の形態の変形例に係る半導体装置2Aの製造方法は、
図3A〜
図3D及び
図3H〜
図3Jに示すように表される。
【0103】
第2の実施の形態に係る半導体装置2Aの製造方法の工程A1〜工程A6及び工程B〜工程Dは、第2の実施の形態の変形例に係る半導体装置の製造方法においても共通である。
【0104】
(H1)上記の工程Dの後、
図3Hに示すように、デバイス全面にCVD技術等を用いて、ライナー絶縁膜30を形成する工程を有する。ここで、ライナー絶縁膜30にはシリコン窒化膜を適用可能である。
【0105】
(H2)次に、
図3Hに示すように、デバイス全面にCVD技術等を用いて、層間絶縁膜28を形成後、CMP技術を用いて平坦化する。ここで、層間絶縁膜28は、例えばTEOS若しくはNSG膜などを適用可能である。
【0106】
(H3)次に、
図3Hに示すように、層間絶縁膜28に対して、RIE等のドライエッチング技術を用いて、ソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dを被覆するライナー絶縁膜30で停止するエッチングを実施し、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDの底部にライナー絶縁膜30を露出させる。
【0107】
(I)次に、
図3Iに示すように、RIE等のドライエッチング技術を用いて、ソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dを被覆するライナー絶縁膜30をエッチングして、ソースシリサイド領域34S及び絶縁分離領域12に跨ってソースコンタクトホールCHSを形成し、ドレインシリサイド領域34D及び絶縁分離領域12に跨ってドレインコンタクトホールCHDを形成する工程を有する。
【0108】
(J)次に、
図3Jに示すように、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを介してソースシリサイド領域34S及びドレインシリサイド領域34Dと接続されたソース電極32S及びドレイン電極32Dを形成する。ソース電極32Sは、ソースコンタクトホールCHSを介してソース領域22と電気的に接続されてソースコンタクトCSを形成し、ドレイン電極32Dは、ドレインコンタクトホールCHDを介してドレイン領域23と電気的に接続されてドレインコンタクトCDを形成する。
【0109】
第1表面SF1と第2表面SF2との間の段差部の半導体領域10の側壁には、側壁絶縁膜262が形成されているため、ソースコンタクトホールCHS及びドレインコンタクトホールCHDを形成時には、層間絶縁膜28及びライナー絶縁膜30は容易にエッチングされるが、側壁絶縁膜262は、相対的にエッチングされ難い。この結果、
図3Jに示すように、ソースコンタクトCS及びドレインコンタクトCDが、絶縁分離領域12に踏み外しても接合リークも回避可能である。したがって、ソースコンタクトCSと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。同様に、ドレインコンタクトCDと絶縁分離領域12との間の距離を詰めることができる。
【0110】
本実施の形態に係る半導体装置及びその製造方法においては、主としてnチャネルMOSFETについて説明したが、導電型を反転したpチャネルMOSFETについても同様に適用可能である。また、本実施の形態に係る半導体装置は、CMOS構成の高速ロジックLSIにも適用可能である。また、本実施の形態に係る半導体装置は、例えば、NAND型フラッシュメモリの周辺回路を構成する高電圧pMOSFET、高電圧nMOSFET、低電圧pMOSFET、低電圧nMOSFET等にも適用可能である。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。