【解決手段】フィルタ部品組立用キット200の第1部材10a、第2部材10b及びコア30が相互に組み立てられて、第1延伸部31が貫通孔11を貫通して配置されるとともに第2延伸部32が貫通孔11の外部に配置された組立状態において、ボビン10に対するコア30の回転が規制されるとともに、第1延伸部31が貫通孔11内において第1延伸部31と第2延伸部32との対向方向に移動可能であり、且つ、第1延伸部31が貫通孔11内において上記対向方向に移動可能な第1移動長さが、第1延伸部31が貫通孔11内において上記対向方向と第1延伸部31の長手方向との双方に対する直交方向に移動可能な第2移動長さよりも大きい。
第1部材と第2部材とが相互に組み付けられることにより貫通孔を有する形態とされたボビンと、全体が一体形成された四角形状の枠体状のコアと、前記ボビンの周囲に巻回された線材と、を備えるフィルタ部品の組み立てに用いられるフィルタ部品組立用キットであって、
前記第1部材と、
前記第2部材と、
前記コアと、
を備え、
前記第1部材は、前記貫通孔の一部分を構成する第1凹部を有し、
前記第2部材は、前記第1凹部とともに前記貫通孔を構成する第2凹部を有し、
前記コアは、互いに並列に延在している第1延伸部及び第2延伸部を有し、
前記第1部材、前記第2部材及び前記コアが相互に組み立てられて、前記第1延伸部が前記貫通孔を貫通して配置されるとともに前記第2延伸部が前記貫通孔の外部に配置された組立状態において、
前記第1延伸部の長手軸周りにおいて前記ボビンに対する前記コアの回転が規制されるとともに、前記第1延伸部が前記貫通孔内において前記第1延伸部と前記第2延伸部との対向方向に移動可能であり、且つ、前記第1延伸部が前記貫通孔内において前記対向方向に移動可能な第1移動長さが、前記第1延伸部が前記貫通孔内において前記対向方向と前記第1延伸部の長手方向との双方に対する直交方向に移動可能な第2移動長さよりも大きいフィルタ部品組立用キット。
前記第1部材は、前記第1部材と前記第2部材とが相互に組み付けられる前の段階で、前記組立状態と同じ回転角度において前記第1部材に対する前記コアの回転を規制する回転規制部を、前記第1凹部の外部に有する請求項4に記載のフィルタ部品組立用キット。
前記第1部材は、前記第2部材に対する対向面から前記第2部材側に起立しているとともに前記第1凹部の一部分を構成する第1起立片と、前記第1凹部を間に挟んで前記第1起立片と対向している第3凹部と、を有し、
前記第2部材は、前記第1部材に対する対向面から前記第1部材側に起立しているとともに前記第2凹部の一部分を構成する第2起立片と、前記第2凹部を間に挟んで前記第2起立片と対向している第4凹部と、を有し、
前記組立状態では、前記第1起立片が前記第4凹部に対して嵌合するとともに、前記第2起立片が前記第3凹部に対して嵌合し、前記第1延伸部の長手軸周りにおいて前記ボビンに対して前記コアを回転させようとすると、前記第1延伸部と前記第1起立片及び前記第2起立片とが干渉して前記ボビンに対する前記コアの回転が規制される請求項4又は5に記載のフィルタ部品組立用キット。
第1部材と第2部材とが相互に組み付けられることにより貫通孔を有する形態とされたボビンと、全体が一体形成された四角形状の枠体状のコアと、前記ボビンの周囲に巻回された線材と、を備えるフィルタ部品を製造する方法であって、
前記第1部材は、前記貫通孔の一部分を構成する第1凹部を有するものであり、
前記第2部材は、前記第1凹部とともに前記貫通孔を構成する第2凹部を有するものであり、
前記コアは、互いに並列に延在している第1延伸部及び第2延伸部を有するものであり、
当該方法は、
前記第1部材、前記第2部材及び前記コアを相互に組み立てて、前記第1延伸部が前記貫通孔を貫通して配置されるとともに前記第2延伸部が前記貫通孔の外部に配置された状態にする組立工程と、
前記第1延伸部を前記貫通孔内で前記第2延伸部側に移動させることによって前記第2延伸部と前記ボビンとの間隔を広げた状態で、前記ボビンと前記第2延伸部との間を通して前記ボビンの周囲に線材を巻回する工程と、
前記第1延伸部を前記貫通孔内で前記第2延伸部側とは反対側に移動させる工程と、
を備えるフィルタ部品の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0012】
〔第1実施形態〕
先ず、
図1から
図9を用いて第1実施形態を説明する。
本実施形態に係るフィルタ部品組立用キット200は、第1部材10aと第2部材10bとが相互に組み付けられることにより貫通孔11(
図6)を有する形態とされたボビン10と、全体が一体形成された四角形状の枠体状のコア30と、ボビン10の周囲に巻回された線材40(
図6)と、を備えるフィルタ部品100(
図6)の組み立てに用いられるフィルタ部品組立用キット200である。
図1に示すように、フィルタ部品組立用キット200は、第1部材10aと、第2部材10bと、コア30と、を備えている。
コア30は、互いに並列に延在している第1延伸部31及び第2延伸部32を有している。
第1部材10a、第2部材10b及びコア30が相互に組み立てられて、第1延伸部31が貫通孔11を貫通して配置されるとともに第2延伸部32が貫通孔11の外部に配置された組立状態(
図2、
図3、
図4)において、第1延伸部31の長手軸周りにおいてボビン10に対するコア30の回転が規制されるとともに、第1延伸部31が貫通孔11内において第1延伸部31と第2延伸部32との対向方向に移動可能であり、且つ、第1延伸部31が貫通孔11内において上記対向方向に移動可能な第1移動長さが、第1延伸部31が貫通孔11内において上記対向方向と第1延伸部31の長手方向との双方に対する直交方向に移動可能な第2移動長さよりも大きい。
ここで、第1延伸部31の長手軸周りにおいてボビン10に対するコア30の回転が規制されるとは、ボビン10に対してコア30が360度以上周回することが不能とされ、ボビン10に対してコア30が回転可能な角度が制限される(例えば、45度以内に制限される)ことである。この角度は、第1延伸部31の外面と貫通孔11の内面とのクリアランス等により定まってくる。
また、第2移動長さは、零(ゼロ)でもよい。
【0014】
ここで、説明を簡単にするため、以下では、上下等の方向を規定した説明を行う。
すなわち、
図3における左右方向(
図4における奥行方向)を横幅方向とし、
図4における左右方向(
図3における奥行方向)を奥行方向とし、
図3及び
図4における上下方向を上下方向とする。
ただし、これらの方向は、フィルタ部品組立用キット200及びフィルタ部品100の製造時や使用時における方向とは必ずしも一致しない。
【0015】
本実施形態の場合、ボビン10を構成する第1部材10a及び第2部材10bの組付け方向は、上下方向である。また、コア30は、後述する第3延伸部33及び第4延伸部34が上下に延在する姿勢で配置される。したがって、第1延伸部31と第2延伸部32との対向方向と、第1部材10a及び第2部材10bの組付け方向(分割方向)は、互いに一致しており、いずれも上下方向である。
【0016】
図7等に示すように、第1部材10aは、貫通孔11の一部分を構成する第1凹部11aを有しており、第2部材10bは、第1凹部11aとともに貫通孔11を構成する第2凹部11bを有している。第1凹部11aは、第1部材10aにおいて第2部材10bと対向する面に形成され、第2凹部11bは、第2部材10bにおいて第1部材10aと対向する面に形成されている。
図8に示すように、第1部材10aと第2部材10bとが相互に組み付けられることにより、第1部材10aと第2部材10bとによりボビン10が構成されるとともに、第1凹部11aと第2凹部11bとが合わさって貫通孔11が形成される。
貫通孔11は、
図3における奥行き方向(
図4における左右方向)にボビン10を貫通している。
貫通孔11は、ボビン10の中心軸を貫通している。
なお、貫通孔11の長手方向をボビン10の軸方向と称する場合がある。
また、第1凹部11aの長手方向を第1部材10aの軸方向と称する場合がある。
また、第2凹部11bの長手方向を第2部材10bの軸方向と称する場合がある。
【0017】
本実施形態の場合、ボビン10を構成する第1部材10aと第2部材10bとは、互いに同一形状に形成されている。
【0018】
図2から
図4のいずれかに示すように、ボビン10は、例えば、ボビン10の軸方向における両端部にそれぞれ配置されているフランジ状の端部壁14と、ボビン10の軸方向における中央部に配置されているフランジ状の中央壁16と、端部壁14と中央壁16との間に配置されているフランジ状の仕切壁13と、を備えている。
図4に示すように、例えば、ボビン10における仕切壁13と端部壁14との間の部分、及び、ボビン10における仕切壁13と中央壁16との間の部分は、線材40(
図6)が巻回される被巻回部12を構成している。
【0019】
図1に示すように、第1部材10a及び第2部材10bの各々は、仕切壁構成リブ13aと、一対の端部壁構成部14aと、中央壁構成部16aと、を備えている。
第1部材10aと第2部材10bとが相互に組み付けられてボビン10が構成された状態では、第1部材10aの仕切壁構成リブ13aと第2部材10bの仕切壁構成リブ13aとにより仕切壁13が構成され、第1部材10aの端部壁構成部14aと第2部材10bの端部壁構成部14aとにより端部壁14が構成され、第1部材10aの中央壁構成部16aと第2部材10bの中央壁構成部16aとにより中央壁16が構成される。
【0020】
例えば、中央壁構成部16aには、係合爪部161、係合凸部162、ボス17及び嵌入孔18が形成されている。
第1部材10aと第2部材10bとが相互に組み付けられた状態では、第1部材10aの係合爪部161が第2部材10bの係合凸部162に対して係合するとともに、第2部材10bの係合爪部161が第1部材10aの係合凸部162に対して係合する。
更に、第1部材10aと第2部材10bとが相互に組み付けられた状態では、第1部材10aのボス17が第2部材10bの嵌入孔18に対して嵌入するとともに、第2部材10bのボス17が第1部材10aの嵌入孔18に対して嵌入する。
【0021】
更に、端部壁構成部14aには、突出部15と回転規制部19とが形成されている。
第1部材10aの2つの端部壁構成部14aの各々に突起部15が形成されており、これら突起部15は端部壁構成部14aの上面から上方に突出している
また、第2部材10bの2つの端部壁構成部14aの各々に突起部15が形成されており、これら突起部15は端部壁構成部14aの下面から下方に突出している
突出部15の先端面は、平坦面15aとなっている。
回転規制部19は、第1部材10a及び第2部材10bの軸方向における端面に形成されている。
回転規制部19は、例えば、L字状のリブである。すなわち、回転規制部19は、上下に延在する第1リブ19aと、水平に延在する第2リブ19bと、を含んで構成されている。
【0022】
図7に示すように、第1部材10aは、第2部材10bに対する対向面から第2部材10b側に起立しているとともに第1凹部11aの一部分を構成する第1起立片21と、第1凹部11aを間に挟んで第1起立片21と対向している第3凹部23と、を有する。
また、第2部材10bは、第1部材10aに対する対向面から第1部材10a側に起立しているとともに第2凹部11bの一部分を構成する第2起立片22と、第2凹部11bを間に挟んで第2起立片22と対向している第4凹部24と、を有する。
そして、組立状態では、第1起立片21が第4凹部24に対して嵌合するとともに、第2起立片22が第3凹部23に対して嵌合する(
図8参照)。
【0023】
更に、第1部材10aは、第1凹部11a及び第3凹部23を間に挟んで第1起立片21と対向する位置に第3起立片25を有している。すなわち、第3起立片25の側面に第3凹部23が形成されている。
加えて、第1部材10aは、第1起立片21を基準として第3起立片25側とは反対側に隣接する位置に、第5凹部27を有している。
同様に、第2部材10bは、第2凹部11b及び第4凹部24を間に挟んで第2起立片22と対向する位置に第4起立片26を有している。すなわち、第4起立片26の側面に第4凹部24が形成されている。
加えて、第2部材10bは、第2起立片22を基準として第4起立片26側とは反対側に隣接する位置に、第6凹部28を有している。
そして、組立状態では、第3起立片25が第6凹部28に対して嵌合するとともに、第4起立片26が第5凹部27に対して嵌合する(
図8参照)。
【0024】
なお、第1起立片21及び第3凹部23は、例えば、第1部材10aの軸方向における全域に亘って延在している。
同様に、第2起立片22及び第4凹部24は、例えば、第2部材10bの軸方向における全域に亘って延在している。
また、第3起立片25及び第5凹部27は、例えば、第1部材10aの軸方向における全域に亘って延在している。
同様に、第4起立片26及び第6凹部28は、例えば、第2部材10bの軸方向における全域に亘って延在している。
【0025】
コア30は、上述した第1延伸部31及び第2延伸部32の他に、第3延伸部33及び第4延伸部34を備えて構成されている。
第1延伸部31、第2延伸部32、第3延伸部33及び第4延伸部34の各々は、棒状の部分である。
第1延伸部31と第2延伸部32とは、例えば互いに平行に延在している。
また、第3延伸部33と第4延伸部34とは、例えば互いに平行に延在している。
また、例えば、第1延伸部31及び第2延伸部32に対して、第3延伸部33及び第4延伸部34が直交している。
第1延伸部31、第2延伸部32、第3延伸部33及び第4延伸部34の各々の断面形状は、例えば、四角形状となっている。より詳細には、本実施形態の場合、第1延伸部31、第2延伸部32、第3延伸部33及び第4延伸部34の各々の断面形状は、角部が面取り形状とされた矩形状となっている。
【0026】
ここで、貫通孔11の断面形状は、第1延伸部31の断面形状と対応する四角形状となっている。
【0027】
第2部材10bには、端子ピン41が設けられている。本実施形態の場合、例えば、ボビン10には、2本の線材40が別個に巻回されるようになっており、第2部材10bには4本の端子ピン41が設けられている。
【0028】
なお、本実施形態に係るフィルタ部品100及びフィルタ部品組立用キット200のボビン10は、特許文献1のフィルタ部品が備えるようなギアに相当する構成を備えていない。よって、フィルタ部品100の小型化が可能である。
【0029】
次に、
図5(a)、
図5(b)、
図5(c)、
図5(d)及び
図6を用いて、本実施形態に係るフィルタ部品の製造方法を説明する。
【0030】
先ず、
図5(a)に示すように、コア30を第1部材10aに対して横倒しにして、第1部材10aの第1凹部11a内にコア30の第1延伸部31を配置する。
【0031】
次に、
図5(b)及び
図5(c)に示すように、コア30に第1部材10aをくぐらせるようにして、第1延伸部31の長手軸周りにおいて第1部材10aに対してコア30を回転させる。その結果、
図5(c)に示すように、コア30の第1延伸部31と第2延伸部32との間に第1部材10aが位置する状態にする。
【0032】
図5(a)の状態からコア30を90度回転させて、
図5(c)の状態とした段階で、コア30の第3延伸部33及び第4延伸部34が第1部材10aの両端面の回転規制部19の第1リブ19aに当接し、コア30の回転が規制される。
【0033】
次に、
図5(d)に示すように、第1部材10aに対して第2部材10bを組み付ける。これにより、第1部材10aと第2部材10bとによりボビン10が構成されるとともに、第1部材10aの第1凹部11aと第2部材10bの第2凹部11bとにより貫通孔11が構成される。
また、貫通孔11に第1延伸部31が挿通された状態となる。
【0034】
更に、
図5(d)に示すように、コア30をボビン10に対して相対的に上昇させる(第1延伸部31を貫通孔11内で第2延伸部32側に移動させる)ことによって第2延伸部32とボビン10との間隔を広げた状態で、ボビン10と第2延伸部32との間を通してボビン10の周囲に線材40を巻回する。すなわち、ボビン10の被巻回部12に線材40を巻回する。
ここで、第2延伸部32とボビン10との間隔を広げた状態で線材40を巻回するので、ギアを用いることなく、ボビン10に対して線材40を巻回する工程を容易に行うことができる。
【0035】
なお、第1部材10aと第2部材10bとは相互に接着固定しても良いし、しなくてもよい(第1部材10aと第2部材10bとが線材40によって拘束されているだけであってもよい)。
【0036】
次に、コア30をボビン10に対して相対的に下降させる(第1延伸部31を貫通孔11内で第2延伸部32側とは反対側に移動させる)。
次に、第1延伸部31を貫通孔11に対して接着固定する。
【0037】
ここで、第1延伸部31の長手軸周りにおいてボビン10に対するコア30の回転が規制されているため、ボビン10に線材40を巻回する工程中にボビン10によってコア30を安定的に保持することができるとともに、ボビン10に線材40を巻回した後では、コア30をボビン10に対して正確に位置決めした状態で、第1延伸部31を貫通孔11に接着することができる。
【0038】
なお、ボビン10には、例えば2本の線材40を巻回する。すなわち、中央壁16を境とする一方の側に1本の線材40を巻回し、中央壁16を境とする他方の側にもう1本の線材40を巻回する。
そして、各線材40の両端をそれぞれ端子ピン41に対して電気的に接続する。
なお、端子ピン41は、ボビン10に線材40を巻回するよりも前に第2部材10bに予め取り付けられていてもよいし、ボビン10に線材40を巻回したあとで第2部材10bに取り付けられてもよいし、ボビン10に線材40を巻回しながら第2部材10bに取り付けられてもよい。
【0039】
こうして、
図6に示すフィルタ部品100が得られる。
このように、本実施形態に係るフィルタ部品100は、本実施形態に係るフィルタ部品組立用キット200を用いて組み立てられたフィルタ部品100であって、組立状態の第1部材10a、第2部材10b及びコア30と、ボビン10の周囲に巻回された線材40と、を備える。
そして、第1延伸部31が貫通孔11に対して固定されている。
【0040】
また、本実施形態に係るフィルタ部品の製造方法は、第1部材10aと第2部材10bとが相互に組み付けられることにより貫通孔11を有する形態とされたボビン10と、全体が一体形成された四角形状の枠体状のコア30と、ボビン10の周囲に巻回された線材40と、を備えるフィルタ部品100を製造する方法であって、以下の工程を有する。
第1部材10a、第2部材10b及びコア30を相互に組み立てて、第1延伸部31が貫通孔11を貫通して配置されるとともに第2延伸部32が貫通孔11の外部に配置された状態にする組立工程。
第1延伸部31を貫通孔11内で第2延伸部32側(本実施形態の場合、上側)に移動させることによって第2延伸部32とボビン10との間隔を広げた状態で、ボビン10と第2延伸部32との間を通してボビン10の周囲に線材40を巻回する工程。
第1延伸部31を貫通孔11内で第2延伸部32側とは反対側(本実施形態の場合、下側)に移動させる工程。
【0041】
また、上記組立工程は、第1凹部11aに第1延伸部31を配置する工程と、第1延伸部31の長手軸周りにおいて第1部材10aに対してコア30を回転させて第1延伸部31と第2延伸部32との間に第1部材10aが位置する状態にする工程と、第1部材10aと第2部材10bとを相互に組み付けて第1延伸部31が貫通孔11を貫通して配置されるとともに第2延伸部32が貫通孔11の外部に配置された状態にする工程と、を含む。
【0042】
更に、本実施形態に係るフィルタ部品の製造方法は、第1延伸部31を貫通孔11内で第2延伸部32側とは反対側に移動させた状態で、第1延伸部31を貫通孔11に対して接着固定する工程を備える。
【0043】
なお、上記のように、第1凹部11aに第1延伸部31が配置された状態で、第1延伸部31の長手軸周りにおいて第1部材10aに対してコア30が回転可能となっている。
例えば、第1凹部11aの底面(
図5(a)、
図5(b)及び
図5(c)では第1凹部11aの天面)に対して常に第1延伸部31が接した状態で、第1延伸部31の長手軸周りにおいて第1部材10aに対してコア30が回転可能となっている。
【0044】
また、第1部材10aは、当該第1部材10aに対して第2部材10bを組み付ける際の回転角度において第1部材10aに対するコア30の回転を規制する回転規制部19を、第1凹部11aの外部に有する。
【0045】
ここで、
図5(d)のように第1部材10a、第2部材10b及びコア30が相互に組み立てられた状態では、第1延伸部31の長手軸周りにおいてボビン10に対するコア30の回転が規制される。
本実施形態の場合、
図8に示すように、第1延伸部31の長手方向に対して直交する断面において、第1延伸部31の外接円36が、貫通孔11からはみ出す。これにより、ボビン10に対してコア30を回転させようとすると、第1延伸部31の外周面と貫通孔11の内周面とが干渉するため、ボビン10に対するコア30の回転が規制される。
【0046】
より詳細には、第1延伸部31の長手軸周りにおいてボビン10に対してコア30を回転させようとすると、第1延伸部31と第1起立片21及び第2起立片22とが干渉してボビン10に対するコア30の回転が規制される。
【0047】
一方、
図9に示すように、第1部材10aの第1凹部11aに第1延伸部31を配置してコア30を第1部材10aに対して回転させる際(
図5(a)から
図5(c)の工程)には、第1延伸部31の角部が第3凹部23に入り込むことができるため、コア30を第1部材10aに対して回転させることができる。
つまり、第1部材10aに第2部材10bを組み付ける前の段階では、第3凹部23内に第2起立片22が入り込んでいないため、第1部材10aに対するコア30の回転が許容される。
【0048】
また、
図5(d)のように第1部材10a、第2部材10b及びコア30が相互に組み立てられた状態において、貫通孔11の上下寸法は、第1延伸部31の上下寸法よりも大きい。
これにより、第1延伸部31が貫通孔11内において上下に移動可能となっている。すなわち、コア30がボビン10に対して上下に移動可能である。
ここで、ボビン10に対してコア30が上下に移動可能な長さ(第1移動長さ)は、ボビン10に対してコア30が上記直交方向(
図3における左右方向)に移動可能な長さ(第2移動長さ)よりも大きい。
すなわち、第1延伸部31の外周面と貫通孔11の内周面とのクリアランスは、上下方向におけるクリアランスの方が、上記直交方向(
図3における左右方向)におけるクリアランスよりも大きい。
【0049】
なお、第1延伸部31と第2延伸部32との対向方向(
図3における上下方向)と第1延伸部31の長手方向(
図3における奥行き方向)との双方に対する直交方向(
図3における左右方向)における第1延伸部31の幅寸法が、上記対向方向における貫通孔11の寸法よりも大きくても良い。すなわち、このようにしたことによって、ボビン10に対するコア30の回転が規制されていてもよい。
更に、上記直交方向における貫通孔11の幅寸法が、上記対向方向における第1延伸部31の寸法よりも大きい。これにより、上記のように、コア30を第1部材10aに対して横倒しにして、第1部材10aの第1凹部11a内にコア30の第1延伸部31を配置することができる。
【0050】
ここで、本実施形態の場合、上記のように、第1部材10aと第2部材10bとの組み付け方向と、上記対向方向とが一致しており、組立状態において、第1延伸部31と第2延伸部32との間に第1部材10aが配置される。
そして、
図3に示す距離Lよりも距離Dの方が長いことが好ましい。
すなわち、上記直交方向(
図3における左右方向)における貫通孔11の中心位置にて、上記対向方向(
図3における上下方向)における第1部材10aの寸法と貫通孔11の寸法との和をLとする。言い換えれば、
図3において、第1部材10aの突出部15の平坦面15aから、貫通孔11の底面(第2部材10bの第2凹部11bの底面)までの距離がLとなる。一方、第2延伸部32における第1延伸部31に対する対向面(
図3における第2延伸部32の下面)と第1延伸部31における第2延伸部32側とは反対側を向く反対面(
図3における第1延伸部31の下面)との距離をDとすると、L<Dを満たすことが好ましい。
このような構成とすることにより、コア30とボビン10とを好適に組立状態にすることができる。
【0051】
更に、
図3に示す距離Lよりも距離Rの方が長いことが好ましい。
距離Rは、ボビン10を軸方向に視たときに、貫通孔11の底面における上記直交方向(
図3における左右方向)での中心位置と、ボビン10において当該中心位置から最も遠い位置と、の距離である。
このような構成とすることによっても、第1延伸部31の長手軸周りにおいてボビン10に対するコア30の回転が規制される。
【0052】
また、上記組立状態において、ボビン10において第2延伸部32と対向する第2延伸部側対向面(
図4におけるボビン10の上面)において、第1延伸部31の長手方向における両端部のうちの少なくとも一方(本実施形態の場合、両方)に、第2延伸部32側に突出した突出部15が形成されている。
そして、第2延伸部側対向面の両端部どうしの間の中間部と第2延伸部32との距離は、第2延伸部32と突出部15との距離よりも長い。
このため、第2延伸部32とボビン10との間に線材40を通してボビン10に線材40を巻回する作業を、より容易に行うことができる。
しかも、ボビン10が突出部15を有するため、
図5(c)のように第1部材10aに対して30を位置合わせした状態において、ボビン10によってコア30を安定的に保持することができる。特に、突出部15の先端面が平坦面15aであるため、ボビン10によってコア30をより安定的に保持することができる。
【0053】
以上のような第1実施形態によれば、上記組立状態において、第1延伸部31が貫通孔11内において第1部材10aと第2部材10bとの対向方向に移動可能であるため、ボビン10に線材40を巻回する際に、第2延伸部32とボビン10との間隔を広げることができる。よって、ギアを用いることなく、ボビン10に対する線材の巻回を容易に行うことができるので、フィルタ部品100にはギアが不要であり、フィルタ部品100の小型化が可能となる。
特に、上記第1移動長さが上記第2移動長さよりも大きいため、第2延伸部32とボビン10との間隔をより十分に広げることができる。
しかも、上記組立状態において、第1延伸部31の長手軸周りにおいてボビン10に対するコア30の回転が規制されるため、ボビン10に線材40を巻回する工程中にボビン10によってコア30を安定的に保持することができるとともに、ボビン10に線材40を巻回した後で、コア30をボビン10に対して正確に位置決めした状態で第1延伸部31を貫通孔11に接着することができる。
【0054】
<第1実施形態の変形例1>
次に、
図14を用いて第1実施形態の変形例1を説明する。
上記の第1実施形態では、第1部材10aと第2部材10bとの組付け方向と、コア30の第1延伸部31と第2延伸部32との対向方向とが一致している例を説明したが、本変形例の場合、第1部材10aと第2部材10bとの組付け方向と、コア30の第1延伸部31と第2延伸部32との対向方向とが互いに交差(例えば直交)している。
すなわち、本変形例の場合、上記対向方向が上下方向であり、上記対向方向が水平方向となっている。
この場合、第1延伸部31が貫通孔11内において水平方向に移動可能な第1移動長さが、第1延伸部31が貫通孔11内において上下方向に移動可能な第2移動長さよりも大きい。
本変形例の場合、上記の第1実施形態と比べて、フィルタ部品の水平方向寸法が大きくなる代わりに、フィルタ部品の高さ寸法を小さくすることができる。
【0055】
<第1実施形態の変形例2>
次に、
図15を用いて第1実施形態の変形例2を説明する。
本変形例の場合、
図15に示すように、上記直交方向における第1延伸部31の幅寸法よりも、上記直交方向における第2延伸部32、第3延伸部33及び第4延伸部34の幅寸法の方が大きい。すなわち、第1延伸部31の両端部と第3延伸部33及び第4延伸部34との境界部には、段差部35が形成されている。
これにより、上記対向方向における第2延伸部32の厚みを抑制できるため、第1実施形態と比べて、フィルタ部品100の高さ寸法を小さくすることができる。
また、ボビン10の軸方向において第3延伸部33及び第4延伸部34の厚みを抑制できるため、ボビン10の軸方向におけるフィルタ部品100の寸法についても、第1実施形態と比べて小さくすることができる。
【0056】
<第1実施形態の変形例3>
次に、
図16を用いて第1実施形態の変形例3を説明する。
図15に示す変形例2では、段差部35が、第4延伸部34及び第3延伸部33において面取り形状となっている部分よりも更に深い段差となっているのに対し、本変形例の場合、段差部35は、第4延伸部34及び第3延伸部33において面取り形状となっている部分に相当する深さの段差に形成されている。
本変形例の場合も、上記の第1実施形態と比べて、フィルタ部品100の高さ寸法を小さくすることができるとともに、ボビン10の軸方向におけるフィルタ部品100の寸法を小さくすることができる。
【0057】
〔第2の実施形態〕
次に、
図10から
図13を用いて第2実施形態を説明する。
【0058】
上記の第1実施形態では、ボビン10を構成する第1部材10a及び第2部材10bの組付け方向が上下方向であるのに対して、本実施形態の場合、第1部材10a及び第2部材10bの組付け方向が横方向である。
ただし、コア30は、第1実施形態と同様に、第3延伸部33及び第4延伸部34が上下に延在する姿勢で配置される。
したがって、第1延伸部31と第2延伸部32との対向方向と、第1部材10a及び第2部材10bの組付け方向(分割方向)とが互いに交差(例えば直交)している。
よって、
図10に示すように、第1部材10aの第1凹部11aと、第2部材10bの第2凹部11bは、それぞれ横方向に向けて開口している。
【0059】
図10に示すように、本実施形態の場合、第2部材10bにおいて第1部材10aと対向する面において、第2凹部11bよりも上側の部位には、第1部材10a側に向けてそれぞれ突出している第1上部突起部51及び第2上部突起部52が形成されている。
また、第2部材10bにおいて第1部材10aと対向する面において、第2凹部11bよりも下側の部位には、第1部材10a側に向けてそれぞれ突出している第1下部突起部53及び第2下部突起部54が形成されている。
同様に、第1部材10aにおいて第2部材10bと対向する面にも、第1上部突起部51、第2上部突起部52、第1下部突起部53及び第2下部突起部54が形成されている。
【0060】
第1上部突起部51と第2上部突起部52とは、相互に対向する位置に配置されており、第1部材10aと第2部材10bとが相互に組み付けられた状態では、第1上部突起部51と第2上部突起部52とが嵌合するようになっている。
また、第1下部突起部53と第2下部突起部54とは、相互に対向する位置に配置されており、第1部材10aと第2部材10bとが相互に組み付けられた状態では、第1下部突起部53と第2下部突起部54とが嵌合するようになっている。
【0061】
本実施形態の場合も、第1部材10a、第2部材10b及びコア30が相互に組み立てられた組立状態(
図11、
図12、
図13)において、コア30がボビン10に対して相対的に上下動できるようになっている。そして、第1延伸部31が貫通孔11内において相対的に上下動可能な第1移動長さが、第1延伸部31が貫通孔11内において相対的に横方向に移動可能な第2移動長さよりも大きい。
【0062】
ここで、
図13に示すように、貫通孔11の軸方向におけるボビン10の両端面のうち、一方の端面には、第3延伸部33と嵌合する嵌合凹部57が形成されており、他方の端面には、第4延伸部34と嵌合する嵌合凹部57が形成されている。
ただし、本発明は、この例に限らず、貫通孔11の軸方向におけるボビン10の両端面のうち少なくとも一方に、第3延伸部33又は第4延伸部34と嵌合する嵌合凹部57が形成されていても良い。
【0063】
すなわち、コア30は、第1延伸部31及び第2延伸部32に対して交差する方向にそれぞれ延在しているとともに互いに並列に延在している第3延伸部33及び第4延伸部34を有し、貫通孔11の軸方向におけるボビン10の両端面のうちの少なくとも一方は、第3延伸部33又は第4延伸部34と嵌合する嵌合凹部57を有する。
これにより、貫通孔11の軸方向におけるフィルタ部品の寸法を小さくすることができる。
【0064】
より詳細には、
図10に示すように、第1部材10aの第1上部突起部51には凹部57aが形成されており、第2部材10bの第2上部突起部52には凹部57bが形成されており、第1部材10aと第2部材10bとが組み付けられて凹部57aと凹部57bとが合わさることにより、一方の嵌合凹部57(
図13)が構成されており、当該嵌合凹部57に対して第3延伸部33における内面側の部分が嵌合している。
【0065】
また、図示は省略するが、第1部材10aの第2上部突起部52には凹部57bが形成されており、第2部材10bの第1上部突起部51には凹部57aが形成されており、第1部材10aと第2部材10bとが組み付けられて凹部57aと凹部57bとが合わさることにより、他方の嵌合凹部57(
図13)が構成されており、当該嵌合凹部57に対して第4延伸部34における内面側の部分が嵌合している。
【0066】
このように、本実施形態の場合、第1部材10aと第2部材10bとの組み付け方向と上記対向方向とが互いに直交しており、第1部材10aに形成された第1嵌合凹部構成部(凹部57a、57b)と第2部材10bに形成された第2嵌合凹部構成部(57a、57b)とにより嵌合凹部57が構成される。
【0067】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。また、上記の各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、適宜に組み合わせることができる。
【0068】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)
第1部材と第2部材とが相互に組み付けられることにより貫通孔を有する形態とされたボビンと、全体が一体形成された四角形状の枠体状のコアと、前記ボビンの周囲に巻回された線材と、を備えるフィルタ部品の組み立てに用いられるフィルタ部品組立用キットであって、
前記第1部材と、
前記第2部材と、
前記コアと、
を備え、
前記コアは、互いに並列に延在している第1延伸部及び第2延伸部を有し、
前記第1部材、前記第2部材及び前記コアが相互に組み立てられて、前記第1延伸部が前記貫通孔を貫通して配置されるとともに前記第2延伸部が前記貫通孔の外部に配置された組立状態において、
前記第1延伸部の長手軸周りにおいて前記ボビンに対する前記コアの回転が規制されるとともに、前記第1延伸部が前記貫通孔内において前記第1延伸部と前記第2延伸部との対向方向に移動可能であり、且つ、前記第1延伸部が前記貫通孔内において前記対向方向に移動可能な第1移動長さが、前記第1延伸部が前記貫通孔内において前記対向方向と前記第1延伸部の長手方向との双方に対する直交方向に移動可能な第2移動長さよりも大きいフィルタ部品組立用キット。
(2)
前記第1延伸部の断面形状が四角形状であり、
前記貫通孔の断面形状が四角形状であり、
前記直交方向における前記第1延伸部の幅寸法が、前記対向方向における前記貫通孔の寸法よりも大きく、
前記直交方向における前記貫通孔の幅寸法が、前記対向方向における前記第1延伸部の寸法よりも大きい(1)に記載のフィルタ部品組立用キット。
(3)
前記第1延伸部の長手方向に対して直交する断面において、前記第1延伸部の外接円が、前記貫通孔からはみ出す(1)又は(2)に記載のフィルタ部品組立用キット。
(4)
前記第1部材は、前記貫通孔の一部分を構成する第1凹部を有し、
前記第2部材は、前記第1凹部とともに前記貫通孔を構成する第2凹部を有し、
前記第1凹部に前記第1延伸部が配置された状態で、前記第1延伸部の長手軸周りにおいて前記第1部材に対して前記コアが回転可能である(1)から(3)のいずれか一項に記載のフィルタ部品組立用キット。
(5)
前記第1部材は、当該第1部材に対して前記第2部材を組み付ける際の回転角度において前記第1部材に対する前記コアの回転を規制する回転規制部を、前記第1凹部の外部に有する(4)に記載のフィルタ部品組立用キット。
(6)
前記第1部材は、前記第2部材に対する対向面から前記第2部材側に起立しているとともに前記第1凹部の一部分を構成する第1起立片と、前記第1凹部を間に挟んで前記第1起立片と対向している第3凹部と、を有し、
前記第2部材は、前記第1部材に対する対向面から前記第1部材側に起立しているとともに前記第2凹部の一部分を構成する第2起立片と、前記第2凹部を間に挟んで前記第2起立片と対向している第4凹部と、を有し、
前記組立状態では、前記第1起立片が前記第4凹部に対して嵌合するとともに、前記第2起立片が前記第3凹部に対して嵌合し、前記第1延伸部の長手軸周りにおいて前記ボビンに対して前記コアを回転させようとすると、前記第1延伸部と前記第1起立片及び前記第2起立片とが干渉して前記ボビンに対する前記コアの回転が規制される(4)又は(5)に記載のフィルタ部品組立用キット。
(7)
前記第1部材と前記第2部材との組み付け方向と前記対向方向とが一致しており、
前記組立状態において、前記第1延伸部と前記第2延伸部との間に前記第1部材が配置され、前記直交方向における前記貫通孔の中心位置にて、前記対向方向における前記第1部材の寸法と前記貫通孔の寸法との和をLとし、前記第2延伸部における前記第1延伸部に対する対向面と前記第1延伸部における前記第2延伸部側とは反対側を向く反対面との距離をDとすると、
L<Dを満たす(1)から(6)のいずれか一項に記載のフィルタ部品組立用キット。
(8)
前記組立状態において、
前記ボビンにおいて前記第2延伸部と対向する第2延伸部側対向面において、前記第1延伸部の長手方向における両端部のうちの少なくとも一方に、前記第2延伸部側に突出した突出部が形成され、
前記第2延伸部側対向面の前記両端部どうしの間の中間部と前記第2延伸部との距離は、前記第2延伸部と前記突出部との距離よりも長い(1)から(7)のいずれか一項に記載のフィルタ部品組立用キット。
(9)
前記コアは、前記第1延伸部及び前記第2延伸部に対して交差する方向にそれぞれ延在しているとともに互いに並列に延在している第3延伸部及び第4延伸部を有し、
前記貫通孔の軸方向における前記ボビンの両端面のうちの少なくとも一方は、前記第3延伸部又は前記第4延伸部と嵌合する嵌合凹部を有する(1)から(8)のいずれか一項に記載のフィルタ部品組立用キット。
(10)
前記第1部材と前記第2部材との組み付け方向と前記対向方向とが互いに直交しており、
前記第1部材に形成された第1嵌合凹部構成部と前記第2部材に形成された第2嵌合凹部構成部とにより前記嵌合凹部が構成される(9)に記載のフィルタ部品組立用キット。
(11)
(1)から(10)のいずれか一項に記載のフィルタ部品組立用キットを用いて組み立てられたフィルタ部品であって、
前記組立状態の前記第1部材、前記第2部材及び前記コアと、
前記ボビンの周囲に巻回された前記線材と、
を備えるフィルタ部品。
(12)
前記第1延伸部が前記貫通孔に対して固定されている(11)に記載のフィルタ部品。
(13)
第1部材と第2部材とが相互に組み付けられることにより貫通孔を有する形態とされたボビンと、全体が一体形成された四角形状の枠体状のコアと、前記ボビンの周囲に巻回された線材と、を備えるフィルタ部品を製造する方法であって、
前記コアは、互いに並列に延在している第1延伸部及び第2延伸部を有するものであり、
当該方法は、
前記第1部材、前記第2部材及び前記コアを相互に組み立てて、前記第1延伸部が前記貫通孔を貫通して配置されるとともに前記第2延伸部が前記貫通孔の外部に配置された状態にする組立工程と、
前記第1延伸部を前記貫通孔内で前記第2延伸部側に移動させることによって前記第2延伸部と前記ボビンとの間隔を広げた状態で、前記ボビンと前記第2延伸部との間を通して前記ボビンの周囲に線材を巻回する工程と、
前記第1延伸部を前記貫通孔内で前記第2延伸部側とは反対側に移動させる工程と、
を備えるフィルタ部品の製造方法。
(14)
前記第1部材は、前記貫通孔の一部分を構成する第1凹部を有するものであり、
前記第2部材は、前記第1凹部とともに前記貫通孔を構成する第2凹部を有するものであり、
前記組立工程は、
前記第1凹部に前記第1延伸部を配置する工程と、
前記第1延伸部の長手軸周りにおいて前記第1部材に対して前記コアを回転させて、前記第1延伸部と前記第2延伸部との間に前記第1部材が位置する状態にする工程と、
前記第1部材と前記第2部材とを相互に組み付けて、前記第1延伸部が前記貫通孔を貫通して配置されるとともに前記第2延伸部が前記貫通孔の外部に配置された状態にする工程と、
を含む(13)に記載のフィルタ部品の製造方法。
(15)
前記第1延伸部を前記貫通孔内で前記第2延伸部側とは反対側に移動させた状態で、前記第1延伸部を前記貫通孔に対して接着固定する工程を備える(13)又は(14)に記載のフィルタ部品の製造方法。