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特開2021-132419無瞬停電源装置及びこれを備える無瞬停電源システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-132419(P2021-132419A)
(43)【公開日】2021年9月9日
(54)【発明の名称】無瞬停電源装置及びこれを備える無瞬停電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20210813BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20210813BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20210813BHJP
【FI】
   H02J9/06 120
   H02J13/00 301A
   H02J13/00 311A
   H02J7/34 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-24987(P2020-24987)
(22)【出願日】2020年2月18日
(71)【出願人】
【識別番号】516171137
【氏名又は名称】株式会社カイレン・テクノ・ブリッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】洪 崇富
(72)【発明者】
【氏名】建部 卓也
【テーマコード(参考)】
5G015
5G064
5G503
【Fターム(参考)】
5G015FA02
5G015JA21
5G015JA52
5G015KA03
5G064AA01
5G064AC05
5G064AC09
5G064DA06
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA05
5G503GB03
5G503GB06
(57)【要約】
【課題】接続される各機器の状況に応じた効率のよい給電や、各機器の漏電などの異常の把握・安全確保、バッテリ残容量に応じた各機器への効率のよい給電の運用、これらの遠隔地での一括管理が可能となる無瞬停電源装置および無瞬停電源システムを提供せんとする。
【解決手段】電源出力口33、34に通じる各機器への電源供給路102に設けられ、各電源出力口を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段14と、各機器との間で信号の授受を行う単又は複数の入出力接点12と、入出力接点12を通じて各機器の状態情報を取得する状態情報取得部4とを有し、電源供給制御部4は、各機器の状態情報に基づいて作成される制御信号の入力を受け、該制御信号に基づき切り替え手段14によるON/OFFの切り替え動作を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを内蔵し、一つ以上の電源入力口、複数の電源出力口、及び前記電源出力口に接続された各機器への電源供給を制御する電源供給制御部を備える無瞬停電源装置であって、
前記電源出力口に通じる各機器への電源供給路に設けられ、各電源出力口を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段と、
前記各機器との間で信号の授受を行う単又は複数の入出力接点と、
前記入出力接点を通じて各機器の状態情報を取得する状態情報取得部とを有し、
前記電源供給制御部は、各機器の状態情報に基づいて作成される制御信号の入力を受け、該制御信号に基づき前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を制御することを特徴とする無瞬停電源装置。
【請求項2】
バッテリを内蔵し、一つ以上の電源入力口、複数の電源出力口、及び前記電源出力口に接続された各機器への電源供給を制御する電源供給制御部を備える無瞬停電源装置であって、
前記電源入力口に通じる電源入力路、及び前記電源出力口に通じる各機器への電源供給路に設けられ、各電源入力口および電源出力口を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段と、
前記電源入力路及び前記電源供給路に各々設けられる電力計センサと、
前記電力計センサにより前記電源入力路及び電源供給路の各々を流れる電力量の情報を取得する電力量情報取得部とを有し、
前記電源供給制御部は、前記電力量の情報に基づいて作成される制御信号の入力を受け、該制御信号に基づき前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を制御することを特徴とする無瞬停電源装置。
【請求項3】
バッテリを内蔵し、一つ以上の電源入力口、複数の電源出力口、及び前記電源出力口に接続された各機器への電源供給を制御する電源供給制御部を備える無瞬停電源装置であって、
前記電源入力口に通じる電源入力路、及び前記電源出力口に通じる各機器への電源供給路に設けられ、各電源入力口および電源出力口を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段と、
前記バッテリの電気容量を検出する電気容量センサと、
前記電気容量センサを通じて前記バッテリの電気容量の情報を取得するバッテリ容量情報取得部とを有し、
前記電源供給制御部は、前記バッテリの電気容量の情報に基づいて作成される制御信号の入力を受け、該制御信号に基づき前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を制御することを特徴とする無瞬停電源装置。
【請求項4】
請求項1記載の無瞬停電源装置と、
前記無瞬停電源装置に通信接続される管理コンピュータとを備える無瞬停電源システムであって、
前記管理コンピュータは、
前記各機器の状態情報を受信する状態情報受信処理部と、
前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を命令する制御信号を生成し、これを無瞬停電源装置に送信する制御信号生成処理部を備える、無瞬停電源システム。
【請求項5】
請求項2記載の無瞬停電源装置と、
前記無瞬停電源装置に通信接続される管理コンピュータとを備える無瞬停電源システムであって、
前記管理コンピュータは、
前記電源入力路及び電源供給路の各々を流れる電力量の情報を受信する電力量情報受信処理部と、
前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を命令する制御信号を生成し、これを無瞬停電源装置に送信する制御信号生成処理部を備える、無瞬停電源システム。
【請求項6】
請求項3記載の無瞬停電源装置と、
前記無瞬停電源装置に通信接続される管理コンピュータとを備える無瞬停電源システムであって、
前記管理コンピュータは、
前記バッテリの電気容量の情報を受信するバッテリ容量情報受信処理部と、
前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を命令する制御信号を生成し、これを無瞬停電源装置に送信する制御信号生成処理部を備える、無瞬停電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー内蔵の無瞬停電源装置(UPS(Uninterruptible Power Supply)及びこれを備える無瞬停電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無瞬停(無停電)電源装置は、企業等に設置のサーバーやパーソナルコンピュータ、通信設備など様々の機器に対し、停電時にも継続して給電することを目的としている。
これら無瞬停電源装置の複数を遠隔で管理するシステムも提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
しかし、無瞬停電源装置に接続されている各機器への電源供給を細かく監視・制御できる簡易な管理システムは存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−254459号公報
【特許文献2】特開2015−15820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、接続される各機器の状況に応じた効率のよい給電や、各機器の漏電などの異常の把握・安全確保、バッテリ残容量に応じた各機器への効率のよい給電の運用、これらの遠隔地での一括管理が簡易な構造で実現可能となる無瞬停電源装置および無瞬停電源システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の発明を包含する。
(1) バッテリを内蔵し、一つ以上の電源入力口、複数の電源出力口、及び前記電源出力口に接続された各機器への電源供給を制御する電源供給制御部を備える無瞬停電源装置であって、前記電源出力口に通じる各機器への電源供給路に設けられ、各電源出力口を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段と、前記各機器との間で信号の授受を行う単又は複数の入出力接点と、前記入出力接点を通じて各機器の状態情報を取得する状態情報取得部とを有し、前記電源供給制御部は、各機器の状態情報に基づいて作成される制御信号の入力を受け、該制御信号に基づき前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を制御することを特徴とする無瞬停電源装置。
【0007】
(2) バッテリを内蔵し、一つ以上の電源入力口、複数の電源出力口、及び前記電源出力口に接続された各機器への電源供給を制御する電源供給制御部を備える無瞬停電源装置であって、前記電源入力口に通じる電源入力路、及び前記電源出力口に通じる各機器への電源供給路に設けられ、各電源入力口および電源出力口を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段と、前記電源入力路及び前記電源供給路に各々設けられる電力計センサと、前記電力計センサにより前記電源入力路及び電源供給路の各々を流れる電力量の情報を取得する電力量情報取得部とを有し、前記電源供給制御部は、前記電力量の情報に基づいて作成される制御信号の入力を受け、該制御信号に基づき前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を制御することを特徴とする無瞬停電源装置。
【0008】
(3) バッテリを内蔵し、一つ以上の電源入力口、複数の電源出力口、及び前記電源出力口に接続された各機器への電源供給を制御する電源供給制御部を備える無瞬停電源装置であって、前記電源入力口に通じる電源入力路、及び前記電源出力口に通じる各機器への電源供給路に設けられ、各電源入力口および電源出力口を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段と、
前記バッテリの電気容量を検出する電気容量センサと、前記電気容量センサを通じて前記バッテリの電気容量の情報を取得するバッテリ容量情報取得部とを有し、前記電源供給制御部は、前記バッテリの電気容量の情報に基づいて作成される制御信号の入力を受け、該制御信号に基づき前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を制御することを特徴とする無瞬停電源装置。
【0009】
(4) (1)記載の無瞬停電源装置と、前記無瞬停電源装置に通信接続される管理コンピュータとを備える無瞬停電源システムであって、前記管理コンピュータは、前記各機器の状態情報を受信する状態情報受信処理部と、前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を命令する制御信号を生成し、これを無瞬停電源装置に送信する制御信号生成処理部を備える、無瞬停電源システム。
【0010】
(5) (2)記載の無瞬停電源装置と、前記無瞬停電源装置に通信接続される管理コンピュータとを備える無瞬停電源システムであって、前記管理コンピュータは、前記電源入力路及び電源供給路の各々を流れる電力量の情報を受信する電力量情報受信処理部と、前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を命令する制御信号を生成し、これを無瞬停電源装置に送信する制御信号生成処理部を備える、無瞬停電源システム。
【0011】
(6) (3)記載の無瞬停電源装置と、前記無瞬停電源装置に通信接続される管理コンピュータとを備える無瞬停電源システムであって、前記管理コンピュータは、前記バッテリの電気容量の情報を受信するバッテリ容量情報受信処理部と、前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を命令する制御信号を生成し、これを無瞬停電源装置に送信する制御信号生成処理部を備える、無瞬停電源システム。
【発明の効果】
【0012】
以上にしてなる本願発明によれば、各機器との間で信号の授受を行う単又は複数の入出力接点と、入出力接点を通じて各機器の状態情報を取得する状態情報取得部と、電源出力口を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段とを有し、電源供給制御部は、各機器の状態情報に基づいて作成される制御信号の入力を受け、該制御信号に基づき切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を制御するので、各機器が動作不安定やフリーズになってしまったような異常が生じた場合に、当該機器への給電を停止すること等、各機器の状況に応じて電源出力口からの給電を個別管理し、効率のよい給電を簡易に行うことができる。
【0013】
また、電源入力路及び前記電源供給路に各々設けられる電力計センサと、電力計センサにより電源入力路及び電源供給路の各々を流れる電力量の情報を取得する電力量情報取得部と、電源入力口および電源出力口を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段とを有し、電源供給制御部は、前記電力量の情報に基づいて作成される制御信号の入力を受け、該制御信号に基づき切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を制御するものでは、電源入力路や電源供給路に通常よりも大きな電流が流れたような漏電等の異常事態が発生した場合に、当該電力回路への給電を停止する等、状況に応じて入力口又は出力口をON/OFF制御し、素早く安全確保することが簡易に可能になる。
【0014】
また、バッテリの電気容量を検出する電気容量センサと、電気容量センサを通じてバッテリの電気容量の情報を取得するバッテリ容量情報取得部と、電源入力口および電源出力口を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段とを有し、電源供給制御部は、前記バッテリの電気容量の情報に基づいて作成される制御信号の入力を受け、該制御信号に基づき前記切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を制御するものでは、バッテリの残容量に基づき、効率のよい運用、より適した給電を簡易に実現できる。
【0015】
また、本発明の無瞬停電源装置に通信接続される管理コンピュータを備えた無瞬停電源システムとすることにより、管理コンピュータは、上記各機器の状態情報や無瞬停電源装置の電力回路の電力量、バッテリ容量などの情報を受信し、無瞬停電源装置の切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を命令する制御信号を生成・送信できるので、遠隔地にて、いつでもどこでも接続機器を一括管理し、必要に応じて電源入出力口の個別制御ができる多機能な無瞬停電源システムをコストを掛けることなく簡易に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の代表的実施形態に係る無瞬停電源システムの構成を示す説明図。
図2】(a)は入力口切り換えモジュールの構成を示すブロック図、(b)は出力口切り換えモジュールの構成を示すブロック図。
図3】無瞬停電源装置の制御部の構成を示すブロック図。
図4】管理コンピュータの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の代表的実施形態に係る無瞬停電源装置及びこれを備える無瞬停電源システムについて、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
本実施形態にかかる無瞬停電源装置1は、図1に示すように、バッテリ(蓄電池)2を内蔵し、一つ以上の電源入力口(AC入力口31、DC入力口32)、複数の電源出力口(AC出力口33、DC出力口34)、及び少なくとも電源出力口(33/34)に接続される各機器への電源供給を制御する電源供給制御部(制御部4)を備えている。バッテリ2は、バッテリの保護・安全・性能確保のためのBMS(Battery Management Systems)20やバッテリの電気容量を検出する電気容量センサ21を備え、制御部4によりBMS20を介してバッテリの状態を把握できる。
【0019】
また、無瞬停電源装置1は、遠隔の管理センターの管理コンピュータ5と通信ネットワークNを通じて通信接続するための通信モジュール11と、電源供給する各機器や、各機器に付属の、或いは他の別電源(乾電池など)で動作する独立のセンサ、スイッチ、ライト、ブザーなどと信号の授受を行い、遠隔監視するための入出力信号モジュール12と、入力口31/32を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段としての入力口切り換えモジュール13と、出力口33/34を個別に又は複数一括してON/OFF切り替え制御する切り替え手段としての出力口切り換えモジュール14と、バッテリ2への入力路101に設けられるAC/DCコンバータ15及びDC/DCコンバータ16と、バッテリ2からの供給路102に設けられるDC/ACインバータ17及びDC/DCコンバータ18と、AC入力を直接出力するためのバイパス路103を開閉する制御器19を備えている。
【0020】
入力口切り換えモジュール13は、図1に示すように、電源入力路101のAC入力口31とAC/DCコンバータ15の間の位置、及びDC入力口32とDC/DCコンバータ16の間の位置に、それぞれ設けられている。また、出力口切り換えモジュール14は、電源供給路102のDC/ACインバータ17とAC出力口33の間の位置、及びDC/DCコンバータ18とDC出力口34との間の位置にそれぞれ設けられている。
【0021】
バイパス路103は、電源入力路101のAC入力口31と上記入力口切り換えモジュール13の間の位置から分岐し、電源供給路102のDC/ACインバータ17と出力口切り換えモジュール14の間の位置に接続する回路であり、分岐または接続位置に上記制御器19が設けられる。
【0022】
入出力信号モジュール12は、I/O(入出力)接点などを備える。入力接点としては、公知のフォトカプラ絶縁型接点入力端子などを用いることができ、出力接点には公知のリレー絶縁型の接点出力端子などを用いることができる。この入出力信号モジュール12により当該接点に接続された機器を簡単にIOT化でき、遠隔での状態監視や制御が実現されることになる。具体的には、上述のとおり独自の電源を有するセンサやスイッチなどを接続して各機器と連携動作させることも可能であり、たとえば独立電源(乾電池など)を有する人感センサからの入力変化を検知して、所定の機器への出力接点動作あるいは電源供給を制御するようなことが可能となる。
【0023】
入力口切り換えモジュール13は、図2(a)に示すように、入力口31/32をON/OFF切り替えする制御器131よりなり、さらに電力計センサ132が設けられている。出力口切り換えモジュール14は、図2(b)に示すように、出力口33/34をON/OFF切り替えする制御器141よりなり、さらに電力計センサ142が設けられている。本例ではこのように電力計センサ132、142が、それぞれ入力口切り換えモジュール13、出力口切り換えモジュール14の内部に設けられているが、電源入力路101、電源供給路102上の他の位置に独立して設けることも勿論できる。
【0024】
電源供給制御部は、制御部4のプログラムによる処理で実現される。制御部4は、マイクロプロセッサなどのCPUやMPUを主体に構成され、図示しないRAM、ROMからなる記憶部を有して各種処理動作の手順を規定するプログラムや処理データが記憶される。
【0025】
制御部4は、機能的には、図3に示すように、入出力信号モジュール12を通じて各機器の状態情報を取得し、管理コンピュータ5に送信する状態情報取得部としての状態取得処理部41と、電力計センサ132、142により電源入力路101及び電源供給路102の各々を流れる電力量の情報を取得し、管理コンピュータ5に送信する電力量情報取得部としての電力量取得処理部42と、電気容量センサ21(本例ではさらにBMS20)を通じてバッテリ2の電気容量の情報を取得し、管理コンピュータ5に送信するバッテリ容量情報取得部としてのバッテリ容量取得処理部43と、入力口の切り換え処理を行う入力口切り換え処理部441、及び出力口の切り換え処理を行う出力口切り換え処理部442からなる電源供給制御部44とを備えており、これら機能は上記プログラム等により実現される。
【0026】
電源供給制御部44は、より詳しくは、後述する管理コンピュータ5により、上記各機器の状態情報や電源入力路及び電源供給路の各々を流れる電力量、バッテリの電気容量の情報に基づき、作成される制御信号の入力を受け、該制御信号に基づき、入力口切り換え処理部441又は出力口切り換え処理部442により入力口/出力口のON/OFF切り替え動作を制御する。
【0027】
本実施形態にかかる無瞬停電源システムSは、図1に示すように、無瞬停電源装置1に対し、通信ネットワークNを介して通信接続される遠隔管理センサー等に設けられる管理コンピュータ5を備えている。通信ネットワークNは、遠隔地間の通信手段として既存のネットワークを利用できる。通信モジュール11には有線LANやWiFiまたは3G/4G/5G携帯電話通信網などを利用できる。
【0028】
管理コンピュータ5は、図4に示すように、処理装置50と記憶手段51とを備える単または複数のコンピュータで構成され、具体的には、処理装置50を中心に、記憶手段51、通信制御部52、図示しない入力操作手段としてポインティングデバイスやキーボード、ディスプレイなどよりなる従来から汎用されているコンピュータ装置を用いることができる。
【0029】
処理装置50は、マイクロプロセッサなどのCPUを主体に構成され、図示しないRAM、ROMからなる記憶部を有して各種処理動作の手順を規定するプログラムや処理データが記憶される。記憶手段51は、管理コンピュータ5内外のメモリやハードディスクなどからなる。管理コンピュータ5に通信接続された他のコンピュータのメモリやハードディスクなどで一部又は全部の記憶部の内容を記憶してもよい。
【0030】
処理装置50は、機能的には、無瞬停電源装置1から各機器の状態情報を受信し、当該情報を記憶手段51の状態記憶部51aに記憶する状態情報受信処理部50aと、当該各機器の状態情報に基づき、切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を命令する制御信号を生成し、これを無瞬停電源装置に送信する制御信号生成処理部50bと、無瞬停電源装置1から電源入力路101及び電源供給路102の各々を流れる電力量の情報を受信し、記憶手段51の電力量記憶部51bに記憶する電力量情報受信処理部50cと、当該電力量の情報に基づき、切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を命令する制御信号を生成し、これを無瞬停電源装置に送信する制御信号生成処理部50dと、無瞬停電源装置1からバッテリの電気容量の情報を受信し、記憶手段51のバッテリ容量記憶部51cに記憶するバッテリ容量情報受信処理部50eと、当該バッテリ容量の情報に基づき、切り替え手段によるON/OFFの切り替え動作を命令する制御信号を生成し、これを無瞬停電源装置1に送信する制御信号生成処理部50fとを備えており、これらの処理機能は上記プログラムにより実現される。
【0031】
無瞬停電源装置1はバッテリ2を内蔵するとともに、DC入力口32も備えているので、停電時も管理コンピュータ5への情報の送信は途絶えることなく行われ、管理コンピュータ5により確実に遠隔管理することが可能である。
【0032】
制御信号生成処理部50bが生成・送信する制御信号の例としては、各機器が動作不安定やフリーズになってしまったような異常な状態情報を取得した場合に、当該機器への給電をその間停止したり、正常に戻った場合に起動したりするべく、出力口切り換え処理部442により出力口のON/OFF切り替え動作を制御するための信号を生成することが考えられる。
【0033】
制御信号生成処理部50dが生成・送信する制御信号の例としては、電源入力路や電源供給路に通常よりも大きな電流が流れたような情報を取得した場合に、漏電等の異常事態が発生したとして、当該電力回路への給電を停止するべく、入力口切り換え処理部441又は出力口切り換え処理部442により該当する入力口又は出力口のON/OFF切り替え動作を制御するための信号を生成することが考えられる。
【0034】
また、制御信号生成処理部50fが生成・送信する制御信号の例としては、バッテリの残容量に基づき、効率のよい運用、より適した給電を実現するべく、入力口切り換え処理部441又は出力口切り換え処理部442により該当する入力口又は出力口のON/OFF切り替え動作を制御するための信号を生成することが考えられる。
【0035】
例えば、バッテリが満充電またはそれに近い容量の場合、外部入力電源よりもバッテリ電源を使用するべく、入力口切り換え処理部441により入力口をOFFにして停電モードにする制御信号を生成し、バッテリ容量が所定量以下になれば外部入力を再開する制御信号を生成するようなことや、とくに停電の場合において、バッテリの残容量に基づき、給電する機器を重要度に応じて選択するべく出力口切り換え処理部442による出力口のON/OFF切り替え動作を制御する信号を生成するようなことが考えられる。
【0036】
これら制御信号は無瞬停電源装置1から受けた情報に基づき、あらかじめ用意された制御信号から人が判断して選択(入力)するようにしてもよい。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、例えば、無瞬停電源装置の制御部における処理装置をコンピュータによるソフトウエア処理で構成する代わりに、一部又は全部をハードウエア処理回路で構成することも好ましく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
1 無瞬停電源装置
2 バッテリ
4 制御部
5 管理コンピュータ
11 通信モジュール
12 入出力信号モジュール
13 入力口切り換えモジュール
14 出力口切り換えモジュール
15 AC/DCコンバータ
16 DC/DCコンバータ
17 DC/ACインバータ
18 DC/DCコンバータ
19 制御器
20 BMS
21 電気容量センサ
31、32 入力口
33、34 出力口
41 状態取得処理部
42 電力量取得処理部
43 バッテリ容量取得処理部
44 電源供給制御部
50 処理装置
50a 状態情報受信処理部
50b 制御信号生成処理部
50c 電力量情報受信処理部
50d 制御信号生成処理部
50e バッテリ容量情報受信処理部
50f 制御信号生成処理部
51 記憶手段
51a 状態記憶部
51b 電力量記憶部
51c バッテリ容量記憶部
52 通信制御部
101 入力路
102 供給路
103 バイパス路
131 制御器
132 電力計センサ
141 制御器
142 電力計センサ
441 入力口切り換え処理部
442 出力口切り換え処理部
N 通信ネットワーク
S 無瞬停電源システム
図1
図2
図3
図4