【解決手段】タッチ検出デバイス1は、タッチ操作に用いる操作板13と、操作板に接触した圧力を超音波表面弾性波8により特定するSAW方式センサと、操作板に接触した位置を特定する座標を検出する、導電膜15を有する静電容量方式センサと、を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような技術では、指等で圧力をかけた位置を検出して入力情報とすることができるため、コンピューターの入力用タッチパネルとして用いることができる。しかし、水滴や虫等、タッチパネルの入力面に異物が付着した場合に、これを入力として受け付けることがあり、誤入力を受け付けやすい。とくに、屋外や車載の使用環境では、屋内よりもさらに異物が付着しやすいため、使用に耐えない場合が多い。一方で、静電容量方式のタッチパネルの場合、軽く指等が触れる、あるいは触れる直前に入力として受け付けられてしまうことがある。そのため、屋外や車載等の振動が発生しやすい環境では意図しない接触入力や、ダブルタップ等の誤入力・誤操作を防ぎにくい。
【0005】
本発明の目的は、理想的な使用環境でなくとも、高精度なタッチ入力を受け付けることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決すべく、本発明に係るタッチ検出デバイスは、タッチ操作に用いる操作板と、前記操作板に接触した圧力を超音波表面弾性波により特定するSAW方式センサと、前記操作板に接触した位置を特定する座標を検出する静電容量方式センサと、を備える。
【0007】
また、上記のタッチ検出デバイスであって、前記SAW方式センサからは前記圧力を、前記静電容量方式センサからは前記座標を、それぞれ出力するものであってもよい。
【0008】
また、上記のタッチ検出デバイスであって、前記SAW方式センサは、前記静電容量方式センサが接触を検出しない場合に、キャリブレーションを行うものであってもよい。
【0009】
また、上記のタッチ検出デバイスであって、前記SAW方式センサは、前記操作板の表面の一方向に前記超音波表面弾性波を発生させるための超音波送信子と超音波受信子を一組備えるものであってもよい。
【0010】
また、上記のタッチ検出デバイスであって、前記超音波表面弾性波により圧力を検出する前記操作板の表面に、前記超音波送信子と超音波受信子を一組備える、ことを特徴とするものであってもよい。
【0011】
また、上記のタッチ検出デバイスであって、前記超音波表面弾性波により圧力を検出する前記操作板の表面と対になる裏面筐体に、前記超音波送信子と超音波受信子を一組備え、前記裏面筐体に備えられた前記超音波送信子から発生された超音波を前記表面に導く第一の回し込みリフレクタと、該表面に導かれた超音波を前記裏面筐体の前記超音波受信子に導く第二の回し込みリフレクタと、を備えるものであってもよい。
【0012】
また、上記のタッチ検出デバイスであって、前記操作板上の所定の共通領域における接触について、前記SAW方式センサは前記圧力を検出するとともに、前記静電容量方式センサは前記座標を検出するものであってもよい。
【0013】
また、本発明に係る他のタッチ入力装置は、タッチ操作に用いる操作板と、前記操作板に接触した圧力を超音波表面弾性波により特定するSAW方式センサと、前記操作板に接触した位置を特定する座標を検出する静電容量方式センサと、少なくとも前記圧力に応じて接触入力か押下入力かを判定し、判定結果を前記座標とともに出力するデバイス制御部と、を備える。
【0014】
また、上記のタッチ入力装置であって、前記デバイス制御部は、前記圧力が所定の閾値以下である場合には、前記静電容量方式センサから得た前記座標を出力しないものであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、理想的な使用環境でなくとも、高精度なタッチ入力を受け付けることができるタッチ検出技術を提供することが可能となる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係るタッチ検出デバイスを含むタッチ入力装置について、図面を参照して説明する。なお、
図1〜
図10は、タッチ入力装置の全ての構成を示すものではなく、理解容易のため、適宜、構成の一部を省略して描いている。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0018】
SAW(Surface Acoustic Wave)方式センサは、接触位置と、接触圧力と、の両方を検出できる。そのため、屋外や車載等の振動や静電気等の外乱が発生しやすい環境では意図しない接触入力や、ダブルタップ等の誤入力・誤操作を防ぐのに圧力の情報を用いることができる。しかし、異物が操作板に付着することにより誤入力が想定されるため、操作板に汚れが付着しやすい環境においては、該センサ単体で入力を受け付けるのには適さないと考えられる。
【0019】
一方で、スマートフォンやタブレット、パーソナルコンピューター等の液晶画面(有機EL等を含む)の表示面に取り付けるタッチパネルは、静電容量方式センサを用いることが多い。これには様々な理由があるが、このようなタッチパネルは、接触位置を特定するのに長けているが、屋外や車載等の振動や静電気等の外乱が発生しやすい環境では意図しない接触入力や、ダブルタップ等の誤入力・誤操作を防ぎにくい。
【0020】
あるいは、屋外や車載等の環境で誤入力を避けるために、感圧式パネルを用いる場合がある。感圧式パネルは、物理的な抵抗膜が圧力により変形することを電気的に検出する仕組みであり、操作者の意図する入力のみを検出するのに適しているため誤入力を避けやすいものの、抵抗膜等の物理的変形による劣化が激しく、継続使用に課題があると考えられている。そのため、車両等の長期使用を想定する製品において採用するのは難しい。
【0021】
これらを鑑みて、接触位置と、接触圧力と、の両方を検出しつつ、屋外や車載等の振動や静電気等の外乱が発生しやすい環境でも高精度に誤入力を避け、継続使用を可能とするタッチ検出デバイスおよびこれを用いたタッチ入力装置について想到するに至った。
【0022】
図1は、第一の実施形態に係るタッチ検出デバイスの構成例の表面および側面を示す図である。
図1の上部には、タッチ検出デバイス1の表面、すなわち表示面の外観が示されており、下部には、タッチ検出デバイス1の側面、すなわち表示面に直行する面から見た外観が示されている。タッチ検出デバイス1は、ベゼル2と、表示エリア3と、Inter Integrated Circuit(I2C)コネクタ4と、を備えている。また、タッチ検出デバイス1は、側面に、裏面と表面とにまたがるように超音波の進行方向を曲げる回し込みリフレクタ9を備える。
【0023】
また、表示エリア3およびベゼル2の一部を覆うように、静電容量方式センサのタッチ操作を検出する位置検出エリア5が設けられている。そして、タッチ検出デバイスの両側面間にわたり、SAW方式センサによる感圧エリアが設けられており、感圧エリア上限6と感圧エリア下限7とに囲まれた感圧エリアは位置検出エリア5を覆う。感圧エリアでは、SAW方式センサで用いられる超音波表面弾性波8が操作板の表面を一方向(本図では、図右側から左側)に出力される。超音波表面弾性波8は、タッチ検出デバイス1の両端の側面に設けられた回し込みリフレクタ9間で発生する。
【0024】
図2は、タッチ検出デバイスの構成例の裏面を示す図である。タッチ検出デバイス1の裏面には、裏面筐体10に取り付けられた超音波の送信元となる超音波送信子11と、超音波送信子11から送信された超音波の進路をタッチ検出デバイスの表面側に曲げて導く第一の回し込みリフレクタ9と、表面を伝達された超音波を裏面側に曲げて導く第二の回し込みリフレクタ9と、第二の回し込みリフレクタ9により導かれた超音波を受信する超音波受信子12と、を備える。
【0025】
図3は、タッチ検出デバイスの構成例の断面を示す図である。タッチ検出デバイス1は、表面側に操作板13を備え、操作板13の裏に裏面筐体10が取り付けられており、操作板13の裏面と裏面筐体10とに挟まれて、静電容量方式センサの導電膜15が形成されている。そして、裏面筐体10の両側面寄りの端に、表面側と裏面側の間を渡るよう超音波を導く回し込みリフレクタ9を備える。これにより超音波表面弾性波8は、裏面側から送信されて第一の回し込みリフレクタ9により表面に回り込み、操作板表面14を伝って反対の端にある第二の回し込みリフレクタ9に到達する。そして、超音波表面弾性波8は裏面に回り込み受信される。そのため、操作板表面14を指等でタッチすることで、超音波表面弾性波8の減衰が起こり、表面の接触を検出することができるようになる。また、そのタッチ操作を受け付ける領域は、操作板13上の所定の共通領域(位置検出エリア5)における接触であり、SAW方式センサが圧力を検出するとともに、静電容量方式センサが座標を検出することとなる。
【0026】
図4は、タッチ検出デバイスおよびデバイス制御部の機能構成例を示す図である。タッチ検出デバイス1は、接触位置の座標と、接触圧力をI2Cコネクタ4から出力する。デバイス制御部300は、I2Cコネクタ4からの出力を用いて、どのような入力操作がなされたのかを特定する機能部である。
【0027】
タッチ検出デバイス1には、静電容量検出装置100と、静電制御部120と、集積回路間通信部130と、超音波送信子200と、超音波受信子210と、超音波表面弾性波制御部220と、が含まれる。静電容量検出装置100は、いわゆる静電容量方式センサであり、タッチした指等による電位変化を検出してタッチ位置の座標を検出するセンサである。このセンサは、タッチ位置の検出は行うが、タッチした強さ、すなわち圧力は検出しない。
【0028】
静電制御部120には、駆動部121と、多重化部122と、ダイナミックレンジ調整部123と、AD変換部124と、座標演算部125と、が含まれる。駆動部121は、静電容量検出装置100を駆動する電力、パルスを出力する。多重化部122は、静電容量検出装置100から得た情報を多重化する。ダイナミックレンジ調整部123は、多重化された検出量のダイナミックレンジを調整して、有意な情報を抽出する。AD変換部124は、必要な分解能に合わせてアナログ信号を例えば6ビット以上のデジタル信号に変換する。座標演算部125は、デジタル信号についてエラー訂正等の演算処理を行い、座標を特定する。
【0029】
集積回路間通信部130は、受け取ったデータをI2Cコネクタ4による通信を行えるようにデータをシリアル変換して、出力する。具体的には、集積回路間通信部130は、静電制御部120および超音波表面弾性波制御部220からのデータを対象として、I2Cコネクタ4による通信を介して出力を行う。なお、集積回路間通信部130は、汎用性を考慮してI2Cコネクタ4による通信を行うが、これに限られず、他の方式による通信を行うものであってもよい。
【0030】
超音波送信子200は、超音波を所定の周期・強度・方向で発生させる。超音波受信子210は、超音波送信子200から送信された超音波を受信し、その受信時刻と強度を出力する。超音波送信子200および超音波受信子210は、その間にある操作板の表面を伝わる超音波表面波の減衰度合により接触入力の圧力を検出するSAW方式センサであるといえる。なお、本実施形態においては、SAW方式センサは、接触位置を検出する必要がないため、一対の超音波送信子200および超音波受信子210により実現可能である。
【0031】
超音波表面弾性波制御部220には、駆動部221と、ダイナミックレンジ調整部222と、AD変換部223と、圧力演算部224と、が含まれる。駆動部221は、超音波送信子200および超音波受信子210を駆動する電力、パルスを出力する。ダイナミックレンジ調整部222は、超音波受信子210から得た検出量のダイナミックレンジを調整して、有意な情報を抽出する。AD変換部223は、必要な分解能に合わせてアナログ信号を例えば6ビット以上のデジタル信号に変換する。圧力演算部224は、デジタル信号についてエラー訂正等の演算処理を行い、圧力を特定する。
【0032】
デバイス制御部300には、座標特定部310と、押下判定部320と、入力情報出力部330と、が含まれる。座標特定部310は、タッチ検出デバイス1から受け付けた座標および圧力を元に、表示エリア3上の座標に変換する。タッチ検出デバイス1から出力される座標情報は、あくまで静電容量検出装置100上の座標であるため、これを表示エリアと対応付けて有効な座標に変換する、あるいは入力を無視する等の処理を行って座標を再特定する必要があるためである。例えば、座標特定部310は、ベゼル2上にもタッチ検出デバイス1が設けられている場合、ベゼル2に対する入力か表示エリア3に対する入力かを切り分けて、ベゼル2に対する入力であれば無視し、表示エリア3に対する入力であれば表示エリア3の原点を中心とする写像変換を行って入力情報とする。
【0033】
押下判定部320は、タッチ検出デバイス1から受け付けた座標および圧力を元に、タッチ動作が規定された押下動作のいずれにあたるか判定する。具体的には、押下判定部320は、タッチ検出デバイス1から受け付けた圧力を所定の区分のいずれに属するか判定して、該区分を押下動作として特定する。例えば、ここでは、圧力をSAWの信号強度で表すとすると、押下判定部320は、受け付けた信号強度が閾値「50」以上であれば、押下動作を「非接触」と判定し、入力として無視する。あるいは、押下判定部320は、受け付けた信号強度が閾値「50」未満「25」以上であれば、すなわち比較的低い圧力での接触の場合には、押下動作を「接触」と判定し、受け付けた信号強度が「25」未満「0」以上であれば、すなわち比較的高い圧力での接触の場合には、押下動作を「押下」と判定する。
【0034】
入力情報出力部330は、座標特定部310が特定した接触位置の座標と、押下判定部320が特定した押下動作と、を入力情報として外部へ出力する。ただし、押下動作が非接触である場合には、入力情報出力部330は、その動作に係る接触位置の座標は誤入力であるとして出力対象としない。
【0035】
図5は、タッチ検出デバイスにおける接触検出の原理を説明するための図である。タッチ検出デバイス1では、SAW方式のセンサを圧力センサとして用いるため、その仕組みについて説明する。
図5の上段には、無接触時の送受信の信号について、
図5の下段には、接触時の送受信の信号についてグラフ400が記載されている。このグラフ400は、縦軸402に信号強度、横軸401に経過時間がプロットされている。
【0036】
SAW方式のセンサでは、例えば、時刻t
0で駆動信号が発信されて超音波送信子200から超音波が発せられると(410)、操作板表面14を表面弾性波が進行して時刻t
1〜t
2において超音波受信子210にて受信され電気信号411に変換される。このとき、操作板表面14の特定の位置を指やペンなどで触れていると、当該接触部分の振動(エネルギ)は指やペンなどに吸収されるため接触による信号の減衰または欠落412として検出される。この信号の減衰または欠落が生じる時刻t
posと、駆動信号の出力時刻t
0との時間差に基づいて、接触位置が検出される。
【0037】
本実施形態においては、SAW方式のセンサを圧力センサとして用いるため、この接触位置は問わない。しかし、接触部分の振動の減衰量の多寡が押下の圧力に応じて変動する点を検出しているため、圧力演算部224では減衰時の信号強度を圧力として出力する。すなわち、減衰時の信号強度が高ければ圧力が弱く、信号強度が低ければ圧力が高いと推定して所定の圧力の指標値へと変換して出力する。
【0038】
また、この信号強度については、汚れや表面の傷等の劣化により絶対値は変動するため、基準値からの相対量として捉えるのが望ましい。そのため、超音波表面弾性波制御部220は、静電容量方式のセンサである静電容量検出装置100が接触を検出しない状態において、所定の周期でキャリブレーション、すなわち信号強度の基準値の補正を行う。
【0039】
図6は、タッチ検出デバイスおよび入力受付部のハードウェア構造例を示す図である。タッチ検出デバイス1は、静電容量方式タッチセンサ500と、SAW方式タッチセンサ550と、を含み、静電容量方式タッチセンサ500と、SAW方式タッチセンサ550と、はそれぞれバス600にI2Cコネクタ4により接続される。そして、バス600には、他にもCPU(Central Processing Unit)610と、RAM(Random Access Memory)620と、が接続されており、タッチ検出デバイス1も含めて相互に通信を行うことができる。
【0040】
静電容量方式タッチセンサ500は、電力を受け取るとYノード503に放出するXノード502を備える静電容量検出装置501と、Xノード502へ電力およびパルスを供給するとともにYノード503から信号を受信する静電制御装置510と、を含む。
【0041】
また、静電制御装置510には、Yノード503から受信したアナログ信号を多重化するMUX512と、MUX512からの信号を増幅してダイナミックレンジを調整するAMP513と、AMP513からの出力をデジタル信号に変換するADC514と、デジタル信号を用いて座標を演算する座標演算子515と、座標をI2Cによる通信によってバス600へ出力するI2C出力装置516と、Xノード502へパルスを供給するX:Scan Pulse Driver511とが含まれる。
【0042】
SAW方式タッチセンサ550は、電力を受け取ると超音波受信子552に超音波を放出する超音波送信子551と、超音波送信子551へ電力およびパルスを供給するとともに超音波受信子552から信号を受信する超音波表面弾性波制御装置560と、を含む。
【0043】
また、超音波表面弾性波制御装置560には、超音波受信子552から受信した信号を増幅してダイナミックレンジを調整するAMP563と、AMP563からの出力をデジタル信号に変換するADC564と、デジタル信号を用いて圧力を演算する圧力演算子565と、圧力を示す情報をI2Cによる通信によってバス600へ出力するI2C出力装置566と、超音波送信子551へパルスを供給するScan Pulse Driver561とが含まれる。
【0044】
上述した静電制御部120および集積回路間通信部130は、静電制御装置510により実現され、超音波表面弾性波制御部220および集積回路間通信部130は、超音波表面弾性波制御装置560により実現される。また、デバイス制御部300は、CPU610により実現される。
【0045】
ただし、本発明はこれらのハードウェア実装例に限定されるものではなく、他の実装例によって実現されるものであってもよい。
【0046】
図7は、入力受付処理の流れを示す図である。入力受付処理は、デバイス制御部300において所定の周期(例えば、1秒間に30回等)で実施される。
【0047】
まず、座標特定部310は、静電制御部120から座標情報を取得する(ステップS001)。そして、座標特定部310は、座標を特定する(ステップS002)。具体的には、座標特定部310は、ステップS001にて取得した座標が、適正な範囲の値である場合には座標を特定し、そうでない場合にはその座標を特定しない。
【0048】
そして、座標特定部310は、座標を特定したか否か判定する(ステップS003)。座標を特定しなかった場合(ステップS003にて「No」の場合)には、座標特定部310は、入力受付処理を終了させる。
【0049】
座標を特定した場合(ステップS003にて「Yes」の場合)には、押下判定部320は、超音波表面弾性波制御部220から圧力の情報を取得する(ステップS004)。
【0050】
そして、押下判定部320は、非接触、接触、または押下のいずれかを、圧力帯に応じて特定する(ステップS005)。
【0051】
そして、入力情報出力部330は、特定結果に応じて制御を分岐させる(ステップS006)。特定結果が「非接触」である場合には、入力情報出力部330は、入力受付処理を終了させる。
【0052】
特定結果が「接触」である場合には、入力情報出力部330は、座標と接触信号とを外部装置へ出力する(ステップS007)。そして、入力情報出力部330は、入力受付処理を終了させる。
【0053】
特定結果が「押下」である場合には、入力情報出力部330は、座標と押下信号とを外部装置へ出力する(ステップS008)。そして、入力情報出力部330は、入力受付処理を終了させる。
【0054】
以上が、入力受付処理の流れである。入力受付処理によれば、所定の周期で、入力操作を受け付けることができる。また、その入力操作が単なる接触であったのか、より強い圧力による入力である押下であったのか、およびその座標を判定することができる。また、入力操作の圧力がごく小さい場合には、入力は誤検知であるとして受け付けないようにすることが可能となる。
【0055】
以上が、本発明に係る第一の実施形態を適用したタッチ検出デバイス1およびこれを備えたタッチ入力装置である。
【0056】
本発明に係る第一の実施形態を適用したタッチ検出デバイス1によれば、理想的な使用環境でなくとも、高精度なタッチ入力を受け付けることができる。ただし、タッチ検出デバイス1は、車載の状態で使用される専用の装置に限られず、パーソナルコンピューターやスマートフォン、タブレット端末等の各種の独立動作可能な装置であってもよい。
【0057】
ただし、本発明は、上記の実施形態に制限されない。上記の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、回し込みリフレクタ9を用いて裏面筐体10側で発生した超音波を表面に回り込ませているが、これに限られない。例えば、超音波送信子11あるいは超音波受信子12のいずれかまたは両方を、表面のベゼル2に設けるようにしてもよい。このようにすることで、動作の信頼性を高くすることができる。
【0058】
以下に、そのような第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、基本的に第一の実施形態と同様であるが、一部に相違がある。以下は、その相違点を中心に説明する。
【0059】
図8は、第二の実施形態に係るタッチ検出デバイスの構成例を示す図である。タッチ検出デバイス1´は、表面の左右のベゼル2にリフレクタ(送信子側)17と、リフレクタ(送信子側)17に超音波を送り込む超音波送信子11と、リフレクタ(受信子側)18と、リフレクタ(受信子側)18から超音波を受け取る超音波受信子12と、を備える。
【0060】
図9は、第二の実施形態に係るタッチ検出デバイスの構成例を示す図である。タッチ検出デバイス1´は、裏面筐体10にはSAW方式のセンサのデバイスは設けられていない。
【0061】
図10は、第二の実施形態に係るタッチ検出デバイスの構成例の断面を示す図である。上述のとおり、タッチ検出デバイス1´には、裏面筐体10にはSAW方式のセンサのデバイスは設けられておらず、また側面に回し込みリフレクタも備えていない。
【0062】
以上が、第二の実施形態に係るタッチ検出デバイスの構成例である。第二の実施形態に係るタッチ検出デバイスによれば、動作の信頼性を高くすることができる。