【解決手段】認証情報管理装置は、無人で移動可能な配送機により運ばれる荷物を配送先となるユーザに受け渡す受取領域を取得し、前記配送先となるユーザにより前記受取領域において前記配送機へ入力される認証情報を発行し、前記発行された認証情報を前記ユーザに通知する。発行において、前記発行された認証情報が後に前記受取領域について発行されることを制限する情報を設定し、前記受取領域について前記発行が制限された1または複数の認証情報と同一の認証情報の発行を制限する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。同じ符号を付された構成に対しては、重複する説明を省略する。本実施形態では、複数の無人配送機を用い、複数のユーザが居住する集合住宅などに荷物を配送する荷物配送システムについて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態にかかる配送システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、荷物配送システムは、複数の無人配送機1と、中央サーバ2と、配送拠点3とを含む。
【0021】
無人配送機1は、運転手が乗車せず自動制御により地上を走行し、荷物を配送する機器である、無人配送機1はUnmanned Ground Vehicle(UGV)と呼ばれる。
図1には、2つの無人配送機1a,1bが記載されているが、無人配送機1の数は3以上であってよい。無人配送機1は、無線通信を介して中央サーバ2と通信接続されている。無線通信は、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に基づくものであってよい。
【0022】
中央サーバ2は、複数の無人配送機1および配送拠点3と通信し、それらの動作を管理する。配送拠点3は、ユーザに向けて配送される荷物が集積される倉庫を含み、中央サーバ2の指示に基づいて、配送拠点3において、例えば配送拠点3の従業員が無人配送機1にユーザ向けの荷物を格納する。配送拠点3には複数の無人配送機1が配備され、無人配送機1は配送拠点3から配送先へ荷物を配送する。
【0023】
図2は、無人配送機1の一例を示す斜視図である。
図1および
図2に示されるように、無人配送機1は、プロセッサ11、記憶部12、通信部13、入出力部14、センサ部15、複数の格納部16、鍵制御部17、図示しない駆動部を含む。
【0024】
プロセッサ11は、記憶部12に記憶されたプログラムやデータに従って処理を実行する。またプロセッサ11は通信部13、入出力部14、センサ部15、鍵制御部17を制御する。
【0025】
記憶部12は、RAMなどの揮発性メモリと、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリとを含む。記憶部12はさらにハードディスクなどの記憶装置を含んでもよい。記憶部12は、上記プログラムを格納する。また、記憶部12は、プロセッサ11、通信部13、入出力部14から入力される情報や演算結果を格納する。上記プログラムは、インターネット等を介して提供されてもよいし、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよい。
【0026】
通信部13は、無線通信用の通信インタフェースを実現する集積回路等を含む。通信部13は、プロセッサ11の制御に基づいて、他の装置から受信した情報をプロセッサ11や記憶部12に入力し、他の装置に情報を送信する。
【0027】
入出力部14は、表示出力デバイスや、入力デバイス、およびそれらとのインタフェースにより構成される。入出力部14は、具体的にはディスプレイ付きタッチパネル(以下では「入力パネル」と記載する)であり、認証情報(例えばPINコードまたはパスコード)を入力するために用いられる。入出力部14は、ディスプレイおよび物理ボタンであってもよいし、他の種類の表示出力デバイスおよび入力デバイスであってもよい。入出力部14は、プロセッサ11の制御に基づいて、表示出力デバイスに画像を表示させ、入力デバイスからユーザが入力するデータを取得する。
【0028】
センサ部15は、周辺の障害物の大きさおよび位置を認識するライダーとカメラとを含む。複数の格納部16は、荷物を格納する領域である。無人配送機1の側面のそれぞれには複数の格納部16が設けられる。格納部16のそれぞれには扉付きの取出口が設けられており、その扉には鍵が設けられている。鍵制御部17は、電気的に扉の鍵の施錠、解錠を制御する回路である。格納部16には、センサ部15の一部として、格納部16内の荷物の有無を検知するセンサが配置される。なお、扉の代わりに、例えばバーなどの取出口から荷物の取出しを防ぐ鍵付きの機構が設けられていてもよい。
【0029】
無人配送機1は、その外周に、格納部16の扉が配置される側面と、その側面と異なる方向を向き入出力部14が配置される面である端部18bと、端部18bに対向する位置にある面である端部18aと、を有する。無人配送機1の上面にはライダーが設けられ、端部18aには図示しないカメラが設けられている。
【0030】
中央サーバ2は、プロセッサ21、記憶部22、通信部23、入出力部24を含む。中央サーバ2は1台の物理サーバであってもよいし、いわゆるクラウドのように、複数の物理サーバにより構成されてもよい。
【0031】
プロセッサ21は、記憶部22に記憶されたプログラムやデータに従って処理を実行する。またプロセッサ21は通信部23、入出力部24を制御する。
【0032】
記憶部22は、RAMなどの揮発性メモリと、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリと、ハードディスクなどの記憶装置とを含む。記憶部22は、上記プログラムを格納する。また、記憶部22は、プロセッサ21、通信部23、入出力部24から入力される情報や演算結果を格納する。上記プログラムは、インターネット等を介して提供されてもよいし、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよい。
【0033】
通信部23は、有線通信用の通信インタフェースを実現する集積回路等を含む。通信部23は、プロセッサ21の制御に基づいて、他の装置から受信した情報をプロセッサ21や記憶部22に入力し、他の装置に情報を送信する。なお、通信部23は、通信ネットワークおよび通信ネットワークに含まれる無線通信機器を介して無人配送機1と通信してよい。
【0034】
入出力部24は、表示をコントロールするビデオコントローラや、入力デバイスからのデータを取得するコントローラなどにより構成される。入力デバイスとしては、タッチパネル、キーボード、マウスなどがある。入出力部24は、プロセッサ21の制御に基づいて、表示出力デバイスに表示データを出力し、入力デバイスをユーザが操作することにより入力されるデータを取得する。
【0035】
次に荷物配送システムによる荷物の配送について説明する。
図3は、配送拠点3および受取場所7a,7bを概略的に説明する図である。荷物の配送先は例えば集合住宅であり、配送先には受取場所7a,7bが設けられている。受取場所7a,7bは配送拠点3から到着する無人配送機1が待機できる待機領域であり、受取場所7a,7bのそれぞれは互いに離間する複数の待機領域により構成されてもよい。
【0036】
図4は配送システムの動作を説明するシーケンス図である。
図3は無人配送機1が配送先の待機場所へ移動し、ユーザが荷物を受け取り配送が完了するまでを示す。
【0037】
はじめに、ユーザは中央サーバ2に対して商品を注文し、中央サーバ2は注文された商品を含む荷物をユーザへ配送するために、その荷物を配送させる指示(配送情報)を無人配送機1へ送信する。なお、中央サーバ2は配送拠点3へのその荷物を無人配送機1へ格納させる指示を送信し、配送拠点3のスタッフは荷物を無人配送機1の格納部16に格納する。次に無人配送機1は配送先(例えば集合住宅のエントランス)へ向けて移動し、配送先において予め指定された受取場所に到着すると到着情報を中央サーバ2へ送信する。到着情報は、無人配送機1を識別するための機体情報と、受取場所を示す情報とを含む。
【0038】
中央サーバ2は到着情報を受信すると、ユニークな認証情報を生成し、生成された認証情報を無人配送機1へ送信する。またその認証情報を含む到着通知をユーザ(厳密にはユーザの所有するデバイス)に向けて送信する。ユーザに送信される認証情報は例えばPINコードまたはパスコードである。PINコードは6桁の数字または英数字であってよく、パスコードはより長い英数字であってもよい。また認証情報としてQRコード(登録商標)等の二次元コードの画像データが送信されてもよい。無人配送機1は認証情報を受信し、引き続き受取場所に待機する。
【0039】
その後、ユーザが無人配送機1に近づくと、無人配送機1はユーザの接近を検知し、ディスプレイに認証情報入力画面を表示する。ユーザが無人配送機1の入出力部14に認証情報を入力すると、無人配送機1は受取場所を示す情報と認証情報とを中央サーバ2へ送信する。
【0040】
中央サーバ2は認証情報と受取場所とを受信すると、その認証情報が適正なものであるか確認し、その認証情報を入力したユーザを認証する。そして中央サーバ2はそのユーザが受け取る荷物を格納する無人配送機1に対して、その荷物を格納する格納部16の扉の鍵を解錠させる解錠指示を送信し、無人配送機1はその格納部16の鍵を解錠する。
【0041】
ユーザは解錠された格納部16に格納された荷物を受け取る。無人配送機1はユーザが荷物を受け取ったことを検知すると、中央サーバ2へ配送を完了したことを示す配送完了情報を送信し、中央サーバ2はユーザへ配達完了通知を送信する。その後、無人配送機1は配送拠点3へ帰還する。
【0042】
以下では、配送システムの処理についてさらに詳細に説明する。
図5は、配送システムが実現する機能を示すブロック図である。本実施形態では、荷物配送システムは、機能的に、配送指示部50と、移動制御部51と、到着情報取得部52と、認証情報発行部53と、通知部54と、認証情報受付部55と、認証部56と、解錠指示部57と、解錠部58とを含む。配送指示部50と、到着情報取得部52と、認証情報発行部53と、通知部54と、認証部56と、解錠指示部57とは、中央サーバ2に含まれるプロセッサ21が記憶部22に格納されるプログラムを実行し、通信部23を制御することにより実現される。これらの機能は、複数のサーバに含まれるプロセッサ21がプログラムを実行することにより実現されてもよい。移動制御部51と、認証情報受付部55と、解錠部58とは、無人配送機1に含まれるプロセッサ11が記憶部12に格納されるプログラムを実行し、通信部13、入出力部14、センサ部15、鍵制御部17を制御することにより実現される。
【0043】
中央サーバ2の配送指示部50は、ユーザ向けの荷物の配送を配送拠点3および無人配送機1に指示する。より具体的には、配送指示部50はユーザから注文された商品を含む荷物(ユーザ向けの荷物)が配送拠点3に存在する場合に、配送拠点3に対してそのユーザ向けの荷物を無人配送機1の格納部16へ格納する指示を送信し、また無人配送機1にそのユーザの配送先へその荷物を配送する指示(配送情報)を送信する。
【0044】
無人配送機1の移動制御部51は、無人配送機1のライダー、GPSにより取得されたデータに基づいて無人配送機1の配送拠点3から配送先への移動、および配送先から配送拠点3への移動を制御する。移動制御部51は、カメラにより取得されたデータに基づいて移動を制御してもよい。移動制御部51の機能の一部は、サーバコンピュータにより実現されてもよい。移動制御部51は無人配送機1が配送先でユーザの到着を待つための受取場所に到着すると、中央サーバ2へ現在待機している受取場所を含む到着情報を送信する。
【0045】
中央サーバ2の到着情報取得部52は、無人配送機1から、その無人配送機1により運ばれる荷物を配送先となるユーザに受け渡す受取場所を含む到着情報を取得する。
【0046】
中央サーバ2の認証情報発行部53は、その受取場所において配送先となるユーザに無人配送機1へ入力させる認証情報を発行する。認証情報は、荷物を受け取りにきたユーザを認証するために用いられる。認証情報は、ユーザを識別する情報とともに用いられず単独で用いられてもユーザを認証することが可能な情報である。認証情報発行部53は発行された認証情報が後にその受取場所について発行されることを制限する情報を設定し、受取場所について発行が制限された1または複数の認証情報と同一の認証情報の発行を制限する。認証情報発行部53は例えば、発行される認証情報をその受取場所について発行不可状態に設定し、受取場所について発行不可状態である1または複数の認証情報と異なる認証情報を発行する。発行不可状態の詳細については後述する。もちろん、認証情報発行部53は複数の荷物のそれぞれが互いに異なるユーザに配送される場合に互いに異なる認証情報を発行し、さらにそれらの認証情報を発行不可状態に設定する。
【0047】
中央サーバ2の通知部54は、発行された認証情報をユーザへ通知する(具体的にはユーザが所有するデバイスへ向けて認証情報を送信する)。ここで、通知部54は、発行された認証情報をユーザに関連付けられた関連ユーザ(例えば同居する家族のユーザ)に向けて通知してもよい。
【0048】
無人配送機1の認証情報受付部55は、ユーザから入力される認証情報を入出力部14から受け付ける。また、認証情報受付部55は受け付けた認証情報を中央サーバ2へ送信する。
【0049】
中央サーバ2の認証部56は、無人配送機1から認証情報を受信し、その認証情報に基づいてユーザを認証する。
【0050】
中央サーバ2の解錠指示部57は、認証されたユーザ向けの荷物を格納する無人配送機1へ向けて、そのユーザ向けの荷物が格納されている格納部16の鍵(厳密には格納部16の扉の鍵)を解錠させる指示(解錠指示)を送信する。
【0051】
無人配送機1の解錠部58は、解錠指示を受信し、その解錠指示に基づいてユーザ向けの荷物が格納される格納部16の鍵を解錠する。また、解錠部58は、センサ部15の出力に基づいて格納部16内の荷物がなくなったか否か(ユーザが荷物を受け取ったか否かに対応する)を検出し、ユーザが荷物を受け取ったことが検出されると、ユーザに荷物を配送したことを示す配送完了情報を中央サーバ2へ送信する。
【0052】
図6は、配送先へ向かう無人配送機1および中央サーバ2の処理の一例を示すフロー図である。
図6に示される処理は、
図4に示されるシーケンス図に示されるもののうち、到着通知の送信までに対応する。
【0053】
はじめに中央サーバ2の配送指示部50は、配送先を含む配送情報を無人配送機1に向けて送信する(ステップS201)。ここで、配送指示部50は、ユーザと荷物とその荷物を格納する無人配送機1とその荷物の配送先の受取場所とを関連付けて記憶部22に格納する。無人配送機1の移動制御部51は配送情報を取得する(ステップS101)。さらに無人配送機1の移動制御部51は配送拠点3において格納部16に配送指示が示す荷物が格納されたことを確認し(ステップS102)、無人配送機1を配送先の受取場所に向けて移動させる(ステップS103)。移動の制御は、無人運転や自動配送などの公知の技術を用いればよく、制御の詳細の説明は省略する。
【0054】
無人配送機1が配送先の受取場所に近づくまたは到着すると、移動制御部51はその受取場所および機体情報を含む到着情報を中央サーバ2へ送信する(ステップS106)。中央サーバ2の到着情報取得部52は到着情報を受信する(ステップS202)。
【0055】
中央サーバ2の認証情報発行部53は、受信した到着情報に含まれる受取場所に基づいて認証情報を発行し、その認証情報を発行不可状態に設定する(ステップS203)。認証情報発行部53はその受取場所において他のユーザに対して生成される他の認証と重複しない認証情報を発行する。認証情報の発行および発行不可状態の設定の処理の詳細については後述する。
【0056】
認証情報が発行されると、認証情報発行部53は到着情報を送信した無人配送機1へその認証情報を送信し(ステップS204)、無人配送機1はその認証情報を受信し(ステップS107)、受信した認証情報と荷物を格納する格納部16を識別する情報とを関連付けて記憶部12に格納する。
【0057】
また通知部54は配送先のユーザへその認証情報を含む到着情報を送信する(ステップS205)。
【0058】
ステップS203の処理の詳細について説明する。
図7から9は、認証情報発行部53の処理の一例を示すフロー図である。はじめに認証情報発行部53は受信した到着情報に含まれる機体情報とステップS201において記憶部22に格納された情報とに基づいて、受取場所で受け渡す荷物と、荷物を受け取るユーザとを取得する(ステップS311)。また認証情報発行部53はユーザテーブルから、荷物を受け取るユーザの設定(特に再利用フラグおよび家族フラグ)を取得する(ステップS312)。
【0059】
図10は、ユーザテーブルに格納されるデータの一例を示す図である。
図10の例では、ユーザテーブルに格納されるユーザ情報は、ユーザID、ユーザの配送先住所および配送先部屋番号、関連ユーザ、再利用フラグ、家族フラグを含む。配送先住所は配送先の建物を示す情報であり、配送先部屋番号は配送先の建物内の部屋を特定する情報である。配送先の住所および部屋番号は説明を容易にするために分離しているが、同一の項目であってもよい。関連ユーザは例えば同一の場所に住むユーザのユーザIDであって、代わりに荷物の受取が可能なユーザのユーザIDである。再利用フラグは一度発行された認証情報を、その受取場所およびユーザに対してある期間再利用することを許可するか否かを示す情報である。
図10の例では、「ON」は認証情報の再利用が可能であることを示す。また家族フラグは、関連ユーザに対して以前発行された認証情報をある期間再利用することを許可するか否かを示す情報である。
図10の例では、「ON」は関連ユーザに対して発行された認証情報の再利用が可能であることを示す。
【0060】
ユーザの設定が取得されると、認証情報発行部53はその設定の再利用フラグを判定する(ステップS314)。設定の再利用フラグがオフである場合には(ステップS314のN)、認証情報発行部53は以下で説明するステップS315からS318の処理を行わずに
図8のステップS321以降の処理を実行する。一方、設定の再利用フラグがオンである場合には(ステップS314のY)、認証情報発行部53は、発行テーブルから、荷物を受け取るユーザおよび受取場所と関連付けて格納される認証情報を検索する(ステップS315)。
【0061】
図11は発行テーブルに格納されるデータの一例を示す図である。ここで、発行テーブルは記憶部22に格納されている。発行テーブルには1または複数の発行情報が格納され、それぞれの発行情報は、受取場所、認証情報、認証情報の発行日時、ユーザID、再利用期限、制限期限、配送機を含む。ユーザIDはその認証情報において荷物を受け取るユーザを識別するものである。再利用期限はこの認証情報を同じユーザまたは関連するユーザに対して繰り返し発行することが可能な期間の終わりを示す。制限期限は、この認証情報の発行が制限される期間の終わりを示す。制限期限の間はこの認証情報が発行されることはなく、特に再利用期限の後であって制限期限の前においてはどのユーザに対してもこの認証情報が発行されることはない。
図11では再利用期限および制限期限は発行日に応じて設定される日付で示しているが、発行日時から所定の時間を足した日時であってもよい。
【0062】
認証情報発行部53は、ステップS315において、データベースマネジメントシステムを介して、荷物を受け取るユーザおよび受取場所を検索条件として発行情報を検索する。本実施形態では発行テーブルはデータベースマネジメントシステムにより記憶部22に格納されているが、認証情報発行部53が直接的に記憶部22に発行情報を格納してもよい。
【0063】
検索により発行テーブルから取得されたユーザおよび受取場所と関連付けて格納される発行情報(認証情報を含んでいる)が見つかり(ステップS316のY)、かつ現在時刻が発行情報に含まれるその認証情報の再利用期限より前である場合には(ステップS317のY)、認証情報発行部53は検索により見つかった認証情報を今回荷物の受取のためにユーザに入力させる認証情報として発行し(ステップS318)、認証情報発行部53の処理を終了する。ここで認証情報発行部53はさらに発行テーブルの発行情報の配送機などの項目を更新してもよい。
【0064】
発行情報が見つからない(ステップS316のN)または現在時刻が発行情報に含まれるその認証情報の再利用期限より後である場合には(ステップS317のN)、認証情報発行部53はステップS321以降の処理を実行する。
【0065】
これまでに説明する処理により、ユーザについて再利用フラグがオンに設定され、かつ、現在の受取場所において配送先となるユーザに対して発行不可状態に設定された認証情報が存在する場合に、認証情報発行部53は、受取場所においてユーザに入力させる認証情報として、発行不可状態に設定された認証情報を再度発行する。ただしすでに再利用期限を経過している認証情報は再度発行されることはない。
図7の例では再利用期限をチェックしているが、代わりに、発行日時をチェックすることで期限を経過しているか判定してもよいし、例えば1日1回など定期的に再利用期限を経過している発行情報を抽出し、抽出された発行情報に期限を経過した旨のフラグを設定し、ステップS317でフラグを確認する処理を行ってもよい。
【0066】
ステップS321からステップS325は、家族などの同居人が以前いずれかのユーザに発行された認証情報を用いて受取することを可能にするための処理であり、ユーザの設定が取得されたのちに実行される。
【0067】
ステップS321において、認証情報発行部53はその設定の家族フラグを判定する(ステップS321)。設定の家族フラグがオフである場合には(ステップS321のN)、認証情報発行部53は以下で説明するステップS322からS325の処理を行わずに
図9のステップS331以降の処理を実行する。一方、設定の家族フラグがオンである場合には(ステップS321のY)、認証情報発行部53は、発行テーブルから、荷物を受け取るユーザおよび受取場所と関連付けて格納される認証情報を検索する(ステップS322)。
【0068】
検索により発行テーブルから取得されたユーザおよび受取場所と関連付けて格納される発行情報(認証情報を含んでいる)が見つかり(ステップS323のY)、かつ現在時刻が発行情報に含まれるその認証情報の再利用期限より前である場合には(ステップS324のY)、認証情報発行部53は検索により見つかった認証情報を今回荷物の受取のためにユーザに入力させる認証情報として発行し(ステップS325)、認証情報発行部53の処理を終了する。ここで認証情報発行部53はさらに発行テーブルの発行情報の配送機などの項目を更新してもよい。
【0069】
発行情報が見つからない(ステップS323のN)または現在時刻が発行情報に含まれるその認証情報の再利用期限より後である場合には(ステップS324のN)、認証情報発行部53はステップS331以降の処理を実行する。
【0070】
ステップS321からS325の処理により、ユーザについて家族フラグがオンに設定され、かつ、受取場所において配送先となるユーザに関連付けられたユーザに対して発行不可状態に設定された認証情報が存在する場合には、認証情報発行部53は、受取場所において荷物を受け取るユーザに入力させる認証情報として、発行不可状態に設定された認証情報を再度発行する。ただしすでに再利用期限を経過している認証情報は再度発行されることはない。
図8の例では再利用期限をチェックしているが、代わりに、発行日時をチェックすることで期限を経過しているか判定してもよいし、例えば1日1回など定期的に再利用期限を経過している発行情報を抽出し、抽出された発行情報に期限を経過した旨のフラグを設定し、ステップS324でフラグを確認する処理を行ってもよい。
【0071】
これまでの処理で認証情報が発行されなかった場合、ステップS331において、認証情報発行部53は乱数に基づいて認証情報の候補情報を生成する。候補情報はランダムな数になる。認証情報発行部53は発行テーブル中に、現在の受取場所において、生成された候補情報と重複する認証情報が存在するかチェックする(ステップS332)。より具体的には、受取場所の項目に現在の受取場所が格納され、認証情報の項目に候補情報が格納される発行情報を検索し、その発行情報が見つかるか否かを判定してもよい。
【0072】
受取場所において重複する認証情報が見つからない場合には(ステップS333のN)、候補情報は認証情報として発行可能な状態であるため、ステップS335以降の処理を実行する。一方、受取場所において重複する認証情報が見つかった場合には(ステップS333のY)、認証情報発行部53は重複する認証情報の制限期限が現在時刻より後であるか判定する(ステップS334)。制限期限が現在時刻より後である場合には(ステップS334のY)、この候補情報をこの受取場所において発行することが不可能な状態であるため、ステップS331から処理を繰り返し他の候補情報を生成する。制限期限が現在時刻より後でない場合には(ステップS334のN)、候補情報は認証情報として発行可能な状態であるため、認証情報発行部53はステップS335以降の処理を実行する。
【0073】
ステップS355において、認証情報発行部53は候補情報をユーザに対して認証情報として発行する。そして、発行テーブルに、現在の受取場所およびユーザと関連付けて認証情報を格納する(ステップS338)。具体的には、認証情報発行部53は受取場所、発行された認証情報、現在日時を含む発行日時、発行されたユーザのユーザIDを含む発行情報を作成し、その発行情報を発行テーブルに追加する。
【0074】
なお、認証情報発行部53は、制限期限を経過している発行情報を削除する処理を例えば1日1回など定期的に実行することにより、認証情報を発行できない状態を解除してもよい。この場合には、ステップS332において、発行テーブルの発行情報を一意に識別する主キーとして受取場所および認証情報を設定しておき、受取場所の項目に現在の受取場所が格納され、認証情報の項目に候補情報が格納される発行情報を追加する際にエラーが生じるか否かによって重複をチェックしてもよいし、ステップS333で重複が見つかった場合にはステップS331から繰り返してよい。
【0075】
ステップS331からステップS333の処理により、同一の受取場所において同じ認証情報が発行されることを防ぐことができる。例えば、
図11の認証情報が「654321」である発行情報において、同じ受取場所R1と認証情報(例えば「123456」)が発行されることを防いでいる。
【0076】
図12は発行テーブルに格納されるデータの他の一例を示す図である。3月1日に受取場所「R1」において認証情報「123456」がユーザ「AAA」に対して発行されているが、制限期限が経過した後である3月4日に、受取場所「R1」において認証情報「123456」が他のユーザ「DDD」に対して発行されている。このように、認証情報の再利用を容易にすることにより、認証情報の有限な情報量を有効活用することが可能になる。
【0077】
再利用期限を設けることにより、一定の期間に複数の配送があるような場合に、認証情報を取り違える恐れを減少させつつ、ユーザに発行される認証情報の数を削減することができる。これにより、認証情報の有限な情報量を有効活用することが可能になる。また同一の住居に住むユーザに対して同じ認証情報を発行することにより、認証情報の有限な情報量を有効活用することが可能である。さらに、複数のユーザ向けの荷物を一度に受け取ることが可能になり、ユーザの受取の際の負荷を軽減することが可能になる。また同居するユーザによる受取が可能か選択することを可能にすることで、例えば家族間での予期せぬ受取を防ぐことが可能になる。
【0078】
また実際に認証情報を利用可能な期限(例えば再利用期限)と制限期限との間の期間を設けることにより、他のユーザが誤って古い認証情報を入力することにより本来渡すべきでない荷物を渡してしまうといった問題の発生を抑制することができる。
【0079】
本実施形態では発行テーブルを用いて発行されている認証情報の発行を制限しているが、他の方法により制限がされてもよい。例えば複数の認証情報が順序づけて格納される表を作成しておき、認証情報発行部53がその表の中で次に発行される認証情報の位置を1ずつ増加させることで認証情報の発行を制限してもよい。表において、ランダム性を有しかつできるだけ多くの種類の認証情報が1回のみ出現するように複数の認証情報が並んでいる場合には、位置を増加させることにより同じ認証情報の発行をある程度の期間制限することが可能になる。
【0080】
図13は、配送先で待機をはじめた後の無人配送機1および中央サーバ2の処理の一例を示すフロー図である。
図13には無人配送機1と中央サーバ2について、ユーザによる受取コードの入力、解錠および配達完了に関する処理が記載されている。
【0081】
はじめに、認証情報受付部55は、ユーザが入出力部14のタッチパネルの前にいるか否か判定する(ステップS123)。認証情報受付部55はタッチパネルが押下されたか否かにより判定してもよいし、センサ部15の赤外線センサやライダーの検知結果に基づいてユーザが入出力部14の前にいるか判定してもよい。ユーザが入出力部14の前にいない場合は(ステップS123のN)、ステップS123の処理を繰り返す。
【0082】
ユーザが入出力部14の前にいる場合は(ステップS123のY)、認証情報受付部55は認証情報入力画面を入出力部14のディスプレイに表示させる(ステップS124)。そして、認証情報入力画面を認識したユーザが受取コードを入力すると、認証情報受付部55は入出力部14からその入力された認証情報を取得する(ステップS125)。ここで、認証情報受付部55はタッチパネルに入力されるPINコードを認証情報として取得してよい。認証情報受付部55は認証情報を取得すると、認証情報と受取場所とを中央サーバ2へ送信する(ステップS126)。なお、認証情報の代わりに、認証情報が加工された情報(例えばハッシュ)が送信されてもよい。
【0083】
中央サーバ2の認証部56は通信部23を介して認証情報と受取場所とを受信する(ステップS221)。認証部56は受信した認証情報と受取場所とに基づいてユーザを認証する(ステップS222)。またユーザが認証されると、解錠指示部57は解錠対象となる無人配送機1へ、解錠対象となる格納部16を解錠させる解錠指示を送信する(ステップS225)。解錠指示は解錠対象となる格納部16を示す情報(例えば格納部16の識別情報や、受取するユーザを識別する情報)を含む。
【0084】
無人配送機1の解錠部58は、解錠指示を受信し、ユーザあての荷物が格納された格納部16の扉を解錠する(ステップS132)。
図13には記載がないが、無人配送機1は、ユーザの荷物の受け取りを検知し、ユーザへの配送が完了したことを示す配送完了情報を中央サーバ2へ送信してよい。このようにして、発行された認証情報を用いてユーザが荷物を受け取ることができる。