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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-135535(P2021-135535A)
(43)【公開日】2021年9月13日
(54)【発明の名称】入力装置及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20210816BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20210816BHJP
【FI】
   G06F3/041 400
   G06F1/16 312F
   G06F1/16 312G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-28672(P2020-28672)
(22)【出願日】2020年2月21日
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】土橋 守幸
(72)【発明者】
【氏名】重松 友一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 大輔
(72)【発明者】
【氏名】塚本 泰通
(57)【要約】
【課題】ディスプレイ上に入力装置が適切に装着されていない状態での筐体の折り畳みを回避することを目的とする。
【解決手段】第1ラバードーム14aは、筐体の側部である第1辺L1に沿うとともに、第1辺L1に接続される操作入力部12の奥側に位置する筐体の第2辺L2側に設けられた第1領域AR1に配置されている。第2ラバードーム14bは、第1辺L1と反対側の側部である第3辺L3に沿うとともに、第2辺L2側に設けられた第2領域AR2に配置されている。第3ラバードーム14cは、操作入力部12の手前側である筐体の第4辺L4に沿う第3領域AR3に設けられている。第3ラバードーム14cは、第1辺L1からの距離が第1ラバードーム14aよりも長く、かつ、第3辺L3からの距離が第2ラバードーム14bよりも長い位置に設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力部を備えた入力装置であって、
誤装着検知用部材を備え、
前記誤装着検知用部材は、
前記操作入力部が設けられた第1面と反対側の面である第2面において、筐体の側部である第1辺に沿うとともに、前記第1辺に接続される操作入力部の奥側に位置する前記筐体の第2辺側に設けられた第1領域に配置された第1部材と、
前記第2面において、前記第1辺と反対側の側部である第3辺に沿うとともに、前記第2辺側に設けられた第2領域に配置された第2部材と、
前記第2面において、前記操作入力部の手前側に位置する前記筐体の第4辺に沿う第3領域に配置された第3部材と
を有し、
前記第3部材は、前記第1辺からの距離が前記第1部材よりも長く、かつ、前記第3辺からの距離が前記第2部材よりも長い位置に配置され、
前記誤装着検知用部材は、静電容量を有する導電性の部材である入力装置。
【請求項2】
前記誤装着検知用部材は柔軟性を有する部材である請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
金属の枠材を有し、前記誤装着検知用部材は前記金属の枠材に配置されている請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第1面において前記操作入力部が設けられていない領域に、前記操作入力部の上面よりも高い補助部材が設けられている請求項1から3のいずれかに記載の入力装置。
【請求項5】
前記操作入力部は、複数のキーが配列されたキー配置部である請求項1から4のいずれかに記載の入力装置。
【請求項6】
タッチパネルを備える情報処理装置に着脱可能に装着される請求項1から5のいずれかに記載の入力装置であって、
前記情報処理装置に正しく装着された状態において、前記誤装着検知用部材は、前記タッチパネルを支持する前記情報処理装置の外枠に対応する位置に設けられている入力装置。
【請求項7】
タッチパネルを備える情報処理装置に着脱可能に装着されるとともに、操作入力部を備える入力装置であって、
誤装着検知用部材を備え、
前記誤装着検知用部材は、
前記操作入力部が設けられた第1面と反対側の面である第2面において、筐体の側部である第1辺に沿うとともに、前記第1辺に接続される操作入力部の奥側に位置する前記筐体の第2辺側に設けられた第1領域に配置された第1部材と、
前記第2面において、前記第1辺と反対側の側部である第3辺に沿うとともに、前記第2辺側に設けられた第2領域に配置された第2部材と、
前記第2面において、前記操作入力部の手前側に位置する前記筐体の第4辺に沿う第3領域に配置された第3部材と
を有し、
前記第3部材は、前記第1辺からの距離が前記第1部材よりも長く、かつ、前記第3辺からの距離が前記第2部材よりも長い位置に配置され、
前記誤装着検知用部材は、前記タッチパネルによって検知可能な構成とされている入力装置。
【請求項8】
折り畳み可能であるとともに、折り畳まれた状態において互いに対向する面にタッチパネルが設けられた情報処理装置であって、
折り畳み角度を取得する角度取得部と、
前記折り畳み角度が所定の閾値以下であり、かつ、前記タッチパネルによって入力が検出されている場合に、異常を通知する通知部と
を具備する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置及び情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネル式の液晶ディスプレイを有し、物理的なキーボードを持たないタブレット型PCやスマートフォン等の情報処理装置が急速に普及している。この種の情報処理装置のディスプレイは、使用時には大きい方が望ましい反面、携帯時には小型化されることが望まれている。そこで、有機EL(Electro Luminescence)等のフレキシブルディスプレイを用いることで、筐体だけでなくディスプレイまでも折り畳み可能に構成した情報処理装置が提案されている。また、このような情報処理装置に対して、入力操作を容易にするために、ディスプレイの一部に着脱可能なキーボード等を装着し、キーボードを用いた入力を可能とする情報処理装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、従来、ディスプレイが設けられた筐体をヒンジなどで接続したデュアルディスプレイ型の情報処理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019−197253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなディスプレイまでも折り畳み可能に構成した情報処理装置やデュアルディスプレイ型の情報処理装置において、ディスプレイ上に入力装置が適切に装着されていない状態で折りたたんでしまうとディスプレイに傷がついたり、損傷したりする可能性がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ディスプレイ上に入力装置が適切に装着されていない状態での筐体の折り畳みを回避することのできる入力装置及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様は、操作入力部を備えた入力装置であって、誤装着検知用部材を備え、前記誤装着検知用部材は、前記操作入力部が設けられた第1面と反対側の面である第2面において、筐体の側部である第1辺に沿うとともに、前記第1辺に接続される操作入力部の奥側に位置する前記筐体の第2辺側に設けられた第1領域に配置された第1部材と、前記第2面において、前記第1辺と反対側の側部である第3辺に沿うとともに、前記第2辺側に設けられた第2領域に配置された第2部材と、前記第2面において、前記操作入力部の手前側に位置する前記筐体の第4辺に沿う第3領域に配置された第3部材とを有し、前記第3部材は、前記第1辺からの距離が前記第1部材よりも長く、かつ、前記第3辺からの距離が前記第2部材よりも長い位置に配置され、前記誤装着検知用部材は、静電容量を有する導電性の部材である入力装置である。
【0007】
本発明の第二態様は、タッチパネルを備える情報処理装置に着脱可能に装着されるとともに、操作入力部を備える入力装置であって、誤装着検知用部材を備え、前記誤装着検知用部材は、前記操作入力部が設けられた第1面と反対側の面である第2面において、筐体の側部である第1辺に沿うとともに、前記第1辺に接続される操作入力部の奥側に位置する前記筐体の第2辺側に設けられた第1領域に配置された第1部材と、前記第2面において、前記第1辺と反対側の側部である第3辺に沿うとともに、前記第2辺側に設けられた第2領域に配置された第2部材と、前記第2面において、前記操作入力部の手前側に位置する前記筐体の第4辺に沿う第3領域に配置された第3部材とを有し、前記第3部材は、前記第1辺からの距離が前記第1部材よりも長く、かつ、前記第3辺からの距離が前記第2部材よりも長い位置に配置され、前記誤装着検知用部材は、前記タッチパネルによって検知可能な構成とされている入力装置である。
【0008】
本発明の第三態様は、折り畳み可能であるとともに、折り畳まれた状態において互いに対向する面にタッチパネルが設けられた情報処理装置であって、折り畳み角度を取得する角度取得部と、前記折り畳み角度が所定の閾値以下であり、かつ、前記タッチパネルによって入力が検出されている場合に、異常を通知する通知部とを具備する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ディスプレイ上に入力装置が適切に装着されていない状態での筐体の折り畳みを回避することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の外観図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の外観図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理装置に、本発明の一実施形態に係る入力装置を装着した状態を示した図である。
図4】本発明の一実施形態に係る入力装置の概略外観図である。
図5】本発明の一実施形態に係る入力装置が備える外枠の概略図である。
図6】本発明の一実施形態に係る入力装置が情報処理装置に正しく装着されている状態における各ラバードームの配置について説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態に係る入力装置が正しい向きであるが、斜めにずれた状態で情報処理装置に装着された場合の一例を示した図である。
図8】本発明の一実施形態に係る入力装置が正しい向きであるが、斜めにずれた状態で情報処理装置に装着された場合の一例を示した図である。
図9】本発明の一実施形態に係る入力装置が操作入力部の向きが反対となった状態で情報処理装置に装着された場合の一例を示した図である。
図10】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示す概略図である。
図11】本発明の一実施形態に係る情報処理装置が備える機能のうち、誤装着検知に関する機能を主に抽出して示した機能構成図である。
図12】本発明の一実施形態に係る情報処理装置によって実行される誤装着検知方法の処理の手順の一例を示したフローチャートである。
図13】本発明の他の態様に係る入力装置の構成を説明するための図である。
図14】本発明の他の態様に係る情報処理装置の構成を説明するための図である。
図15】本発明の他の態様に係る情報処理装置の構成を説明するための図である。
図16】本発明の他の態様に係る入力装置が情報処理装置に正しく装着されている状態における各ラバードームの配置について説明するための図である。
図17】本発明の他の態様に係る入力装置が正しい向きであるが、斜めにずれた状態で情報処理装置に装着された場合の一例を示した図である。
図18】本発明の他の態様に係る入力装置が操作入力部の向きが反対となった状態で情報処理装置に装着された場合の一例を示した図である。
図19】本発明の他の実施形態に係る情報処理装置の概略外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る入力装置及び情報処理装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1図2は本発明の一実施形態に係る情報処理装置1の外観図である。情報処理装置1は、折り畳み可能であるとともに、折り畳まれた状態において互いに対向する面にタッチパネル10が設けられた情報処理装置1である。一例として、情報処理装置1は、第1筐体2a及び第2筐体2bを備えている。第1筐体2aと第2筐体2bとは、例えば、ヒンジなどの連結部3によって連結されている。第1筐体2a及び第2筐体2bの内面には、タッチパネル10が配置されている。タッチパネル10は、例えば、有機EL(Electro Luminescence)等を用いて構成された柔軟性を有する表示画面を有していてもよく、また、液晶ディスプレイのように、柔軟性を有しない表示画面を有していてもよい。情報処理装置1は、第1筐体2a及び第2筐体2bの内面が重なり合うように折りたたんだ場合に、タッチパネル10が一緒に折り畳み可能な構成とされている。情報処理装置1は、図1図2に示すように、タッチパネル10が第1筐体2aから第2筐体2bに渡って連続的に設けられている構成とされていてもよいし、図19に示すように、第1筐体2a、第2筐体2bにそれぞれタッチパネル10a、10bが設けられているような、いわゆるデュアルディスプレイ型の情報処理装置であってもよい。
【0012】
情報処理装置1は、図1に示したように、第1筐体2aの内面と第2筐体2bの内面とのなす角である折り畳み角度θ(図2参照)が180度になるように開き、平面状とすることでタブレット端末として使用できる。また、情報処理装置1は、図2に示すように、折り畳み角度θを変更することで、ノートPCのように使用することができる。情報処理装置1は、図3に示すように、第1筐体2a上または第2筐体2b上に物理キーボード等の入力装置5の装着が可能な構成とされている。
【0013】
図4は、本発明の一実施形態に係る入力装置5の概略外観図である。図4に示すように、入力装置5は、操作入力部12を備えた入力装置5とされている。本実施形態では、入力装置5として、矩形状の物理キーボードを例示して説明するが、この例に限定されない。例えば、タッチパッド、マウスパッド、ゲーム用入力機器等であってもよい。
【0014】
入力装置5は、複数のキーが配置されたキー配置部を操作入力部12として備えている。操作入力部12は、入力装置5が情報処理装置1に正しく装着された状態でユーザが操作することにより、情報処理装置1に入力情報を与えることのできる領域である。入力装置5において、操作入力部12以外の領域であって、操作入力部12が設けられた表面(第1面)と反対側の面である裏面(第2面)には、入力装置5が情報処理装置1に正しく装着されていないことを検知させるための誤装着検知用部材として、3つのラバードーム14a〜14cが設けられている。以下、各ラバードーム14a〜14cを区別して示すときは、第1ラバードーム(第1部材)14a、第2ラバードーム(第2部材)14b、第3ラバードーム(第3部材)14cといい、区別しない場合には、単に、ラバードーム14という。
本実施形態では、3つのラバードーム14を設けている場合を例示しているが、この例に限定されず、4つ以上設けられていてもよい。
【0015】
第1ラバードーム14aは、裏面において、筐体の側部である第1辺L1に沿うとともに、第1辺L1に接続される操作入力部12の奥側に位置する筐体の第2辺L2側に設けられた第1領域AR1に配置されている。第1領域AR1において、第2辺L2により近い位置、例えば、第1辺L1と第2辺L2とが接続する角部領域に第1ラバードーム14aが設けられることで、誤装着検知の精度を向上させることができる。
【0016】
第2ラバードーム14bは、裏面において、第1辺L1と反対側の側部である第3辺L3に沿うとともに、第2辺L2側に設けられた第2領域AR2に配置されている。第2領域AR2において、第2辺L2により近い位置、例えば、第3辺L3と第2辺L2とが接続する角部領域に第2ラバードーム14bが設けられることで、誤装着検知の精度を向上させることができる。
【0017】
第3ラバードーム14cは、操作入力部12の手前側である筐体の第4辺L4に沿う第3領域AR3に設けられている。第3ラバードーム14cは、第1辺L1からの距離が第1ラバードーム14aよりも長く、かつ、第3辺L3からの距離が第2ラバードーム14bよりも長い位置に設けられている。例えば、第3ラバードーム14cは、第3領域AR3における中央領域に設けられている。
【0018】
ラバードーム14は、静電容量を有する導電性の部材で構成されている。すなわち、静電容量方式のタッチパネルに反応する素材で構成されている。ラバードーム14の取り付け態様については、特に限定されない。例えば、入力装置5の筐体に貫通穴を形成し、ラバードームを表面から裏面に対して差し込むことにより取り付けられてもよい。また、ラバードーム14は、入力装置5の裏面に接着剤等により接着されてもよい。
【0019】
図5に示すように、入力装置5の筐体は金属の枠材50を有し、操作入力部12は金属の枠材50によって支持されている。また、各ラバードーム14は、枠材50に取り付けられている。このように、金属の枠材50とすることにより、各ラバードーム14に電荷を蓄えやすい構造とすることができる。これにより、情報処理装置1に正しく装着されなかった場合に、タッチパネル10に反応させやすくすることができ、装着誤検知感度を向上させることができる。
【0020】
また、図6に示すように、入力装置5が情報処理装置1に正しく装着されている状態において、ラバードーム14は、情報処理装置1のタッチパネル10を支持する外枠(ベゼル)上に対応する位置、換言すると、タッチパネル10以外の位置となるように配置されている。また、逆に、入力装置5が情報処理装置1に正しく装着されていない状態において、少なくとも一つのラバードーム14がタッチパネル10上に位置するように配置されている。
【0021】
例えば、図7及び図8は、入力装置5が正しい向きであるが、斜めにずれた状態で情報処理装置1に装着された場合の一例を示した図であり、図9は、入力装置5が操作入力部の向きが反対となった状態で情報処理装置1に装着された場合の一例を示した図である。図7の場合には、第1ラバードーム14aがタッチパネル10により検知され、図8の場合には、第2ラバードーム14bがタッチパネル10により検知され、図9の場合には、第3ラバードーム14cがタッチパネル10によって検知されることとなる。
【0022】
次に、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成及び機能について図面を参照して説明する。
図10は、情報処理装置1のハードウェア構成を示す概略図である。情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)21、メモリ22、タッチパネル10、グラフィクスアダプタ24、入力コントローラ26、フラッシュメモリ27、通信デバイス28、加速度センサ29,30等を備えており、各部はバス31を介して直接または間接的に接続されている。
【0023】
CPU20は、バス31を介して接続されたフラッシュメモリ27に格納されたOS(Operating System)により情報処理装置1全体の制御を行うとともに、フラッシュメモリ27に格納された各種のプログラムに基づいて処理を実行する機能を有する。また、CPU20は、所定の指示に応じて処理能力の変更を可能とする。
ROM21は、BIOS(Basic Input/Output System)や各種データ等を格納している。
メモリ22は、キャッシュメモリやRAM(Random Access Memory)等で構成されており、CPU20の実行プログラム(例えば、制御プログラム)の読み込み、及び実行プログラムによる処理データの書き込みを行う作業領域として利用される書き込み可能なメモリである。
【0024】
タッチパネル10は、タッチセンサを備えた表示画面である。タッチパネル10は、例えば、静電容量式のタッチパネルであり、ユーザの指や所定の電子ペンからの入力を検知し、CPU20に入力情報を出力する。また、タッチパネル10は、CPU20の制御に従って、グラフィクスアダプタ24からのビデオ信号を画像として表示画面に表示する。
グラフィクスアダプタ24は、CPU20の制御に従って、表示情報をビデオ信号に変換し、変換したビデオ信号をタッチパネル10に出力する。
入力コントローラ26は、タッチパネル10のタッチセンサを制御するとともに、タッチセンサからの信号を処理してCPU20に出力する。
【0025】
フラッシュメモリ27は、例えば、情報処理装置1全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、特定業務に向けられたアプリケーション、及び各種データやファイル等を格納する機能を有する。なお、情報処理装置1は、フラッシュメモリ27に替わる記憶手段としてHDD(Hard Disk Drive)等、他の記憶手段を備えてもよい。
通信デバイス28は、ネットワークを介して他のデバイスとの通信を制御する。
【0026】
加速度センサ(Gセンサ)29は、第1筐体2aに搭載され、重力方向に対する第1筐体2aの姿勢を検出する。
加速度センサ(Gセンサ)30は、第2筐体2bに搭載され、重力方向に対する第2筐体2bの姿勢を検出する。
加速度センサ29,30の検出結果は、CPU20に出力される。
【0027】
図11は、本実施形態に係る情報処理装置1が備える機能のうち、入力装置5の誤装着検知に関する誤装着検知機能を主に抽出して示した機能構成図である。後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム(例えば、誤装着検知プログラム)の形式でフラッシュメモリ27に記憶されており、このプログラムをCPU20がメモリ22に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、フラッシュメモリ27に予めインストールされている形態や、他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
【0028】
図11に示すように、情報処理装置1は、誤装着検知部40を備えている。誤装着検知部40は、角度取得部41、誤装着判定部42、通知部43、及びログ記憶部44を備えている。
角度取得部41は、加速度センサ29,30からの検知結果を取得し、これらの検知結果から第1筐体2aの内面と第2筐体2bの内面とのなす角度である折り畳み角度θ(図2参照)を取得する。
【0029】
誤装着判定部42は、角度取得部41によって取得された折り畳み角度θが所定の閾値以下であり、かつ、タッチパネル10によって入力が検知されている場合に、入力装置5の誤装着を判定する。所定の閾値は、例えば、30°以上60°以下の角度範囲で適宜設定された値である。
【0030】
ここで、誤装着判定において折り畳み角度θを考慮するのは、以下の理由からである。
例えば、折り畳み角度θが所定の閾値以上の場合には、入力装置5が正しい姿勢で装着されている状態で操作入力部12が操作されることによりタッチパネル10に入力信号が与えられることが考えられ、また、入力装置5が仮に誤装着されていても、それに起因してタッチパネル10が損傷されることがない。
これに対し、例えば、折り畳み角度θが所定の閾値以下の場合には、ユーザが使用を終えている状況であると判断でき、この状態でユーザが入力操作を行うことは現実的ではなく、また、このまま折り畳みの動作が続けられることにより、入力装置5の誤装着によってタッチパネル10に傷や損傷を与えてしまう可能性が高い。
【0031】
通知部43は、誤装着であると判定された場合に、誤装着を報知する。例えば、通知部43は、ブザーや音声ガイダンス等のように音声によって聴覚的に誤装着を通知してもよいし、画面にエラーメッセージ等を表示させることにより、視覚的に誤装着を通知してもよい。
ログ記憶部44は、誤装着判定部42によって誤装着であると判定された場合に、誤装着が判定された時刻情報をログとして記録する。これにより、ログを確認することで、誤装着検知の頻度等を把握することが可能となる。
【0032】
次に、本発明の一実施形態に係る情報処理装置1によって実行される誤装着検知方法について、図12を参照して説明する。誤装着検知方法は、例えば、所定の時間間隔で繰り返し行われる。
【0033】
まず、加速度センサ29,30の検出結果から折り畳み角度θを取得する(SA1)。続いて、折り畳み角度θが所定の閾値以下であるか否かを判定する(SA2)。この結果、折り畳み角度θが閾値以下であると判定した場合には(SA2:YES)、続いて、タッチパネル10に入力があるか否かを判定する(SA3)。この結果、タッチパネル10に入力があると判定した場合には(SA3:YES)、入力装置5の誤装着が発生していると判定し、誤装着を報知する(SA4)。続いて、誤装着検知のログを記録し(SA5)、本処理を終了する。
一方、折り畳み角度θが閾値よりも大きいと判定した場合(SA2:NO)、タッチパネル10に入力がないと判定した場合(SA3:NO)には、誤装着が発生していないと判定し、誤装着の報知等を行わずに、本処理を終了する。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る入力装置5によれば、入力装置5の裏面に、誤装着検知用のラバードーム14を配置したので、入力装置5が正しい姿勢で情報処理装置1に装着されていない場合には、情報処理装置1に入力装置5の誤装着を検知させることが可能となる。これにより、タッチパネル上に入力装置5が適切に装着されていない状態での筐体の折り畳みを回避することができ、タッチパネル10の損傷等を回避することが可能となる。
【0035】
また、本実施形態において、第1ラバードーム14aは、筐体の側部である第1辺L1に沿うとともに、第1辺L1に接続される操作入力部12の奥側に位置する筐体の第2辺L2側に設けられた第1領域AR1に配置されている。これにより、図7に示すように、情報処理装置1に対して入力装置5がずれて装着された状態を検知させることが可能となる。
また、第2ラバードーム14bは、第1辺L1と反対側の側部である第3辺L3に沿うとともに、第2辺L2側に設けられた第2領域AR2に配置されている。これにより、図8に示すように、情報処理装置1に対して入力装置5がずれて装着された状態を検知させることが可能となる。
また、第3ラバードーム14cは、操作入力部12の手前側である筐体の第4辺L4に沿う第3領域AR3において、第1辺L1からの距離が第1ラバードーム14aよりも長く、かつ、第3辺L3からの距離が第2ラバードーム14bよりも長い位置に配置されている。これにより、図9に示すように、情報処理装置1に対して入力装置5が反対の向きで装着された状態を検知させることが可能となる。
【0036】
また、誤装着検知用のラバードーム14が柔軟性を有することにより、万が一、入力装置5が正しく装着されていない状態で情報処理装置1が折りたたまれた場合であっても、ある程度の弾力性を確保することができ、タッチパネル10への損傷度合いを低減させることが可能となる。
【0037】
また、入力装置5が操作入力部12を支持する金属の枠材50を有し、ラバードーム14を金属の枠材50に配置することにより、ラバードーム14に電荷を蓄えやすい構造とすることができ、誤装着の検知精度を向上させることが可能となる。
【0038】
以上、本発明を上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0039】
例えば、入力装置5の表面において、操作入力部12が設けられていない領域に、操作入力部12の上面よりも高い補助部材51を設けることとしてもよい。例えば、図13に示すように、操作入力部12を複数のキーが配列されたキー配置部とした場合には、キーの上面よりも高い補助部材51を入力装置5の表面であって、操作入力部12の配置領域以外に配置する。これにより、例えば、入力装置5が情報処理装置1に正しい姿勢で装着された状態で折りたたまれた場合に、タッチパネル10が操作入力部12に接触することを防止することが可能となる。
【0040】
また、情報処理装置1は、入力装置5を正しく装着した状態で折り畳み可能とするために、図14又は図15に示すように、筐体の折り畳み部、換言すると、ヒンジ部に入力装置5の高さに応じた所定の隙間が生じるような構造とされていることが好ましい。
【0041】
また、上述した実施形態では、3つのラバードーム14を備える場合について例示して説明したが、ラバードーム14は4つ以上設けられていてもよい。例えば、図16には、4つのラバードーム14を有する場合の一態様に係る入力装置5が示されている。図16に示した配置例では、第3領域AR3に2つのラバードーム14c,14dが設けられている。この場合にも、図17に示すように、入力装置5が情報処理装置1に対してずれて配置された場合や、図18に示すように、入力装置5が反対の向きで情報処理装置1に装着された場合に、少なくとも一つのラバードーム14がタッチパネル10上に位置することにより、情報処理装置1に入力装置5の誤装着を検知させることが可能となる。
【0042】
なお、上述した実施形態では、静電容量式のタッチパネル10を前提としたため、ラバードーム14を静電容量を有する導電性の部材としたが、ラバードーム14の素材や構造についてはこの例に限定されない。すなわち、誤装着検知用部材は、入力装置5が着脱可能な情報処理装置1のタッチパネル10に反応可能な構成とされていればよく、タッチパネル10に反応する電子ペンの機構に基づいて適宜設計することが可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 :情報処理装置
2a :第1筐体
2b :第2筐体
5 :入力装置
10,10a,10b :タッチパネル
12 :操作入力部
14 :ラバードーム(誤装着検知用部材)
14a :第1ラバードーム(第1部材)
14b :第2ラバードーム(第2部材)
14c :第3ラバードーム(第3部材)
14d :ラバードーム
20 :CPU
21 :ROM
22 :メモリ
24 :グラフィクスアダプタ
26 :入力コントローラ
27 :フラッシュメモリ
28 :通信デバイス
29,30 :加速度センサ
40 :誤装着検知部
41 :角度取得部
42 :誤装着判定部
43 :通知部
44 :ログ記憶部
50 :枠材
51 :補助部材
AR1 :第1領域
AR2 :第2領域
AR3 :第3領域
L1 :第1辺
L2 :第2辺
L3 :第3辺
L4 :第4辺
図1
図2
図3
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図5
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