【解決手段】本発明による装置は、空間表現及び2つの要素に関連したラウドスピーカーを表示するユーザーI/Fを提示し、空間表現内において2つの要素に含まれる第1要素の移動に関係した入力を受信し、第1要素と関連付けられたラウドスピーカーにおいて知覚信号の起動を引き起こし、第1の要素が移動された空間表現内の位置を決定し、決定された位置及び第1要素に関連するラウドスピーカーの種類に基づき第1要素及び同要素と関連付けられたラウドスピーカーのうちの少なくとも一方に名称を割り当て、ユーザI/F上に名称を表示し、ラウドスピーカーの種類は、装置においてユーザーが関与することなくラウドスピーカーから直接受信され、名称はロケーションの表示及び物理的なラウドスピーカーの種類の表示を含む。
少なくとも1つの処理コアと、コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、少なくとも、
空間表現及び少なくとも2つの要素に関連した特定の物理的なラウドスピーカーを表示するグラフィカルユーザーインターフェースを提示することと、
前記空間表現内において前記少なくとも2つの要素に含まれる第1の要素を移動させることに関係した入力を受信することと、
前記第1の要素と関連付けられた物理的なラウドスピーカーにおいて知覚信号の起動を引き起こすことと、
前記第1の要素が移動された前記空間表現内のロケーションを決定することと、
前記決定されたロケーション及び前記第1の要素に関連する物理的なラウドスピーカーのタイプに基づいて、前記第1の要素及び該第1の要素と関連付けられた前記物理的なラウドスピーカーのうちの少なくとも一方に名称を割り当てることと、
前記グラフィカルユーザーインターフェース上に前記名称を表示させることと
を該装置に行わせるように構成されており、
前記物理的なラウドスピーカーのタイプは、前記装置において、ユーザーが関与することなく、前記物理的なラウドスピーカーから直接受信され、
前記名称は、前記ロケーションの表示、及び前記物理的なラウドスピーカーのタイプの表示を含む、装置。
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、前記決定されたロケーションに基づいて、前記第1の要素と関連付けられた前記物理的なラウドスピーカーにオーディオチャンネルを割り当てることを前記装置に行わせるように構成されている、請求項1に記載の装置。
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、前記決定されたロケーションが前記空間表現の中央部分にあるのか、左側部分にあるのか、又は右側部分にあるのかに基づいて前記名称を割り当てることを前記装置に行わせるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
前記グラフィカルユーザーインターフェースは、該グラフィカルユーザーインターフェースに含まれる1つの要素と関連付けられた少なくとも1つの物理的なラウドスピーカーのステータスに関する情報を伝えるように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
前記グラフィカルユーザーインターフェースは、少なくとも2つの空間表現を備え、該少なくとも2つの空間表現のそれぞれは、部屋の垂直方向の位置と関連付けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、使用中でない少なくとも1つの空間表現を、ユーザーが別の空間表現とインタラクトしている間、視界から消去することを前記装置に行わせるように構成されている、請求項8に記載の装置。
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、前記決定されたロケーションに基づいて、前記第1の要素と関連付けられた前記物理的なラウドスピーカーのデジタルオーディオサブフレームを選択することを前記装置に行わせるように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、1つのモニターラウドスピーカーを1つのサブウーファーと関連付けることを前記装置に行わせるように構成され、前記モニターラウドスピーカー及び前記サブウーファーはそれぞれ、前記少なくとも2つの要素のうちの正確に1つと関連付けられている、請求項4〜10のいずれか1項に記載の装置。
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、前記モニターラウドスピーカーと関連付けられた前記サブウーファーの位相の較正を、前記モニターラウドスピーカーを用いて行うことを前記装置に行わせるように構成されている、請求項11に記載の装置。
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、前記空間表現と関連付けられた部屋のインパルス応答を求め、該インパルス応答に基づいて、前記部屋に関する等化情報を求めることを前記装置に行わせるように構成されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
前記グラフィカルユーザーインターフェースは、起動されると、ユーザーが特定の物理的なラウドスピーカーに関する等化情報を視認すること及び変更することのうちの少なくとも一方を可能にするように構成された機能を備える、請求項13に記載の装置。
前記決定されたロケーションに基づいて、前記第1の要素と関連付けられた前記物理的なラウドスピーカーにオーディオチャンネルを割り当てることを前記装置に行わせることを更に含む、請求項15に記載の方法。
前記決定されたロケーションが前記空間表現の中央部分にあるのか、左側部分にあるのか、又は右側部分にあるのかに基づいて前記名称を割り当てることを前記装置に行わせることを含む、請求項15〜18のいずれか1項に記載の方法。
前記グラフィカルユーザーインターフェースは、該グラフィカルユーザーインターフェースに含まれる1つの要素と関連付けられた少なくとも1つの物理的なラウドスピーカーのステータスに関する情報を伝えるように構成されている、請求項15〜20のいずれか1項に記載の方法。
前記グラフィカルユーザーインターフェースは、少なくとも2つの空間表現を備え、該少なくとも2つの空間表現のそれぞれは、部屋の垂直方向の位置と関連付けられている、請求項15〜21のいずれか1項に記載の方法。
ユーザーが別の空間表現とインタラクトしている間、使用中でない少なくとも1つの空間表現を、視界から消去することを前記装置に行わせることを含む、請求項22に記載の方法。
前記決定されたロケーションに基づいて、前記第1の要素と関連付けられた前記物理的なラウドスピーカーのデジタルオーディオサブフレームを選択することを前記装置に行わせることを含む、請求項15〜23のいずれか1項に記載の方法。
1つのモニターラウドスピーカーを1つのサブウーファーと関連付けることを前記装置に行わせることを含み、前記モニターラウドスピーカー及び前記サブウーファーはそれぞれ、前記少なくとも2つの要素のうちの正確に1つと関連付けられている、請求項18〜24のいずれか1項に記載の方法。
前記モニターラウドスピーカーと関連付けられた前記サブウーファーの位相の較正を、前記モニターラウドスピーカーを用いて行うことを前記装置に行わせることを含む、請求項25に記載の方法。
前記空間表現と関連付けられた部屋のインパルス応答を求め、該インパルス応答に基づいて、前記部屋に関する等化情報を求めることを前記装置に行わせることを含む、請求項15〜26のいずれか1項に記載の方法。
前記グラフィカルユーザーインターフェースは、起動されると、ユーザーが特定の物理的なラウドスピーカーに関する等化情報を視認すること及び変更することのうちの少なくとも一方を可能にするように構成された機能を備える、請求項27に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
識別子がユーザーによって手動でラウドスピーカーに割り当てられた後、制御デバイスは、この制御デバイスとラウドスピーカーとの間に配置された通信接続を介して、ラウドスピーカーに識別子を問い合わせることができる。このように、ユーザーは、マルチラウドスピーカーシステム内のラウドスピーカーに識別子を割り当てて、マルチラウドスピーカーシステムに含まれるラウドスピーカーの個別制御を容易にすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な態様によると、少なくとも1つの処理コアと、コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、少なくとも、空間表現及び少なくとも2つの要素に関連した特定の物理的なラウドスピーカーを表示するグラフィカルユーザーインターフェースを提示することと、
前記空間表現内において前記少なくとも2つの要素に含まれる第1の要素を移動させることに関係した入力を受信することと、前記第1の要素と関連付けられた物理的なラウドスピーカーにおいて知覚信号の起動を引き起こすことと、前記第1の要素が移動された前記空間表現内のロケーションを決定することと、前記決定されたロケーション及び前記第1の要素に関連する物理的なラウドスピーカーのタイプに基づいて、前記第1の要素及び該第1の要素と関連付けられた前記物理的なラウドスピーカーのうちの少なくとも一方に名称を割り当てることと、前記グラフィカルユーザーインターフェース上に前記名称を表示させることと、を該装置に行わせるように構成されており、前記物理的なラウドスピーカーのタイプは、前記装置において、ユーザーが関与することなく、前記物理的なラウドスピーカーから直接受信され、前記名称は、前記ロケーションの表示、及び前記物理的なラウドスピーカーのタイプの表示を含む、装置が提供される。
【0007】
第1の態様の様々な実施の形態は、以下の黒丸付きリストからの少なくとも1つの特徴を備えることができる。
・前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、前記決定されたロケーションに基づいて、前記第1の要素と関連付けられた前記物理的なラウドスピーカーにオーディオチャンネルを割り当てることを前記装置に行わせるように構成されている。
・前記少なくとも2つの要素は、異なるタイプの物理的なラウドスピーカーと関連付けられている。
・前記異なるタイプは、モニターラウドスピーカー及びサブウーファーを含む。
・前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、前記決定されたロケーションが前記空間表現の中央部分にあるのか、左側部分にあるのか、又は右側部分にあるのかに基づいて前記名称を割り当てることを前記装置に行わせるように構成されている。
・前記グラフィカルユーザーインターフェースは、起動される場合、較正手順を開始するように構成された機能を備える。
・前記グラフィカルユーザーインターフェースは、該グラフィカルユーザーインターフェースに含まれる1つの要素と関連付けられた少なくとも1つの物理的なラウドスピーカーのステータスに関する情報を伝えるように構成されている。
・前記グラフィカルユーザーインターフェースは、少なくとも2つの空間表現を備え、該少なくとも2つの空間表現のそれぞれは、部屋の垂直方向の位置と関連付けられている。
・前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、使用中でない少なくとも1つの空間表現を、ユーザーが別の空間表現とインタラクトしている間、視界から消去することを前記装置に行わせるように構成されている。
・前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、前記決定されたロケーションに基づいて、前記第1の要素と関連付けられた前記物理的なラウドスピーカーのデジタルオーディオサブフレームを選択することを前記装置に行わせるように構成されている。
・前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、1つのモニターラウドスピーカーを1つのサブウーファーと関連付けることを前記装置に行わせるように構成され、前記モニターラウドスピーカー及び前記サブウーファーはそれぞれ、前記少なくとも2つの要素のうちの正確に1つと関連付けられている。
・前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、前記モニターラウドスピーカーと関連付けられた前記サブウーファーの位相の較正を、前記モニターラウドスピーカーを用いて行うことを前記装置に行わせるように構成されている。
・前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアを用いて、前記空間表現と関連付けられた部屋のインパルス応答を求め、該インパルス応答に基づいて、前記部屋に関する等化情報を求めることを前記装置に行わせるように構成されている。
・前記グラフィカルユーザーインターフェースは、起動されると、ユーザーが特定の物理的なラウドスピーカーに関する等化情報を視認すること及び変更することのうちの少なくとも一方を可能にするように構成された機能を備える。
【0008】
本発明の第2の態様によると、空間表現及び少なくとも2つの要素に関連した特定の物理的なラウドスピーカーを表示するグラフィカルユーザーインターフェースを装置において提示することと、前記空間表現内において前記少なくとも2つの要素に含まれる第1の要素を移動させることに関係した入力を受信することと、前記第1の要素と関連付けられた物理的なラウドスピーカーにおいて知覚信号の起動を引き起こすことと、前記第1の要素が移動された前記空間表現内のロケーションを決定することと、前記決定されたロケーション及び前記第1の要素に関連する物理的なラウドスピーカーのタイプに基づいて、前記第1の要素及び該第1の要素と関連付けられた前記物理的なラウドスピーカーのうちの少なくとも一方に名称を割り当てることと、前記グラフィカルユーザーインターフェース上に前記名称を表示させることとを含む方法であって、前記物理的なラウドスピーカーのタイプは、前記装置において、ユーザーが関与することなく、前記物理的なラウドスピーカーから直接受信され、前記名称は、前記ロケーションの表示、及び前記物理的なラウドスピーカーのタイプの表示を含む、方法が提供される。
【0009】
第2の態様の様々な実施の形態は、第1の態様に関して配列された上記黒丸付きリストからの特徴に対応する少なくとも1つの特徴を備えることができる。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、非一時的なコンピューター可読媒体であって、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、空間表現及び少なくとも2つの要素に関連した特定の物理的なラウドスピーカーを表示するグラフィカルユーザーインターフェースを装置において提示することと、前記空間表現内において前記少なくとも2つの要素に含まれる第1の要素を移動させることに関係した入力を受信することと、前記第1の要素と関連付けられた物理的なラウドスピーカーにおいて知覚信号の起動を引き起こすことと、前記第1の要素が移動された前記空間表現内のロケーションを決定することと、前記決定されたロケーション及び前記第1の要素に関連する物理的なラウドスピーカーのタイプに基づいて、前記第1の要素及び該第1の要素と関連付けられた前記物理的なラウドスピーカーのうちの少なくとも一方に名称を割り当てることと、前記グラフィカルユーザーインターフェース上に前記名称を表示させることとを装置に行わせる一組のコンピューター可読命令が記憶されており、前記物理的なラウドスピーカーのタイプは、前記装置において、ユーザーが関与することなく、前記物理的なラウドスピーカーから直接受信され、前記名称は、前記ロケーションの表示、及び前記物理的なラウドスピーカーのタイプの表示を含む、非一時的なコンピューター可読媒体が提供される。
【0011】
本発明の第4の態様によれば、空間表現及び少なくとも1つの要素を備えるグラフィカルユーザーインターフェースを提示する手段であって、前記少なくとも要素のそれぞれは、特定の物理的なラウドスピーカーと関連付けられている手段と、前記空間表現内において前記少なくとも1つの要素に含まれる第1の要素を移動させることに関係した入力を受信する手段と、前記第1の要素と関連付けられた物理的なラウドスピーカーにおいて知覚信号を起動する手段と、前記第1の要素が移動された前記空間表現内のロケーションを、前記決定されたロケーションに少なくとも部分的に基づいて決定する手段と、前記第1の要素及び該第1の要素と関連付けられた前記物理的なラウドスピーカーのうちの少なくとも一方に名称を割り当てる手段とを備える装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態をサポートすることが可能な一例のシステムを示している。
図1は、制御デバイス110を示している。この制御デバイスは、制御局、ラップトップ等のコンピューター、又はマルチラウドスピーカーシステムの制御を可能にするように構成された他のデバイスを含むことができる。
図1のマルチラウドスピーカーシステムは、左チャンネルラウドスピーカー120、右チャンネルラウドスピーカー130、及び中央チャンネルラウドスピーカー140を備える。中央チャンネルラウドスピーカーは、例えば、ウーファー要素を含むことができる。
【0014】
制御デバイス110は、制御デバイス110と左チャンネルラウドスピーカー120との間に配置された接続112、左チャンネルラウドスピーカー120と中央チャンネルラウドスピーカー140との間に配置された接続124、及び中央チャンネルラウドスピーカー140と右チャンネルラウドスピーカー130との間に配置された接続143を備える通信ネットワークを介して、電気信号をこれらのラウドスピーカーに送信することができる。
【0015】
使用中、制御メッセージを右チャンネルラウドスピーカー130に送信するために、制御デバイス110は、受信者アドレスとして右チャンネルラウドスピーカー130の識別子を含むメッセージを、例えばフレーム内に編集することができる。制御デバイス110は、次に、このメッセージを、接続112を介して、制御ネットワークに並列形式で論理的かつ電子的に接続されている全てのラウドスピーカーに送信することができる。左チャンネルラウドスピーカー120は、メッセージを受信すると、メッセージ内の受信者フィールドを検査して、受信者フィールドが左チャンネルラウドスピーカー120の識別子を含むか否かを判断することができる。この場合、これには該当せず、左チャンネルは、このメッセージを無視することができ、このメッセージを、自身にアドレス指定されたものと認識するラウドスピーカーが、メッセージを読み取るとともにメッセージに基づいて動作することができる。ネットワークが、ラウドスピーカー間でのメッセージの伝達を必要とするように実施されている場合、左チャンネルラウドスピーカー120は、接続124を介してメッセージを中央チャンネルラウドスピーカー140に転送するように構成することができる。後者の場合、中央チャンネルラウドスピーカーは、受信者フィールドが中央チャンネルラウドスピーカー140の識別子を含まないことに気付くと、接続143を介して右チャンネルラウドスピーカー130にメッセージを転送する。次に、右チャンネルラウドスピーカー130は、メッセージの受信者フィールドが右チャンネルラウドスピーカー130の識別子を含むと判断し、その結果、メッセージが右チャンネルラウドスピーカー130を目的としていると判断する。適切な場合には、右チャンネルラウドスピーカー130は、応答を編集して制御ユニット110に送信することができる。この応答において、右チャンネルラウドスピーカー130は、制御ユニット110の識別子をメッセージの受信者フィールドに配置することができ、そのため、メッセージは、接続143、124、及び112に沿って制御ユニット110にルーティングされる。
【0016】
図示したシステムにおいてメッセージングを可能にするために、ユーザーは、例えば、ラウドスピーカーのそれぞれにおけるディップスイッチを構成し、次いで、識別子を制御デバイス110に入力することによって、ラウドスピーカーの識別子を手動で構成することができる。そのような手動の構成の欠点は、時間がかかり、エラーを起こし易いということである。なぜならば、ユーザーが、ラウドスピーカーごとに同じコードをそのラウドスピーカー及び制御ユニット110に正しく構成したことが保証されないからである。エラーの更なる機会は、ユーザーが2つ以上のラウドスピーカーを同じ識別子を用いて誤って構成した場合であり、これによって、メッセージングが混乱する。
【0017】
識別子を各ラウドスピーカーに手動で構成することのオプションとして、ラウドスピーカーを製造時に一意の識別子を用いて事前に構成することができる。この一意の識別子は、例えば、シリアルナンバーを含むことができる。ユーザーは、ラウドスピーカーを制御ユニット110に接続すると、次に、マルチラウドスピーカーシステムに含まれるラウドスピーカーの識別子のリストの提示を受けることができる。ユーザーは、次に、制御デバイス110のユーザーインターフェースを用いて、各識別子をラウドスピーカーと関連付けることができる。例えば、ユーザーは、ラウドスピーカーの裏側に印刷された識別子を読み取り、次いで、その識別子が、例えば、左チャンネルラウドスピーカーの識別子であることを制御デバイス110に示すことができる。
【0018】
代替的に、制御デバイス110のユーザーインターフェースは、ユーザーが雑音又は光のフラッシュ等の知覚信号をラウドスピーカーに放出させることを可能にして、識別子とシステム内のラウドスピーカーとの制御デバイス110内での関連付けを可能にすることができる。例えば、制御デバイス110は、メッセージをマルチラウドスピーカーシステム内のラウドスピーカーに送信することができる。このメッセージの受信者フィールドは、ユーザーがそのラウドスピーカーに知覚信号を放出させるように選択した識別子を含む。ユーザーは、次に、システム内のどのラウドスピーカーが知覚信号を放出したのか、例えば左チャンネルラウドスピーカーを制御デバイス110に伝えることができる。制御デバイス110に接続されたラウドスピーカーの識別子のリストをユーザーに提示する前に、制御デバイス110に接続されたラウドスピーカーは、制御デバイス110にシグナリングして、制御デバイス110にそれらの識別子を知らせることができる。
【0019】
制御デバイス110とラウドスピーカーとの間の通信接続は、
図1には一組の接続112、124、及び143として示されているが、本発明の範囲から逸脱することなく他の形態を取ることができる。例えば、制御デバイス110からマルチラウドスピーカーシステムに含まれるラウドスピーカーのそれぞれへの別個のワイヤーライン接続が存在することができる。幾つかの実施形態では、制御デバイス110及びラウドスピーカーは、例えば、WLAN、Bluetooth、又はそれらの変形形態等の無線接続によって相互接続される。幾つかの実施形態では、制御デバイス110は、マルチラウドスピーカーシステムに含まれるラウドスピーカーのうちの少なくとも1つへの、再生用のオーディオデータを供給するワイヤーライン接続と、その少なくとも1つのラウドスピーカーの態様を制御する、無線とすることができる別の接続とを有する。制御可能な態様の例には、一般に、エラー管理、オーディオ信号に適用されるフィルターのインストール、及びラウドスピーカーをアクティブ状態と非アクティブ状態との間で切り替えるように制御することが含まれる。
【0020】
図2は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態による一例の使用ケースを示している。
図2には、
図1の制御デバイス110のユーザーインターフェースが示されている。このユーザーインターフェースには、レイアウトマップ201及びスタック202が含まれる。レイアウトマップ201には、要素240及び230が表示され、要素240は、
図1の中央チャンネルラウドスピーカー140と関連付けられ、要素230は、
図1の右チャンネルラウドスピーカー130と関連付けられている。ユーザーインターフェースの図示したスナップショットでは、ユーザーは、要素240を中央チャンネルラウドスピーカーと既に関連付けており、要素230を右チャンネルラウドスピーカーと既に関連付けている。
【0021】
次に、ユーザーは、ユーザーインターフェースを用いて、要素220に名称を割り当てる。ユーザーがユーザーインターフェースを用いる前に、システム内の各ラウドスピーカーは、その一意の識別子を制御デバイス110に提供している。この一意ということは、マルチラウドスピーカーシステム内で一意であるということを意味する。そのような識別子は、製造中に割り当てることもできるし、制御デバイス110によって少なくとも部分的に割り当てることもできる。制御デバイス110は、全ての識別子を所有すると、各識別子に対応するユーザーインターフェースの正確に1つの要素を生成する。生成された要素は、スタック202に配置され、このスタックにおいて、それらの要素は、ユーザーに視覚的に描写することができる。
【0022】
要素220に名称を割り当てるために、ユーザーは、例えば、カーソルを要素220の上に移動させて物理的なボタンを起動することによって、スタックにおいて要素220を選択することができる。これに応答して、制御デバイス110は、識別子に基づいて、要素220と関連付けられたラウドスピーカーにシグナリングして、このラウドスピーカーに知覚信号を放出させるように構成することができる。知覚信号は、可聴信号、又は点滅光等の視覚信号を含むことができる。ラウドスピーカーにシグナリングして、このラウドスピーカーに知覚信号を放出させることは、制御デバイス110がラウドスピーカーにおいて知覚信号を起動することを含む。
【0023】
ユーザーは、部屋内の物理的なラウドスピーカーのうちのいずれが知覚信号を放出しているのかを判断し、その物理的なラウドスピーカーがある部屋内の場所に対応するレイアウトマップ201上の位置に要素220を配置する。図示した例では、ラウドスピーカーは、
図1に示すように床に配置され、要素220は、左チャンネルラウドスピーカー120に対応し、そのため、ユーザーは、レイアウトマップ201の左側前方部分に要素220を配置する。これは、
図2に黒の矢印で示されている。ユーザーは、例えば、要素220をクリックし、マウス又は他のポインターデバイスを用いて、クリックを解除する前に要素220を所望のロケーションに移動させることによって、要素220を所望の位置に配置することができる。これは、例えば、ユーザーインターフェースのドラッグインタラクションに対応することができる。
【0024】
ユーザーが要素220を所望のロケーションに配置すると、制御デバイス110は、これに応答して、ロケーションに少なくとも部分的に基づいて、名称をその要素に割り当てることができる。例えば、
図2の例では、この名称は、「左前方」とすることもできるし、ラウドスピーカーのタイプも示すように「左8320A」とすることもできる。このラウドスピーカータイプは、ユーザーが関与することなく、ラウドスピーカーから直接制御デバイス110において受信することができる。レイアウトマップ201は、これを、名称を与える目的のセクションに事前に分割することを可能にすることができる。そのようなセクション間の境界は、ユーザーインターフェースにおいてユーザーに視覚的に表示することができる。ロケーションに基づくと、名称を割り当てることに加えて又はこれに代えて、オーディオチャンネルを要素220と関連付けられた物理的なラウドスピーカーに割り当てることができる。例えば、
図2に示す場合では、左前方オーディオチャンネルを、要素220が関連付けられた識別子を有する物理的なラウドスピーカーに割り当てることができる。したがって、ユーザーインターフェース内の各要素は、物理的なラウドスピーカー及び関係している物理的なラウドスピーカーの識別子と関連付けることができる。一般に、割り当てられる名称は、ユーザーがユーザーインターフェース要素を移動させるロケーションに少なくとも部分的に基づいて割り当てることができ、及び/又は、名称は、要素と関連付けられたラウドスピーカー又はサブウーファーのタイプに少なくとも部分的に基づいて割り当てることができる。
【0025】
一般に、ユーザーインターフェース要素は、唯一の物理的なラウドスピーカーと関連付けることができる。幾つかの実施形態では、制御デバイス110は、決定されたロケーションに少なくとも部分的に基づいてオーディオチャンネルを割り当てるように構成されるが、名称を割り当てるようには構成されない。換言すれば、制御デバイス110は、決定されたロケーションに少なくとも部分的に基づいて、名称及びオーディオチャンネルのうちの少なくとも一方を割り当てるように構成することができる。
【0026】
ユーザーは、スタックが空になり、マルチラウドスピーカーシステム内の全ての適用可能なラウドスピーカーがレイアウトマップ201上に配置されるまで、スタック202内の要素のそれぞれをレイアウトマップ201内のロケーションに配置することができる。これらの要素は、当初、任意の順序、例えば、制御デバイス110によって発見される順序でスタック202に存在することができる。その時点で、マルチラウドスピーカーシステム内の全ての適用可能なラウドスピーカーに名称及び/又はオーディオチャンネルを割り当てることができる。幾つかのマルチラウドスピーカーシステムは、本明細書において説明する方法を用いて名称及び/又はオーディオチャンネルを割り当てることができないラウドスピーカーも含む場合がある。そのようなラウドスピーカーは、ユーザーが他の方法で構成して制御することができる。
【0027】
幾つかの実施形態では、ユーザーインターフェースは、2つ以上のレイアウトマップを備え、各レイアウトマップは、部屋内の階層に対応する。例えば、1つのレイアウトマップは、床に対応することができ、別のレイアウトマップは、天井に対応することができる。天井に対応するレイアウトマップでは、このレイアウトマップ内のロケーションに移動された要素をその部屋の天井に取り付けられた物理的なラウドスピーカーと関連付けることができる。本明細書において説明するようなレイアウトマップは、部屋の空間表現、又は例えば部屋の床若しくは部屋の天井等の部屋内の階層の空間表現を備えることができる。幾つかの実施形態では、現在使用中でないか又はインタラクトされていない少なくとも1つのレイアウトマップは、ユーザーインターフェースビューにおいて最小化することができる。
【0028】
本明細書において説明する方法は、多数のラウドスピーカーにも名称及びオーディオチャンネルを割り当てる信頼できる高速の方法を提供するとともに、構成プロセスにおける多くの潜在的なエラー源を除去する。
【0029】
ユーザーインターフェース内の要素は、ユーザーがその要素と関連付けられた物理的なラウドスピーカーとインタラクトすることを可能にするインタラクションの可能性を含むことができる。例えば、物理的なラウドスピーカーを構成することは、少なくとも部分的には、ユーザーインターフェース内の要素とインタラクトすることを介して行うことができる。各物理的なラウドスピーカーの等化ユーザーインターフェース要素は、関連付けられた要素を介してアクセス可能とすることができる。物理的なラウドスピーカーの較正は、関連付けられた要素を介してインタラクトすることによって実行することができる。較正は、例えば、色、時間オフセット、及びオーディオのレベルを設定することを伴うことができる。バス設定は、バスラウドスピーカーと関連付けられたユーザーインターフェース要素を介してインタラクトすることによって変更することができる。
【0030】
ラウドスピーカー及びウーファーの内部状態に関する情報は、関連付けられた要素を介してインタラクトすることによって見ることができる。例えば、エラー状態は、エラー状態を生成する物理的なラウドスピーカーと関連付けられたユーザーインターフェース要素の色を例えば赤色に変化させることによってユーザーにシグナリングすることができる。別の例として、動作状態は、ユーザーインターフェース要素の色を青色又は緑色等の別の色に変化させることによってシグナリングすることができる。制御デバイス110が、物理的なラウドスピーカーに送信されたメッセージに対する応答を受信することができない場合、関連付けられたユーザーインターフェース要素を灰色にすることもできるし、これを示すように別の方法で変更することもできる。
【0031】
幾つかの実施形態では、制御デバイス110は、マルチラウドスピーカーシステムに含まれるラウドスピーカー及びサブウーファーを、例えば周期的にポーリングする。ユーザーは、制御デバイス110のユーザーインターフェースに表示されるどのようなデータを見ることを好むのかを構成することができる。含めることができる可能なデータは、以下のもののうちの少なくとも1つを含む。
・ステータス情報はなく、各ラウドスピーカーと関連付けられた要素のみを見ることができる。
・ラウドスピーカー名
・各ラウドスピーカー及び各サブウーファーに到達する信号レベル並びに各ラウドスピーカー及び各サブウーファーから出て行く信号レベル
・選択されたオーディオチャンネル
・バス制御状態、例えば、オン/オフ及び周波数設定
・電子機器及び/又はドライバー及び/又はそれらの部品の温度(複数の場合もある)等の内部温度
・信号クリップの発生及びそのインジケーターステータス
・ラウドスピーカー又はサブウーファーがオンである時間の長さ
・ラウドスピーカー又はサブウーファーの少なくともセクションに存在する電圧
・ラウドスピーカー又はサブウーファーの少なくともセクションに存在する電流
・ドライバーの抵抗
【0032】
ユーザーが関連付けられた要素を移動させるロケーションに基づいてオーディオチャンネルを物理的なラウドスピーカーに割り当てることに加えて、又はこれに代えて、そのロケーションに基づいて、サブフレームの受信を物理的なラウドスピーカーに割り当てることができる。サブフレームは、例えば、1つのデータストリームがこのストリームに符号化された幾つかのオーディオチャンネルを搬送することを可能にするAES/EBU(AES−3)フォーマット済みデータストリームのデジタルオーディオ送信ストリームに含めることができる。ユーザーは、関連付けられたユーザーインターフェース要素とインタラクトすることによって、物理的なラウドスピーカーへのサブフレームの割り当てを変更することもできるし、サブフレームを物理的なラウドスピーカーに割り当てることもできる。他の可能性には、ユーザーが、物理的なラウドスピーカーの関連付けられたユーザーインターフェース要素とインタラクトすることによって、それらの物理的なラウドスピーカーをともにグループにグルーピングすることを可能にすること、及び/又は物理的なラウドスピーカー若しくは物理的なラウドスピーカーのグループのバス管理の制御を可能にすることが含まれる。
【0033】
図3は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態をサポートすることが可能な一例の装置を示している。例えば、
図1の制御デバイス110を含むことができるデバイス300が示されている。デバイス300には、プロセッサ310が含まれている。このプロセッサは、例えば、シングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサを含むことができ、シングルコアプロセッサは1つの処理コアを備え、マルチコアプロセッサは2つ以上の処理コアを備える。プロセッサ310は、例えば、Qualcomm Snapdragon800プロセッサを含むことができる。プロセッサ310は、2つ以上のプロセッサを含むことができる。処理コアは、例えば、Intel Corporation社によって製造されたCortex−A8処理コア又はAdvanced Micro Devices Corporation社によって作製されたBrisbane処理コアを含むことができる。プロセッサ310は、少なくとも1つの特定用途向け集積回路ASICを含むことができる。プロセッサ310は、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイFPGAを含むことができる。プロセッサ310は、デバイス300において方法ステップを実行する手段とすることができる。プロセッサ310は、動作を実行するように、少なくとも部分的にコンピューター命令によって構成することができる。
【0034】
デバイス300は、メモリ320を備えることができる。メモリ320は、ランダムアクセスメモリ及び/又は永久メモリを備えることができる。メモリ320は、少なくとも1つのRAMチップを備えることができる。メモリ320は、例えば、磁気メモリ、光メモリ、及び/又はホログラフィックメモリを備えることができる。メモリ320は、プロセッサ310に少なくとも部分的にアクセス可能とすることができる。メモリ320は、情報を記憶する手段とすることができる。メモリ320は、プロセッサ310が実行するように構成されたコンピューター命令を含むことができる。プロセッサ310に幾つかの動作を実行させるように構成されたコンピューター命令が、メモリ320に記憶されているとともに、デバイス300が全体的に、メモリ320からのコンピューター命令を用いるプロセッサ310の指示の下で動作するように構成されている場合、プロセッサ310及び/又はその少なくとも1つの処理コアは、上記幾つかの動作を実行するように構成されているとみなすことができる。
【0035】
デバイス300は、送信機330を備えることができる。デバイス300は、受信機340を備えることができる。送信機330及び受信機340は、少なくとも1つのセルラー標準規格又は非セルラー標準規格に従って情報をそれぞれ送信及び受信するように構成することができる。送信機330は、2つ以上の送信機を含むことができる。受信機340は、2つ以上の受信機を含むことができる。送信機330及び/又は受信機340は、例えば、イーサネット標準規格、Bluetooth標準規格、及び/又はユニバーサルシリアルバスUSB標準規格に従って動作するように構成することができる。
【0036】
デバイス300は、ユーザーインターフェースUI360を備えることができる。UI360は、ディスプレイ、キーボード、タッチスクリーン、及びマウスのうちの少なくとも1つを備えることができる。ユーザーは、例えば、構成されたラウドスピーカーを受け入れるようにUI360を介してデバイス300を動作させることが可能であり得る。
【0037】
プロセッサ310は、プロセッサ310から、デバイス300の内部の電気リード線を介して、デバイス300に含まれる他のデバイスに情報を出力するように構成された送信機を備えることができる。そのような送信機は、例えば、少なくとも1つの電気リード線を介して情報を記憶のためにメモリ320に出力するように構成されたシリアルバス送信機を含むことができる。シリアルバスに代えて、送信機は、パラレルバス送信機を含むことができる。さらに、プロセッサ310は、デバイス300に含まれる他のデバイスから、デバイス300の内部の電気リード線を介して、プロセッサ310において情報を受信するように構成された受信機を備えることができる。そのような受信機は、例えば、受信機340から少なくとも1つの電気リード線を介して情報を、プロセッサ310における処理のために受信するように構成されたシリアルバス受信機を含むことができる。シリアルバスに代えて、受信機は、パラレルバス受信機を含むことができる。
【0038】
デバイス300は、
図3に図示していない更なるデバイスを備えることができる。幾つかの実施形態では、デバイス300には、上記で説明した少なくとも1つのデバイスが存在しない。
【0039】
プロセッサ310、メモリ320、送信機330、受信機340、NFC送受信機350、UI360、及び/又はユーザー識別モジュール370は、数多くの異なる方法でデバイス300の内部の電気リード線によって相互接続することができる。例えば、前述のデバイスのそれぞれをデバイス300の内部のマスターバスに別々に接続して、それらのデバイスが情報を交換することを可能にすることができる。しかしながら、当業者であれば理解するように、これは、1つの例にすぎず、実施形態に応じて、前述のデバイスのうちの少なくとも2つを相互接続する様々な方法を、本発明の範囲から逸脱することなく選択することができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、制御デバイス110は、サブウーファー位相の較正をトリガーして、サブウーファーとモニターラウドスピーカーとの間で位相を位置合わせすることができる。詳細には、サブウーファー位相は、オーディオ再生の担当がモニターラウドスピーカーからサブウーファーに移行する周波数においてモニターラウドスピーカーの位相と一致するように調整することができる。
【0041】
制御デバイス110は、サブウーファーとの較正に最適なモニターラウドスピーカーを選択するように構成することができる。例えば、サブウーファーに最も近く及び/又は同じ一般的方向に音を送信するラウドスピーカーをこの目的に選択することができる。制御デバイス110は、サブウーファー位相を調整することを可能にする測定イベントをトリガーすることができ、それによって取得された測定データは、例えば、最大キャンセル(maximal cancellation)方法又はフーリエ解析方法を用いて処理することができる。
【0042】
最大キャンセル方法では、以下の一連の段階を実行することができる。この方法におけるテスト信号は、例えば、再生の担当がサブウーファーに移行する、上述した周波数における正弦波とすることができる。これは、位相が正弦波信号では曖昧でないことから有益である。
・第1のテスト信号がサブウーファーに供給され、そのレベルが測定される。
・第2のテスト信号がモニターラウドスピーカーに供給され、そのレベルが測定される。
・これらの測定されたレベルが一致するように、第1のテスト信号及び/又は第2のテスト信号のレベルが調整される。
・その後、双方のテスト信号が、正確な同じ時間に起動され、これらのテスト信号は、音源地点において同じ位相で発生する。
・結果の合計音レベルが測定され、サブウーファーの位相が調整されて、この合計音の最小音レベルが取得される。
・この測定において取得された位相値は、次に、2πラジアンに等しい180度だけシフトされ、この変更された位相値が、その後、サブウーファーにおいて用いられる。幾つかの実施形態では、このシフトは、正確に180度ではないが、同様の結果を生み出すように180度に十分近い。
【0043】
フーリエ解析方法では、マルチラウドスピーカーシステムのインパルス応答が求められ、特定のラウドスピーカー又はサブウーファーのインパルス応答の推定値が得られる。この推定値から、複素数値フーリエ変換を取得することができる。この複素数値フーリエ変換の実部及び虚部によって、周波数ごとの位相推定値を求めることが可能になる。この原理に基づく較正方法は、以下の一連の段階を含むことができる。
・所定のテスト信号に対する一組のサブウーファー及び一組のラウドスピーカーのそれぞれの応答が、マイクロフォンを用いて1つずつ測定される。
・各サブウーファー及び各ラウドスピーカーのインパルス応答の推定値が、次に、このデータを用いて求められる。
・インパルス応答の開始が、サブウーファー及びラウドスピーカーごとに求められる。この開始の前の時間の長さは、様々な電気的遅延及び測定遅延、並びに放出とマイクロフォンにおける測定との間の音の伝播時間を含む。
・インパルス応答の開始が、個々のサブウーファー及びラウドスピーカーに固有の時間遅延を調整することによって同時に起こるように同期される。上記のように取得された遅延は、ラウドスピーカー及びサブウーファーが、見かけ上、マイクロフォンから等しい距離に位置するために必要とする補正値である。
・幾つかのマイクロフォンロケーションの場合に、位置のうちの1つが、この点に関して測定地点として選択される(主要位置)。
・電子機器、コンピューターデータ処理、及びオーディオの伝播時間に対応する、インパルス応答の開始に現われる遅延は、この時、除去することができる。これは、次の位相の精度をそれによって高めることができるので有益である。
・次に、インパルス応答を時間ウィンドウイング(time-windowed)して、部屋の反響音が種々の周波数においてインパルス応答推定値にどれだけ影響を与えるのかの選択を可能にすることができる。
・インパルス応答のフーリエ変換が、次に、例えば、高速フーリエ変換FFTを用いることによって取得される。これは、テスト信号が、デジタルサンプリングされた形態で存在するので可能である。
・このフーリエ変換の結果は、通常、複素数値列であり、この列内の各値は、実部及び虚部を有する。これらの比に基づいて、フーリエ変換に存在する各周波数において位相を推定することができる。
・上記のように取得された位相値を比較することによって、サブウーファー位相をモニターラウドスピーカーと同相に設定するには、サブウーファー位相をどれだけ調整する必要があるのかを求めることが可能である。
【0044】
このフーリエ方法では、テスト信号は、通常、周波数応答が測定される周波数上にエネルギーを有する広帯域信号である。ランダム雑音又は擬似ランダム雑音を用いることができる。或るレートで変化する周波数を有する正弦波信号を、全ての測定周波数において最大エネルギー密度を与えるように設計することができる。そのような信号は、測定の信号対雑音比を最大化することができる。そのような正弦波信号における周波数変化のレートを調整することによって、この信号の電力密度の調整が可能になる。
【0045】
このフーリエ方法の追加の利点は、測定されたデータによって、ともに動作しているラウドスピーカー及びサブウーファーの結合応答(joint response)を推定することも可能になるということである。このフーリエ方法は、結合応答が所定の基準を満たすようにサブウーファー位相を最適化することも可能にする。そのような基準の一例は、動作の選択された帯域にわたる応答が可能な限り平坦であるということである。
【0046】
幾つかの実施形態では、ユーザーは、サブウーファーと関連付けられたユーザーインターフェース要素とインタラクトすることによって、求められた応答を視認することができる。ユーザーは、関連付けられたユーザーインターフェース要素、例えばモニターアイコンを選択することによって、或るサブウーファーを用いて較正するモニターラウドスピーカーを選択することができる。ユーザーは、次に、例えば、ユーザーインターフェース上のマイクロフォンアイコンを起動することによって、較正をトリガーすることができる。
【0047】
本発明の幾つかの実施形態は、マルチラウドスピーカーシステムの応答の自動較正を可能にする。部屋は、ラウドスピーカーの応答に影響を与え、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に従って動作するシステムは、可聴音の歪みが低減されるように、周波数応答の逸脱に対する必要な補償を求めることを可能にする。このプロセスは、等化として知られている。
【0048】
等化は、以下の段階を含むことができる。
・トリガー後、しばらくの間待機して、ユーザーが部屋を出て行くことを可能にするようにシステムを構成することができる。この待機は、例えば、5秒又は10秒の待機を含むことができる。
・テスト信号の生成を開始するように、システムに存在する各サブウーファー及びラウドスピーカーに命令することができる。
・制御デバイス又はアダプターに、測定データの記録を開始するように命令することができる。
・時間領域基準信号又は標示(delineation)信号を記録デバイスによってレコーダー測定データに導入し、信号生成の開始を示すことができる。
・マイクロフォンから到着した測定データが記録され、例えば、ユニバーサルシリアルバスUSBインターフェースを介して制御デバイスによってコンピューターに利用可能にされる。コンピューターは、制御デバイスに含まれる場合がある。
・制御デバイスが、到来するデータを、コンピューターへの転送前に記憶する。
・測定プロセス中に、測定された信号のレベルを監視することができる。このレベルは、測定の信号対雑音比に対応する。このレベルが過度に低い場合、測定が行われる部屋内に行き渡っている雑音に対して十分なレベルを取得するために、サブウーファー若しくはラウドスピーカーにそれらの出力レベルを高めるように命令することができ、及び/又はマイクロフォン入力の感度を制御デバイスにおいて高めることができる。
・この測定プロセスは、システムに存在する各ラウドスピーカー及びサブウーファー並びにアクティブなグループの構成要素について繰り返される。
【0049】
測定イベント後、以下の段階を実行することができる計算をトリガーすることができる。
・記録された測定データ及び事前に知られているテスト信号に基づいて、インパルス応答推定値が、アクティブグループ内の各サブウーファー及びラウドスピーカーについて求められる。FFT変換及び逆FFT変換、すなわちiFFT変換を用いて、インパルス応答を周波数領域における比として計算することができる。FFTを用いて、時間領域信号を周波数領域に変換することができ、iFFTを用いて、入力信号及び出力信号の変換の結果の比を時間領域に戻すことができる。
・インパルス応答推定値に存在する技術的な遅延成分が除去される。この技術的な遅延成分は、システムの様々な遅延を含み、その長さは、アダプターデバイスによって生成された標示信号を用いて求めることができる。
・ウィンドウイングを用いて、測定遅延をインパルス応答から除去することができる。
・周波数選択性ウィンドウイングを用いて、インパルス応答に対する部屋の影響を低減することができる。
・周波数応答が、フーリエ変換方法を用いて結果のインパルス応答から求められる。この周波数応答は、複素数値列である。
・フーリエ変換に存在する各周波数における音レベルの推定値が、複素数値列内の複素数値の大きさから求められる。
・結果の周波数応答をユーザーに図的に提示することができる。
【0050】
応答を求めた後、システムは、応答補償フィルター係数決定手順をトリガーすることができる。部屋の応答の影響は、部屋によって引き起こされる歪みを低減するフィルタリングによって制御される。補償フィルターの係数を求めることは、以下の段階を含むことができる。
・最適化方法、例えば非線形最適化方法を初期値に初期化することができる。初期値は、応答が種々の周波数帯域において大域的及び局所的に最大となる周波数の知見に基づくことができる。ヒューリスティックスを用いて、補償係数をそれらの周波数に設定することができる。
・最適化を開始することができる。その目的は、最良の補償が得られるように、フィルターの中心周波数、幅、及び増幅を調整することである。
・最適化は、最適化プロセスが意図したターゲットから遠く離れている場合に大きな値を取得することを目的としたコスト関数を用いることができる。ターゲットは、通過帯域における局所的なレベルが、一定の音レベル又は単調減少する音レベルのいずれかから大きく逸脱していない応答である。代替的に、通過帯域における局所的な逸脱は、別の周波数応答に関して最小化することができる。
・最適化に供給される情報が、広帯域の現象がより大きな重みを受け取るように形成される。これを行うことの目的は、人間の耳が、狭帯域の逸脱と比較して、一定の音圧レベル又は単調変化する音圧レベルに対する広帯域のレベルの逸脱の方が、その音色を知覚することに対する感度が高いということである。
・このコスト関数は、次に、当該コスト関数の十分に低い値が得られるまで最適化を駆動するのに用いられる。
・この時点で、結果のフィルター係数がデータファイルに記録され、これらのフィルター係数がフィルターに適用されるそれぞれのラウドスピーカー及びサブウーファーに送信される。
【0051】
イコライザーフィルター係数に加えて、オーディオ信号の送信からインパルス応答の開始までに経過する時間遅延も判明している。この時間遅延は、サブウーファー又はラウドスピーカーからマイクロフォンまでの伝播時間を反映している。各デバイスの伝播時間が測定されると、各ラウドスピーカー及びサブウーファーの伝播時間が同じに見えるように遅延を調整することができる。この遅延補償を可能にするために、各ラウドスピーカー及びサブウーファーは、調整可能な遅延成分を含む。ユーザーインターフェース又は制御デバイス内の別の機能は、各ラウドスピーカー及びサブウーファーにおける遅延を自動的に調整することができる。
【0052】
上記のように求められたフィルター係数は、それぞれのラウドスピーカー又はサブウーファーと関連付けられたユーザーインターフェース要素とインタラクトすることによって、ユーザーインターフェースを介して確認及び/又は調整することができる。係数を確認すると、ラウドスピーカー及びサブウーファーをユーザーに図的に提示することができる。2つ以上のフィルター設定の提示ウィンドウが一時にオープンするようにして、ユーザーが一時に2つ以上のラウドスピーカーの係数を確認することを可能にすることができる
【0053】
個々のラウドスピーカー又はサブウーファーの特性を表示するビューには、個々のラウドスピーカー若しくはサブウーファー又はそれらのグループの測定プロセスをトリガーするオプションをユーザーに提示することができる。これによって、単一のラウドスピーカー又はラウドスピーカー及びサブウーファーのグループを調べることが可能になる。これによって、ラウドスピーカー及び/又はサブウーファーのグループの組み合わさった応答の測定も可能になり、それらの結合応答の確認が可能になる。これによって、サブウーファーを、制御デバイス110に接続されていないメインラウドスピーカーとともにシステムとして機能するように制御デバイス110によって較正することを可能にすることができる。
【0054】
図4は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態による第1の方法の第1のフローチャートである。図示した方法の段階は、例えば、制御デバイス110において実行することもできるし、制御デバイス110が、これらの段階の実行を少なくとも部分的に引き起こすこともできる。
【0055】
段階410は、空間表現及び少なくとも1つの要素を備えるグラフィカルユーザーインターフェースを装置において提示することを含む。少なくとも要素のそれぞれは、特定の物理的なラウドスピーカーと関連付けられている。段階420は、空間表現内において少なくとも1つの要素に含まれる第1の要素を移動させることに関係した入力を受信することを含む。段階430は、第1の要素と関連付けられた物理的なラウドスピーカーにおいて知覚信号を起動することを含む。知覚信号は、ユーザーが空間表現において第1の要素を移動させている時間の間、放出させることができる。段階440は、第1の要素が移動された空間表現内のロケーションを決定することを含む。この決定することは、ユーザーが第1の要素を手放したロケーション又はユーザーが第1の要素をドラッグしたロケーションを決定することを含むことができる。最後に、段階450は、求められたロケーションに少なくとも部分的に基づいて、第1の要素及びこの第1の要素と関連付けられた物理的なラウドスピーカーのうちの少なくとも一方に名称を割り当てることを含む。
【0056】
図5は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態によるユーザーインターフェースの一例のビューである。
図5の例では、ユーザーインターフェースは、ラウドスピーカーのグループを定義するためにユーザーによって用いられている。ラウドスピーカーのグループは、マルチラウドスピーカーシステム内で接続されたラウドスピーカーのサブセットを含むことができる。例えば、
図5に示すように、テキスト入力フィールドをユーザーに提供することによって、ラウドスピーカーのグループに名称を割り当てることができる。
【0057】
名称に加えて、グループを信号タイプと関連付けることができる。この信号タイプは、アナログ信号、及び例えばAES/EBU信号等のデジタル信号を含むリストから選択可能とすることができる。
【0058】
開示される本発明の実施形態は、本明細書において開示される特定の構造、プロセスステップ又は材料に限定されるのではなく、当業者によって認識されるようなその均等物に拡張されることは理解されたい。また、本明細書において利用される用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ用いられており、制限することは意図していないことも理解されたい。
【0059】
本明細書を通して「1つの実施形態」又は「一実施形態」を参照することは、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して種々の場所において「1つの実施形態では」又は「一実施形態では」という言い回しが現れても、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているとは限らない。
【0060】
本明細書において用いられるとき、複数の物品、構造的要素、組成的要素及び/又は材料は、便宜上、共通のリストにおいて提示される場合がある。しかしながら、これらのリストは、そのリストの各構成要素が個別の、かつ特有の構成要素として個々に識別されるかのように解釈されるべきである。したがって、そのようなリストの個々の構成要素は、それとは反対に示されない限り、単に共通のグループにおいて提示されることだけに基づいて同じリストの任意の他の構成要素と事実上同等であると解釈されるべきではない。さらに、本発明の種々の実施形態及び例は、本明細書において、その種々の構成要素に代わる代替形態とともに参照される場合がある。そのような実施形態、例及び代替形態は、互いに事実上同等と解釈されるべきではなく、本発明の別々の独立した表現とみなされるべきであることは理解されたい。
【0061】
さらに、説明された特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の適切なやり方で組み合わせることができる。以下の説明において、本発明の実施形態を完全に理解してもらうために、長さ、幅、形状等の例のような数多くの具体的な詳細が与えられる。しかしながら、それらの具体的な詳細のうちの1つ若しくは複数を用いることなく、又は他の方法、構成要素、材料等を用いて、本発明を実施できることは、当業者は認識されよう。他の事例では、本発明の態様を曖昧にするのを避けるために、既知の構造、材料又は動作は詳細には図示又は説明されない。
【0062】
上記の例は1つ又は複数の特定の応用形態において本発明の原理を例示するが、発明能力を訓練することなく、また、本発明の原理及び概念から逸脱することなく、実施態様の形態、使用法及び細部に関して数多くの変更を加えることができることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、以下に記載される特許請求の範囲による場合を除いて、制限されることは意図していない。