【解決手段】サブコンベヤ21Bは、物品Wを載せて運搬する無人搬送車7と物品Wを受け渡しするものであって、コンベヤ本体31と、昇降装置33とを備えている。コンベヤ本体31は、搬送方向に延びており、物品Wを搬送する。昇降装置33は、コンベヤ本体31を昇降する。コンベヤ本体31が下側位置にあるときには、物品Wを載置した無人搬送車7がコンベヤ本体31の正面から進入・退出可能である。コンベヤ本体31が上側位置にあるときに、物品Wを載置していない無人搬送車7がコンベヤ本体31の側方から進入・退出可能である。コンベヤ本体31が昇降することで、コンベヤ本体31と無人搬送車7との間で物品Wの受け渡しをする。
前記コンベヤ本体が下側位置にあるときに、物品を載置した前記無人搬送車が前記コンベヤに進入すると、前記物品の下面の少なくとも一部が前記コンベヤ本体の上面より高い位置にあり、
前記コンベヤ本体が上側位置にあるときに、物品を載置していない前記無人搬送車が前記コンベヤに側方から進入すると、前記無人搬送車の上面が前記コンベヤ本体の下面より低い位置にある、請求項1に記載のコンベヤ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、コンベヤの正面において無人搬送車との間で物品を移載する場合は、搬送レベルを合わせるために無人搬送車のリフタが物品を昇降していた。
その場合、全ての無人搬送車に所定長さのストロークを有するリフタを搭載する必要があった。
【0005】
本発明の目的は、無人搬送車のリフタの必要性を減らすことで、コストダウンを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係るコンベヤは、物品を載せて運搬する無人搬送車と物品を受け渡しするものであって、コンベヤ本体と、昇降装置とを備えている。
コンベヤ本体は、搬送方向に延びており、物品を載置して搬送する。
昇降装置は、コンベヤ本体を昇降する。
コンベヤ本体が下側位置にあるときには、物品を載置した無人搬送車がコンベヤ本体の正面から進入・退出可能である。
コンベヤ本体が上側位置にあるときには、物品を載置していない無人搬送車がコンベヤ本体の側方から進入・退出可能である。
コンベヤ本体が昇降することで、コンベヤ本体と無人搬送車との間で物品の受け渡しをする。
【0008】
このコンベヤの動作の第1の例(入庫動作)では、コンベヤ本体が下降した状態において、物品を載せた無人搬送車がコンベヤ本体の正面から進入する。そして、コンベヤ本体が上昇することで、物品が無人搬送車からコンベヤ本体に移載される。続いて、無人搬送車は、コンベヤ本体の側方から退出する。
このコンベヤの動作の第2の例(出庫動作)では、コンベヤ本体が上昇した状態において、物品を載せていない無人搬送車がコンベヤ本体の側方から進入する。そして、コンベヤ本体が下降することで、物品がコンベヤ本体から無人搬送車に移載される。続いて、無人搬送車は、コンベヤ本体の正面から退出する。
【0009】
このコンベヤでは、無人搬送車がコンベヤの正面及び側方からアクセス可能であるので、無人搬送車の移載動作に起因する渋滞が生じない。無人搬送車がコンベヤ本体に進入する場所と退出する場所が異なる、つまり一方通行可能だからである。さらに、無人搬送車がコンベヤの側方から出て次のコンベヤに側方から入れるので、複合動作が実現される。
また、コンベヤ本体が昇降することで無人搬送車との間で物品の受け渡しを行うので、無人搬送車にリフタがなくても、物品の受け渡しが可能になる。
【0010】
コンベヤ本体が下側位置にあるときに、物品を載置した無人搬送車がコンベヤに進入すると、物品の下面の少なくとも一部が、コンベヤ本体の上面より高い位置にあってもよい。
コンベヤ本体が上側位置にあるときに、物品を載置していない無人搬送車がコンベヤに側方から進入すると、無人搬送車の上面が、コンベヤ本体の下面より低い位置にあってもよい。
このコンベヤでは、昇降装置がコンベヤ本体を下側位置から上側位置に移動させると、コンベヤ本体が物品の下面に当たって物品を持ち上げる。
また、昇降装置がコンベヤ本体を上側位置から下側位置に移動させると、コンベヤ本体の上にある物品が無人搬送車の上面に降ろされる。
【0011】
昇降装置は、支持枠と、吊り部材と、昇降モータとを有していてもよい。
吊り部材は、支持枠に支持されており、コンベヤ本体を吊してもよい。
昇降モータは、吊り部材を駆動することで、コンベヤ本体を昇降させてもよい。
このコンベヤでは、コンベヤを設置する際にピットが不要になる。また、無人搬送車の走行面において、コンベヤの柱以外の構造物を設置する必要が無くなくなる。
【0012】
コンベヤは、横並びに2つ配置されていてもよい。
支持枠は、横並びの2つのコンベヤにおいて共用された柱を有していていてもよい。
このコンベヤでは、隣接するコンベヤ間の間隔を狭くできる。さらに、部品点数を減らせるので、コストダウンできる。
【0013】
コンベヤは、横並びに2つ配置されていてもよい。
支持枠は、横並びの2つのコンベヤにおいて千鳥状に配置された柱を有していてもよい。
このコンベヤでは、隣接するコンベヤの間隔を狭くできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るコンベヤでは、コンベヤ本体が昇降することで物品の受け渡しを行うので、無人搬送車にリフタがなくても、物品の受け渡しが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.第1実施形態
(1)搬送車システムの全体構成
図1を用いて、搬送車システム1を説明する。
図1は、第1実施形態に係る搬送車システムの配置構成を示す概略平面図である。
搬送車システム1は、自動倉庫3(自動倉庫の一例)に物品W(物品の一例、
図2及び
図3を参照)を入出庫するための搬送系を構成するシステムであって、入庫コンベヤ15及び出庫コンベヤ17と、複数の無人搬送車7とを有している。
なお、物品Wの大きさ、形状及び重さ等は特に限定されず、あらゆる物体を物品Wとしてよい。この実施形態では、パレット及び荷物の組み合わせ、パレットのみも物品Wとして説明する。
【0017】
以下の説明において、第1方向(矢印X)は、水平方向であって、入庫コンベヤ15及び出庫コンベヤ17の搬送方向である。第2方向(矢印Y)は、第1方向に直交する水平方向であって、入庫コンベヤ15及び出庫コンベヤ17の列の並び方向である。第3方向(矢印Z)は、鉛直方向である。
【0018】
(2)自動倉庫
自動倉庫3は、ラック9及びスタッカクレーン11を有する。自動倉庫3は、無人搬送車7によって搬送されてきた物品Wを自動的に保管すると共に、保管している物品Wを自動的に搬出する。
【0019】
各自動倉庫3において、ラック9は、第1方向を長手方向とし、第2方向に間隔をあけて対向するように一対配置されている。ラック9は、物品Wが載置されて収納される荷載置部を第1方向及び第3方向に複数有している。これにより、ラック9は、物品Wを第1方向及び第3方向にマトリクス状に保管できる。
【0020】
スタッカクレーン11は、各自動倉庫3において第2方向に対向するラック9の間に第1方向に沿って延設された走行レール13を走行する。スタッカクレーン11は、走行レール13に沿って走行可能な走行台車と、この走行台車上のマストに沿って昇降自在で且つ移載装置が設けられた昇降台と、を含む。スタッカクレーン11は、ラック9の荷載置部と後述の入庫コンベヤ15及び出庫コンベヤ17との間で物品Wを搬送する。スタッカクレーン11は、ラック9の荷載置部、入庫コンベヤ15及び出庫コンベヤ17に対して、物品Wの移載(荷積み及び荷下ろし)を行う。
【0021】
スタッカクレーン11としては、特に限定されず、種々の公知のスタッカクレーンを用いることができる。スタッカクレーン11としては、例えば、物品Wの後端にフックを引っ掛けて取り込むリアフック式、物品Wの両側を挟んで保持し移載するクランプ式、スライドフォークで物品Wをすくい上げて移載するフォーク式、又は、物品Wの前端にフックを引っ掛けて取り込むフロントフック式等の装置を用いることができる。
【0022】
(3)入庫コンベヤ及び出庫コンベヤ
入庫コンベヤ15及び出庫コンベヤ17は、各々、メインコンベヤ21Aと、サブコンベヤ21B(コンベヤの一例)とを有している。
(3−1)メインコンベヤ
メインコンベヤ21Aは、第1方向を搬送方向として延びており、列状に並んでいる。入庫コンベヤ15のメインコンベヤ21Aと出庫コンベヤ17のメインコンベヤ21Aは、第2方向に隣接して並んでいる。メインコンベヤ21Aは、物品Wを載置すると共に、当該物品Wを第1方向に沿って搬送する。
なお、メインコンベヤ21Aの種類又は構成等は特に限定されない。メインコンベヤ21Aとしては、例えばベルトコンベヤ、チェーンコンベヤ又はローラコンベヤ等の種々のコンベヤを用いることができる。
【0023】
(3−2)サブコンベヤ
サブコンベヤ21Bは、自動倉庫3へ物品Wを入庫又は自動倉庫3から物品Wを出庫するためのコンベヤであって、無人搬送車7との間で物品Wが移載される。サブコンベヤ21Bは、第1方向を搬送方向として延びており、列状に並んでいる。サブコンベヤ21Bは、メインコンベヤ21Aの第1方向端部に配置されている。入庫コンベヤ15のサブコンベヤ21Bと出庫コンベヤ17のサブコンベヤ21Bは、第2方向に隣接している。
【0024】
図2〜
図4を用いて、サブコンベヤ21Bを説明する。
図2は、搬送車システムの一部の配置構成を示す詳細平面図である。
図3は、搬送車システムの一部の配置構成を示す詳細側面図である。
サブコンベヤ21Bは、コンベヤ本体31(コンベヤ本体の一例)と、昇降装置33(昇降装置の一例)とを備えている。
コンベヤ本体31は、例えば、一対のチェーンコンベヤである。コンベヤ本体31は、搬送モータ31Aを有している。コンベヤ本体のコンベヤの種類は限定されない
昇降装置33は、コンベヤ本体31を昇降する。具体的には、昇降装置33は、コンベヤ本体31を上側位置と下側位置との間で移動させる(後述)。
【0025】
昇降装置33は、支持枠41(支持枠の一例)と、昇降モータ43(昇降モータの一例)と、吊り部材45(吊り部材の一例)とを有している。
支持枠41は、コンベヤ本体31を上部から支持するための構造であり、一対の駆動部35を支持する4本の支柱41A(柱の一例)や他の構造を有する。4本の支柱41Aは、平面視で四角形の頂点の位置に配置されており、各支柱41A同士の間(四角形の辺)は、間隙となっている。これら間隙には、コンベヤの下部に通常存在する繋ぎ材等が設けられていない。
また、第2方向に並んだ2の支柱41Aの間隙の長さは、無人搬送車7が通過可能な長さである。さらに、第1方向に並んだ2本の支柱41Aの間隙の長さは、無人搬送車7が通過可能な長さである。この結果、無人搬送車7は、サブコンベヤ21B内外に対して正面(第1方向)及び側方(第2方向)に通過可能である。
【0026】
なお、横並びの2つのサブコンベヤ21Bでは、2本の支柱41Aが共用されている。したがって、隣接するサブコンベヤ21B同士の間隔(第2方向の長さ)を狭くできる。さらに、部品点数を減らせるので、コストダウンできる。
【0027】
昇降モータ43及び吊り部材45は組をなして電動シリンダを構成しており、各組はコンベヤ本体31に対応して設けられている。具体的には、各組は、各コンベヤ本体31の第1方向中間近傍に設けられている。
昇降モータ43は、支持枠41に支持されている。
吊り部材45は、コンベヤ本体31を吊している。吊り部材45は、昇降モータ43に連結された伸縮式ロッドである。なお、コンベヤ本体31は、支柱41Aとリニアガイドによって上下自在に移動可能に設置されている。
このサブコンベヤ21Bでは、サブコンベヤ21Bを設置する際にピットが不要になる。また、無人搬送車7の走行面において、支柱41A以外の構造物を設置する必要が無くなくなる。
【0028】
コンベヤ本体31が下側位置にあるときに(
図3の実線、
図6など)、物品Wを載置した無人搬送車7が、コンベヤ本体31の正面から進入・退出可能である。これは、無人搬送車7の移動時の第2方向幅が一対の支柱41A同士の第2方向隙間より短く、かつ、物品Wの下面の第2方向両側部分が一対のチェーンコンベヤの上方を移動するからである。なお、一対のチェーンコンベヤ間の幅は、無人搬送車7の昇降テーブルの横幅より広い(
図5参照)。
コンベヤ本体31が上側位置にあるときに(
図3の破線、
図12など)、物品Wを載置していない無人搬送車7が、コンベヤ本体31の側方から進入・退出可能である。これは、無人搬送車7の移動時の第1方向幅が一対の支柱41A同士の第1方向隙間より短く、かつ、無人搬送車7の上面が一対のチェーンコンベヤであるコンベヤ本体31の下面より低い位置にあるからである。
コンベヤ本体31が昇降することで、コンベヤ本体31と無人搬送車7との間で物品Wの受け渡しをする(後述)。
【0029】
(4)無人搬送車
無人搬送車7は、無人走行する搬送用台車である。無人搬送車7は、予め定められたルートRに沿って走行する。無人搬送車7は、入庫コンベヤ15及び出庫コンベヤ17との間で物品Wを移載可能である。無人搬送車7としては、AGV(Automated Guided Vehicle)が用いられている。無人搬送車7は、例えば、昇降テーブル7aを有している。
無人搬送車7は、ルートRに誘導されて走行する車両本体を有する。無人搬送車7で採用される誘導方式は特に限定されず、例えば磁気誘導式、レーザ誘導式等の何れであってもよい。ルートRは、例えば、磁気テープ(磁気マーカ)、レーザ反射板又はレール等により構成できる。
【0030】
ルートRは格子状に形成されている。ルートRは、サブコンベヤ21B内を通って延びている。
ルートRは、例えば、一方通行ルートR1を有している。一方通行ルートR1は、例えば、無人搬送車7が、入庫コンベヤ15のサブコンベヤ21Bに正面から進入して物品Wを入庫し、そこから出庫コンベヤ17のサブコンベヤ21Bに向かって側方に移動し、さらにそこから正面に退出することで物品Wを出庫するルートである。
【0031】
(5)制御構成
図4を用いて、搬送車システム1の制御構成を説明する。
図4は、搬送車システムの制御構成を示すブロック図である。
搬送車システム1は、コントローラ50を有している。コントローラ50は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。制御部は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
コントローラ50は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
コントローラ50の各要素の機能は、一部又は全てが、コントローラ50を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、制御部の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
【0032】
コントローラ50は、入庫コンベヤ15及び出庫コンベヤ17のメインコンベヤ21A及びサブコンベヤ21Bと無線又は有線で接続されており、入庫コンベヤ15及び出庫コンベヤ17による物品Wの搬送を制御する。
コントローラ50は、無人搬送車7と無線又は有線で接続されており、無人搬送車7の走行の動作を制御する。
図4に示すように、コントローラ50は、サブコンベヤ21Bの搬送モータ31A及び昇降モータ43に駆動指令を送信可能である。
【0033】
(6)入出庫動作
(6−1)入庫動作
図5〜
図11を用いて、入庫動作を説明する。
図5、
図7、及び
図9は、入庫コンベヤの概略的平面図である。
図6、
図8、
図10は、搬送車システムの一部の配置構成を示す概略側面図である。
図5及び
図6に示すように、入庫動作の前には、入庫コンベヤ15のサブコンベヤ21Bにおいて、物品を載せていないコンベヤ本体31が下側位置にある。この状態において、
図5〜
図7に示すように、物品Wを載せた無人搬送車7がサブコンベヤ21Bの正面から進入し、サブコンベヤ21Bの下部に潜り込む。
【0034】
次に、
図8に示すように、昇降装置33がコンベヤ本体31を上昇させることで、コンベヤ本体31が上側位置に上昇する。これにより、コンベヤ本体31が物品Wをすくい上げて、物品Wが無人搬送車7から離れる。
次に、
図9及び
図10に示すように、物品Wは、サブコンベヤ21B及びメインコンベヤ21Aを第1方向に搬送される。同時に、無人搬送車7は、コンベヤ本体31の側方から第2方向に退出する。
【0035】
(6−2)出庫動作
図11〜
図15を用いて、出庫動作を説明する。
図11及び
図14は、搬送車システムの一部の配置構成を示す概略平面図である。
図12、
図13及び
図15は、入庫コンベヤの概略的側面図である。
図11及び
図12に示すように、出庫動作の前には、出庫コンベヤ17のサブコンベヤ21Bにおいて、物品Wを載せているコンベヤ本体31が上側位置にある。
次に、
図11及び
図12に示すように、物品Wを載せていない無人搬送車7が、サブコンベヤ21Bの側方から進入し、サブコンベヤ21Bの下部に進入する。
【0036】
次に、
図13に示すように、昇降装置33がコンベヤ本体31を下降させることで、コンベヤ本体31が下側位置まで下降する。その途中で、コンベヤ本体31は、無人搬送車7の上に物品Wに載置して、さらに下降する。
最後に、
図14及び
図15に示すように、無人搬送車7は、物品Wを載せた状態でサブコンベヤ21Bの正面から退出する。
なお、無人搬送車7がリフタを有している場合は、コンベヤ本体31が下降すると同時にリフタを上昇させることで、移載時間を短縮できる。
【0037】
(7)実施形態の効果
上記実施形態の複数の効果を説明する。これら効果は少なくとも一つが達成されればよく、全てが達成されなくてもよい。
(7−1)渋滞が生じにくいこと
このサブコンベヤ21Bでは、無人搬送車7がサブコンベヤ21Bの正面及び側方からアクセス可能である。そのため、無人搬送車7の移載動作に起因する渋滞が生じない。無人搬送車7がコンベヤ本体31に進入する場所と退出する場所が異なる、つまり一方通行可能だからである。
さらには、無人搬送車7は、入庫コンベヤ15のサブコンベヤ21Bの下部に潜り込み可能であり、隣接するサブコンベヤ21B同士の下部の間を移動可能である。よって、サブコンベヤ21Bの下部を利用して、多数の無人搬送車7を効率良く連続的に動作させることができる。
以上より、入庫コンベヤ15及び出庫コンベヤ17との間で物品Wを移載する際、多数の無人搬送車7により多数の物品Wを効率よく取り扱うことが可能となる。高能力な搬送車システム1を実現できる。
【0038】
(7−2)複合動作が可能であること
無人搬送車7の複合動作、すなわち、入庫コンベヤ15への物品Wの移載と出庫コンベヤ17からの物品Wの移載との連続動作を、それらの間に無人搬送車7を第1方向に移動させずに、行うことが可能となる。具体的には、搬送車システム1では、一方通行ルートR1において、無人搬送車7は、入庫コンベヤ15に進入して出庫コンベヤ17へ移動した後に、出庫コンベヤ17から退出する。
この構成によれば、無人搬送車7による入庫コンベヤ15での荷下ろしと出庫コンベヤ17での荷積みとを連続的に実現できる。
【0039】
(7−3)無人搬送車のリフタを不要にできること
コンベヤ本体31が昇降することで無人搬送車7との間で物品Wの受け渡しを行うので、無人搬送車7にリフタがなくても、物品Wの受け渡しが可能になる。
【0040】
2.第2実施形態
図16を用いて、第2実施形態を説明する。
図16は、第2実施形態の搬送車システムの一部の配置構成を示す概略平面図である。
第1実施形態と同様に、サブコンベヤ21Bは、横並びに2つ配置されている。
支持枠41は、横並びの2つのサブコンベヤ21Bにおいて千鳥状に配置された支柱41Bを有している。つまり、2つの支持枠41の支柱41Bは、第1方向にずれて配置されており、互いに近い側の支柱41Bは第2方向の同じ位置に配置されている。したがって、隣接するサブコンベヤ21B同士の間隔(第2方向の長さ)を狭くできる。
【0041】
3.実施形態の特徴
第1実施形態及び第2実施形態は、下記の事項が共通である。
コンベヤ(例えば、サブコンベヤ21B)は、物品(例えば、物品W)を載せて運搬する無人搬送車(例えば、無人搬送車7)と物品Wを受け渡しするものであって、コンベヤ本体と、昇降装置とを備えている。
コンベヤ本体(例えば、コンベヤ本体31)は、搬送方向に延びており、物品を載置して搬送する。
昇降装置(例えば、昇降装置33)は、コンベヤ本体を昇降する。
コンベヤ本体が下側位置にあるときには(例えば、
図6)、物品を載置した無人搬送車がコンベヤ本体の正面から進入・退出可能である。
コンベヤ本体が上側位置にあるときには(例えば、
図12)、物品を載置していない無人搬送車がコンベヤ本体の側方から進入・退出可能である。
コンベヤ本体が昇降することで、コンベヤ本体と無人搬送車との間で物品の受け渡しをする。
このコンベヤでは、無人搬送車がコンベヤの正面及び側方からアクセス可能であるので、無人搬送車の移載動作に起因する渋滞が生じない。無人搬送車がコンベヤ本体に進入する場所と退出する場所が異なる、つまり一方通行可能だからである。さらに、無人搬送車がサブコンベヤの側方から出て次のサブコンベヤに側方から入れるので、複合動作が実現される。
また、コンベヤ本体が昇降することで無人搬送車との間で物品の受け渡しを行うので、無人搬送車にリフタがなくても、物品の受け渡しが可能になる。
【0042】
4.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0043】
コンベヤは無人搬送車との間で物品を移載できればよいので、自動倉庫は必須ではない。
自動倉庫の構成は特に限定されない。
入庫コンベヤ及び出庫コンベヤの構成及び配置は特に限定されない。
入庫コンベヤ及び出庫コンベヤは兼用されていてもよい。
昇降装置は、上側位置と下側位置の2点だけでなく、入庫コンベヤ及び出庫コンベヤをさらに高い位置として3点へ昇降させてもよい。
無人搬送車は、リフタを有していなくても、リフタを有していてもよい。
昇降装置の種類は特に限定されない。昇降装置は、回転モータと駆動機構(チェーン、ベルトなど)の組み合わせでもよいし、回転モータと直動機構(ラック及びピニオン、ボールネジ機構など)の組み合わせでもよい。