(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-132748(P2021-132748A)
(43)【公開日】2021年9月13日
(54)【発明の名称】キャップ発射玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/18 20060101AFI20210816BHJP
A63H 31/00 20060101ALI20210816BHJP
【FI】
A63H33/18 G
A63H31/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-29579(P2020-29579)
(22)【出願日】2020年2月25日
(11)【特許番号】特許第6846553号(P6846553)
(45)【特許公報発行日】2021年3月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱 博之
(72)【発明者】
【氏名】氏田 治久
(72)【発明者】
【氏名】高濱 靖夫
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA13
2C150DD22
2C150DD23
2C150DH04
2C150DK17
2C150EB37
(57)【要約】 (修正有)
【課題】キャップの詰まりが生じにくいキャップ発射玩具を提供すること。
【解決手段】キャップ50が装填される装填部12bが形成された玩具本体と、キャップ50を発射方向に向けて押し出す押出し部材15と、両開き構造の一対の弾き片を有し、一対の弾き片は、常態では、キャップ50の発射方向前方への移動を阻止し、押出し部材15によりキャップ50が押し出されたときにキャップ50の前半部の外周に摺接しながら開放され、キャップ50の後半部の外周へは戻り力によって摺接してキャップ50を弾いて発射させる発射装置と、キャップ50の外周同士が接触されるようにキャップ50を配列可能で装填部12bに1つずつキャップ50を供給可能なマガジン16と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ボトル用の有天円筒状のキャップが装填される装填部が形成された玩具本体と、
前記装填部に装填された前記キャップを発射方向に向けて押し出す押出し部材と、
両開き構造の一対の弾き片を有し、前記一対の弾き片は、常態では、前記装填部の発射方向前方に突出して前記キャップの発射方向前方への移動を阻止し、前記押出し部材により前記キャップが押し出されたときに前記キャップの発射方向前半部の外周に摺接しながら開放され、前記キャップの発射方向後半部の外周へは戻り力によって摺接して前記キャップを弾いて発射させる発射装置と、
前記キャップの外周同士が接触されるように前記キャップを配列可能で前記装填部に1つずつ前記キャップを供給可能なマガジンと、
を備えたことを特徴とするキャップ発射玩具。
【請求項2】
前記装填部の床面は、装填された前記キャップの天板が上又は下を向くように水平面となっており、前記玩具本体の前記装填部の発射方向後方には、発射方向前方に向けて下り勾配を有する傾斜壁が形成され、前記押出し部材は、発射方向で往復動作可能で、当該往復動作によって先端部が前記傾斜壁から出没するように構成され、前記マガジンは、前記玩具本体の前記装填部に対して後方斜め上方に向けて延在し、前記キャップの中心軸が前記装填部の中心を含む1つの鉛直面を辿るようにして前記キャップを前記装填部に供給することを特徴とする請求項1に記載のキャップ発射玩具。
【請求項3】
前記マガジンは上端にキャップ投入口を有し、前記キャップ投入口には、前記キャップの天板が前又は後ろを向く状態で投入されるように構成され、前記マガジン内の通路は、前記キャップが投入された状態から徐々に前記天板が水平状態に向かうように湾曲されていることを特徴とする請求項2に記載のキャップ発射玩具。
【請求項4】
前記キャップと同じ大きさ及び形の基体を有し且つ前記基体に下面の中心から下方に突出して接地によってギミックを作動させる凸部が設けられた発射体をも発射できるキャップ発射玩具であって、前記装填部から前記凸部を下にして発射し得るように、前記マガジン、前記傾斜壁及び前記装填部に、前記凸部を受容する溝が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のキャップ発射玩具。
【請求項5】
前記傾斜壁には、前記キャップと同じ曲率で前記装填部の後部を区画する切欠き部が形成され、前記押出し部材の先端部は前記傾斜壁及び前記切欠き部から出没するように構成され、前記押出し部材の先端は、前記押出し部材が前記傾斜壁及び前記切欠き部に没したときに前記傾斜壁及び前記切欠き部と面一となるように形成されていることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載のキャップ発射玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ発射玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装填部に複数の円板を積層しておき、押し出し部材で最下端の円板を押し出すことで発射させる発射玩具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この発射玩具によれば、最下端の円板を発射させると、その上に積層されていた円板が順に装填部に装填されることから、連射が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3140464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような発射装置を用いて、飲料ボトル用の有天円筒状のキャップを発射させようとすると、次のような問題がある。
キャップの場合、下端が開放され凹部となっているため、装填部に複数のキャップを積層しようとすると、キャップが斜めになったりして、上下で隣接するキャップ同士が嵌まり合って詰まってしまい、キャップを発射できないという問題が生じる虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、キャップの詰まりが生じにくいキャップ発射玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
飲料ボトル用の有天円筒状のキャップが装填される装填部が形成された玩具本体と、
前記装填部に装填された前記キャップを発射方向に向けて押し出す押出し部材と、
両開き構造の一対の弾き片を有し、前記一対の弾き片は、常態では、前記装填部の発射方向前方に突出して前記キャップの発射方向前方への移動を阻止し、前記押出し部材により前記キャップが押し出されたときに前記キャップの発射方向前半部の外周に摺接しながら開放され、前記キャップの発射方向後半部の外周へは戻り力によって摺接して前記キャップを弾いて発射させる発射装置と、
前記キャップの外周同士が接触されるように前記キャップを配列可能で前記装填部に1つずつ前記キャップを供給可能なマガジンと、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段であって、前記装填部の床面は、装填された前記キャップの天板が上又は下を向くように水平面となっており、前記玩具本体の前記装填部の発射方向後方には、発射方向前方に向けて下り勾配を有する傾斜壁が形成され、前記押出し部材は、発射方向で往復動作可能で、当該往復動作によって先端部が前記傾斜壁から出没するように構成され、前記マガジンは、前記玩具本体の前記装填部に対して後方斜め上方に向けて延在し、前記キャップの中心軸が前記装填部の中心を含む1つの鉛直面を辿るようにして前記キャップを前記装填部に供給することを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第2の手段であって、前記マガジンは上端にキャップ投入口を有し、前記キャップ投入口には、前記キャップの天板が前又は後ろを向く状態で投入されるように構成され、前記マガジン内の通路は、前記キャップが投入された状態から徐々に前記天板が水平状態に向かうように湾曲されていることを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第2の手段又は第3の手段であって、前記キャップと同じ大きさ及び形の基体を有し且つ前記基体に下面の中心から下方に突出して接地によってギミックを作動させる凸部が設けられた発射体をも発射できるキャップ発射玩具であって、前記装填部から前記凸部を下にして発射し得るように、前記マガジン、前記傾斜壁及び前記装填部に、前記凸部を受容する溝が形成されていることを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第2の手段〜第4の手段のいずれかであって、前記傾斜壁には、前記キャップと同じ曲率で前記装填部の後部を区画する切欠き部が形成され、前記押出し部材の先端部は前記傾斜壁及び前記切欠き部から出没するように構成され、前記押出し部材の先端は、前記押出し部材が前記傾斜壁及び前記切欠き部に没したときに前記傾斜壁及び前記切欠き部と面一となるように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1の手段によれば、マガジンでキャップの外周同士が接触されるようにキャップを配列し装填部に1つずつキャップを供給するので、隣接するキャップ同士が嵌まり合うことが防止され、マガジン内でキャップが詰まることが防止される。
【0011】
第2の手段によれば、傾斜壁を設けているため、床面が水平な装填部にマガジンからのキャップが円滑に装填される。
【0012】
第3の手段によれば、キャップ投入口から投入されたキャップの天板が前又は後ろを向く状態から徐々に上又は下を向く状態に向かうようにマガジンが湾曲しているので、床面が水平な装填部にマガジンからのキャップが円滑に装填される。
【0013】
第4の手段によれば、マガジンには溝が形成されているため、キャップと同じ大きさ及び形の基体を有し下面に凸部を有する発射体をも飛ばすことができる。この場合の発射体は凸部が接地したときに作動するギミックを有するので、遊びの幅が拡がることになる。
【0014】
第5の手段によれば、装填部の後部が傾斜壁に形成された切欠き部で区画され、押出し部材の先端は、押出し部材が傾斜壁及び前記切欠き部に没したときに傾斜壁及び切欠き部と面一となっているので、操作性に優れたキャップ発射玩具が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態のキャップ発射玩具を前方側から見た斜視図である。
【
図2】マガジンを取り除いた状態のキャップ発射玩具を後方側から見た斜視図である。
【
図3】上部構造部品を取り除いた状態のキャップ発射玩具を側方側から見た斜視図である。
【
図4】キャップの発射の過程を説明するための平面図である。
【
図5】マガジンを斜め前方側から見た斜視図である。
【
図6】マガジン及び装填部を示した側面断面図である。
【
図8】発射体を分解した状態を下方側から見た斜視図である。
【
図10】他の発射体を分解した状態を上方側から見た斜視図である。
【
図11】他の発射体の動作状態を上方側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(全体構成)
図1は、キャップ発射玩具100の前方側から見た斜視図、
図2は、マガジン16を取り除いた状態のキャップ発射玩具100を後方側から見た斜視図である。
キャップ発射玩具100の玩具本体10は人型ロボットの姿態を有している。すなわち、玩具本体10は、脚部11、胴部12、左右の手部13、13及び頭部14を備えている。そして、胴部12の後ろには押出し部材15とマガジン16とが設けられている。また、左右の手部13、13にはそれぞれソード17が1本ずつ握られ、左右のソード17、17の刃部分17a、17aは所定の間隔で互いに平行に前方に延びている。
このキャップ発射玩具100では、マガジン16のキャップ投入口16aからキャップ50を投入し、押出し部材15を前方に操作すると、胴部12の前側の一部が開き、中からキャップ50が前方に勢いよく発射される。この場合のキャップ50としては、例えば、飲料ボトル用の有天円筒状のキャップが使用される。
【0017】
(細部構成)
1.玩具本体10
玩具本体10は、鎧及び兜を装着した人型ロボットの姿態をなしている。玩具本体10の頭部には、上記キャップ50と同じ大きさ及び形状の有天円筒状のキャップ50Aが螺合して設けられている。このキャップ50Aを用いて上記キャップ50と同様にして遊ぶこともできる。
【0018】
玩具本体10の胴部12には、左右の手部13、13が設けられている。各手部13にはそれぞれソード17が握られ、刃部分17aは前方に水平に延びている。また、各ソード17の柄部分17bは刃部分17aに対して後ろ下方に向けて屈曲されている。
【0019】
図3は、上部構造部品、つまり胴部12の上側部分、左右の手部13,13、頭部14、マガジン16及び左右のソード17,17を取り除いた状態を示したキャップ発射玩具100の側方側から見た斜視図である。
玩具本体10の胴部12の背中には開口12aが設けられており、胴部12には、開口12aから視認することができる位置にキャップ50の装填部12bが設けられている(
図2)。装填部12bは平面視で円形に形成されている。
【0020】
装填部12bの左右両脇には、外側に膨らんだ弓形の弾き片12cが1つずつ設けられている。弾き片12cは軸12dを介して玩具本体10に取り付けられており、基端部の突片12eが玩具本体10の孔(図示せず)に嵌合している。
左右の弾き片12c、12cの先端部は、常態では、装填部12bの前方に突出し、キャップ50の前方への移動を規制する(
図4(A))。そして、左右の弾き片12c、12cは、キャップ50が押出し部材15によって前方に押されると、キャップ50の前半部の外周に当接した後摺接することにより、自身の弾性力に抗して開かれる(
図4(B))。更にキャップ50が前方に移動すると、左右の弾き片12c、12cは、弾き片12cとキャップ50との当接部位がキャップ50の前半部の外周から後半部の外周に切り替わり、自身の弾性力によって初期位置に戻される(
図4(C))。このときの戻り力によってキャップ50が弾かれ発射される。
【0021】
玩具本体10の装填部12bの後ろには当該装填部12bと一部が干渉するような形で傾斜壁12fが設けられている。つまり、平面視で、傾斜壁12fに装填部12bの後部が食い込んだ形となっている。つまり、傾斜壁12fにはキャップ50と同じ曲率の切欠き部12gが形成されている。この傾斜壁12fの装填部12bの床面からの高さはキャップ50の高さと略同じ高さとなっていて、前方に向けて下り勾配を有している。そして、傾斜壁12fの傾斜は後述のマガジン16の排出口の傾斜と略同じとなっている。また、傾斜壁12f及び切欠き部12jには、前後に貫通する貫通孔(図示せず)が形成されており、この貫通孔からは押出し部材15の先端部が出没する。
【0022】
装填部12bの床面は水平面となっている。そして、装填部12bには天板が上向きとなるようにキャップ50が置かれる。そして、装填部12bで天板が上向きにされたキャップ50は傾斜壁12fの切欠き部12gと、左右の弾き片12c、12cとの間の装填部12bに置かれる。
【0023】
また、装填部12bの床面には幅方向中央に前後方向に延び装填部12bの前端にまで達する溝12hが形成されている。また、傾斜壁12fの幅方向中央と、押出し部材15の先端部の幅方向中央にも、傾斜方向に沿って溝12iが形成されている。溝12h、12iの技術的意義については後述する。
【0024】
2.押出し部材15
押出し部材15は胴部12の腰部から後方に突出して設けられている。押出し部材15の後端には、発射の際に操作する指当て部15aが設けられている。一方、押出し部材15の先端は、押出し部材15が後方に動作して貫通孔(図示せず)から没したときに傾斜壁12f及び切欠き部12gと面一となるように形成されている。
押出し部材15は、前後方向に動作可能に構成され、コイルばね15bによって後方に向けて付勢されている。そして、押出し部材15は、指当て部15aに指を当てて押出し部材15を前方に動作させた後に指を離すと、コイルばね15bの付勢力によって後方に動作して元位置、つまり、押出し部材15の先端部が傾斜壁12f及び切欠き部12gと面一となる位置に復帰する。
【0025】
3.マガジン16
図5は、マガジン16を前方側から見た斜視図である。
マガジン16は玩具本体10に着脱可能に構成されている。マガジン16は、玩具本体10に取り付けられた状態では、後部上方に向けて延在している(
図1)。マガジン16の上端には矩形のキャップ投入口16aが形成され、内部には当該キャップ投入口16aに連通されて投入されたキャップ50を装填部12bに導く通路16bが形成されている。そして、キャップ投入口16aへのキャップ50の投入は、キャップ50の天板が前方を向くようにして行う。マガジン16に投入されたキャップ50は、
図6に示すように、マガジン16内で少しずつ後方に倒れながら、つまり、キャップ50の天板が上向きに近付くようにして装填部12bに供給される。そして、キャップ50の先が玩具本体10内に入ると、当該一部は傾斜壁12fに摺接し、キャップ50は天板が上向き状態となって装填部12bに装填される。
なお、マガジン16のキャップ投入口16a及び通路16bの床面には幅方向中央に溝16cが形成されている。
【0026】
4.発射体
(1)発射体60
図7は、発射体60を下方側から見た斜視図、
図8は、分解した状態の発射体60を下方側から見た斜視図である。
発射体60は、キャップ50と同じ大きさ及び形状の有天円筒状の基体61を有し、基体61の下面中央には球状車輪(凸部)62が設けられている。すなわち、基体61には、中央に円形の孔63aが形成され基体61の下端開口を閉塞し球状車輪62を支持する円板状の底板63が螺合されている。
【0027】
この発射体60は、マガジン16に投入される際には球状車輪62がマガジン16の溝16cに入るようにして投入される。また、球状車輪62は、傾斜壁12fの箇所では溝12iに入り、装填部12bでは溝12hに入る。そして、この発射体60が発射されると、球状車輪62が接地され、球状車輪62によって発射体60が床面を走行する。
【0028】
(2)発射体70
図9は、他の発射体70を下方側から見た斜視図、
図10は、分解した状態の発射体70を上方側から見た斜視図、
図11は、発射体70の動作状態を上方側から見た斜視図である。
発射体70は、円板状の上板71及び下板75と、上板71と下板75と間に挟持された3枚の羽根72との3層構造となっている。そして、この基体はキャップ50と同じ大きさ及び形に形成され、下板75の下面中央からはロッド(凸部)73の先端部が突出して設けられている。
各羽根72は、外側が膨らむように弓形に形成され、基端部の軸孔72aが上板71に付設された軸(図示せず)に嵌合し、当該軸を中心に回動可能となるように構成されている。また、各羽根72は、図示しないねじれコイルばねによって先端が上板71及び下板75の外周から突出する方向に付勢されている。また、羽根72の先端部上面には爪孔72bが形成されている。
【0029】
ロッド73の上端部は下板75を貫通して羽根72の上まで延びている。そして、ロッド73の上端には、半径方向外方に向けて延びる係止部材73aが円周方向に等間隔に3つ一体的に設けられている。係止部材73aの先端には爪73bが下向きに形成されている。また、ロッド73の上端には孔73cが設けられ、この孔73cにはロッド73を上板71に対して下方に向けて付勢するコイルばね(図示せず)が挿入されている。そして、羽根72は、常態では、上板71及び下板75から没した位置にあり(
図9)、爪孔72bに爪73bが嵌まり込むことで係止され、ロッド73が下板75に対して没する方向に押されると、爪孔72bから爪73bが外れて上板71及び下板75の外周から外に張り出す(
図11)。
【0030】
この発射体70は、羽根72が上板71及び下板75の外周から没した状態(常態)でマガジン16に投入される際にはロッド73がマガジン16の溝16cに入るようにして投入される。また、ロッド73は、傾斜壁12fの箇所では溝12iに入り、装填部12bでは溝12hに入る。そして、この発射体60が発射されると、ロッド73が接地されることにより、爪73bが爪孔72bから外れて羽根72が上板71及び下板75から張り出す。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0032】
例えば、上記実施形態では、キャップ50の天板を上向きにして装填部12bに装填するようにしたが、キャップ50の天板を下向きにして装填部12bに装填してもよい。また、キャップ50の天板を横向きにして装填部12bに装填してもよい。この場合には、マガジン16内の通路16bは、キャップ50が外周で転動するかマガジン16の床面に摺接しながら移動するように構成することが好ましい。また、一対の弾き片12c、12bは装填部12bの上下に設けることが必要である。
【0033】
また、マガジン16内の通路16bは、横向きのキャップ50が外周で転動するかマガジン16の床面に摺接しながら移動するように構成し、装填部12bに装填される直前にキャップ50の天板又は底を傾斜する壁に突き当てて天板が水平状態つまり天板が上向き又は下向きとなるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 玩具本体
12c 弾き片
12f 傾斜壁
12g 切欠き部
12h 溝
12i 溝
15 押出し部材
16 マガジン
16a キャップ投入口
16b 通路
16c 溝
50 キャップ
50A キャップ
60 発射体
62 球状車輪(凸部)
70 発射体
72 羽根
73 ロッド(凸部)
100 キャップ発射玩具
【手続補正書】
【提出日】2020年12月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
第1の手段は、
飲料ボトル用の有天円筒状のキャップが装填される装填部が形成された玩具本体と、
前記装填部に装填された前記キャップを発射方向に向けて押し出す押出し部材と、
両開き構造の一対の弾き片を有し、前記一対の弾き片は、常態では、前記装填部の発射方向前方に突出して前記キャップの発射方向前方への移動を阻止し、前記押出し部材により前記キャップが押し出されたときに前記キャップの発射方向前半部の外周に摺接しながら開放され、前記キャップの発射方向後半部の外周へは戻り力によって摺接して前記キャップを弾いて発射させる発射装置と、
前記キャップの外周同士が接触されるように前記キャップを配列可能で前記装填部に1つずつ前記キャップを供給可能なマガジンと、
を備え
、
前記装填部の床面は、装填された前記キャップの天板が上又は下を向くように水平面となっており、前記玩具本体の前記装填部の発射方向後方には、発射方向前方に向けて下り勾配を有する傾斜壁が形成され、前記キャップが前記装填部の後方斜め上方から前記傾斜壁に摺接されながら前記装填部に供給されるように構成され、前記押出し部材は、発射方向で往復動作可能で、当該往復動作によって先端部が前記傾斜壁から出没するように構成されている、
ことを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
第2の手段は、第1の手段であって、
前記マガジンは、前記玩具本体の前記装填部に対して後方斜め上方に向けて延在し、前記キャップの中心軸が前記装填部の中心を含む1つの鉛直面を辿るようにして前記キャップを前記装填部に供給することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
第1の手段によれば、マガジンでキャップの外周同士が接触されるようにキャップを配列し装填部に1つずつキャップを供給するので、隣接するキャップ同士が嵌まり合うことが防止され、マガジン内でキャップが詰まることが防止される。
また、傾斜壁を設けているため、床面が水平な装填部にマガジンからのキャップが円滑に装填される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ボトル用の有天円筒状のキャップが装填される装填部が形成された玩具本体と、
前記装填部に装填された前記キャップを発射方向に向けて押し出す押出し部材と、
両開き構造の一対の弾き片を有し、前記一対の弾き片は、常態では、前記装填部の発射方向前方に突出して前記キャップの発射方向前方への移動を阻止し、前記押出し部材により前記キャップが押し出されたときに前記キャップの発射方向前半部の外周に摺接しながら開放され、前記キャップの発射方向後半部の外周へは戻り力によって摺接して前記キャップを弾いて発射させる発射装置と、
前記キャップの外周同士が接触されるように前記キャップを配列可能で前記装填部に1つずつ前記キャップを供給可能なマガジンと、
を備え、
前記装填部の床面は、装填された前記キャップの天板が上又は下を向くように水平面となっており、前記玩具本体の前記装填部の発射方向後方には、発射方向前方に向けて下り勾配を有する傾斜壁が形成され、前記キャップが前記装填部の後方斜め上方から前記傾斜壁に摺接されながら前記装填部に供給されるように構成され、前記押出し部材は、発射方向で往復動作可能で、当該往復動作によって先端部が前記傾斜壁から出没するように構成されている、
ことを特徴とするキャップ発射玩具。
【請求項2】
前記マガジンは、前記玩具本体の前記装填部に対して後方斜め上方に向けて延在し、前記キャップの中心軸が前記装填部の中心を含む1つの鉛直面を辿るようにして前記キャップを前記装填部に供給する、ことを特徴とする請求項1に記載のキャップ発射玩具。
【請求項3】
前記マガジンは上端にキャップ投入口を有し、前記キャップ投入口には、前記キャップの天板が前又は後ろを向く状態で投入されるように構成され、前記マガジン内の通路は、前記キャップが投入された状態から徐々に前記天板が水平状態に向かうように湾曲されていることを特徴とする請求項2に記載のキャップ発射玩具。
【請求項4】
前記キャップと同じ大きさ及び形の基体を有し且つ前記基体に下面の中心から下方に突出して接地によってギミックを作動させる凸部が設けられた発射体をも発射できるキャップ発射玩具であって、前記装填部から前記凸部を下にして発射し得るように、前記マガジン、前記傾斜壁及び前記装填部に、前記凸部を受容する溝が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のキャップ発射玩具。
【請求項5】
前記傾斜壁には、前記キャップと同じ曲率で前記装填部の後部を区画する切欠き部が形成され、前記押出し部材の先端部は前記傾斜壁及び前記切欠き部から出没するように構成され、前記押出し部材の先端は、前記押出し部材が前記傾斜壁及び前記切欠き部に没したときに前記傾斜壁及び前記切欠き部と面一となるように形成されていることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載のキャップ発射玩具。