【実施例】
【0138】
別段の定めがない限り、出発材料は、概して、Aldrich Chemicals Co.(Milwaukee、WI)、Lancaster Synthesis,Inc.(Windham、NH)、Acros Organics(Fairlawn、NJ)、Maybridge Chemical Company,Ltd.(Cornwall、England)およびTyger Scientific(Princeton、NJ)等の商業的供給源から入手可能である。ある特定の一般的な略語および頭字語が用いられており、それらは、AcOH(酢酸)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、CDI(1,1’−カルボニルジイミダゾール)、DCM(ジクロロメタン)、DEA(ジエチルアミン)、DIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、DMF(N,N’−ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、EDCI(N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド)、Et
2O(ジエチルエーテル)、EtOAc(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、Gまたはg(グラム)、HATU(2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム)、HBTU(O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、Hまたはh(時間)、IPA(イソプロピルアルコール)、KHMDS(カリウムヘキサメチルジシラジド)、MeOH(メタノール)、Lまたはl(リットル)、mL(ミリリットル)、MTBE(tert−ブチルメチルエーテル)、mg(ミリグラム)、NaBH(OAc)
3(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)、NaHMDS(ナトリウムヘキサメチルジシラザン)、NMP(N−メチルピロリドン)、RH(相対湿度)、RTまたはrt(周囲温度(約20から25℃)と同じである室温)、SEM([2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、およびT
3P(プロパンホスホン酸無水物)を含み得る。
【0139】
1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、いずれの場合も、推定構造と一致していた。特徴的な化学シフト(δ)は、重水素化溶媒中の残留プロトンシグナル(7.27ppmのCHCl
3、3.31ppmのCD
2HOD)に対するパーツパーミリオン(ppm)で記され、主要ピークの呼称を表す従来の略語:例えば、s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;br、広域を使用して報告される。
【0140】
ssNMRは、固体状態NMRを意味する。
【0141】
PXRDは、粉末X線回折を意味する。
【0142】
用語「実質的に同じ」は、X線粉末回折パターンについて記述するために使用される場合、そのピークが+/−0.2°2θの標準偏差内であるパターンを含むことを意味する。
【0143】
本明細書において使用される場合、特定の結晶形態に対する用語「実質的に純粋な」は、該結晶形態が、重量で10%未満、好ましくは5%未満、好ましくは3%未満、好ましくは1%未満の、化合物Aまたは化合物Dの任意の他の物理的形態を含むことを意味する。
【0144】
反応は、空気中で、または、酸素もしくは水分に感受性の試薬もしくは中間体を用いる場合には、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)下で、実施した。適切な場合、反応装置は、ヒートガンを使用して動的真空下で乾燥させ、無水溶媒(Aldrich Chemical Company、Milwaukee、WisconsinのSure−Seal(商標)製品、またはEMD Chemicals、Gibbstown、NJのDriSolv(商標)製品)を用いた。市販の溶媒および試薬は、さらに精製することなく使用した。指示されている場合、BiotageイニシエーターまたはPersonal Chemistryエムリーズオプティマイザーマイクロ波を使用するマイクロ波照射によって、反応物を加熱した。反応進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および/またはガスクロマトグラフィー−質量分析(GCMS)分析を使用してモニターした。TLCは、蛍光指示薬(254nm励起波長)を用いるプレコートシリカゲルプレートで実施し、UV光下でならびに/またはI
2、KMnO
4、CoCl
2、リンモリブデン酸および/もしくはモリブデン酸セリウムアンモニウム染色を用いて可視化した。LCMSデータは、Leap Technologiesオートサンプラー、ジェミニC18カラム、MeCN/水勾配、および、TFA、ギ酸または水酸化アンモニウム調整剤のいずれかを用いて、アジレント1100シリーズ機器で獲得した。カラム溶離液は、Waters ZQ質量分析計走査を、100から1200Daまでの正および負イオンモード両方で使用して分析した。他の同様の機器も使用した。HPLCデータは、ジェミニまたはクロスブリッジC18カラム、MeCN/水勾配、およびTFAまたは水酸化アンモニウム調整剤のいずれかを使用して、アジレント1100シリーズ機器で獲得した。GCMSデータは、HP6890インジェクター、HP−1カラム(12m×0.2mm×0.33μm)およびヘリウム担体ガスを用いるHewlett Packard 6890オーブンを使用して獲得した。試料は、電子イオン化を使用して、50から550DaまでHP5973質量選択検出器走査で分析した。精製は、Iscoコンビフラッシュコンパニオン、AnaLogixインテリフラッシュ280、Biotage SP1、またはBiotageアイソレラワン機器およびプレパックIscoレディセップもしくはBiotageスナップシリカカートリッジを使用する中速液体クロマトグラフィー(MPLC)によって実施した。キラル精製は、BergerまたはThar機器;キラルパック−AD、−AS、−IC、キラルセル−ODまたは−OJカラム;および、単独のまたはTFAもしくはiPrNH
2を使用して修飾された、MeOH、EtOH、iPrOHまたはMeCNを加えたCO
2混合物を使用する、キラル超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって実施した。UV検出を使用して、分別捕集を誘引した。
【0145】
質量分析データは、LCMS分析により報告される。質量分析(MS)は、大気圧化学イオン化(APCI)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、電子衝撃イオン化(EI)または電子散乱(ES)イオン化源を介して実施した。プロトン磁気共鳴スペクトル法(
1H NMR)化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場のパーツパーミリオンで記され、300、400、500または600MHzのVarian分析計で記録した。化学シフトは、重水素化溶媒残留ピークを参照して、パーツパーミリオン(ppm、δ)で表現される。ピーク形状は、次の通りに記述される:s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;quin、五重線;m、多重線;brs、広域一重線;app、見掛け。分析的SFCデータは、上述した通りにBerger分析機器で獲得した。旋光度データは、1dmセルを使用してPerkinElmerモデル343偏光計で獲得した。シリカゲルクロマトグラフィーは、BiotageおよびISCOを含む種々の商業的供給業者によって予め包装されたカラムを使用して、中圧BiotageまたはISCOシステムを主として使用し実施した。微量分析は、Quantitative Technologies Inc.によって実施され、算出された値の0.4%以内であった。
【0146】
別段の注記がない限り、化学反応は、室温(摂氏約23度)で実施した。
【0147】
後述する化合物および中間体は、ケムバイオドローウルトラ、バージョン12.0(CambridgeSoft Corp.、Cambridge、Massachusetts)が提供する命名規則を使用して命名した。ケムバイオドローウルトラ、バージョン12.0が提供する命名規則は、当業者に周知であり、ケムバイオドローウルトラ、バージョン12.0が提供する命名規則は、概して、有機化合物の命名法におけるIUPAC(国際純正応用化学連合)勧告およびCASインデックスルールに適合すると考えられる。別段の注記がない限り、すべての反応物質は、さらに精製することなく商業的に入手した、または文献において公知の方法を使用して調製した。
【0148】
用語「濃縮した」、「蒸発させた」および「真空で濃縮した」は、60℃未満の浴温度を持つロータリーエバポレーターにおける、減圧での溶媒の除去を指す。略語「min」および「h」は、それぞれ「分」および「時間」を表す。用語「TLC」は、薄層クロマトグラフィーを指し、「室温または周囲温度」は、18から25℃の間の温度を意味し、「GCMS」は、ガスクロマトグラフィー−質量分析を指し、「LCMS」は、液体クロマトグラフィー−質量分析を指し、「UPLC」は、超高速液体クロマトグラフィーを指し、「HPLC」は、高圧液体クロマトグラフィーを指し、「SFC」は、超臨界流体クロマトグラフィーを指す。
【0149】
水素化は、加圧水素ガス下、Parrシェーカー内で、または、完全水素および1〜2mL/分の間の流速で、指定された温度にて、Thales−nano Hキューブフロー式水素化装置内で、実施され得る。
【0150】
HPLC、UPLC、LCMS、GCMSおよびSFC保持時間は、手順に注記された方法を使用して測定した。
【0151】
本発明の化合物は、化学分野で周知のものに類似のプロセスを含む合成ルートによって、特に本明細書に含有される記述を踏まえて、合成され得る。出発材料は、概して、Aldrich Chemicals(Milwaukee、WI)等の商業的供給源から入手可能であるか、または当業者に周知の方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F.FieserおよびMary Fieser、Reagents for Organic Synthesis、第1〜19巻、Wiley、New York(1967〜1999年版)、またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie、第4版、Springer−Verlag、Berlin、付録を含む(Beilsteinオンラインデータベースを介しても利用可能)に概して記述されている方法によって調製される)。(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製は、あらゆる目的のための参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、US2018−0051012A1の実施例1において提示されている。4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸の調製は、あらゆる目的のための参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、US8,859,577の実施例9にある。[(1R,5S,6R)−3−{2−[(2S)−2−メチルアゼチジン−1−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル]酢酸(その結晶性遊離酸形態を含む)の調製は、米国特許第9,809,579号の実施例4において記述されている。GLP−1Rアゴニストの調製は、米国特許第10,208,019号において記述されている。
【0152】
中間体および実施例の調製
(実施例1)
(DGAT2i化合物/化合物D):(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド
【0153】
【化3】
ステップ1:3−エトキシピリジン
炭酸セシウム(12mol、1.5当量)およびヨウ化エチル(9.7mol、1.2当量)を、15℃のアセトン(12L)中の3−ヒドロキシピリジン(hydroxypyrdine)(8.10mol、1.0当量)の溶液に添加した。反応混合物を室温で24時間にわたって撹拌した。反応混合物を濾過し、有機層を濃縮して、粗生成物を得た。酢酸エチル(20L)を添加し、水(3×5L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、3−エトキシピリジン(620g、62%)を油として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.44 (t, 3H), 4.07 (q, 2H), 7.15-7.23 (m,
2H), 8.20 (dd, 1H), 8.30 (d, 1H).
【0154】
ステップ2:3−エトキシピリジン−1−オキシド
m−クロロ過安息香酸(6.5mol、1.3当量)を、10℃のジクロロメタン(12L)中の3−エトキシピリジン(5.0mol、1.0当量)の溶液に添加した。反応混合物を室温で24時間にわたって撹拌した。チオ硫酸ナトリウム(5Lの水中4kg)を添加した。反応混合物を15℃で2時間にわたって撹拌した。別の部のチオ硫酸ナトリウム(5Lの水中1.5kg)を添加した。反応混合物を15℃で1時間にわたって撹拌した。混合物をジクロロメタン(16×10L)で抽出した。合わせた有機層を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール;100:1〜10:1)によって精製して、表題化合物(680g、97%)を褐色油として得た。これを、室温で24時間にわたる石油エーテル(4L)での粉砕によってさらに精製して、3−エトキシピリジン−1−オキシド(580g、83%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.41 (t, 3H), 4.02 (q, 2H), 6.84 (dd, 1H),
7.12 (dd, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.91-7.95 (m, 1H).
【0155】
ステップ3:2−((5−ブロモピリジン−3−イル)オキシ)−3−エトキシピリジン
この反応は、5つの並列バッチで行った。
【0156】
ジイソプロピルエチルアミン(2.69mol、3.7当量)およびブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(0.93mol、1.3当量)を、室温のテトラヒドロフラン(2500mL)中の3−エトキシピリジン−1−オキシド(0.72mol、1.0当量)および3−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(0.72mol、1.0当量)の撹拌溶液に添加した。反応混合物を室温で2日間にわたって撹拌し、次いで、別個のバッチを合わせて、単一のバッチとした。得られた懸濁液を濃縮乾固し、ジクロロメタン(25L)に溶解した。有機層を、1N水酸化ナトリウム(15L)、水(3×20L)およびブライン(20L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、油を得た。粗製油をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル;10:1〜1:1)によって精製して、粗生成物を褐色固体として得た。この固体をメチルtert−ブチルエーテル:石油エーテル(1:10;11L)で粉砕して、2−((5−ブロモピリジン−3−イル)オキシ)−3−エトキシピリジン(730g、69%)をオフイエロー固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.49 (t, 3H), 4.16 (q, 2H), 7.04 (dd, 1H),
7.25 (dd, 1H), 7.68-7.73 (m, 2H), 8.44 (d, 1H), 8.49 (d, 1H). MS (ES+)
297.1 (M+H).
【0157】
ステップ4:エチル2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキシレート
テトラヒドロフラン(1.3L)中の2−((5−ブロモピリジン−3−イル)オキシ)−3−エトキシピリジン(300mmol、1.0当量)の溶液を、窒素で30分間にわたって脱気した。ターボグリニャール(390mmol、1.3当量、テトラヒドロフラン中1.3M)を、室温にて、内部温度を30℃未満に維持する速度で添加した。反応混合物を室温に冷却させ、3時間にわたって撹拌した。反応物を10℃に冷却し、塩化亜鉛(390mmol、1.3当量、2−メチルテトラヒドロフラン中1.9M)を、温度を15℃未満に維持する速度で添加した。得られた懸濁液を、すべての沈殿物が溶解するまで室温に加温し、次いで、冷却して10℃に戻した。エチル2−クロロピリミジン−5−カルボキシレート(360mmol、1.2当量)およびジクロロ[ビス(2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル)エーテル]パラジウム(II)(6.00mmol、0.02当量)を固体として添加した。得られた懸濁液を、窒素で30分間にわたって脱気し、次いで、50℃に16時間にわたって加熱した。反応物を水性条件下でワークアップし、次いで、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、チオシリカ(thiosilica)および炭で順次に処理して、金属不純物を除去した。粗化合物をメタノール(450mL)から再結晶させて、エチル2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキシレート(77g、70%)を淡黄色固体として産出した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.44 (t, 3H), 1.50 (t, 3H), 4.19 (q, 2H),
4.46 (q, 2H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.71 (d, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.66
(d, 1H), 9.32 (s, 2H), 9.55 (s, 1H).
【0158】
ステップ5:2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(中間体1)
水酸化ナトリウム(307mmol、1.5当量、4M水溶液)およびメタノール(50mL)を、テトラヒドロフラン(300mL)中の2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキシレート(205mmol、1.0当量)の懸濁液に添加した。得られた溶液を室温で3時間にわたって撹拌した。反応混合物を水(400mL)で希釈し、2:1 ジエチルエーテル:ヘプタン(2×300mL)で抽出した。水性層を4M塩酸で4のpHに酸性化した。得られた懸濁液を室温で1時間にわたって撹拌した。固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(69g、100%)を淡黄色固体として産出した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ1.37 (t, 3H), 4.18 (q, 2H), 7.19 (dd, 1H),
7.58 (dd, 1H), 7.70 (dd, 1H), 8.35-8.40 (m, 1H), 8.66 (d, 1H), 9.33 (s, 2H),
9.41 (d, 1H), 13.9 (br. s, 1H).
【0159】
ステップ6:(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(実施例1(DGAT2i化合物))
塩化オキサリル(13.8mL、160mmol、1.2当量)およびジメチルホルムアミド(0.510mL、6.65mmol、0.05当量)を、ジクロロメタン(500mL)中の2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(45.0g、133mmol、1.0当量)の懸濁液に添加した。溶液が実現されたら、懸濁液を2時間にわたって撹拌した。反応混合物を濃縮して、粗酸塩化物を赤色固体として産出した。テトラヒドロフラン(100mL)中の(S)−テトラヒドロフラン−3−アミン(12.2g、140mmol、1.05当量)およびジイソプロピルエチルアミン(51.0mL、293mmol、2.2当量)の溶液を、0℃のジクロロメタン中粗酸塩化物の溶液(200mL)に滴下添加した。反応物を室温に加温させ、16時間にわたって撹拌した。水(1.0L)および酢酸エチル(600mL)を添加し、有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。濾液を活性炭(20g)で処理し、65℃で20分間にわたって撹拌した。懸濁液を温かいうちに濾過し、濾液を濃縮して淡黄色固体とし、これを、酢酸エチル中メタノール(4:1、1L)から再結晶させて、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(43.5g、81%)を無色固体として産出した。表題化合物を、同じ方式で調製した前のバッチ(108.7g、266.8mmol)と合わせ、80℃で4時間にわたって酢酸エチル(1.0L)によりスラリー化した。懸濁液を室温に冷却させ、4日間にわたって撹拌した。固体を濾過し、酢酸エチル(3×200mL)で洗浄し、高真空下、50℃で24時間にわたって乾燥させて、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(100.5g、92%)を無色固体として産出した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 1.38 (t, 3H), 1.89-1.98 (m, 1H), 2.15-2.26
(m, 1H), 3.65 (dd, 1H), 3.70-3.78 (m, 1H), 3.85-3.92 (m, 2H), 4.18 (q, 2H),
4.46-4.55 (m, 1H), 7.18 (dd, 1H), 7.58 (dd, 1H), 7.69 (dd, 1H), 8.37 (dd, 1H),
8.64 (d, 1H), 8.95 (d, 1H), 9.28 (s, 2H), 9.39 (d, 1H). MS (ES+) 408.4 (M+H).
融点177.5℃。C
21H
21N
5O
4の元素分析: 計算値C, 61.91; H, 5.20; N, 17.19; 実測値C, 61.86; H, 5.18; N, 17.30.
【0160】
この手順からの固体形態を、粉末X線回折(PXRD)分析によって特徴付け、化合物Dの形態1として割り当てた。
【0161】
(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(実施例1(化合物D))の調製のための代替ステップ6
100mLの反応器に、アセトニトリル(35mL)、2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(5.0g、15mmol)および(S)−テトラヒドロフラン−3−アミン塩酸塩(2.2g、18mmol、1.2当量)を投入した。温度を20℃から30℃に維持しながら、ジイソプロピルエチルアミン(18mL、103mmol、7.0当量)を投入した。アセトニトリル中プロパンホスホン酸無水物(T3P)の溶液(21mL、30mmol、2.0当量)を、温度を45℃未満に維持する速度で投入した。反応器を40±5℃に1時間にわたって加熱し、次いで、反応完了のために試料採取した。反応物を20℃から25℃に冷却し、テトラヒドロフラン(25mL)を添加した。重炭酸ナトリウムの溶液(0.5M、40mL)を投入し、混合物を1時間にわたって撹拌した。pHを確認し、8.5で測定した。酢酸エチル(40mL)を添加し、混合物を15分間にわたって撹拌した。混合物を静置し、相を分離させた。水性層を分液漏斗に移し、酢酸エチル(100mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、水(40mL)で洗浄した。有機層を100mLの反応器に小分けにして移し、真空下で濃縮して、低体積とした。メチルエチルケトン(100mL)を添加し、混合物を濃縮して、およそ60mLの最終体積とした。真空を除去し、スラリーを還流まで加熱し、固体が反応器壁から洗い流されるまで保持した。スラリーを15℃に2時間かけて冷却し、終夜顆粒化した。固体を濾過によって単離し、反応器およびケーキをメチルエチルケトン(10mLずつ)で2回洗浄した。固体を、50℃の真空オーブン内で乾燥させて、4.86g(81%)の所望生成物を産出した。この手順からの固体形態を、PXRD分析によって特徴付けし、化合物Dの形態2として割り当てた。
【0162】
化合物Dの形態2から形態1への変換
100mLの反応器に、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドの形態2(実施例1)(10.0g、24.6mmol、1.00当量)、メチルエチルケトン(8.8mL/g)、88.0mL)および水(1.2mL/g、12.0mL)を投入した。反応器を50℃に30分間かけて加熱した。完全溶液はおよそ44℃で出現した。反応器を40℃に30分間かけて冷却し、次いで、(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドの種形態1(化合物Dの実施例1)(0.050g、0.123mmol、0.0050当量)を投入した。播種後、濁ったスラリーを1時間にわたって撹拌した後、5℃に2時間かけて冷却し、次いで、5℃で12時間にわたって撹拌した。プロセス中の対照試料(in process control sample)を取り出し、PXRD分析によって特徴付けて、固体が化合物Dの形態1であることを確認した。スラリーを濾過し、反応器およびケーキを0℃のメチルエチルケトン(2.5mL/g、25mL)で洗浄した。固体を、50℃の真空オーブン内で乾燥させて、8.15g(81.5%)の所望生成物を産出した。所望生成物のPXRDパターンは、化合物Dの形態1と一致していた。
【0163】
粉末X線回折:
粉末X線回折分析を、Cu放射線源(1.54056ÅのKα−平均波長)が装備され、gobelミラーを利用する双一次(twin primary)が装備されたBruker AXS D8アドバンス回折計を使用して行った。回折される放射線をPSD−リンクスアイ検出器によって検出した。一次および二次いずれも2.5ソーラースリットを装備していた。X線管電圧およびアンペア数は、それぞれ40kVおよび40mAに設定した。データは、3.0から40.0度2シータまでのロックドカップル走査(locked couple scan)で、1ステップ当たり6秒の走査スピードを使用し1000ステップで、シータ・シータゴニオメーターに収集した。試料は、シリコン低バックグラウンド試料ホルダー(C79298A3244B261)に入れることによって調製した。データはBruker DIFFRACプラスソフトウェアを使用して収集した。分析はEVAディフラクトプラスソフトウェアによって実施した。
【0164】
PXRDデータファイルは、ピーク検索前には加工しなかった。EVAソフトウェアにおけるピーク検索アルゴリズムを使用して、5の閾値および0.2の幅値を持つピークを選択した。妥当性を確実にするために自動割り当ての出力を視覚的に確認し、必要ならば調整を手動で行った。3%以上の相対強度を持つピークを概して選択した。分離されなかった、またはノイズと一致するピークも廃棄した。USPにおいて述べられているPXRDからのピーク位置に関連する典型的な誤差は、+/−0.2°以内である(USP−941)。
【0165】
【表1】
【0166】
図1は、実施例1(化合物D)の結晶形態1を示す特徴的なx線粉末回折パターンである(縦軸:強度(CPS);横軸:2シータ(度))。
【0167】
図2は、実施例1(化合物D)の結晶形態2を示す特徴的なx線粉末回折パターンである(縦軸:強度(CPS);横軸:2シータ(度))。
【0168】
(実施例2)
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸、化合物A(ACCi化合物)の調製:
化合物Aの調製では、本明細書において記述される調製方法のいくつかは、遠隔官能基(例えば、式I前駆体中の第一級アミン、第二級アミン、カルボキシル)の保護を必要とし得ることに留意されたい。そのような保護の必要性は、遠隔官能基の性質および調製方法の条件に応じて変動することになる。そのような保護の必要性は、当業者によって容易に決定される。そのような保護/脱保護方法の使用も、当業者が備える技能の範囲内である。保護基の概要およびそれらの使用については、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley&Sons、New York、1991を参照されたい。さらに、本発明は、本明細書で提供される具体的な合成方法に限定されず、それらは変動し得る。
【0169】
中間体A1:1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン(piperldin)]−7(1H)−オン、塩酸塩。
【0170】
【化4】
ステップ1. tert−ブチル9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート。
【0171】
【化5】
乾燥した反応器に、tert−ブチル4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレート(108Kg)、シクロヘキサン(1080L)およびピロリジン(64.8Kg)を25〜30℃で投入した。混合物を5〜10分間撹拌し、次いで、ディーン・スタークトラップを使用して水を収集しながら、12〜16時間にわたって還流まで加熱した。次いで、反応混合物を50〜60℃に冷却し、この温度で真空を印加して過剰なピロリジンおよびシクロヘキサンを蒸留した。次いで、反応混合物を25〜30℃に冷却し、シクロヘキサン(648L)、続いて、メチルビニルケトン(49.63Kg)を投入した。混合物を12〜16時間にわたって撹拌し、次いで濾過し、濾液を清潔で乾燥した反応器に投入した。溶液を10〜15℃に冷却し、次いで、温度を15℃未満に維持しながら、水(54L)中の酢酸(54.75Kg)の溶液をゆっくりと添加した。添加の終わりに、混合物を25〜30℃まで加温し、12〜16時間にわたって撹拌した。層を分離し、水性物を酢酸エチル(324L)で抽出した。合わせた有機層を、水(324L)中の重炭酸ナトリウム(32.34Kg)の溶液で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。固体を酢酸エチル(54L)で洗浄し、合わせた濾液を、減圧下、40℃未満で濃縮した。n−ヘプタン(216L)を反応器に投入し、減圧下、40℃未満で、乾固するまで蒸留を続行した。混合物を25〜30℃に冷却し、n−ヘプタン(216L)を反応器に投入した。固体の形成後、混合物を1〜2時間にわたって撹拌した。次いで、固体を濾過し、n−ヘプタン(54L)で洗浄し、40〜50℃で10〜12時間にわたって乾燥させて、所望の材料(90.1Kg、67%収率)を産生した。
【0172】
ステップ2. (E)−tert−ブチル10−((ジメチルアミノ)メチレン)−9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート。
【0173】
【化6】
清潔で乾燥した反応器に、tert−ブチル9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート(50Kg)、N,N−ジメチルホルムアミド(500L)およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(135Kg)を、窒素雰囲気下、25〜30℃で投入した。反応混合物を5〜10分間撹拌し、次いで、120〜130℃に20時間にわたって加熱した。次いで、混合物を50〜60℃に冷却し、溶媒を、高真空下、60℃未満で蒸留した。混合キシレン(200L)を45℃未満で投入し、溶媒を、高真空下、60℃未満で蒸留した。この操作を、別ロットの混合キシレン(200L)を用いて繰り返した。次いで、トルエン(200L)を反応器に投入し、溶媒を、高真空下、60℃未満で蒸留した。この操作を、第2のロットのトルエン(200L)を用いて繰り返した。次いで、メチルtert−ブチルエーテル(100L)を30℃未満で投入し、溶媒を、高真空下、40℃未満で蒸留した。混合物を15〜20℃まで冷却し、メチルtert−ブチルエーテル(100L)を20℃未満で投入した。混合物を20〜30分間にわたって撹拌し、固体を濾過し、メチルtert−ブチルエーテル(50L)で洗浄し、真空なし、50〜55℃で10時間にわたって乾燥させて、所望の化合物(52.1Kg、87%収率)を提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.48 (s, 1H), 6.57 (d, J=9.97 Hz, 1H),
5.99 (d, J=10.16 Hz, 1H), 3.32-3.51 (m, 4H), 3.06 (s, 6H), 2.72 (s, 2H),
1.57-1.66 (m, 2H), 1.41-1.53 (m, 11H).
【0174】
ステップ3. tert−ブチル1−イソプロピル−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート。
【0175】
【化7】
清潔で乾燥した反応器に、(E)−tert−ブチル10−((ジメチルアミノ)メチレン)−9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボキシレート(80Kg)、トルエン(704L)およびトリメチルアミン(16L)を25〜30℃で投入した。反応混合物を70〜80℃まで加温し、メタノール中イソプロピルヒドラジン塩酸塩の溶液(1.25当量、合計141Kg)を4〜5時間かけて添加した。次いで、反応混合物を70〜80℃で8〜10時間にわたって撹拌した後、15〜25℃に冷却した。次いで、内部温度を25℃未満に維持しながら、水(480L)中のクエン酸(48Kg)の溶液をゆっくりと添加した。酢酸エチル(208L)を添加し、混合物を10分間にわたって撹拌した。層を分離し、有機層を、水(480L)中のクエン酸(48Kg)の溶液、次いで、水のみ(320L)で連続的に洗浄した。合わせた水性層を酢酸エチル(320L)で抽出した。次いで、合わせた有機層を硫酸ナトリウム(8Kg)で乾燥させ、溶媒を、減圧下、40℃未満で蒸発乾固させた。ジクロロメタン(240L)を反応器に投入し、混合物を25〜30℃で透明になるまで撹拌した。活性炭(1.84Kg)、ケイ酸マグネシウム(1.84Kg)およびシリカゲル(32Kg、100〜200メッシュ)を25〜30℃で連続的に投入し、不均質混合物を1時間にわたって撹拌した。次いで、スラリーを、ハイフロスーパーセル(8Kg)およびジクロロメタン(40L)を混合することによって調製されたハイフロベッド上で濾過した。ケーキをジクロロメタン(3回120L)で洗浄した。合わせた濾液を反応器に戻し入れ、溶媒を、減圧下、40℃未満で蒸発させた。次いで、n−ヘプタン(160L)を投入し、減圧下、40℃未満で蒸留した。n−ヘプタン(200L)を反応器に投入し、混合物を0〜5℃まで冷却した。12〜15時間にわたって撹拌した後、固体を0℃で濾過し、冷やした(0〜5℃)n−ヘプタン(160L)で洗浄し、真空下、40〜50℃で乾燥させて、表題化合物(82.4Kg、75%)を提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.25 (s, 1H), 6.42 (dd, J=10.05, 0.49
Hz, 1H) 5.84 (d, J=9.95 Hz, 1H), 4.42-4.52 (m, 1H), 3.36-3.53 (m, 4H), 2.62 (s,
2H) 1.56-1.68 (m, 2H) 1.45-1.55 (m, 17H).
【0176】
ステップ4. 1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン、塩酸塩。
【0177】
【化8】

清潔で乾燥した反応器に、tert−ブチル1−イソプロピル−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(60Kg)およびメタノール(600L)を25〜30℃で投入した。N−ブロモコハク酸イミド(32.4Kg)を5回に分けて25〜30℃で30〜40分間かけて添加し、撹拌を30〜60分間にわたって続けた。内部温度を30℃未満に維持しながら、水(102L)中のチオ硫酸ナトリウム五水和物(5.4Kg)の溶液をゆっくりと添加した。混合物を20〜30分間にわたって撹拌し、次いで、溶媒を、減圧下、45℃未満で蒸発させた。残留物を25〜30℃まで冷却し、2−メチルテトラヒドロフラン(methyltetrahydrofuan)(420L)を水(90L)とともに反応器に投入した。混合物を15〜20分間にわたって撹拌し、次いで、層を分離し、水性層を2−メチルテトラヒドロフラン(120L)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物を、水(120L)中の水酸化ナトリウム(4.8Kg)の溶液により、25〜30℃で15〜20分間にわたって処理した。層を分離し、有機層を、水(120L)、続いて、水(120L)中の塩化ナトリウム(12Kg)の溶液で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム(6Kg)で乾燥させた。濾過後、ケーキを2−メチルテトラヒドロフラン(30L)で洗浄し、合わせた濾液を反応器に戻し入れた。溶媒を、減圧下、45℃未満で完全に蒸留し、残留物を、テトラヒドロフラン(201L)中で可溶化した。別の清潔で乾燥した反応器に、カリウムtert−ブトキシド(60.6Kg)およびテトラヒドロフラン(360L)を25〜30℃で投入した。その混合物に、温度を30℃未満に維持しながら、テトラヒドロフラン中の残留物の溶液をゆっくりと添加した。次いで、反応混合物を60〜65℃まで加温し、1〜2時間にわたってこの温度に保った。完了したら、混合物を0〜10℃に冷却し、内部温度を10℃未満に維持しながら、塩酸の溶液(1N、196L)でゆっくりとクエンチした。反応混合物を25〜30℃まで加温させ、酢酸エチル(798L)を投入した。15〜20分間にわたって撹拌した後、層を分離し、水性層を酢酸エチル(160L)でさらに抽出した。合わせた有機層を水(160L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(8Kg)で乾燥させ、濾過し、ケーキを酢酸エチル(300L)で洗浄した。溶媒を、減圧下、45℃未満で全面的に蒸留し、酢酸エチル(540L)を反応器に25〜30℃で、続いて、メタノール(156L)を投入した。混合物を0〜5℃に冷却し、この時点で、温度を指定された範囲内に維持しながら、塩化アセチル(79.8Kg)をゆっくりと添加した。次いで、混合物を20〜25℃まで加温させ、撹拌しながら4〜5時間にわたってこの温度に保った。得られたスラリーを濾過し、固体を酢酸エチル(120L)で洗浄し、次いで、40〜45℃で8〜10時間にわたって乾燥させて、所望の粗生成物(33.5Kg、65%)を得た。
【0178】
最終精製ステップは、この粗固体(56.8Kg)を、25〜30℃の清潔で乾燥させた反応器内のメタノール(454.4L)中で可溶化することによって実施した。溶液を30〜45分間にわたって撹拌し、次いで、0.2ミクロンのカートリッジフィルターに通過させて、25〜30℃の清潔で乾燥した反応器に入れた。メタノールを、約1体積の溶媒が残るまで、減圧下、50℃未満で蒸留した。反応混合物を25〜30℃に冷却し、0.2ミクロンのカートリッジフィルターを経由して新しいアセトニトリル(113.6L)を投入した。溶媒を、約1体積の溶媒が残るまで、減圧下、50℃未満で蒸留した。反応混合物を25〜30℃に冷却し、0.2ミクロンのカートリッジフィルターを経由して、新しいアセトニトリル(190L)を反応器に投入した。混合物を65〜70℃まで加温し、45分間にわたって撹拌し、次いで、25〜30℃まで冷却し、1時間にわたって撹拌し、得られたスラリーを濾過し、ケーキを、冷やした(15℃)アセトニトリル(56.8L)で洗浄した。固体を、減圧下、40〜50℃で8時間にわたって乾燥させて、中間体A1(36.4Kg、64%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm 7.43 (s, 1H), 5.32-5.42 (m, 1H),
3.15-3.25 (m, 4H), 2.89 (s, 2H), 2.64 (s, 2H), 1.69-1.90 (m, 4H), 1.37-1.45 (m,
6H); ESI [M+H]
+ =248.
【0179】
中間体A2:2−(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−6−メトキシイソニコチン酸。
【0180】
【化9】
清潔で乾燥させた反応器に、2,6−ジクロロイソニコチン酸(30Kg)およびメタノール(120L)を20〜25℃で投入した。スラリーを5分間にわたって撹拌し、次いで、65℃(還流)まで加熱した。次いで、メタノール中ナトリウムメトキシドの溶液(30%、87.2Kg)を、添加漏斗を介して、少なくとも4時間かけてゆっくりと投入した。漏斗をメタノール(15L)ですすぎ、撹拌を65℃で少なくとも15時間にわたって続行した。次いで、混合物を45℃まで冷却し、約90Lの残留体積になるまで減圧下で蒸留した。次いで、水(180L)中の重炭酸カリウム(28.2Kg)および炭酸カリウム(21.6Kg)の溶液を、反応器に40〜45℃で投入した。水溶液を含有する反応器を、水(21L)ですすぎ、洗浄液を反応混合物に投入した。混合物を、約240Lの残留体積になるまで、減圧下、80℃未満で蒸留し、次いで、20〜25℃まで冷却した。
【0181】
別の清潔で乾燥した反応器に、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン(dioxoborolan)−2−イル)ベンゾエート(52.3Kg)およびジオキサン(340Kg)を投入し、完全に溶解するまで2〜25℃で撹拌した。次いで、前者の反応器の内容物を40℃で加熱して、完全溶解度を確実にし、この新たな反応器に移した。反応混合物を20〜25℃まで冷却し、真空/窒素サイクルを介して脱酸素ステップを実施した。混合物を0〜10℃までさらに冷却し、反応器に、酢酸パラジウム(0.65Kg)、続いて、トリフェニルホスフィン(2.46Kg)を窒素流下で投入した。混合物を20〜25℃まで加温し、真空/窒素サイクルを介して別の脱酸素ステップを実施した。次いで、混合物を80℃に加熱し、少なくとも18時間にわたってこの温度に維持した。混合物を20〜25℃まで冷却し、次いで、メチルtert−ブチルエーテル(133.2Kg)および水(30L)を反応器に連続的に投入した。層を分離し、水性物を水(110L)で希釈し、次いで、メチルtert−ブチルエーテル(110L)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(84L)中のクエン酸(52Kg)の溶液で洗浄し、層を分離した。水性層をメチルtert−ブチルエーテル(88.8Kg)でさらに抽出し、有機層を合わせ、次いで、水(80L)中の塩化ナトリウム(43Kg)の溶液の3分の1で3回洗浄した。最終層分離後、有機層を、チャコールカートリッジを含有するポールフィルターに通して濾過し、ケーキをメチルtert−ブチルエーテル(11.2Kg)で洗浄した。濾液を、減圧下、50℃未満で約90Lまで蒸留し、次いで、50℃未満で約120Lまで、ヘプタン(120L)と連続的に共蒸留した。次いで、混合物を20〜25℃まで1時間かけて冷却し、次いで、この温度でもう1時間にわたって撹拌した。スラリーを濾過し、ケーキを、ヘプタン(3×18L)で3回、次いで、アセトニトリル(3×18L)で3回洗浄した。得られた湿った固体を、真空および窒素流下、45℃未満で少なくとも15時間にわたって乾燥させて、中間体A2(44.6Kg、87%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.13 (s, 2H), 8.09 (s, 2H), 7.97 (d,
J=1.17 Hz, 1H), 7.34 (d, J=0.98 Hz, 1H), 4.08 (s, 3H), 1.61 (s, 9H); ESI [M+H]
+
=330.
【0182】
中間体A3:tert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート。
【0183】
【化10】
丸底フラスコに、2−(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−6−メトキシイソニコチン酸(中間体A2、15.2g、46.2mmol)および酢酸エチル(140mL)を投入した。1,1’−カルボニルジイミダゾール(8.98g、55.4mmol)を一度に添加し、室温で1時間にわたって撹拌した。1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン塩酸塩(中間体A1、14.8g、52.2mmol)、続いて、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.1mL、52.2mL)を添加し、反応物を室温で18時間にわたって撹拌した。2M HCl水溶液(40mL)、続いて、1M硫酸水素カリウム(40mL)および50mLのヘプタンを添加した。取得した混合物を室温で1時間にわたって撹拌した。混合物を分液漏斗に移した。有機相を分離し、水(20mL)、飽和重炭酸ナトリウム(30mL)、水(20mL)、ブライン(20mL)で連続的に洗浄し、20gの硫酸マグネシウムおよび10gのシリカゲルで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。濃縮の終わり頃に、固体が形成し始めた。残留物を、40mLの酢酸エチル中、80℃で撹拌し、ヘプタン(120mL)をゆっくりと滴下添加した。混合物を80℃で1時間にわたって撹拌し、次いで、1時間にわたって撹拌しながら室温にゆっくりと冷却し、室温で18時間にわたって撹拌した。濾過を介して固体を収集し、水および酢酸エチル−ヘプタン(1:3)で洗浄し、真空下、50℃で18時間にわたって乾燥させて、中間体A3(19.64g、76%収率)を取得した。
【0184】
中間体A3の代替調製:
清潔で乾燥した反応器に、アセトニトリル(219Kg)および2−(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−6−メトキシイソニコチン酸(中間体A2、34.8Kg)を20〜25℃で投入した。混合物を5分間にわたって撹拌し、次いで、1,1−カルボジイミダゾール(18.9Kg)を3回に分けて連続で投入した。スラリーを20〜25℃で少なくとも1時間にわたってさらに撹拌し、次いで、1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン塩酸塩(中間体A1、33.0Kg)を反応器に、続いて、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(20.5Kg)をポンプを介して投入した。試薬ポンプおよび反応器の壁をアセトニトリル(13.7Kg)で洗浄し、撹拌を20〜25℃で少なくとも2時間にわたって続行した。完了したら、混合物にtert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート(中間体A3、209g)を播種し、少なくとも30分間にわたって撹拌した。結晶化開始の確認後、水(257L)中のクエン酸一水和物(58.5Kg)の溶液を1時間かけて投入した。得られたスラリーを20〜25℃で少なくとも2時間にわたってさらに撹拌し、次いで濾過し、ケーキをアセトニトリル(68.4Kg)および水(87L)の混合物で洗浄した。この洗浄液を使用して、反応器もすすいだ。固体を、減圧下、55℃未満で乾燥させて、中間体A3(43.44Kg、73%収率)を得た。
【0185】
化合物A(遊離酸として):4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸。
【0186】
【化11】
丸底フラスコに、tert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート(3.7g、6.6mmol)およびトルエン(25mL)を投入した。撹拌しながら85%リン酸(3.0mL)を滴下添加し、反応物を60℃に4時間にわたって加熱した。無色濃厚ガム状物が形成された。反応物を室温に冷却し、水を添加した。白色固体が観察された。トルエン有機層を廃棄し、水性層および固体を保存した。酢酸エチルを添加し(60mL)、4N NaOH溶液を添加してpHを約7に調整した。層を分離し、水性物を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、白色固体を提供した。これらを酢酸エチル(80mL)に50℃で溶解し、ヘプタン(90mL)をゆっくりと添加した。熱を除去し、混合物を室温に冷却し、16時間にわたって撹拌した。結果として生じた固体を濾過を介して収集し、母液ですすぎ、乾燥させて、表題化合物(化合物A遊離形態、2.15g、65%収率)を白色固体として提供した。
【0187】
化合物A(遊離酸として)の代替調製:
清潔で乾燥した反応器に、アセトニトリル(130.4Kg)およびtert−ブチル4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)ベンゾエート(中間体A3、20.72Kg)を20〜25℃で投入した。混合物を5分間にわたって撹拌し、次いで、p−トルエンスルホン酸(8.5Kg)を、穏やかな窒素掃引下で投入した。反応混合物を70℃まで加温し、少なくとも6.5時間にわたってこの温度に維持した。完了したら、混合物を40℃まで冷却し、化合物A(104g)を播種し、水(83L)を少なくとも1時間かけてゆっくりと投入した。混合物を40℃で最低4時間にわたってさらに撹拌し、次いで、20〜25℃まで2時間かけて冷却した。少なくとも2時間にわたるさらなる撹拌、続いて、濾過を行い、ケーキをアセトニトリル(33Kg)および水(41L)の溶液ですすいだ。この洗浄液を使用して、反応器もすすいだ。得られた固体を、減圧下、55℃未満で乾燥させて、化合物A(16.5Kg、89%収率)を得た。
【0188】
化合物Aの形態1の調製 − 化合物Aの無水モノ−トリス:
【0189】
【化12】
バイアルに、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸(151mg、0.300mmol)および3mLのエタノールを投入した。混合物を80℃に5分間にわたって加熱して、固体を溶解し、次いで、室温に冷却した。トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(39mg、0.32mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。ヘプタン(2.25mL)を滴下添加してスラリーを生成し、これを50℃に加熱して、透明溶液を生成した。混合物を撹拌しながら室温に終夜冷却した。白色固体が観察され、混合物を追加で3日間にわたって撹拌した。材料を濾過し、50℃の真空オーブン内で終夜乾燥させて、形態1(151mg、0.242mmol、81%収率)を生成した。
【0190】
化合物Aの形態1の代替調製:化合物Aの無水モノ−トリス:
清潔で乾燥した反応器に、エタノール(83L)を投入し、続いて、混合物を20〜25℃の温度に維持しながら、化合物A(9.43Kg)およびトリス(2.55kg)を添加した。タンク壁をエタノール(2L)ですすぎ、得られた混合物を65〜70℃で加熱し、すべての固体が溶解するまで少なくとも30分間にわたってこの温度に維持し、次いで、45〜50℃まで冷却した。10μmのインラインポリプロピレンフィルターに通す温濾過を実施し、反応器およびフィルターをエタノール(9L)で洗浄した。n−ヘプタン(24L)を同じインラインフィルターに通して温溶液に投入し、混合物に、45〜50℃のエタノール(0.5L)中、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸無水トリス塩(100g)を播種した。温度を少なくとも2時間にわたって保持した後、少なくとも2時間かけて20〜25℃まで冷却した。撹拌を少なくとも5日間にわたって続行した。次いで、スラリーを濾過し、ケーキをエタノール(13L)およびn−ヘプタン(6L)の混合物で洗浄した。固体を、減圧下、45℃未満で少なくとも12時間にわたって乾燥させて、例1(11.7Kg、77%)を得た。
【0191】
化合物Aの形態2の調製 − 化合物Aのモノ−トリス塩の三水和物:
【0192】
【化13】
化合物Aの形態2は、化合物Aの形態1からの変換により取得した。50mLのイージーマックス反応器に、形態1(1.7214g、2.760mmol)、イソプロパノール(16.50mL、215.8mmol)および水(688μL、38.190mmol)を添加した。混合物を、25℃の反応器ジャケット温度で、約72時間にわたって撹拌(300rpm)した。次いで、反応混合物を40℃に15分間かけて加温し、40℃で約24時間にわたって保持し、20℃に一度冷却して、試験のために試料を除去した。PXRDにより形態の混合物が見られ、したがって、追加の水(688μL、38.190mmol)を添加した。撹拌速度を400rpmまで増大させ、スラリーを6時間にわたって撹拌させ、次いで、15℃に冷却した。固体を60mL/40Mフィルターで単離し、96/4 イソプロパノール/水で洗浄した。得られた材料は、PXRDにより、化合物Aの形態2と一致していた。
【0193】
化合物Aの形態2の代替調製 − 化合物Aのモノ−トリス塩の三水和物:
清潔で乾燥した反応器に、イソプロパノール(60.4Kg)を投入し、混合物を20〜25℃の温度に維持しながら、化合物A(16.68Kg)およびトリス(4.42kg)を添加した。混合物を5分間にわたって撹拌し、次いで、水(6.7Kg)を投入し、スラリーを55℃まで加温した。ここで、透明溶液を、事前に加温した清潔で乾燥した反応器(50〜55℃)中に、インライン10μmポリプロピレンフィルターに通して濾過した。次いで、溶液に、化合物Aのモノ−トリス塩を三水和物(167g)として播種した。播種が持続したことを確認後、混合物を少なくとも2時間かけて15℃まで冷却し、次いで、15℃で最低16時間にわたって維持した。スラリーを濾過し、ケーキを、冷やしたイソプロパノール(13.1Kg)で洗浄した。次いで、固体を、減圧下、25℃未満で乾燥させて、化合物Aの形態2(22.1Kg、98%収率)のみを得た。
【0194】
化合物Aの形態1は無水物であり、周囲温度にて、約0.2(20%RH)の水分活性未満で熱力学的に安定である。化合物Aの形態1は、化合物Aの
図3に示されているものと実質的に同じPXRDパターンを有する。2θ±0.2°2θとして表現される化合物Aの形態1の特徴的なPXRDピークは、9.6、10.7および11.3である。
図3におけるPXRDパターンについてのピーク場所および強度を、表2で提供する。
【0195】
【表2】
【0196】
化合物Aの形態1は、
図4に示されているものと実質的に同じラマンスペクトルを有する。化合物Aの形態1は、568、698、989、1218、1511、1561および1615、±2cm
−1で、cm
−1として表現される特徴的なラマンピークシフトを有する。
図4における化合物Aの形態1のピーク位置(±2cm
−1)および正規化された強度(W=弱、M=中、S=強)を表3に収載する。
【0197】
【表3】
【0198】
化合物Aの形態1は、
図5に示されているものと実質的に同じ
13C ssNMRスペクトルを有する。化合物Aの形態1は、22.9、146.2、157.9、161.9および172.9、±0.2ppmで、ppmとして表現される特徴的な
13C ssNMR化学シフトを有する。
図5に示す通りの化合物Aの形態1の
13C化学シフト(±0.2ppm)を、表4に収載する。
【0199】
【表4】
【0200】
化合物Aの形態2は、三水和物であり、周囲温度および20%RHにて、約0.2の水分活性超で熱力学的に安定である。化合物Aの形態2は、
図6に示されているものと実質的に同じPXRDパターンを有する。2θ±0.2°2θとして表現される化合物Aの形態2の特徴的なPXRDピークは、8.4、9.0、10.5、15.0および24.7である。
図6におけるPXRDパターンについてのピーク場所および強度を、表5で提供する。
【0201】
【表5】
【0202】
化合物Aの形態2は、
図7に示されているものと実質的に同じラマンスペクトルを有する。化合物Aの形態2は、562、692、984、1225、1507、1557および1610±2cm
−1で、cm
−1として表現される特徴的なラマンピークシフトを有する。
図7における化合物Aの形態2のピーク位置(±2cm
−1)および正規化された強度(W=弱、M=中、S=強)を、表6に収載する。
【0203】
【表6】
【0204】
化合物Aの形態2は、
図8に示されているものと実質的に同じ
13C ssNMRスペクトルを有する。化合物Aの形態2は、19.2、149.5、155.6、163.8および188.3、±0.2ppmで、ppmとして表現される特徴的な
13C ssNMR化学シフトを有する。
図8に示されている通りの化合物Aの形態2の
13C化学シフト(±0.2ppm)を、表7に収載する。
【0205】
【表7】
【0206】
本明細書で提供される開示に基づき、当業者は、化合物Aの各形態1および形態2が、様々な組合せにおけるいくつかの異なるスペクトルピークまたはパターンによって一意的に同定され得ることが分かるであろう。化合物Aの形態1および形態2を別個に同定するために使用され得る特徴的なピーク値の例示的な組合せについて後述するが、これらの例示的な組合せを、決して本明細書において開示される他のピーク値組合せを限定するものとみなすべきではない。
【0207】
化合物Aの形態2における3個の水分子の存在を確認するために、Bruker D8ベンチャー回折計を使用し、室温でデータを収集した。
図9を参照されたい。単斜晶系クラスの空間群P2
1/cにおいてSHELXソフトウェアスイートを使用する固有位相決定法によって、構造を解明した(バージョン5.1、Bruker AXS、1997)。その後、全行列最小二乗法によって構造を精緻化した。異方性変位パラメーターを使用して、すべての非水素原子を発見し、精緻化した。
【0208】
窒素および酸素に位置する水素原子を、フーリエ差分マップから発見し、距離を制限して精緻化した。残りの水素原子を算出された位置に置き、それらの担体原子に乗せた。
【0209】
最終R指数は、7.2%であった。最終差分フーリエは、欠損も誤入電子密度(misplaced electron density)もないことを明らかにした。
【0210】
表8は、化合物Aの形態2に関して収集されたデータを提供する:
【0211】
【表8】
【0212】
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸の結晶性2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール塩。この結晶性塩は、概して、化合物Aのトリス塩と称される。
【0213】
4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸対塩の比が、1:1である、化合物Aの結晶性トリス塩。
【0214】
結晶性塩が、無水結晶性塩である、化合物Aの結晶性トリス塩。
【0215】
前記無水結晶性塩が、9.6、10.7および11.3 2θ、±0.2°2θの回折角にピークを含むPXRDパターンを有する、化合物Aの無水結晶性トリス塩。
【0216】
前記無水結晶性塩が、1511、1561および1615cm
−1、±2cm
−1にピークシフトを含むラマンスペクトルを有する、化合物Aの無水結晶性トリス塩。
【0217】
前記無水結晶性塩が、22.9、146.2および161.9ppm、±0.2ppmの化学シフトを含む
13C ssNMRスペクトルを有する、化合物Aの無水結晶性トリス塩。
【0218】
前記無水結晶性塩が、1511および1615cm
−1、±2cm
−1にピークシフトを含むラマンスペクトル、ならびに22.9、146.2または161.9ppm、±0.2ppmの少なくとも1つの化学シフトを含む
13C ssNMRスペクトルからなる群から選択される分析パラメーターを有する、化合物Aの無水結晶性トリス塩。
【0219】
前記無水結晶性塩が、実質的に純粋である、化合物Aの無水結晶性トリス塩。
【0220】
結晶性塩が、三水和物結晶性塩である、化合物Aの結晶性トリス塩。
【0221】
前記三水和物結晶性塩が、8.4、9.0および10.5 2θ、±0.2°2θの回折角にピークを含むPXRDパターンを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
【0222】
前記三水和物結晶性塩が、1507、1557および1610cm
−1、±2cm
−1にピークシフトを含むラマンスペクトルを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
【0223】
前記三水和物結晶性塩が、19.2、149.5および163.8ppm、±0.2ppmの化学シフトを含む
13C ssNMRスペクトルを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
【0224】
前記三水和物結晶性塩が、
8.4および9.0 2θ、±0.2°2θの回折角にピークを含むPXRDパターン、
1557および1610cm
−1、±2cm
−1にピークシフトを含むラマンスペクトル、ならびに
19.2、149.5または163.8ppm、±0.2ppmの少なくとも1つの化学シフトを含む
13C ssNMRスペクトル
からなる群から選択される分析パラメーターを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
【0225】
前記三水和物結晶性塩が、8.4および9.0 2θ、±0.2°2θの回折角にピークを含むPXRDパターン、ならびに1507、1557または1610cm
−1、±2cm
−1に少なくとも1つのピークシフトを含むラマンスペクトルからなる群から選択される分析パラメーターを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
【0226】
前記三水和物結晶性塩が、8.4および9.0 2θ、±0.2°2θの回折角にピークを含むPXRDパターン、ならびに19.2、149.5または163.8ppm、±0.2ppmの少なくとも1つの化学シフトを含む
13C ssNMRスペクトルからなる群から選択される分析パラメーターを有する、化合物Aの三水和物結晶性トリス塩。
【0227】
薬理学的データ
下記のプロトコールは、当然ながら、当業者によって変動し得る。
【0228】
無作為化、ビヒクル対照、並行8アーム間比較研究を、雄スプラーグドーリーラット(Charles River(Boston、MA))において行って、循環および肝臓TGレベルを取得した。標準的な実験室条件を使用して96匹のラット(約200g)を収容し、それらを二重収容し、12:12時間反転明暗スケジュール(8:00AMに消灯)下に保った。ラットを、到着次第、チャウまたは西洋食群および用量群に無作為化し、研究の開始前に、標準的なラットチャウまたは西洋食のいずれかで14日間の導入期間を与えた。標準的な実験室げっ歯類チャウ食5053は、LabDiet(PMI、St Louis、Missouri)製であった。西洋食D12079Biは、Research Diets(New Brunswick、NJ)製であった。
【0229】
これらの研究のために、ビヒクルを調製して、脱イオン水中0.5%(wt/体積)のメチルセルロース(MC、Sigma Aldrich;274429)を作製した。化合物A(トリス塩から調製したもの)または化合物Dのいずれかを加えたストック溶液を、それぞれの化合物で調製して、10mlの溶液が所望のmg/kg投薬量を送達するような濃度を提供し、ここで、使用したラットの平均重量は約200gであった。
【0230】
研究の1日目に開始して、ラットに、ビヒクル対照(脱イオン(dionized)水中0.5%MC(wt/体積%))、低もしくは高用量の化合物A(それぞれ1mg/kgまたは10mg/kg QD)、低もしくは高用量の化合物D(それぞれ5mg/kgまたは30mg/kg BID)、または低用量の共投与(1mg/kg QDの化合物Aおよび5mg/kg BIDの化合物D)、または高用量の共投与(10mg/kg QDの化合物Aおよび30mg/kg BIDの化合物D)のいずれかを、経口的に投薬した(10mL/kg)。
【0231】
給餌血漿分析物:給餌血漿TG濃度を決定するための血液を、投薬2時間後に(暗サイクルが始まって2時間)側面尾静脈を介して収集し、エチレンジアミン四酢酸二カリウム(K
2EDTA)(PN365974)でコーティングされたBDマイクロティナチューブに移し、4℃で遠心分離した。次いで、得られた血漿試料を、Siemensトリグリセリド_2アッセイ試薬(参照10335892)を使用してSiemens化学XPT臨床分析装置(Malven、PA)で分析した。
【0232】
絶食血漿分析物:絶食血漿TGを決定するための血液を、4時間の絶食後、投薬2時間後に(暗サイクルが始まって2時間)側面尾静脈を介して収集し、K
2EDTA(PN365974)でコーティングされたBDマイクロティナチューブに移し、4℃で遠心分離した。次いで、得られた血漿試料を、Siemensトリグリセリド2アッセイ試薬(参照10335892)を使用してSiemens化学XPT臨床分析装置(Malven、PA)で分析した。
【0233】
研究の最後の日(28日目)、4時間絶食後、投薬2時間後に、組織収集のためにラットを屠殺した:投薬2時間後、血漿分析物を決定するための血液を、側面尾静脈を介して収集し、次いで、動物をCO
2窒息によって屠殺した。血液を、K
2EDTA(PN365974)でコーティングされたBDマイクロティナチューブに移し、4℃で遠心分離し、血漿を96ウェルマイクロタイタープレートに移し、−20℃で貯蔵した。肝臓を迅速に除去し、アルミホイルで個々に包んだ液体N
2中で予冷したウォーレンベルグクランプ内でフリーズクランプし、その後、−80℃で貯蔵した。
【0234】
組織細砕:冷凍された肝臓を、液体N
2中で冷却したアルミブロック上で迅速に細砕して、細砕全体を通して組織が冷凍されたままであることを確実にした。細砕された組織を、7mLのポリプロピレン円錐管に移し、分析まで−80℃で貯蔵した。
【0235】
肝臓トリグリセリドの抽出:およそ50から100mgの細砕された組織を、800μLの氷冷1:1 CHCl
3:MEOHを含有する2mLのライシングマトリックスDチューブ(MP Bio)に添加した。試料を、QiagenティシューライザーII(Qiagenカタログ番号85300)を30Hzで4分間にわたって使用して、4℃で直ちに抽出した。次いで、ホモジネートを13×100mmのガラス管に移し、氷の上に置いた。次いで、溶解管を800μLの1:1 CHCl
3:MeOHですすぎ、30秒間にわたってボルテックスし、13×100mmのガラス管に添加した。氷の上にある間に、2.4mlの100%CHCl
3をすべてのガラスバイアルに添加して、CHCl
3:MeOHの比を4:2にした。次いで、試料を−20℃の冷凍庫に終夜入れた。翌日、1.75mLの1M KCl H
2Oを添加して、比を4:2:1.75比のCHCl
3:MeOH:H
2Oにした。次いで、試料を30秒間にわたってボルテックスし、1500rpm×15分にて4℃で遠心分離した。遠心分離後、有機相を新しい13×100mmの抽出管に移し、N
2下、37℃で乾燥させ、750μLのCHCl
3に再懸濁した。アミノプロピル固相抽出(SPE)カートリッジ(Watersカタログ番号054560、6mL、500mg)を湿らせ、5mLのヘキサンで洗浄した。洗浄後、CHCl
3中200μLの試料抽出物をカートリッジに塗布し、カラムを乾燥させることなく真空によって除去した。次いで、中性脂質を、5mlの2:1 CHCl
3:イソプロパノール/50μMのブチル化ヒドロキシトルエンで溶離した。次いで、試料を、N
2下、37℃で乾燥させ、1.75mlの98:2 イソオクタン:イソプロパノールに再懸濁した。試料を0.2μMのシリンジフィルターに通して濾過した後、HPLCシアノプロピル(Cyanopropy)カラム(3.5μMの粒径−4.6×150mmカラムAgilentゾルバックスエクリプスXBD−CN)に注入した。実行方法は、溶媒A(1000:1:2、イソオクタン:イソプロパノール:酢酸)および溶媒B(50:50 イソプロパノール:メチルtert−ブチルエーテル)を使用する27分の実行時間での4μL注入であった。0〜3分まで、溶媒組成を100%溶媒Aに保持した。3〜8分まで、溶媒組成を100%溶媒Aから95%溶媒Aおよび5%溶媒Bに変化させた。8〜18分まで、溶媒組成を50:50比に変化させた。18〜19分まで、溶媒組成を100%溶媒Aに戻し、その組成を19〜27分まで保持した。
【0236】
核および膜画分は、処置群ごとにプールされた細砕された肝臓試料の一部から、標準的な方法を使用する超遠心分離によって調製した。核抽出物および膜画分由来の試料を、ウエスタンブロッティングによってSREBP1について分析した。カルネキシンについてのウエスタンブロットを膜画分についてのマーカーとして、アクチンを全試料ローディングについてのマーカーとして、およびヒストン2Bを核画分についてのマーカーとして使用した。核SREBP1レベルは相対単位を使用して定量化し、ヒストン2Bに対して正規化して、核分別およびゲルローディング中の試料喪失を制御した。
【0237】
細砕された肝臓の別の一部を加工し、脂質生成遺伝子発現について分析した。ACC1、FASN、SCD1、PCSK9およびSREBP−1cに対するラットタックマンプローブはすべて、Actbをハウスキーピング遺伝子として使用して、qPCRで評価した。
【0238】
(S)−2−(5−((3−エトキシピリジン−2−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物D)または薬学的に許容できるその塩の、4−(4−(1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボニル)−6−メトキシピリジン−2−イル)安息香酸(化合物A)または薬学的に許容できるその塩と組み合わせた投与は、化合物Aを単剤療法として投与した場合の血漿および肝臓TGレベルと比較して、有意に減少した血漿(
図10、11)および肝臓TG(
図18)レベルをもたらした。
【0239】
西洋食給餌は、チャウ給餌ラットと比べて、給餌状態血漿TGにおける2.2倍の増大をもたらした(
図10)。低用量(1mg/kg QD)または高用量(10mg/kg QD)いずれかの化合物Aのみ(単剤療法)の経口投与は、ビヒクル投与された西洋食給餌ラットと比べて、給餌状態での血漿TGにおけるそれぞれ1.7倍および1.3倍の増大をもたらした。逆に、低用量(5mg/kg BID)または高用量(30mg/kg BID)いずれかの化合物Dのみ(単剤療法)の経口投与は、ビヒクル投与された西洋食給餌ラットと比べて、給餌状態における血漿TGをそれぞれ55%および63%低減させた。化合物Aおよび化合物Dの共投与は、給餌状態での血漿TGにおける化合物A媒介性増大の完全遮断をもたらした。両方低用量または両方高用量のいずれかの、化合物Aおよび化合物Dの経口共投与は、ビヒクル投与された西洋食給餌ラットと比べて、給餌状態血漿TGレベルを37%および64%低減させた。
【0240】
西洋食給餌は、チャウ給餌ラットと比べて、絶食血漿TGにおける1.6倍の増大をもたらした(
図11)。単剤療法としての低および高用量の化合物Aの経口投与は、ビヒクル投与された西洋食給餌ラットと比べて、絶食血漿TGにおけるそれぞれ2.4倍および1.7倍の増大をもたらした。逆に、単剤療法としての低および高用量の化合物Dの経口投与は、ビヒクル投与された西洋食給餌ラットに比べて、絶食血漿TGをそれぞれ20%および35%低減させた。両方低用量のそれぞれまたは高用量のそれぞれの、化合物Aおよび化合物Dの経口共投与は、化合物Aのみを投与した場合に観察される絶食血漿TGにおける化合物A媒介性増大を、完全に軽減した。共投与された化合物Aおよび化合物Dの低用量群(109mg/dl)および高用量群(81mg/dl)両方についての絶食血漿TGレベルは、ビヒクル投与された西洋食給餌ラット(96mg/dl)と同様であった。
【0241】
ビヒクル、高用量化合物A単剤療法、高用量化合物D単剤療法、または共投与された高用量化合物Aおよび高用量化合物Dを投与した西洋食給餌ラット由来の試料において、核SREBP−1局在化を比較した(
図12)。ビヒクル処置西洋食給餌ラットと比べて、化合物Aの投与は、SREBP−1活性化の増大を指し示すSREBP−1の核局在化の増大を生成した。逆に、化合物Dの投与は、SREBP−1核局在化およびSREBP−1活性化を低減させた。化合物Aおよび化合物Dの共投与は核SREBP−1局在化における化合物A媒介性増大を遮断し、化合物Aのみの単剤療法と比較して50%減少を生成した。
【0242】
チャウ給餌ビヒクル処置ラットと比べて、西洋食を給餌およびビヒクルで処置した動物は、脂質生成遺伝子:ACC1(
図13)、FASN(
図14)、SCD1(
図15)およびSREBP1(
図16)の発現の増大を示す傾向があったが、PCSK9(
図17)はなく、これは西洋食給餌ラットよりも低かった。化合物Aの投与は、西洋食給餌およびビヒクル処置動物と比べて、ACC1、FASN(化合物A高用量のみ)、SCDの発現をさらに増大させる傾向があったが、PCSK9およびSREBP1はなかった。逆に、化合物Dの投与は、脂質生成遺伝子のすべての発現を減少させた。化合物Aおよび化合物Dの共投与は、ビヒクル処置西洋食給餌ラットにおいて観察されたものと同等のまたはそれよりも低い発現レベルをもたらした。
【0243】
チャウ給餌ラットと比べて、ビヒクル投与された西洋食給餌ラットは、肝臓トリグリセリド蓄積における約2.7倍の増大を示した(
図18)。低用量および高用量の化合物Aの経口投与は、ビヒクル投与された西洋食給餌ラットと比べて、脂肪症におけるそれぞれ36%および53%の低減を生成した。同様に、低用量および高用量の化合物Dの経口投与は、ビヒクル投与された西洋食給餌ラットと比べて、脂肪症をそれぞれ25%および30%低減させた。低または高用量いずれかの化合物Aおよび化合物D両方の経口共投与は、ビヒクル投与された西洋食給餌ラットと比べて、脂肪症をそれぞれ50%および73%低減させた。低用量または高用量いずれかの化合物Aおよび化合物Dの組合せの経口投与は、同じ用量レベルの単剤療法としての化合物Aまたは化合物Dいずれかの投与で観察されるものよりも、脂肪症におけるより大きい低減を生成した。
【0244】
無作為化、ビヒクル対照、並行5アーム間比較研究を、コリン欠乏および高脂肪食(CDAHFD)(Research diets;A16092003)を給餌した雄ウィスターハンラット(Charles River(Boston、MA))において行って、化合物Aまたは化合物Dのいずれかを、単剤療法として単独でまたは組み合わせて投与した場合の、肝臓炎症および線維症のマーカーの改善における差異を同定した。標準的な実験室条件を使用して60匹のラット(約200g)を収容し、それらを二重収容し、12:12時間反転明暗スケジュール(8:00AMに消灯)下に保った。ラットに、研究開始の6週間前から始めて、コリン欠乏および高脂肪食(CDAHFD)を給餌した。ラットを、4つの投薬群(n=12/群)に無作為化し、ビヒクル、化合物A(5mg/kg)単剤療法、化合物D(30mg/kg)単剤療法、または共投与化合物A(5mg/kg)および化合物D(30mg/kg)の1日2回投与を、6週間の期間にわたって受けさせた。研究全体を通して正常なチャウを続け、1日2回ビヒクルを投与した動物(n=12)を、対照群として使用した。循環マーカーの評価のために、化合物投与開始前ならびに化合物投与3および6週間後に、血液試料を収集した。せん断波エラストグラフィ(エクスプローラーアルティメット撮像装置、Supersonic imagine)測定を、−3週目、0週目(第1回用量の前)、3週目および6週目に行って、炎症および線維症進行を経時的に評価した。CDAHFDでの12週間に対応する薬物投与の6週間後、組織学を評価した。結果は、各投薬群ごとの動物の平均として提供される。
【0245】
CDAHFDでの12週間後、動物をCO
2窒息によって屠殺した。肝臓の、右外側、内側および左外側葉を収穫した。切片を、左外側、内側右および右外側葉から採取し、ホルマリン中で固定し、動物ごとにパラフィンブロックに加工した。動物1匹当たり左外側葉の1切片を、最適切削温度(OCT)化合物中で凍結保存した。各動物からの肝臓の残りを冷凍し、液体N
2中で冷却したアルミブロック上で迅速に細砕して、細砕全体を通して組織が冷凍されたままであることを確実にした。細砕された組織を移し、分析まで−80℃で貯蔵した。各動物由来の細砕された肝臓試料の一部を加工し、線維形成の遺伝子発現マーカーについて分析した。αSMAおよびCOL1A1に対するラットタックマンプローブはすべて、Actbをハウスキーピング遺伝子として使用して、qPCRで評価した。
【0246】
下記のエンドポイントを、専門医師会認定の獣医病理学者による定性的組織学的評価および定量的組織形態計測(histomorphometry)によって評価した:αSMA免疫組織化学(IHC)による肝星細胞活性化および筋線維芽細胞への分化;ピクロシリウスレッド染色による線維症の相関としてのコラーゲン。画像は、Visiopharmソフトウェアを使用して分析した。閾値パラメーター付きのVisiopharmアプリケーションを一様に適用して、組織切片を同定し、各IHC(DAB(3,3’−ジアミノベンジジン)陽性)または組織化学的に染色されたスライド上の標的をパーセント面積として定量化した:目的の染色面積/全組織ROI−空白部分)×100%。ノンパラメトリック統計を使用して、この研究からのデータを分析した。群の値を、平均+/−平均の標準誤差として報告した。
【0247】
チャウ食を給餌しビヒクルを投与した対照動物と比べて、CDAHFDを受けビヒクルを投与した動物は、研究期間中にわたり、肝臓剛性における著しい増大(せん断波エラストグラフィ(SWE)を使用して評価、キロパスカル(kPa)で測定)を示し、進行性肝臓炎症および線維症を指し示した(
図19)。化合物Aまたは化合物Dの単剤療法としての投与はそれぞれ、肝臓剛性を低減させ、肝臓炎症および/または線維症の低減を示唆した。化合物Aおよび化合物Dの共投与は、単剤療法としてのいずれの作用物質よりも、肝臓剛性において大きい低減を生成した(
図19)。
【0248】
チャウ食を給餌しビヒクルを投与した対照動物と比べて、CDAHFDを受けビヒクルを投与した動物は、肝臓アルファ平滑筋アクチン(αSMA)染色における著しい増大を示し、筋線維芽細胞活性化および線維形成を指し示した(
図20)。化合物Aまたは化合物Dの単剤療法としての投与はそれぞれ、αSMA染色をそれぞれ41%および23%低減させ、肝臓の筋線維芽細胞活性化および線維形成の低減を示唆した。化合物Aおよび化合物Dの共投与は、単剤療法としてのいずれの作用物質よりも、αSMA染色において大きい低減を生成し、染色を72%低減させた(
図20)。
【0249】
チャウ食を給餌しビヒクルを投与した対照動物と比べて、CDAHFDを受けビヒクルを投与した動物は、ピクロシリウスレッド(PSR)染色における著しい増大を示し、コラーゲン沈着および線維症を指し示した(
図21)。化合物Aまたは化合物Dの単剤療法としての投与はそれぞれ、PSR染色をそれぞれ26%および20%低減させ、コラーゲン沈着および線維症の低減を示唆した。化合物Aおよび化合物Dの共投与は、単剤療法としてのいずれの作用物質よりも、PSR染色において大きい低減を生成し、染色を56%低減させた(
図21)。
【0250】
チャウ食を給餌しビヒクルを投与した対照動物と比べて、CDAHFDを受けビヒクルを投与した動物は、イオン化カルシウム結合アダプター分子1(Iba1)染色における著しい増大を示し、肝マクロファージ活性化を指し示した(
図24)。化合物Aの単剤療法としての投与は、Iba1染色を15%低減させ、肝臓の炎症トーンの低減を示唆した。一方、Dの単剤療法としての投与は、Iba1染色を変化させず、AおよびDの共投与は、単剤療法として投与された化合物Aよりも、Iba1染色において大きい低減を生成し、染色を33%減少させた(
図24)。
【0251】
チャウ食を給餌しビヒクルを投与した対照動物と比べて、CDAHFDを受けビヒクルを投与した動物は、肝臓アルファ平滑筋アクチン(αSMA)(
図22)およびコラーゲンA1A(COL1A1)(
図23)遺伝子発現における著しい増大を示し、筋線維芽細胞活性化および線維形成を指し示した。化合物Aまたは化合物Dの単剤療法としての投与はそれぞれ、肝臓のαSMAおよびCOL1A1遺伝子発現を低減させ、肝臓の筋線維芽細胞活性化および線維形成の低減を示唆した。化合物Aおよび化合物Dの共投与は、単剤療法としてのいずれの作用物質よりも、肝臓のαSMA(
図22)およびCOL1A1(
図23)遺伝子発現において大きい低減を生成した。
【0252】
第II相薬力学、安全性および忍容性研究
第2A相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較研究を行って、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を持つ成人において6週間にわたって共投与された実施例2の化合物(化合物A)および実施例1の化合物(化合物D)の、薬力学、安全性および忍容性を評価した。化合物の共投与は、12時間ごとに300mg用量(100mgずつ3個の錠剤)としての化合物Dの経口投与および12時間ごとに15mg用量(5mgずつ3個の錠剤)として投与される化合物Aの経口投与を含んだ。
【0253】
化合物Aによるアセチル−CoA(補酵素A)カルボキシラーゼ1および2の阻害ならびに化合物Dによるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2の阻害は、脂質代謝を異なった補完的な手法でモジュレートするであろうと仮定され、2つの化合物の共投与が、単独で投与されたいずれかの作用物質と比較して改善されたベネフィット・リスクプロファイルにつながり得ることを示唆していた。全肝臓脂肪(WLF)の一次PDエンドポイント、安全性(血小板)および忍容性に関する主要な二次エンドポイント、ならびに脂質(例えば、トリグリセリド、TG)および肝機能検査(LFT)を含む主要な三次/診査PDおよびバイオマーカーエンドポイントについての結果を、以下の表9にまとめる:
表9:全肝臓脂肪、トリグリセリドおよび血小板の処置効果のまとめ(ベースラインから42日目までの変化、プラセボ調整)。
【0254】
【表9】
【0255】
42日目における全肝臓脂肪(WLF)およびトリグリセリドについての主要な所見は、i)すべての処置アームが、WLFについての予め指定された決定基準(すなわち、処置アームがプラセボよりも良好であり;観察されたプラセボ調整低減が30%の目標値よりも大きいという95%以上の信頼)を満たしたこと;ii)化合物Aによる単剤療法が著しいトリグリセリド上昇を誘導し、化合物Dによる単剤療法がトリグリセリドにおける適度の減少につながったこと;ならびに、iii)化合物Aおよび化合物(Comound)Dの共投与が、プラセボと比較して最小限変化したトリグリセリド値につながり、化合物A単剤療法で見られるトリグリセリド上昇の強力な軽減をもたらしたことを示す。
【0256】
主要な安全性および忍容性所見は、i)すべての処置アームが概して安全であり、研究過程にわたって忍容性良好であったこと;およびii)いかなる処置アームにおいても血小板における臨床的に意味のある変化が観察されなかったことを示す。プラセボと比較して、化合物A単剤療法アームでは血小板における減少が観察された。これは、化合物Dでは明らかではなかった。驚くべきことに、血小板における減少が、化合物A/化合物D共投与アームにおいて向上した。
【0257】
まとめると、化合物A/化合物Dの共投与は、概して安全であり、忍容性良好であり、化合物D単独の投与よりも大きいWLF低減を提供し、化合物Aによる単剤療法に関連して誘導されるトリグリセリド上昇を実質的に軽減した。
【0258】
ベースライン特徴
以下の表10は、研究個体群の主要な人口統計学およびベースライン特徴についての情報を提供する。
【0259】
【表10】
【0260】
MRI−PDFFによる一次全肝臓脂肪
MRI−PDFFによるWLFにおけるベースラインから42日目までの対数変換された相対変化は、共分散分析法(ANCOVA)を使用して分析した。モデルは、MRI−PDFFによる対数変換されたベースラインWLFを共変量として含んでいた。モデルから導出された推定を対数スケールから逆変換し、パーセント変化に変換した。
図25aは、処置アームによるWLFデータの箱ひげ図を示し、表11は、ANCOVAモデルからの結果を提供する。
【0261】
【表11】
【0262】
すべての処置アームは、数値的増大を示したプラセボと比較して、42日目におけるベースラインからのWLFにおける低減につながる。各処置アームは、プラセボに対するWLFについての予め指定された決定基準(すなわち、処置アームがプラセボよりも良好であり;観察されたプラセボ調整低減が30%の目標値よりも大きいという95%以上の信頼)を満たした。さらに、アーム間でのWLFにおける低減の規模の比較は、化合物Aおよび化合物D共投与が、化合物Dによる単剤療法よりも数値的に大きい低減および化合物Aによる単剤療法と同等の低減につながるという証拠を示した[−0.21%(50%CI−6.82、6.87)](表11を参照)。
【0263】
図25bおよび25cは、肝臓脂肪における30%以上または50%以上相対的低減の肝臓脂肪の低減閾値を満たす参加者の割合を実証する。
【0264】
血清トリグリセリド
血清トリグリセリドにおけるベースラインからの対数変換された相対変化は、反復測定の混合モデル(MMRM)を使用して分析した。モデルは、対数変換されたベースラインTGおよびベースライン全肝臓脂肪を共変量として含んでいた。モデルから導出された推定を対数スケールから逆変換し、パーセント変化に変換した。表12aは、血清トリグリセリドにおけるベースラインからのパーセント変化 − FASの統計的分析を提供する。
図26は、血清トリグリセリドにおけるベースラインからのパーセント変化 − FASを表す最小二乗平均値および90%CIのプロットである。
【0265】
【表12】
【0266】
表12aは、各時点におけるMMRMモデルからの結果を示す。データは、ACCi誘導トリグリセリド上昇が化合物Aによる単剤療法投与で観察されたことを示す。しかしながら、研究仮説と一致して、化合物A/化合物Dの共投与は、トリグリセリド上昇の軽減につながった。42日目のトリグリセリドにおけるプラセボ調整増大は、化合物A処置アームにおいては47.30%(21.77%、78.19%)であったが、化合物A/化合物D組合せアームにおいてはわずか6.00%(−12.21%、27.99%)であった。これは、化合物A単剤療法アームと比べて、組合せアームのトリグリセリドレベルにおける28.03%(23.40%、32.39%)の統計学的に有意な低減に等しい。組合せアームにおける5日目および14日目のトリグリセリド上昇は、化合物A単剤療法アームにおいて見られたものよりも小さい規模であり、28日目および42日目の値はプラセボと同様であった(
図26を参照)。
【0267】
加えて、表22bは、NAFLD患者におけるトリグリセリド異常のまとめを提供する。データは、トリグリセリド閾値を超える対象の総数(%)として提示される。データセットは、400mg/dl超、600mg/dl超および800mg/dl超の化合物A媒介性トリグリセリド異常の軽減を示す。具体的には、データは、化合物Aおよび化合物Dの共投与による、化合物A媒介性トリグリセリド異常(600mg/dl超および800mg/dl超)の完全遮断を示す。
【0268】
【表13】
【0269】
他の脂質およびアポリポタンパク質
42日目における他の空腹時血清脂質パラメーターにおけるベースラインからのパーセント変化 − FASの統計的分析のまとめを、表13で提供する。
【0270】
【表14】
【0271】
3つの処置アーム(化合物A単剤療法、化合物D単剤療法および化合物A/化合物D共投与)の、主要な脂質パラメーター(総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、非HDLコレステロール)に対する影響を、42日目について上記表13に示し、各アームをプラセボと、および化合物A/化合物D共投与アームを各単剤療法アームと比較する。総コレステロールについて、すべての処置アームは、プラセボよりも低い傾向があり、化合物A/化合物D共投与アームにおいて統計学的に有意な減少が見られた[−9.58%(−16.26、−2.38)]。各単剤療法アームを各組合せアームと比較した場合、統計学的に有意な差異は観察されなかった。HDLコレステロールは、すべての処置アームにおいて、プラセボと比較して同様の規模で減少した。化合物A/化合物Dの共投与は、HDLコレステロールを有意に各単剤療法よりも低く減少させなかった。LDLコレステロールは、化合物A単剤療法アームにおいて統計学的に有意に減少し、化合物D単剤療法および化合物A/化合物D共投与アームにおいて、統計学的に有意ではない、数値的に低下する傾向があった。非HDLコレステロールは、いずれの処置アームにおいてもプラセボと有意に異なっていなかった。
【0272】
3つの処置アーム(化合物A、化合物Dおよび化合物A/化合物D共投与)の、ApoA1、ApoBおよびApoC3に対する影響を測定した。42日目のアポリポタンパク質C3(ApoC3)におけるベースラインからのパーセント変化 − FASの統計的分析の結果を、表14に示し、各アームをプラセボと、および化合物A/化合物D共投与アームを各単剤療法アームと比較する。42日目におけるプラセボからのLS平均(および90%CI)パーセント変化が記される。
【0273】
【表15】
【0274】
ApoC3は、化合物A単剤療法アームにおいて統計学的に有意な方式で増大した[42.71%(22.86、65.77)]。驚くべきことに、ApoC3は、化合物D単剤療法アームでは増大せず[−8.19%(−20.75、6.36)]、ここではプラセボと同様のままであった。また驚くべきこと(Surpsingly)に、化合物A/化合物D共投与アームにおいては、ApoC3レベルもプラセボと同様であり[7.52%(−6.96、24.26)]、故に、ApoC3における化合物A誘導上昇は、化合物Dとの共投与によって軽減された。
【0275】
他の目的のエンドポイント − 肝機能検査
他の目的のエンドポイントのまとめを、表15で提供する。42日目におけるプラセボからのLS平均(および90%CI)パーセント変化が記される。表15は、42日目の肝機能検査におけるベースラインからのパーセント変化 − FASの統計的分析を提供する。
図27a〜27dは、肝機能検査におけるベースラインからのパーセント変化 − FASについての最小二乗平均値および90%CIのプロットを提供する。
図27aは、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)についてのプロットを提供し、
図27bは、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)についてのプロットを提供し、
図27cは、アルカリホスファターゼについてのプロットを提供し、
図27dは、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ(GGT)についてのプロットを提供する。
【0276】
【表16】
【0277】
すべての処置アームで、最初の4週間にわたって、プラセボと比較してALTおよびASTにおける一過性増大が観察された。42日目までに、いずれもベースライン値未満になった。アルカリホスファターゼについては、プラセボアームにおいて適度の増大が認められ、化合物A単剤療法アームにおいて明確で統計学的に有意な上昇があった。驚くべきことに、アルカリホスファターゼにおける明確で統計学的に有意な減少が、化合物D処置アームにおいて認められた。化合物A/化合物D共投与アームでは、アルカリホスファターゼ値はベースライン値前後で推移し、研究全体を通して統計学的に有意な変化はなかった。GGTは、プラセボにおいても化合物D単剤療法アームにおいてもベースラインからの有意な変化を示さず、一方、驚くべきことに、化合物A単剤療法アームおよび化合物A/化合物D共投与アームにおいては増大が観察された。共投与アームにおいて観察されたGGTの増大は、42日目のみ化合物A単剤療法アームよりも有意に低かった。
【0278】
安全性および忍容性
表16は、安全性解析対象集団における対象について、有害事象(すべての因果関係)の数を示す。具体的には、表16は、処置中に発生した有害事象(AE)(すべての因果関係) − 安全性解析対象集団を示す。
【0279】
【表17】
【0280】
AEの発生率は、化合物A/化合物D共投与アームと両方の単剤療法処置アームとの間で同様であった。「下顎膿瘍(Abcess)」の1つのSAEは、化合物A/化合物D共投与アームにおいて報告された(処置に関連するとはみなされなかった)。2人の対象がAEにより治験薬を中断した。化合物A単剤療法アームにおける1人の対象が、TG上昇の重度のAEにより中断し(処置に関連するとみなされた)、該対象は無症候性のままであった。化合物D単剤療法アームにおける別の対象は、クレアチンキナーゼおよびAST上昇の軽度のAEにより治験薬を中断した(処置に関連するとはみなされなかった)。上記したTG、CKおよびAST上昇を除いて、主要な検査所見の異常は認められなかった。全体として、すべての処置は安全であり、忍容性良好であった。
【0281】
他の目的の安全性エンドポイント
表17は、42日目の血小板におけるベースラインからのパーセント変化 − FASの統計的分析を提供する。
【0282】
【表18】
【0283】
プラセボと比較して、血小板における経時的な減少の数値的な傾向が、化合物A単剤療法処置アームにおいて観察された。化合物D単剤療法アームでは、血小板における減少は認められなかった。驚くべきことに、化合物A/化合物D共投与アームでも、プラセボと比べて、血小板における減少は観察されないことが発見された。
【0284】
本出願全体を通して、種々の刊行物が参照される。これらの刊行物の開示は、あらゆる目的のための参照によりその全体が本出願に組み込まれる。
【0285】
本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、本発明において種々の修正および変形が為され得ることが、当業者には明らかであろう。本発明の他の実施形態は、本明細書の考察および本明細書において開示される発明の実践から、当業者に明らかであろう。本明細書および例は、例示的なものにすぎないとみなされ、本発明の真の範囲および趣旨は、下記の特許請求の範囲によって指し示されることが意図されている。