特開2021-133114(P2021-133114A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-133114(P2021-133114A)
(43)【公開日】2021年9月13日
(54)【発明の名称】薬収納箱
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/04 20060101AFI20210816BHJP
   A61J 1/00 20060101ALI20210816BHJP
【FI】
   A61J7/04 A
   A61J1/00 430
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-33287(P2020-33287)
(22)【出願日】2020年2月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(72)【発明者】
【氏名】延壽 和魂
(72)【発明者】
【氏名】畠山 潤
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA34
4C047CC03
4C047NN02
4C047NN03
4C047NN20
(57)【要約】
【課題】簡易的な構成でありながら、薬の飲み忘れなどを効果的に防止することができる薬収納箱を提供する。
【解決手段】内ケースの底面に内ケースごとに対応する検知スイッチ以外がオンにならない位置にくぼみを設け、それぞれの内ケースを外ケースから引き出した時の検知スイッチのオンとオフの情報を通信装置を介して通信端末に送信し、オンとオフの情報に基づいて服薬履歴を通信端末に表示、記憶させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬を収納する複数の内ケースと、
内ケースを積み重ねて収納する外ケースで構成される薬収納箱であって、
外ケースの上部には、内ケースを収納するための挿入口を設け、
外ケースの下部には、内ケースを引き出すための引出口を設け、
外ケースの底部には、内ケースごとに対応する検知スイッチと、通信装置を設け、
内ケースの底面には、内ケースごとに対応する検知スイッチ以外がオンにならない位置にくぼみを設け、
内ケースは、外ケースに収納された状態で、それぞれの内ケースごとに対応する検知スイッチをオンにし、
それぞれの内ケースを引出口から引き出した時の検知スイッチのオンとオフの情報は、通信装置を介して通信端末に送信され、
オンとオフの情報に基づいて服薬履歴を通信端末に表示、記憶させることを特徴とする薬収納箱。
【請求項2】
薬を収納する複数の内ケース(11)(12)(13)(14)と、
内ケース(11)(12)(13)(14)を積み重ねて収納する外ケース(20)で構成される薬収納箱(30)において、
外ケース(20)の上部には、内ケース(11)(12)(13)(14)を収納するための挿入口(21)を設け、
外ケース(20)の下部には、内ケース(11)(12)(13)(14)を引き出すための引出口(22)を設け、
外ケース(20)の底部には、内ケース(11)(12)(13)(14)ごとに対応する検知スイッチ(41)(42)(43)と、通信装置(50)を設け、
内ケース(11)(12)(13)の底面には、内ケース(11)(12)(13)ごとに対応する検知スイッチ以外がオンにならない位置にくぼみを設け、
内ケース(11)は、検知スイッチ(41)のみをオンにし、
内ケース(12)は、検知スイッチ(42)のみをオンにし、
内ケース(13)は、検知スイッチ(43)のみをオンにし、
内ケース(14)は、全ての検知スイッチ(41)(42)(43)をオンにし、
それぞれの内ケース(11)(12)(13)(14)を引出口(22)から引き出した時の検知スイッチ(41)(42)(43)のオンとオフの情報は、通信装置(50)を介して通信端末(60)に送信され、オンとオフの情報に基づいて服薬履歴を通信端末に表示、記憶させることを特徴とする服薬収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、服薬用の薬収納箱に関するものであり、特に服薬履歴の確認機能と通知機能によって、本人や介護者による服薬管理を支援するための薬収納箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医者から処方された薬は、食事ごとに一日3回服用する場合や、決められた時間ごとに一日4回に分けて服用する場合などがある。
しかしながら、薬の服用は本人が管理している場合が多く、飲み忘れ、飲み過ぎ、飲み間違いなどを起こすことがある。
また、家族や介護者などは、決められた処方通りに服薬できているかどうかはわからないことが多い。
【0003】
例えば特許文献1には、薬剤を服用したか否かを確認でき、周囲の人も薬剤が服用されたか否かを確認できる分納薬剤箱が記載されている。
この考案は、容器収納箱の各区画室の下部に形成された容器取出口から積層された最下部の容器を取り出すことにより、積層された上方の容器は容器取出口に落下し、各区画室内に積層した各容器は相互に識別可能に区分されると共に、これら複数の容器を一組として各区画室内にそれぞれ積層しているので、容器内の薬剤を服用したか否かは容易に確認することができるようになり、薬剤の服用忘れが防止できると共に、二回服用等を未然に防止することができるものである。
【0004】
また、特許文献2には、服薬すべき薬の分別・摘出が容易にできて、薬箱から離れていても服薬指定時刻に服薬する人や服薬の介助者に告知できるとともに、服薬の飲み忘れ防止が可能な服薬確認装置が記載されている。
この発明は、薬収納部を備えた薬箱と、電子時計と、音声報知装置と、発光報知装置と、薬収納部開閉センサーとで構成した服薬確認薬箱において、服薬確認薬箱に電子時計の設定時刻に電波を発信する発信部と、受信部は着信の表示部を有する表示装置とを組み合わせてなり、発信部は受信部への電波を発信し、表示装置は、受信部が発信部から着信すると、表示部に着信の表示を発現させる機能を有しているので、薬箱から離れていても服薬時刻に忘れることなく薬を飲むことが可能なものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3032284号公報
【特許文献2】特開2011−41663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の分納薬剤箱を使用した場合であっても、服薬履歴を管理するためには、服薬のたびに記録を残す必要があり、かなり面倒な記録作業や記録の保管を行わなければならないという問題がある。
また、特許文献2の服薬確認装置は複雑な構造であり、一般に普及するためには簡易的な構造が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
薬を収納する複数の内ケースと、
内ケースを積み重ねて収納する外ケースで構成される薬収納箱であって、
外ケースの上部には、内ケースを収納するための挿入口を設け、
外ケースの下部には、内ケースを引き出すための引出口を設け、
外ケースの底部には、内ケースごとに対応する検知スイッチと、通信装置を設け、
内ケースの底面には、内ケースごとに対応する検知スイッチ以外がオンにならない位置にくぼみを設け、
内ケースは、外ケースに収納された状態で、それぞれの内ケースごとに対応する検知スイッチをオンにし、
それぞれの内ケースを引出口から引き出した時の検知スイッチのオンとオフの情報は、通信装置を介して通信端末に送信され、
オンとオフの情報に基づいて服薬履歴を通信端末に表示、記憶させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、飲み忘れ、飲み過ぎ、飲み間違いなどを防止でき、服薬履歴は自動的に記録されるとともに、決められた処方通りに服薬できているか薬を服用している本人だけではなく、家族や医療関係者、介護者なども服薬履歴を確認することができる。
特に、服用ごとに薬の種類や量が異なる場合は有効である。
【0009】
また、服薬履歴が通信装置を介して通信端末に送信されるので、家族や介護者にとっては安否確認ができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】薬収納箱1の斜視図である。
図2】外ケース20の斜視図である。
図3】外ケース20の底面に設けられた検知スイッチ41、42、43および通信装置50の配置図である。
図4】内ケース11を上面側から見た斜視図である。
図5】内ケース13を底面側から見た斜視図である。
図6】内ケース11、12、13、14の底面に設けられたくぼみ111、121、131の配置図である。
図7】内ケース11、12、13、14の底面に設けられたくぼみ111、121、131の別の配置図である。
図8】服薬履歴を表示した通信端末60の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の薬収納箱1について実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0012】
本発明の薬収納箱1は、図1図2に示す通り、内ケース11、12、13、14と、外ケース20と、検知スイッチ41、42、43と、通信装置50で構成されている。
【0013】
<内ケース>
図1図4図5図6を使って内ケースについて説明する。
4つの内ケース11、12、13、14は、プラスチックで成形された薬を収納するためのトレイであり、図1に示す通り外ケース20に重ねて収納できるものである。
それぞれの内ケースはほぼ同形であるが、内ケース11、13の底面には図4図5に示したようにくぼみ111やくぼみ131が形成されている。
また、内ケース12の底面にも2つのくぼみ121、122が形成されている。
くぼみ111、121、122、131の配置は図6に示した通りであるが、内ケース14にはくぼみは設けられていない。
なお、くぼみ111、121、122、131は図7に示した配置であってもよい。
また、それぞれの内ケースは異なった色で識別できるようにされている。
【0014】
<外ケース>
図1図2図3を使って外ケースについて説明する。
図1に示す通り、外ケース20は、4つの内ケース11、12、13、14を重ねて収納できるようにプラスチックで成形したものである。
図2に示す通り、外ケース20の上部には、内ケース11、12、13、14を収納するための挿入口21と、内ケース11、12、13、14を引き出す引出口22と、内ケースの収納状況を確認できるように窓23が設けられている。
また、外ケース20の底部には3つの検知スイッチ41、42、43と、通信装置50とメモリー51が図3に示す様に配置されている。
なお、本実施例においてメモリー51は通信装置50に内蔵されているものを使用する。
また、検知スイッチ41、42、43は押しボタンスイッチであり、内ケース11、12、13、14の底面で押されるとオフからオン切り替わるように設けられており、このオンとオフの情報はメモリー51に一旦記憶され、所定のタイミングで検知スイッチ41、42、43に接続された通信装置50を介して通信端末60に送信される。
【0015】
次に、薬収納箱1の使用方法について説明する。
本実施例は、医者から処方された薬を「朝食後」「昼食後」「夕食後」「就寝前」の4回に分けて服用する事例を使って説明する。
<薬を内ケースに収納する>
最初に薬を服用する順番に内ケース11、12、13、14に収納する。
つまり、内ケース11には朝食後に服用する薬、内ケース12には昼食後に服用する薬、内ケース13には夕食後に服用する薬、内ケース14には就寝前に服用する薬が収納される。
なお、「就寝前」に服用する薬が食後に服用する薬と異なる場合や、服用のたびに薬が異なる場合もあるため、内ケース11、12、13、14は色分けされているが、「朝食後」「昼食後」「夕食後」「就寝前」の様にシールを張り付けておけば、間違った薬の収納を防ぐことができる。
<内ケースを外ケースに収納する>
薬を収納した内ケース11、12、13、14は、外ケース20の上部に設けられた挿入孔21から内ケース11、内ケース12、内ケース13、内ケース14の順番に挿入し、積み重ねて収納される。
なお、内ケースは決められた方向でのみ外ケースに収納できる形状によって方向性を付けるか、あるいは磁石を使って方向性を付けてもよい。
<内ケースを外ケースから取り出す>
積層された内ケース11、12、13、14は、外ケース20の下部に設けられた引出口22から挿入した順番で引き出すことができるので、「朝食後」「昼食後」「夕食後」「就寝前」の薬を順番に取り出すことができる。
【0016】
<服薬履歴を管理する>
内ケース11、12、13の底面に形成されたくぼみ111、121、122、131は、検知スイッチ41、42、43を避ける位置に設けられている。
すなわち、くぼみ111は検知スイッチ42と検知スイッチ43を避けて設けられており、くぼみ121は検知スイッチ43を避けて設けられており、くぼみ122は検知スイッチ41を避けて設けられており、くぼみ131は検知スイッチ41と検知スイッチ42を避けて設けられている。
従って、内ケース11は検知スイッチ41のみをオンにし、内ケース12は検知スイッチ42のみをオンにし、内ケース13は検知スイッチ43のみをオンする。
なお、内ケース14は全ての検知スイッチ41、42、43をオンにする。
【0017】
全ての内ケース11、12、13、14が外ケース20に収納されているときは、最下層の内ケース11により検知スイッチ41だけがオンになっている。
朝食後、薬を服用するために内ケース11を引出口22から引き出すと、内ケース12、内ケース13、内ケース14が落下するので、最下層の内ケース12により検知スイッチ42だけがオンになる。
昼食後、薬を服用するために内ケース12を引出口22から引き出すと、内ケース13、内ケース14が落下するので、最下層の内ケース13により検知スイッチ43だけがオンになる。
夕食後、薬を服用するために内ケース13を引出口22から引き出すと、内ケース14が落下するので、最下層の内ケース14により全ての検知スイッチ41、42、43がオンになる。
就寝前、薬を服用するために内ケース14を引出口22から引き出すと、全ての検知スイッチ41、42、43がオフになる。
すなわち、検知スイッチ41だけがオンの場合は、まったく薬を服用していない状態であり、検知スイッチ42だけがオンの場合は、内ケース11に収納された薬が服用された状態であり、検知スイッチ43だけがオンの場合は、内ケース12に収納された薬が服用された状態であり、全ての検知スイッチ41、42、43がオンの場合は、内ケース13に収納された薬が服用された状態であり、全ての検知スイッチ41、42、43がオフの場合は、内ケース14に収納された薬が服用された状態である。
なお、内ケースを引き出す途中で、全ての検知スイッチ41、42、43がオフ状態に瞬間的になるが、設定した間隔に満たないオフ情報は無視される。
【0018】
この検知スイッチ41、42、43のオンとオフの情報はメモリー51に一旦記憶され、所定のタイミングで通信装置50を介して通信端末60に送信され、通信端末60に備えられているプログラムによって、服薬履歴情報として図8の様に表示されるとともに、通信端末60のメモリーに記憶される。
また、服薬履歴は時刻と共に表示することで、服薬時刻の管理も可能となる。
なお、通信端末60としてスマートフォンやタブレット、パソコンなどが使用できる。
本実施例における所定のタイミングは、内ケース11、12、13、14が全て引き出されたタイミングとすることで通信装置50に内蔵されている電池の消耗を防ぐことを考慮しているが、内ケース11、12、13、14がそれぞれ引き出されたタイミングや、決められた時刻としてもよい。
【0019】
このように、本発明の薬収納箱を利用することで、飲み忘れ、飲み過ぎ、飲み間違いなどを防止でき、服薬履歴は自動的に記録されるとともに、決められた処方通りに服薬できているか薬を服用している本人だけではなく、家族や医療関係者、介護者なども服薬履歴を確認することができる。
また、家族や介護者にとっては安否確認ができるという効果もある。
さらに、通信端末60は、あらかじめ設定された服薬する時刻や服薬する順番などの服薬条件と服薬履歴を比較して、条件が満足されていない場合は警告を行う機能を設けてもよい。
【0020】
本実施例では、4個の内ケースを使用して説明したが、内ケースが3個の場合や、5個以上の場合にも、内ケースに設けるくぼみ、検知スイッチの数などを適宜変更して応用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、サプリメントの飲用のほか、作業の進捗管理にも利用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 薬収納箱
11、12、13、14 内ケース
111、121、122、131 くぼみ
20 外ケース
41、42、43 検知スイッチ
50 通信装置
60 通信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8