【解決手段】電子部品搬送装置2は、ICデバイス13が搭載されるトレイ24を載せる容器載置部材49と、容器載置部材49を支持する補強部材の一部であり、第1軸50に沿って延びる支持部材52と、ICデバイス13を保持し、第2レール57cに沿って移動する第1デバイス搬送ヘッド31を有する第1搬送ロボット57と、第1デバイス搬送ヘッド31に配置された第1センサー59と、を備え、支持部材52には第1マーカー53及び第2マーカー54が設けられ、第1センサー59により、第1マーカー53及び第2マーカー54の位置を検出する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1実施形態
図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸及びZ軸とする。また、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直方向となっている。また、X軸に平行な方向をX方向とする。Y軸に平行な方向をY方向とする。Z軸に平行な方向をZ方向とする。各方向の矢印が向いた方向を「正」、その反対方向を「負」とする。
【0011】
「水平」とは、完全な水平に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、水平に対して若干傾いた状態も含む。「鉛直」とは、完全な鉛直に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、鉛直に対して若干傾いた状態も含む。若干傾いた状態の傾き角度は5°未満である。
【0012】
図1中の上側、すなわち、Z方向正側を「上」または「上方」、下側、すなわち、Z方向負側を「下」または「下方」と言うことがある。
【0013】
電子部品搬送装置2を有する電子部品検査装置1は、例えばBGA(Ball Grid Array)パッケージであるIC(Integrated Circuit)デバイス等の電子部品の電気的特性を検査・試験する装置である。電気的特性の検査を電特検査とする。
図1に示すように、電子部品検査装置1は内部に電子部品搬送装置2を備える。電子部品搬送装置2は電子部品を搬送する装置である。
【0014】
電子部品搬送装置2はカバー3に覆われている。電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向負側に制御部4を備える。制御部4は電子部品検査装置1の動作を制御する。制御部4の近くにはスピーカー5が配置される。電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向正側にモニター6、操作パネル7及びマウス台8が配置される。モニター6の表示画面6aには各種の情報が表示される。モニター6は、例えば液晶画面で構成された表示画面6aを有し、電子部品検査装置1の正面側上部に配置されている。トレイ除去領域12の
図1中右側には、マウスを載置するマウス台8が設けられている。操作者はマウス台8上のマウス及び操作パネル7を操作して、電子部品検査装置1の動作条件等を設定し、指示内容を入力する。操作パネル7は電子部品検査装置1に所望の動作を命令するインターフェイスである。
【0015】
電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向負側にシグナルランプ9を備える。シグナルランプ9及びスピーカー5は電子部品検査装置1の動作状態等を報知する。シグナルランプ9は、発光する色の組み合わせにより、電子部品検査装置1の動作状態等を報知する。シグナルランプ9は電子部品検査装置1の上部に配置される。
【0016】
電子部品検査装置1はY方向負側にトレイ供給領域11及びトレイ除去領域12が設けられる。操作者は電子部品が配列されたトレイをトレイ供給領域11に供給する。電子部品検査装置1はトレイ供給領域11からトレイを取り込んで、電特検査を行う。電子部品検査装置1は電特検査が終了した電子部品が配列するトレイをトレイ除去領域12に排出する。
【0017】
図2に示すように、説明の便宜上、電子部品としてのICデバイス13を用いる場合について代表して説明する。ICデバイス13は平板状をなす。ICデバイス13の下面には半球状の複数の端子が配置されている。
【0018】
ICデバイス13としては、例えば、LSI(Large Scale Integration)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)、複数のモジュールがパッケージ化されたモジュールIC、水晶デバイス、圧力センサー、慣性センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、指紋センサー等が挙げられる。
【0019】
電子部品搬送装置2は、トレイ供給領域11と、デバイス供給領域14と、検査領域15と、デバイス回収領域16と、トレイ除去領域12とを備える。これらの各領域は壁で分けられている。ICデバイス13は、トレイ供給領域11からトレイ除去領域12まで前記各領域を第1矢印17方向に順に経由し、途中の検査領域15で検査が行われる。電子部品検査装置1は、各領域を経由するようにICデバイス13を搬送する搬送ロボットとしての搬送部18を有する電子部品搬送装置2と、検査領域15内で検査を行なう検査部19と、産業用コンピューターで構成された制御部4とを備えたものとなっている。
【0020】
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域11及びトレイ除去領域12が配置された方が正面側となり、検査領域15が配された方が背面側として使用される。
【0021】
電子部品検査装置1は、ICデバイス13の種類ごとに交換される「チェンジキット」と呼ばれるものを予め搭載して用いられる。チェンジキットには、例えば、温度調整部21と、デバイス供給部22と、デバイス回収部23とがある。チェンジキットとは別に、ICデバイス13の種類ごとに交換されるものとしては、例えば、容器としてのトレイ24と、回収用トレイ25と、検査部19とがある。トレイ24はICデバイス13が搭載される容器である。
【0022】
トレイ供給領域11は、未検査状態の複数のICデバイス13が配列されたトレイ24が供給される給材部である。トレイ供給領域11ではトレイ24が複数積み重ねて搭載される。各トレイ24には複数の凹部が行列状に配置されている。各凹部にはICデバイス13が1つずつ収納される。
【0023】
デバイス供給領域14では、トレイ供給領域11から搬送されたトレイ24上の複数のICデバイス13がそれぞれデバイス供給部22まで搬送される。デバイス供給部22によりデバイス供給領域14から検査領域15へICデバイス13が搬送される。トレイ供給領域11とデバイス供給領域14とをまたぐように、トレイ24を1枚ずつ水平方向に搬送する第1トレイ搬送機構26、第2トレイ搬送機構27が設けられている。第1トレイ搬送機構26は搬送部18の一部である。第1トレイ搬送機構26はICデバイス13を搭載したトレイ24をY方向正側、すなわち、
図2中の第2矢印28方向に移動する。これにより、ICデバイス13はデバイス供給領域14に送り込まれる。また、第2トレイ搬送機構27は空のトレイ24をY方向負側、すなわち、
図2中の第3矢印29方向に移動する。第2トレイ搬送機構27は空のトレイ24をデバイス供給領域14からトレイ供給領域11に移動する。
【0024】
デバイス供給領域14には、温度調整部21、移動部としての第1デバイス搬送ヘッド31、トレイ搬送機構32及びデバイス供給部22が設けられている。温度調整部21はソークプレート(英語表記:soak plate、中国語表記:均温板)ともいう。デバイス供給部22はデバイス供給領域14と検査領域15とをまたぐように移動する。
【0025】
温度調整部21には複数のICデバイス13が載置される。温度調整部21は載置されたICデバイス13を一括して加熱または冷却できる。温度調整部21はICデバイス13を予め加熱または冷却して、電特検査に適した温度に調整する。
【0026】
本実施形態では、例えば、温度調整部21はY方向に2つ配置されている。そして、第1トレイ搬送機構26によってトレイ供給領域11から搬入されたトレイ24上のICデバイス13は、いずれかの温度調整部21に搬送される。
【0027】
第1デバイス搬送ヘッド31はICデバイス13を保持する機構を備える。第1デバイス搬送ヘッド31はデバイス供給領域14内でX方向、Y方向及びZ方向にICデバイス13を移動する。第1デバイス搬送ヘッド31は搬送部18の一部である。第1デバイス搬送ヘッド31はトレイ供給領域11から搬入されたトレイ24と温度調整部21との間のICデバイス13の搬送を行う。第1デバイス搬送ヘッド31は温度調整部21とデバイス供給部22との間のICデバイス13の搬送を行う。尚、
図2中では、第1デバイス搬送ヘッド31のX方向の移動を第4矢印33で示し、第1デバイス搬送ヘッド31のY方向の移動を第5矢印34で示す。
【0028】
デバイス供給部22には温度調整部21で温度調整されたICデバイス13が載置される。デバイス供給部22はICデバイス13を検査部19近傍まで搬送する。デバイス供給部22は「供給用シャトルプレート」または「供給シャトル」という。デバイス供給部22も、搬送部18の一部である。デバイス供給部22は、ICデバイス13が収納、載置される凹部を有する。
【0029】
デバイス供給部22はデバイス供給領域14と検査領域15との間をX方向、すなわち、第6矢印35方向に往復移動する。これにより、デバイス供給部22は、ICデバイス13をデバイス供給領域14から検査領域15の検査部19の近傍まで搬送する。検査領域15でICデバイス13が第2デバイス搬送ヘッド36によって取り去られた後、デバイス供給部22は再度デバイス供給領域14に戻る。
【0030】
デバイス供給部22はY方向に2つ配置されている。Y方向正側のデバイス供給部22を第1デバイス供給部22aとする。Y方向負側のデバイス供給部22を第2デバイス供給部22bとする。そして、温度調整部21上のICデバイス13は、第1デバイス搬送ヘッド31によりデバイス供給領域14内で第1デバイス供給部22aまたは第2デバイス供給部22bまで搬送される。デバイス供給部22はデバイス供給部22に載置されたICデバイス13を加熱または冷却可能である。温度調整部21で温度調整されたICデバイス13は、温度調整状態を維持して検査領域15の検査部19近傍まで搬送される。また、デバイス供給部22及び温度調整部21はシャーシへ電気的に接地されている。
【0031】
トレイ搬送機構32は、すべてのICデバイス13が除去された状態の空のトレイ24をデバイス供給領域14内でX方向正側、すなわち、第7矢印32a方向に搬送する機構である。第7矢印32a方向への搬送後、空のトレイ24は、第2トレイ搬送機構27によってデバイス供給領域14からトレイ供給領域11に戻される。
【0032】
検査領域15は、ICデバイス13を検査する領域である。検査領域15にはICデバイス13を検査する検査部19と、第2デバイス搬送ヘッド36とが設けられている。
【0033】
第2デバイス搬送ヘッド36は、搬送部18の一部であり、保持したICデバイス13を加熱または冷却可能である。検査領域15内で温度調整状態を維持したまま、第2デバイス搬送ヘッド36はICデバイス13を搬送する。
【0034】
第2デバイス搬送ヘッド36は、検査領域15内でY方向及びZ方向に往復移動可能に支持され、「インデックスアーム」と呼ばれる機構の一部となっている。第2デバイス搬送ヘッド36はICデバイス13を持ち上げてデバイス供給部22から検査部19上に搬送し、載置する。
【0035】
図2中では、第2デバイス搬送ヘッド36のY方向の往復移動を第8矢印36cで示している。第2デバイス搬送ヘッド36は、検査領域15内で、ICデバイス13の第1デバイス供給部22aから検査部19への搬送と、ICデバイス13の第2デバイス供給部22bから検査部19への搬送とを担う。また、第2デバイス搬送ヘッド36は、Y方向に往復移動可能に支持されている。
【0036】
第2デバイス搬送ヘッド36は、Y方向に2つ配置されている。Y方向正側の第2デバイス搬送ヘッド36を第3デバイス搬送ヘッド36aとする。Y方向負側の第2デバイス搬送ヘッド36を第4デバイス搬送ヘッド36bとする。第3デバイス搬送ヘッド36aはICデバイス13を第1デバイス供給部22aから検査部19への搬送を担う。第4デバイス搬送ヘッド36bはICデバイス13を第2デバイス供給部22bから検査部19への搬送を担う。第3デバイス搬送ヘッド36aは、ICデバイス13の検査部19から第1デバイス回収部23aへの搬送を担う。第4デバイス搬送ヘッド36bは検査部19から第2デバイス回収部23bへの搬送を担う。
【0037】
検査部19にはICデバイス13が載置され、検査部19はICデバイス13の電気的特性を検査する。検査部19にはICデバイス13の端子と電気的に接続される複数のプローブピンが設けられている。そして、ICデバイス13の端子とプローブピンとが電気的に接続される。そして、検査部19はICデバイス13の検査を行なう。ICデバイス13の検査は検査部19と電気的に接続されるテスターが備える検査制御部に記憶されているプログラムに基づいて行われる。検査部19でもICデバイス13を加熱または冷却して、ICデバイス13を検査に適した温度に調整できる。
【0038】
デバイス回収領域16は検査が終了した複数のICデバイス13が回収される領域である。デバイス回収領域16には、回収用トレイ25と、第5デバイス搬送ヘッド37と、第3トレイ搬送機構38とが設けられている。検査領域15とデバイス回収領域16とをまたぐように移動するデバイス回収部23も設けられている。デバイス回収領域16には空のトレイ24も用意されている。
【0039】
デバイス回収部23には検査が終了したICデバイス13が載置される。デバイス回収部23はICデバイス13をデバイス回収領域16まで搬送する。デバイス回収部23は「回収用シャトルプレート」または単に「回収シャトル」ともいう。デバイス回収部23も搬送部18の一部である。
【0040】
デバイス回収部23は、検査領域15とデバイス回収領域16との間をX方向、すなわち、第9矢印23c方向に沿って往復移動可能に支持されている。デバイス回収部23はY方向に2つ配置されている。Y方向正側のデバイス回収部23が第1デバイス回収部23aである。Y方向負側のデバイス回収部23が第2デバイス回収部23bである。検査部19上のICデバイス13は第1デバイス回収部23aまたは第2デバイス回収部23bに搬送され、載置される。第2デバイス搬送ヘッド36はICデバイス13の検査部19から第1デバイス回収部23aへの搬送と、ICデバイス13の検査部19から第2デバイス回収部23bへの搬送とを担う。また、デバイス回収部23はシャーシへ電気的に接地されている。
【0041】
回収用トレイ25には検査部19で検査されたICデバイス13が載置される。ICデバイス13はデバイス回収領域16内で移動しないよう回収用トレイ25に固定されている。第5デバイス搬送ヘッド37等の各種可動部が比較的多く配置されたデバイス回収領域16であっても、回収用トレイ25上では検査済みのICデバイス13が安定して載置される。回収用トレイ25は、X方向に沿って3つ配置されている。
【0042】
空のトレイ24もX方向に沿って4つ配置されている。空のトレイ24に検査されたICデバイス13が載置される。デバイス回収部23上のICデバイス13は回収用トレイ25または空のトレイ24のうちのいずれかに搬送され、載置される。ICデバイス13は検査結果ごとに分類されて、回収される。
【0043】
第5デバイス搬送ヘッド37は、デバイス回収領域16内でX方向及びY方向に移動可能に支持される。第5デバイス搬送ヘッド37はZ方向にも移動可能な部分を有している。第5デバイス搬送ヘッド37は搬送部18の一部である。第5デバイス搬送ヘッド37はICデバイス13をデバイス回収部23から回収用トレイ25や空のトレイ24に搬送する。
図2中では、第5デバイス搬送ヘッド37のX方向の移動を第10矢印37aで示し、第5デバイス搬送ヘッド37のY方向の移動を第11矢印37bで示す。
【0044】
第3トレイ搬送機構38は、トレイ除去領域12から搬入された空のトレイ24をデバイス回収領域16内でX方向、すなわち、第12矢印38a方向に搬送する機構である。搬送後に空のトレイ24はICデバイス13が回収される位置に配置される。
【0045】
トレイ除去領域12では検査済み状態の複数のICデバイス13が配列されたトレイ24が回収され、除去される。トレイ除去領域12には多数のトレイ24が積み重ねられる。
【0046】
デバイス回収領域16とトレイ除去領域12とをまたぐようにトレイ24を1枚ずつY方向に搬送する第4トレイ搬送機構39及び第5トレイ搬送機構41が設けられている。第4トレイ搬送機構39は搬送部18の一部でありトレイ24をY方向、すなわち、第13矢印39a方向に往復移動する。第4トレイ搬送機構39は、検査済みのICデバイス13をデバイス回収領域16からトレイ除去領域12に搬送する。第5トレイ搬送機構41はICデバイス13を回収するための空のトレイ24をY方向正側、すなわち、第14矢印41a方向に移動する。第5トレイ搬送機構41は空のトレイ24をトレイ除去領域12からデバイス回収領域16に移動する。
【0047】
制御部4は第1トレイ搬送機構26と、第2トレイ搬送機構27と、温度調整部21と、第1デバイス搬送ヘッド31と、デバイス供給部22と、トレイ搬送機構32と、検査部19と、第2デバイス搬送ヘッド36と、デバイス回収部23と、第5デバイス搬送ヘッド37と、第3トレイ搬送機構38と、第4トレイ搬送機構39と、第5トレイ搬送機構41の各部の動作を制御する。制御部4はCPU42(Central Processing Unit)とメモリー43とを有している。CPU42はメモリー43に記憶されている判断用プログラム、指示・命令用プログラム等の各種情報を読み込み、判断や命令を実行する。
【0048】
制御部4は、電子部品検査装置1や電子部品搬送装置2に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。外部機器は、例えば、電子部品検査装置1とケーブル等を介して通信される場合、無線通信される場合、電子部品検査装置1とネットワークを介して接続されている場合等がある。
【0049】
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域11とデバイス供給領域14との間が第1隔壁44によって区切られている。デバイス供給領域14と検査領域15との間が第2隔壁45によって区切られている。検査領域15とデバイス回収領域16との間が第3隔壁46によって区切られている。デバイス回収領域16とトレイ除去領域12との間が第4隔壁47によって区切られている。デバイス供給領域14とデバイス回収領域16との間も、第5隔壁48によって区切られている。
【0050】
図3に示すように、電子部品検査装置1はトレイ24を載せる容器載置部材49を備える。X軸と平行な軸を第1軸50とする。第1軸50と直交する軸を第2軸51とする。第2軸51はY軸と平行な軸である。容器載置部材49上には第1軸50に沿って延びる支持部材52が配置される。支持部材52は容器載置部材49を支持する補強部材の一部である。支持部材52は容器載置部材49の約中央に位置する。支持部材52は容器載置部材49と強固に固定される。支持部材52は容器載置部材49を吊る骨格部材である。
【0051】
支持部材52はマーカーとしての第1マーカー53、マーカーとしての第2マーカー54、第4マーカー55、第5マーカー56を備える。各マーカーは支持部材52のY方向における中心線上に配置される。各マーカーは第1軸50に沿って配置される。
【0052】
容器載置部材49のX方向負側には第1デバイス搬送ヘッド31を有する搬送ロボットとしての第1搬送ロボット57が配置される。第1搬送ロボット57は第2軸51方向に延びる第2軸ガイドとしての第1レール57aを備える。第1レール57a上には第1アーム57bが配置される。第1アーム57bは第1レール57aに沿って移動する。
【0053】
第1アーム57bは第1軸50方向に延びる第1軸ガイドとしての第2レール57cを備える。第1アーム57bには第1デバイス搬送ヘッド31が設置される。第1デバイス搬送ヘッド31は第2レール57cに沿って移動する。第1搬送ロボット57は図示しない2つのモーターと、各モーターの軸に固定されたプーリーと、各プーリーに掛けられたベルトを備える。各ベルトは第1アーム57bと第1デバイス搬送ヘッド31とに固定される。第1搬送ロボット57は各モーターを駆動することにより、第1デバイス搬送ヘッド31をX方向及びY方向に移動する。第1搬送ロボット57はICデバイス13を保持し、第1レール57a及び第2レール57cに沿って移動する第1デバイス搬送ヘッド31を有する。
【0054】
容器載置部材49のX方向負側には温度調整部21とトレイ24との間にマーカーとしての第3マーカー58が配置される。第1マーカー53、第2マーカー54及び第3マーカー58は第1デバイス搬送ヘッド31の移動範囲内に配置されている。
【0055】
第1デバイス搬送ヘッド31は各マーカーのX方向及びY方向の位置を検出するセンサー及び光学センサーとしての第1センサー59を備える。第1センサー59は第1マーカー53、第2マーカー54及び第3マーカー58の位置を検出する。第1搬送ロボット57は通電したときに第1デバイス搬送ヘッド31をホームポジションに移動する。このとき、第1センサー59と対向する場所を基準点としての第1センサー原点61とする。第1センサー原点61を原点とした第1マーカー53、第2マーカー54、第3マーカー58の座標はあらかじめ測定されてメモリー43に記憶されている。
【0056】
容器載置部材49のX方向正側には第5デバイス搬送ヘッド37を有する第2搬送ロボット62が配置される。第2搬送ロボット62は第2軸51方向に延びる第3レール62aを備える。第3レール62a上には第2アーム62bが配置される。第2アーム62bは第3レール62aに沿って移動する。
【0057】
第2アーム62bは第1軸50方向に延びる第4レール62cを備える。第2アーム62bには第5デバイス搬送ヘッド37が設置される。第5デバイス搬送ヘッド37は第4レール62cに沿って移動する。第2搬送ロボット62は図示しない2つのモーターと、各モーターの軸に固定されたプーリーと、各プーリーに掛けられたベルトを備える。各ベルトは第2アーム62bと第5デバイス搬送ヘッド37とに固定される。第2搬送ロボット62は各モーターを駆動することにより、第5デバイス搬送ヘッド37をX方向及びY方向に移動する。第2搬送ロボット62はICデバイス13を保持し、第3レール62a及び第4レール62cに沿って移動する第5デバイス搬送ヘッド37を有する。支持部材52は第1レール57a、第2レール57c、第3レール62a及び第4レール62cの基準になっている。
【0058】
容器載置部材49のX方向正側にはトレイ24と第3レール62aとの間に第6マーカー63が配置される。第4マーカー55、第5マーカー56及び第6マーカー63は第5デバイス搬送ヘッド37の移動範囲内に配置されている。
【0059】
第5デバイス搬送ヘッド37は各マーカーのX方向及びY方向の位置を検出するセンサー及び光学センサーとしての第2センサー64を備える。第2センサー64は第4マーカー55、第5マーカー56及び第6マーカー63の位置を検出する。第2搬送ロボット62は通電したときに第5デバイス搬送ヘッド37をホームポジションに移動する。このとき、第2センサー64と対向する場所を第2センサー原点65とする。第2センサー原点65を原点とした第4マーカー55、第5マーカー56、第6マーカー63の座標はあらかじめ測定されてメモリー43に記憶されている。
【0060】
図4に示すように、第1マーカー53、第2マーカー54、第4マーカー55及び第5マーカー56は円柱状の凸部である。さらに、第3マーカー58及び第6マーカー63も円柱状の凸部である。第1マーカー53から第6マーカー63は第1センサー59及び第2センサー64と対向する対向面66と接続する斜面67を備える。
【0061】
図5に示すように、第1デバイス搬送ヘッド31はICデバイス13を保持する保持ハンド68を備える。保持ハンド68は2行4列に配列する。保持ハンド68は昇降部68a及び吸着部68bを備える。昇降部68aは直動機構を備えて吸着部68bをZ方向に昇降する。吸着部68bは図示しない減圧ポンプと配管により接続され、ICデバイス13を吸着して保持する。
【0062】
第1センサー59は対物レンズ59a、投光用ファイバー59b、受光用ファイバー59c、センサーコントローラー59dを備える。センサーコントローラー59dはLED59e(light emitting diode)、フォトトランジスター59f及びセンサー駆動部59gを備える。センサー駆動部59gはLED59e及びフォトトランジスター59fを駆動する回路である。対物レンズ59aは支持部材69により第1デバイス搬送ヘッド31に固定される。
【0063】
LED59eが発光する光は投光用ファイバー59b及び対物レンズ59aを通って第1マーカー53〜第6マーカー63等を照射する。第1マーカー53〜第6マーカー63等で反射した光は受光用ファイバー59cを通ってフォトトランジスター59fを照射する。フォトトランジスター59fが受光する光の光量をアナログの電気信号に変換してセンサー駆動部59gに出力する。センサー駆動部59gはアナログの電気信号をデジタルの電気信号に変換してCPU42に出力する。
【0064】
第1センサー59は常時発光する光学センサーである。第1センサー59は光を射出して第1マーカー53〜第6マーカー63で反射する光を検出する。LED59e及びフォトトランジスター59fの温度を一定温度に維持できるので、精度良く第1マーカー53〜第6マーカー63を検出できる。光学センサーの点灯と消灯とを行う頻度が少ないので制御が簡単にできる。尚、第1センサー59と第2センサー64とは同じ構造になっている。
【0065】
図6に示すように、第1マーカー53の位置を検出するとき、対物レンズ59aから光70が照射される。光70は対物レンズ59aにより集光される。集光された場所を集光点70aとする。第1搬送ロボット57は集光点70aを第1マーカー53の対向面66に近づける。対向面66は鏡面になっているので、対物レンズ59aに向かって反射する光70の光量は大きい。
【0066】
図7に示すように、第1搬送ロボット57は集光点70aのZ方向の位置を維持しながら第1センサー59を移動する。第1マーカー53は対向面66の外周である縁71の周囲が斜面67になっている。集光された光70が斜面67を照射する。このとき、光70は斜面67で反射して進行方向を変える。反射した光70は対物レンズ59aに向かわないので、対物レンズ59aを照射する光70の光量は小さい。
【0067】
図8において、横軸は集光点70aが移動する位置を示す。縦軸はフォトトランジスター59fが受光する光70の光量を示す。光70が対向面66を照射するとき反射光の光量は大きい。光70が斜面67を照射するとき反射光の光量は小さくなる。
【0068】
第1マーカー53の縁71をまたぐ複数の場所としての検出点72で第1センサー59が受光する光量を複数検出する。複数検出する光量の平均値を用いて第1センサー59が第1マーカー53の縁71を検出する判定値73に設定する。詳しくは、対向面66の複数の検出点72で光量を検出して平均値を算出する。次に、斜面67の複数の検出点72で光量を検出して平均値を算出する。そして、対向面66における光量の平均値から斜面67における光量の平均値を減算した値を所定数で割った値を判定幅74とする。対向面66の反射光の光量から判定幅74を減算した値を判定値73とする。尚、判定幅74を算出するときに割り算に用いた所定数は反射光の分布を参照して設定する。
【0069】
この方法によれば、第1マーカー53の対向面66で反射する光70のうちを第1センサー59が受光する光70の光量を検出する。第1マーカー53の外側の斜面67で反射する光70を第1センサー59が受光し、光70の光量を検出する。検出する光量の中間の光量を判定値73に設定する。設定した判定値73で第1センサー59は第1マーカー53の縁71を検出する。従って、第1マーカー53の反射状態に対応して縁71を検出するので、第1センサー59を正確に検出できる。
【0070】
次に、第1マーカー53の座標を検出する方法を説明する。
図9に示すように、第1マーカー53の対向面66の縁71は円形であり、第1マーカー53の座標は円形の縁71の中心71aを示す。まず、第1搬送ロボット57が第1センサー59をX方向に移動する。第1センサー59の対向面66を通過する集光点70aの軌跡を第1軌跡75とする。第1軌跡75と縁71とが交差する2点を第1交差点75a及び第2交差点75bとする。第1センサー59は第1交差点75a及び第2交差点75bを検出する。
【0071】
次に、第1搬送ロボット57が第1センサー59をY方向に移動する。第1センサー59の対向面66を通過する集光点70aの軌跡を第2軌跡76とする。第2軌跡76と縁71とが交差する2点を第3交差点76a及び第4交差点76bとする。第1センサー59は第3交差点76a及び第4交差点76bを検出する。
【0072】
第1軌跡75における第1交差点75a及び第2交差点75bの垂直2等線分を第1線分75cとする。第2軌跡76における第3交差点76a及び第4交差点76bの垂直2等線分を第2線分76cとする。CPU42は第1線分75cと第2線分76cとの交点を算出して縁71の中心71aとする。
【0073】
図10に示すように、次に、第1センサー59は縁71上で検出した複数の縁上点71bを検出する。次に、CPU42は複数の縁上点71bにおける半径71cを算出する。CPU42は半径71cの平均値を算出し、この平均値を2倍にして直径71dとする。このように、CPU42は平面形状が円である第1マーカー53の縁71の座標を複数検出する。そして、複数の縁71の座標から第1マーカー53の直径71dを演算する。
【0074】
CPU42は直径71dを第1判定値77及び第2判定値78と比較する。第1マーカー53の直径71dが第1判定値77未満または第2判定値78を超えるとき、第1マーカー53の縁71の座標を複数検出し直して、中心71aの検出を再度行う。
【0075】
この方法によれば、電子部品搬送装置2は第1マーカー53の縁71の座標を複数検出して第1マーカー53の直径71dを演算する。測定した第1マーカー53の直径71dが正常な範囲にないときは、再度、第1マーカー53の直径71dを測定する。従って、第1マーカー53の位置の検出を信頼性良く行うことができる。
【0076】
CPU42は第1マーカー53の座標を検出する方法と同じ方法を用いて第2マーカー54〜第6マーカー63の座標を検出する。
【0077】
図11に示すように、制御部4はプロセッサーとして各種の演算処理を行うCPU42と、各種情報を記憶するメモリー43を備えている。第1ロボット制御部79、第2ロボット制御部80、第1センサー59及び第2センサー64はインターフェイス81を介してCPU42と電気的に接続されている。
【0078】
第1ロボット制御部79は第1搬送ロボット57の動作を制御する。第1ロボット制御部79はCPU42から指示信号を入力して指示された場所に第1デバイス搬送ヘッド31を移動する。
【0079】
第2ロボット制御部80は第2搬送ロボット62の動作を制御する。第2ロボット制御部80はCPU42から指示信号を入力して指示された場所に第5デバイス搬送ヘッド37を移動する。
【0080】
メモリー43は、RAM、ROM等といった半導体メモリーや、ハードディスクといった外部記憶装置を含む概念である。メモリー43は電子部品搬送装置2の動作の制御手順や搬送不良の判定手順等が記述されたプログラム82を記憶する。他にも、メモリー43は第1センサー59及び第2センサー64が出力する座標データ83を記憶する。他にも、メモリー43はデータを判定する第1判定値77及び第2判定値78等の判定データ84を記憶する。
【0081】
CPU42は、メモリー43内に記憶されたプログラム82に従って電子部品搬送装置2の動作を制御する。CPU42は機能を実現するための各種の機能部を有する。具体的な機能部としてCPU42は動作制御部85を有する。動作制御部85は第1デバイス搬送ヘッド31、第5デバイス搬送ヘッド37の移動先及び移動のタイミングを指示する。
【0082】
他にも、CPU42はマーク計測部86を有する。マーク計測部86は第1マーカー53〜第6マーカー63の位置を算出する。他にも、CPU42は不良判定部87を有する。不良判定部87は第1搬送ロボット57及び第2搬送ロボット62が正常か否かを判定する。
【0083】
次に、電子部品搬送装置2の状態確認方法について説明する。第2搬送ロボット62等の搬送ロボットの状態確認も第1搬送ロボット57と同じ方法にて状態確認を行う。第1搬送ロボット57について説明し、他の搬送ロボットの状態確認方法についての説明は省略する。
図12において、ステップS1は原点設定工程である。この工程では、第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31を第1軸50に沿って延びる第2レール57cの基準位置に移動する。次に、第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31を第1軸50と直交する第2軸51に沿って延びる第1レール57aの基準位置に移動する。次に、第1搬送ロボット57の第1センサー59の第1センサー原点61を第1デバイス搬送ヘッド31の基準位置に設定する。
【0084】
この方法によれば、第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31を第1軸50の第2レール57cの基準位置に移動し、第2軸51の第1レール57aの基準位置に移動する。そして、第1センサー59の第1センサー原点61を基準位置に設定する。従って、第1センサー原点61を第1デバイス搬送ヘッド31の基準位置に対応させている為、正確に第1デバイス搬送ヘッド31のズレを検出できる。次にステップS2に移行する。
【0085】
ステップS2は位置検出工程である。この工程では、第1搬送ロボット57の第1センサー59が、支持部材52の第1マーカー53の位置を検出し、第1測定座標として制御部4に出力する。次に、第1搬送ロボット57の第1センサー59が、支持部材52の第2マーカー54の位置を検出し、第2測定座標として制御部4に出力する。次に、第1搬送ロボット57の第1センサー59が、第3マーカー58の位置を検出し、第3測定座標として制御部4に出力する。CPU42は第1測定座標、第2測定座標及び第3測定座標の座標データ83をメモリー43に記憶する。次にステップS3に移行する。
【0086】
ステップS3は第1比較工程である。この工程では、制御部4の不良判定部87が予め記憶した第1基準座標と第1測定座標とを比較する。さらに、不良判定部87が予め記憶した第2基準座標と第2測定座標とを比較する。さらに、不良判定部87が予め記憶した第3基準座標と第3測定座標とを比較する。座標の比較はX座標の比較とY座標の比較とを行うことを示す。
【0087】
第1測定座標と第1基準座標の差分が所定値以上である場合、第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31がズレている状態であると不良判定部87が判断する。さらに、第2測定座標と第2基準座標の差分が所定値以上である場合、第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31がズレている状態であると不良判定部87が判断する。さらに、第3測定座標と第3基準座標の差分が所定値以上である場合、第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31がズレている状態であると不良判定部87が判断する。第1デバイス搬送ヘッド31がズレている状態であると不良判定部87が判断するとき、不良情報をモニター6に出力してステップS8に移行する。
【0088】
第1測定座標と第1基準座標の差分が所定値未満であり、且つ、第2測定座標と第2基準座標の差分が所定値未満であり、且つ、第3測定座標と第3基準座標の差分が所定値未満であるとき、第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31がズレていない状態であると不良判定部87が判断し、ステップS4に移行する。
【0089】
ステップS4は第2比較工程である。この工程では、制御部4の不良判定部87が第1測定座標と第2測定座標の1軸成分を比較する。第1測定座標と第2測定座標との1軸成分の差分が所定値以上である場合は、第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31がズレている状態であると不良判定部87が判断し、次に、ステップS8にて軸ズレの不良情報をモニター6に出力する。第1測定座標と第2測定座標との1軸成分の差分が所定値未満である場合は、第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31がズレていない状態であると不良判定部87が判断し、次に、ステップS5に移行する。
【0090】
ステップS5は電特検査工程である。この工程は、搬送部18が順次ICデバイス13を検査部19に搬送してICデバイス13の電特検査を行う工程である。次にステップS6に移行する。
【0091】
ステップS6は終了判断工程である。この工程は、予定するICデバイス13の電特検査がすべて終了したか否かを判断する工程である。予定するICデバイス13の電特検査がすべて終了したので終了するとき、ICデバイス13の電特検査を行う工程を終了する。予定するICデバイス13の電特検査がまだあるとき、次にステップS7に移行する。
【0092】
ステップS7は状態検査判断工程である。この工程は状態検査を行うか否かの判断を行う工程である。第1搬送ロボット57が搬送したICデバイス13の個数に対してトレイ24や温度調整部21に正しくICデバイス13を載せられない個数の比率が不良判定値を超えたとき、第1搬送ロボット57の状態確認を行うためにステップS1に移行する。
【0093】
第1搬送ロボット57が正常に動作しないとき、または、電子部品搬送装置2が動作を開始するとき、に第1搬送ロボット57の状態確認を行うためにステップS1に移行する。第1搬送ロボット57が正常に動作するときはステップS1に移行して電特検査を継続する。以上の工程にて第1搬送ロボット57の状態を確認する工程を含む工程を終了する。
【0094】
電子部品搬送装置2の構成によれば、支持部材52は容器載置部材49を支持する補強部材の一部であり、第1軸50に沿って延びる形状であり、取外しできないように固定されている。よって、支持部材52に設けられた第1マーカー53及び第2マーカー54は、第1軸50の基準となる正確な位置の指標となる。第1デバイス搬送ヘッド31の第1センサー59により、第1マーカー53及び第2マーカー54の位置を検出することにより、第1デバイス搬送ヘッド31の第1軸50に対するズレを正確に検出できる。これにより、第1デバイス搬送ヘッド31が第1軸50に対してズレていた場合は、第1デバイス搬送ヘッド31の修理や、再度、位置合わせのティーチングを行う必要があると判断できる。従って、第1デバイス搬送ヘッド31の第1軸50に対するズレを正確に検出できる電子部品搬送装置2を提供できる。
【0095】
電子部品搬送装置2の構成によれば、第1マーカー53〜第6マーカー63は円柱状である。円は中心を検出し易いので、容易に第1マーカー53〜第6マーカー63の位置を検出できる。
【0096】
電子部品搬送装置2の構成によれば、第1マーカー53〜第6マーカー63は対向面66と斜面67とを備える。第1センサー59が射出する光70の一部は対向面66で反射して第1センサー59を照射する。斜面67に照射された光70は進行方向が変わるので、第1センサー59に戻らない。従って、対向面66と斜面67とが接続する縁71を容易に検出できる。
【0097】
電子部品検査装置1は上記の電子部品搬送装置2を備える。上記の電子部品搬送装置2は第1デバイス搬送ヘッド31が物と接触しても、ズレを検出して、第1デバイス搬送ヘッド31の修理や、再度、位置合わせのティーチングを行うことができる。従って、電子部品検査装置1は第1デバイス搬送ヘッド31が物と接触しても、ズレを検出して、第1デバイス搬送ヘッド31の修理や、再度、位置合わせのティーチングを行うことができる。
【0098】
この方法によれば、支持部材52には第1マーカー53及び第2マーカー54が設けられる。第1測定座標は第1搬送ロボット57の第1センサー59が検出する第1マーカー53の位置の座標である。第1測定座標と第1基準座標との差分が所定値以上である場合に制御部4は第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31がズレている状態であることをモニター6出力する。
【0099】
第1マーカー53と第2マーカー54とは第1デバイス搬送ヘッド31が移動する1つの軸と平行な線上に配置される。第2測定座標は第1搬送ロボット57の第1センサー59が検出する第2マーカー54の位置の座標である。第1測定座標と第2測定座標との1軸成分の差分が所定値以上である場合に制御部4は第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31がズレしているとモニター6に出力する。第1マーカー53及び第2マーカー54は支持部材52に配置されているので、座標の原点に対する相対位置の変化が小さい。従って、第1デバイス搬送ヘッド31のズレを信頼性良く検出できる。
【0100】
第1搬送ロボット57が搬送したICデバイス13の個数に対して容器に正しくICデバイス13を載せられない個数の比率が不良判定値を超えたとき、第1デバイス搬送ヘッド31がずれている可能性がある。第1搬送ロボット57が正常に動作しないとき、第1デバイス搬送ヘッド31がずれている可能性がある。電子部品搬送装置2が動作を開始するとき、第1デバイス搬送ヘッド31がずれている可能性がある。第1デバイス搬送ヘッド31がずれている可能性があるとき、電子部品搬送装置2の状態確認を行う。そして、第1デバイス搬送ヘッド31が第1軸50に対してズレていた場合は、第1デバイス搬送ヘッド31の修理や、再度、位置合わせのティーチングを行うことができる。従って、電子部品搬送装置2を信頼性良く作動させることができる。
【0101】
第2実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、第1センサー59に換えてカメラを用いる点にある。第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図13に示すように、移動部としての第1デバイス搬送ヘッド88は各マーカーのX方向及びY方向の位置を検出するセンサー及び光学センサーとしてのカメラ89を備える。カメラ89はマーカーとしての第7マーカー91の位置を検出する。第7マーカー91は第1マーカー53や第2マーカー54に相当する。
【0102】
カメラ89は対物レンズ89a、固体撮像素子89b、接続配線89c、カメラコントローラー89dを備える。固体撮像素子89bは2次元センサーであり、第7マーカー91の平面形状を撮影する。接続配線89cを介して固体撮像素子89bは映像信号をカメラコントローラー89dに送信する。カメラコントローラー89dは映像信号を静止画にして、デジタル変換してCPU42に送信する。
【0103】
第7マーカー91は周囲とは異なる色に着色されている。従って、第7マーカー91と背景である支持部材52とを容易に区別できる。第7マーカー91は支持部材52に形成された塗布膜、薄膜または色素が付着した形態であり支持部材52から突出していないので、カメラ89と干渉することを抑制できる。第7マーカー91は円状の図形である。第2マーカー54〜第6マーカー63に相当するマーカーも第7マーカー91と同じ円状の図形である。従って、容易に図形の中心を算出できる。
【0104】
第7マーカー91の形状は丸、四角、多角形、クロス形状でも良い。第7マーカー91の形状は上下左右対称の形状が好ましい。図形の中心を容易に算出できる。
【0105】
第3実施形態
第1実施形態の第1マーカー53〜第6マーカー63は円柱状であった。他にも、第1マーカー53〜第6マーカー63は円状の凹部であっても良い。円は中心を検出し易いので、容易にマーカーの位置を検出できる。円状の凹部は形成し易いので、生産性良くマーカーを形成できる。凹部はZ方向を向く上面と側面との間に斜面があっても良い。他にも、第1マーカー53〜第6マーカー63は円状以外の凹部であっても良い。凹部の上面と側面との間に斜面を備えてもよい。例えば、第1マーカー53〜第6マーカー63は四角の凹部であっても良い。
【0106】
他にも、第1マーカー53〜第6マーカー63は反射光の光量を異なる図形であっても良い。他にも、第1マーカー53〜第6マーカー63は高低差のある立体構造物であっても良い。立体構造物はZ方向を向く上面と側面との間に斜面があっても良い。例えば、第1マーカー53〜第6マーカー63は四角柱の突起であっても良い。第1マーカー53〜第6マーカー63は周囲とは異なる色に着色されても良い。第1マーカー53〜第6マーカー63は鏡面を備えても良い。このとき、第1センサー59、第2センサー64及びカメラ89が容易にマーカーを検出できる。
【0107】
第4実施形態
第1実施形態では、不良判定部87が予め記憶した第1基準座標と第1測定座標とを比較した。さらに、不良判定部87が予め記憶した第2基準座標と第2測定座標とを比較した。さらに、不良判定部87が予め記憶した第3基準座標と第3測定座標とを比較した。
【0108】
第1基準座標と第1測定座標とを比較するだけでも良い。さらに、第2基準座標と第2測定座標とを比較するだけでも良い。さらに、第3基準座標と第3測定座標とを比較するだけでも良い。
【0109】
他にも、第1基準座標と第1測定座標との比較と、第2基準座標と第2測定座標との比較との2つにしても良い。また、第1基準座標と第1測定座標との比較と、第3基準座標と第3測定座標との比較との2つにしても良い。また、第2基準座標と第2測定座標との比較と、第3基準座標と第3測定座標との比較との2つにしても良い。
【0110】
第5実施形態
第1実施形態では、第1マーカー53及び第2マーカー54を用いて支持部材52が延びる方向を検出した。第1マーカー53及び第2マーカー54を用いずに、支持部材52のY方向の中心を検出しても良い。
図14に示すように、支持部材52はY方向正側及びY方向負側の側面に斜面52aが形成される。第1センサー59をY方向に移動して、Y方向正側の第1縁52bとY方向負側の第2縁52cを検出する。
【0111】
図15に示すように、次に、第1縁52bと第2縁52cとの中間点である第1中間点52dの座標を算出する。次に、第1センサー59をX方向正側に移動して、同様に、第1縁52b及び第2縁52cを検出する。さらに、第1縁52bと第2縁52cとの中間点である第2中間点52eを算出する。第1中間点52d及び第2中間点52eを通る線を支持部材中心線52fとする。支持部材中心線52fは支持部材52が延びる方向である。支持部材中心線52fをあらかじめ記憶している基準線と比較する。基準線と支持部材中心線52fとがなす角度が判定角度以上のとき、制御部4は第1搬送ロボット57の第1デバイス搬送ヘッド31がズレしているとモニター6に出力する。支持部材52は容器載置部材49に強固に固定されているので、座標の原点に対する相対位置の変化が小さい。従って、第1デバイス搬送ヘッド31のズレを信頼性良く検出できる。
【0112】
本方法では、支持部材52がマーカーの機能を有する。第1マーカー53及び第2マーカー54を形成しないので、生産性良く電子部品搬送装置2を製造できる。