【実施例】
【0012】
本発明の薬収納箱1は、
図1、
図2に示す通り、内ケース11、12、13、14と、外ケース20と、検知スイッチ41、42、43と、通信装置50で構成されている。
【0013】
<内ケース>
図1、
図4、
図5、
図6を使って内ケースについて説明する。
4つの内ケース11、12、13、14は、プラスチックで成形された薬を収納するためのトレイであり、
図1に示す通り外ケース20に重ねて収納できるものである。
それぞれの内ケースはほぼ同形であるが、内ケース11、13の底面には
図4、
図5に示したようにくぼみ111やくぼみ131が形成されている。
また、内ケース12の底面にも2つのくぼみ121、122が形成されている。
くぼみ111、121、122、131の配置は
図6に示した通りであるが、内ケース14にはくぼみは設けられていない。
なお、くぼみ111、121、122、131は
図7に示した配置であってもよい。
また、それぞれの内ケースは異なった色で識別できるようにされている。
【0014】
<外ケース>
図1、
図2、
図3を使って外ケースについて説明する。
図1に示す通り、外ケース20は、4つの内ケース11、12、13、14を重ねて収納できるようにプラスチックで成形したものである。
図2に示す通り、外ケース20の上部には、内ケース11、12、13、14を収納するための挿入口21と、内ケース11、12、13、14を引き出す引出口22と、内ケースの収納状況を確認できるように窓23が設けられている。
また、外ケース20の底部には3つの検知スイッチ41、42、43と、通信装置50とメモリー51が
図3に示す様に配置されている。
なお、本実施例においてメモリー51は通信装置50に内蔵されているものを使用する。
また、検知スイッチ41、42、43は押しボタンスイッチであり、内ケース11、12、13、14の底面で押されるとオフからオン切り替わるように設けられており、このオンとオフの情報はメモリー51に一旦記憶され、所定のタイミングで検知スイッチ41、42、43に接続された通信装置50を介して通信端末60に送信される。
【0015】
次に、薬収納箱1の使用方法について説明する。
本実施例は、医者から処方された薬を「朝食後」「昼食後」「夕食後」「就寝前」の4回に分けて服用する事例を使って説明する。
<薬を内ケースに収納する>
最初に薬を服用する順番に内ケース11、12、13、14に収納する。
つまり、内ケース11には朝食後に服用する薬、内ケース12には昼食後に服用する薬、内ケース13には夕食後に服用する薬、内ケース14には就寝前に服用する薬が収納される。
なお、「就寝前」に服用する薬が食後に服用する薬と異なる場合や、服用のたびに薬が異なる場合もあるため、内ケース11、12、13、14は色分けされているが、「朝食後」「昼食後」「夕食後」「就寝前」の様にシールを張り付けておけば、間違った薬の収納を防ぐことができる。
<内ケースを外ケースに収納する>
薬を収納した内ケース11、12、13、14は、外ケース20の上部に設けられた挿入孔21から内ケース11、内ケース12、内ケース13、内ケース14の順番に挿入し、積み重ねて収納される。
なお、内ケースは決められた方向でのみ外ケースに収納できる形状によって方向性を付けるか、あるいは磁石を使って方向性を付けてもよい。
<内ケースを外ケースから取り出す>
積層された内ケース11、12、13、14は、外ケース20の下部に設けられた引出口22から挿入した順番で引き出すことができるので、「朝食後」「昼食後」「夕食後」「就寝前」の薬を順番に取り出すことができる。
【0016】
<服薬履歴を管理する>
内ケース11、12、13の底面に形成されたくぼみ111、121、122、131は、検知スイッチ41、42、43を避ける位置に設けられている。
すなわち、くぼみ111は検知スイッチ42と検知スイッチ43を避けて設けられており、くぼみ121は検知スイッチ43を避けて設けられており、くぼみ122は検知スイッチ41を避けて設けられており、くぼみ131は検知スイッチ41と検知スイッチ42を避けて設けられている。
従って、内ケース11は検知スイッチ41のみをオンにし、内ケース12は検知スイッチ42のみをオンにし、内ケース13は検知スイッチ43のみをオンする。
なお、内ケース14は全ての検知スイッチ41、42、43をオンにする。
【0017】
全ての内ケース11、12、13、14が外ケース20に収納されているときは、最下層の内ケース11により検知スイッチ41だけがオンになっている。
朝食後、薬を服用するために内ケース11を引出口22から引き出すと、内ケース12、内ケース13、内ケース14が落下するので、最下層の内ケース12により検知スイッチ42だけがオンになる。
昼食後、薬を服用するために内ケース12を引出口22から引き出すと、内ケース13、内ケース14が落下するので、最下層の内ケース13により検知スイッチ43だけがオンになる。
夕食後、薬を服用するために内ケース13を引出口22から引き出すと、内ケース14が落下するので、最下層の内ケース14により全ての検知スイッチ41、42、43がオンになる。
就寝前、薬を服用するために内ケース14を引出口22から引き出すと、全ての検知スイッチ41、42、43がオフになる。
すなわち、検知スイッチ41だけがオンの場合は、まったく薬を服用していない状態であり、検知スイッチ42だけがオンの場合は、内ケース11に収納された薬が服用された状態であり、検知スイッチ43だけがオンの場合は、内ケース12に収納された薬が服用された状態であり、全ての検知スイッチ41、42、43がオンの場合は、内ケース13に収納された薬が服用された状態であり、全ての検知スイッチ41、42、43がオフの場合は、内ケース14に収納された薬が服用された状態である。
なお、内ケースを引き出す途中で、全ての検知スイッチ41、42、43がオフ状態に瞬間的になるが、設定した間隔に満たないオフ情報は無視される。
【0018】
この検知スイッチ41、42、43のオンとオフの情報はメモリー51に一旦記憶され、所定のタイミングで通信装置50を介して通信端末60に送信され、通信端末60に備えられているプログラムによって、服薬履歴情報として
図8の様に表示されるとともに、通信端末60のメモリーに記憶される。
また、服薬履歴は時刻と共に表示することで、服薬時刻の管理も可能となる。
なお、通信端末60としてスマートフォンやタブレット、パソコンなどが使用できる。
本実施例における所定のタイミングは、内ケース11、12、13、14が全て引き出されたタイミングとすることで通信装置50に内蔵されている電池の消耗を防ぐことを考慮しているが、内ケース11、12、13、14がそれぞれ引き出されたタイミングや、決められた時刻としてもよい。
【0019】
このように、本発明の薬収納箱を利用することで、飲み忘れ、飲み過ぎ、飲み間違いなどを防止でき、服薬履歴は自動的に記録されるとともに、決められた処方通りに服薬できているか薬を服用している本人だけではなく、家族や医療関係者、介護者なども服薬履歴を確認することができる。
また、家族や介護者にとっては安否確認ができるという効果もある。
さらに、通信端末60は、あらかじめ設定された服薬する時刻や服薬する順番などの服薬条件と服薬履歴を比較して、条件が満足されていない場合は警告を行う機能を設けてもよい。
【0020】
本実施例では、4個の内ケースを使用して説明したが、内ケースが3個の場合や、5個以上の場合にも、内ケースに設けるくぼみ、検知スイッチの数などを適宜変更して応用することができる。