【解決手段】電子機器は、筐体102と、中央処理装置1Aを実装した主基板1と、主基板1に電気的に接続された第1通信モジュール3と、バッテリー2Aと、筐体102の第1側面113aを含む第1側面領域に設けられた無線通信用の第1アンテナ11と、第1側面113aとは反対の第2側面113bを含む第2側面領域に設けられた無線通信用の第2アンテナ12と、を備える。第1アンテナ11は、第1信号線21を介して第1通信モジュール3に送受信可能に接続されている。第2アンテナ12は、第2信号線22を介して第1通信モジュール3に送受信可能に接続されている。主基板1とバッテリー2Aとは、平面視において位置を違えて設けられている。第1通信モジュール3は、平面視において主基板1とバッテリー2Aとの間の中間領域に設けられている。
前記筐体の前記第1側面及び前記第2側面と略直交する第3側面を含む第3側面領域に設けられ、第4信号線を介して前記第1通信モジュールに送受信可能に接続された無線通信用の第4アンテナと、
前記第3側面領域に設けられ、第5信号線を介して前記第1通信モジュールに送受信可能に接続された無線通信用の第5アンテナと、
をさらに備え、
前記第4アンテナおよび前記第5アンテナは、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナとは異なる通信規格の無線通信に対応する、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施形態に係る電子機器について説明する。
図1は、実施形態に係る電子機器100の斜視図である。
図2は、電子機器100の第2筐体102の平面図である。
【0017】
図1に示すように、電子機器100は、第1筐体101と、第2筐体102(筐体)と、第1〜第9アンテナ11〜19と、主基板1(
図3参照)と、バッテリーユニット2(
図3参照)と、第1通信モジュール3(
図3参照)と、接続用基板4(
図3参照)と、第2通信モジュール5(
図3参照)、第1および第2近接センサ31,32(
図3参照)と、を備える。電子機器100は、例えば、ノートPC(PC:パーソナルコンピュータ)である。
【0018】
第1筐体101と第2筐体102とは、端部どうしがヒンジ機構110を介して連結されている。第1筐体101は、第2筐体102に対して、ヒンジ機構110がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。第1筐体101が第2筐体102に対して閉じた状態では、第2筐体102の内面102cは第1筐体101のディスプレイ103に対面する。外面(裏面)102dは内面102cの反対の面である。
【0019】
第1筐体101は、ディスプレイ筐体とも呼ばれる。第2筐体102は、システム筐体とも呼ばれる。第1筐体101および第2筐体102は、矩形板状に形成されている。第1筐体101および第2筐体102の端部のうち、ヒンジ機構110が設けられた端部を、それぞれ第1基端部101bおよび第2基端部102bと呼ぶ。第1基端部101bおよび第2基端部102bとは反対側の端部を、それぞれ第1開放端部101aおよび第2開放端部102aと呼ぶ。
【0020】
第2筐体102において、第2基端部102bから第2開放端部102aに向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。前方および後方を「前後方向」と総称する。
図2における左方および右方を、それぞれ「左方」および「右方」と呼ぶ。左方および右方を「左右方向」と総称する。
【0021】
第2筐体102については、XYZ直交座標系を用いて各構成の位置関係を説明することがある。X方向(第2方向)は、前後方向である。+X方向は前方である。−X方向は後方である。X方向(第2方向)は、Y方向(第1方向)および第2筐体102の厚さ方向(Z方向)と直交する方向である。
Y方向(第1方向)は、X方向と直交する左右方向である。+Y方向は右方である。−Y方向は左方である。第2基端部102bはY方向に延在する。Y方向(第1方向)は、第1側面113aと第2側面113bとが向かい合う方向である。
Z方向は、第2筐体102の厚さ方向であって、X方向およびY方向に直交する方向である。+Z方向は上方である。−Z方向は下方である。Z方向は上下方向である。Z方向は高さ方向である。Z方向(上下方向)から見ることを平面視という。
【0022】
第1筐体101は、ディスプレイ103を搭載している。ディスプレイ103は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(EL:Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。
【0023】
第2筐体102は、上板111(第1主板)と、下板112(第2主板)と、一対の側板113,113と、前板114と、後板115とを備える。第2筐体102は、平板状のケース体である。第2筐体102は、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金などの金属で構成される。
【0024】
上板111は、XY平面に沿う。上板111は、下板112に対して間隔をおいて下板112に向かい合っている。上板111は、平面視において矩形状とされている。
下板112は、第2筐体102を載置面(デスクの上面など)に置いたときに、その載置面に対面する。下板112は、平面視において矩形状とされている。
【0025】
一対の側板113のうち一方の側板113(第1側板113A)は、上板111の左の側縁111bから、下板112の左の側縁にかけて形成されている。第1側板113Aの外面を第1側面113a(側面)という。第1側板113Aの一部または全部(例えば、少なくとも第1アンテナ11および第8アンテナ16に対応する部分)は、電波が透過可能な材料(例えば、合成樹脂)で構成された電波透過部とされている。
【0026】
一対の側板113のうち他方の側板113(第2側板113B)は、上板111の右の側縁111bから、下板112の右の側縁にかけて形成されている。第2側板113Bの外面を第2側面113b(側面)という。第2側板113Bの一部または全部(例えば、少なくとも第2アンテナ12および第9アンテナ17に対応する部分)は、電波が透過可能な材料(例えば、合成樹脂)で構成された電波透過部とされている。
【0027】
前板114は、上板111の前端から下板112の前端にかけて形成されている。前板114の外面(前面)を前面114a(第3側面)という。前面114aは、第1側面113aおよび第2側面113bと直交(または略直交)する。後板115は、上板111の後端から下板112の後端にかけて形成されている。
【0028】
第2筐体102は、キーボード107およびタッチパッド108を搭載する。キーボード107およびタッチパッド108は、入力デバイスである。
【0029】
図2に示すように、平面視において、上板111の外周縁111dを含む矩形枠状の領域を外周縁領域117という。外周縁領域117は、前辺領域117Aと、一対の側辺領域117B,117Bと、後辺領域117Cとで構成される。
前辺領域117Aは、上板111の前縁111aを含む直線状の帯状領域である。前辺領域117Aは、上板111の左右方向の全長にわたる領域、すなわち、上板111の一方の側縁111bから他方の側縁111bにわたってY方向に延在する領域である。
前辺領域117Aを「第3側面領域117A」という。第3側面領域117Aは、平面視において前面114aを含む領域である。
【0030】
側辺領域117B,117Bは、それぞれ上板111の側縁111b,111bを含む直線状の帯状領域である。側辺領域117B,117Bは、上板111の前後方向の全長にわたる領域、すなわち、前縁111aから後縁111cにわたってX方向に延在する領域である。側辺領域117B,117Bは、前辺領域117Aの両端からそれぞれ後方に延出する。
側辺領域117Bの幅W1は、例えば、キーボード107の側縁107bと、これに対向する側縁111bとの距離と同じ、またはこの距離より小さい。
【0031】
2つの側辺領域117B,117Bのうち、左の側辺領域117Bを「第1側面領域117B1」という。第1側面領域117B1は、平面視において第1側面113aを含む領域である。2つの側辺領域117B,117Bのうち、右の側辺領域117Bを「第2側面領域117B2」という。第2側面領域117B2は、平面視において第2側面113bを含む領域である。
【0032】
後辺領域117Cは、上板111の後縁111cを含む直線状の帯状領域である。後辺領域117Cは、上板111の左右方向の全長にわたる。後辺領域117Cは、一方の側辺領域117Bの後端から,他方の側辺領域117Bの後端にかけてY方向に延在する。
【0033】
外周縁領域117は、例えば、平面視においてキーボード107を含まない領域である。前辺領域117Aの幅と、側辺領域117B,117Bの幅と、後辺領域117Cの幅とは互いに等しい。
【0034】
第1アンテナ11、第2アンテナ12および第3アンテナ13は、無線通信用のアンテナである。
第1アンテナ11は、第2筐体102内であって、平面視において第1側面領域117B1に包含される位置に設けられる。第1アンテナ11は、平面視において第1側面領域117B1の長さ方向の中間位置に設けられる。例えば、第1アンテナ11は、平面視において第1側面領域117B1の長さ方向の中央よりも後方寄りの位置にある。
【0035】
第2アンテナ12は、第2筐体102内であって、平面視において第2側面領域117B2に包含される位置に設けられる。第2アンテナ12は、平面視において第2側面領域117B2の長さ方向の中間位置に設けられる。例えば、第2アンテナ12は、平面視において第2側面領域117B2の長さ方向の中央よりも後方寄りの位置にある。
【0036】
第1アンテナ11および第2アンテナ12は、第2筐体102の側面113a,113bに近い位置に配置されるため、外部からの電波はアンテナ11,12に減衰せずに到達しやすい。また、アンテナ11,12から放射された電波は減衰せずに外部に放射されやすくなる。よって、アンテナ11,12の送受信特性(送信と受信のうち少なくとも一方の特性)は高められる。
【0037】
第3アンテナ13は、第2筐体102内であって、平面視において第3側面領域117A(前辺領域117A)に包含される位置に設けられる。第3アンテナ13は、平面視において第3側面領域117Aの長さ方向の中間位置に設けられる。第3アンテナ13は、例えば、平面視において第3側面領域117Aの長さ方向の中央を含む位置にある。
第3アンテナ13は、第2筐体102の前面114aに近い位置に配置されるため、アンテナ11,12と同様に、送受信特性(送信と受信のうち少なくとも一方の特性)は高められる。
【0038】
第1アンテナ11、第2アンテナ12および第3アンテナ13は、ミリ波帯の電波に対応する。すなわち、第1〜第3アンテナ11,12,13は、ミリ波帯の電波について送信と受信のうち少なくとも一方が可能である。ミリ波帯の電波とは、例えば、24GHz〜300GHz(例えば24GHz〜100GHz)の周波数帯の電波である。
【0039】
上板111の一部であって、第1アンテナ11、第2アンテナ12および第3アンテナ13が対向する領域は、それぞれ電波が透過可能な電波透過部(図示略)とされている。側板113,113の一部であって、アンテナ11,12に対応する領域は、電波透過部(図示略)とされている。前板114の一部であって、アンテナ13に対応する領域は、電波透過部(図示略)とされている。電波透過部は、電波が透過可能な材料、例えば合成樹脂などで構成される。
なお、第1アンテナ11、第2アンテナ12および第3アンテナ13は、近接センサ(不図示)を内蔵している。
【0040】
第4アンテナ14、第5アンテナ15、第6アンテナ18および第7アンテナ19は、無線通信用のアンテナである。
第4アンテナ14および第5アンテナ15は、第2筐体102内であって、第3側面領域117A(前辺領域117A)に包含される位置に設けられる。第4アンテナ14および第5アンテナ15は、平面視において第3側面領域117Aの長さ方向の中間位置に設けられる。
第4アンテナ14は、平面視において第3側面領域117Aの長さ方向の中央よりも左方寄りの位置にある。第5アンテナ15は、平面視において第3側面領域117Aの長さ方向の中央よりも右方寄りの位置にある。
【0041】
第6アンテナ18は、第2筐体102内であって、平面視において第1側面領域117B1(
図2参照)に包含される位置に設けられる。本実施形態では、第7アンテナ18は第4アンテナ14と隣接(近接)して配置される。第7アンテナ19は、第2筐体102内であって、平面視において第2側面領域117B2(
図2参照)に包含される位置に設けられる。本実施形態では、第7アンテナ19は第5アンテナ15と隣接(近接)して配置される。
【0042】
第4アンテナ14、第5アンテナ15、第6アンテナ18および第7アンテナ19は、第1〜第3アンテナ11〜13で用いる通信規格とは異なる通信規格の無線通信に対応する。アンテナ14〜19が対応する通信規格としては、例えば、無線WAN(WAN:Wide Area Network)が挙げられる。
第4アンテナ14は送受信機(Tx/Rx)として機能するメイン(Main)アンテナであって、第5アンテナ15は受信機(Rx)として機能するオックス(Aux)アンテナである。
【0043】
第6アンテナ18および第7アンテナ19は、4×4のMIMO(Multi-Input Multi-Output)をサポートするためのアンテナである。第6アンテナ18は受信機(Rx)として機能し、第7アンテナ19は送受信機(Tx/Rx)として機能する。4×4のMIMOをサポートする必要がない場合には、第6アンテナ18および第7アンテナ19は適宜省略されてもよい。
【0044】
第8アンテナ16および第9アンテナ17は、無線通信用のアンテナである。
第8アンテナ16は、第2筐体102内であって、平面視において第1側面領域117B1(
図2参照)に包含される位置に設けられる。第8アンテナ16は、第1アンテナ11より前方に位置する。第9アンテナ17は、第2筐体102内であって、平面視において第2側面領域117B2(
図2参照)に包含される位置に設けられる。第9アンテナ17は、第2アンテナ12より前方に位置する。
【0045】
第8アンテナ16および第9アンテナ17は、第1〜第3アンテナ11〜13で用いる通信規格とは異なる通信規格の無線通信に対応する。第8アンテナ16および第9アンテナ17が対応する通信規格としては、例えば、Wifi(Wireless Fidelity)(登録商標)等の無線LAN(LAN:Local Area Network)が挙げられる。第8アンテナ16および第9アンテナ17は、例えば、一方がメイン(Main)アンテナであって、他方がオックス(Aux)アンテナである。
【0046】
図3は、電子機器100の第2筐体102の内部構造を外面(裏面)102d側(
図1参照)から見た平面図である。
図4は、第2筐体102の内部構造を、信号線を略して示す平面図である。
図5は、第2筐体102の内部構造を、一部の部品を略して示す平面図である。
【0047】
図3および
図4に示すように、主基板1は、平面視において概略、矩形状とされている。主基板1は、マザーボードである。主基板1は、例えば、長さ方向を左右方向(Y方向)に向けた長方形状とされている。主基板1には、中央処理装置1Aが実装されている。中央処理装置1Aは、CPU(Central Processing Unit)である。主基板1は、第2筐体102内であって、例えば、平面視において前後方向(X方向)の中央(
図4に示す中央位置C1)よりも後方寄りの位置に設けられている。
【0048】
バッテリーユニット2は、主バッテリー2A(バッテリー)と、2つの補助バッテリー2Bとを備える。
主バッテリー2Aは、平面視において矩形状とされている。主バッテリー2Aは、例えば、長さ方向を左右方向(Y方向)に向けた長方形状とされている。主バッテリー2Aは、第2筐体102内であって、例えば、平面視において前後方向(X方向)の中央(
図4に示す中央位置C1)よりも前方寄りの位置に設けられている。
【0049】
主基板1と主バッテリー2Aとは、平面視において前後方向(第2方向)に位置を違えて設けられている。主基板1と主バッテリー2Aとは、前後方向に間隔をおいて設けられている。主基板1と主バッテリー2Aとの間の領域を、中間領域R1という。中間領域R1は、主基板1の前縁1aと主バッテリー2Aの後縁2Aaとの間の領域であって、左右方向に延在する帯状領域である。中間領域R1は、第2筐体102の左右方向の全長にわたる領域であってもよい。
【0050】
補助バッテリー2Bは、平面視において矩形状とされている。補助バッテリー2Bは、主バッテリー2Aに対して後方側に隣接している。2つの補助バッテリー2B,2Bは、左右方向に間隔をおいて設置されている。一方の補助バッテリー2B(2B1)は平面視において左右方向(Y方向)の中央(
図4に示す中央位置C2)よりも−Y方向寄りの位置に設けられている。他方の補助バッテリー2B(2B2)は平面視において左右方向(Y方向)の中央(
図4に示す中央位置C2)よりも+Y方向寄りの位置に設けられている。
バッテリーユニット2は、電子機器100内の電子部品(例えば、主基板1、第1通信モジュール3、ディスプレイ103など)に給電する。
【0051】
第1通信モジュール3は、アンテナを介して外部の機器(アクセスポイント等)と通信を行うための電子部品である。第1通信モジュール3は、例えば、受信回路、送信回路、切換回路などを含む。第1通信モジュール3は、例えば、接続用基板4を介して主基板1と電気的に接続されている。
【0052】
図4に示すように、第1通信モジュール3は、平面視において、中間領域R1(主基板1と主バッテリー2Aとの間の領域)内に設けられている。第1通信モジュール3は、例えば、左右方向(Y方向)の中央(
図4に示す中央位置C2)を含む位置に形成されている。
第1通信モジュール3は、平面視において、第1〜第3アンテナ11〜13を頂点とする三角形の領域R2内に設けられている。領域R2の3つの頂点は、平面視において第1〜第3アンテナ11〜13の重心にある。
【0053】
図3および
図5に示すように、第1アンテナ11は、第1信号線21を介して第1通信モジュール3に送受信可能に接続されている。第2アンテナ12は、第2信号線22を介して第1通信モジュール3に送受信可能に接続されている。第3アンテナ13は、第3信号線23を介して第1通信モジュール3に送受信可能に接続されている。第4アンテナ14は、第4信号線24を介して第1通信モジュール3に送受信可能に接続されている。第5アンテナ15は、第5信号線25を介して第1通信モジュール3に送受信可能に接続されている。第6アンテナ18は、第8信号線28を介して第1通信モジュール3に送受信可能に接続されている。第7アンテナ19は、第9信号線29を介して第1通信モジュール3に送受信可能に接続されている。第8アンテナ16は、第6信号線26を介して第2通信モジュール5に送受信可能に接続されている。第9アンテナ17は、第7信号線27を介して第2通信モジュール5に送受信可能に接続されている。
【0054】
接続用基板4は、第1通信モジュール3と主基板1との間に介在する。接続用基板4は、例えば、コネクタ接続によって第1通信モジュール3および主基板1と電気的に接続される。接続用基板4は、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuit)である。接続用基板4は、リジッド基板であってもよい。
接続用基板4は、平面視において、中間領域R1(主基板1と主バッテリー2Aとの間の領域)に設けられている。
【0055】
第2通信モジュール5は、アンテナを介して外部の機器(アクセスポイント等)と通信を行うための電子部品である。第2通信モジュール5は、例えば、受信回路、送信回路、切換回路などを含む。第2通信モジュール5は、接続用基板4に実装されている。そのため、第2通信モジュール5は、平面視において、中間領域R1(主基板1と主バッテリー2Aとの間の領域)に設けられている。第2通信モジュール5は、例えば、接続用基板4を介して主基板1と電気的に接続されている。
【0056】
第1近接センサ31および第2近接センサ32は、人体などの生体の接近を検出するセンサである。第1アンテナ11、第2アンテナ12および第3アンテナ13に内蔵される近接センサも、人体などの生体の接近を検出するセンサである。これらの近接センサとしては、例えば、電磁誘導式センサ、赤外線センサ、静電容量式センサなどを用いることができる。
【0057】
第1近接センサ31は、送信機能を有する第4アンテナ14に近い位置に設けられている。第2近接センサ32は、送信機能を有する第7アンテナ19に近い位置に設けられている。第1近接センサ31および第2近接センサ32は、信号線(図示略)を介して接続用基板4に電気的に接続されている。
【0058】
第1近接センサ31が生体を検出すると、図示しない制御部は、第4アンテナ14による送信出力を低下させるように第1通信モジュール3の動作を制御する。第2近接センサ32が生体を検出すると、前記制御部は、第7アンテナ19による送信出力を低下させるように第1通信モジュール3の動作を制御する。
【0059】
第1アンテナ11、第2アンテナ12および第3アンテナ13に内蔵される不図示の近接センサは、それぞれ信号線41〜43を介して接続用基板4に電気的に接続されている。前記制御部は、前記近接センサが人体を検知した場合、それぞれが内蔵されるアンテナの送信出力を低下させるように第1通信モジュール3の動作を制御する。なお、アンテナ11〜13に内蔵される近接センサは、信号線を介して第1通信モジュール3に接続されてもよい。
【0060】
本実施形態の電子機器100によれば、第1通信モジュール3は、主基板1と主バッテリー2Aとの間の中間領域R1に設けられている。そのため、第1通信モジュール3を第2筐体102の中央に近い位置に配置することができる。したがって、第1通信モジュール3と、アンテナ11,12,13との距離を小さくし、信号線21,22,23を短くできる。よって、第1通信モジュール3とアンテナ11,12,13との間の伝送損失を抑えることができる。
電子機器100では、第1通信モジュール3が中間領域R1に設けられているため、信号線21,22,23の配線形態の自由度を高めることができる。
【0061】
アンテナがミリ波帯の電波に対応する場合には、通信モジュールとアンテナとの間でIF信号の送信が必要となる。また、アンテナは、筐体側面に近い位置に配置されるため、通信モジュールとの距離が大きくなりやすい。そのため、伝送損失が生じやすい。これに対し、電子機器100では、前述のように信号線21,22,23を短くできるため、ミリ波帯の電波に対応するアンテナ11,12,13を用いる場合でも伝送損失を抑えることができる。
【0062】
第1通信モジュール3は、左右方向(Y方向)の中央を含む位置に形成されている。そのため、第1アンテナ11から第1通信モジュール3までの距離と、第2アンテナ12から第1通信モジュール3までの距離とを均等化できる。よって、信号線21,22を短くし、伝送損失を抑えることができる。
【0063】
第1通信モジュール3は、
図4に示す三角形の領域R2に設けられているため、アンテナ11,12,13から第1通信モジュール3までの距離の差異を小さくできる。よって、信号線21,22,23を短くし、伝送損失を抑えることができる。
【0064】
電子機器100では、第4〜第7アンテナ14,15,18,19が設けられている。第4〜第7アンテナ14,15,18,19は、第1〜第3アンテナ11,12,13と同様に第1通信モジュール3に接続されている。複数種類のアンテナの信号線を共通の第1通信モジュール3に集約するため、アンテナから主基板1に至る接続構造は簡略になる。よって、第2筐体102内の省スペース化を図ることができる。
【0065】
電子機器100では、第2通信モジュール5に接続される第8および第9アンテナ16,17が設けられている。第2通信モジュール5は中間領域R1に設けられているため、電子機器100では、複数種類のアンテナの信号線を中間領域R1の通信モジュール3,5に集約できる。そのため、アンテナから主基板1に至る接続構造は簡略になる。よって、第2筐体102内の省スペース化を図ることができる。
【0066】
電子機器100では、第1〜第3アンテナ11,12,13に内蔵される近接センサの信号線を中間領域R1に集約できる。そのため、アンテナから主基板1に至る接続構造は簡略になる。よって、第2筐体102内の省スペース化を図ることができる。
【0067】
この発明の具体的な構成は上述の実施形態に限られず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
図2に示すように、電子機器100では、第3アンテナ13は、平面視において外周縁領域117の前辺領域117Aに包含される位置に設けられているが、第3アンテナは、平面視において外周縁領域の後辺領域に包含される位置に設けられていてもよい。
電子機器100は、第1〜第3アンテナ11,12,13を備えるが、実施形態の電子機器は、第3アンテナはなくてもよい。
実施形態の電子機器は、ノートPCに限らず、スマートフォン、タブレット端末などであってもよい。
前記筐体の前記第1側面及び前記第2側面と略直交する第3側面を含む第3側面領域に設けられ、第4信号線を介して前記第1通信モジュールに送受信可能に接続された無線通信用の第4アンテナと、
前記第3側面領域に設けられ、第5信号線を介して前記第1通信モジュールに送受信可能に接続された無線通信用の第5アンテナと、
をさらに備え、
前記第4アンテナおよび前記第5アンテナは、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナとは異なる通信規格の無線通信に対応する、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の電子機器。