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特開2021-133949錠剤計数供給装置におけるシャッター装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-133949(P2021-133949A)
(43)【公開日】2021年9月13日
(54)【発明の名称】錠剤計数供給装置におけるシャッター装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 37/08 20060101AFI20210816BHJP
   A61J 3/06 20060101ALI20210816BHJP
   B65B 37/16 20060101ALI20210816BHJP
【FI】
   B65B37/08
   A61J3/06 S
   B65B37/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-29939(P2020-29939)
(22)【出願日】2020年2月25日
(71)【出願人】
【識別番号】516166317
【氏名又は名称】株式会社サイレック
(74)【代理人】
【識別番号】100187296
【弁理士】
【氏名又は名称】桜井 重夫
(72)【発明者】
【氏名】横原 大
【テーマコード(参考)】
3E055
4C047
【Fターム(参考)】
3E055AA08
3E055BB01
3E055CA01
3E055DA02
3E055DA03
3E055EA05
3E055EA09
3E055EB07
4C047JJ01
4C047JJ12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】傾斜回転盤上に保持された錠剤を、開閉により所定錠数ずつ次工程への排出口へ排出し得る錠剤計数供給装置におけるコンパクトなシャッター装置を提供する。
【解決手段】錠剤排出口11に設けられ、閉鎖時に錠剤排出口上を通過する錠剤収容孔23内に錠剤3を保持させたまま通過させ、開放時に錠剤排出口11上を通過する錠剤収容孔23内に錠剤3を錠剤排出口11に落下させる複数個の開閉部71を、それぞれ独立して駆動し、閉鎖時から解放時に向けて傾斜回転盤2の上方からみて傾斜回転盤2の半径方向に沿って同一方向に移動させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜高位置に錠剤排出口を有する傾斜固定盤と、傾斜回転盤回転軸から外側に向けて同心円上に複数列且つ各同心円に沿って複数個の錠剤収容孔が設けられ上記該傾斜固定盤上で回転する傾斜回転盤とを備え、上記傾斜回転盤の傾斜低位置において上記錠剤収容効孔に供給された錠剤を、上記傾斜回転盤の回転に伴って傾斜高位置の上記錠剤排出口から排出する錠剤供給装置におけるシャッター装置であって、該シャッター装置は、外側の2条の上記同心円上に位置させその内側の複数条の上記同心円上にそれぞれ位置させるか、全ての上記同心円上にそれぞれ位置させて上記排出口に設けられ、閉鎖時に上記錠剤排出口上を通過する上記錠剤収容孔内に錠剤を保持させたまま通過させ、開放時に上記錠剤排出口上を通過する上記錠剤収容孔内に錠剤を上記錠剤排出口に落下させる開閉部と、該開閉部をそれぞれ独立して駆動する複数個の開閉部駆動機構とを有し、該開閉部駆動機構は、それぞれ上記開閉部をその閉鎖時から解放時に向けて上記傾斜回転盤の上方からみて上記傾斜回転盤の半径方向に沿って同一方向に移動させることを特徴とする錠剤計数供給装置におけるシャッター装置。
【請求項2】
開閉部駆動機構は、それぞれ開閉部をその閉鎖時から解放時に向けて傾斜回転盤の上方からみて傾斜回転盤の外周部側に移動させることを特徴とする請求項1に記載の錠剤計数供給装置におけるシャッター装置。
【請求項3】
開閉部駆動機構はクランク状アームとこれを傾斜回転盤と垂直な面内で略90度の範囲で往復回動する駆動モーターとを備え、上記クランク状アームの先端部に開閉部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の錠剤計数供給装置におけるシャッター装置。
【請求項4】
開閉部駆動機構は錠剤排出口の傾斜低位置側及び傾斜高位置側に設けられていることを特徴とする求項1乃至請求項3のいずれかに記載の錠剤計数供給装置におけるシャッター装置。
【請求項5】
開閉部駆動機構は錠剤排出口の傾斜低位置側と傾斜高位置側に設けられており、錠剤排出口の傾斜低位置側の開閉部駆動機構は、クランク状アームとこれを傾斜回転盤の垂直面内で略90度の範囲で往復回動する駆動モーターとを備え、傾斜高位置側の開閉部駆動機構は、クランク状アームとこれを傾斜回転盤の半径方向に往復駆動する駆動モーターを備え、それぞれの上記クランク状アームの先端部に開閉部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の錠剤計数供給装置におけるシャッター装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に供給される錠剤を計数しながら所定錠数ずつ次工程の包装工程等に排出する錠剤計数供給装置に最適なシャッター装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、連続的に供給される錠剤を所定錠数ずつ次工程の包装工程等に排出する錠剤供給装置としては、傾斜高位置に錠剤排出口を有する傾斜固定盤と、該傾斜固定盤上で回転する傾斜回転盤とを備えた錠剤供給装置が知られている。この装置においては、上記傾斜回転盤に設けた錠剤収容孔を、傾斜回転盤の回転に従って、上記傾斜回転盤の傾斜低位置の供給ゾーンにおいて溜まった状態の充分な量の錠剤内を通過させることによって、通過する錠剤収容孔に錠剤をはめ込むような形態で錠剤を供給し、傾斜回転盤の傾斜高位置の排出ゾーンにおいて傾斜回転盤の回転に伴って上記錠剤収容孔内の錠剤をその下方の上記排出口から単に落下、排出するように構成されている。そして、本発明者は、下記特許文献1、2に示されるように、錠剤収容孔を傾斜回転盤回転軸から外側に向けて同心円上に複数列且つ各同心円に沿って複数個設け、各同心円一に対応させて上記固定盤に複数個の排出口を設け、それぞれの排出口を開閉する開閉部を有するシャッター装置を設け、該シャッター装置の開閉部をそれぞれ独立して、又は隣接する2つの開閉部を一体的に且つこれと他の開閉部をそれぞれ独立して開閉することによって、所定数の錠剤を次工程の包装工程等に排出することを提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−202051号公報
【特許文献2】特開2019−085513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、錠剤排出口が傾斜回転盤の複数条の錠剤収容孔にそれぞれ対応させて複数個の錠剤排出口を設けていたため、これを前提として、本発明者は図8図9のようなシャッター装置を試作した。図8のシャッター装置は、アーム80が傾斜回転盤2下方の軸81を中心に回動するものであるが、アーム80の開放時に錠剤収容孔23内の錠剤3の落下軌道上に位置するため、錠剤3の落下の妨げとなり、時々アーム80上に残留してしまい、所定数の錠剤を落下排出できない問題があった。その上、傾斜回転盤の複数条の錠剤収容孔23による同心円それぞれ対応させてアーム80の駆動部を隣接させてそれぞれ配設することは無理であると考えた。また、図9のシャッター装置は、アーム80を傾斜回転盤の下方において斜めにスライドするようになされているものであるが、アーム80のストロークを充分にとり難く、錠剤3の落下の妨げになったり、高速でスライドし難い等の問題があった。尚、因みに、図8及び図9のシャッター装置は、アーム80の先端の錠剤収容孔23の開閉方向は、傾斜回転盤2の円周方向に沿っている。
【0005】
本発明の目的は、上述のような問題を解決することであり、新規なシャッター装置を提供することによりこの問題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するため、傾斜高位置に錠剤排出口を有する傾斜固定盤と、傾斜回転盤回転軸から外側に向けて同心円上に複数列且つ各同心円に沿って複数個の錠剤収容孔が設けられ上記該傾斜固定盤上で回転する傾斜回転盤とを備え、上記傾斜回転盤の傾斜低位置において上記錠剤収容効孔に供給された錠剤を、上記傾斜回転盤の回転に伴って傾斜高位置の上記錠剤排出口から排出する錠剤供給装置におけるシャッター装置であって、該シャッター装置は、外側の2条の上記同心円上に位置させその内側の複数条の上記同心円上にそれぞれ位置させるか、全ての上記同心円上にそれぞれ位置させて上記排出口に設けられ、閉鎖時に上記錠剤排出口上を通過する上記錠剤収容孔内に錠剤を保持させたまま通過させ、開放時に上記錠剤排出口上を通過する上記錠剤収容孔内に錠剤を上記錠剤排出口に落下させる開閉部と、該開閉部をそれぞれ独立して駆動する複数個の開閉部駆動機構とを有し、該開閉部駆動機構は、それぞれ上記開閉部をその閉鎖時から解放時に向けて上記傾斜回転盤の上方からみて上記傾斜回転盤の半径方向に沿って同一方向に移動させることを特徴とする錠剤計数供給装置におけるシャッター装置を提供するものである。
【0007】
また、本発明の好ましい実施態様においては、開閉部駆動機構は、それぞれ開閉部をその閉鎖時から解放時に向けて傾斜回転盤の上方からみて傾斜回転盤の外周部側に移動させることになる。
【0008】
また、本発明の別の好ましい実施態様においては、開閉部駆動機構は、クランク状アームとこれを傾斜回転盤と垂直な面内で略90度の範囲で往復回動する駆動モーターとを備え、上記クランク状アームの先端部に開閉部が設けられているものとなり、更に開閉部駆動機構は錠剤排出口の傾斜低位置側及び傾斜高位置側に設けられことになる。
【0009】
また、本発明の更に好ましい実施態様においては、開閉部駆動機構は錠剤排出口の傾斜低位置側と傾斜高位置側に設けられており、錠剤排出口の傾斜低位置側の開閉部駆動機構は、クランク状アームとこれを傾斜回転盤の垂直面内で略90度の範囲で往復回動する駆動モーターとを備え、傾斜高位置側の開閉部駆動機構は、クランク状アームとこれを傾斜回転盤の半径方向に往復駆動する駆動モーターを備え、それぞれの上記クランク状アームの先端部に開閉部が設けられることになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の錠剤計数供給装置におけるシャッター装置は、上述のように構成、特に、開閉部駆動機構は、上記開閉部をその閉鎖時から解放時に向けて傾上記傾斜回転盤の上方からみて上記傾斜回転盤の半径方向に沿って同一方向に移動させるように構成されているため、開閉部をその開放時において錠剤の落下軌道から外すことができ、従ってそのための具体的な構成を容易に採用可能で、所定数の錠剤を錠剤排出口内に確実に落下させることができる上、具体的な開閉部駆動機構をコンパクトに回転盤の下方に配置することもできるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の錠剤計数供給装置のシャッター装置の一実施例の模式的な斜視図である。
図2図1のシャッター装置の正面図である。
図3図1のシャッター装置の平面図である。
図4】本発明の錠剤計数供給装置のシャッター装置の開閉部駆動機構の斜視図である。
図5】錠剤計数供給装置全体の模式的断面図の模式的断面図である。
図6】回転盤の平面図である。
図7】固定盤の平面図である。
図8】本発明者が試作したシャッター装置の一例の模式図であるである。
図9】本発明者が試作したシャッター装置の別の例の模式図である。
【実施例】
【0012】
図5図7は、本発明のシャッター装置の一実施例を含む錠剤計数供給装置全体の一例を説明するものであって、主としてこれらの図面に基づき錠剤計数供給装置全体から説明する。
【0013】
1は傾斜高位置に錠剤排出口11を有する傾斜固定盤、2は傾斜固定盤1上で略面接触状態で回転する傾斜回転盤である。傾斜回転盤2には、6列の同心円上錠剤収容孔23が設けられているが、傾斜回転盤2を等分に半径方向で区画して6個の扇形ゾーン21が形成されており、各扇形ゾーン21には、上記の同心円上に位置させて錠剤収容孔23が扇形ゾーンの頂部の回転軸22から外側に向けて弧状に6列、且つ各列に沿って1個、2個、又は4個設けられている。錠剤収容孔23の1列又は隣接する複数列を一単位列と呼ぶことにすると、最外側の一単位列は2列の弧状の錠剤収容孔23で構成されており、その内側の一単位列は全て1列の弧状の錠剤収容孔23で構成されている。今、一単位列が5列となる一単位列を扇形ゾーン21の頂部側からA列〜E列と呼ぶことにすると、A列、B列は1錠の錠剤3のみを収容できるようになっており、その錠剤収容可能数は1錠となる。そして、C列の錠剤収容可能数は2錠、D列の錠剤収容可能数は4錠、E列は4錠ずつの隣接する2列を組み合わせて錠剤収容可能数が8錠となっている。錠剤3の収容は、錠剤3が錠剤収容孔23に嵌め合わされ下部を傾斜固定盤1の上面で支持することによってなされている。そして、錠剤収容孔23への錠剤3の収容は、錠剤収容孔23を、傾斜回転盤2の回転に従って、傾斜回転盤2の傾斜低位置の供給ゾーン4において溜まった状態の充分な量の錠剤3内を通過させることによって行われる。供給ゾーン4への錠剤3の供給は、ホッパー16の下部開口部17から連続的になされている。
【0014】
上記錠剤排出口11は、扇形ゾーン21における錠剤収容孔23の複数の単位列からなる複数単位列から落下する錠剤3を何れも排出できるように図7に示す如く傾斜固定盤2の略半径方向にわたって細長い単一の開口部で構成されている。
【0015】
尚、図1中、24は傾斜回転盤2の被駆動部で、外部駆動部25によりベルト26を介して駆動される。13は円筒壁で、傾斜回転盤2上から錠剤3が溢れたり飛散したりするのを防止する役割を有する。
【0016】
また、18は、後述のように錠剤排出口11から排出される錠剤3を次工程に供給する錠剤供給ホッパーで、その上部に錠剤排出口11に臨まされている。錠剤供給ホッパー14の下部に設けられているのは、錠剤供給開閉シャッター19である。錠剤供給開閉シャッター19は、後述の如く開放するようにその開閉が制御されている。そして、19はフレームである。
【0017】
上記の錠剤計数供給装置においては、更に、傾斜回転盤2の回転方向に向かって上記供給ゾーン4と上記排出ゾーン5との間には計数ゾーン6が設けられており、この計数ゾーン6で、ここを通過する単一の上記扇形ゾーン21における上記各単位列の錠剤収容孔23内に実際に収容されている錠剤3の実錠剤数が検知される。この検知には、計数ゾーン6の上方にスマトフォーン等の検知手段を設けることにより行うことができる。また、この錠剤計数供給装置においては、万一排出ゾーン5で排出されるべき所定数の錠剤3全てが排出されなかった場合に備えて、計数ゾーン6の傾斜回転盤2の対向側に排出錠剤数チェックゾーン7が設けられており、ここで、排出ゾーン21に到達した錠剤3数から排出ゾーン21で所定数の錠剤3全てが排出されたかを、排出錠剤数チェックゾーン7を通過する残存錠剤3数を別のスマトフォーン等の検知手段によってチェックする操作がなされる。所定数の錠剤3が排出されなかった場合は、排出された複数個の錠剤3全部が次工程おいて欠品としてはじかれる。
【0018】
また、図示してはないが、上記供給ゾーン4と上記計数ゾーン6との間には、公知のこの種と同様なポリテトラフルオチレン等の可撓性を有する錠剤阻止板が設けられており、この阻止板は、傾斜回転盤2の錠剤収容孔23以外の傾斜回転盤2の上面に供給ゾーン4において存在する錠剤3が計数ゾーン6に到達するのを阻止する役割を有する。
【0019】
而して、本発明の錠剤計数供給装置におけるシャッター装置7は、上記の排出口11に設けられている。以下図2図4を参照しながら主として図1に基づいてシャッター装置7の一実施例について説明する。
【0020】
第1図は、シャッター装置7の一実施例の模式的斜視図を示すもので、シャッター装置7は、A〜Eの複数条の同心円に上の錠剤収容孔23にそれぞれ位置させて排出口11に設けられた5個の開閉部71を有する。開閉部71は、それぞれ閉鎖時に錠剤排出口11上を通過する錠剤収容孔23内に錠剤3を保持させたまま通過させ、開放時に錠剤排出口11上を通過する錠剤収容孔23内に錠剤3を錠剤排出口11に落下させるように駆動される。その駆動は、それぞれ独立して開閉部71を駆動する5個の開閉部駆動機構72によってなされており、開閉部駆動機構72は、上記開閉部71をその閉鎖時から解放時に向けて、傾斜回転盤2の上方からみて傾斜回転盤2の半径方向に沿って同一方向、具体的にはこの実施例の場合傾斜回転盤2の外周部方向に移動させるように駆動する。
【0021】
実施例のシャッター装置7について更に詳述すると、開閉部駆動機構72は、錠剤排出口11の傾斜高位置側2個と傾斜低位置側に3個設けられている。錠剤排出口11の傾斜低位置側の開閉部駆動機構72は、クランク状アーム73とこれを鉛直面内で略90度土範囲で往復回動する駆動モーター74と主体として構成されており、クランク状アーム73の先端部に開閉部71が固定されている。また、傾斜高位置側の開閉部駆動機構72は、クランク状アーム73と、これを傾斜回転盤2の上方からみて傾斜回転盤2の半径方向に沿って回転軸22方向にから周部方向と往復駆動する駆動モーター74と主体として構成されており、クランク状アーム73の先端部に開閉部71が固定されている。
【0022】
上述の錠剤排出口11の傾斜低位置側の開閉部駆動機構72における開閉部71は、それぞれ開閉部71の閉鎖時において前述の傾斜回転盤2の錠剤収容孔23による同心円のA列に対応位置するもの、C列に対応位置するもの、E列に対応位置するものがあり、E列に対応位置するものは、2条の前記同心円上の錠剤収容孔23の底部を同時に閉鎖できるように、他の2個のものよりも大きく形成されている。そして、開閉部71及びクランク状アーム73の後端部は駆動モーター74の回動軸に連結されており、クランク状アーム73の後端部と駆動モーター74は排出口11を外れて固定盤1の下方にシャーシ75を介してフレーム15に固定されている。駆動モーター74は電磁石が内蔵されており、この電磁石の励磁の方向をソリッドリレー等により切り替えることにより、傾斜回転盤2の半径方向の鉛直面内で開閉部71を、クランク状アーム74を介して略90度の範囲で往復回動させる。図1図4に示す状態は何れの開閉部71も回転盤2の錠剤収容孔23を閉鎖する状態を示すもので、開閉部71は閉鎖時から解放時に向けて矢印の如く回動し、解放時か閉鎖時に向けて矢印と逆方向に回動する。開閉部71の上面は開閉部71の閉鎖時において傾斜回転盤の下面に一致するように位置せしめられる。尚、閉鎖時においてE列に対応位置する開閉部71は他のものに比べて大きく重いため、駆動モーター74によりクランク状アーム73の後端部を直接駆動すると揺らぎが発生し易くなる場合には、クランク状アーム73の後端部を軸受によって支持しギアを介して駆動モーター74により駆動する構成を採用することもできる。
【0023】
また、前述の傾斜高位置側の開閉部駆動機構72は、シャーシ75に立設された一対の固定体76と、固定体76間にシャーシ75と平行に固定された一対の案内ロッド77と、案内ロッド77を摺動自在に摺動する摺動体78と、固定対76の外側に互いに対向させてシャーシ75上に固定した一対の駆動モーター74とを有する。そして、かかる一対の駆動モーター74は、電磁石が内蔵されており、この電磁石の励磁の方向をソリッドリレー等により切り替えることにより、対向する駆動モーター74方向に先端部が案内ロッド77と平行に前進したりその反対方向に案内ロッド77と平行に後退する前進後退ロッド79をそれぞれ有する。それぞれの前進後退ロッド79は、それぞれの駆動モーター74に隣接する固定体76を摺動自在に貫通しており、その先端部にそれぞれ摺動体78が固定されている。また、摺動体78それぞれにはクランク状アーム73
が固定されており、クランク状アーム73の先端部側は、錠剤排出口11の下方に延びており、その先端部に開閉部71が固定されている。そして、開閉部71は閉鎖時にその上面が傾斜回転盤2の下面と一致するように位置せしめられており、開閉部71の閉鎖時において図1の奥側の開閉部71が前述の傾斜回転盤2の錠剤収容孔23による同心円のB列に対応位置し、図1の手前側の開閉部71が前述の傾斜回転盤2の錠剤収容孔23による同心円のD列に対応位置するようになっている。そして、それぞれの駆動モーター74の電磁石の励磁の方向をソリッドリレー等により切り替えることにより、図1の閉鎖状態から解放状態に向けて摺動体78が矢印方向に摺動し、これに伴って、開閉部71も矢印方向、即ち傾斜回転盤2の半径方向をその外周部方向に移動する。反対に、開放状態から閉鎖状態の開閉部71の移動は矢印とは反対方向に行われる。
【0024】
尚、本発明のシャッター装置7では、開閉部71の移動は独立して行われるが、開閉部71の独立した移動により、開閉部71やクランク状アーム74が互いに他のものと接触しないように配設け、構成されているのは勿論であるが、何れの開閉部71も、閉鎖時から解放時に向けて、或いは解放時から閉鎖時に向けて同一方向に移動するため、かかる構成を容易に形成することが可能となる。
【0025】
上記実施例では、開閉部71を駆動する駆動機構7は、開閉部駆動機構72は、錠剤排出口11の傾斜低位置側のものと、傾斜高位置側のものとが交互に設けられており、こうすることで、排出口11両側のスペースを有効利用することができる。その上、傾斜地位置側の更に傾斜低位置側と、傾斜高位置側の更に傾斜高位置側とにスペースを充分にとることが可能となり、ここにLEDライトを配置し、固定盤1と傾斜回転盤2を透明とすることにより、傾斜回転盤2の回転に伴い発生する錠剤微粉による画像処理の誤差を最小限に抑え、傾斜回転盤2の上方からの画像処理による錠剤3の計数が容易且つ確実になる。
【0026】
尚、実施例のシャッター装置7の開閉部71は、傾斜回転盤2外側の2条の錠剤収容孔23による同心円上に位置させその内側の複数条の錠剤収容孔23による同心円上にそれぞれ位置させているが、全ての錠剤収容孔23による同心円上にそれぞれ位置させて排出口11に設けられても良い、この場合、実施例では5個の開閉部駆動機構72が用いられることになるのに6個の開閉部駆動機構が用いられることになるため、コスト的には若干不利になる。
【0027】
また、実施例の傾斜高位置側の開閉部駆動機構72は、クランク状アーム73と、これを傾斜回転盤2の外周部方向と回転軸方向に往復駆動する駆動モーター74と主体として構成されておいるが、これを、錠剤排出口11の傾斜低位置側の開閉部駆動機構72と同様に、クランク状アームとこれを鉛直面内で略90度土範囲で往復回動する駆動モーターと主体として構成することもできる。
【0028】
実施例の錠剤計数供給装置におけるシャッター装置7によれば、開閉部71をそれぞれ独立して開閉部駆動機構72により駆動し、開閉部駆動機構7は、開閉部71をその閉鎖時から解放時に向けて傾斜回転盤2の上方からみて傾斜回転盤2の回転軸22側から外周部側に向けて移動させ、錠剤3の落下移動方向と開閉部71の移動方向が直交しており、平行ではないので、所望の指令に従って所望の開閉部71を開放すれば、錠剤3の落下を妨げることなく確実に落下排出できる動作が得られることは明らかである。
【0029】
尚、本発明の開閉部71をその閉鎖時から解放時に向けて傾斜回転盤2の上方からみて傾斜回転盤2の回転軸22側から外周部側に向けて移動させているが、反対に、開閉部71をその閉鎖時から解放時に向けて傾斜回転盤2の上方からみて傾斜回転盤2の外周部側から回転軸22側に向けて移動させることもできる。ただ、後者の場合、傾斜回転盤2の回転軸22側のスペース充分にとれないこともあり得、その場合開閉部71の移動に支障を来たしたり、開閉部駆動機構72の設置や構成が困難となり得るので、実施例の如く開閉部71をその閉鎖時から解放時に向けて傾斜回転盤2の上方からみて傾斜回転盤2の回転軸22側から外周部側に向けて移動させことが望まし。
【0030】
最後に、錠剤計数供給装置全体の動作を図4図7に基づき念のため説明する。供給ゾーン4には錠剤3が連続的に供給されており、ここには錠剤3が常時山盛り状態にある。従って、傾斜回転盤2の回転に従って或る単一の扇形ゾーン21が到達し通過すると、扇形ゾーン21の上面には大量の錠剤3が供給され、その全ての錠剤収容孔23には通常錠剤3が供給、収容される。ただ、希には錠剤3の向きや重なり方によっては、全ての錠剤収容孔23に錠剤3がそこにはめ込まれるような形態で収容されないこともある。経験的には、錠剤収容孔23に錠剤3全て収容されず、このような収容不足状態となる錠剤3の数は経験上1錠位であり、このような収容不足による欠品が生じたとしても、何ら支障がない。
【0031】
供給ゾーン4を通過した上記の扇形ゾーン21は、傾斜回転盤2の回転に従って、次いで、前記錠剤阻止板の下を通過し、傾斜回転盤2の錠剤収容孔23以外の傾斜回転盤2の上面に供給ゾーン4において存在する錠剤3が計数ゾーン6に到達するのが阻止され、計数ゾーン6には、錠剤収容孔23に全て錠剤3が供給乃至収容されているか否かは別として、錠剤収容孔23に錠剤3が収容された状態で上記の扇形ゾーン21が到達する。
【0032】
計数ゾーン6に上記の扇形ゾーン21が到達すると、前述のように、その情報に位置するスマートフォーン等の検知手段によっての検知に基づき画像処理が行われ、扇形ゾーン21の各列単位の錠剤収容孔23内の錠剤3の実錠剤数が計数され、どの列の錠剤収容孔23に対応する開閉部71を開放したら良いかが判断される。この判断結果に基づきその指令が5個の開閉部71をそれぞれ解放又は閉鎖状態に駆動する駆動モーター74に伝えられる準備がなされる。
【0033】
傾斜回転盤2の回転に従って、上述のように計測ゾーン6を通過した上記の扇形ゾーン21はやがて排出ゾーン5に到達する。排出ゾーン5に到達すると、上述の指令に基づいて所定の開閉部71が開放する。その結果、傾斜回転盤2の回転に従って、上記の扇形ゾーン21から所定錠数の錠剤が排出口11から錠剤供給ホッパー18に落下、排出される。
【0034】
ところで、排出ゾーン5で所定錠数の錠剤3排出した扇形ゾーン21は、排出されなかった錠剤3を錠剤収容孔23内に収容したまま、傾斜回転盤2の回転に従って、前述の排出錠剤数チェックゾーン7を通過する再に残存錠剤3数をチェックする操作がなされる。所定錠数の錠剤3が排出されなかった場合は、排出された錠剤3が次工程において欠品としてはじかれる。
【0035】
以上、単独の扇形ゾーン21に主に着目して錠剤計数供給装置の一例についてその動作について説明したが、傾斜回転盤2はこの実施例の場合、6個の扇形ゾーン21が形成されており、これらの扇形ゾーン21が傾斜回転盤2の回転に従って次々に供給ゾーン4、計数ゾーン6、排出ゾーン5を通過するから、上述の動作は、複数の扇形ゾーン21で、錠剤3の供給、計数、排出は同時に且つ連続的に行われる。
【0036】
尚、前述の説明では、排出ゾーン5において、単一の扇形ゾーン21について錠剤3が錠剤供給ホッパー18内に落下、排出される説明をしたが、錠剤供給ホッパー18内に落下、排出されるべき錠剤3の個数を大きく設定したい場合には、次々と排出ゾーン5に到達する扇形ゾーン21について落下、排出される錠剤3の個数を開閉部71の開閉により制御しつつ積算数が目標個数に達した時点で、そのことを判定し判定結果に基づく指令により錠剤供給開閉シャッター19を開放し、積算された所定数の錠剤3を次工程に供給することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のシャッター装置を用いた錠剤計数供給装置は、素錠、コーティング錠(含む糖衣錠)、ソフトカプセル、ハードカプセル等、原則として、医薬品、医薬部外品(健康食品)を含む人間が経口する錠剤すべてに適用可能である。そして、本発明の錠剤計数供給装置は、例えば100錠未満の比較的少数錠の小分けに最適なものである。
【符号の説明】
【0038】
1 傾斜固定盤
11 錠剤排出口
13 円筒壁
14 排出筒
15 フレーム
16 ホッパー
17 下部開口部
18 錠剤供給ホッパー
19 錠剤供給開閉シャッター
2 傾斜回転盤
21 扇形ゾーン
22 回転軸
23 錠剤収容孔
24 被駆動部
25 駆動部
26 ベルト
3 錠剤
4 供給ゾーン
5 排出ゾーン
6 計数ゾーン
7 シャッター装置
71 開閉部
72 開閉部駆動機構
73 クランク状アーム
74 駆動モーター
75 シャーシ
76 固定体
77 案内ロッド
78 摺動体
79 前進後退ロッド



































図1
図2
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図9