【解決手段】識別情報202が付された疑似装置イベント発生用媒体201を含む貨幣類を搬送する搬送部と、搬送部で搬送される貨幣類を識別する識別部と、表示を行う表示部と、識別部が、疑似装置イベント発生用媒体201に付された識別情報を読み取ると、当該識別情報に応じた位置に疑似装置イベント発生用媒体201を搬送部により搬送させるとともに、当該識別情報に応じた疑似装置イベント表示を表示部に表示させる疑似装置イベント発生処理を行う制御部と、を有する。
疑似装置イベントは、入金ジャム、入金リジェクト有り、収納庫フル、出金ジャム、出金リジェクトフル及び収納庫エンプティ、のうちの少なくともいずれか1つに対応することを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
前記紙幣型媒体は、互いに異なる第1識別情報及び第2識別情報が、厚さ方向の一側の面に前記搬送方向に直交する方向の位置をずらして付されるとともに、互いに異なり前記第1識別情報及び前記第2識別情報とも異なる第3識別情報及び第4識別情報が、厚さ方向の他側の面に前記搬送方向に直交する方向の位置をずらして付されており、
前記識別部は、
第1〜第4識別情報のうち、前記紙幣型媒体が通過する際の、前記識別部における前記厚さ方向の所定の側に付されるとともに前記搬送方向に直交する方向の所定の側に付された一つを読み取って前記制御部へ送信することを特徴とする請求項4記載の貨幣処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る一実施形態の貨幣処理装置を図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明において、「前」は前後方向の前側つまり操作者から見て手前側であり、「後」は前後方向の後側つまり操作者から見て奥側であり、「左」は操作者から見て左側であり、「右」は操作者から見て右側である。
【0015】
図1に示す本実施形態の貨幣処理装置1は、貨幣である硬貨(貨幣類)及び貨幣である紙幣(貨幣類)の入出金処理を含む各種処理を行う本体部2と、本体部2とは別体であって貨幣を収納する補助収納庫3とを有する貨幣処理装置本体10と、貨幣処理装置本体10の上位機となるPOSレジ11と、を有している。補助収納庫3の上に本体部2が載置されて貨幣処理装置本体10を構成している。本体部2及び補助収納庫3は必要により連結されて一体化されている。貨幣処理装置本体10の本体部2の上にPOSレジ11が載置されて貨幣処理装置1を構成している。本体部2及びPOSレジ11は必要により連結されて一体化されている。
【0016】
本体部2は、POSレジ11に接続されて売上金の入金及び釣銭の出金等を行うものである。本体部2には、右側に硬貨の各種処理を行う硬貨処理部5が、左側に紙幣の各種処理を行う紙幣処理部6が、それぞれ設けられている。
【0017】
図2に示すように、POSレジ11は、操作者により操作入力がなされる入力操作部12と、操作者に対して表示を行う入力表示部13(表示部)と、商品のバーコードを読み取るバーコード読取部14と、IDカードからID情報を読み取るカード読取部15と、商品の料金を表示させる料金表示部16と、用紙に印字してレシートを発行するレシート印字部17とを有している。POSレジ11は、これらと貨幣処理装置本体10とを制御する制御部18を有している。
【0018】
図1に示すように、本体部2の上面20の操作者と対向する前面21側の右側には、硬貨処理部5の位置に、入金処理時に貨幣処理装置1外から硬貨が投入される上方開口のホッパからなる硬貨入金口22が設けられている。硬貨入金口22は、複数金種が混在する金種混合状態で硬貨が装置外から一括投入可能であり、このように入れられた硬貨を貯留しつつ一枚ずつ分離して硬貨処理部5内に繰り出す。本体部2の上面20における硬貨入金口22の左側には、硬貨処理部5の位置に、操作者による操作入力が入力されると共に操作者に対して表示を行う操作表示部23が設けられている。
【0019】
また、本体部2には、前面21側に、硬貨入金口22に投入されたものの受け入れ不可と識別された受入不可硬貨を貨幣処理装置1外に取り出し可能に貯留する硬貨リジェクト口24と、硬貨の放出関連処理時に本体部2内から放出される硬貨を受け取って貨幣処理装置1外に取り出し可能に貯留する硬貨出金口25とが、硬貨処理部5の位置に設けられている。硬貨リジェクト口24と硬貨出金口25とは、前面21よりも前方に突出しており、上方開口の受け皿状をなしている。
【0020】
本体部2の上面20の前面21側の左側には、紙幣処理部6の位置に、入金処理時に貨幣処理装置1外から紙幣が投入される上方開口の紙幣入金口26が設けられている。また、紙幣処理部6の位置には、上面20における紙幣入金口26の後側に、出金処理時に本体部2内から出金紙幣が繰り出されると共に入金処理時に受け入れ不可と識別された受入不可紙幣が本体部2内から繰り出される紙幣出金口27が設けられている。紙幣入金口26には、複数金種が混在する金種混合状態で紙幣が貨幣処理装置1外から一括投入可能であり、このように入れられた紙幣を一枚ずつ分離して貨幣処理装置1内に繰り出す。
【0021】
硬貨処理部5は、
図3に示す概略構成となっている。硬貨処理部5には、硬貨を搬送する硬貨搬送部30(搬送部)が設けられている。硬貨搬送部30は、硬貨入金口22に入れられた硬貨を一枚ずつ分離して左方に搬送する第1入金搬送路31と、第1入金搬送路31で搬送されてきた硬貨を後方に向けて搬送する第2入金搬送路32と、を有している。硬貨処理部5には、第2入金搬送路32で後方に向けて搬送される硬貨を識別する硬貨識別部33(識別部)が第2入金搬送路32に設けられている。
【0022】
ここで、硬貨識別部33で受け入れ不可と識別された受入不可硬貨は、第2入金搬送路32のスイッチバック搬送すなわち逆転搬送で前方に搬送される。硬貨搬送部30は、硬貨識別部33よりも前側に第2入金搬送路32から硬貨を落下させる開閉可能なリジェクト振分ゲート36を有している。リジェクト振分ゲート36は、閉状態では第2入金搬送路32から硬貨を落下させることはなく、開作動することで、上記の第2入金搬送路32の逆転搬送で前方に向けて搬送される受入不可硬貨を第2入金搬送路32から落下させる。硬貨搬送部30は、リジェクト振分ゲート36で第2入金搬送路32から落下させられた硬貨を硬貨リジェクト口24に案内するリジェクトシュータ37を有している。
【0023】
硬貨処理部5には、硬貨識別部33よりも後方に、それぞれが所定の単一金種のバラ硬貨を収納すると共に、収納しているバラ硬貨を繰り出す複数の金種別の硬貨収納庫41a,41b,41c,41d,41e,41fが設けられている。例えば、最も前側の硬貨収納庫41aには1円硬貨が、前側から二番目の硬貨収納庫41bには10円硬貨が、前側から三番目の硬貨収納庫41cには100円硬貨が、前側から四番目の硬貨収納庫41dには5円硬貨が、前側から五番目の硬貨収納庫41eには50円硬貨が、最も後側の硬貨収納庫41fには500円硬貨が、それぞれ収納される。これは一例であり、硬貨収納庫41a〜41fは、それぞれに単一金種のバラ硬貨を収納するようにすれば、いずれの金種を収納するように設定することも勿論可能である。
【0024】
第2入金搬送路32は、すべての硬貨収納庫41a〜41fを前後方向に結ぶように延在しており、硬貨搬送部30は、硬貨識別部33よりも後方側に、第2入金搬送路32から硬貨を落下させる開閉可能な複数の金種振分ゲート42a,42b,42c,42d,42e,42fを有している。金種振分ゲート42a〜42fは、いずれも、閉状態では第2入金搬送路32から硬貨を落下させることはなく、開作動時に第2入金搬送路32から硬貨を落下させる。金種振分ゲート42a〜42fは、硬貨識別部33の識別結果に基づいて対応する金種の硬貨を硬貨収納庫41a〜41fの対応する金種のものに落下させる。
【0025】
つまり、金種振分ゲート42a〜42fのうち最も前側の金種振分ゲート42aは、開作動時に、硬貨収納庫41a〜41fのうち最も前側の硬貨収納庫41aに第2入金搬送路32から硬貨を落下させることになる。同様に、前から二番目の金種振分ゲート42bが前から二番目の硬貨収納庫41bに、前から三番目の金種振分ゲート42cが前から三番目の硬貨収納庫41cに、前から四番目の金種振分ゲート42dが前から四番目の硬貨収納庫41dに、前から五番目の金種振分ゲート42eが前から五番目の硬貨収納庫41eに、最も後側の金種振分ゲート42fが最も後側の硬貨収納庫41fに、それぞれ開作動時に第2入金搬送路32から硬貨を落下させる。
【0026】
ここで、上記した第1入金搬送路31、第2入金搬送路32及び金種振分ゲート42a〜42fが、硬貨入金口22に入れられた硬貨を硬貨収納庫41a〜41fに搬送する入金搬送部43を構成している。この入金搬送部43は硬貨搬送部30を構成している。
【0027】
硬貨収納庫41a〜41fは、それぞれが収納している硬貨を一枚ずつに分離して計数しつつ右方に繰り出すことになり、硬貨搬送部30は、硬貨収納庫41a〜41fの右方に、硬貨収納庫41a〜41fから繰り出された硬貨を前方に搬送する中間搬送路46を有している。この中間搬送路46は、前後方向に長く硬貨入金口22に硬貨を搬送可能となっている。硬貨搬送部30は、中間搬送路46から硬貨を落下させる開閉可能な出金口振分ゲート47を、硬貨入金口22と硬貨収納庫41aとの間に有している。出金口振分ゲート47は、閉状態では中間搬送路46から硬貨を落下させることはなく、開作動時に中間搬送路46から硬貨を落下させる。硬貨搬送部30は、出金口振分ゲート47の下方に、出金口振分ゲート47で中間搬送路46から落下させられた硬貨を硬貨出金口25に搬送する出金搬送路48を有している。
【0028】
硬貨処理部5には、硬貨収納庫41aよりも前方に、バラ硬貨を収納すると共に、収納しているバラ硬貨を繰り出す予備収納庫51が設けられている。予備収納庫51は、前後方向に長い形状をなしており、中間搬送路46の左側に、これと平行に並んで設けられている。
【0029】
硬貨搬送部30は、硬貨入金口22と出金口振分ゲート47との間に、中間搬送路46から硬貨を落下させる開閉可能な予備振分ゲート52を有している。予備振分ゲート52は、閉状態では中間搬送路46から硬貨を落下させることはなく、開作動時に中間搬送路46から硬貨を落下させる。中間搬送路46は、予備振分ゲート52から落下しなかった硬貨を末端から硬貨入金口22に落下させる。硬貨搬送部30は、予備振分ゲート52の下方に、予備振分ゲート52で中間搬送路46から落下させられた硬貨を予備収納庫51に案内する予備収納庫シュータ53を有している。
【0030】
予備収納庫51は、収納している硬貨を一枚ずつに分離して後方に繰り出すことになる。硬貨搬送部30は、予備収納庫51と硬貨収納庫41aとの間に、予備収納庫51から繰り出された硬貨を左右に振り分けて搬送する振分搬送部56を有している。この振分搬送部56は、左右方向に延在している。振分搬送部56は、予備収納庫51から繰り出された硬貨を右方に搬送して中間搬送路46の硬貨収納庫41aと出金口振分ゲート47との間位置に繰り出す。この振分搬送部56の左方には、硬貨処理部5から下方に開口する繰出口57が設けられており、振分搬送部56は、予備収納庫51から繰り出された硬貨を左方に搬送して繰出口57に落下させる。このように振分搬送部56が繰出口57に落下させた硬貨は、硬貨処理部5つまり
図1に示す本体部2から繰り出されて下方の補助収納庫3内に落下する。
【0031】
ここで、中間搬送路46、出金搬送路48、出金口振分ゲート47、予備振分ゲート52及び予備収納庫シュータ53が、硬貨収納庫41a〜41fから繰り出された硬貨を、硬貨出金口25、予備収納庫51及び硬貨入金口22に選択的に搬送する出金搬送部58を構成している。出金搬送部58は硬貨搬送部30を構成している。
【0032】
図1に示すように、硬貨処理部5は、硬貨入金口22、操作表示部23、硬貨リジェクト口24及び硬貨出金口25を有して筐体61から前方に引き出し可能な硬貨処理ユニット部62を有している。硬貨処理ユニット部62に、
図3に示す硬貨搬送部30、硬貨識別部33、硬貨収納庫41a〜41f、予備収納庫51及び振分搬送部56等が設けられている。そして、この硬貨処理ユニット部62が筐体61から引き出されることにより、硬貨搬送部30、硬貨識別部33、硬貨収納庫41a〜41f、予備収納庫51及び振分搬送部56等への外部からのアクセスが可能となる。すなわち、例えば、硬貨搬送部30で硬貨ジャムが生じた場合に、操作者は、硬貨処理ユニット部62を筐体61から引き出し適宜の部分を開放して硬貨ジャムを解消する。
【0033】
図4に示すように、紙幣処理部6には、前側から順に、紙幣入金口26、紙幣出金口27、紙幣を収納可能な着脱式の紙幣カセット118、紙幣を収納するとともに収納した紙幣を紙幣出金口27に出金させる複数具体的には四つの着脱不可な紙幣収納庫120,121,122,123が設けられている。紙幣カセット118は、紙幣収納庫120〜123からの紙幣を収納可能となっている。紙幣収納庫120,121,122,123は、いずれも収納した紙幣を、収納した順番とは逆の順番で繰り出すようになっている。
【0034】
例えば、紙幣収納庫120〜122は、それぞれが単一金種収納用となっており、紙幣収納庫120には千円紙幣が収納され、紙幣収納庫121には五千円紙幣が収納され、紙幣収納庫122には万円紙幣が収納される。また、紙幣収納庫123は、金種混合収納用となっており、紙幣収納庫120〜122に収納しきれないオーバーフロー紙幣や流通量が少ない二千円紙幣が収納される。勿論、紙幣収納庫120〜123への収納パターンは、これに限らず、種々の設定が可能である。
【0035】
紙幣入金口26、紙幣出金口27、紙幣カセット118及び紙幣収納庫120〜123は、いずれも左右方向に長い横長の形状をなしており、すべて、長辺が上端及び下端で左右方向に沿う姿勢(横長の姿勢)の紙幣を受け入れるようになっている。
【0036】
上記した紙幣入金口26、紙幣出金口27、紙幣カセット118及び紙幣収納庫120〜123は、紙幣処理部6の内部の右側に寄せられて設けられており、これにより紙幣処理部6の内部の左側に設けられたスペースに、これら紙幣入金口26、紙幣出金口27、紙幣カセット118及び紙幣収納庫120〜123を接続させて紙幣のやり取りを行う紙幣搬送部127(搬送部)が配置されている。なお、この紙幣搬送部127も紙幣を常に長辺が上端及び下端となる姿勢で搬送する。すなわち、紙幣搬送部127は、紙幣の長辺を搬送方向に沿わせた状態で搬送する、いわゆる縦搬送を行う。
【0037】
紙幣搬送部127は、紙幣入金口26と紙幣収納庫123とを結ぶ主搬送路128と、主搬送路128における紙幣出金口27の近傍位置から分岐して紙幣出金口27に接続される分岐搬送路129と、主搬送路128における紙幣カセット118の近傍位置から分岐して紙幣カセット118に接続される分岐搬送路130と、主搬送路128における紙幣収納庫120の近傍位置から分岐して紙幣収納庫120に接続される分岐搬送路132と、主搬送路128における紙幣収納庫121の近傍位置から分岐して紙幣収納庫121に接続される分岐搬送路133と、主搬送路128における紙幣収納庫122の近傍位置から分岐して紙幣収納庫122に接続される分岐搬送路134とを有している。
【0038】
紙幣搬送部127は、主搬送路128を介して紙幣収納庫120〜123側から搬送されてきた紙幣を、駆動状態で分岐搬送路129に案内して紙幣出金口27に搬送させる一方、非駆動状態ではそのまま主搬送路128で搬送させる振分部129Gを有している。分岐搬送路129は、紙幣出金口27に向けて回転して紙幣を紙幣出金口27に送り込むローラ対129Rと、紙幣の有無を紙幣の遮光により検知する紙幣検知センサ129Sとを有している。
【0039】
また、紙幣搬送部127は、主搬送路128を介して紙幣収納庫120〜123側から搬送されてきた紙幣を、駆動状態で分岐搬送路130に案内して紙幣カセット118に搬送させる一方、非駆動状態ではそのまま主搬送路128で搬送させる振分部130Gを有している。分岐搬送路130は、紙幣カセット118に向けて回転して紙幣を紙幣カセット118に送り込むローラ対130Rと、紙幣の有無を紙幣の遮光により検知する紙幣検知センサ130Sとを有している。
【0040】
また、紙幣搬送部127は、主搬送路128を介して紙幣入金口26側から搬送されてきた紙幣を、駆動状態で分岐搬送路132に案内して紙幣収納庫120に搬送させる一方、非駆動状態ではそのまま主搬送路128で搬送させる振分部132Gを有している。分岐搬送路132は、紙幣収納庫120に向けて回転して紙幣を紙幣収納庫120に送り込むローラ132Ra,132Rbと、紙幣の有無を紙幣の遮光により検知する紙幣検知センサ132Sとを有している。紙幣収納庫120には、ローラ132Ra,132Rbに向けて紙幣を蹴り出す蹴出ローラ120Rが設けられている。一方のローラ132Raは、紙幣収納庫120から紙幣を繰り出す際に回転し、他方のローラ132Rbは、紙幣収納庫120から紙幣を繰り出す際には停止して紙幣を一枚ずつに分離する。
【0041】
また、紙幣搬送部127は、主搬送路128を介して紙幣入金口26側から搬送されてきた紙幣を、駆動状態で分岐搬送路133に案内して紙幣収納庫121に搬送させる一方、非駆動状態ではそのまま主搬送路128で搬送させる振分部133Gを有している。分岐搬送路133は、紙幣収納庫121に向けて回転して紙幣を紙幣収納庫121に送り込むローラ133Ra,133Rbと、紙幣の有無を紙幣の遮光により検知する紙幣検知センサ133Sとを有している。紙幣収納庫121には、ローラ133Ra,133Rbに向けて紙幣を蹴り出す蹴出ローラ121Rが設けられている。一方のローラ133Raは、紙幣収納庫121から紙幣を繰り出す際に回転し、他方のローラ133Rbは、紙幣収納庫121から紙幣を繰り出す際には停止して紙幣を一枚ずつに分離する。
【0042】
また、紙幣搬送部127は、主搬送路128を介して紙幣入金口26側から搬送されてきた紙幣を、駆動状態で分岐搬送路134に案内して紙幣収納庫122に搬送させる一方、非駆動状態ではそのまま主搬送路128で搬送させる振分部134Gを有している。分岐搬送路134は、紙幣収納庫122に向けて回転して紙幣を紙幣収納庫122に送り込むローラ134Ra,134Rbと、紙幣の有無を紙幣の遮光により検知する紙幣検知センサ134Sとを有している。紙幣収納庫122には、ローラ134Ra,134Rbに向けて紙幣を蹴り出す蹴出ローラ122Rが設けられている。一方のローラ134Raは、紙幣収納庫122から紙幣を繰り出す際に回転し、他方のローラ134Rbは、紙幣収納庫122から紙幣を繰り出す際には停止して紙幣を一枚ずつに分離する。
【0043】
また、主搬送路128は、末端位置に、紙幣収納庫123に向けて回転して紙幣を紙幣収納庫123に送り込むローラ135Ra,135Rbと、紙幣の有無を紙幣の遮光により検知する紙幣検知センサ135Sとを有している。紙幣収納庫123には、ローラ135Ra,135Rbに向けて紙幣を蹴り出す蹴出ローラ123Rが設けられている。一方のローラ135Raは、紙幣収納庫123から紙幣を繰り出す際に回転し、他方のローラ135Rbは、紙幣収納庫123から紙幣を繰り出す際には停止して紙幣を一枚ずつに分離する。
【0044】
紙幣入金口26は、主搬送路128に向けて紙幣を蹴り出す蹴出ローラ26Raと、蹴出ローラ26Raで蹴り出された紙幣を主搬送路128に繰り出す繰出ローラ26Rbと、繰出ローラ26Rbで繰り出される紙幣を、停止することにより一枚ずつに分離する分離ローラ26Rcとを有している。主搬送路128の紙幣入金口26と分岐搬送路129との間における紙幣入金口26の近傍位置には、紙幣の有無を紙幣の遮光により検知する紙幣検知センサ26Sが設けられている。
【0045】
主搬送路128には、分岐搬送路129,130間に、紙幣を識別する紙幣識別部140(識別部)が設けられている。主搬送路128には、分岐搬送路130と分岐搬送路132との間における分岐搬送路132の近傍位置に、紙幣の有無を紙幣の遮光により検知する紙幣検知センサ128Saが設けられている。主搬送路128には、分岐搬送路132と分岐搬送路133との間位置に、紙幣の有無を紙幣の遮光により検知する紙幣検知センサ128Sbが設けられており、分岐搬送路133と分岐搬送路134との間位置に、紙幣の有無を紙幣の遮光により検知する紙幣検知センサ128Scが設けられている。
【0046】
図1に示すように、紙幣処理部6は、紙幣入金口26及び紙幣出金口27を有して筐体161から前方に引き出し可能な紙幣処理ユニット部162を有している。この紙幣処理ユニット部162に、
図4に示す紙幣搬送部127、紙幣カセット118、紙幣収納庫120〜123及び紙幣識別部140等が設けられている。この紙幣処理ユニット部162が筐体161から引き出されることにより、紙幣搬送部127、紙幣カセット118、紙幣収納庫120〜123及び紙幣識別部140等への外部からのアクセスが可能となる。すなわち、例えば、紙幣搬送部127で紙幣ジャムが生じた場合に、操作者は、紙幣処理ユニット部162を筐体161から引き出して紙幣ジャムを解消する。
【0047】
図1に示すように、補助収納庫3は、前方に開口する箱形の筐体部151と、筐体部151に前方に引き出し可能に支持された第1収納ドロア152と、筐体部151に前方に引き出し可能に支持された第2収納ドロア156とを有している。硬貨処理部5の
図3に示す繰出口57から落下した硬貨は、閉状態にある第1収納ドロア152内の図示略の収納ボックスに収納される。
【0048】
本実施形態の貨幣処理装置1の通常運用モードでの主な処理について説明する。
【0049】
[入金処理]
POSレジ11において、バーコード読取部14による商品バーコードの読み取り等で顧客が購入する商品の代金が確定し、入力操作部12に入金操作が入力されると、POSレジ11の制御部18は、硬貨入金口22へ硬貨が投入されていれば、硬貨処理部5による硬貨入金処理を開始させることになり、紙幣入金口26へ紙幣が投入されていれば、紙幣処理部6による紙幣入金処理とを開始させる。
【0050】
硬貨入金処理では、硬貨処理部5において、硬貨入金口22の硬貨を、硬貨搬送部30が、まず硬貨識別部33まで搬送する。すなわち、硬貨入金口22の硬貨を第1入金搬送路31が一枚ずつ分離して第2入金搬送路32に繰り出し、第2入金搬送路32が閉状態のリジェクト振分ゲート36を越えて硬貨識別部33まで搬送する。すると、硬貨識別部33が硬貨を識別する。硬貨識別部33では受け入れの可不可及び受入可能硬貨については金種を識別して計数し、この識別結果に基づき、受入不可硬貨を、硬貨搬送部30が、硬貨リジェクト口24に放出する硬貨入金リジェクトを行う。すなわち、第2入金搬送路32の逆転搬送とリジェクト振分ゲート36の開作動とで受入不可硬貨をリジェクトシュータ37を介して硬貨リジェクト口24に放出する。これにより、受入不可硬貨が硬貨リジェクト口24に収容され、操作者は、この受入不可硬貨を硬貨リジェクト口24から取り出すことができる。
【0051】
他方、硬貨識別部33の識別結果に基づき、受入可能硬貨を、硬貨搬送部30が、そのまま第2入金搬送路32で下流側に移動させる。その結果、硬貨搬送部30は、受入可能硬貨を、金種振分ゲート42a〜42fの対応するもので選別して硬貨収納庫41a〜41fの対応する金種のものに収納する。つまり、1円硬貨は金種振分ゲート42aで落下させて硬貨収納庫41aに収納し、10円硬貨は金種振分ゲート42bで落下させて硬貨収納庫41bに収納し、100円硬貨は金種振分ゲート42cで落下させて硬貨収納庫41cに収納し、5円硬貨は金種振分ゲート42dで落下させて硬貨収納庫41dに収納し、50円硬貨は金種振分ゲート42eで落下させて硬貨収納庫41eに収納し、500円硬貨は金種振分ゲート42fで落下させて硬貨収納庫41fに収納する。
【0052】
紙幣入金処理では、紙幣処理部6が、紙幣入金口26の紙幣を一枚ずつ分離して紙幣搬送部127の主搬送路128に送り出し、主搬送路128で紙幣収納庫120〜123に向けて搬送し、紙幣識別部140で識別させる。紙幣識別部140では、受け入れの可不可及び受入可能紙幣についての金種が識別され、この識別結果に基づき、受入可能紙幣を、紙幣収納庫120〜123用の振分部132G〜134Gのうち該当する金種用のものを駆動して、金種の紙幣収納庫120〜123のうちの該当する金種のものに収納させる。つまり、千円紙幣は、振分部132Gで分岐搬送路132に送り込んで紙幣収納庫120に収納させる。また、五千円紙幣は、振分部133Gで分岐搬送路133に送り込んで紙幣収納庫121に収納させる。更に、万円紙幣は、振分部134Gで分岐搬送路134に送り込んで紙幣収納庫122に収納させる。更に、紙幣収納庫120〜122のいずれかが紙幣で満杯になる紙幣収納庫フルの状態になると、収納しきれないオーバーフロー紙幣は、主搬送路128で搬送されて紙幣収納庫123に収納される。また、専用の収納庫を持たない二千円紙幣も紙幣収納庫123に収納される。なお、紙幣収納庫123も紙幣で満杯になる紙幣収納庫フルの状態になることもある。その場合は、収納しきれないオーバーフロー紙幣は、紙幣カセット118に収納する。
【0053】
他方、紙幣識別部140で入金不可と識別された紙幣は、紙幣搬送部127の主搬送路128の逆転駆動によって上記とは逆方向にスイッチバック搬送し、振分部129Gで分岐搬送路129に送り込んで紙幣出金口27に収容する紙幣入金リジェクトを行う。これにより、受入不可紙幣が紙幣出金口27に収容され、操作者は、この受入不可紙幣を紙幣出金口27から取り出すことができる。
【0054】
以上のようにして、硬貨入金口22の硬貨が、硬貨搬送部30によって、すべて、硬貨リジェクト口24及び硬貨収納庫41a〜41fのいずれかに搬送され、紙幣入金口26の紙幣が、紙幣搬送部127によって、すべて、紙幣収納庫120〜123、紙幣カセット118及び紙幣出金口27のいずれかに搬送されると、POSレジ11の制御部18は、今回の入金処理において受け入れた硬貨及び紙幣の計数結果と、入金取消をするか、入金確定をするかの選択操作を促す表示とを入力表示部13に表示させる。
【0055】
上記した入金取消をするか、入金確定をするかの問いに対して、操作者が、承認操作入力である入金確定の選択操作をPOSレジ11の入力操作部12に入力すると、制御部18は、今回の入金処理で受け入れた硬貨及び紙幣の計数値を確定して記憶すると共に、その合計金額から商品代金を減算して釣銭金額を算出し、入金処理を終了する。釣銭がある場合には、引き続き、後述の出金処理を行う。
【0056】
ここで、硬貨入金処理中に、硬貨収納庫41a〜41fのいずれかが満杯になる硬貨収納庫フルの状態になった場合、制御部18は、入金処理を一旦中断する。そして、入力操作部12に所定の満杯解消操作が入力されると、制御部18は、硬貨収納庫41a〜41fの満杯になったものから、硬貨を計数しつつ硬貨搬送部30の中間搬送路46に繰り出させる。そして、制御部18は、出金口振分ゲート47を閉状態のまま、予備振分ゲート52を開状態として、中間搬送路46で硬貨を予備振分ゲート52に向けて搬送する。すると、硬貨は、中間搬送路46で一枚ずつに分離された後、出金口振分ゲート47を越えて予備振分ゲート52の位置で中間搬送路46から落下して予備収納庫シュータ53を介して予備収納庫51に収納される。このようにして、硬貨収納庫41a〜41fの満杯になったものの満杯状態を解消する。その後、制御部18は、入金処理を再開する。
【0057】
また、紙幣入金処理中に、紙幣収納庫フルの状態になった場合、制御部18は、上記したように、紙幣収納庫120〜122に収納しきれないオーバーフロー紙幣を紙幣収納庫123に、紙幣収納庫123に収納しきれないオーバーフロー紙幣を紙幣カセット118に収納して紙幣入金処理を継続して行うようになっているが、紙幣入金処理後に、紙幣収納庫120〜123のいずれかが満杯になる紙幣収納庫フルの状態になっている場合、入力操作部12に所定の満杯解消操作が入力されると、制御部18は、紙幣収納庫120〜123の満杯になったものから、紙幣を計数しつつ主搬送路128に繰り出させて、主搬送路128で分岐搬送路130の方向に搬送し、振分部130G及び分岐搬送路130で紙幣カセット118に収納する。このようにして、紙幣収納庫120〜123の満杯になったものの満杯状態を解消する。
【0058】
[入金返却処理]
他方、入金処理における上記した入金取消をするか、入金確定をするかの問いに対して、操作者が、取り消し操作入力である入金取消の選択操作をPOSレジ11の入力操作部12に入力すると、制御部18は、硬貨処理部5について、入金された金額のうち硬貨部分を構成する返却硬貨を、硬貨収納庫41a〜41fの対応するものから計数しつつ、硬貨搬送部30によって硬貨出金口25に搬送する硬貨入金返却処理を行う。すなわち、出金口振分ゲート47を開状態にして、返却硬貨を、硬貨収納庫41a〜41fの対応するものから計数しつつ、中間搬送路46上に繰り出させる。すると、中間搬送路46が硬貨を出金口振分ゲート47に向けて搬送することになり、硬貨は出金口振分ゲート47から出金搬送路48上に落下して、出金搬送路48で硬貨出金口25に放出される。
【0059】
また、制御部18は、紙幣処理部6について、紙幣収納庫120〜122の対応するものから、入金された金額のうち紙幣部分を構成する返却紙幣を、紙幣搬送部127によって紙幣出金口27に搬送する紙幣入金返却処理を行う。すなわち、紙幣収納庫120〜122の対応するものから、返却紙幣を、分岐搬送路132〜134の対応するもの、主搬送路128、振分部129G及び分岐搬送路129を介して紙幣出金口27に搬送することになる。つまり、紙幣収納庫120から紙幣を繰り出す場合、紙幣を、蹴出ローラ120Rがローラ132Ra,132Rbに向けて蹴り出し、ローラ132Rbで一枚に分離しながらローラ132Raが分岐搬送路132に繰り出す。紙幣収納庫121から紙幣を繰り出す場合、紙幣を、蹴出ローラ121Rがローラ133Ra,133Rbに向けて蹴り出し、ローラ133Rbで一枚に分離しながらローラ133Raが分岐搬送路133に繰り出す。紙幣収納庫122から紙幣を繰り出す場合、蹴出ローラ122Rが紙幣をローラ134Ra,134Rbに向けて蹴り出し、ローラ134Rbで一枚に分離しながらローラ134Raが分岐搬送路134に繰り出す。このようにして紙幣収納庫120〜122の対応するものから繰り出された紙幣を主搬送路128で搬送し、振分部129Gで分岐搬送路129に導入して紙幣出金口27に送り込む。
【0060】
以上のようにして、入金された金額の硬貨部分を構成する返却硬貨が硬貨搬送部30によって硬貨出金口25に放出され、入金された金額の紙幣部分を構成する返却紙幣が紙幣搬送部127によって紙幣出金口27に放出されると、制御部18は、入金返却処理を終了することになり、操作者は、返却硬貨を硬貨出金口25から、返却紙幣を紙幣出金口27から取り出すことになる。
【0061】
[出金処理]
入金処理における上記した入金取消をするか、入金確定をするかの問いに対して、操作者が、入金確定の選択操作をPOSレジ11の入力操作部12に入力すると、制御部18は、上記したように入金処理で受け入れた硬貨及び紙幣の合計金額から商品代金を減算して釣銭金額を算出し、釣銭がある場合には、釣銭金額を出金させるように貨幣処理装置1を制御する。
【0062】
制御部18の制御により、貨幣処理装置1は、釣銭金額のうち硬貨部分を構成する出金硬貨を、硬貨入金返却処理と同様にして、硬貨収納庫41a〜41fの対応するものから計数しつつ繰り出させ、硬貨搬送部30によって搬送して硬貨出金口25に出金させる硬貨出金処理を行う。すなわち、出金口振分ゲート47を開状態にして、出金硬貨を、硬貨収納庫41a〜41fの対応するものから計数しつつ、中間搬送路46上に繰り出させる。すると、中間搬送路46が硬貨を出金口振分ゲート47に向けて搬送し、出金口振分ゲート47から、出金搬送路48上に落下して、出金搬送路48で硬貨出金口25に放出される。
【0063】
また、貨幣処理装置1は、紙幣収納庫120,121の対応するものから、釣銭金額のうち紙幣部分を構成する出金紙幣を、紙幣入金返却処理と同様にして、紙幣搬送部127によって、紙幣出金口27に出金させる紙幣出金処理を行う。すなわち、紙幣収納庫120,121の対応するものから、出金紙幣を、分岐搬送路132,133の対応するもの及び主搬送路128を介して紙幣出金口27に向けて搬送することになる。そして、主搬送路128で搬送される紙幣を、振分部129Gで分岐搬送路129に導入して紙幣出金口27に送り込む。このとき、紙幣識別部140で重送等の出金不可紙幣と識別された紙幣は、紙幣搬送部127が、紙幣カセット118に収納する。
【0064】
釣銭金額の硬貨部分を構成する出金硬貨が硬貨搬送部30によって硬貨出金口25に放出され、釣銭金額の紙幣部分を構成する出金紙幣が紙幣搬送部127によって紙幣出金口27に放出されると、出金処理を終了することになり、操作者は、出金硬貨を硬貨出金口25から、出金紙幣を紙幣出金口27から、それぞれ取り出すことになる。
【0065】
{硬貨ジャム}
ここで、硬貨処理部5において、例えば、上記した硬貨入金処理での硬貨搬送部30による硬貨の搬送中に硬貨が詰まる硬貨入金ジャムを生じることがある。また、例えば、上記した硬貨入金返却処理及び硬貨出金処理での硬貨搬送部30による硬貨の搬送中に硬貨が詰まる硬貨出金ジャムを生じることがある。制御部18は、硬貨搬送部30の各所に設けられた硬貨検知センサのうちのいずれかで硬貨が停止する異常を検出した場合や、硬貨搬送部30の各所に設けられた硬貨検知センサのうちのいずれかで通過を検出すべきタイミングで硬貨が検出されない異常を検出した場合に、硬貨入金処理中であれば硬貨入金ジャムの発生を検出し、硬貨入金返却処理中あるいは硬貨出金処理中であれば硬貨出金ジャムの発生を検出する。
【0066】
制御部18は、硬貨入金ジャム及び硬貨出金ジャムからなる硬貨ジャムの発生を検出した場合、硬貨搬送部30を停止させる。それとともに、制御部18は、異常を検出した硬貨検知センサの位置から硬貨ジャムの発生位置を特定して、硬貨ジャムが生じた旨と、特定した発生位置と、発生位置に応じた硬貨ジャム解消の手順とを、POSレジ11の入力表示部13に表示させる。これを見て、操作者は、例えば、筐体61から硬貨処理ユニット部62を引き出して硬貨ジャムを生じている硬貨等を取り除く作業を行って硬貨ジャムを解消し、筐体61に硬貨処理ユニット部62を押し込んで元に戻す。
【0067】
{紙幣ジャム}
また、紙幣処理部6において、例えば、上記した紙幣入金処理での紙幣搬送部127による紙幣の搬送中に紙幣が詰まる紙幣入金ジャムを生じることがある。また、例えば、上記した紙幣入金返却処理及び紙幣出金処理での紙幣搬送部127による紙幣の搬送中に紙幣が詰まる紙幣出金ジャムを生じることがある。制御部18は、例えば、紙幣搬送部127の各所に設けられた紙幣検知センサ26S,128Sa〜128Sc,129S,130S,132S〜135Sのうちのいずれかで紙幣が停止する異常を検出した場合や、紙幣搬送部127の各所に設けられた紙幣検知センサ26S,128Sa〜128Sc,129S,130S,132S〜135Sのうちのいずれかで通過を検出すべきタイミングで紙幣が検出されない異常を検出した場合に、紙幣入金処理中であれば紙幣入金ジャムの発生を検出し、紙幣入金返却処理中あるいは紙幣出金処理中であれば紙幣出金ジャムの発生を検出する。
【0068】
制御部18は、紙幣入金ジャム及び紙幣出金ジャムからなる紙幣ジャムの発生を検出すると、紙幣搬送部127を停止させる。それとともに、制御部18は、異常を検出した紙幣検知センサの位置から紙幣ジャムの発生位置を特定して、紙幣ジャムが生じた旨と、特定した発生位置と、発生位置に応じた紙幣ジャム解消の手順とを、POSレジ11の入力表示部13に表示させる。これを見て、操作者は、例えば、筐体161から紙幣処理ユニット部162を引き出して紙幣ジャムを生じている紙幣等を取り除く作業を行って紙幣ジャムを解消し、筐体161に紙幣処理ユニット部162を押し込んで元に戻す。
【0069】
{硬貨収納庫フル}
また、硬貨処理部5において、例えば、上記した硬貨入金処理での硬貨搬送部30による硬貨の搬送中に入金硬貨を収納する硬貨収納庫41a〜41fのいずれかが満杯となる硬貨収納庫フルの状態を生じることがある。制御部18は、硬貨収納庫41a〜41fに設けられた満杯検出センサのいずれかで硬貨収納庫フルの状態を検出した場合に、硬貨搬送部30を停止させる。それとともに、制御部18は、硬貨収納庫フルが生じた旨と、硬貨収納庫フル解消の手順とを、POSレジ11の入力表示部13に表示させる。これを見て、操作者は、硬貨収納庫フルを解消する操作を行う。すると、制御部18は、硬貨収納庫41a〜41fのうち硬貨収納庫フルが生じているものの硬貨を繰り出させ、硬貨搬送部30の中間搬送路46、予備振分ゲート52及び予備収納庫シュータ53で予備収納庫51に搬送して硬貨収納庫41a〜41fのうち硬貨収納庫フルが生じていたものの硬貨収納庫フルを解消する。
【0070】
{紙幣収納庫フル}
また、紙幣処理部6において、例えば、上記した紙幣入金処理後に、紙幣収納庫120〜123のいずれかが満杯となっている紙幣収納庫フルの状態を生じることがある。この場合、制御部18は、紙幣収納庫フルが生じた旨と、紙幣収納庫フル解消の手順とを、POSレジ11の入力表示部13に表示させる。これを見て、操作者は、紙幣収納庫フルを解消する操作を行う。すると、制御部18は、紙幣収納庫120〜123のうちの紙幣収納庫フルが生じているものの紙幣を繰り出させ、紙幣搬送部127で紙幣カセット118に搬送して収納させる。このようにして、紙幣収納庫120〜123のうち紙幣収納庫フルが生じていたものの紙幣収納庫フルを解消する。
【0071】
{硬貨出金リジェクトフル}
また、硬貨処理部5において、例えば、上記した硬貨出金処理での硬貨搬送部30による硬貨の搬送中に出金リジェクト硬貨を収納する予備収納庫51が満杯となる硬貨出金リジェクトフルの状態を生じることがある。制御部18は、予備収納庫51に設けられた満杯検出センサで硬貨出金リジェクトフルの状態を検出した場合に、硬貨搬送部30を停止させる。それとともに、制御部18は、硬貨出金リジェクトフルが生じた旨と、硬貨出金リジェクトフル解消の手順とを、POSレジ11の入力表示部13に表示させる。これを見て、操作者は、硬貨出金リジェクトフルを解消する操作を行う。すると、制御部18は、予備収納庫51の硬貨を振分搬送部56を介して繰出口57に落下させることにより、予備収納庫51の硬貨出金リジェクトフルを解消する。
【0072】
{紙幣出金リジェクトフル}
また、紙幣処理部6において、例えば、上記した紙幣出金処理での紙幣搬送部127による紙幣の搬送中に出金リジェクト紙幣を収納する紙幣カセット118が満杯となる紙幣出金リジェクトフルの状態を生じることがある。制御部18は、紙幣カセット118に設けられた満杯検出センサで紙幣出金リジェクトフルの状態を検出した場合に、紙幣搬送部127を停止させる。それとともに、制御部18は、紙幣出金リジェクトフルが生じた旨と、紙幣出金リジェクトフル解消の手順とを、POSレジ11の入力表示部13に表示させる。これを見て、操作者は、例えば、筐体161から紙幣処理ユニット部162を引き出して、紙幣カセット118から紙幣を取り出す作業等を行って紙幣出金リジェクトフルを解消し、筐体161に紙幣処理ユニット部162を押し込んで元に戻す。
【0073】
{硬貨収納庫エンプティ}
また、上記した硬貨出金処理中に、金種別の硬貨収納庫41a〜41fのいずれかの硬貨の収納量が、空となる硬貨収納庫エンプティを生じることがある。金種別の硬貨収納庫41a〜41fのそれぞれに設けられた収納量検出センサにより、金種別の硬貨収納庫41a〜41fのいずれかについて硬貨収納庫エンプティの状態を検出した場合、制御部18は、硬貨搬送部30を停止させるとともに、硬貨収納庫エンプティが生じた旨と、硬貨収納庫エンプティ解消の手順とを、POSレジ11の入力表示部13に表示させる。これを見て、操作者は、例えば、第1収納ドロア152を筐体部151から引き出し、第1収納ドロア152から、硬貨収納庫エンプティを生じている金種の棒金を取り出し、これを崩して、硬貨入金口22に投入し、この金種の硬貨を硬貨入金処理と同様にして、硬貨入金口22から硬貨搬送部30によって硬貨収納庫41a〜41fの硬貨収納庫エンプティを生じている金種のものに収納する投入硬貨補充処理を行う。
【0074】
{紙幣収納庫エンプティ}
また、上記した紙幣出金処理中に、金種別の紙幣収納庫120,121のいずれかの紙幣の収納量が、空となる紙幣収納庫エンプティを生じることがある。金種別の紙幣収納庫120,121のそれぞれに設けられた収納量検出センサにより、金種別の紙幣収納庫120,121のいずれかについて紙幣収納庫エンプティの状態を検出した場合、制御部18は、紙幣搬送部127を停止させるとともに、紙幣収納庫エンプティが生じた旨と、紙幣収納庫エンプティ解消の手順とを、POSレジ11の入力表示部13に表示させる。これを見て、操作者は、例えば、筐体部151から第2収納ドロア156を引き出し、紙幣収納庫エンプティを生じている金種の小束紙幣を取り出し、これをほどいて、紙幣入金口26に投入し、この金種の紙幣を紙幣入金処理と同様にして、紙幣入金口26から紙幣搬送部127によって紙幣収納庫120,121の紙幣収納庫エンプティを生じているものに収納する紙幣補充処理を行う。
【0075】
そして、本実施形態の貨幣処理装置1では、操作者のトレーニングや、貨幣処理装置1の機能確認等のために、上記した、硬貨入金ジャム、紙幣入金ジャム、硬貨出金ジャム、紙幣出金ジャム、硬貨収納庫フル、紙幣収納庫フル、硬貨出金リジェクトフル、紙幣出金リジェクトフル、硬貨収納庫エンプティ及び紙幣収納庫エンプティと、硬貨入金リジェクト有り及び紙幣入金リジェクト有りとの各状態を擬似的に発生させる疑似装置イベントを発生させることができるようになっている。
【0076】
貨幣処理装置1は、紙幣処理部6に疑似装置イベントを発生させる際に用いられる、
図5に示すような紙幣型媒体201(貨幣類、疑似装置イベント発生用媒体)を有している。紙幣型媒体201は、紙幣と同等の大きさの長方形状をなしており、紙製あるいは合成樹脂製のシートである。貨幣処理装置1は、紙幣型媒体201を、紙幣と同様、その長辺を搬送方向に沿わせて紙幣搬送部127で搬送することになり、その際に、紙幣識別部140が、紙幣型媒体201を識別する。よって、紙幣搬送部127は、疑似装置イベント発生用媒体である紙幣型媒体201及び紙幣からなる貨幣類を搬送し、紙幣識別部140は、紙幣搬送部127で搬送される紙幣型媒体201及び紙幣からなる貨幣類を識別する。紙幣検知センサ26S,128Sa〜128Sc,129S,130S,132S〜135Sは、紙幣型媒体201の有無も、紙幣型媒体201の遮光により検知する。
【0077】
紙幣型媒体201には、厚さ方向の一側の面に、発生させる疑似装置イベントに応じた識別情報を示す識別コードとしてバーコード202(識別情報)が付されている。バーコード202は、その延在方向、言い換えれば、バーの配列方向を紙幣型媒体201の短辺に沿わせており、この状態で紙幣型媒体201のほぼ中央に付されている。よって、紙幣型媒体201には、バーコード202が、このバーコード202の延在方向が紙幣搬送部127による搬送方向と直角をなす向きで付されている。これは、上記のように紙幣搬送部127により紙幣を縦搬送する場合に、特に紙幣識別部140の図示略のラインセンサでのバーコード202の読み取りが容易となる向きである。なお、紙幣搬送部による搬送方向に紙幣の短辺の延在方向を沿わせる、いわゆる横搬送を行う場合も、バーコードの延在方向が紙幣搬送部による搬送方向と直角をなす向きで付されるようにすれば、高価なエリアセンサでは無く安価なラインセンサを利用できるメリットが生じる。
【0078】
紙幣型媒体201には、バーコード202の識別情報に対応する疑似装置イベント名のテキスト情報からなる目視マーク203もバーコード202に並んで付されている。
図5に示す紙幣型媒体201は、バーコード202に、紙幣搬送部127の紙幣入金口26の近傍位置での入金ジャム発生を示す識別情報が含まれており、よって、疑似装置イベントが紙幣入金ジャムであって発生位置が紙幣入金口直後であることを示す「入金ジャム(入金口直後)」の目視マーク203が付されている。目視マーク203を付すことで、操作者は、一目で紙幣型媒体201が何の疑似装置イベント用であるかが判り、紙幣型媒体201を容易に使い分けることが可能となる。バーコード202及び目視マーク203は、紙幣型媒体201のベースとなるベースシートに直接印刷により形成しても良く、これらを印刷した別のシートを、紙幣型媒体201のベースシートに貼り付けても良い。
【0079】
このような紙幣型媒体201が、紙幣入金ジャム発生用、紙幣出金ジャム発生用、紙幣収納庫フル発生用、紙幣出金リジェクトフル発生用、紙幣収納庫エンプティ発生用及び紙幣入金リジェクト有り発生用にそれぞれ作製されている。そして、紙幣入金ジャム発生用、紙幣出金ジャム発生用、紙幣収納庫フル発生用及び紙幣収納庫エンプティ発生用の紙幣型媒体201については、貨幣処理装置1における発生箇所別にそれぞれ作製されている。
【0080】
そして、貨幣処理装置1は、紙幣型媒体201を紙幣搬送部127で搬送し、紙幣識別部140でバーコード202を読み取ると、制御部18が、読み取ったバーコード202の識別情報に応じた疑似装置イベントを発生させる疑似装置イベント発生処理を行う。
【0081】
<紙幣入金ジャム>
まず、発生させる疑似装置イベントが、紙幣入金ジャムである場合について説明する。紙幣入金ジャムは、紙幣入金口26から紙幣収納庫120〜123への紙幣搬送時の紙幣の詰まりである。
【0082】
例えば、疑似装置イベントとして紙幣入金口26の直後位置での紙幣入金ジャムを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、紙幣入金口26の直後位置での紙幣入金ジャム発生用の
図5に示すような紙幣型媒体201を紙幣入金口26へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを紙幣処理部6に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、紙幣型媒体201を紙幣入金処理と同様にして紙幣入金口26から紙幣処理部6内に取り込ませ、紙幣搬送部127の主搬送路128で紙幣識別部140へ搬送させる。
【0083】
すると、紙幣識別部140が、この紙幣型媒体201に付されたバーコード202を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード202の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが、紙幣入金ジャムであって紙幣入金口26の直後位置での発生と特定する。
【0084】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである紙幣入金ジャムに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、紙幣搬送部127の主搬送路128により、この紙幣型媒体201をバーコード202の識別情報に応じた所定の停止場所まで搬送させる。なお、紙幣型媒体201を停止させる場所は、紙幣搬送部127上の予め決められた場所であり、この場合は、バーコード202の識別情報が、紙幣入金口26の直後位置での紙幣入金ジャムを示しているため、紙幣入金口26から繰り出され紙幣搬送部127で紙幣識別部140を通過していた紙幣型媒体201を主搬送路128のスイッチバック搬送で、主搬送路128における紙幣入金口26の近傍の紙幣検知センサ26Sで検知される所定位置まで戻す。そして、紙幣搬送部127を停止させて紙幣型媒体201を主搬送路128における紙幣入金口26の近傍の所定位置に停止させる。なお、このスイッチバック搬送時に、この紙幣型媒体201は、紙幣識別部140を再度通過することになるが、このとき、紙幣識別部140は、紙幣型媒体201のバーコード202の読み取りは行わない。
【0085】
制御部18は、引き続き疑似装置イベント発生処理として、紙幣識別部140が識別したバーコード202の識別情報に基づいて、POSレジ11の入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、紙幣入金ジャムの疑似装置イベントが発生した旨と、紙幣入金ジャムの疑似装置イベントの発生位置である紙幣入金口26の直後位置とを表示して、操作者へ報知する。この時、疑似装置イベント表示として、入力表示部13にエラー解除の手順、すなわち主搬送路128における紙幣入金口26の近傍の紙幣型媒体201の排除の手順を合わせて表示させる。
【0086】
このように、制御部18は、紙幣識別部140が、疑似装置イベント発生用の紙幣型媒体201に付されたバーコード202を読み取ると、このバーコード202の識別情報に応じた位置に、この紙幣型媒体201を紙幣搬送部127により搬送させるとともに、この識別情報に応じた疑似装置イベント表示を入力表示部13に表示させる疑似装置イベント発生処理を行う。
【0087】
そして、制御部18は、筐体161から紙幣処理ユニット部162が引き出され、主搬送路128における紙幣入金口26の近傍の紙幣型媒体201が排除されて紙幣処理ユニット部162が筐体161に押し込まれる一連の排除操作が行われたことを、紙幣処理ユニット部162の開状態、この開状態からの紙幣処理ユニット部162の閉状態、この閉状態での紙幣検知センサ26Sでの紙幣型媒体201の検知なしを含んで確認すると、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0088】
同様に、例えば、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、分岐搬送路132での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を主搬送路128から振分部132Gで分岐搬送路132に案内させて、紙幣検知センサ132Sで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが分岐搬送路132での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。
【0089】
そして、制御部18は、その後、筐体161から紙幣処理ユニット部162が引き出され、分岐搬送路132から紙幣型媒体201が排除されて紙幣処理ユニット部162が筐体161に押し込まれる一連の排除操作が行われたことを、紙幣処理ユニット部162の開状態、この開状態からの紙幣処理ユニット部162の閉状態、この閉状態での紙幣検知センサ132Sでの紙幣型媒体201の検知なしを含んで確認すると、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0090】
また、同様に、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、分岐搬送路133での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を分岐搬送路133における紙幣検知センサ133Sで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが分岐搬送路133での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。制御部18は、その後、分岐搬送路133の紙幣型媒体201の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、紙幣検知センサ133Sでの紙幣型媒体201の検知なしを含んで確認すると、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0091】
また、同様に、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、分岐搬送路134での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を分岐搬送路134における紙幣検知センサ134Sで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが分岐搬送路134での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。制御部18は、その後、分岐搬送路134の紙幣型媒体201の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、紙幣検知センサ134Sでの紙幣型媒体201の検知なしを含んで確認すると、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0092】
また、同様に、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、主搬送路128における紙幣収納庫123の近傍位置での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を主搬送路128における紙幣検知センサ135Sで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが主搬送路128における紙幣収納庫123の近傍位置での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。制御部18は、その後、主搬送路128における紙幣収納庫123の近傍位置の紙幣型媒体201の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、紙幣検知センサ135Sでの紙幣型媒体201の検知なしを含んで確認すると、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0093】
また、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、主搬送路128における分岐搬送路130と分岐搬送路132との間の位置での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を主搬送路128における紙幣検知センサ128Saで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが主搬送路128における分岐搬送路130と分岐搬送路132との間の位置での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。制御部18は、その後、主搬送路128における分岐搬送路130と分岐搬送路132との間の位置の紙幣型媒体201の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、紙幣検知センサ128Saでの紙幣型媒体201の検知なしを含んで確認すると、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0094】
また、同様に、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、主搬送路128における分岐搬送路132と分岐搬送路133との間の位置での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を主搬送路128における紙幣検知センサ128Sbで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが主搬送路128における分岐搬送路132と分岐搬送路133との間の位置での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。制御部18は、その後、主搬送路128における分岐搬送路132と分岐搬送路133との間の位置の紙幣型媒体201の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、紙幣検知センサ128Sbでの紙幣型媒体201の検知なしを含んで確認すると、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0095】
また、同様に、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、主搬送路128における分岐搬送路133と分岐搬送路134との間の位置での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を主搬送路128における紙幣検知センサ128Scで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが主搬送路128における分岐搬送路133と分岐搬送路134との間の位置での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。制御部18は、その後、主搬送路128における分岐搬送路133と分岐搬送路134との間の位置の紙幣型媒体201の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、紙幣検知センサ128Scでの紙幣型媒体201の検知なしを含んで確認すると、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0096】
また、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、紙幣収納庫120での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を主搬送路128から振分部132Gで分岐搬送路132に案内させて、紙幣収納庫120まで搬送させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが紙幣収納庫120での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。制御部18は、その後、紙幣収納庫120からの紙幣型媒体201の排除に必要な一連の排除操作が適正に行われたことを確認すると、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0097】
また、同様に、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、紙幣収納庫121での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を紙幣収納庫121まで搬送させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが紙幣収納庫121での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。そして、制御部18は、紙幣収納庫121からの紙幣型媒体201の排除に必要な一連の排除操作が適正に行われたことを確認すると、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0098】
また、同様に、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、紙幣収納庫122での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を紙幣収納庫122まで搬送させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが紙幣収納庫122での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。そして、制御部18は、紙幣収納庫122からの紙幣型媒体201の排除に必要な一連の排除操作が適正に行われたことを確認すると、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0099】
また、同様に、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、紙幣収納庫123での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を紙幣収納庫123まで搬送させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが紙幣収納庫123での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。そして、制御部18は、紙幣収納庫123からの紙幣型媒体201の排除に必要な一連の排除操作が適正に行われたことを確認すると、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0100】
また、同様に、紙幣識別部140で検出した紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、紙幣識別部140での紙幣入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を紙幣識別部140の位置まで戻して停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが紙幣識別部140での紙幣入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。そして、制御部18は、紙幣識別部140からの紙幣型媒体201の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、紙幣識別部140での紙幣型媒体201の検知なしを含んで確認すると、紙幣入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0101】
ここで、紙幣型媒体201を停止させる場所は、上記したように、紙幣処理部6の予め決められたいずれかの位置であり、制御部18は、紙幣搬送部127上の紙幣識別部140及び紙幣検知センサ26S,128Sa〜128Sc,132S〜135Sの検知に基づいて紙幣型媒体201の位置を把握して行う。なお、停止させる場所に紙幣識別部140及び紙幣検知センサ26S,128Sa〜128Sc,132S〜135Sのいずれか一つがある場合は、これが検知状態を維持するように紙幣型媒体201を停止させることになるが、停止させる場所に紙幣識別部140及び紙幣検知センサ26S,128Sa〜128Sc,132S〜135Sのいずれもない場合であっても良い。その場合、紙幣識別部140または紙幣搬送部127上の紙幣検知センサ26S,128Sa〜128Sc,132S〜135Sを通過してからの時間経過に基づいて、既定の搬送速度で駆動される紙幣搬送部127を停止させて、目的地とする停止場所まで紙幣型媒体201を搬送し停止させることになる。
【0102】
<紙幣出金ジャム>
次に、発生させる疑似装置イベントが、紙幣出金ジャムである場合について説明する。紙幣出金ジャムは、紙幣収納庫120〜123から紙幣出金口27または紙幣カセット118への紙幣搬送時の紙幣の詰まりである。
【0103】
疑似装置イベントとして、例えば、紙幣出金口27の直前位置での紙幣出金ジャムを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、紙幣出金口27の直前位置での紙幣出金ジャム発生用の紙幣型媒体201を紙幣入金口26へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを紙幣処理部6に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、紙幣型媒体201を紙幣入金口26から紙幣処理部6内に取り込ませ、紙幣搬送部127で紙幣識別部140へ搬送させる。
【0104】
すると、紙幣識別部140が、この紙幣型媒体201に付されたバーコード202を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード202の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが、紙幣出金ジャムであって紙幣出金口27の直前位置での発生と特定する。
【0105】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである紙幣出金ジャムに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、紙幣搬送部127により、この紙幣型媒体201をバーコード202の識別情報に応じた所定の停止場所まで搬送させる。この場合は、バーコード202の識別情報が、紙幣出金口27の直前位置での紙幣出金ジャムを示しているため、紙幣入金口26から繰り出され紙幣搬送部127で紙幣識別部140を通過していた紙幣型媒体201を紙幣搬送部127のスイッチバック搬送で戻し、振分部129Gで分岐搬送路129に案内して、紙幣検知センサ129Sで検知される所定位置に停止させる。なお、このスイッチバック搬送時に、この紙幣型媒体201は、紙幣識別部140を再度通過することになるが、このとき、紙幣識別部140は、バーコード202の読み取りは行わない。
【0106】
制御部18は、引き続き疑似装置イベント発生処理として、紙幣識別部140が識別したバーコード202の識別情報に基づいて、POSレジ11の入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントが発生した旨と、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントの発生位置である紙幣出金口27の直前位置とを表示して、操作者へ報知する。この時、疑似装置イベント表示として、入力表示部13にエラー解除の手順、すなわち分岐搬送路129における紙幣型媒体201の排除の手順を表示させる。
【0107】
そして、制御部18は、筐体161から紙幣処理ユニット部162が引き出され、分岐搬送路129の紙幣型媒体201が排除されて紙幣処理ユニット部162が筐体161に押し込まれる一連の排除操作が行われたことを、紙幣処理ユニット部162の開状態、この開状態からの紙幣処理ユニット部162の閉状態、この閉状態での紙幣検知センサ129Sでの紙幣型媒体201の検知なしを含んで確認すると、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣出金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0108】
同様に、例えば、紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、紙幣カセット118への分岐搬送路130での紙幣出金ジャム発生を示している場合、制御部18は、疑似装置イベント発生処理として、主搬送路128において紙幣識別部140を通過していた紙幣型媒体201を、さらに分岐搬送路130よりも下流側まで搬送した後に、紙幣搬送部127のスイッチバック搬送で戻し、振分部130Gで分岐搬送路130に案内させて、紙幣検知センサ130Sで検知される位置に停止させる。それとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、疑似装置イベントが分岐搬送路130での紙幣出金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。
【0109】
そして、制御部18は、筐体161から紙幣処理ユニット部162が引き出され、紙幣搬送部127における分岐搬送路130から紙幣型媒体201が排除されて紙幣処理ユニット部162が筐体161に押し込まれる一連の排除操作が行われたことを、紙幣処理ユニット部162の開状態、この開状態からの紙幣処理ユニット部162の閉状態、この閉状態での紙幣検知センサ130Sでの紙幣型媒体201の検知なしを含んで確認すると、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣出金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0110】
ここで、分岐搬送路132での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、分岐搬送路132での紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、POSレジ11の入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、分岐搬送路133での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、分岐搬送路133での紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、分岐搬送路134での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、分岐搬送路134での紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。
【0111】
また、主搬送路128における紙幣収納庫123の近傍位置での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、同位置での紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、主搬送路128における分岐搬送路130と分岐搬送路132との間の位置での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、同位置における紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、主搬送路128における分岐搬送路132と分岐搬送路133との間の位置での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、同位置における紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、主搬送路128における分岐搬送路133と分岐搬送路134との間の位置での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、同位置における紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、主搬送路128における紙幣識別部140の位置での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、同位置における紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。
【0112】
また、紙幣収納庫120での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、紙幣収納庫120における紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、紙幣収納庫121での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、紙幣収納庫121における紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、紙幣収納庫122での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、紙幣収納庫122における紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、紙幣収納庫123での紙幣出金ジャム発生の疑似装置イベントは、紙幣収納庫123における紙幣入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、紙幣出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。
【0113】
<紙幣入金リジェクト有り>
次に、発生させる疑似装置イベントが、紙幣入金リジェクト有りである場合について説明する。紙幣入金リジェクト有りは、入金処理時に受け入れ不可と識別された受入不可紙幣を紙幣出金口27へ繰り出す処理である。
【0114】
疑似装置イベントとして、紙幣入金リジェクト有りを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、紙幣入金リジェクト有り発生用の紙幣型媒体201を紙幣入金口26へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを紙幣処理部6に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、紙幣型媒体201を紙幣入金口26から紙幣処理部6内に取り込ませ、紙幣搬送部127で紙幣識別部140へ搬送させる。
【0115】
すると、紙幣識別部140が、この紙幣型媒体201に付されたバーコード202を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード202の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが紙幣入金リジェクト有りであると特定する。
【0116】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである紙幣入金リジェクト有りに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、紙幣搬送部127により、この紙幣型媒体201をバーコード202の識別情報に応じた所定の停止場所まで搬送させる。この場合は、バーコード202の識別情報が、紙幣入金リジェクト有りを示しているため、紙幣入金口26から繰り出され紙幣搬送部127で紙幣識別部140を通過していた紙幣型媒体201を紙幣搬送部127のスイッチバック搬送で戻し、主搬送路128から振分部129Gで分岐搬送路129に案内させて、紙幣出金口27に繰り出させる。なお、このスイッチバック搬送時に、この紙幣型媒体201は、紙幣識別部140を再度通過することになるが、このとき、紙幣識別部140は、バーコード202の読み取りは行わない。
【0117】
制御部18は、引き続き疑似装置イベント発生処理として、紙幣識別部140が識別したバーコード202の識別情報に基づいて、POSレジ11の入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、紙幣入金リジェクト有りの疑似装置イベントが発生した旨と、紙幣出金口27からの紙幣型媒体201の取り出しを促す旨とを表示させる。その後、紙幣出金口27からの紙幣型媒体201の取り出しが行われたことを、紙幣出金口27に設けられた図示略の紙幣検知センサによる紙幣型媒体201の検知なしで確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣入金リジェクト有りの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0118】
<紙幣収納庫フル>
次に、発生させる疑似装置イベントが、紙幣収納庫フルである場合について説明する。紙幣収納庫フルは、入金処理後に紙幣収納庫120〜123のいずれかが満杯状態になっていることである。
【0119】
疑似装置イベントとして、紙幣収納庫120の紙幣収納庫フルを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、紙幣収納庫120の紙幣収納庫フル発生用の紙幣型媒体201を紙幣入金口26へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを紙幣処理部6に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、紙幣型媒体201を紙幣入金口26から紙幣処理部6内に取り込ませ、紙幣搬送部127で紙幣識別部140へ搬送させる。
【0120】
すると、紙幣識別部140が、この紙幣型媒体201に付されたバーコード202を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード202の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが紙幣収納庫120の紙幣収納庫フルであると特定する。
【0121】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである紙幣収納庫フルに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、この紙幣型媒体201を、主搬送路128から振分部132Gで分岐搬送路132に案内させて、紙幣収納庫120に収納するととともに、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、疑似装置イベントが紙幣収納庫120での紙幣収納庫フルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。
【0122】
そして、制御部18は、POSレジ11の入力操作部12に、紙幣収納庫120での紙幣収納庫フルの解除操作が適正に入力されると、紙幣型媒体201のみを、紙幣収納庫120から繰り出させて分岐搬送路132で主搬送路128に戻し、主搬送路128及び分岐搬送路129で紙幣出金口27に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、紙幣収納庫120についての紙幣収納庫フルの解除操作が適正に行われた旨と、紙幣出金口27からの紙幣型媒体201の取り出しを促す表示を表示させる。このとき、紙幣収納庫120からの紙幣型媒体201以外の紙幣の繰り出しを行うことはない。その後、紙幣出金口27の図示略の紙幣検知センサで紙幣出金口27から紙幣型媒体201が取り出されたことを検知すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣収納庫フルの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0123】
同様に、紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、紙幣収納庫121の紙幣収納庫フルを示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を主搬送路128から振分部133G及び分岐搬送路133で紙幣収納庫121に収納させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが紙幣収納庫121の紙幣収納庫フルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、紙幣収納庫121での紙幣収納庫フルの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、紙幣型媒体201のみを、紙幣収納庫121から主搬送路128及び分岐搬送路129で紙幣出金口27に排出させるとともに、入力表示部13へ、紙幣収納庫121についての紙幣収納庫フルの解除操作が適性に行われた旨及び紙幣出金口27からの紙幣型媒体201の取り出しを促す表示を表示させる。その後、紙幣出金口27から紙幣型媒体201が取り出されたことを検知すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣収納庫フルの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0124】
同様に、紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、紙幣収納庫122の紙幣収納庫フルを示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を主搬送路128から振分部134G及び分岐搬送路134で紙幣収納庫122に収納させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが紙幣収納庫122の紙幣収納庫フルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、紙幣収納庫122での紙幣収納庫フルの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、紙幣型媒体201のみを、紙幣収納庫122から主搬送路128及び分岐搬送路129で紙幣出金口27に排出させるとともに、入力表示部13へ、紙幣収納庫122についての紙幣収納庫フルの解除操作が適性に行われた旨及び紙幣出金口27からの紙幣型媒体201の取り出しを促す表示を表示させる。その後、紙幣出金口27から紙幣型媒体201が取り出されたことを検知すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣収納庫フルの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0125】
同様に、紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、紙幣収納庫123の紙幣収納庫フルを示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を主搬送路128で紙幣収納庫123に収納させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが紙幣収納庫123の紙幣収納庫フルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、紙幣収納庫123での紙幣収納庫フルの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、紙幣型媒体201のみを、紙幣収納庫123から主搬送路128及び分岐搬送路129で紙幣出金口27に排出させるとともに、入力表示部13へ、紙幣収納庫123についての紙幣収納庫フルの解除操作が適性に行われた旨及び紙幣出金口27からの紙幣型媒体201の取り出しを促す表示を表示させる。その後、紙幣出金口27から紙幣型媒体201が取り出されたことを検知すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣収納庫フルの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0126】
このように、紙幣型媒体201のみを、紙幣収納庫120〜123のうちの対象のものに搬送すれば、この対象の紙幣収納庫の紙幣収納庫フルの状態を疑似装置イベントとして貨幣処理装置1に発生させることができるため、実際に対象の紙幣収納庫が満杯となるまで紙幣の収納動作をさせる場合と比べて、容易に紙幣収納庫フル状態を発生させることができる。したがって貨幣処理装置1の操作者にとっては、当該状態解除のトレーニングを即座に行えると共に、システム開発者にとっても、効率良くデバック作業をすることができる。
【0127】
<紙幣出金リジェクトフル>
次に、発生させる疑似装置イベントが、紙幣出金リジェクトフルである場合について説明する。紙幣出金リジェクトフルは、出金処理時に重送等の出金リジェクト紙幣を収納し、また、紙幣収納庫120〜123の紙幣収納庫フルを解消する際にも紙幣を収納する紙幣カセット118が満杯状態になることである。
【0128】
疑似装置イベントとして、紙幣カセット118の紙幣出金リジェクトフルを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、紙幣出金リジェクトフル発生用の紙幣型媒体201を紙幣入金口26へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを紙幣処理部6に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、紙幣型媒体201を紙幣入金口26から紙幣処理部6内に取り込ませ、紙幣搬送部127で紙幣識別部140へ搬送させる。
【0129】
すると、紙幣識別部140が、この紙幣型媒体201に付されたバーコード202を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード202の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが紙幣出金リジェクトフルであると特定する。
【0130】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである紙幣出金リジェクトフルに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、この紙幣型媒体201を、主搬送路128から、振分部130Gを越えた位置でのスイッチバック搬送及び振分部130Gの案内で、分岐搬送路130を介して紙幣カセット118に収納させるととともに、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、疑似装置イベントが紙幣出金リジェクトフルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。
【0131】
そして、制御部18は、筐体161から紙幣処理ユニット部162が引き出され、紙幣カセット118の紙幣型媒体201が取り出されて紙幣処理ユニット部162が筐体161に押し込まれる一連の排除操作が適正に行われたことを確認すると、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣出金リジェクトフルの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0132】
<紙幣収納庫エンプティ>
次に、発生させる疑似装置イベントが、紙幣収納庫エンプティである場合について説明する。紙幣収納庫エンプティは、釣銭用として用いられる紙幣を収納する紙幣収納庫120,121のいずれかが空状態になることである。
【0133】
疑似装置イベントとして、紙幣収納庫120の紙幣収納庫エンプティを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、紙幣収納庫120の紙幣収納庫エンプティ発生用の紙幣型媒体201を紙幣入金口26へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを紙幣処理部6に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、紙幣型媒体201を紙幣入金口26から紙幣処理部6内に取り込ませ、紙幣搬送部127で紙幣識別部140へ搬送させる。
【0134】
すると、紙幣識別部140が、この紙幣型媒体201に付されたバーコード202を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード202の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが、紙幣収納庫120の紙幣収納庫エンプティであると特定する。
【0135】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである紙幣収納庫エンプティに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、この紙幣型媒体201を、主搬送路128のスイッチバック搬送及び振分部129Gによる分岐搬送路129への案内で、紙幣出金口27に排出するととともに、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、疑似装置イベントが紙幣収納庫120での紙幣収納庫エンプティである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。
【0136】
そして、制御部18は、POSレジ11の入力操作部12に、紙幣収納庫120での紙幣収納庫エンプティの解除操作が適正に入力されると、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、紙幣収納庫120についての紙幣収納庫エンプティの解除操作が適正に行われた旨を表示させる。このとき、紙幣収納庫120への紙幣の実際の補充を行うことはない。すなわち、紙幣型媒体201は、疑似装置イベントの内容を制御部18に伝える設定キーとして使用される。その後、制御部18は、疑似装置イベント表示として、紙幣出金口27からの紙幣型媒体201の取り出しを促す表示を表示させ、紙幣出金口27の図示略の紙幣検知センサで紙幣出金口27から紙幣型媒体201が取り出されたことを検知すると、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣収納庫エンプティの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0137】
同様に、紙幣型媒体201のバーコード202の識別情報が、紙幣収納庫121の紙幣収納庫エンプティを示している場合、制御部18は、紙幣型媒体201を紙幣搬送部127で紙幣出金口27に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが紙幣収納庫121の紙幣収納庫エンプティである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。この状態で、POSレジ11の入力操作部12に、紙幣収納庫121での紙幣収納庫エンプティの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、紙幣収納庫121についての紙幣収納庫エンプティの解除操作が適性に行われた旨を表示させる。その後、制御部18は、紙幣出金口27から紙幣型媒体201が取り出されたことを検知すると、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、紙幣収納庫エンプティの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0138】
このように、紙幣型媒体201のみを、紙幣出金口27に搬送すれば、紙幣収納庫120,121の紙幣収納庫エンプティの状態を疑似装置イベントとして貨幣処理装置1に発生させることができるため、紙幣収納庫120,121に紙幣が収納された状態のままでも、擬似的に紙幣収納庫エンプティ状態を発生させることができる。言い換えれば、疑似的に発生させた紙幣収納庫エンプティ状態を解除するトレーニングであるため、紙幣収納庫120,121のうちの処理対象となっている紙幣収納庫への紙幣の補充動作は、その操作手順だけを確認すれば良く、実際に紙幣の搬送を伴う補充動作を行わなくても済む。したがって貨幣処理装置1の操作者にとっては、当該状態解除のトレーニングを即座に行えると共に、システム開発者にとっても、効率良くデバック作業をすることができる。
【0139】
ここで、変形例として、紙幣型媒体201に、厚さ方向の一側の面と、厚さ方向の他側の面とに、それぞれ、互いに異なる識別情報のバーコード202を印刷し、さらにそれぞれのバーコード202に付設して、付設するバーコード202の識別情報に対応する疑似装置イベント名をテキストで表示する目視マーク203を印刷するようにしても良い。
【0140】
その場合、紙幣入金口26への装填時に、紙幣型媒体201の装置前方に向く面を表面、装置後方に向く面を裏面とした場合に、紙幣識別部140が紙幣型媒体201の表面のバーコード202を読み取って制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させる。すなわち、紙幣識別部140は、紙幣型媒体201が通過する際の、紙幣識別部140における紙幣型媒体201の厚さ方向の所定の側に付された識別情報を示すバーコード202を読み取って制御部18へ送信する。これによって、一枚の紙幣型媒体201に二つの異なる識別情報を付すことができるため、紙幣型媒体201の種類を1/2に減らすことが可能となる。
【0141】
また、紙幣型媒体201には、
図6に示すように、厚さ方向の一側の面に、紙幣搬送部127の搬送方向に沿う長辺に対して直交する短辺の延在方向に位置をずらして、互いに異なる識別情報を示すバーコード202A及びバーコード202Bを付すようにしても良い。この場合、バーコード202Aの近傍に、バーコード202Aの識別情報に対応する疑似装置イベント名をテキスト(図示例は「入金ジャム(入金口直後)」)で表示する目視マーク203Aと、バーコード202Aを読み取らせる際の搬送方向を示す矢印マーク204Aと、を付す。さらに、バーコード202Bの近傍に、バーコード202Bの識別情報に対応する疑似装置イベント名をテキスト(図示例は「入金ジャム(搬送部末端)」)で表示する目視マーク203Bと、バーコード202Bを読み取らせる際の搬送方向を示す矢印マーク204Bと、を付す。
【0142】
この場合、バーコード202A,202Bのうち、紙幣入金口26への装填時に、例えば紙幣型媒体201における上下方向上側に位置するバーコードを紙幣識別部140が読み取ってその識別情報を制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させるようにする。例えば、紙幣入金口26への装填時に、紙幣型媒体201の装置前方に向く面を表面、装置後方に向く面を裏面とした場合に、矢印マーク204Aが表面かつ上部に位置するようにして紙幣型媒体201を紙幣入金口26にセットすると、紙幣識別部140はバーコード202Aを読み取ってその識別情報を制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させる。また、例えば、紙幣入金口26への装填時に、矢印マーク204Bが表面かつ上部に位置するようにして紙幣型媒体201を紙幣入金口26にセットすると、紙幣識別部140はバーコード202Bを読み取ってその識別情報を制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させる。
【0143】
すなわち、紙幣識別部140は、バーコード202A,202Bのうち、紙幣型媒体201が通過する際の、紙幣型媒体201の搬送方向に直交する方向の所定の側に付された識別情報を示すバーコードを読み取って制御部18へ送信する。これによっても、紙幣型媒体201の種類を1/2に減らすことが可能となる。なお、紙幣型媒体201が、短辺を搬送方向に沿わせて紙幣搬送部127で搬送される場合には、厚さ方向の一側の面に、短辺に対して直交する長辺の延在方向に位置をずらして、互いに異なる識別情報のバーコードを付せば良い。
【0144】
また、紙幣型媒体201には、
図7(a)に示すように、厚さ方向の一側の面211に、紙幣搬送部127の搬送方向に沿う長辺に対して直交する短辺の延在方向に位置をずらして、互いに異なる識別情報を示すバーコード202C(第1識別情報)及びバーコード202D(第2識別情報)を付し、
図7(b)に示すように、厚さ方向の他側の面212に、短辺の延在方向に位置をずらして、互いに異なる識別情報を示すバーコード202E(第3識別情報)及びバーコード202F(第4識別情報)を付すようにしても良い。
【0145】
この場合、
図7(a)に示すように、バーコード202Cの近傍に、バーコード202Cの識別情報に対応する疑似装置イベント名をテキスト(図示例は「収納庫フル(第1収納庫)」)で表示する目視マーク203Cと、バーコード202Cを読み取らせる際の搬送方向を示す矢印マーク204Cと、を付す。また、バーコード202Dの近傍に、バーコード202Dの識別情報に対応する疑似装置イベント名をテキスト(図示例は「収納庫フル(第2収納庫)」)で表示する目視マーク203Dと、バーコード202Dを読み取らせる際の搬送方向を示す矢印マーク204Dと、を付す。また、
図7(b)に示すように、バーコード202Eの近傍に、バーコード202Eの識別情報に対応する疑似装置イベント名をテキスト(図示例は「収納庫フル(第3収納庫)」)で表示する目視マーク203Eと、バーコード202Eを読み取らせる際の搬送方向を示す矢印マーク204Eと、を付す。さらに、バーコード202Fの近傍に、バーコード202Fの識別情報に対応する疑似装置イベント名をテキスト(図示例は「収納庫フル(第4収納庫)」)で表示する目視マーク203Fと、バーコード202Fを読み取らせる際の搬送方向を示す矢印マーク204Fと、を付す。ここで、例えば、第1収納庫は紙幣収納庫120であり、第2収納庫は紙幣収納庫121であり、第3収納庫は紙幣収納庫122であり、第4収納庫は紙幣収納庫123である。
【0146】
この場合、紙幣入金口26への装填時に、紙幣型媒体201の装置前方に向く面を表面、装置後方に向く面を裏面とした場合に、紙幣識別部140が紙幣型媒体201の表面の、例えば上下方向上側に位置するバーコード202を読み取って制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させるようにする。例えば、紙幣入金口26への装填時に、矢印マーク204Cが表面かつ上部に位置するように紙幣型媒体201を紙幣入金口26にセットすると、紙幣識別部140はバーコード202Cを読み取ってその識別情報を制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させる。また、例えば、紙幣入金口26への装填時に、矢印マーク204Dが表面かつ上部に位置するように紙幣型媒体201を紙幣入金口26にセットすると、紙幣識別部140はバーコード202Dを読み取ってその識別情報を制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させる。また、例えば、紙幣入金口26への装填時に、矢印マーク204Eが表面かつ上部に位置するように紙幣型媒体201を紙幣入金口26にセットすると、紙幣識別部140はバーコード202Eを読み取ってその識別情報を制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させる。また、例えば、紙幣入金口26への装填時に、矢印マーク204Fが表面かつ上部に位置するように紙幣型媒体201を紙幣入金口26にセットすると、紙幣識別部140はバーコード202Fを読み取ってその識別情報を制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させる。
【0147】
すなわち、紙幣識別部140は、全て異なる第1〜第4の識別情報を示すバーコード202C〜202Fのうち、紙幣型媒体201が通過する際の、紙幣識別部140における厚さ方向の所定の側に付されるとともに搬送方向に直交する方向の所定の側に付された一つを読み取って制御部18へ送信する。これによって、紙幣型媒体201の種類を1/4に減らすことが可能となる。言い換えれば、1枚の紙幣型媒体201で最大4箇所の疑似装置イベント情報を持たせることが可能となり、準備しておく紙弊型媒体201の枚数を少なくすることができる。なお、紙幣型媒体201が、短辺を搬送方向に沿わせて紙幣搬送部127で搬送される場合には、厚さ方向の一側の面に、短辺に対して直交する長辺の延在方向に位置をずらして、互いに異なる識別情報を示す第1,第2バーコードを印刷し、厚さ方向の他側の面に、長辺の延在方向に位置をずらして互いに異なり第1,第2バーコードとも異なる識別情報を示す第3,第4バーコードを印刷すれば良い。
【0148】
なお、紙幣型媒体201に付す識別情報として、バーコード202以外の識別コードを採用しても良い。例えば、
図8に示すように、識別コードとして
図5に示すバーコード202にかえて同じ識別情報を示すQRコード(登録商標)205を紙幣型媒体201に付す。勿論、
図6に示すバーコード202A,202BにかえてQRコード(登録商標)を紙幣型媒体201に付すことも可能であり、
図7に示すバーコード202C〜202FにかえてQRコード(登録商標)を紙幣型媒体201に付すことも可能である。さらに、紙幣型媒体201に付す識別情報として、紙幣識別部140が識別可能なものであれば、簡単な記号や模様などであっても良い。
【0149】
また、目視マーク203,203A〜203Fについても、テキスト表示ではなく、付設するバーコード202,202A〜202Fの疑似装置イベントに一対一で対応する記号や模様、図等の別の表示を付すようにしても良い。すなわち、目視マーク203,203A〜203Fは、操作者に疑似装置イベントの内容を想起させるものであれば何でも良い。
【0150】
貨幣処理装置1は、
図9に示すような硬貨型媒体221(貨幣類、疑似装置イベント発生用媒体)を有している。硬貨型媒体221は、硬貨処理部5に疑似装置イベントを発生させる際に用いられる。硬貨型媒体221は、硬貨と同様、円板状であり、貨幣処理装置1は、硬貨型媒体221を、硬貨と同様に硬貨搬送部30で搬送することになり、その際に、硬貨識別部33が硬貨型媒体221を識別する。よって、硬貨搬送部30は、疑似装置イベント発生用媒体である硬貨型媒体221及び硬貨からなる貨幣類を搬送し、硬貨識別部33は、硬貨搬送部30で搬送される硬貨型媒体221及び硬貨からなる貨幣類を識別する。
【0151】
硬貨型媒体221には、厚さ方向の一側の面に、発生させる疑似装置イベントに応じた識別情報を示す識別コードとしてバーコード222が付されている。バーコード222は、硬貨型媒体221のほぼ中央に付されている。また、硬貨型媒体221には、バーコード222の識別情報に対応する疑似装置イベント名のテキスト情報からなる目視マーク223もバーコード222に並んで形成されている。
図9に示す硬貨型媒体221は、バーコード222に、硬貨搬送部30における硬貨入金口22の近傍位置での入金ジャム発生を示す識別情報が含まれており、このため、疑似装置イベントが硬貨入金ジャムであって発生位置が硬貨入金口直後であることを示す「N1」の目視マーク223が付されている。目視マーク223を付すことで、操作者は、一目で疑似装置イベントの内容が判り、硬貨型媒体221を容易に使い分けることが可能となる。バーコード222及び目視マーク223は、硬貨型媒体221のベースとなるベース円板に直接印刷したり、刻印しても良く、これらを印刷したシートを硬貨型媒体221のベース円板に貼り付けても良い。
【0152】
このような硬貨型媒体221が、硬貨入金ジャム発生用、硬貨出金ジャム発生用、硬貨収納庫フル発生用、硬貨出金リジェクトフル発生用、硬貨収納庫エンプティ発生用及び硬貨入金リジェクト有り発生用にそれぞれ作製されている。そして、硬貨入金ジャム発生用、硬貨出金ジャム発生用、硬貨収納庫フル発生用及び硬貨収納庫エンプティ発生用の硬貨型媒体221については、貨幣処理装置1における発生箇所別にそれぞれ作製されている。
【0153】
そして、貨幣処理装置1は、硬貨型媒体221を硬貨搬送部30で搬送し、硬貨識別部33でバーコード222を読み取ると、制御部18が、読み取ったバーコード222の識別情報に応じた疑似装置イベントを発生させる疑似装置イベント発生処理を行う。
【0154】
<硬貨入金ジャム>
まず、発生させる疑似装置イベントが、硬貨入金ジャムである場合について説明する。硬貨入金ジャムは、硬貨入金口22から硬貨収納庫41a〜41fへの硬貨搬送時の硬貨の詰まりである。
【0155】
疑似装置イベントとして硬貨入金口22の直後位置での硬貨入金ジャムを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、硬貨入金口22の直後位置での硬貨入金ジャム発生用の硬貨型媒体221を硬貨入金口22へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを硬貨処理部5に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、硬貨型媒体221を硬貨入金口22から硬貨処理部5内に取り込ませ、硬貨搬送部30で硬貨識別部33へ搬送させる。
【0156】
すると、硬貨識別部33が、この硬貨型媒体221に付されたバーコード222を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード222の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが、硬貨入金ジャムであって硬貨入金口22の直後位置での発生と特定する。
【0157】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである硬貨入金ジャムに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、硬貨搬送部30により、この硬貨型媒体221をバーコード222の識別情報に応じた所定の停止場所まで搬送させる。なお、硬貨型媒体221を停止させる場所は、硬貨搬送部30上の予め決められた場所であり、この場合は、バーコード222の識別情報が、硬貨入金口22の直後位置での硬貨入金ジャムを示しているため、硬貨入金口22から繰り出され硬貨搬送部30で搬送されて硬貨識別部33を通過していた硬貨型媒体221を硬貨搬送部30のスイッチバック搬送で、第1入金搬送路31における硬貨入金口22の近傍の図示略の硬貨検知センサで検知される所定位置まで戻す。そして、硬貨搬送部30を停止させて硬貨型媒体221を硬貨入金口22の近傍の所定位置に停止させる。なお、このスイッチバック搬送時に、この硬貨型媒体221は、硬貨識別部33を再度通過することになるが、このとき、硬貨識別部33は、バーコード222の読み取りは行わない。
【0158】
制御部18は、引き続き疑似装置イベント発生処理として、硬貨識別部33が識別したバーコード222の識別情報に基づいて、POSレジ11の入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、硬貨入金ジャムの疑似装置イベントが発生した旨と、硬貨入金ジャムの疑似装置イベントの発生位置である硬貨入金口22の直後位置とを表示して、操作者へ報知する。この時、疑似装置イベント表示として、エラー解除の手順、すなわち第1入金搬送路31における硬貨入金口22の近傍の硬貨型媒体221の排除の手順を入力表示部13に表示させる。
【0159】
このように、制御部18は、硬貨識別部33が、疑似装置イベント発生用の硬貨型媒体221に付されたバーコード222の識別情報を読み取ると、この識別情報に応じた位置に、この硬貨型媒体221を硬貨搬送部30により搬送させるとともに、この識別情報に応じた疑似装置イベント表示を入力表示部13に表示させる疑似装置イベント発生処理を行う。
【0160】
そして、制御部18は、筐体61から硬貨処理ユニット部62が引き出され、第1入金搬送路31における硬貨入金口22の近傍の硬貨型媒体221が排除されて硬貨処理ユニット部62が筐体61に押し込まれる一連の排除操作が行われたことを、硬貨処理ユニット部62の開状態、この開状態からの硬貨処理ユニット部62の閉状態、この閉状態での第1入金搬送路31における硬貨入金口22の近傍の図示略の硬貨検知センサでの硬貨型媒体221の検知なしを含んで確認すると、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0161】
同様に、例えば、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、振分ゲート42aの近傍での硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、疑似装置イベント発生処理として、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32における振分ゲート42aの近傍の図示略の硬貨検知センサで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、疑似装置イベントが振分ゲート42aの近傍での硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。
【0162】
そして、制御部18は、筐体61から硬貨処理ユニット部62が引き出され、第2入金搬送路32における振分ゲート42aの近傍の硬貨型媒体221が排除されて硬貨処理ユニット部62が筐体61に押し込まれる一連の排除操作が行われたことを、硬貨処理ユニット部62の開状態、この開状態からの硬貨処理ユニット部62の閉状態、この閉状態での振分ゲート42aの近傍の硬貨検知センサでの硬貨型媒体221の検知なしを含んで確認すると、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0163】
また、同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、振分ゲート42bの近傍での硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32における振分ゲート42bの近傍の硬貨検知センサで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが振分ゲート42bの近傍での硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させ、その後、第2入金搬送路32における振分ゲート42bの近傍の硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、振分ゲート42bの近傍の硬貨検知センサでの硬貨型媒体221の検知なしを含んで確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0164】
また、同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、振分ゲート42cの近傍での硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32における振分ゲート42cの近傍の硬貨検知センサで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが振分ゲート42cの近傍での硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させ、その後、第2入金搬送路32における振分ゲート42cの近傍の硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、振分ゲート42cの近傍の硬貨検知センサでの硬貨型媒体221の検知なしを含んで確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0165】
また、同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、振分ゲート42dの近傍での硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32における振分ゲート42dの近傍の硬貨検知センサで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが振分ゲート42dの近傍での硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させ、その後、第2入金搬送路32における振分ゲート42dの近傍の硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、振分ゲート42dの近傍の硬貨検知センサでの硬貨型媒体221の検知なしを含んで確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0166】
また、同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、振分ゲート42eの近傍での硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32における振分ゲート42eの近傍の硬貨検知センサで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが振分ゲート42eの近傍での硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させ、その後、第2入金搬送路32における振分ゲート42eの近傍の硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、振分ゲート42eの近傍の硬貨検知センサでの硬貨型媒体221の検知なしを含んで確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0167】
また、同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、振分ゲート42fの近傍での硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32における振分ゲート42fの近傍の硬貨検知センサで検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが振分ゲート42fの近傍での硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させ、その後、第2入金搬送路32における振分ゲート42fの近傍の硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、振分ゲート42fの近傍の硬貨検知センサでの硬貨型媒体221の検知なしを含んで確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0168】
また、同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、識別部33の位置での硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を戻して第2入金搬送路32における識別部33で検知される位置に停止させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが識別部33の位置での硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させ、その後、第2入金搬送路32における識別部33の位置の硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が行われたことを、識別部33での硬貨型媒体221の検知なしを含んで確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0169】
また、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41aでの硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32及び金種振分ゲート42aで硬貨収納庫41aに収納させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41aでの硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。そして、制御部18は、硬貨収納庫41aからの硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が適正に行われたことを確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0170】
また、同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41bでの硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32及び金種振分ゲート42bで硬貨収納庫41bに収納させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41bでの硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。そして、制御部18は、硬貨収納庫41bからの硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が適正に行われたことを確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0171】
また、同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41cでの硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32及び金種振分ゲート42cで硬貨収納庫41cに収納させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41cでの硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。そして、制御部18は、硬貨収納庫41cからの硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が適正に行われたことを確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0172】
また、同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41dでの硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32及び金種振分ゲート42dで硬貨収納庫41dに収納させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41dでの硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。そして、制御部18は、硬貨収納庫41dからの硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が適正に行われたことを確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0173】
また、同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41eでの硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32及び金種振分ゲート42eで硬貨収納庫41eに収納させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41eでの硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。そして、制御部18は、硬貨収納庫41eからの硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が適正に行われたことを確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0174】
また、同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41fでの硬貨入金ジャム発生を示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32及び金種振分ゲート42fで硬貨収納庫41fに収納させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41fでの硬貨入金ジャム発生である旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。そして、制御部18は、硬貨収納庫41fからの硬貨型媒体221の排除に必要な一連の排除操作が適正に行われたことを確認すると、硬貨入金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0175】
ここで、硬貨型媒体221を停止させる場所は、上記したように、硬貨処理部5の予め決められたいずれかの位置であり、制御部18は、硬貨搬送部30上の硬貨識別部33及び硬貨検知センサの検知に基づいて硬貨型媒体221の位置を把握して行う。なお、停止させる場所に硬貨識別部33や硬貨検知センサがある場合は、硬貨識別部33や硬貨検知センサが検知状態を維持するように硬貨型媒体221を停止させることになるが、停止させる場所に硬貨識別部33及び硬貨検知センサがない場合であっても良い。その場合、硬貨識別部33または硬貨搬送部30上の硬貨検知センサを通過してからの時間経過に基づいて、既定の搬送速度で駆動される硬貨搬送部30を停止させて、目的地とする停止場所まで硬貨型媒体221を搬送し停止させることになる。
【0176】
<硬貨出金ジャム>
次に、発生させる疑似装置イベントが、硬貨出金ジャムである場合について説明する。硬貨出金ジャムは、硬貨収納庫41a〜41fから硬貨出金口25または予備収納庫51への硬貨搬送時の硬貨の詰まりである。
【0177】
疑似装置イベントとして各種の硬貨出金ジャムを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、対応する種類の硬貨出金ジャム発生用の硬貨型媒体221を硬貨入金口22へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを硬貨処理部5に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、硬貨型媒体221を硬貨入金口22から硬貨処理部5内に取り込ませ、硬貨搬送部30で硬貨識別部33へ搬送させる。
【0178】
すると、硬貨識別部33が、この硬貨型媒体221に付されたバーコード222を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード222の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが硬貨出金ジャムであることとその発生位置とを特定する。
【0179】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである硬貨出金ジャムに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、硬貨搬送部30により、この硬貨型媒体221をバーコード222の識別情報に応じた所定の場所まで搬送させる。この場合は、硬貨入金口22から繰り出され硬貨搬送部30で硬貨識別部33を通過していた硬貨型媒体221を硬貨搬送部30のスイッチバック搬送で戻し、リジェクト振分ゲート36で硬貨リジェクト口24に排出させる。なお、このスイッチバック搬送時、この硬貨型媒体221は、硬貨識別部33を再度通過することになるが、このとき、硬貨識別部33は、バーコード222の読み取りは行わない。
【0180】
制御部18は、引き続き疑似装置イベント発生処理として、硬貨識別部33が識別したバーコード222の識別情報に基づいて、POSレジ11の入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、硬貨出金ジャムの疑似装置イベントが発生した旨と、硬貨出金ジャムの疑似装置イベントの発生位置とを表示して、操作者へ報知する。この時、疑似装置イベント表示として、POSレジ11の入力表示部13にエラー解除の手順を表示させる。
【0181】
そして、制御部18は、筐体61から硬貨処理ユニット部62が引き出され、硬貨出金ジャムの疑似装置イベントの発生位置からの硬貨の排除に必要な操作が行われて、硬貨処理ユニット部62が筐体61に押し込まれる一連の排除操作が行われたことを、硬貨処理ユニット部62の開状態、硬貨処理ユニット部62内の出金ジャムの発生位置からのジャム硬貨の排除に必要な部分の開閉操作、その後の、硬貨処理ユニット部62の閉状態で確認すると、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、出金ジャムに対し解除操作が適正に行われた旨を表示させるとともに、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。
【0182】
そして、制御部18は、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しが行われたことを、硬貨リジェクト口24の図示略の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしで確認すると、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨出金ジャムの疑似装置イベント発生状態を解除する。このとき、硬貨収納庫41a〜41fからの硬貨の繰り出しを行うことはない。すなわち、硬貨型媒体221は、疑似装置イベントの内容を制御部18に伝える設定キーとして使用される。
【0183】
ここで、硬貨収納庫41aでの硬貨出金ジャム発生の疑似装置イベントは、硬貨収納庫41aにおける硬貨入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、硬貨出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、硬貨収納庫41bでの硬貨出金ジャム発生の疑似装置イベントは、硬貨収納庫41bにおける硬貨入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、硬貨出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、硬貨収納庫41cでの硬貨出金ジャム発生の疑似装置イベントは、硬貨収納庫41cにおける硬貨入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、硬貨出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、硬貨収納庫41dでの硬貨出金ジャム発生の疑似装置イベントは、硬貨収納庫41dにおける硬貨入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、硬貨出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、硬貨収納庫41eでの硬貨出金ジャム発生の疑似装置イベントは、硬貨収納庫41eにおける硬貨入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、硬貨出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。また、硬貨収納庫41fでの硬貨出金ジャム発生の疑似装置イベントは、硬貨収納庫41fにおける硬貨入金ジャム発生の疑似装置イベントに対し、入力表示部13へ、硬貨出金ジャムの疑似装置イベントである旨を表示させる以外は、ほぼ同様である。
【0184】
<硬貨入金リジェクト有り>
次に、発生させる疑似装置イベントが、硬貨入金リジェクト有りである場合について説明する。硬貨入金リジェクト有りは、入金処理時に受け入れ不可と識別された受入不可硬貨を硬貨リジェクト口24へ繰り出す処理である。
【0185】
疑似装置イベントとして、硬貨入金リジェクト有りを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、硬貨入金リジェクト有り発生用の硬貨型媒体221を硬貨入金口22へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを硬貨処理部5に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、硬貨型媒体221を硬貨入金口22から硬貨処理部5内に取り込ませ、硬貨搬送部30で硬貨識別部33へ搬送させる。
【0186】
すると、硬貨識別部33が、この硬貨型媒体221に付されたバーコード222を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード222の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが硬貨入金リジェクト有りであると特定する。
【0187】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである硬貨入金リジェクト有りに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、硬貨搬送部30により、この硬貨型媒体221をバーコード222の識別情報に応じた所定の場所まで搬送させる。この場合は、バーコード222の識別情報が、硬貨入金リジェクト有りを示しているため、硬貨識別部33を通過していた硬貨型媒体221を硬貨搬送部30のスイッチバック搬送及びリジェクト振分ゲート36の作動で硬貨リジェクト口24に排出させる。なお、このスイッチバック搬送時において、硬貨識別部33はバーコード222の読み取りを行わない。
【0188】
制御部18は、引き続き疑似装置イベント発生処理として、硬貨識別部33が識別したバーコード222の識別情報に基づいて、POSレジ11の入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、硬貨入金リジェクト有りの疑似装置イベントが発生した旨と、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しを促す旨とを表示させる。
【0189】
そして、制御部18は、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しが行われたことを、硬貨リジェクト口24の図示略の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしで確認すると、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨入金リジェクト有りの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0190】
<硬貨収納庫フル>
次に、発生させる疑似装置イベントが、硬貨収納庫フルである場合について説明する。硬貨収納庫フルは、入金処理時に硬貨収納庫41a〜41fのいずれかが満杯状態になることである。
【0191】
疑似装置イベントとして、硬貨収納庫41aの硬貨収納庫フルを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、硬貨収納庫41aの硬貨収納庫フル発生用の硬貨型媒体221を硬貨入金口22へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを硬貨処理部5に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、硬貨型媒体221を硬貨入金口22から硬貨処理部5内に取り込ませ、硬貨搬送部30で硬貨識別部33へ搬送させる。
【0192】
すると、硬貨識別部33が、この硬貨型媒体221に付されたバーコード222を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード222の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが硬貨収納庫41aの硬貨収納庫フルであると特定する。
【0193】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである硬貨収納庫フルに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、この硬貨型媒体221を、硬貨搬送部30のスイッチバック搬送及びリジェクト振分ゲート36の作動で硬貨リジェクト口24に排出させる。なお、このスイッチバック搬送時において、硬貨識別部33はバーコード222の読み取りを行わない。
【0194】
それとともに、制御部18は、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、疑似装置イベントが硬貨収納庫41aでの硬貨収納庫フルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。そして、制御部18は、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41aでの硬貨収納庫フルの解除操作が適正に入力されると、硬貨収納庫41aから硬貨を繰り出すことなく、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、硬貨収納庫41aについての硬貨収納庫フルの解除操作が適正に行われた旨を表示させるとともに、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。
【0195】
この状態で、硬貨リジェクト口24の図示略の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫フルの疑似装置イベント発生状態を解除する。すなわち、硬貨型媒体221は、硬貨収納庫フルの疑似装置イベントの内容を制御部18に伝える設定キーとして使用される。
【0196】
同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41bの硬貨収納庫フルを示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32からリジェクト振分ゲート36で硬貨リジェクト口24に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41bの硬貨収納庫フルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41bでの硬貨収納庫フルの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、硬貨収納庫41bから硬貨を繰り出すことなく、入力表示部13へ、硬貨収納庫41bについての硬貨収納庫フルの解除操作が適性に行われた旨を表示させるとともに、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。この状態で、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫フルの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0197】
同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41cの硬貨収納庫フルを示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32からリジェクト振分ゲート36で硬貨リジェクト口24に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41cの硬貨収納庫フルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41cでの硬貨収納庫フルの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、硬貨収納庫41cから硬貨を繰り出すことなく、入力表示部13へ、硬貨収納庫41cについての硬貨収納庫フルの解除操作が適性に行われた旨を表示させるとともに、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。この状態で、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫フルの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0198】
同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41dの硬貨収納庫フルを示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32からリジェクト振分ゲート36で硬貨リジェクト口24に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41dの硬貨収納庫フルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41dでの硬貨収納庫フルの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、硬貨収納庫41dから硬貨を繰り出すことなく、入力表示部13へ、硬貨収納庫41dについての硬貨収納庫フルの解除操作が適性に行われた旨を表示させるとともに、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。この状態で、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫フルの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0199】
同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41eの硬貨収納庫フルを示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32からリジェクト振分ゲート36で硬貨リジェクト口24に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41eの硬貨収納庫フルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41eでの硬貨収納庫フルの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、硬貨収納庫41eから硬貨を繰り出すことなく、入力表示部13へ、硬貨収納庫41eについての硬貨収納庫フルの解除操作が適性に行われた旨を表示させるとともに、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。この状態で、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫フルの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0200】
同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41fの硬貨収納庫フルを示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を第2入金搬送路32からリジェクト振分ゲート36で硬貨リジェクト口24に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41eの硬貨収納庫フルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41fでの硬貨収納庫フルの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、硬貨収納庫41fから硬貨を繰り出すことなく、入力表示部13へ、硬貨収納庫41fについての硬貨収納庫フルの解除操作が適性に行われた旨を表示させるとともに、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。この状態で、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫フルの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0201】
このように、硬貨収納庫フルの疑似装置イベント発生用の硬貨型媒体221のみを、硬貨識別部33で識別して硬貨リジェクト処理と同様に硬貨リジェクト口24に排出すると、対象の硬貨収納庫の硬貨収納庫フルの状態を疑似装置イベントとして貨幣処理装置1に発生させることができるため、実際に対象の硬貨収納庫が満杯となるまで硬貨の収納動作をさせる場合と比べて、容易に硬貨収納庫フルの状態を発生させることができる。したがって貨幣処理装置1の操作者にとっては、当該状態解除のトレーニングを即座に行えると共に、システム開発者にとっても、効率良くデバック作業をすることができる。
【0202】
<硬貨出金リジェクトフル>
次に、発生させる疑似装置イベントが、硬貨出金リジェクトフルである場合について説明する。硬貨出金リジェクトフルは、出金処理時に出金リジェクト硬貨を収納し、また、硬貨収納庫41a〜41fの硬貨収納庫フルを解消する際にも硬貨を収納する予備収納庫51が満杯状態になることである。
【0203】
疑似装置イベントとして、予備収納庫51の硬貨出金リジェクトフルを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、予備収納庫51の硬貨出金リジェクトフル発生用の硬貨型媒体221を硬貨入金口22へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを硬貨処理部5に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、硬貨型媒体221を硬貨入金口22から硬貨処理部5内に取り込ませ、硬貨搬送部30で硬貨識別部33へ搬送させる。
【0204】
すると、硬貨識別部33が、この硬貨型媒体221に付されたバーコード222を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード222の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが硬貨出金リジェクトフルであると特定する。
【0205】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである硬貨出金リジェクトフルに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、この硬貨型媒体221を硬貨搬送部30のスイッチバック搬送及びリジェクト振分ゲート36の作動により硬貨リジェクト口24に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、疑似装置イベントが硬貨出金リジェクトフルである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。
【0206】
その後、POSレジ11の入力操作部12に、予備収納庫51での硬貨出金リジェクトフルの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、予備収納庫51から硬貨を繰り出すことなく、入力表示部13へ、予備収納庫51についての硬貨出金リジェクトフルの解除操作が適性に行われた旨を表示させるとともに、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。この状態で、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨出金リジェクトフルの疑似装置イベント発生状態を解除する。すなわち、硬貨型媒体221は、硬貨出金リジェクトフルの疑似装置イベントの内容を制御部18に伝える設定キーとして使用される。
【0207】
<硬貨収納庫エンプティ>
次に、発生させる疑似装置イベントが、硬貨収納庫エンプティである場合について説明する。硬貨収納庫エンプティは、釣銭用として用いられる硬貨を収納する硬貨収納庫41a〜41fのいずれかが空状態になることである。
【0208】
疑似装置イベントとして、硬貨収納庫41aの硬貨収納庫エンプティを貨幣処理装置1に発生させる場合、操作者は、硬貨収納庫41aの硬貨収納庫エンプティ発生用の硬貨型媒体221を硬貨入金口22へ1枚セットする。そして、操作者は、POSレジ11の入力操作部12を介して貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする旨の操作入力を行い、さらに、疑似装置イベントを硬貨処理部5に発生させる旨の操作入力を行う。すると、制御部18は、貨幣処理装置1をトレーニングモードとし、硬貨型媒体221を硬貨入金口22から硬貨処理部5内に取り込ませ、硬貨搬送部30で硬貨識別部33へ搬送させる。
【0209】
すると、硬貨識別部33が、この硬貨型媒体221に付されたバーコード222を読み取ることになる。制御部18は、このバーコード222の識別情報に基づき、トレーニングモードで発生させる疑似装置イベントが硬貨収納庫41aの硬貨収納庫エンプティであると特定する。
【0210】
次に、制御部18は、疑似装置イベントである硬貨収納庫エンプティに応じた疑似装置イベント発生処理を行う。すなわち、制御部18は、まず、この硬貨型媒体221を、硬貨搬送部30のスイッチバック搬送及びリジェクト振分ゲート36の作動により硬貨リジェクト口24に排出させるととともに、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、疑似装置イベントが硬貨収納庫41aでの硬貨収納庫エンプティである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。
【0211】
そして、制御部18は、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41aでの硬貨収納庫エンプティの解除操作が適正に入力されると、硬貨収納庫41aへ硬貨の補充を行うことなく、入力表示部13へ、疑似装置イベント表示として、硬貨収納庫41aについての硬貨収納庫エンプティの解除操作が適正に行われた旨を表示させるとともに、硬貨リジェクト口24からの硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。その後、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫エンプティの疑似装置イベント発生状態を解除する。すなわち、硬貨型媒体221は、硬貨収納庫エンプティの疑似装置イベントの内容を制御部18に伝える設定キーとして使用される。
【0212】
同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41bの硬貨収納庫エンプティを示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を硬貨搬送部30で硬貨リジェクト口24に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41bの硬貨収納庫エンプティである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41bでの硬貨収納庫エンプティの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、入力表示部13へ、硬貨収納庫41bについての硬貨収納庫エンプティの解除操作が適性に行われた旨及び硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。この状態で、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫エンプティの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0213】
同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41cの硬貨収納庫エンプティを示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を硬貨搬送部30で硬貨リジェクト口24に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41cの硬貨収納庫エンプティである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41cでの硬貨収納庫エンプティの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、入力表示部13へ、硬貨収納庫41cについての硬貨収納庫エンプティの解除操作が適性に行われた旨及び硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。この状態で、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫エンプティの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0214】
同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41dの硬貨収納庫エンプティを示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を硬貨搬送部30で硬貨リジェクト口24に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41dの硬貨収納庫エンプティである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41dでの硬貨収納庫エンプティの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、入力表示部13へ、硬貨収納庫41dについての硬貨収納庫エンプティの解除操作が適性に行われた旨及び硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。この状態で、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫エンプティの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0215】
同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41eの硬貨収納庫エンプティを示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を硬貨搬送部30で硬貨リジェクト口24に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41eの硬貨収納庫エンプティである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41eでの硬貨収納庫エンプティの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、入力表示部13へ、硬貨収納庫41eについての硬貨収納庫エンプティの解除操作が適性に行われた旨及び硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。この状態で、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫エンプティの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0216】
同様に、硬貨型媒体221のバーコード222の識別情報が、硬貨収納庫41fの硬貨収納庫エンプティを示している場合、制御部18は、硬貨型媒体221を硬貨搬送部30で硬貨リジェクト口24に排出させるとともに、入力表示部13へ、疑似装置イベントが硬貨収納庫41fの硬貨収納庫エンプティである旨と、そのエラー解除の手順とを表示させる。その後、POSレジ11の入力操作部12に、硬貨収納庫41fでの硬貨収納庫エンプティの解除操作が適正に入力されると、制御部18は、入力表示部13へ、硬貨収納庫41fについての硬貨収納庫エンプティの解除操作が適性に行われた旨及び硬貨型媒体221の取り出しを促す旨を表示させる。この状態で、硬貨リジェクト口24の硬貨検知センサによる硬貨型媒体221の検知なしを確認すると、制御部18は、貨幣処理装置1のリセット動作を行い、硬貨収納庫エンプティの疑似装置イベント発生状態を解除する。
【0217】
このように、硬貨収納庫エンプティの疑似装置イベント発生用の硬貨型媒体221のみを、硬貨識別部33で識別して硬貨リジェクト処理と同様に硬貨リジェクト口24に排出すると、対象の硬貨収納庫の硬貨収納庫エンプティの状態を疑似装置イベントとして貨幣処理装置1に発生させることができる。このため、硬貨収納庫41a〜41fに硬貨が収納された状態のままでも、擬似的に硬貨収納庫エンプティ状態を発生させることができる。すなわち、疑似的に発生させた硬貨収納庫エンプティ状態を解除するトレーニングであるため、硬貨収納庫41a〜41fのうちの処理対象となっている硬貨収納庫への硬貨の補充動作は、その操作手順だけを確認すれば良く、上記したように実際に硬貨の搬送を伴う補充動作を行わなくても済む。したがって、貨幣処理装置1の操作者にとっては、当該状態解除のトレーニングを即座に行えると共に、システム開発者にとっても、効率良くデバック作業をすることができる。
【0218】
ここで、硬貨型媒体221に付す識別情報として、バーコード222以外の識別コードを採用しても良い。例えば、
図10に示すように、識別コードとして
図9に示すバーコード222にかえて同様の識別情報を示すQRコード(登録商標)225を硬貨型媒体221に付す。さらに、硬貨型媒体221に付す識別情報は、硬貨識別部33が識別可能なものであれば、簡単な模様や図形などであっても良い。すなわち、特に硬貨型媒体221が小径の場合、表面積が小さいため、簡単な模様や図形を施す方が製作上容易となる場合がある。その場合、制御部18は、硬貨識別部33が硬貨型媒体221の表面を撮像して当該図形を認識することで疑似装置イベントの内容を特定する。
【0219】
また、硬貨と同等サイズの硬貨型媒体221では表面積が小さいため、硬貨型媒体221に付す目視マーク223を、疑似装置イベントの内容を想起させる簡易なものとして記号化しているが、図やイラストとしても良い。可能であれば疑似装置イベントの名称そのもののテキストを付しても良い。
【0220】
また、硬貨型媒体221としては、例えば、硬貨型媒体221の両面を赤色や青色などのカラー表示したものを用いても良い。この場合、硬貨識別部33が硬貨型媒体221の色を判別して、制御部18が、予め色に対応して設定された識別情報を認識する。また、硬貨型媒体221の色と組み合わせて、硬貨型媒体221の持つ磁気情報や厚み情報を利用しても良い。これにより識別情報としてのバリエーションが増えることになる。
【0221】
以上の実施形態の貨幣処理装置1によれば、紙幣識別部140が、紙幣型媒体201に付された識別情報を示すバーコード202,202A〜202Fを読み取ると、制御部18が、この識別情報に応じた位置に紙幣型媒体201を紙幣搬送部127により搬送させるとともに、この識別情報に応じた疑似装置イベント表示を入力表示部13に表示させる疑似装置イベント発生処理を行う。このため、貨幣処理装置1に紙幣処理に関する疑似装置イベントを発生させるための設定作業が容易となる。
【0222】
また、硬貨識別部33が、硬貨型媒体221に付された識別情報を示すバーコード222を読み取ると、制御部18が、この識別情報に応じた位置に硬貨型媒体221を硬貨搬送部30により搬送させるとともに、この識別情報に応じた疑似装置イベント表示を入力表示部13に表示させる疑似装置イベント発生処理を行う。このため、貨幣処理装置1に硬貨処理に関する疑似装置イベントを発生させるための設定作業が容易となる。
【0223】
すなわち、操作者は疑似装置イベントを発生させるために煩雑な設定作業を行う手間が不要となり、即座にトレーニング(疑似装置イベント体験)を開始することができる。ここで、紙幣型媒体201及び硬貨型媒体221による疑似装置イベント発生は、貨幣処理装置1に不慣れな者でも容易に実施可能であるため、貨幣処理装置1を通常運用で使用する操作者のトレーニング(疑似エラー体験)として活用できることに加え、上位機であるPOSレジ11と下位機である貨幣処理装置本体10とのシステム開発に携わる者にとっても、効率良く開発作業を行える。すなわち、エラー系のソフトデバックを行う際にも、通常起こすことが困難な搬送エラー(紙幣ジャム及び硬貨ジャム)や、発生させることに非常に手間がかかる収納庫フルエラーなどのエラーを疑似的に出すことが可能であるため、効率良くシステム開発を進めることが可能となる。
【0224】
また、紙幣処理に関する疑似装置イベントは、紙幣入金ジャム、紙幣入金リジェクト有り、紙幣収納庫フル、紙幣出金ジャム、紙幣出金リジェクトフル及び紙幣収納庫エンプティの全部に対応するため、これらの状態に対応する疑似装置イベントを発生させることができる。なお、紙幣処理に関する疑似装置イベントは、紙幣入金ジャム、紙幣入金リジェクト有り、紙幣収納庫フル、紙幣出金ジャム、紙幣出金リジェクトフル及び紙幣収納庫エンプティのうちの少なくともいずれか1つに対応すれば良い。
【0225】
また、硬貨処理に関する疑似装置イベントは、硬貨入金ジャム、硬貨入金リジェクト有り、硬貨収納庫フル、硬貨出金ジャム、硬貨出金リジェクトフル及び硬貨収納庫エンプティの全部に対応するため、これらの状態に対応する疑似装置イベントを発生させることができる。なお、硬貨処理に関する疑似装置イベントは、硬貨入金ジャム、硬貨入金リジェクト有り、硬貨収納庫フル、硬貨出金ジャム、硬貨出金リジェクトフル及び硬貨収納庫エンプティのうちの少なくともいずれか1つに対応すれば良い。
【0226】
また、目視マーク203,203A〜203Fを、紙幣型媒体201に付しており、目視マーク223を、硬貨型媒体221に付しているため、紙幣型媒体201及び硬貨型媒体221がどの疑似装置イベントに対応しているかを一目で判別することができる。よって、複数種類ある紙幣型媒体201の中から目的とする疑似装置イベント発生用の紙幣型媒体201を容易に選択することが可能となり、複数種類ある硬貨型媒体221の中から目的とする疑似装置イベント発生用の硬貨型媒体221を容易に選択することが可能となる。
【0227】
なお、厚さ方向の一側の面と、厚さ方向の他側の面とに、それぞれ、互いに異なる識別情報のバーコード202を付し、紙幣識別部140が紙幣型媒体201の所定の側のバーコード202を読み取って制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させるようにすれば、紙幣型媒体201の種類を1/2に減らすことが可能となる。
【0228】
また、紙幣型媒体201に、
図6に示すように、厚さ方向の一側の面に、紙幣搬送部127の搬送方向に沿う長辺に対して直交する短辺の延在方向に位置をずらして、互いに異なる識別情報を示すバーコード202A及びバーコード202Bを付し、バーコード202A,202Bのうち、紙幣識別部140が紙幣型媒体201の搬送方向に直交する方向の所定の側に付されたバーコードを読み取って制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させるようにすれば、紙幣型媒体201の種類を1/2に減らすことが可能となる。
【0229】
また、紙幣型媒体201に、
図7(a)に示すように、厚さ方向の一側の面211に、紙幣搬送部127の搬送方向に沿う長辺に対して直交する短辺の延在方向に位置をずらして、互いに異なる識別情報を示すバーコード202C及びバーコード202Dを付し、
図7(b)に示すように、厚さ方向の他側の面212に、短辺の延在方向に位置をずらして、互いに異なりバーコード202C,202Dとも異なる識別情報を示すバーコード202E及びバーコード202Fを付し、紙幣識別部140が、バーコード202C〜202Fのうち、紙幣型媒体201の厚さ方向の所定の側かつ搬送方向に直交する方向の所定の側に付されたバーコードを読み取って制御部18に送信し、その識別情報に基づいて、制御部18が疑似装置イベントを発生させるようにすれば、紙幣型媒体201の種類を1/4に減らすことが可能となる。
【0230】
なお、以上の実施形態では、貨幣処理装置1を通常運用モードからトレーニングモードにする際に、その旨の操作入力をPOSレジ11の入力操作部12に行わせる手動切り替えについて説明した。これに対し、紙幣入金口26に紙幣型媒体201をセットして通常運用モードの入金処理の操作を行うことで、入金処理において紙幣識別部140が紙幣型媒体201のバーコード202を読み取ると、制御部18が、貨幣処理装置1を通常運用モードから、紙幣処理部6用のトレーニングモードに自動的に切り替えるようにしても良い。同様に、硬貨入金口22に硬貨型媒体221をセットして通常運用モードの入金処理の操作を行うことで、入金処理において硬貨識別部33が硬貨型媒体221のバーコード222を読み取ると、制御部18が、貨幣処理装置1を通常運用モードから、硬貨処理部5用のトレーニングモードに自動的に切り替えるようにしても良い。このように構成することで、操作者は、より即座にトレーニングモードでの疑似装置イベントを体験することができる。また、切り替え方法の選択に関しては、手動切り替え及び自動切り替えを両方可能とし、予め、選択設定しておくように構成しても良い。
【0231】
また、以上の実施形態では、硬貨入金口22及び紙幣入金口26を有する硬貨及び紙幣を入出金させる環流型の貨幣処理装置1とした。しかしながら、これに限らず硬貨入金口22及び紙幣入金口26を有する非環流型の入金専用の貨幣処理装置に本発明を適用しても良い。また、硬貨入金口22及び紙幣入金口26を有しない非環流型の出金専用の貨幣処理装置に本発明を適用しても良い。出金専用の貨幣処理装置に本発明を適用する場合には、紙幣収納庫に予め手詰めで紙幣型媒体201を、硬貨収納庫に予め手詰めで硬貨型媒体221を、セットするようにすれば良い。
【0232】
また、実施形態では、POSレジ11を含む貨幣処理装置1を例にとり説明したが、POSレジを含まない貨幣処理装置にも適用可能である。その場合は、例えば、貨幣処理装置に設けられた制御部が上記した制御部18と同様の制御を行うことになり、貨幣処理装置に設けられた操作部が上記した入力操作部12と同様の操作入力を受け付け、貨幣処理装置に設けられた表示部に上記した入力表示部13と同様の表示を表示させることになる。